JP4935701B2 - 直交周波数分割多重通信装置及び方法 - Google Patents

直交周波数分割多重通信装置及び方法 Download PDF

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本発明は、直交周波数分割多重(OFDM)技術を用いた通信システムにおいて、第三者がその通信内容を取得することを防ぐ技術に関する。
OFDM技術は、送信データを複数のサブキャリアを用いて並列に伝送する方式であり、各サブキャリアのシンボルレートが比較的低くなるためシンボル間干渉に強く、デジタル地上波放送や、無線LAN(Local Aera Network)システムで既に使用されており、光通信システムへの適用についても検討されている(例えば、非特許文献1及び2、参照。)。
図4は、OFDM通信システムの概略的な構成図である。図4によると、送信側通信装置は、シリアルパラレル(S/P)変換部11と、マッピング部12と、ファーストフーリエ逆変換(IFFT)部13と、送信部14とを備えており、受信側通信装置は、受信部21と、ファーストフーリエ変換(FFT)部22と、デマッピング部23と、パラレルシリアル(P/S)変換部24とを備えている。
S/P変換部11は、送信データを、使用するサブキャリア数のデータ列にパラレル変換し、マッピング部12は、各サブキャリの変調方式に基づき、各入力データに対応する複素平面上の座標、つまり、複素値を求め、IFFT部13は、各サブキャリアに対応する入力ポートに入力された複素値を離散フーリエ逆変換して時間領域の信号に変換し、送信部14は、伝送媒体に応じた処理、例えば、空間を伝送媒体として無線信号により送信する場合には周波数変換処理及び増幅処理等を行い、伝送媒体に信号を送信する。なお、マッピング部12には、周期的に、送信データではなく、既知のデータ値を入力する。つまり、送信側通信装置が送信する信号は、図5に示すように既知のデータ値に対応する同期シンボルが周期的に表れたものとなる。
受信部21は、伝送媒体から入力される信号の受信処理、例えば周波数変換等の処理を行い、FFT部22は、時間領域信号を離散フーリエ変換して、各サブキャリアの複素値を求め、デマッピング部23は、各サブキャリアの複素値、即ち、複素平面上での座標から、そのサブキャリアが搬送していたデータ値を判定し、P/S変換部24は、各サブキャリアからのデータをシリアル変換して出力する。なお、デマッピング部23は、送信側にて周期的に送信された既知のデータ値を探索し、フレーム同期を確立する。
Arthur James Lowery、et al.、"Orthogonal−frequency−division multiplexing for dispersion compensation of long−haul optical systems"、2006 Optical Society of America、OPTICS EXPRESS 2079、Vol.14 No.6、2006年3月 Ivan B. Djordjevic、et al.、"Orthogonal frequency division multiplexing for high−speed optical transmissions"、2006 Optical Society of America、OPTICS EXPRESS 3767、Vol.14 No.9、2006年5月
通信システムには、安全性、つまり、通信に無関係な第三者が通信内容を取得できない様にすることが要求される。
したがって、本発明は、通信に無関係な第三者が通信内容を取得することを難しくする、OFDM通信装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明における通信装置によれば、
直交周波数分割多重通信装置であって、シンボル番号と、該シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリアの座標変換量を示すマッピングテーブルと、送信するシンボルのシンボル番号を管理する手段と、シンボルの各サブキャリアで搬送するするデータ値に対応する座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に基づくサブキャリアを含むシンボルを送信する手段とを備えている。
本発明における通信装置によれば、
直交周波数分割多重通信装置であって、シンボル番号と、該シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリアの座標変換量を示すマッピングテーブルと、受信するシンボルの各サブキャリアが周期的に搬送している既知のデータ値と、マッピングテーブルに基づき、既知のデータ値に対応する座標に施された座標変換量を求めることで、受信する各シンボルのシンボル番号を判定する手段と、受信するシンボルの各サブキャリアに基づく複素平面上の座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に対応するデータ値を求める手段とを備えている。
本発明における通信方法によれば、
シンボル番号と、該シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリアの座標変換量を示すマッピングテーブルとを保持し、周期的に既知のデータ値を各サブキャリアで搬送する通信装置による直交周波数分割多重通信方法であって、送信側通信装置と、受信側通信装置が保持するマッピングテーブルは同一であり、送信側通信装置が、シンボルの各サブキャリアで搬送するデータ値に対応する座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に基づくサブキャリアを含むシンボルを送信するステップと、受信側通信装置が、受信するシンボルの各サブキャリアが周期的に搬送している既知のデータ値と、マッピングテーブルに基づき、既知のデータ値に対応する座標に施された座標変換量を求めることで、受信する各シンボルのシンボル番号を判定するステップと、受信側通信装置が、受信するシンボルの各サブキャリアに基づく複素平面上の座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に対応するデータ値を求めるステップとを備えている。
マッピングテーブルは、各シンボルについて、各サブキャリアの座標変換量を示すものであり、送信側通信装置において、マッピングテーブルに基づき座標変換し、受信側通信装置において、マッピングテーブルに基づき送信側とは逆変換を行い復調する。このマッピングテーブルを持たない第三者が、既知の同期シンボルのみに基づき、マッピングテーブルを生成して正しい復調処理を行うことは難しく、簡易な方法で秘匿性の高い通信を実現することができる。
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明による通信装置の送信側の構成図である。図1によると、通信装置は、シリアルパラレル(S/P)変換部11と、マッピング部12と、ファーストフーリエ逆変換(IFFT)部13と、送信部14と、マッピングテーブル15とを備えている。
S/P変換部11は、送信データを、使用するサブキャリア数のデータ列にパラレル変換し、マッピング部12は、各サブキャリの変調方式に基づき、各サブキャリアで搬送するデータ値に対応する複素平面上の座標、つまり、複素値を求める。IFFT部13は、各サブキャリアに対応する入力ポートに入力された複素値を離散フーリエ逆変換して時間領域の信号に変換し、送信部14は、伝送媒体に応じた処理、例えば、空間を伝送媒体として無線信号により送信する場合には周波数変換処理及び増幅処理等を行い、伝送媒体に信号を送信する。なお、マッピング部12には、周期的に、送信データではなく、送信側及び受信側通信装置で既知のデータ値を入力する。つまり、送信側通信装置が送信するシンボルは、図5に示す様に、既知のデータ値に対応する同期シンボルが周期的に表れたものとなる。
本発明において、マッピング部12は、入力データ値に対応する複素平面上の座標を、マッピングテーブル15が示す位相だけ回転させた上で、回転後の座標を、IFFT部13に出力する。図3は、マッピングテーブル15を示す図である。図3によると、マッピングテーブルはシンボル番号(1からM)と、各シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリア(1からN)に対する座標変換量を示している。図3の例において、第1番目のシンボルの、第1番目及び第2番目のサブキャリアについては、それぞれ、30度及び45度だけ位相を回転させることを、第M番目のシンボルの、第1番目及び第2番目のサブキャリアについては、それぞれ、50度及び0度だけ位相を回転させることを示している。このため、マッピング部12は、送信シンボルに、1からMのシンボル番号を巡回的に付与し、現在処理しているシンボルがいずれのシンボル番号であるかを管理している。
図2は、本発明による通信装置の受信側の構成図である。図2によると、通信装置は、受信部21と、ファーストフーリエ変換(FFT)部22と、デマッピング部23と、パラレルシリアル(P/S)変換部24と、マッピング同期部25と、マッピングテーブル26とを備えている。
受信部21は、伝送媒体から入力される信号の受信処理、例えば周波数変換等の処理を行い、FFT部22は、時間領域信号を離散フーリエ変換して、各サブキャリアの複素値、つまり、複素平面上での座標を求め、デマッピング部23は、各サブキャリアの複素平面上での座標からそのサブキャリアのデータを判定し、P/S変換部24は、各サブキャリアのデータをシリアル変換して出力する。
しかしながら、本発明においてFFT部22が出力する座標は、送信側においてマッピングテーブル15に基づき回転させられたものであるため、回転量についての情報なしにデマッピング部23は、データ値の判定を行うことはできない。このため、受信側においても送信側と同じマッピングテーブル26を保持する。しかしながら、受信側通信装置は、現在のシンボルに施された位相回転量が、マッピングテーブル26のどのシンボル番号に対応しているかの情報がなければ、送信側と同じマッピングテーブル26を保持していても正しく復調することはできない。
このため、マッピング同期部25は、同期シンボル、つまり、各サブキャリアが周期的に搬送している既知のデータ値と、マッピングテーブル26に基づき、既知のデータ値に対応する座標に施された座標変換量を求め、これにより、受信する各シンボルのシンボル番号を判定する処理を行う。なお、本処理を、以後、マッピングテーブル同期処理と呼び、対応関係を認識している状態をマッピングテーブル同期が取れている状態と呼ぶ。なお、以下の説明において、同期シンボルは、M+3シンボルに1回挿入されるものとする。
まず、マッピング同期部25は、マッピングテーブル26の第1番目から第M番目のいずれかの回転量を用いることで、現在受信しているシンボルの各サブキャリアに基づく座標が、既知のデータ値に対応する座標に変換されるか否かを判定する。既知のデータ値に対応する座標とならなければ、既知のデータ値に対応する座標となるサブキャリアを含むシンボルが受信されるまで同じ処理を行う。
現在受信しているシンボルの各サブキャリアに基づく座標が、マッピングテーブル26の第p番目(1≦p≦M)のシンボル番号の各サブキャリアの回転量により、既知のデータ値に対応する座標に変換された場合、次の同期シンボル、つまり、M+3シンボル後に受信するシンボルの、各サブキャリアに対応する座標が、マッピングテーブル26の第q番目のシンボル番号の回転量により、既知のデータ値に対応する座標に変換されるか否かを判定する。ここで、
q=p+M+3 mod M、ただし、q=0の場合はq=10
である。もし、既知のデータ値に対応する座標にならなければ、最初から同じ処理を繰り返す。既知のデータ値に対応する座標になれば、更に、数回、M+3シンボル後のシンボルが、マッピングテーブル26の対応するシンボル番号の回転量で変換することにより、既知のデータ値に対応する座標になるか否かを判定し、既知のデータ値に対応する座標になればマッピングテーブル同期が取れたものと判定する。
マッピングテーブル同期状態において、デマッピング部23は、受信したシンボルの各サブキャリアに基づく複素平面上の座標を、マッピングテーブル26の、現在受信しているシンボル番号の各サブキャリアの座標変換量に基づき変換し、変換後の座標に対応するデータ値を求める。もちろん、マッピングテーブル同期が取れた後も、同期シンボル位置でマッピング同期の確認を行う。
以上、OFDM変調は、複数のサブキャリアを並列伝送するものであり、回転量を時間方向と周波数方向の両方において、できるだけランダムに設定することにより、マッピングテーブル15及び26を持たない第三者が、既知の同期シンボルのみに基づき正しい復調処理を行うことは難しくなり、簡易な方法で秘匿性の高い通信を実現することができる。なお、位相のみを変換させる形態にて説明を行ったが、位相及び振幅の両方をある計算式に従い変換する形態であっても良い。このとき、振幅については剰余演算により最大振幅を制限する。
本発明による通信装置の送信側の構成図である。 本発明による通信装置の受信側の構成図である。 マッピングテーブルを示す図である。 OFDM通信システムの概略的な構成図である。 フレーム構成を示す図である。
符号の説明
11 シリアルパラレル変換部
12 マッピング部
13 IFFT部
14 送信部
15、26 マッピングテーブル
21 受信部
22 FFT部
23 デマッピング部
24 パラレルシリアル変換部
25 マッピング同期部

Claims (3)

  1. 直交周波数分割多重通信装置であって、
    シンボル番号と、該シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリアの座標変換量を示すマッピングテーブルと、
    送信するシンボルのシンボル番号を管理する手段と、
    シンボルの各サブキャリアで搬送するするデータ値に対応する座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に基づくサブキャリアを含むシンボルを送信する手段と、
    を備えている通信装置。
  2. 直交周波数分割多重通信装置であって、
    シンボル番号と、該シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリアの座標変換量を示すマッピングテーブルと、
    受信するシンボルの各サブキャリアが周期的に搬送している既知のデータ値と、マッピングテーブルに基づき、既知のデータ値に対応する座標に施された座標変換量を求めることで、受信する各シンボルのシンボル番号を判定する手段と、
    受信するシンボルの各サブキャリアに基づく複素平面上の座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に対応するデータ値を求める手段と、
    を備えている通信装置。
  3. シンボル番号と、該シンボル番号に対応するシンボルの各サブキャリアの座標変換量を示すマッピングテーブルとを保持し、周期的に既知のデータ値を各サブキャリアで搬送する通信装置による直交周波数分割多重通信方法であって、
    送信側通信装置と、受信側通信装置が保持するマッピングテーブルは同一であり、
    送信側通信装置が、シンボルの各サブキャリアで搬送するデータ値に対応する座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に基づくサブキャリアを含むシンボルを送信するステップと、
    受信側通信装置が、受信するシンボルの各サブキャリアが周期的に搬送している既知のデータ値と、マッピングテーブルに基づき、既知のデータ値に対応する座標に施された座標変換量を求めることで、受信する各シンボルのシンボル番号を判定するステップと、
    受信側通信装置が、受信するシンボルの各サブキャリアに基づく複素平面上の座標を、該シンボルのシンボル番号に対応する各サブキャリアの座標変換量に基づきそれぞれ変換し、変換後の各座標に対応するデータ値を求めるステップと、
    を備えている通信方法。
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