JP4934527B2 - アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油、及びそれを用いたアルミニウム連続鋳造方法 - Google Patents
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上記鋳型潤滑油としては、ひまし油や合成エステルが使用されている(特許文献1、2)。これらのエステルは、アルミニウム溶湯が鋳型と接する個所に供給された場合、優れた潤滑性を有する。しかし、上記冷却帯において、冷却水に混合して安定なエマルションを生成する。
また、上記基油として、40℃の温度における動粘度を300〜2000cStの高粘度鉱物油を用いることにより、均一且つ十分な潤滑油膜を鋳型内面に形成することができ、アルミニウム溶湯表面と鋳型内壁面との間の高温部分に優れた潤滑性を維持することができる。
これにより、本発明によれば、アルミニウムの連続鋳造を行う際にアルミニウム溶湯と鋳型間の潤滑性に優れ、潤滑油が水と混合した状態においてエマルション化し難く、エマルション化した後においても、油水分離性に優れ、冷却水中の油分を容易に低減できるアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油を得ることができる。
上記油性剤の含有量が10%未満の場合には、潤滑性が不足し、鋳肌のあれや割れが生じるという問題がある。一方、上記油性剤の含有量が40%を超える場合には、乳化性が高まるため、油水分離性が低下するという問題がある。
(a)下記の一般式で表されるポリアクリル酸のエステル
(b)下記の一般式で表されるポリメタクリル酸のエステル
この場合には、上記アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油の高温における潤滑性能をさらに向上させることができる。
取り扱い性等を考慮して、エステル化されるアルコールのC数1〜3で、鉱油との相溶性を考慮して40℃での動粘度20000〜100000cStのものが好適に使用される。
また、上記ポリアクリル酸のエステルの40℃での動粘度が20000未満の場合には、アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油の粘度を低下させ、鋳型潤滑性を低下させるおそれがあり、一方、上記ポリアクリル酸のエステルの40℃での動粘度が100000cStを超える場合には、アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油の粘度が高くなり、鋳型への供給性や鋳型潤滑性を低下させるおそれがある。
柔軟性の点からメタクリル酸とエステル化するアルコールのC数は1〜3、鉱油との相溶性を考慮して、40℃での動粘度20000〜100000cStのものが好適に使用される。
また、上記ポリメタクリル酸のエステルの40℃での動粘度が20000未満の場合には、アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油の粘度を低下させ、鋳型潤滑性を低下させるおそれがあり、一方、上記ポリメタクリル酸のエステルの40℃での動粘度が100000cStを超える場合には、アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油の粘度が高くなり、鋳型への供給性や鋳型潤滑性を低下させるおそれがある。
本例は、本発明のアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油にかかる実施例、及び比較例について説明する。
本例では、表1に示すごとく、本発明の実施例としての複数種類のアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油(試料E1〜試料E10)と、表2に示すごとく、本発明の比較例としての複数種類のアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油(試料C1〜試料C9)を作製した。
温度40℃における動粘度が200cStの鉱油をa1、
温度40℃における動粘度が300cStの鉱油をa2、
温度40℃における動粘度が400cStの鉱油をa3、
温度40℃における動粘度が2000cStの鉱油をa4、
温度40℃における動粘度が4000cStの鉱油をa5、
ひまし油をa6と示した。
そして、表1及び表2において、
カルシウムスルホネートをb1、
カルシウムカルボキシレートをb2、
ペンタエリスリトールイソステアリン酸テトラエステルをb3と示した。
表1及び表2において、用いたポリアクリル酸のエステルとポリメタクリル酸のエステルの動粘度、エステル化されたアルコールのC数を示した。
本例では、図1に示す連続鋳造システム1を用いて、鋳型潤滑油として上記実施例1において作製したアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油(試料E1〜試料E10、及び試料C1〜試料C9)を使用して、それぞれアルミニウムの連続鋳造を行い、上記試料E1〜試料E10、及び上記試料C1〜試料C9の鋳型への供給性、鋳型潤滑性、及び油水分離性の評価を行った。評価結果を表3に示す。
アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油の鋳型への供給性は、潤滑油の供給量を測定し、これを相対比較して、工業生産上支障のない限界レベルを8とし、この基準に基づいて相対的な点数をつけることにより評価した。点数が8以上を合格とし、点数が7以下を不合格とする。
鋳型潤滑性は、鋳造したアルミニウム鋳塊の表面を観察し、その欠陥の程度を、工業生産上支障のない限界レベルを8とし、この基準に基づいて相対的な点数をつけることにより評価した。点数が8以上を合格とし、点数が7以下を不合格とする。
図1の鋳込ピットに落下する潤滑油と冷却水からなるエマルションをメスシリンダーに採取し、10分間静置、分離後の水槽の油分濃度を測定した。工業生産上支障のない限界レベルを8とし、この基準に基づいて相対的な点数をつけることにより評価した。点数が8以上を合格とし、点数が7以下を不合格とする。
総合評価は、鋳型への供給性、鋳型潤滑性、油水分離性の3項目の全てが合格であり、かつ、上記3項目のうち点数が10である項目が2つ以上ある場合を評価◎とし、上記3項目が全て合格であり、上記3項目のうち点数が10である項目が1つ以下である場合である場合を評価○とした。上記3項目のうち点数が7以下の項目が1つ以上あり、最小の点数が6又は7である場合を評価△とし、上記3項目のうち点数が7以下の項目が1つ以上あり、最小の点数が5以下である場合を評価×とした。評価が◎及び○の場合を合格、評価が△及び×の場合を不合格とした。
また、図1に示す連続鋳造システムを使用して7日間操業を行ったが、鋳型への供給性、鋳型潤滑性は実用上全く支障のないレベルに維持され、油水分離性も良好であった。
比較例としての試料C2は、基油の含有量が本発明の下限を下回り、油性剤の含有量が本発明の上限を上回るため、乳化性が高まり、油水分離性が不合格であった。
比較例としての試料C4は、基油の動粘度が本発明の上限を上回るため、鋳型への潤滑油の供給が困難になり、鋳型への供給性が不合格であった。
比較例としての試料C6は、アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油として、ひまし油を用いたため、油水分離性が不合格であった。
比較例としての試料C7は、基油の含有量が本発明の上限を上回り、油性剤の含有量が本発明の下限を下回るため、潤滑性が不足し、鋳型潤滑性が不合格であった。
2 連続鋳造鋳型
21 内壁面
3 アルミニウム鋳塊
31 溶湯
4 下型
5 鋳込みピット
6 クーリングタワー
7 アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油
8 冷却水
Claims (4)
- 40℃の温度において300〜2000cStの動粘度を有する高粘度鉱物油からなる基油60〜90%(質量%、以下同じ)と、スルホン酸金属塩及びカルボン酸金属塩から選ばれた少なくとも1種以上からなる油性剤10〜40%とを含有することを特徴とするアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油。
- 請求項1において、上記スルホン酸金属塩、及び上記カルボン酸金属塩を構成する金属が、Al、Ag、Ba、Be、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Hg、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Sr、Th、Ti、Zn、Zrの少なくとも1種以上からなることを特徴とするアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油。
- 請求項1又は請求項2において、上記連続鋳造用鋳型潤滑油は、さらに、下記(a)に示すポリアクリル酸のエステル、及び下記(b)に示すポリメタクリル酸のエステルから選ばれた少なくとも1種以上からなる第2油性剤を10〜40%添加してなることを特徴とするアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油。
(a)下記の一般式で表されるポリアクリル酸のエステル
(b)下記の一般式で表されるポリメタクリル酸のエステル
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油を、連続鋳造用鋳型の内壁面に連続的に供給してアルミニウム又はアルミニウム合金の連続鋳造を行うことを特徴とするアルミニウム連続鋳造方法。
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JP2007172901A JP4934527B2 (ja) | 2007-06-29 | 2007-06-29 | アルミニウム連続鋳造用鋳型潤滑油、及びそれを用いたアルミニウム連続鋳造方法 |
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