JP4932808B2 - フレーム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば複写機、印刷機、断裁機、製本機、工作機器、X線照射装置をはじめとする医療機器、写真現像機、テレビ、放送用機器、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、金属製家具、自動販売機、建設機器、エレベータ、車両など、電子部品が内蔵された筐体(これらを総称して電子機器とよぶ)を支持するフレームに関する。
一般に、複写機等の電子機器は、例えば作像エンジン等の各種部品を筐体の内部に配置した構成であり、筐体の底部には、剛性を確保するためのフレームが取り付けられている。このフレームは、通常、キャスターなどの移動用回転体が装着されており、電子機器を床面上で移動しやすくなっている。
また、上記フレームには相当の剛性が必要とされ、特に底部に配置されるフレームは、電子機器等の全体の荷重がかかるため、その剛性の向上が求められる。そこで、特許文献1には、角型中空材を溶接によって接合して基本骨格構造を構成し、該基本骨格構造を2枚以上の板材で溶接によって挟み込んだ、画像形成装置のフレームが提案されている。
特開2005−354856号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のフレームにおいては、多数の角型中空材を組み合わせることによって構成される基本骨格構造や、該基本骨格構造に溶接によって接合する2枚の板材や、たわみ補強部材としての複数の補強用角型中空材等を用いているため、各部材同士の接合や溶接が多く、重量が大きくなってしまうという問題点があった。さらに、構成部材が多いために、接合工程が煩雑化してしまう懸念があった。
そこで、上記問題点に鑑み、本発明の目的は、溶接等の接合工程等の製作工程が簡略化されると共に、十分な剛性が得られ、軽量化された、電子機器を保持するためのフレームを提供することにある。
本発明によれば、電子機器を保持するフレームであって、8の字型形状または内部空間が2以上に分断された変形8の字型形状を有し、管の長手方向に直交する方向において閉鎖断面を有する中空の金属管からなる内側部材と、角形断面形状、溝形断面形状、H形断面形状、Z形断面形状のいずれかの断面形状を有する形金属からなる、前記内側部材の外側を囲む四角形状の外側部材とを備え、前記内側部材は、略円形状、または略M字形状の2つの金属管が固着されて構成され、前記2つの金属管は、それぞれハイドロフォームによって一体成形されている、フレームが提供される。
なお、この場合、略円形状とは、完全な円形でなくても良く、例えば、U字形状の各端部同士が固着した形状等である。また、複数のU字形状の金属管が横並びに連続的に連結されたように成形された金属管を用いてもよく、略M字形状の金属管とは、2つのU字形状の金属管が横並びで連結されたように形成された金属管のことを示している。
前記2つの金属管が互いに固着する接続部同士は、一方の金属管の接続部を他方の金属管の接続部に挿入することによって固着されていても良い。
また、前記内側部材の断面形状は、例えば扁平形状である。
また、前記外側部材の四隅には、前記内側部材の外側に空間部が形成され、前記空間部には、前記内側部材と前記外側部材を接続する補強部材が配置されていても良い。この場合、前記補強部材は、例えば金属管または天井部、側部及びフランジ部から構成されるフランジ付カップ部材である。また、前記補強部材の内部にキャスターなどの移動用回転体が収納されていても良い。更に、前記外側部材の四隅には、前記内側部材と前記外側部材を接続する板部材が配置されていても良い。
また、前記フレームを覆うように金属板が設置されてもよい。この場合、前記金属板は、例えば平板、波板または折板である。また、前記金属板は、前記フレームの全体を覆っても、一部を覆っても良く。更に、前記金属板は、前記フレームの片面に設置されても、両面に設置されても良い。
なお、本発明のフレームは、例えば複写機の底部に配置されるフレームである。
本発明によれば、接合工程等の製作工程が簡略化されると共に、十分な剛性が得られ、軽量化された、電子機器を保持するためのフレームが提供される。
以下、本発明の実施の形態の一例を、図面を参照にして説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態にかかるフレーム1が形成される過程の説明図である。以下、図1を参照してフレーム1の形成過程を説明する。図1(a)に示されるように、内部空間4を囲むようにループ状に形成された略円形状の金属管5が2つ用意される。ここで、略円形状の金属管5は、図2(a)に示すように、鋼管等の閉鎖断面を有する中空の直線形状の金属管5をループ状に湾曲させ、両端面5’が同一平面となるようにそろえた状態で、金属管5の端部外周面6同士を接合させることにより形成される。この形成過程において、略円形状の金属管5の内側に内部空間4が形成される。略円形状の金属管5は、例えばハイドロフォームによって一体成形して製造することができる。但し、略円形状の金属管5の形成方法はこれに限られるものではなく、例えば、U字型鋼管の両端部を接合することで形成してもよい。
そして、2つの略円形状の金属管5の両端面5’を、互いにつき合わせて溶接によって接合させることで、図1(b)に示すように、8の字型形状の内側部材10が構成される。このように、8の字型形状に形成された内側部材10にあっては、2つの内部空間4が互いに分断された状態で内側に形成された状態となる。また、内側部材10の中央には、2つの金属管5の端部外周面6同士および両端面5’同士が接合された部分(以下、「接合部7」と呼ぶ)が形成される。
そして、図1(c)に示すように、8の字型形状に形成された内側部材10の外側を四角形状に囲むように4つの形鋼11を配置し、各形鋼11の端部11’同士を直角にして付き合わせた状態で溶接によって接合させる。また、各形鋼11の内面を内側部材10の外面に溶接によって接合することにより、外側部材12が形成され、内側部材10と形鋼11を一体化させる。
こうして、図1(d)に示すように、8の字型形状をした内側部材10の外側に四角形状の外側部材12が配置されたフレーム1が得られる。かかるフレーム1にあっては、内側部材10の外側に四角形状の外側部材12が一体化して取り付けられたことにより、強固なフレーム1が構成されることとなる。
なお、8の字型形状の内側部材10は、図2(b)に示すように、金属管5を略M字形状の金属管8に加工した2つの金属管を固着して形成しても良い。
図3は、図1(d)のx−x断面である内側部材10と外側部材12との接合部の断面図である。この例では、内側部材10(金属管5)は、閉鎖断面を有する中空の円管であり、外側部材12(形鋼11)は、溝形鋼であり、外側部材12の内側(溝開口部)を内側部材10の外側に固着させた構成である。なお、内側部材10としてはJIS規格STKM11〜13等が例示され、外側部材12としてはJIS規格SPC270〜440等が例示される。
ここで、図4を参照して、本実施にかかるフレーム1の剛性について説明する。図4は、捻れ(a)、面内せん断(b)、面外曲げ(c)、面内曲げ(d)についての説明図である。捻れに対する剛性とは、図4(a)に示すように、フレーム1の一辺1aを固定した状態において、一辺1aと対向する辺1bに回転モーメント(偶力F)を作用させた場合のフレーム1の剛性を示す。上述したように、図1に示したフレーム1においては、内側部材10は閉鎖断面を有する金属管5からなる。中空で閉鎖断面を有している金属管5は、棒鋼等の鋼材と比較して、捻れに対する剛性が高い。従って、フレーム1全体としての捻れに対する剛性は、内側部材10があることによって高くなる。また、内側部材10と外側部材12とが固着されることにより、捻れに対する剛性はより高まる。またこの場合に、内側部材10と外側部材12の間隙部において双方に固着される補強部材26が設けられることによって、フレーム1の角部における局所的な捻れ変形が拘束されるため、フレーム1の捻れに対する剛性は更に高まる(図12〜図18参照)。
また、図4(b)に示すように、面内せん断に対する剛性とは、フレーム1の一辺1aを固定した状態において、一辺1aと対向する辺1bに水平方向の力Fを辺1bと平行に作用させた場合に対する剛性である。図5に示す模式図のように、本実施の形態にかかるフレーム1においては、外側部材12の内側に複数の筋交い8(内側部材10)が配置された状態となる。特に、外側部材12の内側中央には、接合部7で接合されたX形状の筋交い8が配置された状態となる。このため、フレーム1の面内せん断に対する剛性は相当に高くなる。またこの場合に、内側部材10と外側部材12の間隙部において双方に固着される補強部材26が設けられると、補強部材26がフレーム1の角部における部分的な筋交いの働きをなすことになり、内側部材10による筋交い効果との組み合わせにより、更に面内せん断に対する剛性は高くなる。
また、図4(c)、図4(d)に示すように、フレーム1の面外曲げおよび面内曲げに対する剛性とは、フレーム1の任意の位置にそれぞれフレーム1の表面に垂直な方向に力Fを加えた場合に対する剛性である。本実施の形態にかかるフレーム1においては、外側部材12を四角形状に構成し、ループ状の内側部材10と外側部材12とが固着されることによって面外曲げに対する剛性はいずれも高いものとなる。
また、図4(d)に示すように、面内曲げに対する剛性とは、フレーム1の辺1aと辺1bが固定された状態で、フレーム1の中間部の任意の位置に、水平方向の力Fを加えた場合に対する剛性である。本実施の形態にかかるフレーム1においては、外側部材12の内側に配置された内側部材10が、1つの辺に作用する力Fを、対向する辺に効率的に伝達するように働くため、フレーム1の面内曲げ剛性は高くなる。また、内側部材10と外側部材12の間隙部において双方に固着される補強部材26が設けられることによって、フレーム1の角部における局所的な面内変形が拘束されるため、フレーム1の面内曲げに対する剛性は更に高まる。
なお、8の字型形状の内側部材10を構成する略円形状の金属管5(または略M字形状の金属管8)は、ハイドロフォームによって一体的に成形されることが好ましい。それにより、少ない部材数でフレーム1を製造でき、接合工程が簡略化されると共に、フレーム1の軽量化が図れることとなる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるフレーム1は内側部材10、外側部材12から構成される。内側部材10として閉鎖断面を有する金属管を用いたことや、内側部材10を外側部材12と一体化させ、更に、8の字型形状の内側部材10の中央に接合部7を設けたことにより、フレーム1の剛性は、上記捻れ、面内せん断、面外曲げ、面内曲げに対して極めて高いものとなる。また、ハイドロフォーム成形によって一体的に成形した内側部材10を用いることで、フレーム1に用いる部材数が少なく抑えられ、その結果、接合工程等フレーム1の製作工程が簡略化される。さらには、中空である内側部材10を用いたことで軽量化が図られた電子機器保持用のフレーム1が得られることとなる。なお、本実施の形態では、フレーム1を電子機器保持のために用いるとしたが、これに限るものではなく、例えば、トラック車両のラダーフレーム等の大型フレームとしての使用も可能である。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
ここで、外側部材12(形鋼11)の断面形状を図6に例示する。図6(a)に示す外側部材12(形鋼11)は、内側端部にリップ15を有するC形鋼である。図6(b)に示す外側部材12(形鋼11)は、ウェブの中間に折り曲げ加工部16を設けた溝形鋼である。図6(c)に示す外側部材12(形鋼11)は、ウェブの中間に突起17を有する溝形鋼である。また、図6(d)に示す外側部材12(形鋼11)は、ウェブを二重にするように板18を加え、断面に閉ループを有する溝形鋼である。図6(e)に示す外側部材12(形鋼11)は、H形鋼であり、図6(f)に示す外側部材12(形鋼11)は、Z形鋼である。
以上、外側部材12(形鋼11)の断面形状の例を示したが、本発明におけるに示す外側部材12(形鋼11)の断面形状はこれらに限るものではない。
また、上記実施の形態では内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)として円管を用いたが、内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)として用いる部材は閉鎖断面を有するものであればよく、円管に限られない。そこで、以下に図面を参照して内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)として用いられる部材の形状および外側部材12(形鋼11)との接続の態様について説明する。
図7(a)は、内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)として扁平形状の鋼管を用いた場合の断面図(図1x−x断面)である。なお、扁平形状の鋼管からなる内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)も、ハイドロフォーム成形によって略円形状または略M字形状に一体成形することができる。
図7(a)に示す内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)は、円管に比べて幅広であるため、図4(a)で説明した捻れに対する剛性がより高くなる。さらに、円管を用いた場合に比べてフレーム1全体の厚さが小さく、フレーム1によって電子機器を保持した際の電子機器の床板の厚さを小さくさせることが可能となる。
また、図7(b)に示すように、内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)の端部21を外側部材12(形鋼11)の内部に挿入し、さらに、外側部材12(形鋼11)と内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)を、ネジ22を用いて接合しても良い。かかる構成によれば、内側部材10(略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8)の端部21を外側部材12(形鋼11)の内部に挿入することにより、両者をしっかりと接合させ、剛性がより高くなる。また、ネジ22で接合すれば接合が容易になり、分解も可能となる。
なお、図1(d)に示すように、四角形状の外側部材12の内部に8の字型形状の内側部材10が配置されていることにより、外側部材12の四隅には、内側部材の外側に空間部25が形成されることとなる。そこで、必要に応じ、この空間部25に、内側部材10と外側部材12を接続する補強部材26を配置しても良い。補強部材26には、例えば鋼管が用いられる。また、補強部材26と内側部材10との接続、補強部材26と外側部材12との接続は、例えば溶接、ネジ止めなどによって好適に行うことができる。
このように空間部25に補強部材26を配置することにより、外側部材12と内側部材10との間の接続箇所を増やすことができ、フレーム1全体としての面外曲げおよび面内曲げに対する剛性が、さらに高くなる。
なお、補強部材26は、鋼管に限られるものではない。以下に図面を参照して補強部材26として用いられる部材の形状を例示し、その作用効果について説明する
図8は補強部材26として薄鋼板30を用いた場合のフレーム1の隅部を上から見た図である。図8に示すように、フレーム1の隅部に補強部材として三角形状の薄鋼板30が設けられる。この時、薄鋼板30は内側部材10および外側部材12の両者に接合される。補強部材26として薄鋼板30を設けることにより、金属管を用いた場合同様、捻れ、面内せん断、面外曲げ、面内曲げそれぞれに対するフレーム1の剛性が高まることとなる。なお、薄鋼板30はフレーム1の四隅の4箇所と、その裏に対応する部分の計8箇所に設けられることが望ましい。
図9は補強部材26としてフランジ付カップ40を設置した場合のフレーム1の隅部の様子を上から見た図である。また、図10はフランジ付カップ40の斜視図である。フランジ付カップ40は天井部44、側部(カップ部)41およびフランジ部42からなる。図9に示すようにカップ部41は上記実施の形態の金属管(補強部材26)の場合と同様に、内側部材10と外側部材12の間隙部において両者に接合するように固着され、フランジ部42は上記図8に示した薄鋼板30と同様にフレーム1の隅部に固着される。
図9に示すようにフレーム1においてフランジ付カップ40を補強部材26として設けた場合に、フレーム1の構造性能は、上述したような金属管(補強部材26)または薄鋼板30を補強部材として設けた場合に比べてさらに高まる。さらに、図10に示すようにフランジ付カップ40のカップ部41内には、フレーム1が電子機器を保持した場合の移動機構として用いられるキャスター等の移動用回転体43を設けることができる。そのため、フランジ付カップ40はフレーム1の構造性能を高める補強部材としての役割と同時に、移動用回転体43を支持する支持部材および移動用回転体43の格納部としての役割を果たし、更に有用性が高まる。
なお、移動用回転体43が大型の場合、図11に示すように、例えば内側部材10に、フランジ付カップ40のカップ部41を収納させる凹部45を設けることも可能である。これにより、カップ部41には、より大きな移動用回転体43を収納することが可能となり、フレーム1に支持される電子機器等の移動性能の安定性が向上する。
また、図20に示すように、フレームの片面もしくは両面に金属板46を設置して、外側部材12及び/又は内側部材10と接続することで、上記の各剛性を更に強化することができる。この場合、金属板46は平板の他に、波板や折板など加工したものを用いることで、より効率的に剛性を改善することができる。
また、本発明においては、接合部7は必ずしもフレーム1の中央近傍に設けられる必要はなく、例えば、図12に示すように、接合部7が外側部材11の一辺の中央部に固着するように設けられることとしても良い。この場合、例えば、内側部材10は8の字型フレーム1の平面内において、略B字形状を構成することとなる。
また、上記実施の形態においては、両端面5’を同一平面にそろえた状態で略円形状のループ上の金属管5または略M字形状の金属管8を形成する例を示したが、図13に示すように、中空の金属管の両端面5’を突き合わせて円形状または略M字形状に形成した2つの金属管5(または8)を、側面同士で接合して8の字型形状の内側部材10を構成しても良い。また、金属管5(または8)の形状は、円形状の他楕円形状でもよい。
また、図14に示すように、接合部7における金属管5の端部外周面6同士の接合を、接合金物50を介して接合してもよい。さらに、図15に示すように、略円形状の金属管9には断続部51が設けられてもよい。なお、図15においては、外側部材12の短辺部中央近傍において内側部材10に2箇所の断続部51が設けられていることとしているが、これに限られることは無い。また、必ずしも2箇所である必要もない。但し、内側部材10の断続部51は外側部材12と接合されている必要があり、互いの部材(内側部材10と外側部材12)同士の間で、力が伝達されることが必要である。また、図16に示すように、断続部51には、内側部材10と異なる素材である樹脂等からなる挿入部材52が挿入されていてもよい。
また、本発明においては、図17に示すように、外側部材12は断続的な四角形状をとることとしてもよい。ここで、図17では外側部材12の対向する短辺部にそれぞれ途切れ部53を設けることとしているが、これに限られることはなく、短辺部に設けられてもよい。また、必ずしも2箇所である必要もない。但し、上記内側部材10が断続的である場合同様、外側部材12の途切れ部53は内側部材10と接合されている必要があり、互いの部材(内側部材10と外側部材12)同士の間で、力が伝達されることが必要である。
また、接合部7は、必ずしも1箇所である必要はなく2箇所以上であってもよい。図18には、接合部7が2箇所設けられた場合のフレーム1を示す。このような形態とすることにより、例えば、縦横比の大きい長方形のような形状のフレーム1を製作する際に、好適に内側部材10をフレーム1内に組み込むことが可能となる。
上述してきた本発明の実施の形態およびその変形例において、内側部材10を構成する略円形状の金属管5同士または略M字形状の金属管8同士を接合・固着させる場合や、内側部材10および外側部材12と補強部材26の固着においては、溶接を用いることを前提として説明してきたが、本発明はこれに限るものではなく、ネジ、ボルト、リベット、カシメ、接着、勘合などの接合方法を用いることができる。例えば、図19に示すように、略円形状の金属管5同士または略M字形状の金属管8同士の接合は、一方の略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8の端部に設けられた勘合部60を他方の略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8の勘合部60に挿入することで、2つの金属管同士を接合して内側部材10を構成することとしてもよい。かかる構成により、フレーム作製時の溶接工程を減少させ、より効率的にフレーム1が作製される。なお、一方の略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8の勘合部60を他方の略円形状の金属管5または略M字形状の金属管8の勘合部60に挿入後、ネジ等を用いて固着することにより、接合がより確実となる。
以上述べた本発明にかかる実施の形態およびその変形例では、内側部材10、外側部材12、補強部材26等の材質は鋼材であるとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばアルミによって形成されることとしてもよい。
本発明は、例えば複写機、印刷機、断裁機、製本機、工作機器、X線照射装置をはじめとする医療機器、写真現像機、テレビ、放送用機器、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、金属製家具、自動販売機、建設機器、エレベータ、車両など、電子部品が内蔵された筐体(これらを総称して電子機器とよぶ)を支持するフレームに適用できる。
フレーム1が形成される過程の説明図である。 略円形状の金属管5、略M字形状の金属管8の形成過程の説明図である。 図1(d)のx−x断面図である。 フレーム1の剛性についての説明図である。 内側部材10の筋交いとしての形状を表す模式図である。 外側部材12(形鋼11)の断面形状を例示した図である。 内側部材10(略円形状の金属管5)として扁平形状の鋼管を用いた場合の断面図である。 補強部材26として薄鋼板30を用いた場合のフレーム1の隅部を上から見た図である。 補強部材26としてフランジ付カップ40を設置した場合のフレーム1の隅部の様子を上から見た図である。 フランジ付カップ40の斜視図である。 フランジ付カップ40のカップ部41を収納させる凹部45を設けた場合の説明図である。 接合部7が外側部材12の一辺の中央部に固着する場合の説明図である。 略楕円形部材10’を二つ連結することによって8の字形状を構成する場合の説明図である。 接合部7における内側部材10同士の接合を、接合金物50を介して接合する場合の説明図である。 略円形状の金属管9に断続部51が設けられる場合の説明図である。 断続部51に内側部材10と異なる素材である挿入部材52が挿入されている場合の説明図である。 外側部材12が断続的な四角形状をとる場合の説明図である。 接合部7が2箇所設けられた場合の説明図である。 略円形状の金属管5同士の接合が一方の略円形状の金属管5の勘合部60を他方の略円形状の金属管5の勘合部60に挿入することで行われる場合の説明図である。 フレームの片面もしくは両面に金属板46を設置して、外側部材12及び/又は内側部材10と接続する場合の説明図である。
符号の説明
1…フレーム
4…内部空間
5…略円形状の金属管
6…金属管5の端部外周面
7…接合部
10…内側部材
11…形鋼
12…外側部材
26…補強部材
30…薄鋼板
40…フランジ付カップ
43…移動用回転体
50…接合金物
51…断続部
52…挿入部材
53…途切れ部

Claims (9)

  1. 電子機器を保持するフレームであって、
    複数の内部空間が分断された状態で内側に形成された、管の長手方向に直交する方向において閉鎖断面を有する中空の金属管からなる内側部材と、
    角形断面形状、溝形断面形状、H形断面形状、Z形断面形状のいずれかの断面形状を有する形金属からなる、前記内側部材の外側を囲む四角形状の外側部材とを備え
    前記内側部材は、略円形状、または略M字形状の2つの金属管が固着されて構成され、
    前記2つの金属管は、それぞれハイドロフォームによって一体成形されている、フレーム。
  2. 前記2つの金属管が互いに固着する接続部同士は、一方の金属管の接続部を他方の金属管の接続部に挿入することによって固着されている、請求項1に記載のフレーム。
  3. 前記内側部材の断面形状は、扁平形状である、請求項1又は2に記載のフレーム。
  4. 前記外側部材の四隅には、前記内側部材の外側に空間部が形成され、
    前記空間部には、前記内側部材と前記外側部材を接続する補強部材が配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のフレーム。
  5. 前記補強部材は、金属管または天井部、側部及びフランジ部から構成されるフランジ付カップ部材である、請求項4に記載のフレーム。
  6. 前記補強部材の内部に移動用回転体が収納されている、請求項5に記載のフレーム。
  7. 前記外側部材の四隅には、前記内側部材と前記外側部材を接続する板部材が配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載のフレーム。
  8. 前記フレームの片面あるいは両面に金属板が設置されている、請求項1〜7のいずれかに記載のフレーム。
  9. 複写機の底部に配置されるフレームである、請求項1〜8のいずれかに記載のフレーム。
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