JP4932428B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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Description

本発明は電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造用鋳型に関し,安定的に電磁力を溶融金属に印加し,長期にわたり良質の鋳片を得ることができる鋳型に関するものである。
溶融金属の連続鋳造において,溶融金属の湯面の安定化,連続鋳造した鋳片表面の平滑化,及び鋳造速度の高速化を達成するために,例えば,特許文献1にあるように,溶融金属に電磁力を作用させて鋳造を行う技術が開発されている。これは,鋳型を包囲するように配置され,耐火物で絶縁された電磁コイルに交流電流を供給して,鋳型内の溶融金属のメニスカス部を湾曲させ,鋳型と溶融金属の間にCCパウダーの流入を促すとともに,初期凝固における鋳型と鋳片との接触圧を軽減することにより,表面性状の向上を図る技術である。
特許文献2には,鋳型を周回する電磁コイルに高周波電流(数kHz以上)を通して発生させた高周波磁場を鋳型内の溶融金属に作用させるための装置について開示されている。ここでは,鋳型上部に,鋳造方向に平行な複数のスリットを設け,磁場が減衰しないようにしてある。
特許文献3には,メニスカス初期凝固部に,低周波交流電流を付与する電磁コイルを有し,且つ分割冷却部が冷却通路を有する複数の冷却銅板とバックプレートで形成され,分割冷却部の外壁が分割冷却銅板の冷却通路側を非磁性ステンレス鋼のバックプレートの冷却通路側と対面させ密閉固定することにより形成され,冷却銅板同士の接合面に電気絶縁物を添接することにより冷却銅板同士が互いに電気絶縁された複数の分割冷却部で形成された鋳型が開示されている。
特許文献4には,電磁コイルを有する連続鋳造用装置の鋳型であって,一対の第一の冷却銅板が一対の第二の冷却銅板に挟まれ,第一の冷却銅板と組み合わされる一対のバックプレートと,第二の冷却銅板と組み合わされる一対のバックプレートとが,絶縁物を介して電気的に絶縁され,第一の冷却銅板と第二の冷却銅板との合わせ面は,合わせ面の絶縁物を介して電気的に絶縁されており,かつ第一及び第二の冷却銅板の鋳造面のコーナー部から50mm以内に,コーナー部近傍の絶縁物が設置された連続鋳造用鋳型が開示されている。
特許文献5には,電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造装置の連続鋳造用鋳型において,一対の第一の冷却銅板が一対の第二の冷却銅板に挟まれ,前記第一の冷却銅板と前記第二の冷却銅板との合わせ面は,絶縁物を介して電気的に互いに絶縁されており,前記一対の第一の冷却銅板に組み合わされる第一のバックプレートと前記第二の冷却銅板に組み合わされる第二のバックプレートとは,絶縁物を介して電気的に互いに絶縁して締結固定され,かつ,前記一対の第一のバックプレートおよび前記一対の第二のバックプレートのうち少なくとも一つのバックプレートの外周面が電気的絶縁物で被覆された連続鋳造用鋳型が開示されている。
特許文献6には,電磁コイル(連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に直角な方向に電磁力を印加させる溶融金属の連続鋳造装置において,前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を連続的または間欠的に通電する電磁コイル)を有し,一対の第一の冷却銅板には一対の第一のバックプレートが,一対の第二の冷却銅板には一対の第二のバックプレートがそれぞれ組み合わされ,一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが,一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに移動可能に挟まれて構成される連続鋳造用鋳型において,前記一対の第一の冷却銅板および一対の第二の冷却銅板のいずれか(または双方)が,鋳造方向に平行または鋳造方向から5°以下傾斜して,板幅方向に2以上に分割され,分割部が電気的に絶縁されて接触しており,且つ前記2以上に分割された冷却銅板と組み合わされたバックプレートは,2分割以上に分割された冷却銅板と非接触または電気的に絶縁されている連続鋳造用鋳型が開示されている。
特開昭52−32824号公報 特開平5−15949号公報 特開2000−246397号公報 特開2003−145251号公報 特開2003−145252号公報 国際公開番号WO2004/078380 A1
しかしながら,電磁力を発生させる電磁コイルは,鋳型の外側に配置されるため,導電性の鋳型に誘起される誘導電流により,鋳型内部の溶融金属へ作用する電磁力は減衰する。この減衰は,使用する交流電流の周波数にも依存し,周波数が高いほど,鋳型での磁場の減衰は大きい。特許文献1においては,磁場の減衰を小さくするように鋳型のメニスカス部を含む範囲にステンレスの内張りを設けるように記載されているが,電磁コイルによる誘導電流を抑えきれず,溶融金属への磁場が減衰することが避けられなかった。
また特許文献2のようにスリットを用いる方法では,バックプレート等で鋳型の補強が出来ないために剛性が劣り,鋳型に熱変形が生じやすく,また鋳型内の種々の異物がスリット(空隙)内部に侵入し,磁場が不安定になるという問題があった。
更に,特許文献3乃至6に開示されている鋳型においては,絶縁場所,電気的絶縁層などについて記述されており,短時間の鋳造においては,磁場の減衰は問題なかったが,長時間の鋳造に使用した場合に,絶縁が劣化して磁場が減衰すると共に,電気的絶縁層が損傷するという問題があり,耐久性に乏しいものであった。
本発明の目的は,電磁コイルにより発生させた磁場を溶融金属に作用させて鋳造する連続鋳造用鋳型において,長時間使用しても絶縁劣化による磁場の減衰が起こらず,安定して良質の鋳片を製造できる耐久性のある鋳型を提供することである。
上記問題は,後述する様に,溶融金属またはCCパウダーに含まれる硫黄と銅との反応によって起こるものである。鋳型のメニスカス高さ近傍において,鋳型を絶縁するための電気的絶縁物近傍の,鋳造方向に平行な面に銅が露出していると,硫黄と銅とが反応して生成した導電性の銅硫化物が,長時間の鋳造中に,電気的絶縁物上および周辺に堆積することによって絶縁が劣化し,磁場が減衰するという問題が起こる。ここで,銅硫化物は,溶融金属やCCパウダーに直接接する稼動面に形成するばかりでなく,分割銅板の隙間または銅板の合わせ面などの僅かな隙間の面,更にバックプレート側の面にも形成するため,電気的絶縁物を設ける面及びこれに隣り合う面にも銅硫化物を形成しないための処理が必要である。上記問題は,以下に述べる本発明の連続鋳造用鋳型によって解決される。
(1) 連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に垂直な方向に電磁力を印加するために,前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を通電する電磁コイルを備え,一対の短辺側の冷却銅板(以下,「第一の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第一のバックプレート」という。)が,一対の長辺側の冷却銅板(以下,「第二の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第二のバックプレート」という。)がそれぞれ組み合わされ,一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが,一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに対して移動可能に挟まれて構成された溶融金属の連続鋳造用鋳型において,前記鋳型は,前記第一及び第二の冷却銅板のうち少なくとも一つ以上が前記冷却銅板の板幅方向に2以上に分割され,分割された前記冷却銅板の対向する分割面該分割面に隣り合う面のうちのバックプレート側の面および稼動面の,少なくともメニスカスを含む鋳造方向の高さ範囲に,ニッケルまたはその合金,コバルトまたはその合金,クロムまたはその合金,鉄またはその合金のいずれか1以上よりなるコーティング層を設け,前記第一の冷却銅板の分割面または前記第二の冷却銅板の分割面に設けられた相対するコーティング層間に電気的絶縁物を設けることを特徴とする溶融金属の連続鋳造用鋳型。
(2) 連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に垂直な方向に電磁力を印加するために,前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を通電する電磁コイルを備え,一対の冷却銅板(以下,「第一の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第一のバックプレート」という。)が,もう一対の冷却銅板(以下,「第二の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第二のバックプレート」という。)がそれぞれ組み合わされ,一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが,一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに固定的に挟まれて構成された溶融金属の連続鋳造用鋳型において,前記鋳型は,前記第一の冷却銅板と第二の冷却銅板の各々の対向する合わせ面該合わせ面に隣り合う面のうちのバックプレート側の面および稼動面の,少なくともメニスカスを含む鋳造方向の高さ範囲に,ニッケルまたはその合金,コバルトまたはその合金,クロムまたはその合金,鉄またはその合金のいずれか1以上よりなるコーティング層を設け,少なくとも一箇所以上の前記第一の冷却銅板と前記第二の冷却銅板との合わせ面に設けられた相対するコーティング層の間に電気的絶縁物を設けることを特徴とする溶融金属の連続鋳造用鋳型。
(3) 前記電気的絶縁物がセラミックスからなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の連続鋳造用鋳型。
(4) 前記電気的絶縁物として,鋳型の高さ方向の上端から1/2の高さ乃至2/3の高さまでの絶縁物として,ジルコニアセラミックスを用い,残りの範囲の絶縁物としてイットリアセラミックスを用いることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
(5) 前記第一及び第二のバックプレートは,前記第一及び第二の冷却銅板と電気的に絶縁されており,且つ前記第一のバックプレートと前記第二のバックプレートとが非接触または電気的に絶縁されていることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
本発明によれば,電磁力を付与して溶融金属の連続鋳造する際,長期使用に際しても,鋳型の絶縁性を安定して確保でき,長期にわたって良質な鋳片を得ることができる。
従来から,溶融金属の連続鋳造用鋳型には,伝熱性が良好な銅または銅合金が用いられる。その一方で,銅または銅合金は,耐摩耗性および耐食性が良くないため,溶融金属に接する面(稼動面)において,摩耗や腐食が問題となる鋳型下部には,ニッケルメッキ,コバルト−ニッケルメッキ,自溶性合金溶射などのコーティングを設けて使用されるのが一般的である。銅板の稼動面においては,コーティングを設けると,前記コーティング材料はすべて銅または銅合金よりも熱伝導率が小さいため,溶融金属から鋳型への抜熱が低下することから,特に冷却を強化したいメニスカス高さ近傍においては,銅または銅合金のままで使用されることが多いが,場合によっては薄いコーティングを設ける場合もある。一方,鋳型銅板の稼動面以外の面,すなわち,側面や稼動面の反対側の面(バックプレート側)は,銅または銅合金のまま使用されるのが一般的である。
発明者らは,図6に示すような分割冷却銅板を組み立てた鋳型を連続鋳造装置に組み込み,溶融金属の鋳造を実施した(図6(a)において,紙面下方向が鋳造方向である)。図6(a)は,従来の冷却銅板の斜視図,図6(b)はメニスカス高さでの従来の冷却銅板の水平断面図を示す。図7は,図6に示した従来の冷却銅板を短辺側に移動自在に配置した連続鋳造用鋳型を模式的に示した斜視図である。高さ900mmで板幅250mmの冷却銅板は,板幅方向の中央で鋳造方向に平行に,分割冷却銅板21および分割冷却銅板22に,2分割されており,稼動面は,上端から高さ方向の半分までは銅のまま,高さ方向の半分より下端まで,厚みが1mmのコバルト−ニッケルメッキ23が設けてある。分割冷却銅板21の分割面には,プラズマ溶射法により,厚み0.2mmのジルコニアセラミックス溶射層24を形成することによって電気的絶縁物を設けた。もう一方の分割冷却銅板22の分割面には,何も処理を行わず,ジルコニアセラミックス溶射層24を設けた分割銅板21と,分割面が接するように組み立てた。分割冷却銅板と組み合わされるバックプレート26の間には,厚さ0.5mmのマイカ板25を挟み,分割冷却銅板21,22とバックプレート26を,絶縁ワッシャー27および絶縁スリーブ28を介し,締結ボルト29により締結し,分割冷却銅板21および分割冷却銅板22とバックプレート26の間の電気的絶縁を確保するように鋳型を形成した。このジルコニアセラミックス溶射層24を設けた鋳型を図7に示すように連続鋳造設備に組み込み,電磁力を作用させない状態で溶融金属の鋳造を行い,分割冷却銅板21および分割冷却銅板22の間の電気抵抗値をテスターを用いて測定した。分割冷却銅板21,22間の鋳造前の電気抵抗値は60MΩであったが,鋳造を続けるに従い,前記電気抵抗値は徐々に低下し,400時間の鋳造後には3Ωまで低下した。この鋳型を解体し,詳細に調査を行った。
外観で明らかな変化は,ジルコニアセラミックス溶射層24の表面および側面において,メニスカス高さを中心に,その上下100mmくらいの範囲にわたって付着物が形成されていた。また,バックプレート26側の面においても,分割面近傍のメニスカス高さを中心に,その上下100mmくらいの範囲にわたって,同様な付着物が観察された。これらの付着物の分析を行ったところ,銅硫化物であることが明らかとなった。銅硫化物は,導電性をもつことから,鋳造を続けることによって分割冷却銅板21,22間の電気抵抗値が低下したのは,銅硫化物がジルコニアセラミックス溶射層24の表面および側面に徐々に蓄積し,電気的絶縁物を挟んで組み合わされた二つの分割冷却銅板21,22の間に電流の経路を形成することによるものであることが分かった。
分割面においては,分割冷却銅板21にはジルコニアセラミックス溶射層24が付与されていたものの,分割冷却銅板22の分割部表面は銅そのままであったことから,鋳造中に分割部の隙間に進入した硫黄が分割冷却銅板22の銅表面と反応して形成された銅硫化物が,ジルコニアセラミックス溶射層24の表面に付着したものと考えられる。また,分割冷却銅板21および分割冷却銅板22の双方共に,稼動面はコーティング無しの銅板であったことから,稼動面表面で銅と硫黄が反応して形成された銅硫化物が,分割冷却銅板21の分割面に付与されたジルコニアセラミックス溶射層24の側面に移着および堆積したものと考えられる。一方,バックプレート26側の面についても,分割面の隙間から進入した硫黄がバックプレート26に接する面の銅板と反応し,銅硫化物を形成したものと考えられる。硫黄は,融点が80℃,沸点が400℃であることから,鋳造中は液体または気体として存在すると考えられ,分割面の隙間に容易に侵入し,分割面の銅と反応するばかりでなく,バックプレート26側の銅とも反応し,銅硫化物を形成したものと考えられる。以上のことから,鋳型上部,特にメニスカス高さ近傍において,銅板をコーティングせずにそのままで使用すると,銅硫化物の形成および電気的絶縁層への付着は避けがたいことが明らかとなった。
また,前記使用後の分割冷却銅板21を,メニスカス高さで鋳造方向に垂直に切断し,その断面を埋め込み研磨して断面を観察したところ,分割冷却銅板21とのジルコニアセラミックス溶射層24との間に剥離が観察された。この部分の元素分析から,剥離した部分の銅板の表面に硫黄が検出された。銅は硫黄と反応しやすいため,溶射皮膜との接合界面において,銅が優先的に硫黄と反応し,銅のみが侵食されたことが剥離の理由と考えられた。
以上の調査結果から,鋳型のメニスカス高さ近傍において,分割面,すなわち電気的絶縁物を設ける面および該分割面に隣り合う面のうち,少なくとも鋳造方向に平行な面の,メニスカスを含む範囲に銅が露出していると,銅が優先的に硫黄と反応し,導電性のある銅硫化物が生成および蓄積し,絶縁部に電流の経路を形成して絶縁が劣化するのみならず,電気的絶縁物のコーティング層の剥離をもたらすことが明らかとなった。
ここで,問題を引き起こす硫黄は,鋳造に用いられる潤滑剤(CCパウダー)や溶融金属に不純物として含まれていたものと考えられる。CCパウダーや溶融金属に含まれる硫黄は,元々少なく,更に硫黄を取り除くことは,大変なコスト高になることから,現状レベルの硫黄が含まれていても問題が生じないようにする必要がある。これらの問題を解決するためには,分割冷却銅板21,22の分割面に接する面のうち,少なくとも鋳造方向に平行な面の,メニスカスを含む範囲を,銅が露出しないように耐硫黄性を有する材料を用い,銅板に耐硫化性コーティングを行うことが有効である。
鋳型の外側に設置した電磁コイルにより,溶融金属に電磁力を作用させて鋳造する場合,製造される溶融金属の鋳片の形状によって鋳型の絶縁の設置方法を変えることが出来る。すなわち,冷却銅板を分割し,その分割面に電気的絶縁物を付与する方法,および組み立てる冷却銅板の合わせ面に電気的絶縁物を付与する方法である。尚,本発明の電磁コイルに通電する交流電流の周波数において,数10Hzとは20Hz以上をいい,数100Hzとは500Hz以下をいう。
まず,スラブの様に,鋳片の断面積が比較的大きく,幅可変を行って種々のサイズを製造する連続鋳造用鋳型(幅可変鋳型)においては,冷却銅板を2以上に分割し,その分割面に電気的絶縁物を設ける方法が有効である。冷却銅板を2以上に分割し,その分割面に電気的絶縁物を設ける場合は,対向する分割面および該分割面に隣り合う面のうち,少なくとも鋳造方向に平行な面の,少なくともメニスカスを含む範囲に耐硫化性コーティングを設ける必要がある。
次に,ビレットやブルームの様に,断面積が比較的小さく,固定幅の鋳片を製造する連続鋳造用鋳型(幅固定鋳型)においては,銅板の合わせ面に電気的絶縁物を設ける方法が有効である。銅板の合わせ面に電気的絶縁物を設ける場合は,対向する合わせ面および該合わせ面に隣り合う面のうち,少なくとも鋳造方向に平行な面の,少なくともメニスカスを含む範囲に耐硫化性コーティングを設ける必要がある。
一般的な連続鋳造用鋳型において,メニスカス高さは,鋳型上端から50mmから150mmの間であることが多いことから,耐硫化性コーティングを設ける範囲は,鋳型の上端から300mmの範囲は必須であり,高さ方向の全体に設けることが望ましい。
図1は幅可変鋳型に対応した,本発明の実施の形態にかかる,冷却銅板を分割し,その対向する分割面に電気的絶縁物を付与する連続鋳造鋳型の組立状態を示す斜視図の一例である。図2は,分割した第一の冷却銅板1を第一のバックプレート3に組み立てた状態を示す概略図であり,図2(a)は斜視図,図2(b)はメニスカス高さでの水平断面図である。図1では,一対の第二の冷却銅板2(長辺)で挟まれた一対の第一の冷却銅板1(短辺)の双方を2分割し,分割面および分割面に隣り合う面のうち,鋳造方向に平行な面(即ち,第一の冷却銅板1の分割面および内外両側面)に銅を露出させないように耐硫化性コーティング5が設けてある。第一の冷却銅板1の分割面には電気的絶縁物6が設けられるが,この電気的絶縁物6は分割面のいずれか一方または双方の面に配置される。この場合,2分割された第一の冷却銅板1の一方の分割面に耐硫化性コーティング5を設けた後,更にその上(分割面に設けられた耐硫化性コーティング5の上)に電気的絶縁物6を積層しても良いし,2分割された第一の冷却銅板1の両方の分割面に耐硫化性コーティング5を設けた後,更にその上(分割面に設けられた耐硫化性コーティング5の上)に電気的絶縁物6をそれぞれ積層しても良い。また,このような積層とせずに,2分割された第一の冷却銅板1の両方の分割面同志の間に電気的絶縁物6を介在させても良い。
第一の冷却銅板1は,バックプレート3に取り付ける際,図2に示すように,電気的絶縁物7を介して組み立てられている。また,冷却銅板1とバックプレート3を締結する方法として,絶縁ワッシャー8および絶縁スリーブ9を介した締結ボルト10を用いて締結し,冷却銅板1とバックプレート3の間に電気的導通が起こらないように組み立ててある。これは,冷却銅板1とバックプレート3とが電気的に絶縁されずに組み立てられると,冷却銅板1に発生した誘導電流が,バックプレート3を介して流れることになり,磁場が減衰する可能性があるためである。
一対の第一の冷却銅板1は,バックプレート4に取り付けられた一対の第二の冷却銅板2(長辺)に移動可能に挟まれて組み立てられており,バックプレート3に取り付けられた駆動シリンダー12によって,鋳造中に幅可変が出来るようになっている。第一の冷却銅板1に取り付けられたバックプレート3と第二の冷却銅板2に取り付けられたバックプレート4とは,非接触にすることにより,電気的導通が起こらないように組み立ててある。この鋳型の周囲には,鋳型内の溶融金属のメニスカス部近傍において,溶融金属に鋳型内壁に垂直な方向に電磁力を印加するための電磁コイル11が設けられている。ここでは,第一の冷却銅板1を分割した例について,説明しているが,第二の冷却銅板2を分割する場合も同様である。
冷却銅板を分割する方法としては,冷却銅板の鋳造方向の上端から下端まで完全に分割する方法,および鋳造方向の一部分だけを分割する方法があり,どちらの方法によっても,電磁力の減衰を抑制することが可能である。
鋳造方向の一部分だけを分割する方法の場合,鋳型の下端部のある長さだけ分割せずに残しその上部を分割する方法,鋳型の上端部のある長さだけ分割せずに残しその下部を分割する方法,および鋳型の上端部および下端部のある長さだけを分割せずに残し,中間部を分割する方法が用いられる。鋳型の一部分だけを分割する方法の利点は,鋳型の剛性の低下を抑制し,冷却銅板の熱変形に対する強度を高めることが可能であることである。ただし,一部分だけ分割する方法では,電気的絶縁の評価を電気抵抗の測定によってすることができないという短所もある。
一方,上端から下端まで完全に分割する方法の場合でも,冷却銅板をバックプレートに取り付ける際,十分な機械的強度を持つように組み立てれば,分割したことによる剛性の低下を抑えることができる。さらに鋳型上部での熱影響による分割冷却銅板間の開き変形を防止する観点から,分割冷却銅板の上部に二枚の分割銅板を締め付けるキャップ状のクランプ機構を設けることや,また,二枚の分割冷却銅板を幅方向に貫通するボルトなどで締め付ける方策は有効である。上端から下端まで完全に分割する方法の利点は,分割冷却銅板に付与する耐硫化性コーティングや電気的絶縁物の設置が容易であることである。また,電気的絶縁の評価を電気抵抗の測定によってすることができるという長所もある。
冷却銅板の分割方向については,鋳造方向に平行に分割しても良いし,鋳造方向にある角度傾斜させて分割しても良い。分割面を鋳造方向にある角度傾斜させることの利点は,分割面に付与した電気的絶縁物と,鋳片との接触位置が高さ方向によって変化することで,鋳片の同じ位置が熱伝導率の小さい電気的絶縁物と常に接触し続けることが避けられるため,鋳片の凝固が安定することである。分割方向が鋳造方向に平行であっても,耐硫化性コーティングと電気的絶縁物とを合わせた厚みが,1mm以下であれば,鋳片の凝固に影響を及ぼすことはない。
冷却銅板を分割し,その分割面に電気的絶縁物を付与する方法の場合,冷却銅板に付与する耐硫化性コーティング厚みとしては,5μm以上が望ましい。これは,前記材料が,硫黄に対する耐食性が銅または銅合金よりも優れているとはいえ,全く反応しない訳ではないため,長期間の鋳造に耐え得るためには,最低5μmは必要である。
耐硫化性コーティングの厚み上限については,被覆する面毎に異なる。まず,分割面については,耐硫化性の材料でコーティングした後,電気的絶縁物を設ける必要があり,耐硫化性コーティング厚みと電気的絶縁物の厚みを合わせた厚みが分割部に存在することになる。前述した様に,耐硫化性コーティングと電気的絶縁物とを合わせた厚みが1mm以下であれば,鋳片の凝固に影響しないことから,その範囲で耐硫化性コーティングの厚みを設定すれば良い。
また,稼動面の耐硫化性コーティング厚みの上限については,溶融金属からの抜熱を妨げない程度の厚みが望ましいことから,0.2mm以下が望ましい。一方,バックプレート側の面については,溶融金属やCCパウダーと直接接する面ではないので,0.1mm程度あれば十分である。
図3は,幅固定鋳型に対応した,本発明の実施の形態にかかる,冷却銅板の合わせ面に電気的絶縁物を付与する連続鋳造用鋳型の組み立て状態を示す斜視図の例である。図4は,このように組み立てられた本発明の実施の形態にかかる連続鋳造用鋳型のメニスカス高さの水平断面図である。図3および図4において,本発明の実施の形態にかかる連続鋳造用鋳型は,一対の第一の冷却銅板1には一対の第一のバックプレート3が,一対の第二の冷却銅板2には一対の第二のバックプレート4がそれぞれ組み合わされ,一対の第一の冷却銅板1が一対の第二の冷却銅板2に固定的に(即ち,一対の第一の冷却銅板1が一対の第二の冷却銅板2に対して移動しないように)挟まれて構成されている。さらに第一の冷却銅板1と第二の冷却銅板2の合わせ面および該合わせ面に隣り合う面のうち,鋳造方向に平行な面には銅を露出させないための耐硫化性コーティング5が設けてある。即ち,第一の冷却銅板1と第二の冷却銅板2の合わせ面と,第一の冷却銅板1の内外両側面,第二の冷却銅板2の内側面および第二の冷却銅板2の左右側面に銅を露出させないための耐硫化性コーティング5が設けてある。
また,第一の冷却銅板1に取り付けられたバックプレート3と第二の冷却銅板2に取り付けられたバックプレート4とは,電気的絶縁物13を設け,絶縁ワッシャー8および絶縁スリーブ9を介した締結ボルト10を用いて締結することにより,電気的導通が起こらないように組み立ててある。この鋳型の周囲には,鋳型内の溶融金属のメニスカス部近傍において,溶融金属に鋳型内壁に垂直な方向に電磁力を印加するための電磁コイル11が設けられている。
第一の冷却銅板1と,これを挟んで構成される第二の冷却銅板2の合わせ面には,電気的絶縁物6が設けられるが,この電気的絶縁物6は第一の冷却銅板1および第二の冷却銅板2のいずれか一方または双方の面に配置される。図5は,図4に示した本発明の連続鋳造用鋳型のメニスカス高さの合わせ面(コーナー)近傍を拡大した水平断面図である。
組み立てる冷却銅板1,2の合わせ面に電気的絶縁物6を付与する方法の場合,第一の冷却銅板1の合わせ面は銅板の側面となり,第二の冷却銅板2の合わせ面は銅板の稼動面となる。冷却銅板1,2に付与する耐硫化性コーティング5の厚みとしては,前記の理由で,すべての面で5μm以上が必要である。耐硫化性コーティング5の厚み上限については,被覆する面毎に異なる。合わせ面は,製造される鋳片のコーナー部にあたり,凝固不均一に対する感受性は,稼動面におけるそれよりも小さいものの,鋳片のコーナーの凝固不均一も鋳片の性状に影響を及ぼすことから,合わせ面での耐硫化性コーティング厚みと電気的絶縁物6の厚みとの合計が1mm以下となるようにするのが望ましい。よって,第一の冷却銅板1の側面での耐硫化性コーティング5の厚みは,電気的絶縁物6の厚みと合わせて1mm以下となるようにすればよい。第一の冷却銅板1の稼動面の耐硫化性コーティング5の厚みの上限については,溶融金属からの抜熱を妨げない程度の厚みが望ましいことから,0.2mm以下が望ましい。一方,バックプレート3側の面については,溶融金属やCCパウダーと直接接する面ではないので,0.1mm程度あれば十分である。第二の冷却銅板2の場合,稼動面が合わせ面となることから,稼動面に付与する耐硫化性コーティング5の厚みは,0.2mm以下が望ましい。第二の冷却銅板2の側面については,溶融金属やCCパウダーと直接接する面ではないので,0.1mm程度あれば十分である。
冷却銅板1,2を被覆する耐硫化性コーティング5の材料としては,硫黄に対する耐食性が銅または銅合金よりも良好な材質を選択する必要があり,具体的には,ニッケルまたはその合金,コバルトまたはその合金,鉄またはその合金,クロムまたはその合金などが好ましい。これらの材料を,冷却銅板1,2に被覆する方法としては,電気メッキ法や無電解メッキ法などの湿式メッキ法,イオンプレーティング法やスパッタリング法などの物理気相蒸着法,熱CVD法やプラズマCVD法などの化学気相蒸着法,溶射法など,いずれの被覆方法を用いても良い。中でも,比較的大きな材料にも,均一で密着性の良い被覆が行える湿式メッキ法が好適である。
冷却銅板1,2の分割面または合わせ面に電気的絶縁物6を設ける方法としては,溶射法や物理気相蒸着法,化学気相蒸着法などのコーティング方法,電気絶縁性のセラミックスプレートを挟む方法などを用いることができる。このうち,溶射法による電気絶縁性のセラミックスコーティングを付与する方法が容易で且つ信頼性が高い。溶射法の場合,プラズマ溶射法,高速フレーム溶射法,減圧プラズマ溶射法などを用いることが出来,溶射する電気的絶縁物6として,ジルコニア系,アルミナ系,イットリア系,マグネシア系,スピネル系,シリカ系,ムライトなどの酸化物セラミックスが挙げられる。溶射法によって電気的絶縁物6をコーティングする方法の場合,ニッケルまたはその合金,コバルトまたはその合金,鉄またはその合金,クロムまたはその合金を下地溶射層として付与しておくと,電気的絶縁物コーティングの密着性が格段に向上し,耐久性に優れるものが得られる。物理気相蒸着法や化学気相蒸着法などを用いた場合,前記溶射法で形成できる酸化物系セラミックスの他に,窒化珪素,窒化アルミ,窒化チタンなどの窒化物系セラミックスや炭化珪素,炭化チタンなどの炭化物系セラミックス,ダイヤモンドライクカーボンなどの絶縁性炭素膜など,多種の電気的絶縁物を形成できる。このようにコーティング法により,電気的絶縁層を設ける場合,分割面または合わせ面の両面に設けても良いし,片面だけに設けても良い。また,セラミックスプレートを挟む方法の場合,冷却銅板の分割面または合わせ面と同じサイズのプレートを設けることが望ましいが,分割面または合わせ面より小さいセラミックスプレートを複数組み合わせても良い。セラミックスプレートを設ける場合,耐熱性のある無機系の接着剤を用いて固定しておくと,より信頼性が増す。
上記のセラミックス材料は,それぞれ単独でも,機械的性質や耐食性などが良好な材料であるが,鋳型の環境,すなわち高さに応じて最適な材料を選択し,組み合わせると,より好ましい形態となる。
鋳型の上部で,メニスカス高さおよびそれより少し下の領域は,溶融金属から鋳型への入熱が一番大きい領域であり,例えば湯面レベルの変動やキャスト間など,入熱が大きく変動する際に,鋳型に熱応力が発生する。鋳型の上部に設けた電気的絶縁物に熱応力が作用すると,割れや剥離の危険性がある。よって,鋳型上部に設ける電気的絶縁物は,強度や靭性などの機械的性質に優れるものが好ましい。
一方,鋳型の下部では,凝固した鋳片が通過するために,鋳型への入熱は上部ほど大きくないが,鋳型直下で鋳片を冷却するための二次冷却帯から吹き上げてくる水蒸気による腐食環境が強い。よって,鋳型下部に設ける電気的絶縁物は,機械的性質よりも,耐食性に優れるものが好ましい。以上のように,鋳型の環境,すなわち鋳型の高さに応じて最適な材料を選択し,組み合わせると,より好ましい形態となる。
例えば,酸化物系セラミックスの場合,鋳型の上部には,強度および靭性が高いジルコニアセラミックスを,鋳型の下部には,耐食性に優れるイットリアセラミックスを組み合わせることは,より好ましい形態である。ここで,ジルコニアセラミックスの中でも,ジルコニアにイットリア,マグネシア,カルシアなどを数モル%添加することによって立方晶や正方晶を安定化させた安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアなどは,機械的性質に優れ,好適である。
機械的性質に優れるセラミックスが特に望ましい領域は,メニスカス高さおよびそれより少し下側の領域,具体的には,鋳型上端からの高さで,鋳型高さの1/2乃至2/3までの上側領域(鋳型高さが鋳型上端から1/2〜2/3である上側領域)であり,耐食性に優れるセラミックスが特に望ましい領域は,前記上側領域よりも下側の領域である。よって,鋳型高さ方向で,上端から1/2乃至2/3までの高さまでの上側領域(鋳型高さが鋳型上端から1/2〜2/3である上側領域)をジルコニア系セラミックスとし,残りの下側領域をイットリアセラミックスとする電気的絶縁物の構造は,より好ましいものである。
冷却銅板1,2の分割面または合わせ面に設ける電気的絶縁物6の厚みは,耐硫化性コーティングの厚みと合わせて1mm以下となるようにする必要がある。
冷却銅板1,2とバックプレート3,4を絶縁する方法として,バックプレート3,4の冷却銅板1,2と接する面のうち,冷却銅板1,2およびバックプレート3,4の双方またはいずれか一方に電気絶縁性のコーティングを付与してもよいし,板状の絶縁物を挟み込んでもよい。電気絶縁性のコーティングを用いる場合は,前記冷却銅板1,2の絶縁に用いるものと同じ材質のもので良い。また板状の電気的絶縁物は,前記のようなセラミックプレートでも良いが,この場所は,それほど耐熱性が要求される場所ではないので,マイカ板などの無機材料,PTFE(商品名,テフロン(登録商標))やナイロンなどの高分子材料でも良い。冷却銅板1,2とバックプレート3,4を絶縁するための電気的絶縁物の厚みは,絶縁性を確保するために5μm以上とするのが望ましい。
本発明の鋳型において,冷却銅板を冷却する方法は,銅板にスリットを加工し,銅板とバックプレートとで水路を設けるようにしても良いし,銅板内に貫通孔を穿って冷却水路を設けるようにするなど,周知の方法を採用することが出来る。
また,冷却銅板の稼動面の高さ方向での中間部および下端部については,耐食性および耐摩耗性を向上させるために,通常用いられているニッケルメッキ,コバルト−ニッケルメッキ,自溶性合金溶射などを施工すると良いことは言うまでもない。
(実施例1)
第二の冷却銅板(長辺)の幅が2000mm,第一の冷却銅板(短辺)の幅が250mm,高さが900mmの寸法の鋳型において,一方の第一の冷却銅板を板幅中央部で二分割した鋳型を製作した。二分割した第一の冷却銅板は,図2(b)に示すように双方共に,分割面及びバックプレート側の面(分割面に隣り合う面の一部)に,耐硫化性コーティングとして0.1mm厚みのニッケルメッキを設け,また稼動面(分割面に隣り合う面の残部)については,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.1mm厚みのニッケルメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。分割冷却銅板の双方の分割面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのジルコニアセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。また,分割冷却銅板と組み合わされるバックプレートには,分割冷却銅板と接する面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのジルコニアセラミックス溶射層を形成した。これらの分割冷却銅板およびバックプレートを,それぞれの間に電気的導通が無いように組み立てて,連続鋳造装置に組み込み,鋳造を行った。
鋳造時間の増加に伴う絶縁抵抗の変化を調査することを目的としたことから,この鋳型には電磁コイルは設置せずに鋳造を行い,第一の分割冷却銅板間の電気抵抗をテスターを用いて適宜測定した。分割冷却銅板間の鋳造前の電気抵抗値は72MΩであり,400時間の鋳造後の電気抵抗は若干低下したが2MΩを維持していた。この鋳型を解体し,調査をおこなったところ,耐硫化性コーティングを設けない場合に見られた銅硫化物の付着や溶射皮膜と銅板との界面での剥離もなく,健全であった。鋳型の最下端において,ジルコニアセラミックス溶射層に僅かな腐食の兆候が見られたが,鋳造には全く影響ないものであった。
(実施例2)
第二の冷却銅板(長辺)の幅が2000mm,第一の冷却銅板(短辺)の幅が250mm,高さが900mmの寸法の鋳型において,一方の第一の冷却銅板を板幅中央部で二分割した鋳型を製作した。二分割した第一の冷却銅板は,図2(b)に示すように双方共に,分割面及びバックプレート側の面(分割面に隣り合う面の一部)に,耐硫化性コーティングとして0.05mm厚みのクロムメッキを設け,また稼動面(分割面に隣り合う面の残部)については,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.05mm厚みのクロムメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。分割冷却銅板の双方の分割面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのイットリアセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。また,分割冷却銅板と組み合わされるバックプレートには,分割冷却銅板と接する面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのイットリアセラミックス溶射層を形成した。これらの分割冷却銅板およびバックプレートを,それぞれの間に電気的導通が無いように組み立てて,連続鋳造装置に組み込み,鋳造を行ない,絶縁抵抗の変化を調査した。分割冷却銅板間の鋳造前の電気抵抗値は68MΩであり,400時間の鋳造後の電気抵抗は若干低下したが8MΩを維持していた。この鋳型を解体し,調査をおこなったところ,耐硫化性コーティングを設けない場合に見られた銅硫化物の付着や溶射皮膜と銅板との界面での剥離もなく,健全であった。鋳型のメニスカス高さにおいて,イットリア溶射層に軽度のクラック発生が見られたが,鋳造には全く影響ないものであった。
(実施例3)
第二の冷却銅板(長辺)の幅が2000mm,第一の冷却銅板(短辺)の幅が250mm,高さが900mmの寸法の鋳型において,一方の第一の冷却銅板を板幅中央部で二分割した鋳型を製作した。二分割した第一の冷却銅板は,図2(b)に示すように双方共に,分割面及びバックプレート側の面(分割面に隣り合う面の一部)に,耐硫化性コーティングとして0.05mm厚みのニッケルメッキを設け,また稼動面(分割面に隣り合う面の残部)については,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.05mm厚みのクロムメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。分割冷却銅板の双方の分割面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,高さ方向で,上端から600mmまでの範囲には,厚み0.15mmのジルコニアセラミックスを,上端から600mmから下端までの範囲には,厚み0.15mmのイットリアセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。また,分割冷却銅板と組み合わされるバックプレートには,分割冷却銅板と接する面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのジルコニアセラミックス溶射層を形成した。これらの分割冷却銅板およびバックプレートを,それぞれの間に電気的導通が無いように組み立てて,連続鋳造装置に組み込み,鋳造を行ない,絶縁抵抗の変化を調査した。分割冷却銅板間の鋳造前の電気抵抗値は83MΩであり,400時間の鋳造後の電気抵抗は若干低下したが10MΩを維持していた。この鋳型を解体し,調査をおこなったところ,耐硫化性コーティングを設けない場合に見られた銅硫化物の付着や溶射皮膜と銅板との界面での剥離もなく,健全であった。電気的絶縁物溶射層は,メニスカス高さ近傍でのクラック発生および下端近傍での腐食の兆候は全く見られず健全であった。
(実施例4)
第二の冷却銅板(長辺)の幅が250mm,第一の冷却銅板(短辺)の幅が250mm,高さが800mmの寸法の鋳型において,第一の冷却銅板には,図4に示すように側面(合わせ面)およびバックプレート側の面(合わせ面に隣り合う面の一部)に耐硫化性コーティングとして0.1mm厚みのコバルト−10%ニッケルメッキを設け,また,稼動面(合わせ面に隣り合う面の残部)に,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.1mm厚みのコバルト−10%ニッケルメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。第一の冷却銅板のすべての側面には,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのアルミナセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。また,第二の冷却銅板には,図4に示すように側面に耐硫化性コーティングとして0.1mm厚みのコバルト−10%ニッケルメッキを設け,また,稼動面に,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.1mm厚みのコバルト−10%ニッケルメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。第一のバックプレートには,第二のバックプレートと組み合わされる際に接する面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのアルミナセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。第一の冷却銅板は第一のバックプレートに,また第二の冷却銅板は第二のバックプレートにそれぞれ取り付けられ,第一のバックプレートと第二のバックプレートを,絶縁ワッシャーおよび絶縁スリーブを介して電気的導通がないように組み立てて,連続鋳造設備に組み込み,鋳造を行った。この鋳型においても,鋳造時間の増加に伴う絶縁抵抗の変化を調査することを目的としたことから,この鋳型には電磁コイルは設置せずに鋳造を行い,第一の冷却銅板と第二の冷却銅板の間の電気抵抗をテスターを用いて適宜測定した。第一の冷却銅板と第二の冷却銅板の間の鋳造前の電気抵抗値は80MΩであり,400時間の鋳造後の電気抵抗は若干低下したが6MΩを維持していた。この鋳型を解体し,調査をおこなったところ,耐硫化性コーティングを設けない場合に見られた銅硫化物の付着や溶射皮膜と銅板との界面での剥離もなく,健全であった。アルミナセラミックス溶射層の鋳型のメニスカス高さ近傍および鋳型下端近傍において,それぞれ,軽度のクラック発生および僅かな腐食の兆候が見られたが,鋳造には全く影響がないものであった。
(実施例5)
第二の冷却銅板(長辺)の幅が250mm,第一の冷却銅板(短辺)の幅が250mm,高さが800mmの寸法の鋳型において,第一の冷却銅板には,側面(合わせ面)およびバックプレート側の面(合わせ面に隣り合う面の一部)に耐硫化性コーティングとして0.05mm厚みの鉄−20%ニッケルメッキを設け,また,稼動面(合わせ面に隣り合う面の残部)に,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.05mm厚みの鉄−20%ニッケルメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。第一の冷却銅板のすべての側面には,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのスピネルセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。また,第二の冷却銅板には,側面に耐硫化性コーティングとして0.05mm厚みの鉄−20%ニッケルメッキを設け,また,稼動面に,高さ方向で,上端から300mm高さまでは0.05mm厚みの鉄−20%ニッケルメッキを設け,300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。第一のバックプレートには,第二のバックプレートと組み合わされる際に接する面に,高速フレーム溶射法により,厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に,プラズマ溶射法により,厚み0.15mmのスピネルセラミックス溶射層を形成し,電気的絶縁物を設けた。第一の冷却銅板は第一のバックプレートに,また第二の冷却銅板は第二のバックプレートにそれぞれ取り付けられ,第一のバックプレートと第二のバックプレートを,絶縁ワッシャーおよび絶縁スリーブを介して電気的導通がないように組み立てて,連続鋳造設備に組み込み,鋳造を行ない,絶縁抵抗の変化を調査した。第一の冷却銅板と第二の冷却銅板の間の鋳造前の電気抵抗値は70MΩであり,400時間の鋳造後の電気抵抗は若干低下したが8MΩを維持していた。この鋳型を解体し,調査をおこなったところ,耐硫化性コーティングを設けない場合に見られた銅硫化物の付着や溶射皮膜と銅板との界面での剥離もなく,健全であった。スピネルセラミックス溶射層の鋳型のメニスカス高さ近傍および鋳型下端近傍において,それぞれ,軽度のクラック発生および僅かな腐食の兆候が見られたが,鋳造には全く影響がないものであった。
本発明は,電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造用鋳型に適用できる。
本発明の実施の形態にかかる幅可変に対応した連続鋳造用鋳型を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施の形態にかかる幅可変に対応した鋳型の第一の冷却銅板を第一のバックプレートに組み立てた状態を模式的に示した図であり,(a)は斜視図,(b)はメニスカス高さでの水平断面概略図である。 本発明の実施の形態にかかる幅固定の連続鋳造用鋳型を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施の形態にかかる幅固定の連続鋳造用鋳型のメニスカス高さの水平断面概略図である。 本発明の実施の形態にかかる幅固定の連続鋳造用鋳型の冷却銅板の合わせ面での電気的絶縁物の配置を示す部分水平断面概略図であり,(a)は合わせ面の片方の面に,(b)は合わせ面の他の片方の面に,(c)は合わせ面の双方の面に,それぞれ電気的絶縁物を配置した状況を示す。 従来の鋳型の第一の冷却銅板を第一のバックプレートに組み立てた状態を模式的に示した図であり,(a)は斜視図,(b)はメニスカス高さでの水平断面概略図である。 従来の幅可変に対応した連続鋳造用鋳型を模式的に示した斜視図である。
符号の説明
1・・・第一の冷却銅板
2・・・第二の冷却銅板
3・・・第一のバックプレート
4・・・第二のバックプレート
5・・・耐硫化性コーティング
6・・・冷却銅板の分割面または合わせ面に設置する電気的絶縁物
7・・・冷却銅板とバックプレート(分割面または合わせ面に隣り合う面)の間に設置する電気的絶縁物
8・・・絶縁ワッシャー
9・・・絶縁スリーブ
10・・・締結ボルト
11・・・電磁コイル
12・・・鋳型の幅変更を行うためのシリンダー
13・・・第一のバックプレートと第二のバックプレートの間に設置する電気的絶縁物
21・・・分割した一方の冷却銅板
22・・・分割した他方の冷却銅板
23・・・コバルト−ニッケルメッキ
24・・・ジルコニアセラミックス溶射層
25・・・マイカ板
26・・・バックプレート
27・・・絶縁ワッシャー
28・・・絶縁スリーブ
29・・・締結ボルト

Claims (5)

  1. 連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に垂直な方向に電磁力を印加するために,前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を通電する電磁コイルを備え,一対の短辺側の冷却銅板(以下,「第一の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第一のバックプレート」という。)が,一対の長辺側の冷却銅板(以下,「第二の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第二のバックプレート」という。)がそれぞれ組み合わされ,一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが,一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに対して移動可能に挟まれて構成された溶融金属の連続鋳造用鋳型において,
    前記鋳型は,前記第一及び第二の冷却銅板のうち少なくとも一つ以上が前記冷却銅板の板幅方向に2以上に分割され,
    分割された前記冷却銅板の対向する分割面該分割面に隣り合う面のうちのバックプレート側の面および稼動面の,少なくともメニスカスを含む鋳造方向の高さ範囲に,ニッケルまたはその合金,コバルトまたはその合金,クロムまたはその合金,鉄またはその合金のいずれか1以上よりなるコーティング層を設け,
    前記第一の冷却銅板の分割面または前記第二の冷却銅板の分割面に設けられた相対するコーティング層間に電気的絶縁物を設けることを特徴とする溶融金属の連続鋳造用鋳型。
  2. 連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に垂直な方向に電磁力を印加するために,前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を通電する電磁コイルを備え,一対の冷却銅板(以下,「第一の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第一のバックプレート」という。)が,もう一対の冷却銅板(以下,「第二の冷却銅板」という。)には一対のバックプレート(以下,「第二のバックプレート」という。)がそれぞれ組み合わされ,一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが,一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに固定的に挟まれて構成された溶融金属の連続鋳造用鋳型において,
    前記鋳型は,前記第一の冷却銅板と第二の冷却銅板の各々の対向する合わせ面該合わせ面に隣り合う面のうちのバックプレート側の面および稼動面の,少なくともメニスカスを含む鋳造方向の高さ範囲に,ニッケルまたはその合金,コバルトまたはその合金,クロムまたはその合金,鉄またはその合金のいずれか1以上よりなるコーティング層を設け,
    少なくとも一箇所以上の前記第一の冷却銅板と前記第二の冷却銅板との合わせ面に設けられた相対するコーティング層の間に電気的絶縁物を設けることを特徴とする溶融金属の連続鋳造用鋳型。
  3. 前記電気的絶縁物がセラミックスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造用鋳型。
  4. 前記電気的絶縁物として,鋳型の高さ方向の上端から1/2の高さ乃至2/3の高さまでの絶縁物として,ジルコニアセラミックスを用い,残りの範囲の絶縁物としてイットリアセラミックスを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
  5. 前記第一及び第二のバックプレートは,前記第一及び第二の冷却銅板と電気的に絶縁されており,且つ前記第一のバックプレートと前記第二のバックプレートとが非接触または電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
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