本発明は、配達物が通過可能な開口寸法を有する投入口と、この投入口より投入された配達物を収容する収容部とを備えた配達物受け箱に関するものである。
ところで、日中若しくは夜中は受取人が不在若しくは就寝中で、郵便小包などの配達物を受け取れないことが多い。また、受取人が不在若しくは就寝中に配達物受け箱内に配達物が投入されると盗難事故に遭う危険性がある。そこで、葉書や封筒或いは薄い雑誌程度のものが主に扱われる郵便受け箱は、一般的に盗難事故防止の観点から手が入れられないように投入口は狭く、取り出し口は施錠可能な構造となっているものがある。
また、配達物を入れる配達物受け箱は、配達物を1個入れたらそれ以上投入できない、複雑な形状のものもある。しかし、配達物には郵便物より厚い書籍或いは大きな宅配物等の配達物もあり、それらの大きく厚い配達物を投入可能な大きな投入口を備えた郵便受け箱も提案されているが、投入口を大きくすると、投入口から手を入れることが可能となり、郵便受け箱内に投入された配達物が盗難事故に遭ってしまう。
そこで、配達物の盗難事故を防止するため後面に取り出し口を備えた箱体と、この箱体の前面に投入口を設け、この投入口を形成する上枠の内側に回動自在に枢設された投入蓋とを備えた郵便受け箱(配達物受け箱)が提案されている。該配達物受け箱は、投入蓋の内側下部に内開き角度を角度自在に規制する開度規制手段を備えている。この開度規制手段により投入蓋の内開き角度を、人の手が入らない程度で、でき得る限り大きな配達物が投入できる大きさに調整していた。これによって、配達物受け箱内に投入された郵便物の盗難やいたずら等を防ぐと共に、でき得る限り大きな配達物も配達物受け箱に配達できるようにしていた(特許文献1参照)。
特開2004−24524号公報
しかしながら、開度規制手段により投入蓋の内開き角度を人の手が入らない程度に規制して、配達物受け箱内に投入された郵便物の盗難やいたずら等を防いだ場合、配達物受け箱内には手が入らない程度の大きさの配達物しか投入できない。このため、投入口からは人の手指が入らない程度以上の大きな書籍や小包或いは宅配物等の配達物を配達することができないという問題があった。
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、人の手指が入らない程度以上の大きな書籍や小包或いは宅配物等の配達物を投入可能な投入口を有し、該投入口から投入された配達物の盗難事故を確実に防止できる配達物受け箱を提供することを目的とする。
即ち、本発明の配達物受け箱は、配達物が通過可能な開口寸法を有する投入口と、該投入口より投入された配達物を収容する収容部とを備えたものであって、投入口より投入された配達物が通過可能な開口寸法を有する挿入口、及び、該挿入口を介して配達物を挿入可能な空間部を有し、収容部の上方に設けられた回転ドラムと、該回転ドラムを回転操作するための操作部材と、投入口の下側に位置し、回転ドラムに沿って設けられた邪魔板と、投入口を開閉自在に閉塞する蓋体とを備え、回転ドラムは、投入口に挿入口が合致し、当該挿入口を介して投入口より空間部内に配達物を挿入可能な第一の状態から、操作部材により回転され、挿入口より空間部内の配達物が収容部内に落下可能な第二の状態を選択可能とされており、蓋体は、第一の状態の回転ドラムの挿入口内に折り畳まれて投入口を開放すると共に、第二の状態で回転ドラムは、投入口からの手指の侵入を阻止することを特徴とする。
また、請求項2の発明の配達物受け箱は、上記発明において、挿入口は、空間部の両端に対向して形成されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明の配達物受け箱は、上記各発明において、挿入口は投入口と同等以上の開口寸法を有すると共に、空間部の底部には滑り板が設けられており、該滑り板の端部は、挿入口の縁部に位置していることを特徴とする。
また、請求項4の発明の配達物受け箱は、上記各発明において、収容部内底部には配達物を受け止める緩衝材が設けられていることを特徴とする。
また、請求項5の発明の配達物受け箱は、上記各発明において、収容部の背面、側面、若しくは、前面に設けられ、配達物を取り出すための扉と、該扉を施錠するための施錠装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、配達物受け箱は、配達物が通過可能な開口寸法を有する投入口と、該投入口より投入された配達物を収容する収容部とを備えたものであって、投入口より投入された配達物が通過可能な開口寸法を有する挿入口、及び、該挿入口を介して配達物を挿入可能な空間部を有し、収容部の上方に設けられた回転ドラムと、該回転ドラムを回転操作するための操作部材とを備え、回転ドラムは、投入口に挿入口が合致し、当該挿入口を介して投入口より空間部内に配達物を挿入可能な第一の状態から、操作部材により回転され、挿入口より空間部内の配達物が収容部内に落下可能な第二の状態を選択可能とされており、該第二の状態で回転ドラムは、投入口からの手指の侵入を阻止するので、例えば、投入口から収容部内に人の手が入ってしまうのを確実に防止することができる。これにより、回転ドラムの空間部から収容部内に落下した配達物が、投入口から手指を入れられて抜き取られてしまうなどと言った不都合を阻止することが可能となる。従って、配達物受け箱の利便性を大幅に向上させることができるようになるものである。
また、投入口の下側には、回転ドラムに沿って邪魔板を設けたので、例えば、操作部材にて回転ドラムが少許回転された場合でも、回転ドラムを円筒形に形成するドラム板と配達物受け箱の前面板との隙間を塞ぐことができる。これにより、投入口及び挿入口を介して外部と回転ドラムの空間部内が連通しているときに、回転ドラムの空間部と収容部内とが連通してしまう不都合を確実に防止することができる。また、操作部材にて回転ドラムが少許回転された場合でも、投入口から回転ドラムの空間部を通り収容部内に手指が入ってしまう不都合を阻止することが可能となる。従って、邪魔板により収容部内に収納された配達物の盗難事故防止効果を極めて向上させることができるようになるものである。
更に、投入口を開閉自在に閉塞する蓋体を備え、該蓋体は、第一の状態の回転ドラムの挿入口内に折り畳まれて投入口を開放するので、例えば、回転ドラムを回転しようとした際、折り畳んだ蓋体が挿入口に引っ掛かって回転ドラムの回転を阻止することができる。これにより、投入口と回転ドラムの挿入口が合致した状態で、投入口から回転ドラムの空間部を通り収容部内に手指が入ってしまうのを確実に阻止することが可能となる。従って、収容部内に収納された配達物の盗難事故防止効果を更に向上させることができるようになるものである。
また、請求項2の発明によれば、上記発明において、挿入口は、空間部の両端に対向して形成されているので、例えば、回転ドラムを前後どちらの方向に回転させても、回転ドラムの空間部内と収容部とを連通させることが可能となる。これにより、空間部内に挿入された配達物を収容部内に落下させる際、回転ドラムの回転方向を指定せず、どちらの方向に回転しても空間部内の配達物を収容部内に落下させることができる。従って、配達物受け箱の利便性を大幅に向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、上記各発明において、挿入口は投入口と同等以上の開口寸法を有すると共に、空間部の底部には滑り板が設けられており、該滑り板の端部は、挿入口の縁部に位置しているので、例えば、配達物を無理矢理押圧して投入口から挿入した場合でも、空間部内で配達物が突っ張ることがない。これにより、空間部内で配達物が突っ張って、摩擦で空間部内に引っ掛かり収容部内に落下しないなどといった不都合を確実に防止することができる。
特に、空間部の底部に設けた滑り板の端部は、挿入口の縁部に位置しているので、例えば、空間部内に挿入された配達物が、回転ドラムの湾曲した周囲壁に引っ掛かってしまうなどという不都合を防止することができる。これにより、空間部内の配達物を、滑り板上を滑らせて、収容部内に円滑に落下させることが可能となる。従って、配達物が回転ドラム内に引っ掛かり、詰まってしまうなどといった不都合を未然に阻止することができる。
また、請求項4の発明によれば、上記各発明において、収容部内底部には配達物を受け止める緩衝材が設けられているので、例えば、空間部内に挿入された配達物が、滑り板を滑って収容部内に落下した場合でも、その衝撃を緩衝材で吸収することができる。これにより、例えば空間部内から落下し、底板上に衝突した衝撃で配達物が破損してしまうなどといった不都合を防止することが可能となる。従って、空間部から落下した配達物が衝撃で破損されることなく安全に収容部内に収容でき、配達物の破損を防止した状態で収容部内に保管することができる。
また、請求項5の発明によれば、上記各発明において、収容部の背面、側面、若しくは、前面に設けられ、配達物を取り出すための扉と、該扉を施錠するための施錠装置を備えたので、例えば、配達物受け箱を屋外に設置した場合でも、施錠装置にて扉を施錠しておけば、扉が開けられてしまう不都合を防止することができる。これにより、扉が開けられて収容部内に収容された配達物が盗難事故に遭う不都合を確実に防止することが可能となる。従って、配達物が極めて盗難事故に遭い難い、配達物受け箱を提供することができるようになるものである。
本発明は、配達物受け箱内に投入された書籍や小包或いは宅配物等の配達物が投入口から手指を入れられて盗難事故に遭ってしまうのを防止するため、配達物が収容される収容部内に手指が入れられないようにしたことを主な特徴とする。配達物が収容される収容部内に手指が入れられて盗難事故に遭うのを防止するという目的を、空間部内に配達物を挿入するときは収容部上を閉塞し、空間部内の配達物を収容部内に落下させるときは投入口を閉塞する回転ドラムを設けることにより実現した。
次に、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施例を示す配達物受け箱10の概略斜視図、図2は本発明の一実施例を示す配達物受け箱10の概略正面図、図3は、本発明の一実施例を示す配達物受け箱10に設けられた投入口18部分の拡大図、図4は本発明の一実施例を示す配達物受け箱10の概略縦断側面図をそれぞれ示している。
本実施形態における配達物受け箱10は、図1、図2に示すように書籍や小包或いはそれらよりも大きな宅配物等の配達物100(図7に図示)を収容可能な筐本体12と、この筐本体12内部に設けられた回転ドラム54とから構成されている。該筐本体12は、厚さ約0.5〜1.5mmのステンレス或いはアルミニウムなどの金属板にて構成されると共に幅約360mm、高さ約1000mm〜1400mm、奥行き約410mmの縦長箱状に形成され、該筐本体12は当該筐本体12内への雨水の浸入を防止可能に構成している。
該筐本体12は、前面に設けられた前面板14、後面に設けられた後面板26と、前面板14と後面板26の両側面にそれぞれ設けられた横面板22、22と、下面に設けられた底面板28と上面に設けられた天面板30とから構成されている。また、筐本体12の前面上部には前面板14が切り欠かれて開口し、両横面板22、22の内側に高さ約200mmの投入口18(図3に図示)が形成されている。該投入口18は、人の手指が入らない程度以上の大きな書籍や小包或いは宅配物等の配達物100を投入(この場合、それより小さな葉書などの配達物100も含む)可能な大きさにて構成されると共に、後述する回転ドラム54に設けた挿入口60の対応位置に設けられている。この投入口18には、当該投入口18を開閉自在に閉塞する蓋体32が設けられている。
該蓋体32は、図3に示すように投入口18内に折り畳めるように構成している。この場合、蓋体32は、当該蓋体32の上下方向略中心に位置して左右方向に所定の間隔で複数の蝶番40(図では1個のみ図示)が設けられており、これらの蝶番40を支点にして蓋体32が投入口18内に折り畳めるように構成されている。該蓋体32の上端左右には蓋回転軸34(左側のみ図示)が設けられており、両蓋回転軸34は図示しないが筐本体12の両横面板22、22に設けられた、図示しない蓋回転軸穴に回転可能に支持されている。
また、蓋体32の下端左右にはスライド軸36(左側のみ図示)が設けられており、両スライド軸36は投入口18両側に位置して両横面板22、22の上下方向に延在して設けられたスライド溝38(左側のみ図示)に上下方向にスライド自在に係合されている。この状態で、蓋体32が下方に押し下げられることにより投入口18は閉塞される。そして、蓋体32の下端を上方向に押し上げると、図3白抜き矢印で示すように、両スライド軸36がスライド溝38内を上方にスライドして、蓋体32は蝶番40ヶ所で二つ折りに折り畳まれ、筐本体12内に折り畳まれて投入口18を開放する。
配達物受け箱10は、図4に示すように筐本体12内下部(後述する回転ドラム54の下方)に配達物100を収容するための収容部42が設けられると共に、後面には収容部42に収容された配達物100を取り出すための取出扉44が開閉自在に設けられている。図示しないが取出扉44上部には、蝶番が設けられており、取出扉44は下部を持ち上げて開けられるようになっている。即ち、取出扉44の下部を持ち上げることにより、当該取出扉44を開けて、収容部42内に収納された配達物100を取り出せるようになっている。
取出扉44の下部には当該取出扉44の開閉を阻止し、取出扉44を施錠し解錠する施錠装置としての鍵46(図4のみ図示)が設けられている。そして、鍵46にて取出扉44の施錠を解錠して取出扉44を開けることにより、収容部42に収納された配達物100を取り出せるようになっている。これにより、配達物受け箱10を屋外、或いは、部屋の外に設置した場合に、取出扉44が開けられてしまうのを防止している。即ち、配達物受け箱10の取出扉44に鍵46を設けることにより、取出扉44が開けられて収容部42内に収容された配達物100の盗難事故を防止している。尚、鍵46は、取出扉44の施錠と解錠を行うことができればダイヤル方式やカード方式、或いは、指紋認証や瞳認証、静脈認証方式などであっても差し支えない。また、取出扉44は筐本体12の後面に限らず、収容部42内に収容された配達物100を取り出すことができれば、筐本体12の側面や前面などに設けても差し支えない。
前記回転ドラム54は、配達物受け箱10内の上部(収容部42上)に設けられている。該回転ドラム54は、図5に示すように円筒形に形成されたドラム板62と、このドラム板62の延在方向両側に設けられた側板56、56とから構成され、内部には配達物100を挿入可能な空間部66が形成されている。該回転ドラム54は、直径約400mmに形成されると共に、回転ドラム54の周囲(ドラム板62)は、筐本体12の前面板14と後面板26に略接する寸法(実際は1mm〜5mm隙間有り)を呈している。また、回転ドラム54には、ドラム板62が円周方向に所定寸法切り欠かれると共に回転ドラム54の長手方向一側から他側に渡って、配達物100を空間部66に挿入するための挿入口60が形成されている。
また、回転ドラム54内には、投入口18から投入され、当該回転ドラム54内に挿入された配達物100を円滑に滑らせて筐本体12内に設けた収容部42内に落下させるための滑り板70が設けられている。この滑り板70の表面は、滑り易くするため、例えば凹凸を設けて滑り板70の摩擦係数を下げる、若しくは、潤滑剤を塗布して滑り板70の摩擦係数を下げるなどの表面処理加工が施されている。そして、後述するように操作レバー72が時計廻り方向に回転されて上端に位置した状態で滑り板70は回転ドラム54内に水平に設けられると共に、滑り板70の端部は、挿入口60の下側の縁部に面一に位置している。これにより、回転ドラム54内に挿入された配達物100がドラム板62の縁(挿入口60の縁)に引っ掛かって落下しない不都合を防止している。
そして、回転ドラム54に設けた挿入口60は、前記筐本体12の前面(前面板14)に形成した投入口18と同等以上の開口寸法を有している。詳しくは、挿入口60の開口よりも投入口18の開口を小さく形成している。これにより、配達物100が押圧されて投入口18から無理矢理空間部66内に押し込まれた場合でも、挿入口60及び空間部66内では配達物100の周囲に余裕ができて、後述するように回転ドラム54か回転されて挿入口60が下方に位置した場合に、配達物100がドラム板62の縁に引っ掛かることなく空間部66内から円滑に収容部42内に落下するように構成されている。
該回転ドラム54の延在方向両側に設けた両側板56、56の中心には、それぞれドラム回転軸58(図中右側のみ図示)が設けられており、このドラム回転軸58は回転ドラム54の上縁が天面板30に略接した位置(実際は1mm〜5mm隙間有り)にて、両側板56、56に設けられた回転穴(図示せず)に回転自在に支持されている。
回転ドラム54の一側側面(図中右側)には操作レバー72(本発明の操作部材に相当)が設けられており、筐本体12の横面板22(図中右側)に操作レバー溝78が、横面板22を貫通して設けられている。該操作レバー溝78は、回転ドラム54のドラム回転軸58を中心に円弧状に形成されると共に、ドラム回転軸58を中心に回転する操作レバー72に沿って形成されている。この操作レバー溝78は、ドラム回転軸58を中心にして配達物受け箱10の上端側(天面板30側)から前面側(前面板14側)まで略90度の角度で形成されている。
そして、図6に示すように操作レバー72が時計廻り方向に回転されて上端に位置した状態で、回転ドラム54の挿入口60と、筐本体12の投入口18が合致(挿入口60を介して投入口18より空間部66内に配達物100を挿入可能な第一の状態に相当)するように構成されている。この状態で、図6矢印で示すように筐本体12前面に設けた蓋体32は、投入口18と挿入口60から回転ドラム54の空間部66内に折り畳めるように構成されている(図中点線から実線)。
係る操作レバー72が手前側方向(反時計廻り方向)に回転された状態では、投入口18の内側にドラム板62が位置(投入口18と挿入口60とが合致していない状態)して、蓋体32を回転ドラム54の空間部内に折り畳むことができないようになっている。即ち、投入口18を開放する場合は、先ず操作レバー72を時計廻り方向に回転しているのを確認、若しくは、時計廻り方向に回転して、投入口18と挿入口60とを合致させてから、蓋体32を回転ドラム54の挿入口60を介して空間部66内に折り畳む。これにより、投入口18を開放し、空間部66内と外部とを連通できるようになっている。
そして、蓋体32を回転ドラム54の挿入口60から空間部66内に折り畳んだ状態で、回転ドラム54を反時計廻り方向に回転しようとした場合、挿入口60の上側の縁部が蓋体32に引っ掛かり、回転ドラム54の回転が阻止される。また、操作レバー72が半時計廻り方向に回転されて前面側に位置した状態で、回転ドラム54の挿入口60は、筐本体12の下方(真下)に位置する。
これにより、配達物100は滑り板70上を滑って、空間部66に引っ掛かることなく収容部42内に落下(操作レバー72により回転ドラム54が回転されて、挿入口60より空間部66内の配達物100が収容部42内に落下可能な第二の状態に相当)するように構成されている。即ち、配達物受け箱10は、操作レバー72が操作されて回転ドラム54が回転することにより、前記挿入口60を介して投入口18から空間部66内に配達物100が挿入可能な第一の状態から、挿入口60より空間部66内の配達物100が収容部42内に落下可能な第二の状態を選択可能とされている。
一方、回転ドラム54は円筒形に形成されているため、投入口18と挿入口60との下縁に隙間ができてしまい、その隙間を介して投入口18と収容部42内とが連通してしまう。この状態では、投入口18から収容部42内に手指を入れ、収容部42に収容された配達物100が盗難事故に遭ってしまう。そこで、投入口18から収容部42内に手指が侵入できないように、筐本体12内に邪魔板50を設けている。
この邪魔板50は、図6に示すように投入口18の回転ドラム54側下縁に連続して設けられると共に、回転ドラム54の円周方向に沿って所定寸法延在させて、投入口18から収容部42内に手指が侵入できないように構成している。即ち、邪魔板50は、回転ドラム54を回動させたとき、投入口18と収容部42内とが連通しない寸法(投入口18から収容部42内に手指が侵入できない寸法)にて構成されている。
具体的には、投入口18の下縁から、当該投入口18より離間する側の、邪魔板50端部までの寸法と、回転ドラム54の挿入口60の幅寸法(回転ドラム54の円周方向寸法)とを略同じ寸法に構成して、回転ドラム54の挿入口60を投入口18の下縁から邪魔板50端部までの寸法で閉塞できるように構成している。これにより、回転ドラム54の挿入口60を確実に塞いで、投入口18から収容部42内に手指が入らないようにして、配達物100が盗難事故に遭うのを防止している。
また、筐本体12内には、空間部66から落下した配達物100が破損しないように、スポンジやエアーキャップなどからなる緩衝材52が設けられている。この緩衝材52は、配達物100の底面板28上面に設けられると共に、周囲板(前面板14、横面板22、22、後面板26)に略密着して設けられると共に、配達物100(ガラスなどの割れ物)が緩衝材52上に落下しても破損しない厚さにて構成されている。尚、緩衝材52をスポンジやエアーキャップで説明したが、緩衝材52はスポンジやエアーキャップに限らず、空間部66から落下した配達物100が破損しなければ他のクッション材であっても差し支えない。
以上の構成で、次に配達物受け箱10の使用例を図7〜図9を参照して説明する。尚、操作レバー72は時計廻り方向に回転されて、投入口18と挿入口60とが合致し、蓋体32は閉塞されているものとする。また、回転ドラム54は、挿入口60が真下まで回転するとそれ以上回転しないように、ストッパ(図示せず)が設けられているものとする。配達物100を投入口18内に投入する場合、蓋体32の上下方向中央を筐本体12内に押圧する。そして、蓋体32の上下方向中央が筐本体12内に押圧されると、蓋体32の下端が上方に移動し、投入口18下部に少許隙間が開くので、蓋体32の下端を手で上に押し上げる(図7黒矢印)。
これにより、蓋体32は回転ドラム54の空間部66内に折り畳まれて、投入口18が開放される。投入口18が開放されたら、図7白抜き矢印で示すように投入口18から配達物100が投入され、配達物100は回転ドラム54の挿入口60を通過して、当該回転ドラム54の空間部66内に挿入される。該回転ドラム54内には滑り板70が設けられているので、配達物100は滑り板70上を円滑に空間部66内に挿入され、滑り板70の上に載置される。
回転ドラム54内に配達物100が挿入されたら、投入口18内から手を外に出せば、折り畳んだ蓋体32は自重で落下し、投入口18を閉塞する。このとき、折り畳んだ蓋体32が自重で落下せずに、投入口18を閉塞しない場合は、蓋体32を手で下方に下げて、投入口18を閉塞する。そして、投入口18が蓋体32で閉塞されたら次に図8に黒矢印で示すように操作レバー72を反時計廻り方向に回転させて、回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させる。
次に、図9黒矢印で示すように更に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させると、回転ドラム54の挿入口60は下方に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通する。これにより、回転ドラム54の空間部66内に挿入された配達物100は、自重で滑り板70上を滑って収容部42内に落下する。該収容部42内の下部には衝撃を和らげる緩衝材52を設けているので、空間部66内から落下した配達物100が損傷し易いものであっても、その衝撃を緩衝して、落下した配達物100を損傷から保護することができる。
一方、蓋体32の下部(後述する邪魔板50の下部)には、前面板14が横長略矩形状に切り欠かれて葉書投入口20(図1、図2、図4のみ図示)が形成されている。詳しくは、邪魔板50の下部に対応する筐本体12の前面板14に葉書投入口20が設けられている。この葉書投入口20は、葉書や封筒或いは薄い雑誌程度の配達物100が投入できる大きさにて形成されている。
該葉書投入口20は、手指が入らない大きさにて構成されると共に、葉書や封筒或いは薄い雑誌程度の配達物100が投入できる大きさにて形成されている。これにより、回転ドラム54の操作レバー72を回転させることなく、葉書や封筒或いは薄い雑誌程度の配達物を筐本体12の収容部42内に投入することができ、便利である。尚、葉書投入口20から投入される葉書や封筒或いは薄い雑誌程度のものを、投入口18から投入しても差し支えない。この場合は、前記配達物100を、挿入口60を介して投入口18より空間部66内に入れ、回転ドラム54の操作レバー72を回転させて、空間部66内から挿入口60を介して収容部42内に配達物100を落下させれば良い。
また、挿入口60を回転ドラム54の円周方向に一ヶ所設けたが、挿入口60の数はこれに限らず回転ドラム54の円周方向に対向して2ヶ所設けても差し支えない。この場合、回転ドラム54を反時計廻り方向だけでなく、時計廻り方向に回転させ空間部66内に挿入された配達物100を収容部42内に落下させることもできる。この場合も、挿入口60を回転ドラム54の円周方向に一ヶ所設けたときと同様、邪魔板50にて回転ドラム54の挿入口60と投入口18との間に形成された隙間を塞ぐことができるので、配達物100の盗難事故を確実に防止することができる。
このように、配達物受け箱10は、投入口18より人の手指が入らない程度以上の大きな書籍や小包或いは宅配物等の配達物100が通過可能な開口寸法を有する挿入口60、及び、この挿入口60を介して配達物100を挿入可能な空間部66を有している。そして、収容部42の上方に設けた回転ドラム54と、この回転ドラム54を回転操作するための操作レバー72とを備えると共に、回転ドラム54は、投入口18に挿入口60が合致する第一の状態から、操作レバー72により回転ドラム54が回転されて、挿入口60より空間部66内の配達物100が収容部42内に落下可能な第二の状態を選択可能とされている。
そして、第二の状態では、回転ドラム54は、投入口18からの手指の侵入を阻止するようにしているので、投入口18から収容部42内に手指が入ってしまうのを確実に阻止することができる。これにより、回転ドラム54の空間部66から収容部42内に落下した配達物100が、投入口18から手指を入れられて抜き取られてしまうなどと言った盗難事故を防止することが可能となる。従って、配達物受け箱10の利便性を大幅に向上させることができるようになる。
また、投入口18下縁の回転ドラム54側には、回転ドラム54の円周方向に沿って邪魔板50を設けているので、操作レバー72にて回転ドラム54が少許回転された場合でも、回転ドラム54を円筒形に形成するドラム板62と配達物受け箱10の前面板14との隙間(投入口18下縁の挿入口60と前面板14との隙間)を塞ぐことができる。これにより、投入口18、及び挿入口60を介して外部と回転ドラム54の空間部66内が連通しているときに、回転ドラム54の空間部66と収容部42内とが連通してしまうのを確実に防止することができる。また、操作レバー72にて回転ドラム54が少許回転された場合でも、投入口18から回転ドラム54の空間部66を通り収容部42内に手指が入ってしまうのを阻止することが可能となる。従って、邪魔板50により収容部42内に収納された配達物100の盗難事故防止効果を極めて向上させることができる。
また、投入口18を開閉自在に閉塞する蓋体32を備えており、この蓋体32は、回転ドラム54の挿入口60内に折り畳まれて投入口18を開放する第一の状態にて、回転ドラム54を回転しようとした際、挿入口60が蓋体32に引っ掛かるので、回転ドラム54が回転してしまうのを阻止することができる。これにより、蓋体32が折り畳まれて投入口18と回転ドラム54の挿入口60が合致した状態で、投入口18から回転ドラム54の空間部66を通り収容部42内に手指が入ってしまうのを確実に阻止することが可能となる。従って、収容部42内に収納された配達物100の盗難事故防止効果を更に向上させることができる。
また、挿入口60は投入口18と同等以上の開口寸法を有すると共に、空間部66の底部には滑り板70が設けられており、この滑り板70の端部は、挿入口60の縁部に位置しているので、配達物100を無理矢理押圧して投入口18から空間部66内に挿入した場合でも、空間部66内で配達物100が突っ張ることがない。これにより、空間部66内で配達物100が突っ張って、摩擦で空間部66内に引っ掛かって収容部42内に落下しないなどといった不都合を防止することができる。
特に、空間部66の底部に設けた滑り板70の端部は、挿入口60の縁部に位置しているので、例えば、空間部66内に挿入された配達物100が、回転ドラム54の湾曲した周囲壁(ドラム板62の縁)に引っ掛かってしまうのを防止することができる。これにより、空間部66内の配達物100を、滑り板70上を滑らせて、収容部42内に円滑に落下させることが可能となる。従って、配達物100が回転ドラム54内に引っ掛かり、詰まってしまうなどといった不都合を未然に阻止することができる。
また、収容部42内底部には配達物100を受け止めるための緩衝材52を設けているので、空間部66内に挿入された配達物100が、滑り板70を滑って収容部42内に落下した場合でも、その衝撃を緩衝材52で吸収することができる。これにより、空間部66内から落下し、底板上に衝突した衝撃で配達物100が破損してしまうなどといった不都合を防止することが可能となる。従って、空間部66から収容部42内に落下した配達物100が衝撃で破損されることなく安全に収容でき、配達物100の破損を防止した状態で収容部42内に保管することができる。
また、収容部42の背面、側面、若しくは、前面に設けられ、配達物100を取り出すための取出扉44と、この取出扉44を施錠するための鍵46を備えているので、配達物受け箱10を屋外に設置した場合でも、鍵46にて取出扉44を施錠しておけば、取出扉44が開けられてしまうといった不都合を防止することができる。これにより、取出扉44が開けられて収容部42内に収容された配達物100が盗難事故に遭ってしまうという不都合を確実に防止することが可能となる。従って、配達物100が極めて盗難事故に遭い難い、配達物受け箱10を提供することができる。
また、挿入口60は、空間部66の両端に対向して形成されているので、回転ドラム54を前後どちらの方向に回転させても、回転ドラム54の空間部66内と収容部42とを連通させることが可能となる。これにより、空間部66内に挿入された配達物100を収容部42内に落下させる際、回転ドラム54の回転方向を指定しなくても、空間部66内の配達物100を収容部42内に落下させることができる。従って、配達物受け箱10の利便性を大幅に向上させることができる。
次に、図10〜図15には本発明の他の実施例の配達物受け箱10を示している。尚、邪魔板50の下部に対応する筐本体12の前面板14には、図示しないが前述同様の葉書投入口20が設けられているものとする。該配達物受け箱10は、前述の実施形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。配達物受け箱10は、図10、図11、図12に示すように前面には投入口18を開閉自在に閉塞する蓋体32が設けられている。
該蓋体32は、当該蓋体32の上縁に位置して左右方向に所定の間隔で複数の蝶番40(図では1個のみ図示)の一方が固定されており、各蝶番40の他方は投入口18の上縁に固定されている。この蓋体32に取り付けた蝶番は、図10、図11のみ図示している。そして、蓋体32は、下縁を手前側に引き上げることにより、これらの蝶番40を支点に回転して開き、内部の投入口18を開放できるように構成されている。
以上の構成で、次に配達物受け箱10の使用例を図13〜図15を参照して説明する。尚、操作レバー72は時計廻り方向に回転されて、投入口18と挿入口60とが合致し、蓋体32は閉塞されているものとする。配達物100を配達する場合、蓋体32の下縁を手前側に引き上げ、投入口18を開放する(図13黒矢印)。
そして、投入口18が開放されて、図14白抜き矢印で示すように投入口18から配達物100が投入されると、配達物100は回転ドラム54の挿入口60を通過して、当該回転ドラム54の空間部66内に挿入される。該回転ドラム54内には滑り板70が設けてられているので、配達物100は滑り板70上を円滑に空間部66内に挿入され、滑り板70の上に載置される。
次に、開いた蓋体32の縁を手で下に下げ、投入口18を蓋体32にて閉塞する。投入口18が蓋体32で閉塞されたら、次に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させ、回転ドラム54を回転させる。この場合、蓋体32で投入口18を閉塞する以前に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させても差し支えない。
そして、更に回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させると、当該回転ドラム54の挿入口60が下方に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通する。これにより、回転ドラム54の空間部66内に挿入された配達物100は、図15白抜き矢印で示すように、滑り板70上を自重で滑って収容部42内に収容される。収容部42内の下部には衝撃を和らげる緩衝材52を設けているので、空間部66内から収容部42内に落下した配達物100が損傷し易いものであっても、その衝撃を緩衝するので、収容部42内に収容した配達物100を損傷から保護することができる。
係る配達物受け箱10には、投入口18下縁の回転ドラム54側には、回転ドラム54の円周方向に沿って邪魔板50を設けているので、操作レバー72にて回転ドラム54が少許回転された場合でも、回転ドラム54のドラム板62と配達物受け箱10の前面板14との隙間(投入口18下側の挿入口60と前面板14との隙間)を塞ぐことができる。
これにより、投入口18、及び挿入口60を介して外部と回転ドラム54の空間部66内が連通しているときに、回転ドラム54の空間部66と収容部42内とが連通してしまうのを確実に防止することができるので、蓋体32の下縁が手前側に引き上げられて、投入口18が開放された場合でも、投入口18から回転ドラム54の空間部66を通り収容部42内に手指が入ってしまうのを阻止することが可能となる。従って、邪魔板50により収容部42内に収納された配達物100の盗難事故防止効果を極めて向上させることができる。即ち、実施例2では、蓋体32を折り畳むようにしていないので、制作費を低減させ、配達物受け箱10のコストの低減を図ることができる。
次に、図16には本発明の他の実施例の配達物受け箱10を示している。該配達物受け箱10は、前述の実施形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。該配達物受け箱10の回転ドラム54は、図16に示すように操作レバー72の代わりに操作ロープ74を設けている。この操作ロープ74の両端は、回転ドラム54の所定ヶ所に固定されている。この操作ロープ74は通過可能な挿通孔16内を通過して筐本体12の前面に引き出されている。
そして、投入口18を開放する場合は、操作ロープ74を手で持って挿入口60が投入口18に一致するように回転させた後、蓋体32を開けば投入口18が開放される。尚、投入口18と挿入口60が一致している状態が分かるように操作ロープ74に回転ドラム54の回転状態が分かる表示(目印)を施してある。投入口18が開放されて、投入口18から配達物100が投入されると、配達物100は回転ドラム54の挿入口60を通過して、当該回転ドラム54の空間部66内に挿入される。該回転ドラム54内には滑り板70が設けられているので、配達物100は滑り板70上を円滑に滑って空間部66内に挿入される。
次に、開いた蓋体32を閉じて投入口18を閉塞する。投入口18が蓋体32で閉塞されたら、次に上側の操作ロープ74を引っ張り、反時計廻り方向に回転させ、回転ドラム54を回転させる。この場合、蓋体32で投入口18を閉塞する以前に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させても差し支えない。そして、さらに回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させると、下側の操作ロープ74が筐本体12内に引き込まれると共に、回転ドラム54の挿入口60が下方に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通する。
逆に、操作ロープ74の下の方を引っ張り、時計廻り方向に回転させ、回転ドラム54を回転させることもできる。すると、上側の操作ロープ74が筐本体12内に引き込まれると共に、回転ドラム54の第2挿入口61が下方に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通する。
これにより、回転ドラム54の空間部66内に挿入された配達物100は、前述した如き、滑り板70上を自重で円滑に滑って収容部42内に収容されることとなる。即ち、実施例3では、操作ロープ74により回転ドラム54を回転させている。このように、操作ロープ74を引くだけで投入口18と挿入口60とを合致させることができるので、操作レバー72を回転させて投入口18と挿入口60とを合致させる場合に比して、操作性が容易となり便利である。また、操作ロープ74は、配達物受け箱10の前面(正面)から使用できるので、配達物受け箱10の側面に操作レバー72を設置できない環境下において、有効である。これにより、配達物受け箱10の幅スペースがあれば配達物受け箱10を設置することができ、便利である。
次に、図17〜図22には本発明の他の実施例の配達物受け箱10を示している。尚、邪魔板50の下部に対応する筐本体12の前面板14には、図示しないが前述同様の葉書投入口20が設けられているものとする。該配達物受け箱10は、前述の実施形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。配達物受け箱10は、図17、図18、図19に示すように回転ドラム54周囲の筐本体12を設けていない。
詳しくは、配達物受け箱10は、邪魔板50上縁より筐本体12の上方を設けず、邪魔板50上縁より上方に回転ドラム54を露出させている。この場合、回転ドラム54のドラム回転軸58を支持するための軸受部材24を筐本体12の両横面板22に立設しており、両横面板22にドラム回転軸58がこの軸受部材24に回転自在に支持された状態で、回転ドラム54のドラム板62は、筐本体12と略隙間のない状態で設置されている。回転ドラム54の挿入口60下縁が、邪魔板50上縁に一致した状態で、当該挿入口60は邪魔板50上側に開放して配達物100を空間部66内に挿入できるようになっている。尚、筐本体12に投入口18は設けていない。
該回転ドラム54の挿入口60下縁が、邪魔板50上縁に一致した状態で回転ドラム54には当該回転ドラム54を回転させるための把手64が設けられている。この把手64は、挿入口60下縁が邪魔板50上縁に一致した状態で回転ドラム54の延在方向一側から他側間に渡って設けられると共に、当該回転ドラム54の上方(真上)に約35mm幅で形成されている。そして、回転ドラム54は、挿入口60が邪魔板50方向に回転(反時計廻り方向に回転)させると、空間部66内と収容部42内と連通して、空間部66内に挿入された配達物100が収容部42内に落下するようになっている。
回転ドラム54には回転ドラム54が逆回転してしまうのを防止するための逆回転防止突起69が設けられており、この逆回転防止突起69は回転ドラム54より所定寸法突出して設けられている。また、後面板26上縁には、前面板14より離間する方向に所定寸法延在して逆回転防止板68が設けられている。
該逆回転防止突起69は、回転ドラム54の挿入口60下縁が邪魔板50上縁に一致した状態で、逆回転防止板68に当接し、それ以上回転ドラム54(挿入口60)が、反時計廻り方向と逆の時計廻り方向に回転(逆回転)するのを防止している。これにより、把手64を手で持って回転ドラム54を時計廻り方向に廻し、逆回転防止突起69を逆回転防止板68に当接させるだけで、挿入口60が前面板14上部に開口させることができる。従って、挿入口60から空間部66内へ配達物100を挿入させる作業性を大幅に向上させることができ、便利である。
以上の構成で、次に配達物受け箱10の使用例を図20〜図22を参照して説明する。尚、把手64が操作され、回転ドラム54が時計廻り方向に回転されて挿入口60が筐本体12上側(邪魔板50に略接して上側)に露出し、開放されているものとする。尚、挿入口60を筐本体12上に露出させた場合、雨水や塵埃が挿入口60から空間部66を介して収容部42内に入って配達物100が濡れてしまう不都合が生じてしまうので、筐本体12上に挿入口60を露出させた配達物受け箱10は、雨水や塵埃が収容部42内に入らない屋内に設置するのに適している。
そして、配達物100を配達する場合、既に挿入口60は開放状態にあるので、図20白抜き矢印で示すように挿入口60から空間部66内に配達物100が挿入され、滑り板70の滑り板70の上に載置される。図21黒矢印で示すように配達物100が空間部66内に挿入された状態で、把手64が操作され、回転ドラム54が反時計廻り方向に回転される。
次に、図22黒矢印で示すように回転ドラム54が更に反時計廻り方向に回転され、空間部66内と収容部42内とが連通すると、回転ドラム54内には滑り板70が設けてられているので、配達物100は滑り板70上を円滑に滑り、空間部66内に落下(図中白矢印)する。
これにより、回転ドラム54の空間部66内に挿入された配達物100は、前述した如き、滑り板70上を自重で滑って収容部42内に収容されることとなる。即ち、実施例4では、配達物受け箱10は、回転ドラム54周囲の筐本体12を設けていないので、筐本体12の簡素化を図ることができる。これにより、配達物受け箱10の製造コストを大幅に削減することができる。
次に、図23〜図33には本発明の他の実施例の配達物受け箱10を示している。尚、邪魔板50の下部に対応する筐本体12の前面板14には、図示しないが前述同様の葉書投入口20が設けられているものとする。該配達物受け箱10は、前述の実施形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。該配達物受け箱10は、図23、図24、図25に示すように前面には投入口18を開閉自在に閉塞する蓋体32が設けられている。
該蓋体32は、実施例2同様蓋体32の上縁に位置して左右方向に所定の間隔で複数の蝶番40(図では1個のみ図示)の一方が固定されており、各蝶番40の他方は投入口18の上縁に固定されている。この蓋体32に取り付けた蝶番40は、図23、図24のみ図示している。蓋体32は、下縁を手前側に引き上げることにより、これらの蝶番40を支点に回転して開き、内部の投入口18を開放できるように構成されると共に、蓋体32は回転ドラム54に沿って湾曲形成されている。
また、蓋体32から所定寸法下方(この場合投入口18の下方となる邪魔板50下部)には、筐本体12の一側の横面板22から他側の横面板22に渡って収容部42内を視認可能な覗き窓80が設けられている。この覗き窓80は、前面板14が切り抜かれ、そのヶ所にアクリル板、或いは、ガラス板が固定(ボルト固定、或いは、ネジ固定)されている。また、覗き窓80は、叩いても容易に破損されない強度にて構成され、透視して収容部42内の配達物100を覗き見ることができるように構成されている。
一方、回転ドラム54は、図25に示すように操作レバー72が真上に位置した状態で、投入口18側に前述同様挿入口60が設けられると共に、回転ドラム54のドラム回転軸58(図23、図24に図示)を中心にして対向位置にも挿入口60同様の第2挿入口61が設けられている。具体的には、図26に示すように回転ドラム54の側面から見て、回転ドラム54のドラム回転軸58を中心に、一方(左側)に挿入口60、他方(右側)に第2挿入口61が設けられると共に、一方の挿入口60と他方の第2挿入口61は回転ドラム54のドラム回転軸58を中心にして対向位置に設けられている。
また、回転ドラム54は、時計廻り方向、反時計廻り方向に回転できるように構成されている(図25矢印)。この場合、回転ドラム54を反時計廻り方向一杯に回転させたときに、一方の挿入口60は真下に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通すると共に、回転ドラム54を時計廻り方向一杯に回転させたときに、他方の第2挿入口61は真下に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通するように構成されている。該操作レバー72は、投入口18と一方の挿入口60が合致したとき停止し、その状態から少し力を加えると左右に回転できるような構造に構成されている。具体的には、図示しないが、筐本体12或いは回転ドラム54の何れか一方に所定の大きさの、球形の一部分が凹陥形成された凹陥部が設けられ、筐本体12或いは回転ドラム54の何れか他方にコイルバネなどで付勢されて凹陥部に係合する球体が設けられている。そして、投入口18と一方の挿入口60が合致すると球体は凹陥部に係合してその状態を保持すると共に、回転ドラム54を回転させると球体は凹陥部より脱出するように構成されている。即ち、回転ドラム54は、投入口18と一方の挿入口60が合致したときその状態を保持できる構造に構成されている。
この場合、空間部66内に挿入された配達物100は、一方の挿入口60及び他方の第2挿入口61のどちらかでも収容部42内に落下させられるように構成している。また、前記滑り板70は、両挿入口60、第2挿入口61の下縁に平行に設けられている。即ち、他方の第2挿入口61も一方の挿入口60同様配達物100を出し入れ可能(実施例では配達物100を出すだけに使用)に構成されている。また、実施例5の蓋体32は、この回転ドラム54周囲に沿って湾曲して形成されている。
以上の構成で、次に配達物受け箱10の使用例を図27〜図33を参照して説明する。尚、操作レバー72は時計廻り方向、或いは、反時計廻り方向に回転されて、投入口18と一方の挿入口60とが合致して蓋体32は閉塞されているものとする。また、投入口18と一方の挿入口60が合致した状態で操作レバー72は保持されているものとする。配達物100を配達する場合、蓋体32の下縁を手前側に引き上げ、投入口18を開放する(図25黒矢印)。
そして、投入口18が開放されて、図27白抜き矢印で示すように投入口18から配達物100が投入されると、配達物100は回転ドラム54の一方の挿入口60を通過して、当該回転ドラム54の空間部66内に挿入される。該回転ドラム54内には滑り板70が設けてられているので、配達物100は滑り板70上を円滑に空間部66内に挿入され、滑り板70の上に載置される。
次に、開いた蓋体32の縁を手で下に下げ、投入口18を蓋体32にて閉塞する。投入口18が蓋体32で閉塞されたら、図28に黒矢印で示すように操作レバー72を反時計廻り方向に回転させることにより、回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させる。この場合、蓋体32で投入口18を閉塞する以前に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させて回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させても差し支えない。
更に、操作レバー72にて回転ドラム54を、図29に黒矢印で示すように反時計廻り方向に回転させると、当該回転ドラム54の一方の挿入口60が斜め下方に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通する。このとき、配達物100は滑り板70の上に載置されているので、傾斜した滑り板70上を滑って収容部42内に落下し、前面板14に当たる(図29白抜き矢印)。そして、更に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させて回転ドラム54を、図30に黒矢印で示すように反時計廻り方向に回転させると、配達物100は緩衝材52上に落下する。そして、投入口18より投入された配達物100が方形で大きな場合は、当該配達物100が緩衝材52上に立設してしまう。
ここで、方形(実施例では四角形)で大きな配達物100が複数配達物受け箱10内に投入された場合について説明を行う。尚、配達される配達物100は、2段重ねになると2段目に重なった配達物100の上部が、覗き窓80より視認できる大きさのものとする。そして、操作レバー72が反時計廻り方向に回転され、投入口18から2個目の配達物100が投入されて収容部42内に収容される。このとき、最初に収容部42内に収容された配達物100の上に後から投入された配達物100が重なってしまう場合がある。
この状態で、複数段目(実施例では2段目)の配達物100の上部は、覗き窓80から視認できる高さとなってしまう(図31黒矢印)。即ち、覗き窓80から収容部42の配達物100が視認できると言うことは、収容部42内は配達物100で一杯になり、回転ドラム54を反時計廻り方向へ回転させたのではそれ以上収容部42内に配達物100を収容できないと言うことになる。
しかし、回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させて、空間部66の滑り板70を滑り落ちる配達物100は、一方の挿入口60が真下になる以前に収容部42内に落下してしまう。即ち、配達物100は、前面板14に当たる形で収容部42内に落下するので、落下した配達物100は収容部42内に溜まると共に、筐本体12の前面板14側に重なって収納される。この状態で、筐本体12は、収容部42の後面板26側に配達物100を多数収納することができるスペースを確保できる大きさに形成されている。
そこで、本発明では回転ドラム54に設けた一方の挿入口60の対向位置に、当該挿入口60と略同等の第2挿入口61を設けている。そして、回転ドラム54を反時計廻り方向と反対の時計廻り方向に回転させることにより、第2挿入口61から収容部42の後面板26側に配達物100が落下するように構成している。即ち、投入口18下の覗き窓80に配達物100が視認できた場合、図31白抜き矢印で示すように投入口18から3個目の配達物100が投入されて滑り板70の上に載置される。
そして、図32黒矢印で示すように、操作レバー72が時計廻り方向に回転され、これによって回転ドラム54が時計廻り方向に回転される。該回転ドラム54が時計廻り方向に回転されると、前述した如き空間部66の滑り板70を滑り落ちる配達物100は、他方の第2挿入口61が真下になる以前に収容部42内に落下することになる。
この場合、空間部66の滑り板70上に載置された配達物100は、滑り板70の下部が後面板26方向に傾斜した状態で、当該滑り板70上に載置された配達物100が収容部42内に落下する。詳しくは、空間部66の滑り板70上に載置された配達物100は、図33白抜き矢印で示すように、後面板26に沿う形で収容部42の緩衝材52上に落下する。尚、回転ドラム54が時計廻り方向に回転されると、投入口18は回転ドラム54のドラム板62により閉塞されるので、投入口18から収容部42内に手指を入れられることによる配達物100の盗難事故を確実に防止することができる。
即ち、空間部66の滑り板70上に載置された配達物100は、回転ドラム54が反時計廻り方向に回転されると収容部42の前面板14側に落下し、回転ドラム54が時計廻り方向に回転されると収容部42の後面板26側に落下するので、回転ドラム54が反時計廻り方向に回転されて収容部42に落下した配達物100上に、回転ドラム54が時計廻り方向に回転されて収容部42に落下した配達物100が重なってしまうのを防止することができる。これにより、収容部42内前後に配達物100を収容することができるので、配達物受け箱10内に沢山の配達物100を収納することができ便利である。
尚、上記実施例5の配達物100は、2段重なった配達物100の上縁が、回転ドラム54近傍に位置する大きさとしたが、配達物100の大きさがそれよりも小さくて複数段(3段〜4段)重なったときに覗き窓80より視認できた場合、同様に回転ドラム54を時計廻り方向に回転させれば、収容部42内に更に配達物100を収納することができるのは言うまでもない。
次に、図34〜図43には本発明の他の実施例の配達物受け箱10を示している。尚、邪魔板50の下部に対応する筐本体12の前面板14には、図示しないが前述同様の葉書投入口20が設けられているものとする。該配達物受け箱10は、前述の実施例5と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
配達物受け箱10は、図34、図35、図36に示すように前面には投入口18を開閉自在に閉塞するジャバラ状の蓋体32が設けられ、筐本体12の後面板26は、回転ドラム54の少許下部から下方に行くに従って前面板14より離間して、収容部42内を広くしている。これによって、収容部42内に多数の配達物100を収容できるように構成している。
該蓋体32は、複数の蓋板33にて構成されると共に、これらの蓋板33が前述同様の蝶番40にて連結されてジャバラ状に形成されている。各蝶番40の上下には前記実施例1のスライド軸36同様のスライド軸(図示せず)が所定寸法延在して設けられている。また、投入口18の上下には前記実施例1のスライド溝38同様のスライド溝(図示せず)が形成され、このスライド溝内をスライド軸がスライドすることにより、ジャバラ状の蓋体32が開閉可能に構成されている。尚、蓋体32は、例えば左側に蓋回転軸34が回転自在、且つ、スライド軸36が左右方向にスライド自在に設けられて、投入口18を開閉自在に閉塞できるように構成されている。
該蓋体32は、投入口18を開放したとき当該投入口18内に折り畳まれる。このとき、前記実施例1同様回転ドラム54の挿入口60から空間部66内に折り畳まれる。これによって、回転ドラム54が回転しないように構成されている。即ち、投入口18が開放されたときは、回転ドラム54は折り畳んだ蓋体32により回転が禁止(図36)され、且つ、回転ドラム54のドラム板62と前面板14との間に邪魔板50が介在して投入口18から挿入口60を通過して収容部42内へ手指を入れられないように構成している。これにより、配達物100が盗難事故に遭ってしまうのを確実に防止している。
該回転ドラム54は、操作レバー72が真上に位置した状態で投入口18側に前述同様挿入口60が設けられると共に、回転ドラム54のドラム回転軸58(図34、図35に図示)を中心にして対向位置にも挿入口60同様の第2挿入口61が設けられている。具体的には、図37に示すように回転ドラム54の側面から見て、回転ドラム54のドラム回転軸58を中心に、一方(左側)に挿入口60、他方(右側)に第2挿入口61が設けられると共に、一方の挿入口60と他方の第2挿入口61は回転ドラム54のドラム回転軸58を中心にして対向位置に設けられている。
また、回転ドラム54は、時計廻り方向、反時計廻り方向に回転できるように構成されている(図38矢印)。この場合、回転ドラム54を反時計廻り方向一杯に回転させたときに、一方の挿入口60は真下に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通すると共に、回転ドラム54を時計廻り方向一杯に回転させたときに、他方の第2挿入口61は真下に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通するように構成されている。該操作レバー72は、投入口18と一方の挿入口60が合致したとき停止し、その状態から少し力を加えると左右に回転できるような構造に構成されている。即ち、操作レバー72は、投入口18と一方の挿入口60が合致したときその状態を保持できる構造に構成されている。
係る投入口18と一方の挿入口60が合致したときその状態を保持できる構造としては、例えば、回転ドラム54の所定位置に凹所を設けると共に、筐本体12の天面板30側から図示しない付勢部材(コイルバネ、或いは、板バネなど)にて凹所より大径のボールを、前記回転ドラム54の中心方向に向かって押圧する。これにより、付勢部材にて押圧したボールが回転ドラム54の凹所内に押圧されたとき、その位置で回転ドラム54の回転が保持されることとなる。尚、板バネの先端近傍に、回転ドラム54の中心方向に向かってボール同様の突起を設けても差し支えない、この場合、板バネ一枚で、付勢部材とボールとを兼用できるので、コストダウンに寄与することができる。
この場合、空間部66内に挿入された配達物100は、一方の挿入口60及び他方の第2挿入口61のどちらかでも収容部42内に落下させられるように構成している。また、前記滑り板70は、両挿入口60、第2挿入口61の下縁に平行に設けられている。即ち、他方の第2挿入口61も一方の挿入口60同様配達物100を出し入れ可能(実施例では配達物100を出すだけに使用)に構成されている。
以上の構成で、次に配達物受け箱10の使用例を図38〜図43を参照して説明する。尚、操作レバー72は時計廻り方向、或いは、反時計廻り方向に回転されて操作レバー72が真上の状態で、投入口18と一方の挿入口60とが合致して蓋体32は閉塞されているものとする。また、投入口18と一方の挿入口60が合致した状態で操作レバー72は保持されているものとする。配達物100を投入する場合、蓋体32の右端を左方向に移動して投入口18を開放する。このとき、ジャバラ状の蓋体32は投入口18から挿入口60を経て空間部66内に折り畳まれる。
蓋体32が空間部66内に折り畳まれ、投入口18が開放されて、図38白抜き矢印で示すように投入口18から配達物100が投入されると、配達物100は回転ドラム54の一方の挿入口60を通過して、当該回転ドラム54の空間部66内に挿入される。該回転ドラム54内には滑り板70が設けてられているので、配達物100は滑り板70上を円滑に空間部66内に挿入され、滑り板70の上に載置される。
次に、折り畳んだ蓋体32の縁を手で右方向に移動して投入口18を蓋体32にて閉塞する。投入口18が蓋体32で閉塞されたら、図39に黒矢印で示すように操作レバー72を反時計廻り方向に回転させることにより、回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させる。この場合、折り畳まれた蓋体32が挿入口60から空間部66内に挿入されているので、蓋体32で投入口18を閉塞した後でないと、操作レバー72を反時計廻り方向に回転させることができないので、蓋体32で投入口18を確実に閉塞してから、操作レバー72を反時計廻り方向に回転させる。
更に、操作レバー72にて回転ドラム54を、図40に黒矢印で示すように反時計廻り方向に回転させると、当該回転ドラム54の挿入口60が斜め下方に位置して、空間部66内と収容部42内とが連通する。このとき、配達物100は滑り板70の上に載置されているので、傾斜した滑り板70上を滑って収容部42内に落下し、前面板14に当たる(図29白抜き矢印)。そして、更に操作レバー72を反時計廻り方向に回転させて回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させると、配達物100は緩衝材52上に落下する。そして、投入口18より投入された配達物100が方形で大きな場合は、当該配達物100が緩衝材52上に立設してしまう。
ここで、方形(実施例では四角形)で大きな配達物100が複数配達物受け箱10内に投入された場合について説明を行う。尚、配達される配達物100は、2段重ねなると2段目に重なった配達物100の上部が、覗き窓80より視認できる大きさのものとする。そして、操作レバー72が反時計廻り方向に回転され、投入口18から2個目の配達物100が投入されて収容部42内に収容される。このとき、最初に収容部42内に収容された配達物100の上に後から投入された配達物100が重なってしまうことがある。
この状態で、複数段目(実施例では2段目)の配達物100の上部は、覗き窓80から視認できる高さとなってしまう(図31黒矢印)。即ち、覗き窓80から収容部42の配達物100が視認できると言うことは、収容部42内は配達物100で一杯になり、それ以上収容部42内には配達物100を収容できないと言うことになる。
しかし、回転ドラム54を反時計廻り方向に回転させて、空間部66の滑り板70を滑り落ちる配達物100は、一方の挿入口60が真下になる以前に収容部42内に落下してしまう。即ち、配達物100は、前面板14に当たる形で収容部42内に落下するので、収容部42内に落下し、収容した配達物100は、筐本体12の前面板14側に重なって収納される。この状態で、筐本体12は、収容部42の後面板26側に配達物100を多数収納することができるスペースを確保できる大きさに形成されている。
そこで、本発明では回転ドラム54を反時計廻り方向への回転だけではなく、時計廻り方向に回転させることにより、収容部42の後面板26側に配達物100を収容できるように構成している。即ち、投入口18下の覗き窓80に配達物100が視認できた場合、図41白抜き矢印で示すように投入口18から3個目の配達物100が投入されて滑り板70の上に載置される。
そして、図42黒矢印で示すように、操作レバー72が時計廻り方向に回転され、これによって回転ドラム54が時計廻り方向に回転される。該回転ドラム54が時計廻り方向に回転されると、投入口18は回転ドラム54のドラム板62により閉塞されるので、投入口18から収容部42内に手指を入れられることによる配達物100の盗難事故を確実に防止することができる。
係る回転ドラム54が時計廻り方向に回転されると、前述した如き空間部66の滑り板70を滑り落ちる配達物100は、他方の第2挿入口61が真下になる以前に収容部42内に落下してしまう。この場合、空間部66の滑り板70上に載置された配達物100は、滑り板70の下部が後面板26方向に傾斜した状態で、当該滑り板70上に載置された配達物100が収容部42内に落下する。詳しくは、空間部66の滑り板70上に載置された配達物100は、図43白抜き矢印で示すように、後面板26に沿う形で収容部42の緩衝材52上に落下する。
即ち、空間部66の滑り板70上に載置された配達物100は、回転ドラム54が反時計廻り方向に回転されると収容部42の前面板14側に落下し、回転ドラム54が時計廻り方向に回転されると収容部42の後面板26側に落下するので、回転ドラム54が反時計廻り方向に回転されて収容部42に落下した配達物100上に、回転ドラム54が時計廻り方向に回転されて収容部42に落下した配達物100が重なってしまうのを防止することができる。これにより、配達物受け箱10の収容部42内に沢山の配達物100を収納することができ便利である。
このように、配達物受け箱10は、投入口18より投入された配達物100が通過可能な開口寸法を有する挿入口60、及び、該挿入口60を介して配達物100を挿入可能な空間部66を有し、収容部42の上方に設けられた回転ドラム54と、該回転ドラム54を回転操作するための操作部材(操作レバー72)とを備え、回転ドラム54は、投入口18に挿入口60が合致し、当該挿入口60を介して投入口18より空間部66内に配達物100を挿入可能な第一の状態から、操作部材(操作レバー72)により回転され、挿入口60より空間部66内の配達物100が収容部42内に落下可能な第二の状態を選択可能とされており、該第二の状態で回転ドラム54は、投入口18からの手指の侵入を阻止するので、投入口18から収容部42内に手指が入ってしまうのを確実に阻止することができる。これにより、回転ドラム54の空間部66から収容部42内に落下した配達物100が、投入口18から手指を入れられて抜き取られてしまうなどと言った不都合を防止することが可能となる。従って、配達物受け箱10の利便性を大幅に向上させることができる。
また、投入口18の下側には、回転ドラム54に沿って邪魔板50を設けたので、操作部材(操作レバー72)にて回転ドラム54が少許回転された場合でも、回転ドラム54を円筒形に形成するドラム板62と配達物受け箱10の前面板14との隙間(投入口18下縁の挿入口60と前面板14との隙間)を塞ぐことができる。これにより、投入口18、及び挿入口60を介して外部と回転ドラム54の空間部66内が連通しているときに、回転ドラム54の空間部66と収容部42内とが連通してしまう不都合を確実に防止することができる。また、操作部材(操作レバー72)にて回転ドラム54が少許回転された場合でも、投入口18から回転ドラム54の空間部66を通り収容部42内に手指が入ってしまうのを阻止することが可能となる。従って、邪魔板50により収容部42内に収納された配達物100の盗難事故防止効果を極めて向上させることができる。
また、投入口18を開閉自在に閉塞する蓋体32を備え、該蓋体32は、回転ドラム54の挿入口60内に折り畳まれて投入口18を開放する第一の状態にて、回転ドラム54を回転しようとした際、挿入口60を蓋体32に引っ掛かることができ、回転ドラム54の回転を阻止することができる。これにより、蓋体32が折り畳まれて投入口18と回転ドラム54の挿入口60が合致した状態で、投入口18から回転ドラム54の空間部66を通り収容部42内に手指が入ってしまうのを確実に阻止することが可能となる。従って、収容部42内に収納された配達物100の盗難事故防止効果を更に向上させることができる。
また、挿入口60は、空間部66の両端に対向して形成されているので、回転ドラム54を前後どちらの方向に回転させても、回転ドラム54の空間部66内と収容部42とを連通させることが可能となる。これにより、空間部66内に挿入された配達物100を収容部42内に落下させる際、回転ドラム54の回転方向を指定しなくても、空間部66内の配達物100を収容部42内に落下させることができる。従って、配達物受け箱10の利便性を大幅に向上させることができる。
また、挿入口60は投入口18と同等以上の開口寸法を有すると共に、空間部66の底部には滑り板70が設けられており、該滑り板70の端部は、挿入口60の縁部に位置しているので、配達物100を無理矢理押圧して投入口18から挿入した場合でも、空間部66内で配達物100が突っ張ることがない。これにより、空間部66内で配達物100が突っ張って、摩擦で空間部66内に引っ掛かって収容部42内に落下しないなどといった不都合を防止することができる。
特に、空間部66の底部に設けた滑り板70の端部は、挿入口60の縁部に位置しているので、空間部66内に挿入された配達物100が、回転ドラム54の湾曲した周囲壁(ドラム板62の縁)に引っ掛かってしまうのを防止することができる。これにより、空間部66内の配達物100を、滑り板70上を滑らせて、収容部42内に円滑に落下させることが可能となる。従って、配達物100が回転ドラム54内に引っ掛かり、詰まってしまうなどといった不都合を未然に阻止することができる。
また、収容部42内底部には配達物100を受け止める緩衝材52が設けられているので、空間部66内に挿入された配達物100が、滑り板70を滑って収容部42内に落下した場合でも、その衝撃を緩衝材52にて吸収することができる。これにより、空間部66内から落下し、底板上に衝突した衝撃で配達物100が破損してしまうなどといった不都合を防止することが可能となる。従って、空間部66から落下した配達物100が衝撃で破損されることなく安全に収容部42内に収容でき、配達物100の破損を防止した状態で収容部42内に保管することができる。
また、収容部42の背面、側面、若しくは、前面に設けられ、配達物100を取り出すための取出扉44と、該取出扉44を施錠するための施錠装置(鍵46)を備えたので、配達物受け箱10を屋外に設置した場合でも、施錠装置(鍵46)にて取出扉44を施錠しておけば、取出扉44が開けられてしまうのを防止することが可能となる。これにより、取出扉44が開けられて収容部42内に収容された配達物100が盗難事故に遭ってしまうという不都合を確実に防止することができる。従って、配達物100が極めて盗難事故に遭い難い、配達物受け箱10を提供することができる。
尚、実施例5、実施例6では、配達物100は、2段重なった配達物100の上縁が、回転ドラム54近傍に位置する大きさとしたが、配達物100の大きさがそれよりも小さくて複数段(3段〜4段)重なったときに覗き窓80より視認できた場合、同様に回転ドラム54を時計廻り方向に回転させれば、収容部42内に配達物100を更に収納することができるのは言うまでもない。
また、鍵46(施錠装置)を実施例1のみで説明したが、他の実施例に鍵46を設けても良いのも言うまでもない。
また、回転ドラム54の挿入口60を投入口18の下縁から、当該投入口18より離間する側の、邪魔板50端部までの寸法で閉塞して投入口18と収容部42内との連通を防止し、投入口18から収容部42内に手指が入らないようにして配達物100が盗難事故に遭うのを防止したが、投入口18から収容部42内に手指が入らなければ、投入口18の下縁から当該投入口18より離間する側の、邪魔板50端部までの寸法で回転ドラム54の挿入口60を閉塞せず、僅かの隙間(収容部42内に手指が入らない隙間)があっても差し支えない。
また、実施形態では配達物受け箱10の形状や寸法などを記載したが、配達物受け箱10は要旨を逸脱しない範囲内で筐本体12、回転ドラム54、蓋体32及び収容部42などの形状や寸法を変更しても良いのは言うまでもない。勿論本発明は、上記各実施例のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の様々な変更を行っても本発明は有効である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略斜視図である(実施例1)。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略正面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱に設けられた投入口部分の拡大図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
本発明の配達物受け箱を構成する回転ドラムの概略概略斜視図である。
本発明の配達物受け箱の前面に設けた蓋体の、折り畳んだ状態を示す概略縦断側面図である。
投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムの空間部内に配達物が投入された状態で、回転ドラムを反時計廻り方向へ回転している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムを反時計廻り方向へ回転して、回転ドラムの空間部内に投入された配達物が当該回転ドラムの挿入口から落下して収容部内に収納される状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略斜視図である(実施例2)。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略正面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
蓋体を開いて投入口を開放している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムを反時計廻り方向へ回転して、回転ドラムの空間部内に投入された配達物が当該回転ドラムの挿入口から落下して収容部内に収納される状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の一部(投入口近傍)を示す概略斜視図である(実施例3)。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略斜視図である(実施例4)。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略正面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムの空間部内に配達物が投入された状態で、回転ドラムを反時計廻り方向へ回転している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムを反時計廻り方向へ回転して、回転ドラムの空間部内に投入された配達物が当該回転ドラムの挿入口から落下して収容部内に収納される状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略斜視図である(実施例5)。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略正面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
配達物受け箱を構成する回転ドラムの概略縦断側面図である。
投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムの空間部内に配達物が投入された状態で、回転ドラムを反時計廻り方向へ回転している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムを反時計廻り方向へ回転させ、当該回転ドラムを構成する滑り板が傾斜して配達物が落下している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムを反時計廻り方向へ回転して、回転ドラムの空間部内に投入された配達物が当該回転ドラムの挿入口から落下して収容部内に収納される状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
収容部に収納された複数の配達物が重なっている状態で、更に投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
同図31の配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態で、当該回転ドラムを時計廻り方向に回転している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
収容部の前面側に重なった配達物を避け、収容部の後面側に配達物が収納される様子を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略斜視図である(実施例6)。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略正面図である。
本発明の一実施例を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
配達物受け箱を構成する回転ドラムの概略縦断側面図である。
投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムの空間部内に配達物が投入された状態で、回転ドラムを反時計廻り方向へ回転している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
回転ドラムを反時計廻り方向へ回転させ、当該回転ドラムを構成する滑り板が傾斜して配達物が落下している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
収容部に収納された複数の配達物が重なっている状態で、更に投入口から投入された配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
同図41の配達物が回転ドラムの空間部内に挿入された状態で、当該回転ドラムを時計廻り方向に回転している状態を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
収容部の前面側に重なった配達物を避け、収容部の後面側に配達物が収納される様子を示す配達物受け箱の概略縦断側面図である。
10 配達物受け箱
12 筐本体
16 挿通孔
18 投入口
20 葉書投入口
24 軸受部材
32 蓋体
34 蓋回転軸
42 収容部
44 取出扉
46 鍵
50 邪魔板
54 回転ドラム
60 挿入口
62 ドラム板
64 把手
66 空間部
68 逆回転防止板
69 逆回転防止突起
70 滑り板
72 操作レバー
100 配達物