JP4931209B2 - 光学構造体 - Google Patents
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ところで近年、携帯電話ではデザインや機能の多様化が求められており、この引用文献1の携帯電話のような一般的な縦向きデザインの携帯電話だけではなく、横長に持つ横向きデザインの携帯電話の需要も認められるようになってきている。例えばワンセグチューナーを内蔵した大型液晶パネルが併設されたようないわゆるワンセグタイプの携帯電話では、むしろ入力キーを横向きにして使用することが使い勝手がよい場合があるからである。また、携帯電話以外のその他のPDA(Personal Digital Assistants)のような電子機器でも同様の事情がある。
更に、状況に応じて同じ機種で縦向きと横向きの両方の向きを随時切り替えて使用したいという要請もある。例えば、上記のようなワンセグタイプの携帯電話で携帯電話として使用する際には縦向きで使用し、映像を見る場合には横向きで使用するといったようなケースである。
このような不具合を解消するため、誘電体薄膜層を利用して同じ位置に90度向きの異なる文字等の2つのパターンを交錯させて配置させることが考えられる。これは、図13一例として示すように、入力キーの代わりにタッチパネル201を入力手段として用い、タッチパネル201の底位置に波長の異なる2種類の光源、例えば青色発光ダイオード(以下、LEDとする)202と赤色LED203をバックライトとして配設し、その上方位置に表裏に波長透過領域の異なる2種類の誘電体薄膜層を成膜させた透明フィルム204を配設するという基本構成を有するものである。
図14に示すように、第1の誘電体薄膜層205は波長の短い青色付近の波長を透過させ波長の長い赤色付近の波長の色を反射させるものとする。一方、第2の誘電体薄膜層206は逆に波長の短い青色付近の波長を反射させ波長の長い赤色付近の波長の色を透過させるものとする。両薄膜層205,206にはそれぞれ縦向きの場合と横向きの場合の文字等のパターン207,208が中抜きされている。つまりパターン207,208部分は薄膜層が形成されておらず可視光はすべて透過可能とされている部分となる。
このような構成であれば、バックライトとして青色LED202を照射した場合には縦向きのパターン208が青色でフィルム204に浮かび上がり、赤色LED203を照射した場合には横向きのパターン207が赤色でフィルム204に浮かび上がることとなる。このような構成とすればバックライトの色を変えることで縦向きと横向きのいずれの向きで使用しても同じ位置に文字等を正立させて表示させることが可能となる。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、異なる波長透過領域を有する複数の誘電体薄膜層を重ね合わせた際に自然光による目視をしてもパターンが交錯しないような光学構造体を提供することである。
第1の誘電体薄膜層101は文字、記号あるいは図形等からなる第1のパターン106を部分的に中抜きして成膜されており、同じく第2の誘電体薄膜層でも第2のパターン107が部分的に中抜きして成膜されている。つまり、これらのパターン106,107の外郭の内側部分には薄膜層は形成されていない。従って、第1及び第2のパターンが交錯した部分は第1及び第2の誘電体薄膜層101,102が欠落した部分となる。
一方、第3の誘電体薄膜層103は第1又は第2のいずれかのパターン106,107と外郭が一致する第3のパターン108として透明基板104の上に成膜されている。つまり、上記とは逆に第3のパターン108の外郭の内側部分に薄膜層が形成されることとなる。第3のパターン108は第1又は第2のいずれかのパターン106,107と一部又は全部の外郭が一致する。そして、第3のパターン108は第1又は第2のいずれかの選択されたパターン106,107と一部又は全部の一致する部分が照合して重ねられて配置されている。つまりいわゆるネガとポジの関係で配置されることとなる。図7では第3のパターン108は第1のパターン106と一致されているが、もちろん第2のパターン107と一致させてもよい。ここに一致する部分として「一部」でもよいとしたのは本発明の目的から照合するパターン同士のすべての部分の完全同一性を求めるものではなく、必要部分について部分的に一致させ得ればよいためである。
図7に示すように第1の誘電体薄膜層101側から第1の可視光L1を照射するバックライト(以下、第1のバックライトB1とする)と第2の可視光L2を照射するバックライト(以下、第2のバックライトB2とする)をそれぞれ配設するものとする。
この時、照射された第1の可視光L1は第1の誘電体薄膜層101を透過する(もちろん薄膜層のない第1のパターン106内においては当然透過する)。しかし、第1の可視光L1は第2の誘電体薄膜層102に至って反射される(もちろん薄膜層のない第2のパターン107内においては当然透過する)。一方、第2の可視光L2は逆に第1の誘電体薄膜層101にあっては反射される。唯一、第1のパターン106においては第2の可視光L2は透過することができる。そして、第2の誘電体薄膜層102に至った第2の可視光L2は第2の誘電体薄膜層102によっては反射されずそのまま透過することとなる(第1及び第2のパターン106,107で透過するのは同様)。
尚、実際には各薄膜の透過率や反射率は指向性を有する帯域にあっても100%の透過率や反射率に設定できない場合もある。つまり、一部の第1及び第2の可視光は上記のような挙動とならない場合も想定されるが、本発明の目的から第1及び第2の誘電体薄膜層において第1及び第2の可視光は概ね上記のような挙動をとれば足るものとする。
一方、例えば第2の可視光L2が赤色としてこの赤色光が照射された場合にはこの光は第1の誘電体薄膜層101の部分で反射され第1のパターン106の部分のみで透過することとなる。この第1のパターン106を透過した赤色光は次の第2の誘電体薄膜層102では第2のパターン107の有無に関わらずすべて透過してしまうこととなる。つまり、赤色光は第1のパターン106の中抜き部分のみが第2の誘電体薄膜層102を透過することとなる(図9の破線矢印のイメージ:この第2の可視光L2が第1のパターン106で第2の誘電体薄膜層102より外方に達するケースを目視Bとする)。
一方、上記目視Bの場合ではちょうど第3のパターン108部分に第1のパターン106は一致し、第1のパターン106を抜けてきた第2の可視光L2が第3のパターン108内の第3の誘電体薄膜層103に達することとなる。この時、第3の誘電体薄膜層103は第2の誘電体薄膜層102の第2の可視光L2の透過率よりも低く設定されているものの、第2の可視光L2を透過する設定になっている。そのため、第1のパターン10(つまり第3のパターン108)の第2の可視光L2は目視されることとなる。但し、構造中に第3の誘電体薄膜層103が介在されていない場合に比べて透過率が低いことから暗めに目視されることとなる(図9の実線矢印のイメージ)。
どの程度の暗さに設定するか、つまり第3の誘電体薄膜層103の第1及び第2の可視光L1,L2の透過率をどのように設定するかは、後述するバックライトが消灯されている場合の視認性との兼ね合いで決定されることとなるが、具体的な透過率としては第1及び第2の誘電体薄膜層の第1及び第2の可視光の透過率に対して30〜70%程度に設定することが好ましく、より好ましくは50〜70%である。透過率が低すぎるとバックライトからのライトアップされた光が暗くなってしまったり、外光で目視されるパターンが暗くなってしまうからである。一方、あまり透過率が高いと一方のパターンが十分消失せず、交錯して見えてしまうこととなるからである。
バックライトのみで使用するのであれば第1及び第2の誘電体薄膜層101,102の2膜を使ってそれぞれ上記のように目視Aと目視Bを切り替えればよい。しかし、上記課題のようにバックライトが消灯されている場合では両方のパターンが交錯してしまう。そのため、交錯しているパターンのうち、消したい方のパターンと同じパターンを第3のパターン108として配置するわけである。
ここで発明の理解を容易にするために、まず本発明の第3の誘電体薄膜層103が存在しない場合を想定して説明する。
図10に示すように、外光が当たった場合の第1及び第2の誘電体薄膜層101,102の両方の膜が存在する部分については第1及び第2の可視光L1,L2が合成された可視光として認識される。これは次のような作用による。第2の誘電体薄膜層で第1の可視光L1は反射され第2の可視光L2のみが透過して第1の誘電体薄膜層101に至る。しかし、透過した第2の可視光L2は第1の誘電体薄膜層101で反射されてしまうため結局第2の誘電体薄膜層102前面から透過されることとなり、トータルとして一旦分離された第1及び第2の可視光L1,L2は合成されて目視されることとなる。上記のように第1及び第2の可視光L1,L2がそれぞれ青色を中心とした波長群と赤色を中心とした波長群であれば合成されて一般に銀色の鏡面状の面として目視されることとなる。
一方、第1及び第2のパターン106,107部分ではパターンが交錯していずれか一方あるいは両方の第1及び第2の誘電体薄膜層101,102がない状態で目視がされることとなる。
これはいくつかのケースに分別できる。すなわち、図10に示すように、第2のパターン107のみが存在する部分P1については第1の誘電体薄膜層101で反射された第2の可視光L2を目視することとなる。
第1のパターン106のみが存在する部分P2については第2の可視光L2の反射がないため第2の誘電体薄膜層で反射された第1の可視光L1のみが反射光として目視される。また、第1及び第2のパターン106,107が交差した部分P3は薄膜がないため後方に抜けてしまう(つまり背景が目視されることとなる)。
つまり、このように第1及び第2の誘電体薄膜層101,102だけの場合にはバックライトが照射されていない状態では第1及び第2のパターン106,107ともに反射光が目視されてしまうこととなる。
目視させたい第2のパターン107のみが露出する部分P1については第1の誘電体薄膜層101で反射された第2の可視光L2は透明基板104をそのまま透過してくるため、問題なく目視されることとなる。
一方、図11に示すように、第3のパターン108(つまり第3の誘電体薄膜層103)が重ね合わされた目視させたくない第1のパターン107のみが露出する部分P2については第3の誘電体薄膜層103で外光の成分のうちの第2の可視光L2分が設定された透過率に基づいて所定量反射されることとなり、第2の誘電体薄膜層102方向に透過しないで反射する光量分C1が存在する。尚、第3の誘電体薄膜層103はバックライト点灯時に第2の可視光L2が透過されなくてはならないため、上記のように100%反射(0%の透過率)するわけではない。
一方、図12に示すように、外光の成分のうちの第1の可視光L1分は上記のように第3の誘電体薄膜層103を設定された透過率に基づいて所定量透過するが、この透過分の光量C2は結局第2の誘電体薄膜層102で反射されてしまうこととなる。
つまり、第1のパターン107(つまり第3のパターン108)部分では外光のうち、反射される第2の可視光L1の反射光量C1と第1の可視光L1の反射光量C2が合成されて色がうち消されてしまうこととなる。そのため、部分P2については一般には鏡面状のパターンのない部分として現れる。
また、第1及び第2のパターン106,107が交差した部分P3は第2のパターン107のみが残ると考えることができるため、概ねP1と同様の視認性能とされる。
本発明の誘電体膜ではこれら9種から選ばれる少なくとも2種の誘電体を光の透過する方向に低屈折率材料と高屈折率材料を交互に積層した交互層から構成されることが好ましい。構成される多層膜の数は特に限定されるものではない。所望の波長に対する反射性能又は透過性能を発現させるために化合物を選択し、組み合わせて誘電体光学膜を構成することが可能である。誘電体薄膜層の成膜方法に特に限定的な意味はないが一般的には蒸着法やスパッタリング法で成膜されることが好ましい。
上記各手段に加えて、第3の誘電体薄膜層の外側位置には可視光の透過率を抑制した保護膜層を配置するようにしてもよい。また、必ずしもタッチパネルと併用する必要はない。
このような構成において保護膜層を第3の誘電体薄膜層の外側に配置して全面の透過率を抑制し、第3の誘電体薄膜層のぎらつきを抑えるようにしてもよい。当該保護膜層はバックライトを消灯した際に設計によっては目視させたくないパターンの色が若干残ってしまい目視される可能性があるが、その場合にその残った色の視認性を低減させる効果もある。保護膜層も誘電体薄膜層で構成し、蒸着法やスパッタリング法で成膜されることが好ましい。使用される材料としては金属酸化物が好ましく(つまり金属薄膜)、例えば二酸化クロムが挙げられる。保護膜層は第3の誘電体薄膜層の表面に成膜させてもよく、別途透明基板上に成膜させてもよい。また、少なくとも可視光域では平均的に透過率を抑制することが好ましい。
図1及び図2に示すように、携帯電話機10は蓋側筐体11と本体側筐体12をヒンジ部13で連結された外形形状とされている。本実施例では携帯電話機10はワンセグチューナが内蔵され地上デジタルテレビジョン放送を見ることが可能である。蓋側及び本体側筐体11,12はヒンジ部13によって開閉可能とされ、携帯可能状態では図1の実線のように折り畳まれ、電話機やとして使用可能状態で仮想線のように開放させて内部を露出されることとなる。
図3に示すように、本体側筐体12の内面にはタッチパネル15が配設されている。使用者はタッチパネル15の表面にタッチして入力操作する。タッチパネル15にはテンキーや各種メニューキーのパターンを表示させるマスク17が埋設されている。タッチパネル15のタッチした場合に実行される入力内容とマスク17の当該キー位置は対応している。例えば使用者はタッチパネル15の表面の所定のパターン部分にタッチすることで電話番号の入力等の各種操作を行う。
タッチパネル15の裏面側には青色と赤色の2種類のLED18,19が交互に整然と配設されている。蓋側筐体11の内面には大型モニタ20が配設されている。携帯電話機10はその他携帯電話機としての通常の機構、例えば撮影用レンズ、モデム、マイク、レシーバ、送受信部、アンテナ等を備えているがこれらの説明は省略する。
タッチパネル15には蓋側筐体11を開放することによってテンキーや各種メニューキーのパターンが一定時間発光して表示されるようになっている。使用者の入力切り替えによって図2(a)と(b)のいずれかの向きで表示させることが可能である。本実施例では縦向きパターンが選択された場合には青色のLED18が発光されて図2(a)のような縦向きのパターンが表示され縦向きのパターンが青色光で表示され、横向きパターンが選択された場合には赤色のLED19が発光されて図2(b)のような横向きのパターンが赤色光で表示される。青色のLED18からの可視光が第1の可視光に相当し、赤色のLED19からの可視光が第2の可視光に相当する。
一方、青色のLED18及び赤色のLED19のいずれも点灯されていない状態では図2(a)のような縦向きのパターンが表示されるようになっている。
マスク17は2枚の透明基板を重複させて構成されている。図6に示すように、第1の透明基板21の表裏面には第1の誘電体薄膜層としての第1の薄膜層23及び第2の誘電体薄膜層としての第2の薄膜層24がそれぞれ蒸着によって成膜されている。第2の透明基板22の表裏面には第3の誘電体薄膜層としての第3の薄膜層25と保護膜層26がそれぞれ蒸着によって成膜されている。各層の順番は図4に示すようにLED18,19側から順に第1の薄膜層23、第2の薄膜層24、第3の薄膜層25及び保護膜層26とされている。
第1の薄膜層23は図5(a)のように横向きのパターンP1で中抜きされており、表1のような光学特性を示す。
第2の薄膜層24は図5(b)のように縦向きのパターンP2で中抜きされており、表2のような光学特性を示す。
第3の薄膜層25は図5(c)のように第1の薄膜層23とまったく一致するパターンP1でそのパターン内に成膜されている。つまり、第1の薄膜層23とパターンとはネガとポジの関係にある。第3の薄膜層25は表3のような光学特性を示す。
保護膜層26は第2の透明基板22の全面に均一の厚さで蒸着され表4のような光学特性を示す。尚、各層23〜26の光学特性は可視光域のみに特化して記入されている。
一方、表2に示すように、第2の薄膜層24は青色を中心とした波長群である400nm〜500nm辺りの光に対しては平均2%程度の透過率(平均98%程度の反射率)に設定され、赤色を中心とした波長群である550nm〜700nmの光に対しては平均98%程度の透過率(平均2%程度の反射率)に設定されている。つまり、第2の薄膜層24は赤色に対する透過率が極めて高く、青色に対しては極めて反射率が高く設定されている。
更に、表4に示すように、保護膜層26も可視光域(380〜700nmの範囲)において一定し平均50%程度の透過率(平均50%程度の反射率)に設定されている。
このような構成のマスク17ではテンキーや各種メニューキーのパターン以外の背景となる部分は青と赤の全反射面となるため光が合成されて鏡面として目視される。但し、保護膜層Dによって反射率が半分程度に抑制されているため、ぎらつき感はない。
・上記実施例では第1の薄膜層23を青色を透過させ、第2の薄膜層24では赤色を透過させるような設定であったが、他の色の組み合わせで構成しても構わない。
・上記実施例では第1の薄膜層23及び第2の薄膜層24はパターンP1,P2部分を中抜きにして、2枚合わせとすることで、他方の膜層23,24のパターンP1,P2側に自身を露出させるような構成であった。しかし、透明基板21に初めから2種類のパターン部分のみに第1の薄膜層23及び第2の薄膜層24を成膜させるようにしてもよい。この場合にはパターンP1,P2以外の背景部分は上記実施例のように鏡面ではなく透明基板21となるので背景部分に処理をしていなければマスク17の背景が目視されることとなる。従って、マスク17の背景を目視させないためにはパターンP1,P2部分以外をなんらかの膜層で遮蔽する必要がある。
・上記実施例ではバックライト消灯時において縦向きのパターンのみが目視できるようになっていたが、横向きをデフォルトとしてもよい(つまり図2(b)のようなパターン)。
・上記第1の薄膜層23及び第2の薄膜層24の光学特性の設定は一例であって、他の特性であっても構わない。
・上記実施例では第3の薄膜層23の光学特性として可視光域の全域で透過率50%としたが、このような設定以外のより好ましい設定があれば変更することは自由である。
・第1の薄膜層23と第2の薄膜層24の順序は逆であっても構わない。
・保護膜層26はなくともよい。保護膜層26の光学特性の変更も自由である。
その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (5)
- 所定の波長域にある第1の可視光を選択的に透過させるとともに、文字、記号あるいは図形等からなる第1のパターンを部分的に中抜きした第1の誘電体薄膜層を透明基板の上に成膜し、同第1の可視光とは異なる所定の波長域にある第2の可視光を選択的に透過させるとともに、文字、記号あるいは図形等からなる第2のパターンを部分的に中抜きした第2の誘電体薄膜層を透明基板の上に成膜し、同両第1及び第2のパターンが交錯するように両誘電体薄膜層を積層状に配置した光学構造体において、
前記第1又は第2のいずれかのパターンと一部又は全部の外郭が一致する第3のパターンを第3の誘電体薄膜層として透明基板の上に成膜するとともに、同第3の誘電体薄膜層を前記第1又は第2の誘電体薄膜層のいずれか一方の薄膜層の外側位置であって選択した当該第1又は第2のいずれか一方のパターンの一部又は全部と照合させて配置し、
前記第1及び第2の誘電体薄膜層の前記第1及び第2の可視光の透過率よりも同第3の誘電体薄膜層の当該透過率を低く設定するようにしたことを特徴とする光学構造体。 - 文字、記号あるいは図形等からなる第1のパターンを所定の波長域にある第1の可視光を選択的に透過させる第1の誘電体薄膜層として透明基板の上に成膜し、文字、記号あるいは図形等からなる第2のパターンを第1の可視光とは異なる所定の波長域にある第2の可視光を選択的に透過させる第2の誘電体薄膜層として透明基板の上に成膜し、同両第1及び第2のパターンが交錯するように積層状に配置した光学構造体において、
前記第1又は第2のいずれかのパターンと一部又は全部の外郭が一致する第3のパターンを第3の誘電体薄膜層として透明基板の上に成膜するとともに、同第3の誘電体薄膜層を前記第1又は第2の誘電体薄膜層のいずれか一方の薄膜層の外側位置であって選択した当該第1又は第2のいずれか一方のパターンの一部又は全部と照合させて配置し、
前記第1及び第2の誘電体薄膜層の前記第1及び第2の可視光の透過率よりも同第3の誘電体薄膜層の当該透過率を低く設定するようにしたことを特徴とする光学構造体。 - 前記第3の誘電体薄膜層の透過率は少なくとも第1〜第2の可視光可視光領域にかけて略定率に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学構造体。
- 前記第1及び第2の誘電体薄膜層は1枚の透明基板の表裏面にそれぞれ成膜されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学構造体。
- 前記第3の誘電体薄膜層の外側位置には可視光の透過率を抑制するための保護膜層を配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学構造体。
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