JP4931039B2 - 水質監視装置及び水処理設備 - Google Patents

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本発明は、膜分離装置(逆浸透(RO)膜分離装置、ノナ濾過(NF)膜分離装置、限外濾過(UF)膜分離装置、精密濾過(MF)膜分離装置など)に供給される水(膜分離装置の給水)の汚染度を、少ない原水量で従来より精度良く測定することができる水質監視装置と、この水質監視装置を備える水処理設備に関する。
従来、膜分離装置に供給される水の汚染度を測定する方法としては、MF法(Desalination,vol.20,p.353−364,1977)や、SDI法がある。
MF法は、1Lの原水を−500mmHgの減圧下で濾過するときの時間(秒あるいは分)で表示するものであり、水の汚染度が高いと濾過時間が長くなることを利用している。この方法で、評価に使用するフィルターは、孔径0.45μmの酢酸セルロース系フィルターであり、このフィルターは孔径も大きく、また原水中の有機物等の汚染物質の捕捉性も低いため、MF法は、測定精度は低いが、原水量が1Lと少なく、簡易であるという利点がある。
SDI法は、MF法と同仕様のフィルターを用いて、圧力207kPaで原水を濾過し、以下の式によりフィルターの目詰まり度合(Silt Density Index)を測定する方法であり、アメリカのASTMD 4189で示され、膜分離装置の給水質の評価法としては古くから広く用いられている。SDI法は、MF法より濾過する原水量が多い(15〜20L)ため、精度はMF法より高く優れているが、測定に要する原水量が多いことが欠点である。また、精度についても、MF法より多量の原水を濾過するため、測定精度はMF法より高いが、評価用のフィルターはMF法と同じであるため、MF法と同じく有機物の捕捉性については十分ではない。また、測定には最低15分を要するという欠点もある。
SDI=(1−t/t)×(100/15)
=最初の500mLを濾過するのに要した時間
=15分間濾過し続けた後、再度500mLを濾過するのに要した時間
なお、SDI法で孔径0.45μmのフィルターを用いることはASTMD4189で定められており、SDI法では、これよりも更に孔径の小さなフィルター例えば孔径0.1μm以下のフィルターは上記規格からはずれること及びt,tの測定に要する時間が長くなるため用いることはできない。
上述の如く、MF法は測定に使用する原水量が少なく簡易であるが、測定精度が低い。一方、SDI法は測定精度はMF法よりも優れるものの、測定に使用する原水量が多い。このように、MF法もSDI法も長所と短所を持つものである上に、いずれも測定水温の影響を受けるという欠点があった。
MF法では、水温の影響を水の粘性係数を用いて補正することができるが、SDI法では、水温の補正は行わないので、同一の水質を異なる水温で測定した場合は、異なった値となり、水温の低い条件ではSDI値は低く、水温の高い場合は高い値となる。このため、季節変動による水温の差により、SDI値は異なるものとなることから、例えば、原水の汚染度の経時変化を把握するような場合には、十分な測定方法とは言えない。
なお、膜分離装置の給水の汚染度の測定方法としては、その他に、水の濁度を測定する方法(特許第3198612号公報)や、波長260nmの紫外光の吸光度(E−260)を測定する方法(特許3312507号公報)もあるが、いずれも汚染度の指標として十分な値は得られない。
特許第3198612号公報 特許3312507号公報 Desalination,vol.20,p.353−364,1977
本発明は上記従来の問題点を解決し、膜分離装置の給水等の水の汚染度の指標を、少ない原水量で、しかも測定水温の影響を受けることなく、短時間に精度良く求めることができる水質監視装置と、この水質監視装置を備える水処理設備を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の水質監視装置は、原水を濾過膜に通水して濾過液を得る膜濾過手段と、該膜濾過手段からの濾過液量を測定するための濾過液量測定手段と、該濾過液量測定手段の測定結果から濾過係数を算出する演算手段とを備え、前記濾過係数が、下記式[2−1]〜[2−3]で表される中間閉塞濾過係数であることを特徴とする水質監視装置。
なお、以下において、各符号は次の通りである。
t:濾過時間(sec)
V:単位膜面積当りの濾過液量(m)
J:透過流束(m/s)
:初期透過流束(m/s)
:中間閉塞濾過係数(m −1
Figure 0004931039
請求項2の水質監視装置は、請求項1の水質監視装置において、前記膜濾過手段は未使用のシート状の濾過膜がロール状に巻回された未使用膜巻回体と、該未使用膜巻回体から送り出された該濾過膜を巻き取るための巻取体と、前記巻回体から送り出され、該巻取体に巻き取られる前の濾過膜に原水を透過させるように通水する通水手段とを備えてなることを特徴とする。
請求項3の水質監視装置は、請求項1又は2の水質監視装置において、前記濾過液量測定手段が自動天秤であることを特徴とする。
本発明(請求項4)の水処理設備は、水処理装置と、請求項1ないし3のいずれかに記載の水質監視装置と、該水質監視装置で算出された濾過係数によって該水処理装置の運転条件を制御するための制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項5の水処理設備は、請求項4の水処理設備において、前記水処理装置は、膜の洗浄手段を備える膜分離装置であり、該水処理設備は、該膜分離装置への給水の一部を抜き出して前記原水として前記水質監視装置に供給する手段を有し、前記制御手段は、該水質監視装置で算出した濾過係数に基いて前記洗浄手段の運転条件を制御することを特徴とする。
濾過液量から濾過係数を算出する本発明の水質監視装置によれば、次のような効果のもとに、水の汚染度を精度良く測定することができる。
1)同一水質の測定に要する原水量は、従来のSDI法に比べ1/10〜1/5の水量でよく、測定原水量を低減することができる。例えば、測定に必要な原水量は、濾過膜として直径47mmのフィルターを用いた場合で1.5〜2.5Lであり、直径25mmのフィルターを用いた場合では、更に少なくすることができる。
2)従来のSDI法は測定時間を一定としているため、測定水温の影響を受けるが、本発明では濾過係数として中間閉塞濾過係数を用いることから、本係数は水温の影響を受けないため、水温の影響を受けず、同一水質であれば、水温にかかわらず一定の値を得ることができる。従って、水温の変化が大きい原水の経時的な汚染度の測定にも有効である。
3)従来のSDI法では、評価用フィルターとして孔径の小さなフィルターを用いることはできないが、本発明では濾液量が少なくてもよいため、濾過膜として孔径が小さなフィルターを用いても測定可能であり、このようなフィルターを用いることにより、より高精度な値を得ることができる。
4)従来のSDI法では、測定は15分以上必要であるが、15分以内の短時間での測定が可能である。
5)SDI値は、物理的な意味を何も持たないが、濾過係数は、物理的な意味を持ち、特に中間閉塞濾過係数は、「原水中の単位容積当りの微粒子個数/単位膜面積当りの細孔数」という物理的な意味を持つため、膜汚染との関連が理解しやすい。
このような水質監視装置を備えた本発明の水処理設備によれば、原水の水質に応じて運転条件を的確に制御して安定かつ効率的な処理を行える。
以下に本発明の水質監視装置及び水処理設備の実施の形態を詳細に説明する。
[水質監視装置]
本発明の水質監視装置は、原水を濾過膜に通水して濾過液を得る膜濾過手段と、該膜濾過手段からの濾過液量を測定するための濾過液量測定手段と、該濾過液量測定手段の測定結果から濾過係数を算出する演算手段とを備えるものである。
{濾過係数}
まず、本発明において、水の汚染度の指標とする濾過係数について説明する。
本発明においては、HermanとBredceにより提案された細孔閉塞モデルに基き、濾過係数(膜の細孔の目詰り度,目詰り指数)を算出し、この濾過係数を原水の汚染度の指標として表す。
濾過閉塞モデル式は、以下の[1],[2],[3]の式で示され、さらに、[4]のケーク濾過式を加えて、大きくは4式で示される。これらの4式は以下の12式([1−1]〜[1−3],[2−1]〜[2−3],[3−1]〜[3−3],[4−1]〜[4−3])として、さらに表現される。本発明では、これら12式で表現される濾過係数を原水の汚染度の指標として用いる。
なお、以下において、各符号は次の通りである。
t:濾過時間(sec)
V:単位膜面積当りの濾過液量(m)
J:透過流束(m/s)
:初期透過流束(m/s)
:標準閉塞濾過係数(m−1
:中間閉塞濾過係数(m−1
:完全閉塞濾過係数(s−1
:ケーク濾過係数(s/m
Figure 0004931039
上記濾過係数のうち、特に中間閉塞濾過係数を用いることが、水温の影響を受けず、算出も容易であることから好ましい。
このような濾過係数を用いることにより、
(1) 少ない水でも測定ができる(ただし、ケーク濾過式における濾過係数では少ない水では、汚染度が低い水での測定は困難である。)。
(2) SDI法と高い相関関係を示す。
(3) 数値に物理的な意味があるため、膜汚染との関係を理解しやすい。
といった利点が得られ、特に上記濾過係数のうち、中間閉塞濾過係数を用いた場合には、
(4) 「原水中の単位容積当りの微粒子個数/単位膜面積当りの細孔数」という物理的意味を持っているため、水温の影響を受けない。(他の濾過係数はその物理的な意味において、初期透過流束の概念が含まれており、従って、水温の影響を受けるが、中間閉塞濾過係数には、初期透過流束の概念が含まれないため、水温の影響を受けない。)
(5) 算出が容易である。即ち、例えばlnJとVのグラフより求めることができる。
(6) 他の濾過係数と比べてSDI値と直線的な関係があり、広い数値範囲でSDI値との相関が高い。
という利点が得られる。
従って、本発明において濾過係数としては、中間閉塞濾過係数を採用し、前述の[2−2]式又は[2−3]式で算出する。
中間閉塞濾過係数K、透過流束J、初期透過流束J、濾過液量V、濾過時間tは図5(a),(b)に示す関係を有し、原水の汚染度が高くなると中間閉塞濾過係数Kも大きくなり、従来のSDI値と良好な相関を示し、図6に示す如く直線関係となる。
なお、前述の[1]〜[4]の各濾過式は、Vとして膜の単位面積当りの濾過液量(m)を用いているが、この濾過液量(m)の代わりに濾過液量(m)を使用し、Jとして濾過流束(m/s)の代わりに濾過流量(m/s)を使用することもでき、その場合には、濾過係数の単位は完全閉塞濾過係数K(1/s)、標準閉塞濾過係数K(1/m)、中間閉塞濾過係数K(1/m)、ケーク濾過係数K(s/m)となる。
{濾過膜}
次に、本発明の水質監視装置の膜濾過手段に用いられる濾過膜について説明する。
本発明の水質監視装置の濾過膜としては、孔径0.45μm以下のフィルターを用いることが好ましく、その材質としては、ポリアミド、ナイロン等の汚染物質の捕捉性の高いものを用いることが好ましい。
孔径が0.45μmよりも小さいフィルターを用いることにより、汚染物質の捕捉性が高くなり、透過流束の低下が速くなる。従って、少ない原水量でも十分に透過流束が変化するため、少ない原水量でも十分に再現性の高い(SDI値との相関性の高い)値をとることが可能となる。十分に透過流束が低下しない状態では、再現性の高いデータが得られない。
また、ポリアミドやナイロンなどの有機物等の汚染物質の捕捉性が高い材質のフィルターを用いることにより、汚染物質の捕捉性が高くなるため、上記と同じ理由で少ない原水量で十分に再現性のよい値を得ることができる。
なお、従来のMF法やSDI法で用いられている酢酸セルロース系フィルターとナイロン系フィルターとのTOC,色度の除去率の対比は下記表1に示す通りである。
Figure 0004931039
このようなことから、本発明において、水質監視装置の濾過膜としては孔径が0.45μm以下、好ましくは0.2μm以下、例えば0.1〜0.2μmの、ポリアミド、ナイロン製のフィルターを用いることが好ましい。
このような汚染物質の捕捉性に優れたフィルターであれば、濾過係数は、図7(a)に示すような現象を示す値と考えられ、例えば、孔径0.2μmのフィルター1を用いた場合、0.2μmより小さい微粒子であってもそのフィルターへの吸着性が高いものであれば吸着により捕捉され、濾過係数として反映される。
これに対して、従来のMF法やSDI法で用いられている孔径0.45μmの酢酸セルロース系フィルター2では、孔径が大きい上に汚染物質の吸着性も低いため、図7(b)に示す如く、0.45μm未満の微粒子は通過してしまい、汚染物質量の情報を十分に反映することができない。
なお、汚染度の異なる検水を用いて孔径0.45μmの酢酸セルロース(HA)系フィルターを用いてSDI値を求める場合(SDI法)に必要な原水量と、孔径0.2μmのナイロン製フィルター(日本ポール社製「Nylaflo」)を用いて中間閉塞濾過係数Kを求める場合(K法)に必要な原水量との対比を図8に示す。
このように、本発明においては、用いる分離膜を選択することにより、少ない原水量で高精度な測定を行えることが分かる。
{装置構成}
次に、図1を参照して本発明の水質監視装置の具体的な構成について説明する。
図1は本発明の水質監視装置の実施の形態を示す系統図である。
図1において、10は加圧タンクであり、圧力計11を備える。この加圧タンク10には、原水がサンプリングポンプP−1により導入ライン31を経て導入される。32はオーバーフローライン、33は排水ラインである。
この加圧タンク10には、コンプレッサー12で昇圧された空気が加圧ライン34を経て供給される。13はエアフィルター、14は圧力調整弁である。
15は膜濾過手段であり、第1のロール(未使用膜巻回体)16から濾過膜(フィルター)18が送り出され、第2のロール17(巻取体)で巻き取られる。第1のロール16から送り出された濾過膜18は、原水の通水路においてフィルターホルダー19により保持される。この膜濾過手段15には、加圧タンク10から原水が原水ライン35を経て供給され、濾過膜18でデッドエンド濾過された後、濾過液が濾過液ライン36から排出される。
20はアクチュエーターであり、コンプレッサー12から加圧ライン37を経て供給される加圧空気によってフィルターホルダー19の開閉を行うように構成されている。38は空気抜きラインである。濾過液ライン36からの濾過液は、自動天秤21の受槽22に送給される。39は受槽22の排水ラインである。自動天秤21の測定結果は演算・制御手段23に入力され、演算・制御手段23では入力された測定値から濾過係数が算出され、その算出結果に基いて制御信号が出力される。
AV−1〜AV−8は自動開閉弁を示す。
なお、原水の加圧は、加圧空気等によるガス加圧の他、水加圧ポンプ等で行うことができる。ガス加圧行う場合、図1に示すように加圧をするための加圧ガス発生機(コンプレッサーなど)と、加圧水貯留水槽(加圧タンク)を設けることにより、加圧圧力を一定の値に制御することができる。
測定圧力はSDI法で規定されている207kPaに限らず、これよりも高くても低くてもよいが、低すぎると測定時間が長くなり、また、膜や装置の耐圧性の点などより207kPa程度が好ましい。
濾過液量の測定手段としては、測定精度として感量0.1g又は0.1mL程度のものが好ましく、図1に示す自動天秤の他、精密流量計、精密レベル計やロードセル等を用いることができる。
演算・制御手段23では、濾過液量の測定値から濾過係数を算出するが、弁の開閉等の制御信号を出力して、原水のサンプリング、加圧、濾過膜の更新、濾過、測定等の一連の計測操作を自動制御することができるものが好ましい。また、更に濾過時間、測定水温を求めることができ、濾過係数を算出して表示すると共に、従来のSDI値も求めることができるものであることが好ましい。本発明の態様では、膜濾過手段としてはロール状に巻回された未使用膜巻回体から未使用の膜を送り出してフィルターホルダーにセットするものであるが、特にこれに限定されるものではなく、自動で膜セッティングされるものを好適に用いることができる。
{測定手順}
図1に示す水質監視装置による原水の汚染度の測定手順は次の通りである。
1)弁AV−1、AV−2を開とした状態でサンプリングポンプP−1で原水(測定用サンプル)を加圧タンク10に送る。弁AV−2よりオーバーフローが生じた時点で弁AV−2を閉とする。オーバーフローの時間を調整することにより加圧タンク10内の水の入れ替え量を調整することができる。
2)加圧タンク10内に原水が入って、オーバーフローした状態でポンプP−1停止、弁AV−1閉、弁AV−2閉とし、次いで、弁AV−3を開として、コンプレッサー12より加圧空気(207kPa)を送給して、タンク10内を207kPaに調整する。
3)膜濾過手段15のフィルター18を第1のロール16から一定長さ移送させる。移動長さは、第2のロール17のロール稼働時間で調整する。
4)フィルター18を新しいものにした後、弁AV−6を開とし、アクチュエーター20作動用のソレノイドバルブSV−1をONとして、フィルターホルダー19の上側のフィルター押さえ部材をアクチュエーター20で下に移動させる。
フィルター18は、フィルターホルダー19のOリングでシールされ、水漏れのない状態となる。
5)次に、弁AV−4、AV−5を開とし、加圧タンク10から加圧された原水を膜濾過手段15に送り、弁AV−5よりライン中の空気を除去する。
6)弁AV−5閉、弁AV−7開として、濾過を開始する。
7)濾過液は受槽22に受け入れ、自動天秤21で測定し、濾過時間と濾過液量を記録する。
8)濾過液量が所定量(例えば2.5L)になった時点で、弁AV−7閉、弁AV−4閉とし、濾過を終了する。
9)弁AV−8開として、受槽22から濾過液を排出し、弁AV−5開としてから、アクチュエーター20作動用ソレノイドバルブSV−1をOFFとして、アクチュエーター20でフィルターホルダー19の上側のフィルター押さえ部材を上げる。
10)3)と同様にフィルター18を1回分巻き取る。
11)弁AV−10を開として、加圧タンク10内の原水を排出する。サンプル水を連続的に加圧タンク10内に送る状態としておく場合は、サンプリングポンプP−1運転、弁AV−1開、弁AV−2開としておく。コンプレッサー12は圧力に応じて自動的にON−OFFする状態とする。
12)濾過時間と濾過液量の計測値を用いて時間対濾過液量の回帰2次曲線V=C+Ct+bを求める(図3(a))。
13)求めた回帰2次曲線から、濾過液量を時間で微分した値、即ち、透過流束Jを求め、その対数lnJを求める。
14)濾過液量Vと透過流束Jの対数lnJとのグラフを作成し(図3(b))、一次近似曲線lnJ=mV+bのm、即ち中間閉塞濾過係数Kを表示する。
15)中間閉塞濾過係数Kより、従来のSDI法のSDI値との相関関係式(SDI=αK+β)から、相当SDI値としても表示する。
上記12)〜15)の計算には、自動計算ソフトを装置内計装盤に組み込み自動計算を実施する。
なお、濾過液量としては、2.5Lに何ら限定されない。
本発明の方法では、例えば、用いたフィルターの面積に対して、測定に必要な濾過液量は950〜3000L/m程度とすることができる。
{用途}
本発明の水質監視装置は、特に、水処理設備の膜分離装置(RO膜分離装置、NF膜分離装置、UF膜分離装置、MF膜分離装置など)に供給する水の汚染度の測定に有効であるが、これに限らず、半導体のウエハー等の洗浄用水の水質評価、前処理用濾過器等の処理水質の水質評価など、幅広い水の水質評価に用いることができる。
[水処理設備]
本発明の水処理設備は、このような本発明の水質監視装置と、水処理装置とを備え、水質監視装置で算出された濾過係数によってこの水処理装置の運転条件を制御するようにしたものである。
このような本発明の水処理設備の実施態様には特に制限はないが、本発明は特に水処理装置として膜分離装置を備え、膜分離装置給水の水質を本発明の水質監視装置で監視し、この結果に基づいて、膜分離装置の分離膜の洗浄条件又は回収率を制御するものであることが好ましい。
即ち、例えば、膜分離装置の給水の一部を分取して水質監視装置の原水として水質監視装置に送給し、この給水の一部について水質監視装置で濾過係数を算出し、算出した濾過係数から、水質が悪いと評価された場合には、洗浄頻度や洗浄水量又は洗浄圧力を高めたり、薬品を用いた薬品洗浄の場合には洗浄薬品濃度を上げるなど、洗浄条件を変更するものが挙げられる。その他、膜の洗浄条件の制御に限らず、膜分離水の回収率や膜分離装置の前処理装置の運転条件を制御することもでき、例えば、水質監視装置で算出された濾過係数の値に基いて前処理装置で使用する凝集剤の添加量を増減するなどの制御方法を採用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
微粒子、有機物質、色度成分等を含む表2に示す水質の調整水−1〜5を調製し、各調整水について、図2に示す測定装置を用いて、濾過液量と濾過時間のデータを求め、この値から中間閉塞濾過係数Kを算出した。
Figure 0004931039
図2において、41は圧力容器であり、各調整水40が貯留されている。この圧力容器41は、コンプレッサー42で加圧された空気がエアフィルター43で除塵された後圧力調整弁44を経て導入されることにより内部が加圧される。45は圧力計である。圧力容器41内の調整水40は、この加圧力で送り出され、フィルターホルダー46に保持されたフィルターで濾過され、濾過液は天秤47上の濾過液受槽48に貯留される。49は開閉弁である。
測定は以下の手順で行った。
1)圧力容器(約20L容量)41に調整水−1を18L入れ、コンプレッサー42からの空気で207kPaに加圧した。
2)フィルターホルダー46には、直径47mm、孔径0.2μmのナイロン製フィルター(日本ポール社製「Nylaflo」)(以下「Nylaflo、0.2μmフィルター」と称す。)をセットし、濾過時間と濾過液量を測定した。測定水温は室温(約20℃)であった。
3)フィルターホルダー46のフィルターを、直径47mm、孔径0.45μmの酢酸セルロース系フィルター(ミリポア社製「HAWP」)(以下「HAWP、0.45μmフィルター」と称す。)に交換し、同様に濾過時間と濾過液量を測定した。ここでは、濾過液量500mLのときの濾過時間t(sec)、15分間濾過継続後にさらに500mL濾過するときの濾過時間t(sec)も測定し、tとtよりSDI値も計算した。
4)以上の操作を調整水−2、3、4、5についても行った。
Nylaflo、0.2μmフィルターを用いたときの濾過液量Vと濾過時間tとの関係から、透過流束Jを求め、Jの対数lnJと濾過液量V(m)との関係を求めた(図3(a),(b))。これらの値を中間閉塞濾過式[2−3]に代入して中間閉塞濾過係数Kを求めた。この結果を表3に示す。
また、上記3)でHAWP、0.45μmフィルターによる測定値から算出したSDI値を表3に併記した。
Figure 0004931039
従来法のSDI値と、Nylaflo、0.2μmフィルターを用いて算出した中間閉塞濾過係数Kとの関係は図4に示す通りであり、両者は直線的な相関を示し、濾過係数Kを原水の汚染度の指標として用いることができることが確認された。
本発明の水質監視装置の実施の形態を示す系統図である。 実施例1で用いた水質監視装置の構成を示す系統図である。 (a)図は濾過時間と濾過液量とから求められる時間対濾過液量の回帰2次曲線を示し、(b)図は、(a)図から求められる濾過液量Vと透過流束Jの対数lnJとの一次近似曲線を示すグラフである。 実施例1で得られた従来法によるSDI値と本発明による濾過係数Kとの相関を示すグラフである。 (a)図は透過流束Jと濾過液量Vとの関係を示すグラフであり、(b)図は透過流束Jの逆数(1/J)と濾過時間tとの関係を示すグラフである。 従来法によるSDIと本発明による濾過係数Kとの相関を示すグラフである。 フィルターによる捕捉機構を示す模式的断面図である。 測定に必要な原水量と水質との関係を示すグラフである。
10 加圧タンク
12 コンプレッサー
15 膜濾過手段
16 第1のロール
17 第2のロール
18 濾過膜(フィルター)
19 フィルターホルダー
20 アクチュエーター
21 自動天秤
23 演算・制御手段
40 調整水
41 圧力容器
42 コンプレッサー
43 エアフィルター
44 圧力調整弁
45 圧力計
46 フィルターホルダー
47 天秤
48 受槽

Claims (5)

  1. 原水を濾過膜に通水して濾過液を得る膜濾過手段と、
    該膜濾過手段からの濾過液量を測定するための濾過液量測定手段と、
    該濾過液量測定手段の測定結果から濾過係数を算出する演算手段と
    を備え
    前記濾過係数が、下記式[2−1]〜[2−3]で表される中間閉塞濾過係数であることを特徴とする水質監視装置。
    なお、以下において、各符号は次の通りである。
    t:濾過時間(sec)
    V:単位膜面積当りの濾過液量(m)
    J:透過流束(m/s)
    :初期透過流束(m/s)
    :中間閉塞濾過係数(m −1
    Figure 0004931039
  2. 請求項1の水質監視装置において、前記膜濾過手段は
    未使用のシート状の濾過膜がロール状に巻回された未使用膜巻回体と、該未使用膜巻回体から送り出された該濾過膜を巻き取るための巻取体と、
    前記巻回体から送り出され、該巻取体に巻き取られる前の濾過膜に原水を透過させるように通水する通水手段と
    を備えてなることを特徴とする水質監視装置。
  3. 請求項1又は2の水質監視装置において、前記濾過液量測定手段が自動天秤であることを特徴とする水質監視装置。
  4. 水処理装置と、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の水質監視装置と、
    該水質監視装置で算出された濾過係数によって該水処理装置の運転条件を制御するための制御手段と
    を備えたことを特徴とする水処理設備。
  5. 請求項4の水処理設備において、前記水処理装置は、膜の洗浄手段を備える膜分離装置であり、該水処理設備は、該膜分離装置への給水の一部を抜き出して前記原水として前記水質監視装置に供給する手段を有し、前記制御手段は、該水質監視装置で算出した濾過係数に基いて前記洗浄手段の運転条件を制御することを特徴とする水処理設備。
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