JP2005265413A - 分析用試験液を濾過するためのフィルター自動送り機能付き濾過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルターの目詰まりが未然に防止され、濾過に要する手間が大幅に軽減されると共に、安定した濾液性状が得られる分析用試験液の濾過装置を提供する。
【解決手段】分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞状況をモニターし、閉塞の度合いが決められた基準を超えた場合に自動的にフィルターを送る。または、分析用試験液を濾過する方法において、一定時間経過毎に自動的にフィルターを送る。
【選択図】 図1
【解決手段】分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞状況をモニターし、閉塞の度合いが決められた基準を超えた場合に自動的にフィルターを送る。または、分析用試験液を濾過する方法において、一定時間経過毎に自動的にフィルターを送る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フィルターを自動的に送りながら分析用試験液を濾過するための装置に関する。
土壌汚染対策法では、有害物質使用特定施設がその使用を廃止する場合、若しくは都道府県知事が人の健康に係る被害が生ずるおそれがあると認めた場合には、その土地の調査の調査を義務付けている。そして、その測定方法は、環境省告示(環境庁告示第46号、環境庁告示第13号、環境省告示第16号、環境省告示第19号)等で厳密に規定されている。
例えば、土壌あるいは廃棄物の溶出試験法においては、ガラス製容器又は測定対象とする物質が吸着しない容器に収めて試料を採取し、風乾する。得られた試料とその10倍量の水又はpHを5.8〜6.3に調整した溶媒とを混合し、6時間振盪して試料液を得た後、この試料液を遠心分離する。得られた上澄み液を、土壌については孔径0.45μmのメンブレンフィルターで、廃棄物については孔径1μmのメンブレンフィルターで濾過して試験液(検液)を調製する。
また、土壌含有量調査に係る測定方法においては、試料をポリエチレン製容器又は測定の対象とする物質が吸着若しくは溶出しない容器に収めて試料を採取し、風乾する。得られた試料に重量体積比で3%となるように1mol/lの塩酸若しくは六価クロム化合物の測定のためには炭酸ナトリウム+炭酸水素ナトリウムの混合溶媒を加えて混合し、2時間振盪して試料液を得た後、10分から30分程度静置後、必要に応じてこの試料液を遠心分離する(特開2003−112081号公報参照)。得られた上澄み液を、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して試験液(検液)を調製する。
前記試料液の遠心分離には、通常、回転数が数千回転の遠心分離機が使用されており、また、前記上澄み液の濾過には、吸引瓶を利用した吸引濾過法が一般的に採用されているが、フィルターの孔径が小さいため、後者の濾過に多くの時間がかかるという問題がある。特に、粘土質の土壌(特に0.1〜0.2μmの粒子を多く含むもの)を試験する場合には、フィルターが目詰まりし易く、頻繁にフィルターを交換しなければならない。フィルターの交換を怠ると、濾過時間が非常に長くなるだけでなく、目詰まりによりフィルターの見掛けの孔径が小さくなり、濾液の性状が変化するため分析値が低く出るという問題も発生する。
また、フィルターに掛かるテンションに対応して送り速度を変化させ、連続的に送るフィルターを用いる濾過器も提案されている(特開平8−276109号公報参照)。
特開2003−112081号公報
特開平8−276109号公報
環境庁告示第46号
環境庁告示第13号
環境省告示第16号
環境省告示第19号
本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、フィルターの目詰まりが未然に防止され、濾過に要する手間が大幅に軽減されると共に、安定した濾液性状が得られる分析用試験液の濾過装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれは、以下に示す分析用試験液の濾過装置が提供される。
(1)分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞状況をモニターし、閉塞の度合いが決められた基準を超えた場合に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。
(2)分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞速度があらかじめわかっている場合に、一定時間経過毎に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。
(3)該分析用試験液が、土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液のいずれかである前記(1)〜(2)のいずれかに記載した濾過装置。
(4)フィルターの閉塞状況のモニター方法が、濾過される液の液面変化、濾過部分での流速、濾過操作によって得られた濾液の液面変化、濾過操作によって得られた濾液の重量変化のいずれかの方法である前記(1)に記載の濾過装置。
(5)ロール状のフィルターを用いてフィルターを自動送りすることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載した濾過装置。
(6)分析用試験液供給部とフィルター部分の間にバルブを設けて隔離することにより、フィルター送り時に分析用試験液が漏れ出すのを防ぐ機構を有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載した濾過装置。
(1)分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞状況をモニターし、閉塞の度合いが決められた基準を超えた場合に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。
(2)分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞速度があらかじめわかっている場合に、一定時間経過毎に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。
(3)該分析用試験液が、土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液のいずれかである前記(1)〜(2)のいずれかに記載した濾過装置。
(4)フィルターの閉塞状況のモニター方法が、濾過される液の液面変化、濾過部分での流速、濾過操作によって得られた濾液の液面変化、濾過操作によって得られた濾液の重量変化のいずれかの方法である前記(1)に記載の濾過装置。
(5)ロール状のフィルターを用いてフィルターを自動送りすることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載した濾過装置。
(6)分析用試験液供給部とフィルター部分の間にバルブを設けて隔離することにより、フィルター送り時に分析用試験液が漏れ出すのを防ぐ機構を有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載した濾過装置。
本発明によれば、フィルター交換に要する手間をなくすことができると共に、フィルターの閉塞を起こすことなく濾過が進行することから、確度の高い分析値を与える安定した性状の濾液(検液)を得ることができる。
本発明において、分析用試験液を濾過するために用いる濾過装置は、分析用試験液を収容させる容器と、濾液を受ける容器を収納した真空瓶、真空瓶を排気するための真空ポンプ、ロール状メンブレンフィルターの取付ロールと巻上げロールとからなる。次に、この濾過機構について図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の濾過装置の1例についての説明図である。図1において、1はメンブレンフィルターロール、2は試験液の液面センサー、3は試験液を収容する容器、4,8は三方電磁弁、5はフィルターを保持するシンターガラス、6は真空瓶、7は濾液を受ける容器、9はフィルター巻上げロール、10は真空ポンプを示す。
試験液容器3は、被処理液である分析用試験液を収容させて、この分析用試験液を濾過装置に供給するものである。その材質は、金属、ガラス、プラスチック等の各種の材質であることができるが、通常は、分析用試験液中の溶解成分が吸着しにくいプラスチック、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリスチレンの使用が好ましい。
試験液容器3には、分析用試験液の残量及びフィルターの閉塞状況をモニターするための液面センサー2を取付けるが、この方式に限定されるものではない。三方電磁弁4若しくはシンターガラス5の下部等の通液部分に流速計を付けて濾液の流速をモニターする方法や、液面センサー2を濾液受容器7に取付けて、得られた濾液の液面変化をモニターする方法、あるいは濾液受容器7を天秤に乗せ、濾液の重量変化をモニターする方法をとることもできる。閉塞が設定値まで進んだ場合には、自動的にフィルターを送るが、フィルターの閉塞速度があらかじめわかっている場合には、一定時間毎にフィルターを送る機構をとることもできる。
試験液容器3は、上下に駆動する構造をとり、濾過時は下降してフィルターと密着させ、フィルター送り時は上昇させてフィルターとの密着を解除するが、この方式に限定されるものではない。シンターガラス5を上下させる方法をとることもできる。
試験液容器3の下部には三方電磁弁4を取付け、濾過時は濾過部に分析用試験液を供給し、フィルター送り時は電磁弁4を切り替えて、分析用試験液の供給を停止するとともに、上部を大気に開放してフィルター上部に残っている分析用試験液の濾過を完了させる。
メンブレンフィルターロール1は、自動的にフィルターを送るために、常に新しいフィルターを供給する。このロールは、試験液による汚染を防ぐために濾過部より上方に配置するのが好ましい。また、このロールは、市販のメンブレンフィルターロールを好ましく用いることができる。フィルターの送り時には、フィルター巻上げロール9によりフィルターを巻き取るが、途中のガイドロールへのスラリーの付着を防ぐため、下方に配置するのが好ましい。
シンターガラス5は、濾過面積を多く取れるシンターガラスを用いるが、これに限定されるものではない。多数の孔を明けたプラスチック板やガラス板を用いることもできる。
真空瓶6の中に、濾液受容器7を収納し濾過を行う。真空瓶6には真空ポンプ10を接続するが、その接続の途中に三方電磁弁8を取付け、フィルター送り時には電磁弁を切り替えて、真空瓶6の真空を解除する。
図1に示した濾過装置を用いて分析用試験液を濾過するには、試験液容器3内に分析用試験液を収容させ、真空瓶6内に濾液受容器7を収納した後、試験液容器3を下降させてフィルターと密着させる。
次に、電磁弁4及び8を切り替えるとともに真空ポンプ10を稼動させることにより、分析用試験液を濾過部に供給するとともに、真空瓶6内の真空度を上げて吸引濾過を進行させる。
液面センサー2により液面をモニターし、濾過速度が設定した値以下になったら、電磁弁4を切り替えて分析用試験液の供給を停止するとともに、上部を大気に開放してフィルター上部に残っている分析用試験液の濾過を完了させる。なお、濾過速度の設定値については、現状の濾過操作におけるフィルターの交換頻度を考慮して設定すればよく、すべての試料において同じ設定値を適用することにより、安定した分析値を得ることができる。
真空ポンプ10を停止させた後、バルブ8を切り替えて真空瓶6内の真空を解除する。続いて試験液容器3を上昇させた後、フィルター巻上げロール9によりフィルターを巻上げてフィルターの送りを行う。
再び、試験液容器3を下降させてフィルターと密着させ、電磁弁4及び8を切り替えるとともに真空ポンプ10を稼動させることにより、分析用試験液を濾過部に供給するとともに、真空瓶6内の真空度を上げて吸引濾過を再開する。
前記段落「0023」〜「0025」の操作を試験容器3内の試験液がなくなるまで繰り返す。
試験容器3内の分析用試験液がなくなり、濾過が終了した場合は、前記段落「0024」の操作を行った後、濾液受容器7を取り出して濾液を得る。
次の分析用試験液の濾過に移る場合は、試験液容器に純水を入れた後、試験液容器3を下降させてフィルターと密着させ、電磁弁4及び8を切り替えるとともに真空ポンプ10を稼動させることにより、純水を濾過部に供給するとともに、真空瓶6内の真空度を上げて吸引濾過し、系内を洗浄する。純水がすべて吸引されたら、真空ポンプ10を停止させた後、バルブ8を切り替えて真空瓶6内の真空を解除する。続いて試験液容器3を上昇させた後、フィルター巻上げロール9によりフィルターを巻上げてフィルターの送りを行い、次の分析用試験液の濾過に移る。
前記のようにして、本発明の濾過装置を用いて分析用試験液の濾過を行う場合、フィルターの閉塞をモニターしながらフィルターを自動的に送ることにより、フィルター交換にかかる煩雑な操作を排除するとともに、フィルターを閉塞させることなく濾過を行うことができる。
本発明で用いる分析用試験液には各種のものがあり、各種排水の他、土壌や廃棄物の溶出液や土壌含有量調査試験液等が包含される。環境庁告示第46号(土壌の溶出試験法)、環境省告示第16号(土壌の溶出試験法)や環境庁告示第13号(廃棄物の溶出試験法)、環境省告示第19号(土壌含有量調査試験法)等においては、検液を得るために、その溶出液を濾過することが定められている。本発明の濾過装置は、このような試験液に対して有利に適用することができる。例えば、環境庁告示第46号(土壌の溶出試験法)では、検液を得るために、土壌の溶出液を回転数3000rpmで20分間遠心分離した後、その上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過することとされているが、3000rpm、20分間の遠心分離では沈降しない0.1〜0.2μmの粒子もフィルターの閉塞に寄与している。本発明によれば、遠心分離では取り除くことのできない粒子によるフィルターの閉塞を効果的に排除することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(土壌試料)金属元素により汚染されていると思われる敷地A、Bより、それぞれ約2kgの土壌試料A、Bを採取して風乾した。また、弗素及び硼素により汚染されていると思われる敷地C、Dより、それぞれ約2kgの土壌試料C、Dを採取して風乾した。
実施例1、2
土壌試料(A又はB)400gをガラス容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液3Lを図1に示した濾過装置における試験液容器3に入れた後、幅100mm、孔径0.45μmのロール状メンブレンフィルター1により濾過を行った。濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした。得られた検液中のCr、As、Se、Cd、Hg、Pbを、JIS K0102に記載された方法(Cr、Cd、PbについてはICP質量分析法、As、Seについては水素化物発生−ICP発光分析法、Hgについては還元気化一原子吸光法を使用)で分析、定量した。
実施例3、4
フィルターを10分毎に自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例5、6
三方電磁弁4の通液部分に流速計を付けて濾液の流速をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例7、8
液面センサー2を濾液受容器7に取付けて、得られた濾液の液面変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例9、10
濾液受容器7を天秤に乗せ、濾液の重量変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例11、12
土壌試料(C又はD)400gをポリプロピレン容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液3Lを図1に示した濾過装置における試験液容器3に入れた後、幅100mm、孔径0.45μmのロール状メンブレンフィルター1により濾過を行った。濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした。得られた検液中の弗素、硼素を、環境庁告示第59号に記載された方法(弗素についてはイオンクロマトグラフ法、硼素についてはICP質量分析法を使用)で分析、定量した。
実施例13、14
フィルターを10分毎に自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例15、16
三方電磁弁4の通液部分に流速計を付けて濾液の流速をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例17、18
液面センサー2を濾液受容器7に取付けて、得られた濾液の液面変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例19、20
濾液受容器7を天秤に乗せ、濾液の重量変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
比較例1、2
土壌試料(A又はB)400gをガラス容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。得られた検液中のCr、As、Se、Cd、Hg、Pbを、実施例1と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の5倍であった。
比較例3、4
土壌試料(A又はB)400gをガラス容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。濾過する際、フィルターの閉塞が確認される毎にフィルターを交換した。得られた検液中のCr、As、Se、Cd、Hg、Pbを、実施例1と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の1.5倍であった。
比較例5、6
土壌試料(C又はD)400gをポリプロピレン容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心分離した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。得られた検液中の弗素及び硼素を、実施例11と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の5倍であった。
比較例7、8
土壌試料(C又はD)400gをポリプロピレン容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心分離した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。濾過する際、フィルターの閉塞が確認される毎にフィルターを交換した。得られた検液中の弗素及び硼素を、実施例11と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の1.5倍であった。
実施例1、2
土壌試料(A又はB)400gをガラス容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液3Lを図1に示した濾過装置における試験液容器3に入れた後、幅100mm、孔径0.45μmのロール状メンブレンフィルター1により濾過を行った。濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした。得られた検液中のCr、As、Se、Cd、Hg、Pbを、JIS K0102に記載された方法(Cr、Cd、PbについてはICP質量分析法、As、Seについては水素化物発生−ICP発光分析法、Hgについては還元気化一原子吸光法を使用)で分析、定量した。
実施例3、4
フィルターを10分毎に自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例5、6
三方電磁弁4の通液部分に流速計を付けて濾液の流速をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例7、8
液面センサー2を濾液受容器7に取付けて、得られた濾液の液面変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例9、10
濾液受容器7を天秤に乗せ、濾液の重量変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例1と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例11、12
土壌試料(C又はD)400gをポリプロピレン容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液3Lを図1に示した濾過装置における試験液容器3に入れた後、幅100mm、孔径0.45μmのロール状メンブレンフィルター1により濾過を行った。濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした。得られた検液中の弗素、硼素を、環境庁告示第59号に記載された方法(弗素についてはイオンクロマトグラフ法、硼素についてはICP質量分析法を使用)で分析、定量した。
実施例13、14
フィルターを10分毎に自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例15、16
三方電磁弁4の通液部分に流速計を付けて濾液の流速をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例17、18
液面センサー2を濾液受容器7に取付けて、得られた濾液の液面変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
実施例19、20
濾液受容器7を天秤に乗せ、濾液の重量変化をモニターし、濾過速度が10ml/分以下になった時点でフィルターを自動的に送るように装置をセットした以外は、実施例11と同様の操作を行って、分析、定量した。
比較例1、2
土壌試料(A又はB)400gをガラス容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。得られた検液中のCr、As、Se、Cd、Hg、Pbを、実施例1と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の5倍であった。
比較例3、4
土壌試料(A又はB)400gをガラス容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。濾過する際、フィルターの閉塞が確認される毎にフィルターを交換した。得られた検液中のCr、As、Se、Cd、Hg、Pbを、実施例1と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の1.5倍であった。
比較例5、6
土壌試料(C又はD)400gをポリプロピレン容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心分離した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。得られた検液中の弗素及び硼素を、実施例11と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の5倍であった。
比較例7、8
土壌試料(C又はD)400gをポリプロピレン容器に入れ、水4Lを加えて蓋を閉め、振盪器で6時間振盪して上澄み液を採取した。この上澄み液を遠心管に入れた後、遠心管を遠心機にセットし、回転数3000rpmで20分間遠心分離した。この上澄み液を直径90mm、孔径0.45μmのメンブレンフィルターをセットした吸引濾過器で濾過して検液を作成した。濾過する際、フィルターの閉塞が確認される毎にフィルターを交換した。得られた検液中の弗素及び硼素を、実施例11と同様にして分析、定量した。尚、この場合、検液を得るために要した時間は実施例の場合の1.5倍であった。
表1の結果から明らかなように、本発明の方法で得られた分析値は、従来法でフィルターを交換せずに得られた分析値より高めの値が得られ、フィルターの閉塞状況を観察しながら頻繁にフィルターを交換した場合の分析値と同一の値が得られる。即ち、本発明によれは、フィルターの閉塞の影響を排除した確度の高い分析値を与える検液の調製を、高効率に行うことができる。
1 メンブレンフィルターロール
2 試験液液面センサー
3 試験液容器
4,8 三方電磁弁
5 シンターガラス
6 真空瓶
7 濾液受容器
9 フィルター巻上げロール
10 真空ポンプ
2 試験液液面センサー
3 試験液容器
4,8 三方電磁弁
5 シンターガラス
6 真空瓶
7 濾液受容器
9 フィルター巻上げロール
10 真空ポンプ
Claims (6)
- 分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞状況をモニターし、閉塞の度合いが決められた基準を超えた場合に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。
- 分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞速度があらかじめわかっている場合に、一定時間経過毎に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。
- 該分析用試験液が、土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液のいずれかであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1つに記載した濾過装置。
- フィルターの閉塞状況のモニター方法が、濾過される液の液面変化、濾過部分での流速、濾過操作によって得られた濾液の液面変化、濾過操作によって得られた濾液の重量変化のいずれかの方法であることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
- ロール状のフィルターを用いてフィルターを自動送りすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載した濾過装置。
- 分析用試験液供給部とフィルター部分の間にバルブを設けて隔離することにより、フィルター送り時に分析用試験液が漏れ出すのを防ぐ機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載した濾過装置。
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2004
- 2004-03-16 JP JP2004073627A patent/JP2005265413A/ja active Pending
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