JP4930933B2 - 磁気光学素子 - Google Patents
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例えば、半導体レーザーを光源とする光ファイバー通信網において、半導体レーザーへの戻りビームは信号雑音の大きな原因となる。そこで、この半導体レーザーへの戻り光を遮断するために、光アイソレーターが用いられている。
また、光通信用回路デバイスとしては、光アイソレーターのほか、光サーキュレーター、可変光アッテネーター、光スイッチなどが実用化されている。さらに近年、高速かつ大容量の通信技術として、波長多重光伝送の実用化が進み、光集積回路素子としての光アイソレーター、光サーキュレーターなど非相反光学部品の必要性も増してきている。
特に近年は前述のとおり短時間で大量のデータが送信可能な高速・大容量の光通信を可能とすべく、短波長領域において高い磁気光学効果を発揮し得る磁気光学素子の開発が期待されている。また、特に光アイソレーターでは、大きな磁気光学効果を備えると同時に光吸収が小さいことが要求されるため、いろいろな波長に対して様々な材料の開発が行われている。
また、特許文献2では「光アイソレータ」として、光アイソレータのファラデー回転子が常磁性体であるもの、そしてその常磁性体に含まれるものの中でもCd1-xMnxTe(0<x<1)、Hg1-yMnyTe(0<y<1)、Hg1-zCdzTe(0<z<1)の単結晶あるいは多結晶からなる磁気光学素子が開示されている。
さらに、特許文献3では、「磁気光学素子および光アイソレータ」としてルチル型構造を有する二酸化チタンにコバルトを添加してなる磁気光学素子が開示されている。
また、特許文献1乃至3に開示されるような常磁性体を用いたファラデー回転素子では、素子として用いる際には大きな外部磁界が必要となり、小型化には不向きであるという課題があった。
さらに、これら素子応用に関する通常のデータとしては、例えば、光波長領域1.3〜1.5μm帯で用いられているガーネット系材料のファラデー回転角は数千°/cmであったり、光波長領域0.86〜1.1μm帯で用いられるCdHgMnTe系材料のファラデー回転角が0.05°/cm・Oe程度であったりと、光波長領域が長い領域であってしかも磁気光学特性が好ましくなく大きな外部磁界を必要とするものであり小型化も困難であるという課題があった。
なお、ガーネット系材料とCdHgMnTe系材料で上述の回転角の単位が異なるのは、ガーネット系材料はフェリ磁性であり、磁場が数千Oe(エルステッド)でファラデー回転角の大きさが飽和すると考えられ、その飽和の回転角が示される一方、CdHgMnTe系材料は常磁性体であるためにファラデー回転角の大きさは磁場の増加と共にほぼ単調に増加するために、単位印加磁場強度当りの回転角として表現されるからである。ちなみに上述のCdHgMnTe系材料の場合、数千Oeでは回転角はせいぜい数百°/cmである。なお、1エルステッドはSI単位で表現すれば、103/4π[A/m]となる。
一方、光通信情報システムや端末装置におけるこれら光アイソレーターの占める体積は依然として大きく、今後の高度情報化社会において各家庭への大容量情報通信網を考えた場合、短波長の可視光や近紫外光領域で作動し、小型かつ安価な光アイソレーターの実現が強く求められる。光アイソレーターの小型化のためには、大きな磁気光学効果を示し、かつ飽和磁界が小さい材料が望ましい。
本実施の形態に係る磁気光学素子の主成分となるZnCoOは、スパッタ法により、サファイヤ基板上に作製された。スパッタのターゲットの組成を変えることで、ZnCoO薄膜の組成を制御し、様々な試料の作製を行った。本実施の形態に係る磁気光学素子は、このようにして作製されるZnCoOの単結晶板あるいは多結晶板として形成されるものである。
図1はZnCoOの磁化の磁場依存性を示す図である。x軸には磁場の強さをとり、y軸には磁化の強さをとっている。磁化の単位は、emu/cm3としているが、この1emuをSI単位で表現すれば、4π/104[T](テスラ)となる。
磁化の測定は、超伝導量子干渉計(SQUID磁束計)にて行った。測定温度は室温(27℃)である。磁場は薄膜面内方向に印加した。図中示してある比は、ZnCoOの組成の比である。その組成は電子プローブX線マイクロ分析法にて決定した。Co濃度の高い試料においては、明確なヒステリシスがみられ、強磁性体であることがわかる。一方、Co濃度の低い試料では、直線的な振る舞いを示し、常磁性体であることがわかる。
図1に示されたZn:Co:O=37:12:51は常磁性体であるものの、同じ低Co濃度の材料であってもO濃度が低い試料は、強磁性を示すことが理解される。
なお、Co濃度が高くなると強磁性体となるが、22%を超えてあまり高くなってしまうと透明度が薄れてしまい透光性が劣化して光アイソレーターとして成立が難しくなってしまう。
図2に示される実線で囲まれる部分の組成が本実施の形態に係る磁気光学素子の組成である。実線で示される四角形の頂点は、Zn:Co:O=44:6:50、Zn:Co:O=48:6:46、Zn:Co:O=32:22:46、Zn:Co:O=26:22:52の4点となっている。
測定は、光を薄膜成長方向に入射し、外部磁場を薄膜成長方向に印加するファラデー配置にて行った。測定温度は室温、測定磁場は10000Oeである。図2で示した強磁性特性を示す組成領域の試料においては、大きな磁気光学効果がみられる。磁気光学効果の大きさは、Co濃度の増加およびO濃度の減少に伴い増加する傾向がある。
しかしながら、図2中、Zn:Co:O=44:6:50、Zn:Co:O=48:6:46、Zn:Co:O=32:22:46、Zn:Co:O=26:22:52の4点を実線で囲んだ組成領域外において強磁性的特性を示す試料は、前述のとおり光の透過率が低い、あるいは表面の凹凸が大きい等の問題があり、磁気光学素子として利用することが困難となってしまう。
測定光源の波長は、短波長の可視光の領域に含まれる0.45μmと紫外線領域に含まれる0.29μmである。測定した試料の組成は、Zn:Co:O=32:20:48である。SQUID磁束計の結果と同様に、明確なヒステリシスがみられる。また、磁気光学効果の大きさも1000Oe程度で飽和する傾向にある。このため、ZnCoOにおいては、磁気光学効果を生じさせるのに大きな外部磁界が必要でないことから、磁気光学素子の小型化が可能となる。また、短波長領域の可視光や紫外線領域でこのような優れた磁気光学効果を発揮できるため、高速大容量の光通信を実現するための磁気光学素子として機能させることが可能である。
Claims (1)
- ZnとCoとOからなる化合物であって、その主成分組成が、Zn:Co:O=46:6:48、Zn:Co:O=48:6:46、Zn:Co:O=32:22:46、Zn:Co:O=28:22:50の4点で囲まれる領域に含まれるいずれかの組成であり、常温で強磁性を示すと共に透光性を備えることを特徴とする磁気光学素子。
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