JP4930546B2 - インバータ異常検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータのスイッチング素子異常を検出する装置に関する。
特許文献1には、電動車両に搭載される駆動モータに供給される交流電流値を検出し、検出された交流電流値を時間積分して正積分値と負積分値を求め、これら積分値に基づいてインバータのスイッチング素子の異常を検出するインバータ異常検出装置が開示されている。
特開2004−215328号公報
ところで、交流電流値を検出する電流センサは一般的にオフセット電圧を有しており、検出される交流電流値にはオフセット電圧に起因するオフセット電流値が含まれる。特許文献1のインバータ異常検出装置のように所定周期分の異常検出区間において交流電流値を時間積分する構成では、駆動モータのモータ回転速度が低下して交流電流の周期が長くなると、正積分値及び負積分値にオフセット電流値が溜め込まれやすくなり、正積分値及び負積分値の算出精度が悪化する。積分値算出精度が悪化すると、インバータのスイッチング素子異常を誤検出するおそれがある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、スイッチング素子異常の誤検出を抑制できるインバータ異常検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、電源と交流電動機との間に設けられるインバータのスイッチング素子異常を検出するインバータ異常検出装置である。インバータ異常検出装置は、交流電動機に供給される各相の電流値を検出する電流値検出手段と、検出された正電流値を交流電動機の位相軸基準で積分演算して各相の正側特徴量を算出し、検出された負電流値を交流電動機の位相軸基準で積分演算して各相の負側特徴量を算出する特徴量算出手段と、各相の正側特徴量及び負側特徴量に基づいてスイッチング素子異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、各相電流の正電流値及び負電流値を位相軸基準で積分演算するので、低モータ回転速度になっても、異常検出区間での各相の正側特徴量及び負側特徴量にオフセット電流値が溜め込まれにくく、低モータ回転速度でのスイッチング素子異常の誤検出の発生を抑制することができる。
第1実施形態のインバータ異常検出装置を適用可能な駆動モータ制御装置の回路図である。 スイッチング素子異常検出制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 U相スイッチング素子異常判定サブルーチンを示すフローチャートである。 U相電流とU相正側特徴量、U相負側特徴量との関係を示す図である。 V相スイッチング素子異常判定サブルーチンを示すフローチャートである。 W相スイッチング素子異常判定サブルーチンを示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例における、U相電流とU相正側特徴量、U相負側特徴量との関係を示す図である。 第2実施形態のインバータ異常検出装置における、U相電流とU相正側特徴量、U相負側特徴量との関係を示す図である。 第2実施形態の変形例における、U相電流とU相正側特徴量、U相負側特徴量との関係を示す図である。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のインバータ異常検出装置を適用可能な電動車両用駆動モータ制御装置の回路図である。ここで、電動車両とは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車等の車両である。
インバータ10は、バッテリ20と永久磁石型三相交流モータ(以下「駆動モータ」という)50との間に設けられる。インバータ10は、バッテリ20の直流電力を交流電力に変換し、電動車両の車軸に結合する駆動モータ50に交流電力を供給する。インバータ10は、正側電力線11pと、負側電力線11mと、U相電力線12uと、V相電力線12vと、W相電力線12wと、を有する。
正側電力線11pは、リレースイッチ30を介してバッテリ20の正極に接続される。負側電力線11mは、バッテリ20の負極に接続される。正側電力線11pと負側電力線11mとの間には、バッテリ20とインバータ10との間で授受される直流電力を平滑化する電力バッファとしてのコンデンサ40が並列接続される。
インバータ10は、6つのスイッチング素子13UP、13UM、13VP、13VM、13WP、13WMを有している。スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、IGBTに逆方向に並列接続される整流ダイオードとから構成される。
正側電力線11pと負側電力線11mとの間において、U相正側素子13UPとU相負側素子13UMとが直列に設けられ、V相正側素子13VPとV相負側素子13VMとが直列に設けられ、W相正側素子13WPとW相負側素子13WMとが直列に設けられる。
U相電力線12uは、U相正側素子13UPとU相負側素子13UMの接続点と、駆動モータ50のU相とを接続する。V相電力線12vは、V相正側素子13VPとV相負側素子13VMの接続点と、駆動モータ50のV相とを接続する。そして、W相電力線12wは、W相正側素子13WPとW相負側素子13WMの接続点と、駆動モータ50のW相とを接続する。
上記した6つのスイッチング素子13UP、13UM、13VP、13VM、13WP、13WMは、ゲート駆動回路14を介してモータコントローラ60によってオン制御又はオフ制御される。
モータコントローラ60は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。モータコントローラ60には、U相電流Iuを検出する電流センサ61やV相電流Ivを検出する電流センサ62、駆動モータ50の回転子位置である回転位相θを検出するレゾルバ等の回転子位置センサ63からの検出データがそれぞれ信号として入力する。
モータコントローラ60は、これら入力信号や車両コントローラからのトルク指令値Tに基づいて、パルス幅変調(Pulse Width Modulation;PWM)信号を生成してスイッチング制御するとともに、スイッチング素子異常を検出する。ここで、スイッチング素子異常とは、オン指令があるにも関わらずスイッチング素子がオフ状態のままとなるオープン故障である。
従来手法のインバータ異常検出装置では、駆動モータに供給される交流電流値を検出し、交流電流値を時間積分して正積分値と負積分値を求め、これら積分値に基づいてインバータのスイッチング素子異常を検出する。しかしながら、交流電流値を検出する電流センサは一般的にオフセット電圧を有しており、検出される交流電流値にはオフセット電圧に起因するオフセット電流値が含まれる。従来手法のように所定周期分の異常検出区間において交流電流値を時間軸基準で積分する構成では、駆動モータのモータ回転速度が低下して交流電流の周期が長くなると、正積分値及び負積分値にオフセット電流値が溜め込まれやすくなり、正積分値及び負積分値の算出精度が悪化して、スイッチング素子異常を誤検出するおそれがある。
そこで、本実施形態では、駆動モータ50の回転位相軸基準での積分演算により求めた電流積分値に基づいてスイッチング素子異常を検出することで、低モータ回転速度でのスイッチング素子異常の誤検出の発生を抑制する。
図2は、モータコントローラ60が実行するスイッチング素子異常検出制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
ステップS101では、モータコントローラ60は、アクセルペダル踏込量とモータ回転速度とに基づいて算出されるトルク指令値Trqが所定トルクTrq0よりも大きいか否かを判定する。所定トルクTrq0は、電流センサ61、62によってスイッチング素子異常検出に必要な電流値が検出されるように設定される。
トルク指令値Trqが所定トルクTrq0よりも大きい場合には、モータコントローラ60は、異常検出条件が成立したと判定してステップS102の処理を実行する。それ以外の場合には、モータコントローラ60は、異常検出条件が成立していないとして処理を終了する。
ステップS102では、モータコントローラ60はU相スイッチング素子異常判定を実行する。
ステップS103では、モータコントローラ60はV相スイッチング素子異常判定を実行する。
ステップS104では、モータコントローラ60はW相スイッチング素子異常判定を実行し、その後処理を終了する。
図3を参照して、モータコントローラ60が実行するU相スイッチング素子異常判定について説明する。図3は、U相スイッチング素子異常判定サブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS201では、モータコントローラ60は、U相電流の所定周期分の異常検出区間において、U相電流Iuの正電流値Iupに基づいてU相正側特徴量Iupfを算出し、U相電流Iuの負電流値Iumに基づいてU相負側特徴量Iumfを算出する。
U相正側特徴量Iupfは、(1)式で定義されるような位相関数のラプラス変換を用いて、(2)式のように正電流値Iupをローパスフィルタ演算して算出される。
Figure 0004930546
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(2)式においては、U相電流Iuが負電流値である場合には、正電流値IupをゼロとしてU相正側特徴量Iupfを算出する。
なお、(2)式のローパスフィルタ演算は位相軸基準の演算である。電流値検出のサンプリング時間が一定であったとしてもサンプリング位相間隔Tは一定とならないので、モータコントローラ60では差分方程式の係数をサンプリング位相間隔T毎に演算する必要がある。したがって、(3)式のようにz変換を双一次近似とすると、直接形Iによる差分方程式化によって(2)式は(4)式のように表わされる。モータコントローラ60は、(4)式においてサンプリング位相間隔Tを常時変更しながらU相正側特徴量Iupfを演算する。
Figure 0004930546
Figure 0004930546
一方、U相負側特徴量Iumfは、(1)式で定義されるラプラス変換を用いて、(5)式のように負電流値Iumをローパスフィルタ演算して算出される。(5)式においては、U相電流Iuが正電流値である場合には、負電流値IumをゼロとしてU相負側特徴量Iumfを算出する。
Figure 0004930546
より具体的には、モータコントローラ60は、U相電流の正電流値Iupの代りに負電流値Iumを(4)式に代入してU相負側特徴量Iumfを演算する。
ステップS202では、モータコントローラ60は、U相正側特徴量Iupfの絶対値が異常判定値I0よりも小さいか否かを判定する。
U相正側特徴量Iupfの絶対値が異常判定値I0よりも小さい場合には、モータコントローラ60はステップS203の処理を実行する。これに対して、U相正側特徴量Iupfの絶対値が異常判定値I0よりも大きい場合には、モータコントローラ60はステップS204の処理を実行する。
ステップS203では、モータコントローラ60は、U相正側素子13UPがオープン故障していると判定して、処理を終了する。
ステップS204では、モータコントローラ60は、U相負側特徴量Iumfの絶対値が異常判定値I0よりも小さいか否かを判定する。
U相負側特徴量Iumfの絶対値が異常判定値I0よりも小さい場合には、モータコントローラ60はステップS205の処理を実行する。これに対して、U相負側特徴量Iumfの絶対値が異常判定値I0よりも大きい場合には、モータコントローラ60はU相側のスイッチング素子13UP、13UMに異常はないと判定して処理を終了する。
ステップS205では、モータコントローラ60は、U相負側素子13UMがオープン故障していると判定して、処理を終了する。
図4を参照して、上記したU相スイッチング素子異常判定についてさらに説明する。図4は、駆動モータ50の回転子位相θとU相正側特徴量Iupf及びU相負側特徴量Iumfとの関係を示す。
U相電流Iは、図4(A)に示すように、正負を繰り返す交流電流である。U相正側特徴量Iupfは、正電流値Iupに基づいて、図4(B)の実線に示すように算出される。U相正側特徴量IupfがI0を下回った時、つまりU相正側特徴量Iupfの絶対値が異常判定値I0よりも小さくなった時に、U相正側素子13UPはオン状態にならないスイッチング素子異常であると判定される。
また、U相負側特徴量Iupfは、負電流値Iumに基づいて、図4(C)の実線に示すように算出される。U相負側特徴量Iumfが−I0を上回った時、つまりU相負側特徴量Iumfの絶対値が異常判定値I0よりも小さくなった時に、U相負側素子13UMはオン状態にならないスイッチング素子異常であると判定される。
次に、図5を参照して、モータコントローラ60が実行するV相スイッチング素子異常判定について説明する。図5は、V相スイッチング素子異常判定サブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS301では、モータコントローラ60は、V相電流の所定周期分の異常検出区間において、V相電流Ivの正電流値Ivpに基づいてV相正側特徴量Ivpfを算出し、V相電流Ivの負電流値Ivmに基づいてV相負側特徴量Ivmfを算出する。
V相正側特徴量Ivpfは、(1)式で定義されるラプラス変換を用いて、(6)式のように正電流値Ivpをローパスフィルタ演算して算出される。(6)式においては、V相電流Ivが負電流値である場合には、正電流値Ivpをゼロとして正側特徴量Ivpfを算出する。
Figure 0004930546
より具体的には、モータコントローラ60は、U相電流Iuの正電流値Iupの代りにV相電流Ivの正電流値Ivpを(4)式に代入してV相正側特徴量Ivpfを演算する。
一方、V相負側特徴量Ivmfは、(1)式で定義されるラプラス変換を用いて、(7)式のように負電流値Ivmをローパスフィルタ演算して算出される。(7)式においては、V相電流Ivが正電流値である場合には、負電流値Ivmをゼロとして負側特徴量Ivmfを算出する。
Figure 0004930546
より具体的には、モータコントローラ60は、U相電流Iuの正電流値Iupの代りにV相電流Ivの負電流値Ivmを(4)式に代入してV相負側特徴量Ivmfを演算する。
ステップS302では、モータコントローラ60は、V相正側特徴量Ivpfの絶対値が異常判定値I0よりも小さいか否かを判定する。
V相正側特徴量Ivpfの絶対値が異常判定値I0よりも小さい場合には、モータコントローラ60はステップS303の処理を実行する。これに対して、V相正側特徴量Ivpfの絶対値が異常判定値I0よりも大きい場合には、モータコントローラ60はステップS304の処理を実行する。
ステップS303では、モータコントローラ60は、V相正側素子13VPがオープン故障していると判定して、処理を終了する。
ステップS304では、モータコントローラ60は、V相負側特徴量Ivmfの絶対値が異常判定値I0よりも小さいか否かを判定する。
V相負側特徴量Ivmfの絶対値が異常判定値I0よりも小さい場合には、モータコントローラ60はステップS305の処理を実行する。これに対して、V相正側特徴量Ivmfの絶対値が異常判定値I0よりも大きい場合には、モータコントローラ60はV相側のスイッチング素子に異常はないと判定して処理を終了する。
ステップS305では、モータコントローラ60は、V相負側素子13VMがオープン故障していると判定して、処理を終了する。
図6は、W相スイッチング素子異常判定サブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS401では、モータコントローラ60は、W相電流の所定周期分の異常検出区間において、W相電流Iwの正電流値Iwpに基づいてW相正側特徴量Iwpfを算出し、W相電流Iwの負電流値Iwmに基づいてW相負側特徴量Iwmfを算出する。
なお、W相電流Iwは、電流センサ61によって検出されるU相電流Iuと電流センサ62によって検出されるV相電流Ivとに基づいて、下記(8)式から算出される。
Figure 0004930546
W相正側特徴量Iwpfは、(1)式で定義されるラプラス変換を用いて、(9)式のように正電流値Iwpをローパスフィルタ演算して算出される。(9)式においては、W相電流Iwが負電流値である場合には、正電流値Iwpをゼロとして正側特徴量Iwpfを算出する。
Figure 0004930546
より具体的には、モータコントローラ60は、U相電流Iuの正電流値Iupの代りにW相電流Iwの正電流値Iwpを(4)式に代入してW相正側特徴量Iwpfを演算する。
一方、W相負側特徴量Iwmfは、(1)式で定義されるラプラス変換を用いて、(10)式のように負電流値Iwmをローパスフィルタ演算して算出される。(10)式においては、W相電流Iwが正電流値である場合には、負電流値Iwmをゼロとして負側特徴量Iwmfを算出する。
Figure 0004930546
より具体的には、モータコントローラ60は、U相電流Iuの正電流値Iupの代りにW相電流Iwの負電流値Iwmを(4)式に代入してW相負側特徴量Iwmfを演算する。
ステップS402では、モータコントローラ60は、W相正側特徴量Iwpfの絶対値が異常判定値I0よりも小さいか否かを判定する。
W相正側特徴量Iwpfの絶対値が異常判定値I0よりも小さい場合には、モータコントローラ60はステップS403の処理を実行する。これに対して、W相正側特徴量Iwpfの絶対値が異常判定値I0よりも大きい場合には、モータコントローラ60はステップS404の処理を実行する。
ステップS403では、モータコントローラ60は、W相正側素子13WPがオープン故障していると判定して、処理を終了する。
ステップS404では、モータコントローラ60は、W相負側特徴量Iwmfの絶対値が異常判定値I0よりも小さいか否かを判定する。
W相負側特徴量Iwmfの絶対値が異常判定値I0よりも小さい場合には、モータコントローラ60はステップS405の処理を実行する。これに対して、W相正側特徴量Iwmfの絶対値が異常判定値I0よりも大きい場合には、モータコントローラ60はW相側のスイッチング素子に異常はないと判定して処理を終了する。
ステップS405では、モータコントローラ60は、W相負側素子13WMがオープン故障していると判定して、処理を終了する。
以上により、第1実施形態のインバータ異常検出装置では、下記の効果を得ることができる。
本実施形態では、駆動モータ50の各相電流の正電流値及び負電流値を位相軸基準でローパスフィルタ演算して、各相の正側特徴量及び負側特徴量を算出し、それら正側特徴量及び負側特徴量に基づいてスイッチング素子異常を検出する。従来手法のように異常検出区間において交流電流値を時間軸基準で積分する構成では低モータ回転速度になるほど正積分値及び負積分値にオフセット電流値が溜め込まれやすくなる。本実施形態では、異常検出区間において各相電流の正電流値及び負電流値を位相軸基準でローパスフィルタ演算するので、低モータ回転速度になっても、各相の正側特徴量及び負側特徴量にオフセット電流値が溜め込まれにくく、低モータ回転速度でのスイッチング素子異常の誤検出の発生を抑制することができる。
各相電流の正電流値及び負電流値の積分演算をローパスフィルタ演算によって実現するので、平均区間を区切ることなく連続的な正側特徴量及び負側特徴量を算出することができ、モータコントローラ60での演算負荷を軽減できる。
なお、第1実施形態では、(2)式や(6)式、(9)式に示す正側特徴量算出時に、電流値が負である場合には正電流値をゼロとして正側特徴量を算出するようにしたが、電流値が負である場合に正側特徴量の算出を停止するようにしてもよい。また、(3)式や(7)式、(10)式に示す負側特徴量算出時も同様に、電流値が正である場合に負側特徴量の算出を停止するようにしてもよい。このような変形例におけるU相正側特徴量Iupf及びU相負側特徴量Iumfについて、図7(A)〜図7(C)を参照して説明する。U相正側特徴量IupfはU相電流Iuが負の場合には演算が停止され、U相負側特徴量IumfはU相電流Iuが正の場合に演算が停止されるので、図7(B)及び図7(C)の実線に示すように、U相正側特徴量Iupf及びU相負側特徴量Iumfは、第1実施形態の図4の場合よりも大きな値として算出することができる。上記した変形例によれば、各相の正側特徴量及び負側特徴量を第1実施形態の場合よりも大きな値として算出できるので、検出される電流値が小電流であってもスイッチング素子異常を検出することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態のインバータ異常検出装置は、第1実施形態とほぼ同様の構成であるが、各相の正側特徴量及び負側特徴量の算出の仕方において相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
第1実施形態ではU相スイッチング素子異常判定のステップS201において、(2)式からU相正側特徴量Iupfを算出し、(5)式から負側特徴量Iumfを算出した。これに対して、第2実施形態では、(11)式に基づいてU相正側特徴量Iupfを算出し、(12)式に基づいて負側特徴量Iumfを算出する。なお、U相スイッチング素子異常判定のステップS202以降の処理については、第1実施形態と同様である。
U相正側特徴量Iupfは、異常検出区間において、(11)式に示すように所定位相区間Δθにおける正電流値Iupを位相軸で積分演算して算出される。所定位相区間Δθは、異常検出精度を考慮して電気角360°に設定するのが望ましい。
Figure 0004930546
(11)式では、U相電流Iuが負電流値である場合には、正電流値IupをゼロとしてU相正側特徴量Iupfを算出する。第2実施形態では、図8(B)の実線のように算出されたU相正側特徴量IupfがI0を下回った時、つまりU相正側特徴量Iupfの絶対値が異常判定値I0よりも小さくなった時に、U相正側素子13UPがスイッチング素子異常であると判定される。
一方、U相負側特徴量Iupfは、異常検出区間において、(12)式に示すように所定位相区間Δθにおける負電流値Iumを位相軸で積分演算して算出される。所定位相区間Δθは、異常検出精度を考慮して電気角360°に設定するのが望ましい。
Figure 0004930546
(12)式では、U相電流Iuが正電流値である場合には、負電流値IumをゼロとしてU相負側特徴量Iumfを算出する。第2実施形態では、図8(C)の実線のように算出されたU相負側特徴量IumfがI0を上回った時、つまりU相負側特徴量Iumfの絶対値が異常判定値I0よりも小さくなった時に、U相負側素子13UMがスイッチング素子異常であると判定される。
V相正側特徴量Ivpf及びV相負側特徴量Ivmf、W相正側特徴量Iwpf及びW相負側特徴量Iwmfについても、U相の場合と同様であり、次式(13)〜(16)のように算出される。なお、V相スイッチング素子異常判定のステップS302以降の処理、及びW相スイッチング素子異常判定のステップS402以降の処理については、第1実施形態と同様である。
Figure 0004930546
Figure 0004930546
Figure 0004930546
Figure 0004930546
上記の通り、第2実施形態では、駆動モータ50の各相電流の正電流値及び負電流値を所定位相区間Δθにおいて位相軸で積分演算して、各相の正側特徴量及び負側特徴量を算出し、それら正側特徴量及び負側特徴量に基づいてスイッチング素子異常を検出する。このようにしても、第1実施形態と同様に、低モータ回転速度でのスイッチング素子異常の誤検出の発生を抑制することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
第1実施形態及び第2実施形態では、図2のS101に示したようにトルク指令値に基づいて異常検出条件を判定するようにしたが、駆動モータ50が定常状態にあるか否かを異常検出条件としてもよい。この場合には、モータコントローラ60は、車両コントローラからのトルク指令値の変化量と、回転子位置センサ63の検出値から算出されるモータ回転速度の変化量とが、それぞれ所定量よりも小さい時に、駆動モータ50が定常状態にあって異常検出条件が成立したと判定する。この異常検出条件成立後には、第1実施形態及び第2実施形態のように各相の正側特徴量及び負側特徴量の絶対値と異常判定値とを比較してスイッチング素子異常検出してもよいし、各相における正側特徴量の絶対値と負側特徴量の絶対値との特徴量差に基づき、特徴量差が小さい場合にはその相におけるスイッチング素子は正常である判定し、特徴量差が大きい場合にはその相におけるスイッチング素子に異常があると判定するようにしてもよい。
第2実施形態では、図8(B)及び図8(C)に示したように位相変化に応じて正側特徴量及び負側特徴量を連続的に出力するように構成したが、図9(B)及び図9(C)に示すように所定位相間隔Δθ毎に正側特徴量及び負側特徴量を更新するように構成してもよい。
10 インバータ
13UM U相負側素子
13UP U相正側素子
13VM V相負側素子
13VP V相正側素子
13WM W相負側素子
13WP W相正側素子
20 バッテリ(電源)
30 リレースイッチ
40 コンデンサ
50 駆動モータ(交流電動機)
60 モータコントローラ
61 電流センサ(電流値検出手段)
62 電流センサ(電流値検出手段)
63 回転子位置センサ
S201、S301、S401 特徴量算出手段
S202〜S205、S302〜S305、S402〜S405 異常検出手段

Claims (8)

  1. 電源と交流電動機との間に設けられるインバータのスイッチング素子異常を検出するインバータ異常検出装置において、
    前記交流電動機に供給される各相の電流値を検出する電流値検出手段と、
    検出された正電流値を前記交流電動機の位相軸基準で積分演算して各相の正側特徴量を算出するとともに、検出された負電流値を前記交流電動機の位相軸基準で積分演算して各相の負側特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    各相の正側特徴量及び負側特徴量に基づいてスイッチング素子異常を検出する異常検出手段と、
    を備えることを特徴とするインバータ異常検出装置。
  2. 前記特徴量算出手段は、検出された正電流値をローパスフィルタ演算して各相の正側特徴量を算出し、検出された負電流値をローパスフィルタ演算して各相の負側特徴量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ異常検出装置。
  3. 前記特徴量算出手段は、正側特徴量算出時に電流値が負電流値となった場合には正電流値をゼロとしてローパスフィルタ演算し、負側特徴量算出時に電流値が正電流値となった場合には負電流値をゼロとしてローパスフィルタ演算する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のインバータ異常検出装置。
  4. 前記特徴量算出手段は、正側特徴量算出時に電流値が負電流値となった場合にはローパスフィルタ演算を停止し、負側特徴量算出時に電流値が正電流値となった場合にはローパスフィルタ演算を停止する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のインバータ異常検出装置。
  5. 前記特徴量算出手段は、検出された正電流値を所定位相区間積分して各相の正側特徴量を算出し、検出された負電流値を所定位相区間積分して各相の負側特徴量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ異常検出装置。
  6. 前記特徴量算出手段は、前記所定位相区間を電気角で360[°]に設定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のインバータ異常検出装置。
  7. 前記異常検出手段は、トルク指令値が所定トルクよりも大きい場合であって、各相の正側特徴量又は負側特徴量の絶対値が異常判定値よりも小さい場合にスイッチング素子異常を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のインバータ異常検出装置。
  8. 前記異常検出手段は、トルク指令値の変化量及び電動機回転速度の変化量がそれぞれ所定量よりも小さい場合であって、各相における正側特徴量の絶対値と負側特徴量の絶対値との特徴量差が大きい場合にスイッチング素子異常を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のインバータ異常検出装置。
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