JP4930472B2 - 冷却装置 - Google Patents

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本発明は、通信機器等の発熱体が収容された筐体の内部を冷却する冷却装置に関するものである。
このような冷却装置として、筐体の内部に配置される熱交換器であって、筐体の内部の空気と冷媒との熱交換により冷媒を沸騰気化させる沸騰器の上部ヘッダタンクを、ヘッダ部とこのヘッダ部に接合した筒状のヘッダ増設部を有する構成とした冷却装置が、特許文献1に開示されている。このヘッダ部とヘッダ増設部とは、複数の連通孔を介して連通している。
この特許文献1に記載の冷却装置では、ヘッダ部にヘッダ増設部を設けることで、上部ヘッダタンクをヘッダ部のみで構成する場合と比較して、上部ヘッダタンク全体の流路断面積を拡大させているので、上部ヘッダタンク内を流れる気相冷媒の流速を低減でき、気相冷媒が上部ヘッダタンク内を流れる際の圧力損失を低減できる。この結果、上部ヘッダタンクをヘッダ部のみで構成する場合と比較して、冷却装置全体における冷媒循環量を増大でき、冷却装置の冷却性能を向上できる。
特開2008−25884号公報(図5参照)
しかし、沸騰器の上部ヘッダタンクを、ヘッダ部と筒状のヘッダ増設部とを有する構成とした場合、下記の通り、沸騰器の設置状態によって、冷媒が溜まってしまうという問題が生じることがわかった。
沸騰器の上部ヘッダタンクは気相冷媒が流れるところであるが、厳密には、気相冷媒だけでなく液相冷媒も存在し、通常、この液相冷媒は沸騰器に戻る。しかしながら、鉛直方向に対して平行ではなく傾斜して沸騰器を設置した場合、筒状のヘッダ増設部のうち、ヘッダ部と連通する連通孔よりも下側部分に液相冷媒が溜まってしまう。
この場合、本来、沸騰器に必要な液相冷媒の量が少なくなり、沸騰器の沸騰面積が減少してしまうので、ヘッダ増設部に溜まる液相冷媒量を考慮して、多めに冷媒回路内に冷媒を封入しなければならない。このように冷媒を必要以上に封入することは、コストアップの要因となるので好ましくなく、また、温暖化防止のためには無駄な冷媒を極力減らす必要があることからも好ましくない。
本発明は上記点に鑑みて、ヘッダ部にヘッダ増設部を接合する手段とは異なる手段により、沸騰器の上部ヘッダタンク内を流れる気相冷媒の圧力損失を低減させて、冷却装置の冷却性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、高温側熱交換器(3)の上部ヘッダタンク(23)は、複数箇所に開口部(23a、23b)が設けられ、これらの開口部(23a、23b)に気相冷媒用配管(5)の一端が接続されており、
上部ヘッダタンク(23)は、上部ヘッダタンク(23)の長手方向での長さ(L1)を複数の開口部(23a、23b)と同じ数で均等に分割した範囲(L2、L3)のそれぞれの中央部(41、42)に、開口部(23a、23b)が設けられていることを特徴としている。
これによれば、上部ヘッダタンク(23)に気相冷媒用配管(5)との接続口を複数設けたので、接続口が1つの場合と比較して、高温側熱交換器(3)の上部ヘッダタンク(23)内を流れる気相冷媒の流速を低減できる。よって、特許文献1のように、ヘッダ部にヘッダ増設部を接合しなくても、高温側熱交換器(3)の上部ヘッダタンク(23)内を 流れる気相冷媒の圧力損失を低減でき、冷却装置の冷却性能を向上させることができる。
また、開口部(23a、23b)を設ける箇所をこのような箇所としない場合、上部ヘッダタンクに連通する複数のチューブの冷媒量に偏りが生じてしまうところ、これによれば、上部ヘッダタンクに連通する複数のチューブの冷媒量を均等に近づけることができる。
ここで、気相冷媒用配管(5)としては、例えば、開口部の数と同じ本数の配管や、請求項に記載のように、1本の配管が途中で開口部の数と同じ本数の配管に分岐した形状のものが採用可能である。
また、例えば、請求項に記載のように、気相冷媒配管(5)として、1本の配管の前記一端側が分岐部(30)で複数の開口部(23a、23b)と同じ数の配管に分岐した形状のものを採用する場合では、分岐部(30)は筐体(2)の内部に位置することが好ましい。
これによれば、筐体の壁を貫通する配管が1本となるので、複数本の配管が筐体の壁を貫通する場合と比較して、配管と壁との間のシール構造を簡略化できる。
また、例えば、請求項に記載のように、上部ヘッダタンク(23)の2カ所に開口部(23a、23b)を設けることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態における冷却装置1の全体構成を示す。本実施形態は、本発明を携帯電話通信網基地局の通信機器が収容された筐体内を冷却する通信機器用冷却装置に適用した例である。
本実施形態の冷却装置1は、いわゆる沸騰式、すなわち、熱サイフォン式の冷却装置であり、図1に示すように、筐体2の内部に配置される高温側熱交換器としての沸騰器3と、筐体2の外部に配置される低温側熱交換器としての凝縮器4と、沸騰器3と凝縮器4とを接続する気相冷媒用配管5および液相冷媒用配管6と、沸騰器3に送風する室内ファン7と、凝縮器4に送風する室外ファン8とを備えている。
筐体2は、鉛直方向に平行な側壁2aと、水平方向に平行な天板2bとを有する密閉空間を構成しており、内部に発熱体である通信機器9を収容している。
沸騰器3は、沸騰器用ケース10に収容された状態で、筐体2の上部に設置されている。沸騰器3は、筐体2の側壁2aに対して所定角度傾斜した姿勢で取り付けられている。沸騰器用ケース10は、吸気開口部10aと排気開口部10bとを有している。
室内ファン7は、筐体2の内部空気を沸騰器3に送風するものであり、例えば、軸流式ファンが用いられる。室内ファン7は、沸騰器用ケース10に収容された状態で、沸騰器3の隣に取り付けられている。この室内ファン7によって、図1中の矢印のように、筐体2の内部空気が、吸気開口部10aから沸騰器用ケース10の内部に吸入され、排気開口部10bから筐体2の内部へ戻されるようになっている。
凝縮器4は、凝縮器用ケース12に収容された状態で、筐体2の天板2bの上に設置されており、沸騰器3よりも高い位置に設置されている。凝縮器4も、沸騰器3と同様に、筐体2の側壁2aに対して、所定角度傾斜した姿勢で取り付けられている。凝縮器用ケース12は、吸気開口部12aと排気開口部12bとを有している。
室外ファン8は、筐体2の外部空気を凝縮器4に送風するものであり、例えば、軸流式ファンが用いられる。室外ファン8は、凝縮器用ケース12に収容された状態で、凝縮器4の隣に配置されている。この室外ファン8によって、図1中の矢印のように、筐体2の外部空気が、凝縮器用ケース12の吸気開口部12aから吸入され、凝縮器用ケース12の内部を通過して、排気開口部12bから排出される。
図2に、図1中の冷却装置1のうち沸騰器3および凝縮器4を図1中の矢印A1方向から見た沸騰器3および凝縮器4の正面図を示す。
図2に示すように、沸騰器3は、一端と他端とがそれぞれ上端、下端として配された複数本のチューブ21と、隣り合う各チューブ21間に介在されたフィン22と、水平方向に平行に配されるとともに各チューブ21の上下両端に接続されて各チューブ21を相互に連通する上部ヘッダタンク23と下部ヘッダタンク24とを有しており、これらが一体ろう付けにより接合されている。
チューブ21は、例えば、アルミニウムや銅等の伝熱性に優れた金属材により断面形状が偏平な長円形状であって、直線状に伸びるように形成されている。チューブ21の長手方向の向きが沸騰器3の向きであることから、本実施形態のチューブ21は、筐体2の側壁2aに対して所定角度傾斜した状態で配置されている。
フィン22は、例えば、アルミニウムの薄板を交互に折り曲げて波状に成形したもので、各折り曲げ部でチューブ21の表面に接合されている。
各ヘッダタンク23、24は、それぞれチューブ21と同じ金属材により両端が閉じた略筒形状に形成され、各ヘッダタンク23、24の長手方向、すなわち、図2の左右方向に一定の間隔をおいて各チューブ21の端部が直接挿入されている。
凝縮器4は、沸騰器3と同様に、一端と他端とがそれぞれ上端、下端として配された複数本のチューブ25と、隣り合う各チューブ25間に介在されたフィン26と、水平方向に平行に配されるとともに各チューブ25の上下両端に接続されて各チューブ25を相互
に連通する上部ヘッダタンク27と下部ヘッダタンク28とを有している。凝縮器4のチューブ25、フィン26および上部ヘッダタンク27は、沸騰器3のチューブ21、フィン22および上部ヘッダタンク23と同様のものである。
気相冷媒用配管5は、沸騰器3で液相冷媒が沸騰して気化した気相冷媒を凝縮器4へ導くものである。本実施形態の気相冷媒用配管5は、1本の配管が沸騰器側で2本に分岐した形状である。すなわち、気相冷媒用配管5は、沸騰器側で分岐部30から2本に分岐した沸騰器側配管部31、32と、分岐部30よりも凝縮器側の1本の凝縮器側配管部33とを有する形状である。気相冷媒用配管5は筐体2の天板2bを貫通しており、2本に分岐している分岐部30は筐体2の内側に位置している。
そして、気相冷媒用配管5のうち2本の沸騰器側配管部31、32の端部が、図示しないジョイント部材としてのOリングを介して、沸騰器3の上部ヘッダタンク23に設けられた2つの接続口23a、23bに着脱可能に接続されている。また、気相冷媒用配管5のうち1本の凝縮器側配管部33の端部が、図示しないジョイント部材としてのOリングを介して、凝縮器4の上部ヘッダタンク27の長手方向の一端部に設けられた1つの接続口27aに着脱可能に接続されている。
ここで、沸騰器3の上部ヘッダタンク23に設けられた2つの接続口23a、23bについて説明する。これらの接続口23a、23は、冷媒配管と接続するために上部ヘッダタンク23に設けられた開口部である。2つの接続口23a、23bは、上部ヘッダタンク23の長手方向での長さL1を2等分した長さL2、L3となる範囲のそれぞれの中央部41、42に位置している。すなわち、2つの接続口23a、23bの位置は、上部ヘッダタンク23の長手方向両端から全長L1の1/4の距離の位置である。
本実施形態では、例えば、沸騰器3のチューブ21は40本であり、上部ヘッダタンク23のうち、チューブ21の全本数を2分割した20本が接続されている範囲の中央部41、42に2つの接続口23a、23bがそれぞれ位置している。このため、上部ヘッダタンク23の内部では、図2中の矢印C4、C5のように、10本のチューブ21から流れ出た気相冷媒が合流しながら沸騰器側配管部31、32に向かって同じ向きで流れる。したがって、本実施形態では、1つの接続口23aからこの1つの接続口23aに向かって冷媒が流れるチューブ21のうち最も遠いチューブ21までの距離は、上部ヘッダタンク23の全長L1の約1/4となっている。
気相冷媒用配管5は、例えば、アルミニウム等の金属製パイプを所定の長さとしたものである。また、気相冷媒用配管5は、沸騰器側配管部31、32および凝縮器側配管部33を含む全域で内径が同じであり、流路断面積は約80mmである。
なお、本実施形態では、図2に示すように、沸騰器3の上部ヘッダタンク23の外径は、気相冷媒用配管5の外径よりも大きいが、沸騰器3の上部ヘッダタンク23の流路断面積は、気相冷媒用配管5の流路断面積と略同一の約80mmである。これは、上部ヘッダタンク23の内部には、チューブ21が突出しており、上部ヘッダタンク23の内部で冷媒流路として有効な領域が減っているからである。
一方、液相冷媒用配管6は凝縮器4で気相冷媒が凝縮された液相冷媒を沸騰器3へ導くものである。本実施形態では、液相冷媒用配管6として、例えば、アルミニウム等の金属製パイプで構成された1本の配管を用いている。なお、液相冷媒用配管6の内径は気相冷媒用配管5と同じである。
液相冷媒用配管6は、その一端が凝縮器4の下部ヘッダタンク28の長手方向の一端部に設けられた接続口28aに接続され、その他端が沸騰器3の下部ヘッダタンク24の長手方向一端部に設けられた接続口24aに接続されている。なお、液相冷媒用配管6は、図示しないジョイント部材としてのOリングを介して着脱可能に接続されている。
そして、沸騰器3、凝縮器4、気相冷媒用配管5および液相冷媒用配管6によって形成される冷媒回路に所定量の冷媒、例えば、HFC134a等のフロン系冷媒が封入されている。
次に、上記した構成の冷却装置1の作用を説明する。
図1に示す通信機器9から発生する熱によって筐体2の内部温度が上昇した場合に、室内ファン7および室外ファン8が通電され、室内ファン7によって高温流体としての筐体2の内部空気が沸騰器3に送風され、室外ファン8によって低温流体としての外部空気が凝縮器4に送風される。
これにより、沸騰器3では、図2に示す各チューブ21内に満たされている液相冷媒が内部空気から受熱して沸騰し気相冷媒となる。この気相冷媒は、沸騰器3の各チューブ21内を上昇して上部ヘッダタンク23で合流し、上部ヘッダタンク23より気相冷媒用配管5を通って凝縮器4の上部ヘッダタンク27へ流入する。
凝縮器4では、上部ヘッダタンク27から各チューブ25へ分配された気相冷媒が各チューブ25を流れる際に室外ファン8の送風を受けて冷却され、潜熱を放出してチューブ25の壁面に凝縮して液相冷媒となる。この液相冷媒は、液滴となって凝縮器4の下部ヘッダタンク28へ滴下する。下部ヘッダタンク28に溜まった液相冷媒は、液相冷媒用配管6を通って沸騰器3の下部ヘッダタンク24へ流入し、下部ヘッダタンク24から再び沸騰器3の各チューブ21へ分配供給されて、上記サイクルを繰り返す。
以上のように、冷媒が沸騰と凝縮とを繰り返して沸騰器3と凝縮器4とを自然循環することにより、筐体2の内部空気が冷却され、通信機器9の温度上昇が抑制される。
次に、本実施形態の主な特徴について説明する。
(1)本実施形態では、沸騰器3の上部ヘッダタンク23に気相冷媒用配管5と接続する2つの接続口23a、23bを設けたので、接続口が1つの場合と比較して、上部ヘッダタンク23内を流れる気相冷媒の流速を低減できる。
具体的には、本実施形態では、気相冷媒用配管5の沸騰器側配管部31、32、凝縮器側配管部33および沸騰器3の上部ヘッダタンク23は、それぞれ、流路断面積が同じである。また、沸騰器側配管部31、32をそれぞれ流れる冷媒C2、C3が合流して、凝縮器側配管部33を流れることから、沸騰器側配管部31、32をそれぞれ流れる冷媒C2、C3の流量は、凝縮器側配管部33を流れる冷媒C1の流量の1/2である。同様に、2方向から沸騰器側配管部31、32に向かって沸騰器3の上部ヘッダタンク23を流れる冷媒C4、C5が合流して沸騰器側配管部31、32を流れることから、沸騰器3の上部ヘッダタンク23を流れる冷媒C4、C5の流量は、沸騰器側配管部31、32を流れる冷媒C2、C3の流量の1/2である。そして、流量Q、断面積A、流速Vとの関係はQ=A・Vであることから、断面積Aが一定のまま、流量Qの大きさが1/2になった場合、流速Vの大きさも1/2となる。
よって、凝縮器側配管部33を流れる冷媒C1の流速をVとすると、沸騰器側配管部31、32をそれぞれ流れる冷媒C2、C3の流速は0.5Vとなり、沸騰器3の上部ヘッダタンク23を流れる冷媒C4、C5の流速は0.25Vとなる。
一方、本実施形態に対して、沸騰器3の上部ヘッダタンク23および気相冷媒用配管5の流路断面積は変更せず、沸騰器3の上部ヘッダタンク23の一端部に接続口を一カ所設け、この接続口に気相冷媒用配管5を接続した場合、上部ヘッダタンク23の内部を流れる冷媒の流速はVとなる。
したがって、本実施形態によれば、沸騰器3の上部ヘッダタンク23の一端部に接続口を一カ所設けた場合と比較して、沸騰器3の上部ヘッダタンク23を流れる冷媒C4、C5の流速を小さくできる。この結果、沸騰器3の上部ヘッダタンク23を冷媒が流れるときの圧力損失を低減でき、圧力損失の低減分、冷媒循環量を増大させることができ、冷却装置1の冷却性能を向上させることができる。
ここで、沸騰式の冷却装置においては、コンプレッサを用いることなく冷媒を循環させる必要がある。しかし、冷媒経路内の圧力損失が大きい場合、圧力損失が小さい場合と比較して、冷媒循環量が減少するため、冷却装置の冷却性能が低下してしまう。このため、冷媒経路の圧力損失を低くする必要がある。通常、冷媒経路内で圧力損失が大きい箇所は、冷媒配管や沸騰器の上部ヘッダタンクである。そして、冷媒配管での圧力損失よりも、上部ヘッダタンクでの圧力損失が大きくなると、沸騰器の上部ヘッダタンクでの圧力損失の影響による冷却性能の低下が顕著となる。このため、沸騰器の上部ヘッダタンクでの圧力損失を冷媒配管での圧力損失よりも低く抑えることが要求される。
これに対して、本実施形態によれば、上記の通り、沸騰器3の上部ヘッダタンク23を流れる冷媒C4、C5の流速を、気相冷媒用配管5の凝縮器側配管部33を流れる冷媒C1の流速よりも小さくできる。この結果、沸騰器3の上部ヘッダタンク23での圧力損失を気相冷媒用配管5での圧力損失よりも低く抑えることができる。
なお、本実施形態では、上部ヘッダタンク23の内部の流路断面積は、気相冷媒用配管5の流路断面積と略同一であったが、上部ヘッダタンク23の内部の流路断面積が、気相冷媒用配管5の流路断面積よりも小さくても良い。この場合、気相冷媒用配管5での圧力損失よりも、上部ヘッダタンク23での圧力損失が大きくなるので、冷却装置1の冷却性能の向上の効果が高くなる。
(2)本実施形態では、上記の通り、特許文献1のように、筒状のヘッダ増設部を用いなくても、上部ヘッダタンク23内を流れる気相冷媒の圧力損失を低減できる。よって、沸騰器3を鉛直方向に対して傾斜させて配置した場合に、筒状のヘッダ増設部に液相冷媒が溜まってしまうという問題を解消できる。この結果、冷媒を必要以上に封入しなくて済むという効果が得られる。
また、特許文献1に記載の冷却装置では、ヘッダ増設部に溜まる液相冷媒量を考慮して、多めに冷媒回路内に冷媒を封入しなければ、最大冷却性能が得られない。これに対して、本実施形態によれば、特許文献1に記載の冷却装置よりも少ない冷媒量で、最大冷却性能が得られる。
(3)本実施形態では、2つの接続口23a、23bは、上部ヘッダタンク23の長手方向での長さL1を2等分した長さL2、L3となる範囲のそれぞれの中央部41、42に位置している。
ところで、2つの接続口の位置は、上部ヘッダタンク23の長手方向での両端部であっても良い。しかし、この場合、上部ヘッダタンク23に連通する複数のチューブ21の冷媒量に偏りが生じてしまう。すなわち、この場合、上部ヘッダタンク23の内部では、全体の半分である20本のチューブ21から流れ出る冷媒が一つの接続口に向かって流れることとなり、1つの接続口に到達するまでに冷媒が合流するチューブ21の数が本実施形態の10本よりも多くなる。このため、一つの接続口から最も遠いチューブまでの距離が長くなり、接続口に近いチューブと遠いチューブとでは、近い側の方が遠い側の方よりも流れる冷媒の量が少なく、もしくは、多くなってしまう。
そして、複数のチューブを流れる冷媒量に偏りが生じると、各チューブに冷媒が均等に流れる場合と比較して複数のチューブと接する温風は同じであるのに対して、流れる冷媒の量が少ないチューブでは、沸騰する冷媒の量が少なく、他のチューブよりも温風との熱交換量が少ないので、全体としての冷却性能が低下してしまう。
また、1本のチューブに冷媒が多く流れる場合、そのチューブを流れる冷媒の圧力損失が大きくなるため、冷却装置全体における冷媒循環量が低下し、冷却装置の冷却性能が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、1つの接続口に向かって流れる冷媒の距離は上部ヘッダタンク23の全長L1の1/4の長さであり、接続口からその接続口に冷媒が流れるチューブのうち最も遠いチューブまでの距離が最小となる位置に接続口23a、23bが位置している。
よって、本実施形態によれば、上部ヘッダタンク23に連通する複数のチューブ21の冷媒量を均等に近づけることができる。この結果、2つの接続口の位置が、本実施形態と異なり、上部ヘッダタンク23の長手方向での両端部である場合と比較して、冷却装置の冷却性能を向上できる。
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、接続口23a、23bを、それぞれ、上部ヘッダタンク23の長手方向での長さL1を2等分した長さL2、L3となる範囲の中央部41、42に配置することにより、接続口23a、23bの位置を、上部ヘッダタンク23に連通するチューブ21の本数を均等に振り分ける位置としていた。すなわち、上部ヘッダタンク23の長手方向を、チューブ21の全本数を2分割した20本のチューブ21が接続されている範囲ずつに分け、さらに、それらの範囲を、その1つの範囲に連通するチューブ21の本数を2分割した10本のチューブ21が接続されている範囲ずつに振り分ける位置に、2つの接続口23a、23bをそれぞれ配置していた。
しかし、製造上の理由で接続口の取り付け位置に制約がある場合や、チューブ21の本数を4で割れない場合では、接続口23a、23bの位置は、上部ヘッダタンク23に連通するチューブ21の本数を均等に振り分ける位置でなくても良い。
例えば、チューブ本数が43本の場合、上部ヘッダタンク23の長手方向を、チューブ21が20本の範囲と、チューブ21が23本の範囲の2つに分け、20本の範囲では、チューブ本数を均等に振り分ける位置に接続口を配置し、23本の範囲では、チューブ本数を10本と13本とに振り分ける位置に接続口を配置しても良い。
このように、チューブ本数を均等に振り分ける位置でなくても、均等な本数に対して3本以内の差となる位置に接続口を配置することにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)上述の実施形態では、上部ヘッダタンク23に2つの接続口23a、23bを設けていたが、接続口の数を3つ以上としても良い。
(3)上述の実施形態では、気相冷媒用配管5として、1本の配管が沸騰器側で2本に分岐した形状の配管を用いていたが、接続口の数と同じ数の独立した配管を用いても良い。なお、この場合、凝縮器4の上部ヘッダタンク27の接続口の数を沸騰器3の上部ヘッダタンク23の接続口と同じ数とする。
ただし、この場合、複数本の配管が筐体2の天板2b等の壁を貫通することとなるため、第1実施形態のように、1本の配管が沸騰器側で2本に分岐した形状の配管であって、分岐部30を筐体2の内部に位置させることが好ましい。これによれば、筐体の壁を貫通する配管が1本となるので、複数本の配管が筐体の壁を貫通する場合と比較して、配管と壁との間のシール構造を簡略化できる。
(4)上述の実施形態では、沸騰器3、凝縮器4、気相冷媒用配管5および液相冷媒用配管6によって形成される冷媒回路が1つであったが、冷媒回路を複数としても良い。この場合、例えば、複数の沸騰器3同士を空気流れに対して直列に配置し、複数の凝縮器4同士を空気流れに対して直列に配置する。
(5)上述の実施形態では、沸騰器3を鉛直方向に対して傾斜させていたが、鉛直方向に平行に配置しても良い。
(6)上述の実施形態では、室内ファン7を沸騰器用ケース10に収容し、室外ファン8を凝縮器用ケース12に収容して、冷却装置1が室内ファン7および室外ファン8を備える構成としていたが、室内ファン7と室外ファン8の少なくとも一方を冷却装置1とは別に用意して、筐体2に設置しても良い。
(7)上述の実施形態では、携帯電話通信網基地局の通信機器が収容された筐体内を冷却する冷却装置を例として説明したが、他の筐体の内部に収容された発熱体を冷却する冷却装置においても本発明は適用可能である。
(8)上述の各実施形態を可能な範囲で任意に組み合わせても良い。
本発明の第1実施形態における冷却装置1の全体構成を示す図である。 図1中の冷却装置1を図1中の矢印A1方向から見たときの沸騰器3および凝縮器4の正面図である。
符号の説明
1 冷却装置
2 筐体
3 沸騰器
4 凝縮器
5 気相冷媒用配管
23 沸騰器の上部ヘッダタンク
23a 接続口
23b 接続口

Claims (3)

  1. 発熱体(9)が収容された筐体(2)の内部を冷却する冷却装置であって、
    前記筐体(2)の内部に配され、前記筐体(2)の内部の高温流体と内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う高温側熱交換器(3)と、
    前記筐体(2)の外部で前記高温側熱交換器(3)より高い位置に配され、前記筐体(2)の外部の低温流体と内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う低温側熱交換器(4)と、
    一端が前記高温側熱交換器(3)の上部(23a、23b)に接続され、他端が前記熱交換器(4)の上部(27a)に接続されて、前記高温側熱交換器(3)で沸騰気化し気相冷媒を前記低温側熱交換器(4)へ導入する気相冷媒用配管(5)と、
    一端が前記低温側熱交換器(4)の下部(28a)に接続され、他端が前記高温側熱(3)の下部(24a)に接続されて、前記低温側熱交換器(4)で凝縮した液相冷媒を前記温側熱交換器(3)へ導入する液相冷媒用配管(6)とを備え、
    前記高温側熱交換器(3)は、一端を上端とし他端を下端として配され、内部を冷媒流れる複数本のチューブ(21)と、前記複数本のチューブ(21)の前記上端に連通すともに水平方向に平行に配された上部ヘッダタンク(23)と、前記複数本のチューブ(21)の前記下端に連通するとともに水平方向に平行に配された下部ヘッダタンク(24)とを有し、
    前記上部ヘッダタンク(23)は、複数箇所に開口部(23a、23b)が設けられ、前記複数箇所に設けられた前記開口部(23a、23b)に前記気相冷媒用配管(5)の前記一端が接続されており、
    前記上部ヘッダタンク(23)は、前記上部ヘッダタンク(23)の長手方向での長さ(L1)を前記複数の開口部(23a、23b)と同じ数で均等に分割した範囲(L2、L3)のそれぞれの中央部(41、42)に、前記開口部(23a、23b)が設けられていることを特徴とする冷却装置。
  2. 前記気相冷媒配管(5)は、1本の配管の前記一端側が分岐部(30)で前記開口部(23a、23b)と同じ数の配管に分岐した形状であり、前記分岐部(30)は前記筐体(2)の内部に位置することを特徴とする請求項に記載の冷却装置。
  3. 前記上部ヘッダタンク(23)は、2箇所に前記開口部(23a、23b)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
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