JP4930359B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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    • H01Q9/0442Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna with particular tuning means

Description

本発明は、無線信号の送受信に用いられるアンテナ装置に係り、特に、絶縁性物質を介在物として放射導体と地導体板とを対向して配置するという単純な平面導体の組み合わせからなるアンテナ装置に関する。
電波通信方式を利用した無線通信では、空中線(アンテナ)に電流を流した際に発生する放射電界を利用して信号を伝搬させるものである。アンテナにはさまざまな形式があるが、広帯域特性を持つアンテナは、UWB(Ultra Wide Band)のような超広帯域な周波数帯域に拡散して送受信を行なう通信に利用することができる。また、小型のアンテナは、無線機器の小型軽量化に貢献する。
特に薄型の要求に応えるアンテナ構成として、絶縁性物質を介在物として放射導体と地導体板とを対向して配置することにより構成したアンテナ装置、すなわちマイクロストリップ・パッチ・アンテナ(以下では単に「パッチ・アンテナ」と略す)が挙げられる。放射導体の形状は、特に決まりはないが、大体において矩形若しくは円形が用いられている。放射導体と導体地板との間に介在させる絶縁性物質の厚みは概ね、無線周波数の波長の1/10以下とされ、極めて薄型に構成できる。また、マイクロストリップ・パッチ・アンテナは、両面銅張りの絶縁性物質基板をエッチング加工して製造することができるなど、比較的に簡単に製造することができる。つまり、マイクロストリップ・パッチ・アンテナは、製造が比較的に容易である。
例えば、放射導体と地導体を導通する短絡導体板を所望外のモードの励振を抑制する位置に適宜配設して帯域端における放射パターンの乱れを抑制するとともに、放射導体板と地導体板との隙間を磁性体層と空層を交互に挟んだ複層構造として比誘電率が1以上の磁性体の適用を可能にして、広帯域幅において単一指向性を持つ磁性体マイクロストリップ・パッチ・アンテナについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
通常のプリント基板は、薄い誘電体板を上下から2枚の導体板で挟んだ構造をしているが、下側の導体板をグランド(GND)として使うとともに上側の導体板を矩形又は円形に形設して、上側の導体板に給電する構造をとることによって、パッチ・アンテナを構成することができ、回路基板との一体化が容易である。
図15及び図16には、プリント基板上に形成されたパッチ・アンテナの代表的な構成例を示している(但し、図15はプリント基板を上方から見下ろした図であり、図16は、斜めから眺めた図である)。図示のパッチ・アンテナは、通常、上側の導体板からなるアンテナ(放射素子)を共振器として捉えて設計される。また、導体板の端縁に沿って流れる電流は誘電体を挟んだ平行伝送線路の電流と同じであると考えられるから、誘電体の比誘電率の応じた波長短縮効果がある。放射素子の長さLと放射素子の幅Wが等しいとすると、パッチ・アンテナは次式で表される。
ここで、εeffは誘電体基板の実効誘電率であり、λgは実効波長である。実効誘電率εeffは、誘電体基盤の誘電率及び厚さと、アンテナの幅W(=アンテナの長さL)の値から決定することができる。上式(1)は、アンテナ(放射素子)の長さや幅を実効波長の半分にすることで共振させ、共振周波数の電波が放射されることを示している。
近年の通信システムを、狭帯域通信と広帯域通信に分けることができる。パッチ・アンテナで放射できる周波数成分は、以下の式(2)から実効波長λgで決まる周波数fとその高調波成分である。
すなわち、パッチ・アンテナは、一般に狭帯域化し易いため、動作可能帯域が広帯域である必要のあるPANシステムなどには不向きであるとされている。設計パラメータにも因るが、VSWR2以下の帯域幅は、概ね数%のオーダーとなる。かかる欠点のために、パッチ・アンテナは広帯域通信では使えないという問題がある。
誘電体多層基板上でアンテナ背面にグランドを持つ平面パッチ・アンテナは、狭帯域になることから、従来のパッチ・アンテナにおいて広帯域性を確保するには、グランドをアンテナ背面に持たない構造が一般的に採られるが、このような場合、電子機器の筺体構造設計が複雑化する。
また、従来の無線通信技術の多くは遠方と通信することを前提にしていたため、アンテナは遠方界の振る舞いのみを考慮すれば充分であった。ところが、近年では至近距離通信が前提となる場合も多くなり、通信距離が波長以下となるアンテナの近傍界での現象を捉える必要が出てきている。
特開2005−278067号公報
本発明の目的は、絶縁性物質を介在物として放射導体と地導体板とを対向して配置するという単純な平面導体の組み合わせからなる、優れたアンテナ装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、単純な平面導体の組み合わせで構成され、動作する帯域幅が1.5GHz帯以上となる、平面型の優れたアンテナ装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、単純な平面導体の組み合わせで構成され、通信距離が波長以下程度となる近傍界でも動作することができる、平面型の優れたアンテナ装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、
誘電体層と、前記誘電体層を上下から挟む2枚の導体層で構成され、
下側の導体層はグランドとして用いられ、
上側の導体層からなる放射素子は、サイズすなわち幅及び長さが異なる4本以上の放射素子片と、1本の給電線とを、放射素子の幅方向に連結した構造からなる、
ことを特徴とする平面型のアンテナ装置である。
薄型の要求に応えるアンテナ装置としてパッチ・アンテナが知られており、薄い誘電体板を上下から2枚の導体板で挟んだ構造をなす通常のプリント基板の下側の導体板をグランドとして使うとともに、上側の導体板にエッチングなどの加工を施して放射素子を形成することでパッチ・アンテナを製作することができる。
しかしながら、パッチ・アンテナはその実効波長λgが放射導体の幅W及び長さLといった導体サイズで決定されることから、一般的に狭帯域化し易く、広帯域通信には不向きとされている。また、近年では至近距離通信を行なう機会が増えていることから、通信距離が波長以下となるアンテナの近傍界での現象を捉える必要がある。
これに対し、本発明に係るアンテナ装置は、パッチ・アンテナと同様に誘電体層とこの誘電体層を上下から挟む2枚の導体層で構成されるが、下側の導体層をグランドとして使う一方、上側の導体層からなる放射素子は、サイズすなわち幅及び長さが異なる4本以上の放射素子片と、1本の給電線とを、放射素子の幅方向に連結して構成されている。
本発明に係るアンテナ装置によれば、幅及び長さが異なる複数の放射素子片を備えており、各放射素子片が共振器として動作して電波を放射する際の実効波長はそれぞれ異なる。したがって、それぞれの実効波長において動作することから広帯域な特性を持つことができる。
また、理想的な点電荷の場合には距離の2乗に反比例して電界が減衰することから遠方界の通信が前提となってしまう。これに対し、本発明に係るアンテナ装置では、幅及び長さが異なる複数の放射素子片を備えることで、電荷の形状が複雑となることから、距離の3乗や4乗に反比例して減衰する電界の成分が顕在化する。すなわち、これらの成分は距離による減衰が急峻であることから、近傍界での通信が実現する。
ここで、それぞれ幅W0、W1、…、WN-1と長さL0、L1、…、LN-1を持つN本の放射素子片が、幅WNの給電線と幅方向に連結して放射素子が構成される場合、伝送したい周波数から求まる実効波長λgに対し、下式(3)〜(8)のように各放射素子片の幅及び長さを選ぶようにすればよい(但し、Nは5以上の整数とする。また、Wi並びにLiの添え字は、給電線から離間した順で各放射素子片に割り振られた通し番号で、0〜N−1の整数とする)。また、給電線の幅WNは、伝送線路のインピーダンスを考慮して、適当なものを選べばよい。
言い換えれば、給電線から最も離間した放射素子片と給電線に隣接した放射素子片の幅及び長さをほぼ等しく且つ最大にするとともに、その長さL0及びLN-1をλg/2にほぼ等しくなるように設定する。また、すべての放射素子片の幅の合計に給電線の幅の2分の1を加えた値がλg/2にほぼ等しくなるように設定する。
上式(3)〜(8)より、本発明を適用して構成される平面アンテナは、従来の正方形型パッチ・アンテナ(図15並びに図16を参照のこと)の面積W×Lよりも少ない面積で実現できることが理解できよう。
本発明に係る平面型のアンテナ装置は、反射特性S11を見ると、強い共振を起こさない。したがって、放射素子上の特定の部分のみに定在波が閉じ込められるような共振型のアンテナではなく、長さの異なる導体部分を磁界(電流)が巡るような、進行波型のアンテナとして作用すると言える。そして、このことが広帯域化する1つの要因である、と本発明者らは考えている。
また、本発明に係る平面型のアンテナ装置は、透過特性S21を見ると、伝送可能な周波数帯域は近傍界において広帯域であるとともに、広い比帯域幅を持つ。したがって、アンテナ背面にグランドを持つ構成としても広帯域性を確保することができるので、電子機器の筐体構造設計の簡略化に寄与することができる。
本発明によれば、絶縁性物質を介在物として放射導体と地導体板とを対向して配置するという単純な平面導体の組み合わせからなる、パッチ・アンテナ構成の優れたアンテナ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、単純な平面導体の組み合わせで構成され、通信距離が波長以下程度となる近傍界でも、帯域幅が1.5GHz帯以上の帯域幅で動作することができる、平面型の優れたアンテナ装置を提供することができる。
本発明に係る平面型のアンテナ装置は、従来にない広帯域な特性を示し、且つ近接した状態においても動作することができ、さらに平面アンテナが本来持つ指向性やグランド面による電気部品の安定化といった特性をそのまま活かすことができる。
本発明に係るアンテナ装置は、通信距離が波長以下程度の近傍界においても動作することができる。
本発明に係るアンテナ装置の複数の放射素子片からなる放射素子の形状は、共振周波数によっておおよそ決定され、単純な平面導体の組み合わせとなるので、設計が容易である。また、アンテナの層構造は導体で誘電体を挟み込んだ組み合わせで実現されるので、一般的なプリント基板材料などの上に実装することができる。
すなわち、本発明に係るアンテナ装置を用いて無線通信機を構成することで、近接距離での広帯域通信が求められる近年の通信システムにおいて、信号品質の向上や改善などに役立てることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1及び図2には、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の構成を示している。図示のアンテナ装置は、パッチ・アンテナと同様に、薄い誘電体層を上下から2枚の導体層で挟んだプリント基板において、下側の導体層をグランド(GND)として使うとともに上側の導体層を放射素子として使い、上側の導体板に給電する構造を備えた平面型のアンテナである(但し、図1はプリント基板を上方から見下ろした図であり、図2は、斜めから眺めた図である)。導体層には例えば銅や銀などが用いられ、誘電体層には例えばガラスエポキシ樹脂やテフロン(登録商標)などが用いられる。
上側の導体層からなる放射素子は、サイズすなわち幅及び長さが異なる複数(4本以上)の放射素子片501〜504と、1本の給電線とを、放射素子の幅方向に連結した構造からなる。
このような平面アンテナは、幅及び長さが異なる複数の放射素子片を備えており、各放射素子片が共振器として動作して電波を放射する際の実効波長はそれぞれ異なる。したがって、それぞれの実効波長において動作することから広帯域な特性を持つことができる。
また、理想的な点電荷の場合には距離の2乗に反比例して電界が減衰することから遠方界の通信が前提となってしまう。これに対し、サイズの異なる複数の放射素子片を備えた平面アンテナでは、電荷の形状が複雑となることから、距離の3乗や4乗に反比例して減衰する電界の成分が顕在化する。すなわち、これらの成分は距離による減衰が急峻であることから、近傍界での通信が実現する。
なお、図1及び図2には、長方形状の放射素子片を放射素子の幅方向に連結して1つの放射素子を構成した平面型アンテナを示しているが、本発明の要旨は放射素子片の特定の個数や形状に限定されるものではない。例えば、導体の形状が曲面状であってもよいことを充分理解されたい。
複数の放射素子片501〜504からなる放射素子の具体的な形状について、図3を参照しながら説明する。
給電線505から離間している放射素子片から順に、幅Wa、Wb、Wc、Wdと、長さLa、Lb、Lc、Ldを持つ場合、伝送したい周波数から求まる実効波長λgに対し、下式(9)〜(14)のように各放射素子片501〜504の幅及び長さを選ぶ。但し、Weは給電線505の幅である。
ここで、給電線505の幅Weは、伝送線路のインピーダンスを考慮して、適当なものを選べばよい。
上式(9)〜(14)より、図1並びに図2に示した平面アンテナは、従来の正方形型パッチ・アンテナ(図15並びに図16を参照のこと)の面積W×Lよりも少ない面積で実現できることが理解できよう。
これまで説明してきたように、本発明に係る平面型のアンテナ装置は、従来にない広帯域な特性を示し、且つ近接した状態においても動作することができ、さらに平面アンテナが本来持つ指向性やグランド面による電気部品の安定化といった特性をそのまま活かすことができる。
続いて、図1並びに図2に示した平面アンテナの近傍界における特性を説明するために、従来のパッチ・アンテナと比較したシミュレーション結果を以下に示す。
図4には、2つのパッチ・アンテナを、互いの放射素子が対向するように30mmのアンテナ間距離で配置した様子を示している。図示のパッチ・アンテナは図15及び図16に示した従来の設計によるものとする。また、図6には、図1並びに図2に示した2つの平面アンテナを、同様に互いの放射素子が対向するように30mmのアンテナ間距離で配置した様子を示している。いずれのアンテナも、5GHz近傍が中心周波数となるように設計されているものとする。そして、図4に示したアンテナ対における反射特性S11及び透過特性S12のシミュレーション結果を図5に示すとともに、図6に示したアンテナ対における反射特性S11及び透過特性S21のシミュレーション結果を図7に示している。
反射特性S11は、アンテナの共振を示す量であり、一般に、低い値ほど強い共振とみなせる。一方、透過特性S21は、2個のアンテナ間をどれだけの電力が通過するかを示す量であり、一般に、大きい値ほど入力した信号が出力側に効率よく伝送されることになる。
図7の反射特性S11を見ると、強い共振を起こしていないことが判る。すなわち、図1及び図2に示した平面アンテナは、放射素子上の特定の部分のみに定在波が閉じ込められるような共振型のアンテナではなく、長さの異なる導体部分を磁界(電流)が巡るような、進行波型のアンテナとして作用すると言える。このことが、当該平面アンテナを広帯域化するひとつの要因である、と本発明者らは考えている。
また、図5及び図7の透過特性S21を比較すると、図1及び図2に示した平面アンテナは、伝送可能な周波数帯域は、近傍界において広帯域であることを確認することができる。また、5GHz近辺の周波数において、図15及び図16に示したパッチ・アンテナでは比帯域幅(=帯域/中心周波数)が10%程度に過ぎないのに対し、図1及び図2に示した平面アンテナではおよそ30%の比帯域幅を持つことができる。
一般に、誘電体多層基板上でアンテナ背面にグランドを持つ平面パッチ・アンテナは、狭帯域になる(放射素子をなす導体板の端縁に沿って流れる電流は、誘電体層を挟んだ平行伝送線路の電流と同じと考えられ、その波長は誘電体の比誘電率に支配される。すなわち、送受信可能の電波周波数帯域が、その一定の誘電率に支配される狭い範囲のものに限定される)。このため、図15及び図16に示したような従来のパッチ・アンテナにおいて広帯域性を確保するには、グランドをアンテナ背面に持たない構造が一般的に採られる。これに対し、図1及び図2に示した平面アンテナの場合、アンテナ背面にグランドを持つが、上述したように広帯域性も備えているので、電子機器の筐体構造設計の簡略化に寄与することができる。
図8には、図1及び図2に示した平面アンテナにおける電波の放射の仕方を示している。同図では、アンテナから放射される電磁界の強さをグレースケールで示しており、白色の部分から最も強く電波が放射され、黒色に近づくにつれ強度が弱くなるように表している。同図から、放射の向きはアンテナ面に対して垂直であることが判る。また、誘電体基板のグランド面側には電波が発生し難いことから、前方方向に指向性を持たせることができる。
また、図9乃至図14には、図1及び図2に示した平面アンテナの、4.5GHz、5.0GHz、5.5GHzの各周波数における電界及び磁界の強度分布を等高線状に表現してそれぞれ示している。各図において、電界並びに磁界の強度はグレースケールでそれぞれ示されており、白色が最も強く、黒色が最も弱い。
まず、図9、図11、並びに図13を参照して、図1及び図2に示した平面アンテナのそれぞれの周波数における電界の強さを比較すると、電界の強い場所は周波数によって異なることが判る。これは、放射素子上のさまざまな場所から異なる周波数の電界が放射されていることを示しており、広帯域化の要因となっている。
続いて、図10、図12、並びに14を参照して、図1及び図2に示した平面アンテナのそれぞれの周波数における磁界分布を比較すると、強い磁界を持つ部分はアンテナ導体の端を巡るように分布していることが判る。図7で示したように、反射特性S11がターゲット周波数帯において強い共振を示さないことからも、当該平面アンテナは、放射素子上の特定の部分のみに定在波が閉じ込められるような共振型のアンテナではなく、長さの異なる導体部分を磁界(電流)が巡るような、進行波型のアンテナとして作用していると思料される。そして、このような特性が当該平面アンテナを広帯域化する1つの要因である、と本発明者らは考えている。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明に係るアンテナ装置は、通信距離が波長以下程度の近傍界においても動作することができる。したがって、近接距離での広帯域通信が求められる近年の通信システムにおいて、信号品質の向上・改善などに役立てることができる。
本発明に係るアンテナ装置の複数の放射素子片からなる放射素子の形状は、共振周波数によっておおよそ決定され、単純な平面導体の組み合わせとなるので、設計が容易である。また、アンテナの層構造は導体で誘電体を挟み込んだ組み合わせで実現されるので、一般的なプリント基板材料などの上に実装することができる。
本明細書では、両面プリント基板上に平面アンテナを構成した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、多層基板(導体、誘電体、導体、誘電体など)を用いても、本発明に係るアンテナ装置を構成することができる。導体層には例えば銅や銀などが用いられ、誘電体層には例えばガラスエポキシ樹脂やテフロン(登録商標)などが用いられる。
また、本明細書では、長方形状の放射素子片を放射素子の幅方向に連結して1つの放射素子を構成した実施形態について説明してきたが、本発明の要旨は放射素子片の特定の個数や形状に限定されるものではない。例えば、導体の形状が曲面状であってもよい。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の構成を示した図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の構成を示した図である。 図3は、複数の放射素子片501〜504からなる放射素子の具体的な形状を説明するための図である。 図4は、2つのパッチ・アンテナを、互いの放射素子が対向するように30mmのアンテナ間距離で配置した様子を示した図である。 図5は、図4に示したアンテナ対における反射特性S11及び透過特性S12のシミュレーション結果を示した図である。 図6は、図1並びに図2に示した2つの平面アンテナを、互いの放射素子が対向するように30mmのアンテナ間距離で配置した様子を示した図である。 図7は、図6に示したアンテナ対における反射特性S11及び透過特性S12のシミュレーション結果を示した図である。 図8は、図1及び図2に示した平面アンテナにおける電波の放射の仕方を示した図である。 図9は、図1及び図2に示した平面アンテナの、4.5GHzにおける電界の強度分布を示した図である。 図10は、図1及び図2に示した平面アンテナの、4.5GHzにおける磁界の強度分布を示した図である。 図11は、図1及び図2に示した平面アンテナの、5.0GHzにおける電界の強度分布を示した図である。 図12は、図1及び図2に示した平面アンテナの、5.0GHzにおける磁界の強度分布を示した図である。 図13は、図1及び図2に示した平面アンテナの、5.5GHzにおける電界の強度分布を示した図である。 図14は、図1及び図2に示した平面アンテナの、5.5GHzにおける磁界の強度分布を示した図である。 図15は、プリント基板上に形成されたパッチ・アンテナの代表的な構成例(プリント基板を上方から見下ろした様子)を示した図である。 図16は、プリント基板上に形成されたパッチ・アンテナの代表的な構成例(斜めから眺めた様子)を示した図である。
符号の説明
301…放射素子
302…誘電体基板
304…給電線
401…導体層(アンテナ部)
402…誘電体層(基板)
403…導体層(グランド)
501、502、503、504…放射素子片
505…給電線

Claims (2)

  1. 誘電体層と、前記誘電体層を上下から挟む2枚の導体層で構成され、
    下側の導体層はグランドとして用いられ、
    上側の導体層からなる放射素子は、大きさが異なる4本以上の放射素子片と、1本の給電線とを連結した構造からな
    各放射素子片はそれぞれの幅及び長さが異なる長方形状からなり、放射素子片を放射素子の幅方向に連結して1つの放射素子を構成し、
    それぞれ幅W 0 、W 1 、…、W N-1 と長さL 0 、L 1 、…、L N-1 を持つN本の放射素子片が、幅W N の給電線と幅方向に連結して放射素子が構成される場合、伝送したい周波数から求まる実効波長λ g に対し、下式(1)〜(6)のように各放射素子片の幅及び長さを選ぶとともに、伝送線路のインピーダンスを考慮して、適当な給電線の幅W N を選ぶ(但し、Nは5以上の整数とする。また、W i 並びにL i の添え字は、給電線から離間した順で各放射素子片に割り振られた通し番号で、0〜N−1の整数とする)、
    ことを特徴とする平面型のアンテナ装置。
  2. プリント基板材料若しくは導体層と誘電体層が交互に積層されてなる誘電体多層基板上に実装される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
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