JP4930323B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インマニレス吸気系を備えた内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、複数の気筒の各々に吸気制御弁を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された内燃機関の吸気制御装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、各気筒に連通する吸気通路に吸気制御弁が設けられ、吸気バルブの開弁期間が重複しない気筒間で当該吸気制御弁が同位相で連結される。このため、吸気制御による燃費及び出力の向上を図ると共に構成の簡略化及び省スペース化が実現されるとされている。
尚、吸気制御弁の閉弁時期を検出し、その値に応じて点火時期を調整しトルクを調整する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、気筒間でリーン気筒とリッチ気筒を設定し、早期触媒暖機を図る技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
更には、早期暖機のため、吸気制御弁の開くタイミングを吸気バルブ開弁時期より遅くし、吸気バルブ閉弁時期と同時又はその前に吸気制御弁を閉弁する技術も開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平7−71277号公報 特開平8−4536号公報 特開2004−353552号公報 特開2006−214359号公報
従来の技術では、複数の気筒の各々について吸気制御弁を設けなければならず、例え複数の吸気制御弁を同位相で連結してアクチュエータの個数を低減し得たとしても、コストの増加、装置構成の複雑化及び制御系の負荷増大等、各種の問題が回避され難い。即ち、従来の技術には、効率的に且つ効果的に燃費及び出力の向上を図り得ないという技術的な問題点がある。
一方で、このような問題に対処すべく、複数の気筒相互間で吸気通路を共有するインマニレス吸気系が採用された場合、上述した問題を解決し得る反面、気筒毎に吸気通路の長さが異なること等に起因して、気筒相互間で吸気量に偏差が生じ易い。このため、気筒毎に発生トルクがばらつき、動力性能及び快適性能の低下を招きかねない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、インマニレス吸気系を備える内燃機関において動力性能及び快適性能の低下を抑制し得る内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、複数の気筒と、前記相互間で共有される前記吸気の通路、及び該通路に設けられ、開閉状態に応じて前記吸気の脈動を生成可能であると共に、前記吸気の脈動を利用した慣性過給が可能である吸気制御弁を備え、前記複数の気筒の各々に吸気を供給するインマニレス吸気系とを備えた内燃機関の制御装置であって、前記複数の気筒相互間における前記インマニレス吸気系を介した前記吸気の伝達特性の偏差に基づいて、前記複数の気筒の各々について、前記慣性過給が行われる期間における前記相互間のトルクの偏差が減少するように前記トルクを規定する前記内燃機関の運転条件の補正量を決定する決定手段と、前記各々について前記決定された補正量に応じて、前記慣性過給が行われる期間における前記運転条件を変更する変更手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「内燃機関」とは、複数の気筒を有し、当該気筒の各々における燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いは各種アルコール等の燃料、又は当該燃料を含む混合気が爆発或いは燃焼した際に生じる力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的な又は機械的な伝達経路を経て駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。また特に、本発明に係る内燃機関は、気筒内に吸入される気体を包括する概念としての本発明に係る吸気(即ち、外界から吸入される空気たる吸入空気を少なくとも一部として含む)を各気筒に導く手段として、インマニレス吸気系を備える。
インマニレス吸気系とは、即ち、吸気マニホールドを有さぬ吸気系を包括する概念であるが、この場合の吸気マニホールドとは、例えば吸入空気を一時的にプールするサージタンク等の貯留手段(必ずしも備わっておらずともよく、より広範な概念としては、各気筒へ概ね一定の圧力で吸気を供給し得る何らかの貯留手段)と各気筒との物理的な位置関係の差異に起因して生じる、気筒相互間の吸気量の差異を補償し得る物理構成を有する管状部材等を指す。従って、吸気マニホールドが備わる場合、例えばサージタンク或いは複数の気筒で共用される吸気管等から分岐する配管(即ち、好適には、吸気マニホールドの主たる一部である)の形状は複雑になり易く、内燃機関をコンパクトに構成することが難しくなる。インマニレス吸気系とは、このような吸気マニホールドを備えない、好適には内燃機関をよりコンパクトに構成することが可能な吸気系である。好適な一形態として、インマニレス吸気系は、例えばサージタンク等の貯留手段から吸入空気を導く、各気筒で共有される吸気通路部分と、この共有される吸気通路部分から各気筒へ分岐する、相互に連通する枝管等を含んで構成されてもよい。本発明に係るインマニレス吸気系は、このような概念により規定されると共に、複数の気筒相互間で少なくとも一部が共有或いは共用される吸気通路を備えており、更に当該吸気通路に単一の吸気制御弁を備えている。
この吸気通路に備わる吸気制御弁は、二値的、段階的及び連続的を問わずその開閉状態に応じて、吸気(本発明に係る「吸気」とは、上述した通り気筒内に吸入される気体を指し、好適な一形態としては、吸入空気そのものであるが、例えばEGR装置等の排気還流装置が備わる場合等には、場合によりEGRガス(即ち、排気)と吸入空気の混合体であってもよい)の脈動を少なくとも生成可能な、例えば弁体、或いは当該弁体に加え更に当該弁体を駆動する駆動装置等を適宜に含んでなる動弁機構又は動弁装置等の形態を有する手段である。この吸気制御弁は、内燃機関にスロットルバルブ等の、所謂吸気絞り弁が備わる場合には、好適な一形態として、この吸気絞り弁の下流側(即ち、吸入空気の流れる方向を基準とする方向概念であって、この場合、気筒側)に設置される。
また、内燃機関に、例えばターボチャージャ等の過給器が備わる場合等には、好適な一形態として、吸気制御弁は、吸入空気を一時的に貯留する貯留手段としての上述したサージタンクの下流側に設置されてもよい。いずれにせよ、吸気制御弁は、吸気を脈動波として各気筒へ送り込むことを主たる目的としており(但し、例えばこの種の脈動の生成とは別に、例えばスロットルバルブ等の吸気絞り弁の開閉操作等により好適に行われ得る吸入空気の調量(吸気絞り)を実践上問題無い程度に実践し得る場合には、スロットルバルブ等の吸気絞り弁の作用を本発明に係る吸気制御弁にて代替させてもよい(言い換えれば、吸気絞り弁が本発明に係る吸気制御弁としての機能を代替してもよい))、好適な一形態として、吸気制御弁は、吸気制御弁から吸気通路を共有する各気筒の吸気弁までの距離(好適な一形態としては、吸気制御弁下流側における吸気通路の容積と一義的である)が、吸気制御弁の開閉により少なくとも実践上十分な程度の吸気の脈動を生じさせ得る程度に吸気弁に近接した位置に設置される。
尚、吸気通路が気筒相互間で共有される複数の気筒とは、本発明に係る内燃機関に備わる気筒の全てでなくともよく、概念上は、内燃機関に備わる複数の気筒のうち少なくとも複数の気筒を指す。例えば、本発明に係る内燃機関の気筒配列が、所謂V型と称される態様を有する場合には、所定の挟角で対向する二つの気筒群(バンクとも称される)に属する複数の気筒が、本発明に係る「複数の気筒」に相当してもよいし、気筒配列が所謂直列型と称される態様を有する場合には、その全気筒(無論、概念上は、一部の気筒であってもよい)が本発明に係る「複数の気筒」に相当してもよい趣旨である。
このように吸気制御弁を備えるインマニレス吸気系では、吸気制御弁が単一であれ複数であれ、吸気の脈動を利用した慣性過給(又は、インパルスチャージとも称される)が可能であり、吸気制御弁の開閉時期の制御(例えば、開弁時期を、発生する脈動の正圧波の気筒への到達が吸気弁の閉弁時期近傍となるように制御すること等)によって、自然吸気と比較して多量の吸気を吸気行程で気筒内に取り込むことが可能となる。また、吸気制御弁は、その開閉状態が如何なる態様を採り得るにせよ、また実行が容易であるか否かは別として、吸気量の調節が可能であり、例えば、吸気弁の開弁期間の途中で実質的に吸気の流入を遮断する吸気早閉じ制御等により、ポンピングロスの低減を図ることもできる。
一方、単一の吸気制御弁を備えるインマニレス吸気系では、上述したように内燃機関をコンパクトに構成し得る半面、何らの対策も講じないままでは、気筒配列上生じる気筒相互間の吸気通路の物理構成(例えば、長さ)の差異により、気筒相互間で吸気量に偏差が生じ易い。気筒相互間の吸気量の偏差は、気筒相互間のトルクのバラツキを招き易く、特に、上述した慣性過給がなされる場合には、吸気の脈動が、この吸気通路の物理構成の差異に影響されるため、より吸気量のバラツキが生じ易くなるといった問題が生じ得る。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る決定手段により、インマニレス吸気系を介した吸気の伝達特性の偏差に基づいて、複数の気筒の各々について、気筒相互間のトルクの偏差が減少するように、当該トルクを規定する内燃機関の運転条件の補正量が決定される。
ここで、「吸気の伝達特性」とは、吸気の伝達に係り、吸気通路の物理構成に起因して変化し得る、気筒各々において発生するトルクと相関する定性的又は定量的な指標を包括する概念であって、例えば、好適な一形態として、吸気量又は吸気温度等を指す。また、この場合の「吸気量」とは、吸気弁の開弁期間に気筒内に流入する吸気の全量であってもよいし、単位時間当たりに気筒内に流入する吸気量であってもよい。また、慣性過給が行われる場合には、吸気は脈動波として送り込まれるから、吸気量とは、この脈動波の波形、或いはその位相(クランク角等により規定される絶対的な位相であってもよいし、吸気弁の開弁期間に対応付けられた相対的な位相であってもよい)であってもよい。また、定性的な指標としての吸気の伝達特性とは、即ち、気筒相互間で吸気量が相対的に多いか少ないかといった傾向であってもよい。更に、「吸気の伝達特性に基づいて」とは、この伝達特性と二次的な又は間接的な関連を有する指標を参照することを含む概念である。例えば、吸気の伝達特性が異なれば、吸気行程におけるポンピングロスが相違し得る。ポンピングロスが異なれば、その時点で膨張行程にある気筒の仕事量が異なることとなるから、気筒相互間のトルクの偏差に影響することとなる。即ち、ポンピングロスもまた、本発明に係る吸気の伝達特性の一部として扱うことが可能である。
このような吸気の伝達特性に基づいて決定される補正量とは、何らこの種の補正量が設定されない場合と較べて、幾らかなり気筒相互間のトルクの偏差を減少させるための、内燃機関の運転条件の補正量である。ここで、本発明に係る「内燃機関の運転条件」とは、内燃機関においてトルクを直接的に又は間接的に規定し得る条件であり、例えば、燃料噴射量、点火時期、空燃比又は吸気温度等を含む趣旨である。従って、補正量とは、運転条件の種類に応じて、適宜変化し得る物理量であってよい。
このように補正量が決定されると、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る変更手段により、気筒各々について、決定された補正量に応じて上述した運転条件が変更される。補正量は、上述したように気筒相互間のトルクの偏差を減少させるべく設定される値であるから、変更手段による運転条件の変更がなされた結果、インマニレス吸気系における吸気の伝達特性の差異に応じて生じる気筒相互間のトルクの偏差は、少なくとも幾らかなり減少せしめられる。従って、単一の吸気制御弁を有するインマニレス吸気系に特有の課題である、内燃機関全体としての出力トルクの過不足又は気筒相互間の出力トルクのバラツキが抑制される。即ち、内燃機関を搭載する車両における動力性能及びドライバビリティ等の快適性能の低下が抑制されるのである。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記運転条件とは、燃料噴射量及び点火時期の少なくとも一方を含む。
この態様によれば、気筒相互間のトルクの偏差を減少させるための運転条件として、燃料噴射量及び点火時期の少なくとも一方が含まれる。燃料噴射量及び点火時期は、気筒において発生するトルクと相関が高い指標であり、また、ポート噴射型又は筒内噴射型等の各種形態を有し得る例えば電子制御式インジェクタ等の燃料噴射装置の動作制御、或いは火花点火装置等の点火装置を駆動する駆動パルスの制御等を介して比較的簡便に制御可能であるため、本発明に係るトルク偏差抑制に係る利益が効率的に享受される。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記伝達特性の偏差は、前記吸気に係る吸気量の偏差である。
この態様によれば、伝達特性の偏差として、上述した概念としての吸気量の偏差が参照される。吸気量の偏差は、トルクの偏差と一義的な関係を有する場合が多く、吸気量の偏差に基づいて補正量が決定される場合には、トルク偏差を減少させる旨の効果をより顕著に得ることが可能となる。
吸気量の偏差に基づいて補正量が決定される内燃機関の制御装置の一の態様では、前記決定手段は、前記吸気量が最小となる気筒を除く他の気筒において発生するトルクが、前記吸気量が最小となる気筒において発生するトルクに一致するように、前記補正量を決定する。
この態様によれば、気筒相互間でトルクが一致するように補正量が決定されることにより、気筒相互間のトルク偏差が理想的にはゼロとなる。また、少なくとも実質的又は現実的にみて、トルク偏差は可及的に減少せしめられる。従って、内燃機関のトルクの過不足或いはバラツキが効率的且つ効果的に低減され、実践上有益である。
ここで、例えば、気筒相互間で、空燃比が少なくとも実質的に等しい場合には、吸気量の偏差は、他の物理的、機械的、電気的又は化学的な要因(そのような要因があるとして)の影響を別とすれば、トルクの偏差に直結し得る。従って、吸気量が最小となる気筒における発生トルクは、好適な一形態としては、複数の気筒において出力され得るトルクの最小値となる。この態様によれば、吸気量が最小となる気筒を除く他の気筒のトルクが、この最小値に相当するトルクとなるように、各気筒における補正量が決定される(即ち、この場合、好適な一形態としては、吸気量が最小となる気筒における補正量はゼロであってよい)。このため、この態様によれば、気筒相互間でトルクの平滑化を図ることが正確且つ容易にして可能となる。
尚、吸気量が最小となる気筒において発生可能なトルクを目標値とする場合、内燃機関全体としてのトルクは、運転者のアクセル操作等により規定される要求負荷に応じた目標トルクに対し低下し易い。従って、この場合、例えば、空燃比をより出力上昇側(好適には、リッチ側)に推移させ、内燃機関全体としての出力トルクを目標トルクに可及的に維持してもよい。
吸気量の偏差に基づいて補正量が決定される本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記決定手段は、前記複数の気筒全体における空燃比が目標空燃比に収束するように、前記吸気量が相対的に少ない気筒については前記空燃比が相対的にリッチとなるように、且つ前記吸気量が相対的に多い気筒については前記空燃比が相対的にリーンとなるように、前記補正量を決定する。
この態様によれば、複数の気筒全体の空燃比が、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいてエミッション等の環境性能、燃費等の経済性能、及び動力性能等を可及的に且つ総合的に最適化し得るよう定められ得る目標空燃比に維持される。このため、動力性能及び快適性能の低下を抑制しつつ、エミッションを抑制し得る旨の実践上の高い利益が提供される。
この際、吸気量が相対的に少ない気筒では空燃比が相対的にリッチとされ、吸気量が相対的に多い気筒では空燃比が相対的にリーンとされる。このため、気筒全体の空燃比を目標空燃比に維持しつつ、エミッションの悪化を効率良く抑制することが可能となる。
吸気量の偏差に基づいて補正量が決定される本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記内燃機関は、排気を浄化するための触媒装置を備え、前記内燃機関の制御装置は、前記触媒装置を暖機すべきか否かを判別する判別手段を更に具備し、前記決定手段は、前記触媒装置を暖機すべき旨が判別された場合に、前記吸気量が相対的に少ない気筒については前記空燃比が相対的にリッチとなるように、且つ前記吸気量が相対的に多い気筒については前記空燃比が相対的にリーンとなるように、前記補正量を決定する。
この態様によれば、内燃機関には、例えば三元触媒、酸化触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate Nox Reduction system)又はNSR触媒等、内燃機関の構成、仕様及び仕向けに応じて適宜の形態を採り得る排気浄化用の触媒装置が備わる。これら触媒装置は、基本的に未暖機(暖機の有無を規定する指標値は各種態様を採ってよく、また判断基準も各種態様を採ってよい)状態(或いは、非活性状態)においては予め期待される効果が得られ難い。ここで、この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る判別手段により、触媒装置を暖機すべきか否かが判別される。暖機すべきか否かの判別は、例えば、内燃機関の冷却水温等、触媒装置の暖機状態を間接的に表し得る指標値に基づいてなされてもよいし、触媒床温等、触媒装置の暖気状態を直接的に表し得る指標値に基づいてなされてもよいし、或いはそのような各種温度指標とは別に、始動後の経過時間や車両の運転履歴(例えば、過去一定期間における負荷状態毎の走行比率等)等に基づいてなされてもよい。
触媒装置を暖機すべき旨の判別がなされた場合、上述したのと同様に、吸気量の相対的な大小に応じて、空燃比の相対的な大小が決定され、補正量の決定に供される。この際、触媒装置の暖機を他の制限に優先すべき旨の合理的な理由が存在する場合等には、相対的にリーン側の空燃比は、例えば上述した、気筒全体における空燃比を目標空燃比に維持するために設定される空燃比に対しよりリーン側に設定されてもよいし、相対的にリッチ側の空燃比は、例えば上述した、気筒全体における空燃比を目標空燃比に維持するために設定される空燃比に対しよりリッチ側に設定されてもよい。この際、エミッションの悪化が伴い得るが、触媒装置の暖機はエミッションを低減させる制御であり、この種の制御を実行するか否かは、上述した合理的な理由の一として、これら相互間の利益と不利益とのバランスに鑑みて個別具体的に判断されてもよい。但し、いずれにせよ、リッチ側及びリーン側への制御幅の拡大は、触媒装置の暖機を別として、少なくともそれ単体によるエミッションの悪化が、実践的にみて許容範囲に収まる程度の範囲でなされるのが望ましい。
この態様によれば、空燃比リッチ側の気筒から顕著に排出されるHCやCO等といった不完全燃焼或いは未燃焼状態で生じる物質と、空燃比リーン側の気筒から顕著に排出される酸素とが、例えば排気系において反応して燃焼する、所謂「後燃え」現象による排気温度の上昇により触媒装置の暖機が促進される。或いは、HCやCOが触媒装置に流入することによって、触媒装置の触媒反応が活性化して、触媒装置の暖機が促進される。即ち、動力性能及び快適性能を担保しつつ環境性能の向上を図ることが可能となる。
尚、この態様では、前記触媒装置を暖機すべき旨が判別された場合に、前記吸気の温度が上昇するように前記吸気制御弁の開閉時期を制御する制御手段を更に具備してもよい。
この場合、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る制御手段により、例えば然るべき駆動系の物理的、機械的、機構的又は電気的制御等を介して吸気制御弁の開閉時期が制御される。この際、吸気制御弁の開閉時期は、例えば慣性過給による吸気の昇温効果が各気筒について可及的に最大限得られるように決定されること等により、各気筒に流入する吸気の温度が上昇するように決定される。このため、空燃比がリッチ側で設定された気筒から相対的に多く排出される未燃燃料(例えば、HCやCO等)と、空燃比がリーン側に設定された気筒から相対的に多く排出される酸素とを、触媒装置により近い部位で反応させることによる所謂後燃え効果及び触媒装置における触媒反応の促進効果と併せ、より触媒暖機を促進することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100及びエンジン200を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納される制御プログラムに従って、後述する噴射量制御を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「決定手段」及び「変更手段」として機能する一体の電子制御ユニットであるが、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成は、これに限定されるものではなく、例えば複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、ガソリンを燃料とする、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ガソリンエンジンである。エンジン200の概略について説明すると、エンジン200は、シリンダブロック201に4本の気筒202が並列して配置された構成を有している。そして、各気筒内における圧縮行程において燃料を含む混合気が圧縮され、点火装置203の点火動作により着火した際に生じる力が、夫々不図示のピストン及びコネクティングロッドを介してクランクシャフト(不図示)の回転運動に変換される構成となっている。このクランクシャフトの回転は、エンジンシステム10を搭載する車両の駆動輪に伝達され、当該車両の走行が可能となる。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。尚、個々の気筒202の構成は相互に等しいため、ここでは一の気筒202についてのみ説明することとする。但し、各気筒を区別して表す場合には、これら4本の気筒の各々を適宜「第1気筒」、「第2気筒」、「第3気筒」及び「第4気筒」と表現することにする。
図1において、外界から導かれる空気たる吸入空気は、吸気管204を介して各気筒へ供給される。吸気管204には、サージタンク205が設置されており、その内部において吸気管204と連通している。サージタンク205は、吸入空気を安定して気筒202側に供給するための貯留手段であり、吸気管204内を流れる吸入空気は、サージタンク205に一時的に貯留され、その不規則な脈動等が抑制される構成となっている。
サージタンク205の下流側(即ちこの場合、気筒202側)において、吸気管204は吸気枝管206に連通している。吸気枝管206は、各気筒202の吸気ポート(不図示)の各々に連通しており、吸気管204を流れる吸入空気は、吸気枝管206を介して、各気筒に対応する不図示の吸気ポートに導かれる構成となっている。吸気ポートは、一の気筒202について二個ずつ備わっており、夫々が気筒202内部に連通可能に構成されている。吸気ポートと気筒202内部との連通状態は、各吸気ポートに設けられた吸気バルブ207により制御される。吸気バルブ207は、クランクシャフトに連動して回転する吸気カムシャフト208に固定された、吸気カムシャフト208の伸長方向と垂直な断面が楕円形状をなす吸気カム209のカムプロフィール(端的に言えば、形状)に応じてその開閉特性が規定されており、開弁時に吸気ポートと気筒202内部とを連通させることが可能に構成されている。このように、エンジン200では、吸気管204及び吸気枝管206が4本の気筒202に共有されており、本発明に係る「吸気通路」の一例をなしている。
吸気ポートには、不図示インジェクタの噴射弁が露出しており、吸気ポートに燃料たるガソリンを噴射可能に構成されている。このインジェクタの駆動系は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100により上位に制御される。即ち、インジェクタは、ECU100によりその動作が制御される構成となっている。インジェクタを介して噴射された燃料は、吸気ポートにおいて吸入空気とある程度混合され、上述した混合気として吸気行程に気筒202内部へ吸入される。即ち、この混合気は、本発明に係る「吸気」の一例である。尚、吸入された混合気は、吸気行程及びそれに引き続く圧縮行程において更に混合が促進され、圧縮TDC付近においてなされる点火装置203の点火制御(尚、ECU100により制御される)により点火及び着火する(即ち、爆発する)構成となっている。
本実施形態では、このようにインジェクタは所謂電子制御式のポートインジェクタであり、燃料は吸気ポートに噴射されるが、燃料の噴射形態は何ら限定されるものではなく、例えば、この種のポートインジェクタに代えて又は加えて、高温高圧の気筒202内部に直接燃料を噴射可能な、例えばコモンレールシステムやユニットインジェクタ等からなる筒内直噴システムが採用されてもよい。
燃焼した混合気或いは一部未燃の混合気は、吸気バルブ207の開閉に連動して開閉する排気バルブ210の開弁時に、不図示の排気ポートを介して排気として排気マニホールド213に導かれる構成となっている。排気バルブ210は、クランクシャフトに連動して回転する排気カムシャフト211に固定された、排気カムシャフト211の伸長方向と垂直な断面が楕円形状をなす排気カム212のカムプロフィール(端的に言えば、形状)に応じてその開閉特性が規定されており、開弁時に排気ポートと気筒202内部とを連通させることが可能に構成されている。排気マニホールド213に集約された排気は、排気マニホールド213に連通する排気管214に供給される。
排気管214には、タービンハウジング215に収容される形でタービン216が設置されている。タービン216は、排気管214に導かれた排気の圧力(即ち、排気圧)により所定の回転軸を中心として回転可能に構成された、セラミック製の回転翼車である。このタービン216の回転軸は、コンプレッサハウジング217に収容される形で吸気管204に設置されたコンプレッサ218と共有されており、タービン216が排気圧により回転すると、コンプレッサ218も当該回転軸を中心として回転する構成となっている。
コンプレッサ218は、エアクリーナ219を介して外界から吸気管204に吸入される吸入空気を、その回転に伴う圧力により上述したサージタンク205へ圧送供給することが可能に構成されており、このコンプレッサ218による吸入空気の圧送効果により、所謂過給が実現される構成となっている。即ち、エンジン200では、タービン216とコンプレッサ218とにより、一種のターボチャージャが構成されている。
エアクリーナ219とコンプレッサ218との間には、吸入空気の質量流量を検出可能なホットワイヤ式のエアフローメータ220が設置されている。エアフローメータ220は、ECU100と電気的に接続されており、検出された吸入空気量Gaは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。尚、本実施形態において、検出された吸入空気量Gaは、気筒202に吸入される吸気の量(即ち、吸気量)と一義的な関係を有しており、エンジン200の実負荷を規定する指標値として扱われる。
コンプレッサ218とサージタンク205との間には、インタークーラ221が設置され、過給された吸入空気を冷却することによって過給効率の向上が図られる構成となっている。また、インタークーラ221とサージタンク205との間には、サージタンク205へ供給される吸入空気の量を(即ち、一義的に吸気量を)調節可能なスロットルバルブ222が配設されている。このスロットルバルブ222は、ECU100と電気的に接続され且つECU100により上位に制御されるスロットルバルブモータ223から供給される駆動力により回転可能に構成された回転弁であり、スロットルバルブ222を境にした吸気管204の上流部分と下流部分とをほぼ遮断する全閉位置から、ほぼ全面的に連通させる全開位置まで、その回転位置が連続的に制御される構成となっている。このように、エンジン200では、スロットルバルブ222及びスロットルバルブモータ223により、一種の電子制御式スロットル装置が構成されている。
スロットルバルブ222の開度たるスロットル開度は、不図示のアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Accに応じて制御される。アクセル開度Accは、アクセル開度センサ11により検出され、アクセル開度センサ11と電気的に接続されたECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。総体的には、アクセル開度が小さい程スロットル開度は小さくなるように(即ち、吸入空気量が絞られるように)、アクセル開度が大きい程スロットル開度が大きくなるように(即ち、吸入空気量が絞られるように)、ECU100により、検出されたアクセル開度Accに応じてスロットルバルブモータ223が制御される。ここで特に、スロットル開度が、吸入空気量に影響を与える指標である(即ち、スロットル開度の大小は、吸入空気量の大小に夫々対応する)ことに鑑みれば、本実施形態において、内燃機関の負荷状態は結局アクセル開度Accにより規定される。
一方、サージタンク205と吸気バルブ207との間、より具体的には、吸気管204と各吸気ポートに連通する吸気枝管206との接続部位近傍には、単一のインパルス弁224が設けられている。インパルス弁224は、サージタンク205と吸気枝管206との連通を遮断する全閉状態と、サージタンク205と吸気枝管206とをほぼ全面的に連通させる全開状態との二値的な開閉状態を採るように構成された、本発明に係る「吸気制御弁」の一例たる電磁制御弁である。インパルス弁224を駆動する不図示の駆動系は、ECU100と電気的に接続されており、インパルス弁224の開閉状態は、ECU100により上位に制御される構成となっている。このように、スロットルバルブ222よりも下流側においてインパルス弁224を備えることにより、エンジン200では、各気筒202への吸入空気の供給の有無が、インパルス弁224の開閉状態に応じて制御される。
インパルス弁224は、このように二値的な開閉状態を採り得るため、例えば開閉動作を繰り返すことによって、サージタンク205から供給される吸入空気を脈動させつつ吸気枝管206に供給することが可能である。既に述べたように、吸入空気は吸気を構成する要素(本実施形態では、噴霧状態の燃料が混合される点を除けば、吸入空気と等しい)であり、吸入空気が脈動波として供給され得ることに鑑みれば、吸気もまた脈動波として気筒202内部へ吸入される。尚、吸気を脈動させるためのインパルス弁224の動作は、このような開閉動作の繰り返しに限定されず、インパルス弁224上下流の圧力が相違すれば、例えば一回の開閉動作によっても、吸気の脈動は好適に生成される。尚、インパルス弁224は、吸気管204においてインパルス弁224が設置されるサージタンク205下流側の部位、及び吸気枝管206と共に、本発明に係る「インマニレス吸気系」の一例を構成している。
排気管214には、三元触媒225が設置されている。三元触媒は、排気中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)を同時に或いは連続的に浄化することが可能に構成された、本発明に係る「触媒装置」の一例たる触媒コンバータである。
排気管214における、三元触媒225の上流側には、空燃比センサ226が設置されている。空燃比センサ226は、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成されたセンサである。空燃比センサ226は、ECU100と電気的に接続されており、検出された排気空燃比は、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
気筒202を収容するシリンダブロック201には、水温センサ227が配設されている。シリンダブロック201内部には、気筒202を冷却するための冷却水流路たるウォータジャケットが張り巡らされており、当該ウォータジャケット内部において、冷却水としてのLLCが不図示の循環系の作用により循環供給されている。水温センサ227は、このウォータジャケット内部に検出端子の一部が露出しており、冷却水の温度を検出することが可能に構成されている。水温センサ227は、ECU100と電気的に接続されており、検出された冷却水温は、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
<実施形態の動作>
エンジンシステム10において、エンジン200の動作期間中は、ECU100により、絶えず噴射量制御が実行されている。噴射量制御は、各気筒202へ燃料を供給するインジェクタにおける燃料噴射量を設定する制御であり、設定された噴射量に相当する燃料は、所定の噴射タイミングにおいて、ECU100の制御によりインジェクタから各気筒202の吸気ポートへ噴射される。ここで、図2を参照し、本実施形態の動作として、噴射量制御の詳細について説明する。ここに、図2は、噴射量制御のフローチャートである。
図2において、ECU100は、エンジン200の運転条件を取得する(ステップS101)。本実施形態では、係る運転条件として、機関回転速度NE及目標トルクToが取得される。この際、機関回転速度NEは、クランクシャフトの回転位置を検出するクランクポジションセンサ(図1においては不図示)の検出信号を時間処理することによって、ECU100自身が演算結果として把握している。一方、目標トルクToは、機関回転速度NEと目標負荷とに基づいて設定される。目標負荷は、アクセル開度センサ11により検出されるアクセル開度Accに基づいて、例えば予め設定された目標負荷マップ等から一の値が選択的に取得されること等によって決定される。目標トルクToの設定に際しては、予めROMに格納された目標トルクマップが参照される。目標トルクマップは、機関回転速度NEと目標負荷とに対応付ける形で目標トルクToを表してなるマップであり、ECU100は、目標トルクマップから一の目標トルクToを選択的に取得することにより、目標トルクToを取得する。
機関回転速度NE及び目標トルクToを取得すると、ECU100は、取得された機関回転速度NE及び目標トルクToに基づいて基本噴射量Qbを決定する(ステップS102)。基本噴射量Qbは、予めROMに格納された基本噴射量マップに基づいて決定される。基本噴射量マップは、機関回転速度NE及び目標トルクToに対応付ける形で一のインジェクタから噴射すべき噴射量の基本値を表してなるマップであり、ECU100は、当該基本噴射量マップから、取得された機関回転速度NE及び目標トルクToに対応する一の基本噴射量Qbを選択的に取得することにより、或いは、基本噴射量マップに該当する値が存在しない場合には、隣接する領域に設定された複数の基本噴射量の値を補間することにより、基本噴射量Qbを決定する。
基本噴射量Qbが決定されると、ECU100は、気筒202を特定するためのカウンタiを初期化し、「1」に設定する(ステップS103)。続いて、ECU100は、第i気筒(即ち、カウンタi=1であれば第1気筒)の噴射量算出タイミングであるか否かを判別する(ステップS104)。噴射量の算出タイミングは、無論実際に当該噴射量に相当する燃料が噴射される吸気行程の開始タイミング以前に設定されており、本実施形態では、ここで噴射量が設定された燃料が噴射される吸気行程の開始タイミングに対し、例えば720°CA(クランク角)前のタイミングに設定されている。但し、噴射量算出タイミングは、この値に限定されない。
第i気筒の噴射量算出タイミングでない場合(ステップS104:NO)、ECU100は、カウンタiを「1」インクリメントし(ステップS111)、更にインクリメントしたカウンタiが気筒数、即ち、本実施形態では「4」であるか否かを判別する(ステップS112)。カウンタiが気筒数と異なる場合(ステップS112:NO)、処理はステップS104に戻され、一連の処理が繰り返される。一方、カウンタiが気筒数に等しい場合(ステップS112:YES)、ECU100は、処理をステップS101に戻し、一連の処理を繰り返す。
ステップS104に係る処理において、第i気筒の噴射量算出タイミングである場合(ステップS104:YES)、ECU100は更に、エンジン200の運転条件が、インパルスチャージ領域に該当するか否かを判別する(ステップS105)。尚、本実施形態では、ステップS104に係る運転条件として、機関回転速度NEが参照される。
ここで特に、インパルスチャージとは、インパルス弁224の開閉により生じる吸気の脈動を利用した慣性過給を指す。より具体的には、インパルス弁224を吸気バルブ207の開弁期間において開弁すると、サージタンク205と該当する気筒202内部とが連通し、インパルス弁224を介して一気に吸入空気(より厳密には、噴射燃料が混合された吸気)が気筒202内部に流入する。この際、吸気は脈動波となっており、脈動の山に相当する吸気は、自然吸気がなされる場合と比較してより大きい慣性を有しているため、後続する吸気は、この慣性の大きな吸気に引きずられるように、気筒202内部に流入する。従って、インパルス弁224を吸気バルブ207の開弁時期において少なくとも開弁することによって、相対的に吸気量を増量することができ、エンジン200の出力を向上させることができる。
一方で、インパルス弁224の開閉に要する時間には、インパルス弁224が相対的に高い応答速度を有する電磁弁として構成されているとは言え、インパルス弁224の物理的、機械的、機構的又は電気的な構成上定まり得る最小値が存在し、吸気バルブ207の開弁期間がこの最小値に相当する駆動時間よりも短い場合には、連続的に開閉する吸気バルブ207の動作に追従することができなくなる。吸気バルブ207の開弁期間は、開弁時期と閉弁時期とが固定されていれば即ち機関回転速度NEに応じて一義的に定まり、また例えばVVT(Variable Valve Timing:可変動弁装置)等により開弁時期及び閉弁時期の少なくとも一方或いはバルブリフト量が可変であるにせよ、機関回転速度NEに応じて変化することに変わりは無い。ステップS105に係るインパルスチャージ領域とは、このようなインパルスチャージを少なくとも実践上破綻しない(好適には、全気筒に対し実行できる)程度の余裕をもって実行可能な機関回転速度NEの領域であり、ステップS105に係る処理では、機関回転速度NEの値が、当該領域の上限を規定する機関回転速度以下であるか否かに基づいて判別がなされる。
尚、ここでは、インパルスチャージが物理的、機械的、機構的又は電気的に制約されることなく実行可能である限りにおいて、インパルスチャージが実行されるものとしているが、インパルスチャージの実行条件は、より複雑に設定されていてもよい。例えば、定常走行時等の軽負荷領域では、必要とされる吸気量は少なく、実践上、吸入空気量は、スロットルバルブ222により相当量絞られた状態となる。このような吸気絞り領域においては、元よりインパルスチャージは必要とならないため、例えば上述した目標負荷等に基づいた負荷状態が、インパルスチャージの有用性を否定し得る程度に軽負荷である旨が判別される場合には、インパルスチャージは実行されずともよい。即ち、この場合、ステップS105に係る処理では、目標負荷や、目標負荷を規定するアクセル開度Acc等に基づいてインパルスチャージ領域であるか否かに係る判別がなされてもよい。
インパルスチャージ領域である場合(ステップS105:YES)、ECU100は、第i気筒の第1噴射補正量dQaiを決定する(ステップS106)。また、第1噴射補正量dQaiが決定されると、更に、第2噴射補正量dQapが決定される(ステップS107)。第1及び第2噴射補正量が決定されると、ECU100は、第i気筒の最終噴射補正量dQiを、下記(1)式に従って決定する(ステップS108)。
dQi=dQai+dQap・・・(1)
ここで、先ず、噴射量の補正の必要性についてのべると、エンジン200の吸気系は、所謂一弁式のインマニレス吸気系であり、図1をみれば明らかなように、サージタンク205から各気筒202の吸気バルブ207までの距離は、気筒配列上必然的に気筒毎に相違する構成となっている。例えば、図1において(尚、図1は模式的な構成を表す図であり、実際とは異なる)、左から順に第1、第2、第3及び第4気筒とすると、第1及び第4気筒におけるサージタンク205下流の吸気通路の長さと、第2及び第3気筒における当該吸気通路の長さは相違している。このように、一部の気筒相互間で吸気通路の長さが等しいにせよ、気筒各々相互間で吸気通路の長さが全て異なっているにせよ、インマニレス吸気系では、少なくとも一部の気筒相互間で吸気通路の長さが相違せざるを得ないため、インパルス弁224を開弁した場合に生じる吸気の脈動は、その伝播態様が、気筒毎に相違することになる。また、吸気枝管206の形状により、気筒の少なくとも一部において、吸気枝管206の物理形状等に起因して吸気枝管206の流路抵抗が相違する場合にも、同様のことが言える。
従って、気筒毎にインパルス弁224を有さない本実施形態では、吸気が脈動波として供給されるインパルスチャージ領域において、この吸気通路の長さや物理形状の差異に応じてインパルスチャージの効果が相違し、吸気量に偏差が生じる。吸気量に偏差が生じると、気筒内部での空気量に偏差が生じることとなり、気筒内部での混合気の燃焼特性(燃焼速度や着火性等)に有意な差が現れ易い。燃焼特性に差が生じると、例え等量の燃料を噴射したとしても、発生トルクの偏差が生じ易い。このため、エンジン200において何らの対策も講じられない場合、気筒相互間で発生トルクが相違して、エンジン200の出力フィールの低下、目標トルクに対するトルクの過不足、或いは噴射量が最適化されないことによる燃費の悪化及びエミッションの悪化等が生じて、動力性能、快適性能或いは経済性能又は環境性能の低下を招きかねない。そこで、ステップS106及びステップS107に係る処理において、気筒毎に噴射量の補正量が決定されるのである。尚、ステップS106乃至ステップS108に係る処理は、本発明に係る「決定手段」の動作の一例であり、噴射量は、本発明に係る「内燃機関の運転条件」の一例である。また、吸気量は、本発明に係る「吸気の伝達特性」の一例である。
一方、噴射量の補正量たる噴射補正量は、第1噴射補正量と第2噴射補正量とに分割して決定される。ここで、第1噴射補正量dQaiとは、上述した吸気量の気筒間偏差を直接反映した補正量であり、予めROMに格納されてなる第1噴射補正量マップに基づいて設定される。第1噴射補正量マップは、気筒毎に、予め実験的に適合された(必ずしも実験的でなくともよい)、機関回転速度NE及び目標トルクと吸気量の偏差を考慮した噴射補正量とを対応付けて設定してなるマップである。
また、第2噴射補正量dQapとは、吸気量の偏差に起因して二次的に生じる、吸気行程でのポンピング損失を反映した補正量であり、予めROMに格納されてなる第2噴射補正量マップに基づいて設定される。第2噴射補正量マップは、気筒毎に、予め実験的に適合された(必ずしも実験的でなくともよい)、機関回転速度NE及び目標トルクとポンピングロスを考慮した噴射補正量とを対応付けて設定してなるマップである。尚、ポンピングロスは、吸気行程で生じる。従って、第i気筒における噴射量の補正は、第i気筒が膨張行程にあるときに吸気行程を迎える気筒のポンピングロスを補正するべく行う必要がある。本実施形態では、第1気筒→第3気筒→第4気筒→第2気筒→第1気筒・・・の順番で繰り返し一の各行程が繰り返し実行されており、例えば第1気筒について行われるステップS107に係る処理では、二気筒後に吸気行程を迎える第4気筒において生じるポンピングロスを反映した第2噴射補正量dQapが決定される。第2噴射補正量マップは、予めこのように設定されている。
尚、補正量マップは、必ずしも気筒毎に用意されておらずともよく、例えば、事前に把握され得る気筒相互間の相対的な吸気の伝達特性の差異を規格化してなる指標値等に基づいて、気筒番号に応じた補正演算がなされてもよい。
第1及び第2噴射補正量を加算してなる第i気筒の最終噴射補正量dQiが決定されると、ECU100は、第i気筒についての最終噴射量Qiを下記(2)式に従って算出する(ステップS110)。
Qi=Qb+dQi・・・(2)
即ち、ステップS110に係る処理では、基本噴射量Qbに対し最終噴射補正量dQiが加算され、最終的な噴射量が決定される。
一方、ステップS105に係る処理において、インパルスチャージ領域でない旨の判別がなされた場合(ステップS105:NO)、ECU100は、第i気筒について、噴射量の補正は必要でない旨の判断を下し、第i気筒最終噴射補正量dQiをゼロに設定し(ステップS109)、処理をステップS110に移行させる。即ち、この場合、ステップS110に係る処理では、基本噴射量Qbが最終噴射量Qiとして設定される。
ステップS104からステップS112に至る処理過程は、上述したステップS111及びステップS112に係る処理により、カウンタiが「4」、即ち、気筒数に等しくなるまで継続され、全気筒について最終噴射量Qiが設定されると、処理はステップS101に戻される。噴射量制御は以上のように進行する。
ここで、第1及び第2噴射補正量について補足すると、第1及び第2噴射補正量は、共に、気筒202相互間の発生トルクの偏差が減少するように決定される。従って、この噴射量制御を経て実際に燃料の噴射がなされた結果、吸気枝管206の実質的な長さ(即ち、気筒毎の吸気の進行経路の長さ)や吸気枝管206の物理形状等が気筒相互間で相違することによる吸気量の偏差に起因する発生トルクの偏差は幾らかなり減少し、上述した動力性能、快適性能、経済性能及び環境性能等を含むエンジン200の総合的な性能を幾らかなり向上させることが可能となって、本実施形態による実践上の利益が担保される。尚、この場合の「減少するように」とは、必ずしも気相互間で発生トルクが均一化されることを意味しない。即ち、幾らかなり発生トルクの偏差を減少させ得る限りにおいて、補正量の決定態様は自由であってよい。
尚、本実施形態では、補正量を設定すべき本発明に係る「内燃機関の運転条件」の一例として、燃料の噴射量を例示したが、発生トルクの偏差を抑制し得る限りにおいて、補正量に限定されることはなく、例えば、点火装置203による点火時期であってもよい。点火時期は、総体的な傾向として遅角側(好適には、MBT(Minimum advance for Best Torque)或いはTDC(Top Death Center:上死点)に対して遅角側)程トルクが低下する。このような傾向を利用して点火時期の補正量が決定されてもよい。また、これらのうちいずれか一方に限定されず、噴射量と点火時期とによって協調的にトルク偏差の抑制が図られてもよい。また、エンジン200がガソリンエンジンであるかディーゼルエンジンであるかによっても、トルクの補正に供すべき運転条件及び補正量の決定態様は異なり得る。それらは、予め実験的に、経験的に、理論的に、又はシミュレーション等に基づいて、少なくとも幾らかなりトルクの偏差を減少せしめ得るように決定されていてもよい。
<第2実施形態>
次に、図3を参照し、本発明の第2実施形態に係る噴射量制御について説明する。ここに、図3は、本発明の第2実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、第2実施形態に係るエンジンシステムの構成は、第1実施形態に係るエンジンシステム10と同様であるとする。
図3において、ステップS105に係る判別処理により、インパルスチャージ領域ではない旨の判別がなされた場合(ステップS105:NO)、第i気筒における第1噴射補正量dQaiが決定され(ステップS201)、また第i気筒における第2噴射補正量dQapが決定される(ステップS202)。これらが決定されると、処理はステップS108に移行し、第i気筒の最終噴射補正量dQiが算出される。
ここで、ステップS201及びステップS202に係る処理は、ステップS106及びステップS107に係る処理と基本的には同一の処理であるが、各補正量の決定に際し参照するマップが夫々異なっている。即ち、ステップS106及びステップS107に係る処理が選択されるのはインパルスチャージ領域であり、ステップS201及びステップS202に係る処理が選択されるのは、非インパルスチャージ領域である。第1実施形態では、非インパルスチャージ領域では、気筒相互間の吸気量の偏差を無視したが、インパルスチャージの実行の有無に関係なく、サージタンク205下流側における吸気系(主として吸気枝管206)の物理形状の差異等により、基本的にエンジン200の動作領域の全域で気筒202相互間に吸気量の偏差は生じている。但し、インパルスチャージ領域と較べれば、吸気通路の長さ(物理形状)に対する吸気量の変化の度合いは小さくなっており、同一のマップでは効果的な対応が難しい。そこで、ステップS201及びステップS202に係る処理では、非インパルスチャージ領域専用の補正量マップ(気筒毎に、機関回転速度NE及び目標トルクToと各補正量とを対応付けてなるマップ)が参照されるのである。無論当該マップも、インパルスチャージ領域に対応する補正量マップ(即ち、第1実施形態において参照されたマップ)と同様に、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、吸気量の偏差に応じた噴射量の補正を、少なくとも実践上の不都合を生じさせない程度の精度で行い得るように設定されている。
このように、第2実施形態によれば、インパルスチャージ領域に加え、非インパルスチャージ領域についても、気筒相互間の吸気量の偏差に基づいた噴射量の補正が行われる。従って、エンジン200の、より広範な運転領域において、エンジン200のトルク偏差を減少させることが可能となる。
<第3実施形態>
次に、図4を参照し、本発明の第3実施形態に係る噴射量制御について説明する。ここに、図4は、本発明の第3実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、第3実施形態に係るエンジンシステムの構成は、第1実施形態に係るエンジンシステム10と同様であるとする。
図4において、ECU100は始めに、エンジン200の運転条件を取得する(ステップS301)。ここで、ステップS301において取得される運転条件とは、機関回転速度NE、目標負荷Lo及びインパルス弁224の開閉時期である。目標負荷Loは、既に第1実施形態において、「目標負荷」として述べたものと同等であり、即ち、アクセル開度センサ11により検出されるアクセル開度Accに基づいて、例えば予め設定された目標負荷マップ等から一の値が選択的に取得されること等によって取得される。インパルス弁224の開閉時期は、ECU100自身が制御値として保持している。
運転条件が取得されると、最小吸気量気筒jが特定される(ステップS302)。ここで、最小吸気量気筒jとは、4本の気筒202のうち、吸気量が最小となる気筒であり、機関回転速度NEと目標負荷Loとが決まれば一義的に(場合によっては、そのような条件とは無関係に気筒配列上)一の気筒に決定される。この際、最小吸気量気筒jは、機関回転速度NE、目標負荷Lo及びインパルス弁224の開閉時期に対応付けられる形でマップ化されており、ECU100は、ステップS302に係る処理において、取得された機関回転速度NE及び目標負荷Loに対応する最小吸気量気筒jの情報を当該マップから選択的に取得することにより、最小吸気量気筒jを特定する。
最小吸気量気筒jが特定されると、ECU100は、目標トルクToを決定する(ステップS303)。ここで、目標トルクToは、最小吸気量気筒たる第j気筒において発生可能な最大のトルクであり、予めその値は、機関回転速度NE及び目標負荷Loに対応付けられる形でマップ化されている。ECU100は、機関回転速度NE及び目標負荷Loに基づいて当該マップから一の値を選択的に取得することによって、目標トルクToを決定する。即ち、本実施形態では、目標トルクToは各気筒について等しく、最小吸気量気筒(第j気筒)において発生可能な最大トルクに均一化される。
一方、目標トルクToが決定されると、第2実施形態と基本的に同様に、インパルスチャージ領域か否かに応じて第i気筒の最終噴射量Qiが異なるステップで決定される。即ち、インパルスチャージ領域であればステップS304に係る処理において、非インパルス領域であればステップS305に係る処理において、夫々異なるマップが参照され、第i気筒の最終噴射量Qiが決定される。
尚、ステップS304及びステップS305のいずれの処理においても、参照されるマップは、機関回転速度NE及び目標トルクToに対し、最終噴射量Qiを直接対応付けてなるマップである。この際、噴射量の補正量ではなく噴射量そのものがマップから取得されているが、取得される噴射量は、結局ベースとなる噴射量に対し補正量を反映させた値であって、結局、最終噴射量Qiの選択行為は、必然的に一の補正量の選択行為と等価である。従って、このように最終噴射量Qiそのものをマップから取得する態様もまた、本発明に係る「決定手段」の態様の範疇である。
このように、本実施形態では、各気筒202の目標トルクToが、吸気量最小気筒jにおいて発生可能な最大トルクに設定される。従って、気筒相互間のトルク偏差は均一化され、理論的に、実質的に又は現実的にゼロとなる。即ち、本実施形態によれば、エンジン200の出力フィールが極めて滑らかとなり、快適性が顕著に向上する。また、発生トルクが均一化されることに鑑みれば、少なくとも体感上の動力性能が向上し得る。
<第4実施形態>
次に、図5を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。ここに、図5は、本発明の第4実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、第4実施形態に係るエンジンシステムの構成は、第1実施形態に係るエンジンシステム10と同様であるとする。
図5において、ECU100は、エンジン200の総吸気量Kaを取得する(ステップS401)。総吸気量Kaとは、4本の気筒202に吸入される吸気の総量であり、エアフローメータ220により検出される吸入空気量Ga、機関回転速度NE、コンプレッサ218による過給圧、及び吸気バルブ207の開弁期間等に基づいて算出される。但し、他の態様により取得されても構わない。
総吸気量Kaが算出されると、目標空燃比Roが設定される(ステップS402)。目標空燃比Roは、予めROMに格納されている、機関回転速度NE及び目標トルクToと目標空燃比Roとを対応付けてなる目標空燃比マップから、機関回転速度NE及び目標トルクToに対応する一の値が選択的に取得されることにより設定される。目標空燃比Roは、例えばストイキ空燃比である。
目標空燃比Roが設定されると、基本噴射量Qbが決定される(ステップS403)。ここで、本実施形態において、基本噴射量Qbは、下記(3)式に従って算出される。
Qb=Ka/Ro・・・(3)
即ち、エンジン200全体で排気空燃比を目標空燃比Roに維持するための噴射量が基本噴射量Qbとされる。尚、この段階では、基本噴射量Qbは、全気筒分の噴射量、即ち、各気筒の噴射量の総和である。
一方、機関回転速度NEがインパルスチャージ領域に該当する場合(ステップS105:YES)、ステップS404及びステップS405において、夫々第i気筒におけるインパルスチャージ領域用の第1及び第2噴射補正量が決定される。同様に、インパルスチャージ領域に該当しない場合(ステップS105:NO)、ステップS406及びステップS407において、夫々第i気筒における非インパルスチャージ領域用の第1及び第2噴射補正量が決定される。
ここで、インパルスチャージ領域及び非インパルスチャージ領域のいずれにおいても、気筒毎に、機関回転速度NE及び基本噴射量Qbに補正量を対応付けてなる補正量マップが参照される。即ち、ステップS404乃至ステップS407に係る処理は、既に述べた各実施形態とECU100の動作的にみれば同様であり、参照されるマップが異なるのみである。
このマップ(インパルスチャージ領域用、非インパルスチャージ領域用共に)について補足すると、気筒番号iがパラメータとして採用されており、気筒毎の吸気量の偏差がマップに反映される形となっている。より具体的には、これらマップから取得される各補正量は、総吸気量Kaを気筒数で平均した平均吸気量よりも吸気量の多い気筒については排気空燃比が目標空燃比Roに対しリーンとなるように、且つ平均吸気量よりも吸気量の少ない気筒については排気空燃比が目標空燃比Roに対しリッチとなるように、夫々基本噴射量Qbを補正するための補正量となっている。
従って、ステップS110において気筒毎に決定される最終噴射量Qiは、全気筒について総和を採れば即ち基本噴射量Qiであり、エンジン200全体としては排気空燃比が目標空燃比Roに維持されつつ、各気筒を個別にみれば、吸気量の多寡に応じて排気空燃比が相違することとなる。ここで特に、各気筒を個別にみれば、吸気量が多い気筒はリーン側の空燃比に、吸気量が少ない気筒はリッチ側の空燃比に夫々制御されており、動力性能を担保しつつ排気エミッションを可及的に抑制し得るようになっている。
尚、エンジン200において、過度に排気エミッションを悪化させる空燃比領域が存在する場合には、無論、このような空燃比領域を避けてリーン側及びリッチ側の空燃比が設定される。言い換えれば、実践上何らかの不具合を顕在化させぬ限りにおいて、また、各気筒について発生トルクの気筒間偏差が減少し得る(好適には、気筒間で発生トルクが略均一化され得る)限りにおいて、リーン側及びリッチ側の空燃比はある程度自由に決定されてよい。これらの要件を全て満たし得るマップとして上述した補正量マップが構築されていてもよいが、例えば発生トルクを気筒間で略均一に維持するための噴射量の補正は、主として空燃比を考慮したマップから選択された値に対し、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて気筒202毎の発生トルクを少なくとも実践上不足の生じない精度で導出し得るよう定められてなる数値演算式、論理演算式又はアルゴリズム等に基づいた補正演算を行うことにより行われてもよい。
いずれにせよ、本実施形態では、気筒相互間の吸気量の偏差に応じて各気筒の排気空燃比を目標空燃比Roに対しリッチ側及びリーン側に推移させつつ、エンジン全体の排気空燃比を目標空燃比Roに維持することができる。従って、インマニレス吸気系における動力性能や快適性能の低下を抑制しつつ、更にエミッションを抑制することが可能となるといった、実践上の高い利益が提供される。
尚、気筒間で排気空燃比がリッチ側及びリーン側に適宜制御されることに鑑みれば、例えば、三元触媒225の暖機に当該制御を利用することも可能である。即ち、空燃比リッチ側の気筒では、未燃状態又は不完全燃焼状態の燃料が相対的に増え、一方で空燃比リーン側の気筒では、燃焼に供されなかった酸素が相対的に増える。これらは、各気筒202から排出された後に、排気マニホールド213や排気管214で燃焼反応を起こし、所謂後燃えを促進し得ると共に、この種の後燃えが生じないとした所で、三元触媒225における触媒反応の活性化を促進する。従って、いずれにせよ、本実施形態に係る制御がなされることにより、三元触媒225の暖機は促進され、エンジン全体としてみた場合に、エミッションの一層の低減が可能となる。
この際、例えば水温センサ227により検出される冷却水温等に基づいて、或いはエンジン200の始動後経過時間等に基づいて、触媒暖機の必要性の有無を判別し(より具体的には、例えば、冷却水温が所定値以下である、或いは始動後経過時間が所定値以下である場合等に触媒暖機が必要である旨の判別を行ってもよい)、図5に例示する噴射量制御を積極的に実行してもよい。
<第5実施形態>
上述した触媒暖機は、より積極的な形で行われてもよい。ここで、図6を参照し、このような趣旨に基づいた本発明の第5実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第5実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、第5実施形態に係るエンジンシステムの構成は、第1実施形態に係るエンジンシステム10と同様であるとする。
図6において、ECU100は、触媒暖機インパルスチャージ条件が満たされるか否かを判別する(ステップS501)。触媒暖機インパルスチャージ条件とは、上述したように三元触媒225が未暖機である旨の判断を下し得る条件(例えば、冷却水温や始動後経過時間等により規定される条件)、或いは三元触媒225の早期暖機を促進すべき旨を表すより限定的な条件(例えば、外気温が所定値未満である等)等を指す。尚、ステップS501において、ECU100は、本発明に係る「判別手段」の一例として機能する。
触媒暖機インパルスチャージ条件が満たされない場合(ステップS501:NO)、ECU100は、その他の噴射量制御を実行する(ステップS503)。他の噴射量制御とは、例えば、上述した各種実施形態に準拠した噴射量制御を指す。
触媒暖機インパルスチャージ条件が満たされる場合(ステップS501:YES)、ECU100は、触媒暖機用インパルス弁制御を起動する(ステップS502)。即ち、ECU100内の、インパルス弁224の駆動制御プログラムに、触媒暖機用のインパルス弁224の駆動制御を指示する。尚、ステップS502に係る処理は、ECU100の内部処理として行われる。
ここで、触媒暖機用のインパルス弁224の駆動制御とは、吸気の脈動により吸気枝管206における、或いは吸気行程(即ち、圧縮行程以前)における吸気の昇温を促進させる制御であり、即ち通常のインパルス弁224の駆動制御と較べて、インパルス弁224の駆動頻度(開閉の頻度)を増加させる旨の制御を指す。また、気筒202毎に吸気の脈動波の伝播態様は異なるため、触媒暖機用のインパルス弁224の駆動制御においては、気筒毎に、上述した各種昇温の効果を可及的に高効率に引き出し得るように、気筒毎に最適化されたインパルス弁224の駆動制御が行われる。
一方、このように積極的にインパルス弁224の駆動を行うと、車両全体としての要求負荷以上に吸気量が増える可能性がある。従って、一部の気筒202では、吸気量の抑制を図る必要性が生じ得る。このような事情により吸気量の抑制を行うべき気筒についても、同様に吸気の昇温効果を得るために、吸気量を抑制すべき気筒202については、インパルス弁224の閉弁時期は通常の閉弁時期よりも早められ(即ち、進角され)、吸気量の維持が図られる。触媒暖機用のインパルス弁224の駆動制御がこのようになされることにより、三元触媒225に高温の排気が流入することとなり、その暖機が促進される。
一方、本実施形態では、インパルスチャージ領域における制御であるから、第i気筒の噴射量算出タイミングである旨が判別された場合(ステップS104:YES)、インパルスチャージ領域であるか否かの判別処理過程を経ることなく、ステップS504及びステップS505において、触媒暖機インパルスチャージ用の補正量マップが参照され、第1及び第2噴射補正量が決定される。
ここで特に、図面の煩雑化を防ぐ目的からフロー上は省略されているが、ステップS504及びステップS505に係る処理において決定される噴射補正量は、第4実施形態と同様に、吸気量の多寡に応じて空燃比をリーン側(吸気量が多い場合)又はリッチ側(吸気量が少ない場合)に維持するための補正量である。このため、ステップS110に係る処理で決定される最終噴射量Qiに相当する燃料が各気筒の噴射タイミングで噴射されることにより、第4実施形態で述べたように、排気マニホールド213又は排気管214における排気の後燃え、或いは三元触媒225での触媒反応の活性化が促進され、触媒暖機インパルスチャージによる暖機促進効果と併せ、三元触媒225の暖機が好適に促進される。即ち、本実施形態に係る噴射量制御によれば、三元触媒225の早期活性を図り、インマニレス吸気系における動力性能及び快適性能の低下を抑制しつつエンジン200のエミッションを抑制することによる環境性能の向上を図ることが可能となる。
尚、三元触媒225の暖機を図る場合、リーン側及びリッチ側に設定される空燃比は、よりその設定幅が拡大されてもよい。当該設定幅が拡大されることにより、より触媒暖機を促進することが可能である。尚、この際、エミッションが相対的に悪化する可能性があるため、このような設定幅の拡大の実行の有無は、エミッションの悪化の度合いと、触媒暖機の効果の度合い及びその必要性の大小とに基づいて個別具体的に決定されてもよい。
尚、第1乃至第5実施形態では、各補正量の決定に際し、インパルス弁224によるインパルスチャージの有無に応じた(また、空燃比や最小吸気量に応じた)補正量マップが適宜参照されるが、補正量の決定は、このように事前に適合されたマップから補正量を選択的に取得するのみに限定されず、その都度個別具体的に、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて補正量を少なくとも実践上不足の生じない程度の精度で導出し得るよう設定されてなる数値演算式若しくは論理演算式又はアルゴリズム等に従って導出されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のエンジンシステムにおいて実行される噴射量制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る噴射量制御のフローチャートである。
符号の説明
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、202…気筒、204…吸気管、205…サージタンク、206…吸気枝管、207…吸気バルブ、222…スロットルバルブ、224…インパルス弁、225…三元触媒。

Claims (7)

  1. 複数の気筒と、前記相互間で共有される前記吸気の通路、及び該通路に設けられ、開閉状態に応じて前記吸気の脈動を生成可能であると共に、前記吸気の脈動を利用した慣性過給が可能である吸気制御弁を備え、前記複数の気筒の各々に吸気を供給するインマニレス吸気系とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記複数の気筒相互間における前記インマニレス吸気系を介した前記吸気の伝達特性の偏差に基づいて、前記複数の気筒の各々について、前記慣性過給が行われる期間における前記相互間のトルクの偏差が減少するように前記トルクを規定する前記内燃機関の運転条件の補正量を決定する決定手段と、
    前記各々について前記決定された補正量に応じて、前記慣性過給が行われる期間における前記運転条件を変更する変更手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記運転条件とは、燃料噴射量及び点火時期の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記伝達特性の偏差は、前記吸気に係る吸気量の偏差である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記決定手段は、前記吸気量が最小となる気筒を除く他の気筒において発生するトルクが、前記吸気量が最小となる気筒において発生するトルクに一致するように、前記補正量を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記決定手段は、前記複数の気筒全体における空燃比が目標空燃比に収束するように、前記吸気量が相対的に少ない気筒については前記空燃比が相対的にリッチとなるように、且つ前記吸気量が相対的に多い気筒については前記空燃比が相対的にリーンとなるように、前記補正量を決定する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関は、排気を浄化するための触媒装置を備え、
    前記内燃機関の制御装置は、前記触媒装置を暖機すべきか否かを判別する判別手段を更に具備し、
    前記決定手段は、前記触媒装置を暖機すべき旨が判別された場合に、前記吸気量が相対的に少ない気筒については前記空燃比が相対的にリッチとなるように、且つ前記吸気量が相対的に多い気筒については前記空燃比が相対的にリーンとなるように、前記補正量を決定する
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記触媒装置を暖機すべき旨が判別された場合に、前記吸気の温度が上昇するように前記吸気制御弁の開閉時期を制御する制御手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
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