JP4928477B2 - 超電導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴イメージング装置、並びに核磁気共鳴装置 - Google Patents

超電導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴イメージング装置、並びに核磁気共鳴装置 Download PDF

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Description

本発明は、超電導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴イメージング装置、並びに核磁気共鳴装置に関するものである。
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置と称す)は、生体の大部分を構成する水素原子核の核磁気共鳴(NMR)現象が組織によって異なることを利用して、生体組織を画像化するものであり、共鳴の強さや、共鳴の時間的変化の速さが画像のコントラストとして現われるようになっている。MRI装置では、高画質の画像を得るために、撮像領域に高強度で高い静磁場均一度を有する磁場を生成する必要がある。そして、この高強度の静磁場を発生させるために、超電導磁石装置が用いられている。
一般的に、超電導磁石装置は、主に磁場空間に磁場を生成する超電導主コイルと、超電導主コイルが発生する磁場が装置外へ漏洩することを抑制するシールドコイルから成り、通常運転時の漏洩磁場は、許容範囲内に抑えることが可能な構成となっている。ここで、漏洩磁場は、通常運転時以外、例えば、ヒータを用いてマグネットを強制的に急速消磁させる場合においても、同様に抑制する必要がある。
ところで、超電導磁石装置は、外部からの熱侵入を遮断する輻射シールドのように、低抵抗とされた部材を有しているため、急速消磁させる場合には、誘導電流が輻射シールドに流れて、輻射シールドが作る漏洩磁場が制御できないことがある。
このような問題を解決する方法の一例として、超電導主コイルと超電導シールドコイルの外周側に、急速消磁時の漏洩磁場を抑制するように構成した良導体リングを設置した技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開平4−233707号公報
ところで、MRI装置では、超電導主コイルの径方向内周側の空間を広く利用することが望まれており、超電導主コイルの径方向内周側において、追加の良導体リングを配置することは難しくなっている。そのため、超電導主コイル付近に設置する良導体リングは、超電導主コイルの径方向外周側に配置することが一般的であり、磁気的なバランスを取るためには、超電導シールドコイル付近に設置する良導体リングも、超電導シールドコイルの径方向外周側に設置される傾向にある。
しかしながら、超電導シールドコイルの径方向外周側に良導体リングを設置すると、これを支えるための支持構造部材を設ける必要が生じてくる。そこで、良導体リングに対して支持機能を併せ持たせるように構成することが考えられるが、そのように構成すると、例えば、アルミニウム合金等からなる良導体リングでは、ステンレス鋼のような構造材に比べて強度が低いために、径方向の板厚を分厚く形成する必要が生じ、結果的に、MRI装置が大型化するという問題を生じる。
一方で、MRI装置は、高磁場化のニーズが高まるにつれ、0.5T程度の中磁場装置から1.5T〜3T程度の高磁場装置へ取って代わるケースが増えており、装置寸法および漏洩磁場の拡大を抑えることに期待が寄せられている。
このような観点から、本発明は、急速消磁時においても漏洩磁場および超電導主コイルや超電導シールドコイルに発生する電圧を許容範囲内に抑え、かつ小型化に寄与する超電導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴イメージング装置、並びに核磁気共鳴装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するための手段として本発明は、超電導主コイルと、超電導シールドコイルとを備え、前記超電導主コイルの径方向外側、または一対の前記超電導主コイル同士の間にあって、磁場空間を通る中心軸方向から見て前記超電導主コイルに少なくとも一部が重なる状態に配置され、前記超電導主コイルの急速消磁時に誘導電流が流れて漏洩磁場を抑制する第1の良導体と、前記超電導シールドコイルの径方向内側に配置され、前記超電導シールドコイルの急速消磁時に誘導電流が流れて漏洩磁場を抑制する第2の良導体と、を含んで構成した。これにより、急速消磁時には第1,第2の良導体に誘導電流が流れ、超電導主コイルおよび超電導シールドコイルの発生電圧を抑制することができる。また、超電導シールドコイルの外周側に良導体を配置する場合に比べて、支持強度を確保することができ、装置の外径寸法を抑えることができる。
本発明によれば、急速消磁時においても漏洩磁場および超電導主コイルや超電導シールドコイルに発生する電圧を許容範囲内に抑え、かつ小型化に寄与する超電導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴イメージング装置、並びに核磁気共鳴装置が得られる。
以下、本発明の実施形態に係る超電導磁石装置が適用されるMRI装置について図面を参照して詳細に説明する。以下では、水平磁場方式のMRI装置について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の垂直磁場方式等にも適用することができる。
(第1実施形態)
このMRI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体(不図示、以下同じ)の断層画像を得るものであり、図1に示すように、被検体にNMR現象を誘起してNMR信号を受信するための各種装置を収容するガントリ1、被検体を載置するベッド2、このベッド2に載置された被検体を磁場空間(図2参照)内の撮像領域Fへ搬送する搬送手段2aと、ガントリ1内の各種装置を制御する電源や各種制御装置を収納した制御装置3、検出された核磁気共鳴信号を処理するコンピュータ等の処理装置4、および処理された核磁気共鳴信号に基づき断層画像を表示する表示装置5等を含み、それぞれ電源・信号線6で接続される。ガントリ1、ベッド2および搬送手段2aは、高周波電磁波と静磁場を遮蔽する図示しないシールドルーム内に配置され、制御装置3、処理装置4および表示装置5は、シールドルーム外に配置される。
ガントリ1内には、図2、図3に示すように、超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20、および本発明の特徴的構成である、環状に一体的に形成された第1,第2の良導体11,21を、冷媒30とともに収容する冷却容器40と、この冷却容器40を覆うように形成された輻射シールド50と、冷却容器40および輻射シールド50を囲繞し、内部を真空にした真空容器60等とからなる超電導磁石装置が設けられている。
冷却容器40に収容される冷媒30としては、例えば液体ヘリウムなどの液化した冷媒30が用いられており、この冷媒30と輻射シールド50とを冷却するための図示しない冷凍機が真空容器60に設置されている。冷却容器40内は、このような冷媒30によって、例えば、4.2K程度に保たれている。
静磁場の発生源となる超電導主コイル10A,10Bおよび超電導シールドコイル20は、磁場空間を通る中心軸Zの周りにそれぞれ環状に形成され、撮像領域Fを挟んで中心軸Z方向に相対向してそれぞれ一対配置されている。
超電導主コイル10A,10Bには、一定の電流が流れており、超電導シールドコイル20には、超電導主コイル10A,10Bとは逆方向の一定電流が流れている。これらの超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20は、電磁力、漏洩磁場、最大経験磁場、磁場均一度、および磁場強度を許容範囲内に抑えるように、位置、形状、および設置個数の変更が可能である。
本実施形態では、一方の超電導主コイル10Aの径方向(中心軸Zに鉛直に交差する方向)外側に、超電導シールドコイル20が間隔を隔てて対向配置されている。これにより、後記するように、超電導主コイル10Aおよび超電導シールドコイル20に沿わせて設けた第1,第2の良導体11,21も、超電導主コイル10Aと超電導シールドコイル20との間において、径方向に間隔を隔てて対向配置されている。
超電導主コイル10A,10Bおよび超電導シールドコイル20は、それぞれ円筒状に形成された巻き枠41,42によって支持されている。巻き枠41の外周部には、周状の支持溝41a,41bが形成されており、これらの支持溝41a,41b内に超電導主コイル10A,10Bがそれぞれ配置されるようになっている。また、巻き枠42の外周部には、周状の支持溝42aが形成されており、この支持溝42a内に第2の良導体21および超電導シールドコイル20が配置されるようになっている。
第1の良導体11は、超電導主コイル10Aの径方向外側に配置されており、超電導主コイル10Aにおける急速消磁時の漏洩磁場を抑制する役割を成す。本実施形態では、第1の良導体11が、図示しない絶縁部材を介して超電導主コイル10Aの外周面に焼き嵌めされている。つまり、超電導主コイル10Aは、巻き枠41の支持溝41a内に収容された状態で、その外周側から焼き嵌めされる第1の良導体11によって、巻き枠41の支持溝41a内に押え付けられるようにして強固に保持されるようになっている。このように超電導主コイル10Aの径方向外側に固定される第1の良導体11は、超電導主コイル10Aにおける急速消磁時の漏洩磁場を抑制するとともに、超電導主コイル10Aを巻き枠41に強固に固定するための固定機能を併せ備えたものとなっている。
第2の良導体21は、超電導シールドコイル20の径方向内側に配置されており、超電導シールドコイル20における急速消磁時の漏洩磁場を抑制する役割を成す。本実施形態では、第2の良導体21が、巻き枠42の支持溝42aの周面に接するように配置されている。第2の良導体21の外周部には、図示しない絶縁部材を介して超電導シールドコイル20が接するように配置されている。
本実施形態では、超電導シールドコイル20の外周部に、リング状の保持部材22が焼き嵌めされている。つまり、第2の良導体21および超電導シールドコイル20は、巻き枠42の支持溝42a内に収容された状態で、超電導シールドコイル20の外周部に焼き嵌めされる保持部材22によって、支持溝42a内に押え付けられるようにして強固に固定されるようになっている。保持部材22は、非磁性の構造材、例えば、ステンレス鋼等を使用することができる。
本実施形態では、第1,第2の良導体11,21の材料として、超電導主コイル10A、超電導シールドコイル20に使用されるコイル線材に線膨張係数が近い材料、例えば、銅が用いられている。
巻き枠41は、冷却容器40の一部を構成しており、支持材43、輻射シールド50、支持材44を介して真空容器60に設置されている。巻き枠41,42の間には、巻き枠連結材45が配置され、この巻き枠連結材45によって巻き枠41,42が相互に連結されている。
支持材43,44は、外部からの熱侵入を防ぐために、低熱伝導の材料、例えば、FRP(繊維強化プラスチック)等を用いる。また、巻き枠41,42、巻き枠連結材45は、非磁性の構造材、例えば、ステンレス鋼等を使用することができる。
超電導主コイル10A,10Bおよび超電導シールドコイル20は、図4に示すような回路で接続されている。つまり、一対の超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20のうち、一方の超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20(超電導コイル群A1)および他方の超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20(超電導コイル群B1)が、直列接続され、これらの超電導コイル群A1,B1と、永久電流スイッチ15とが、並列接続されて主回路を構成している。そして、双方向ダイオード16,16が、それぞれの超電導コイル群A1,B1と並列に接続されており、2つに分割された保護回路を構成している。
ここで、双方向ダイオード16,16は、2つのダイオードがそれぞれ逆方向に並列接続されて成る。
なお、超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20の組み合わせ、双方向ダイオード16の構成数、保護回路の分割数は、急速消磁時のコイル電圧、温度上昇、電磁力、漏洩磁場を考慮して、これらが許容範囲に収まるように適宜設定することができる。
このような回路において、MRI装置の運転時には、超電導コイル群A1,B1と永久電流スイッチ15とで構成する回路を電流が流れる。つまり、双方向ダイオード16には、電流が流れないようになっている。なお、必要に応じてダイオードの数を調整することによって、仮に、超電導コイル群A1,B1の励磁時および消磁時等に、双方向ダイオード16のダイオード順方向電圧を上回る電圧が発生したような場合にも、電流がダイオード側に分流しないようにすることができる。
また、急速消磁時には、超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20において、ダイオード順方向電圧を大きく上回る電圧が発生するため、双方向ダイオード16側に電流が流れる。
以上のようなMRI装置では、超電導主コイル10Aに第1の良導体11が設けられているとともに、超電導シールドコイル20に第2の良導体21が設けられているので、急速消磁時には、誘導電流が第1,第2の良導体11,21に流れ、これによって、超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20の発生電圧と、漏洩磁場を許容範囲内に抑えることが可能となる。
以下では、本実施形態において得られる効果を説明する。
(1)本実施形態では、急速消磁時に、超電導主コイル10Aに設けられた第1の良導体11、および超電導シールドコイル20に設けられた第2の良導体21に、誘導電流が流れ、超電導主コイル10A,10B、超電導シールドコイル20の発生電圧を抑制することができるとともに、漏洩磁場を許容範囲内に抑えることができる。
(2)第2の良導体21は、超電導シールドコイル20の径方向内側に配置されているので、超電導シールドコイル20の径方向外側に良導体を設けたときのように、良導体を支持するための支持構造部材を付設したり、支持機能をもたせるべく良導体を大型化したりする必要がなくなり、超電導シールドコイル20の径方向外周側の構造を簡単な構造とすることができて、超電導磁石装置の小型化(コンパクト化)、ひいてはMRI装置の小型化を図ることができる。
(3)第1,第2の良導体11,21に使用される材料として銅が使用され、銅は、その線膨張係数が、超電導主コイル10A、超電導シールドコイル20に使用されるコイル線材の線膨張係数に近いので、超電導主コイル10Aおよび超電導シールドコイル20と、第1,第2の良導体11,21との間に、冷却時の熱収縮差による隙間が生じ難くなっている。したがって、長期的に安定した作動を実現することができる超電導磁石装置、MRI装置が得られる。
(4)第1の良導体11は、超電導主コイル10Aの径方向外側に配置されているので、超電導主コイル10Aの径方向内側の空間を広くとることができ、磁場空間を通る中心軸Z周りに被検体を好適に収容することができる空間を容易に形成することができる。
(5)第1の良導体11は、超電導主コイル10Aの径方向外側に配置されるとともに、第2の良導体21は、超電導シールドコイル20の径方向内側に配置される構成であるので、超電導主コイル10Aと超電導シールドコイル20との間に形成される空間を有効に利用して、この空間に、第1,第2の良導体11,21を好適に配置することができ、第2の良導体21を超電導シールドコイル20の径方向外側に配置した場合に比べて、超電導磁石装置が径方向に大型化するのを好適に阻止することができる。したがって、MRI装置の小型化を図ることが可能となる。
(6)第2の良導体21は、巻き枠42の支持溝42a内に支持され、超電導シールドコイル20が、支持溝42a内において、図示しない絶縁部材を介して第2の良導体21の外周面に接しているので、支持溝42a内に超電導シールドコイル20を取り付けることによって、第2の良導体21を超電導シールドコイル20で好適に保持することができる。
また、超電導シールドコイル20の外周部に焼き嵌めされた保持部材22によって、支持溝42a内に超電導シールドコイル20および第2の良導体21の両方を強固に固定することができる。
(7)第1の良導体11は、図示しない絶縁部材を介して超電導主コイル10Aの外周面に焼き嵌めされているので、超電導主コイル10Aにおける急速消磁時の漏洩磁場を抑制する機能と、超電導主コイル10Aを巻き枠41に強固に固定するための固定機能とを併せ備えたものとなっており、機能性、組付性に優れている。また、第1の良導体11は、超電導主コイル10Aに焼き嵌めされて固定されるので、第1の良導体11を固定するための固定部材を別途必要とせず、その分、軽量化が可能であり、また、コストを低減することができる。
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態の超電導磁石装置が適用されるMRI装置のガントリの断面図である。この例では、第1の良導体11’,11’が、一対の超電導主コイル10A,10A同士の間に配置されており、中心軸Z方向から見たときに、超電導主コイル10A,10Aに、第1の良導体11’,11’の少なくとも一部が重なる状態となるように配置されている。
巻き枠41には、第1の良導体11’を支持するための専用の支持溝11aが形成されている。この例では、超電導主コイル10Aと超電導主コイル10Bとの間に位置するように支持溝11aが形成されており、第1の良導体11’は、図示しない絶縁部材を介して、各支持溝11aに支持される。つまり、第1の良導体11’は、前記第1実施形態のように超電導主コイル10Aに接するように設けられるのではなく、超電導主コイル10Aから中心軸Z方向に離間した位置において巻き枠41に支持されるように構成される。
このように構成することによって、超電導主コイル10Aと第1の良導体11’とが絶縁部材を介して接するように設けた場合に比べて、構造的制約が少なくなり、その分、低コスト化が可能となる。
また、第1の良導体11’は、複数個に分割して構成してもよく、巻き枠41の支持溝11aに組み付けた後に、溶接等によって接合するようにしてもよい。このように、第1の良導体11’を複数個に分割して構成することによって、組み付けの自由度が高まるようになり、中心軸Z方向から組み付けることができないような場合であっても、巻き枠41に予め組み付けておく等の組付手法を採ることができるようになる。
(第3実施形態)
図6は本発明の第3実施形態のMRI装置に適用される超電導磁石装置を備えたガントリの断面図である。この例では、第2の良導体21A,21Aが、良導体線材、例えば、銅線を周方向に巻回して形成されている点が異なっている。
このように、第2の良導体21A,21Aを良導体線材で形成することによって、一体的に形成された第2の良導体21,21(図2等参照)を用いたときに比べて構造的制約が少なくなり、その分、低コスト化が可能となる。また、組み付けの自由度が高まるようになり、中心軸Z方向から組み付けることに障害があるような場合にも、これをうまく避けて巻き付けることが可能となる。
ここで、前記第1〜第3実施形態で示した超電導磁石装置を適用して形成した核磁気共鳴装置(以下、NMR装置と略称する)の構成の一例について図7を参照して説明する。なお、ここでは、第1実施形態(図2,図3)で示した超電導磁石装置を用いた例を示すが、これに限られることはなく、第2,第3実施形態で示した構成を適宜用いてもよい。また、NMR装置に適用する場合には、冷却容器40や真空容器60などの形状、図7に示した、超電導主コイル10A’、超電導シールドコイル20’の数や位置、形状などは適宜変更される。
NMR装置は、図7に示すように、超電導磁石装置が備えた超電導主コイル10A’、超電導シールドコイル20’によって磁場が形成される磁場空間Kに、検体(不図示、以下同じ)を入れるサンプル管Sが設置され、サンプル管Sに入れた検体からの核磁気共鳴信号を捉えるプローブP、プローブPで捉えた核磁気共鳴信号を解析する解析手段としてのスペクトロメータSM、そして超電導磁石装置やスペクトロメータSMの動作を制御するコンピュータ等の機器70などで構成される。機器70と超電導磁石装置およびスペクトロメータSM、そしてスペクトロメータSMとプローブPは、各々、配線Wを介して電気的に接続されている。また、図7に示すようなNMR装置では、冷凍機(不図示)による振動を防止するため、冷凍機を設けない構成とする場合もある。
このようなNMR装置に用いた場合にも、前記した(1)〜(7)と同様の効果を得ることができる。すなわち、主として、急速消磁時に、超電導主コイル10A’に設けられた第1の良導体11’’、および超電導シールドコイル20’に設けられた第2の良導体21’に、誘導電流が流れ、超電導主コイル10A’、超電導シールドコイル20’の発生電圧を抑制することができるとともに、漏洩磁場を許容範囲内に抑えることができる。
また、第2の良導体21’は、超電導シールドコイル20’の径方向内側に配置されているので、超電導シールドコイル20’の径方向外側に良導体を設けたときのように、良導体を支持するための支持構造部材を付設したり、支持機能をもたせるべく良導体を大型化したりする必要がなくなり、超電導シールドコイル20’の径方向外周側の構造を簡単な構造とすることができて、超電導磁石装置の小型化(コンパクト化)、ひいてはNMR装置の小型化を図ることができる。
本発明の第1実施形態の超電導磁石装置が適用されるMRI装置の概念図である。 同じくガントリの断面図である。 同じくガントリの一部切断斜視図である。 同じく保護回路を示す回路図である。 本発明の第2実施形態の超電導磁石装置が適用されるMRI装置のガントリの断面図である。 本発明の第3実施形態の超電導磁石装置が適用されるMRI装置のガントリの断面図である。 本発明の超電導磁石装置が適用されるNMR装置の概念図である。
符号の説明
1 ガントリ
2 ベッド
2a 搬送手段
10A 超電導主コイル
10A’ 超電導主コイル
11 第1の良導体
11’ 第1の良導体
11a 支持溝
15 永久電流スイッチ
16 双方向ダイオード
20 超電導シールドコイル
20’ 超電導シールドコイル
21 第2の良導体
21’ 第2の良導体
21A 第2の良導体
22 保持部材
30 冷媒
40 冷却容器
41,42 巻き枠
41a,42a 支持溝
43,44 支持材
50 輻射シールド
60 真空容器
70 機器
A1 超電導コイル群
B1 超電導コイル群
F 撮像領域
Z 中心軸

Claims (8)

  1. 磁場空間を通る中心軸周りに環状に形成され、前記中心軸方向に相対向して配置された複数対のコイルおよび複数対の良導体を有する超電導磁石装置であって、
    複数対の前記コイルは、超電導主コイルと、前記中心軸方向から見て前記超電導主コイルの径方向外側に間隔を隔てて配置され、前記超電導主コイルと逆向きの電流が流れる超電導シールドコイルと、を備え、
    複数対の前記良導体は、
    前記超電導主コイルの径方向外側に配置され、または一対の前記超電導主コイル同士の間にあって、前記中心軸方向から見て前記超電導主コイルに少なくとも一部が重なる状態に配置され、前記超電導主コイルの急速消磁時に誘導電流が流れて漏洩磁場を抑制する第1の良導体と、
    前記超電導シールドコイルの径方向内側に配置され、前記超電導シールドコイルの急速消磁時に誘導電流が流れて漏洩磁場を抑制する第2の良導体と、を含んで構成されることを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 前記第2の良導体は、前記超電導シールドコイルを支持する巻き枠に設けられた支持溝に支持されおり、前記超電導シールドコイルは、前記支持溝内において、絶縁部材を介して前記第2の良導体に接していることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 前記超電導主コイルは、これを支持する巻き枠に支持されており、
    前記第1の良導体は、前記超電導主コイルの径方向外側に配置されており、絶縁部材を介して前記超電導主コイルに焼き嵌めされたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超電導磁石装置。
  4. 前記超電導シールドコイルの外周部には、リング状の保持部材が配置されており、前記保持部材は前記超電導シールドコイルに焼き嵌めされたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超電導磁石装置。
  5. 複数対の前記良導体は、そのうちの少なくとも一対が銅製であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。
  6. 複数対の前記良導体は、そのうちの少なくとも一対が良導体線材を巻回して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超電導磁石装置を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    被検体を載置するベッドと、このベッドに載置された前記被検体を前記磁場空間内の撮像領域へ搬送する搬送手段と、この搬送手段によって前記撮像領域に搬送された前記被検体からの核磁気共鳴号を解析する解析手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超電導磁石装置を備えた核磁気共鳴装置であって、
    前記磁場空間内に配置された検体からの核磁気共鳴信号を捉えるプローブと、前記プローブで捉えた信号を解析する解析手段とを備えたことを特徴とする核磁気共鳴装置。
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