JP4927486B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、光源からの光ビームを偏向し被走査面を走査する光走査装置、及び、その光走査装置を備えたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザプロッタ、レーザファクシミリ等の画像形成装置に関する。
近年、レーザプリンタ、デジタル複写機等に応用される電子写真方式の画像形成装置においては、カラー化が進行するとともに、カラー画像に対する要求品質が高まってきている。カラー画像の品質向上における最も大きな課題は、色ずれの低減である。工場出荷段階では、様々な調整工程により色ずれを小さく抑えることが可能であるが、経時変動により色ずれが発生してしまう。このような色ずれには、主走査方向(偏向手段により光が走査される方向)の色ずれと副走査方向の色ずれの2種類があるが、以下では、副走査方向の色ずれの低減について検討する。
経時において発生する副走査方向の色ずれの要因は、例えば、光学素子(レンズ、ミラー等)の位置変化や、光源や光学素子が配置されているハウジング自体の変形等が挙げられるが、いずれにしても、光ビームを光学素子で集光して得られる光スポットの副走査方向の位置ずれを検出することができれば、適当な補正手段を用いて補正することができる。
ここで補正手段としては、例えば、特許文献1に記載のような、液晶偏向素子を用いて光ビームを副走査方向に偏向して補正する方法や、特許文献2に記載のように、くさび形プリズムを光軸回りに回動させることにより光ビームを副走査方向に偏向して補正する方法等が知られている。
また、上記のような、光スポットの副走査方向位置ずれを検出する方法として、特許文献3や特許文献4に記載のように、非平行な辺縁を有するフォトダイオード(PD)を用い、このフォトダイオード(PD)から出力される2つの信号の時間間隔を検出することで光スポットの副走査方向位置ずれを検出する方法が知られている。
特開2003−241130公報 特開2004−109700公報 特開2005−37575公報 特開2005−62597公報
しかしながら、上記の従来技術の方法では以下のような欠点がある。まず第1に、特許文献3や特許文献4に記載のような特殊なフォトダイオード(PD)は、コストが高い。第2に、このようなフォトダイオードは、通常の(汎用の)フォトダイオードに比べて、フォトダイオード自体が大きく、それに伴ってパッケージが非常に大きくなってしまう。フォトダイオードは、通常、画像形成に寄与する領域外に設けられるため、大きなパッケージのフォトダイオードは、画像形成領域に対してより外側に配置しなければならない。そのことは、光偏向器により走査可能な領域を広く設定しなければならないことを意味しており、その結果、走査光学系が大型化してしまう。走査光学系の大型化は、光路長の増大や光学系の広角化を引き起こし、誤差感度の増大や走査レンズの厚肉化に伴う製造上の難易度の増大といった問題を引き起こしてしまう。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、走査光学系の大型化を招くことがなく、且つ低コストな、光ビーム(光スポット)の副走査位置検出機能を持った光走査装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、その光走査装置を備え、良好に色ずれが補正された高画質な多色またはフルカラー画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、光源と、前記光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された光ビームを被走査面上に集光する走査光学系とを有する光走査装置において、前記偏向手段により偏向された光ビームが通過する光路上に配置され前記光ビームを回折して複数ビームに分岐し所望のパターンの回折像を形成する回折光学素子と、前記回折像の副走査方向の一部を検出する光検出器とを備え、前記偏向手段による光走査とともに前記回折像で前記光検出器上を光走査し、前記回折像は1度の光走査で少なくとも2度、前記光検出器で信号が検出されるパターンに設定するとともに、前記光検出器と前記回折像との相対的な副走査方向の位置関係に応じて、前記回折像の1度の光走査で前記光検出器により少なくとも2度検出される信号の時間間隔が変化することを特徴とする。
本発明の第2の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記回折光学素子は、入射光の位相のみを制御する位相型回折光学素子であることを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の光走査装置において、前記回折光学素子は、所定の単位構造が周期的に配置された構造であることを特徴とする。
本発明の第4の手段は、第3の手段の光走査装置において、前記単位構造と単位構造の境界は滑らかに接続されるように、前記回折光学素子の構造を設定することを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第3または第4の手段の光走査装置において、前記単位構造における最も長い対角線の長さは、入射ビームのスポット径よりも小さいことを特徴とする。
ここで、入射ビームのスポット径は1/e^2で定義する。また、望ましくは、入射ビーム径の1/2倍よりも小さくする。
本発明の第6の手段は、第3〜第5のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記回折光学素子の単位構造は、複数のピクセルによって構成されていることを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第1〜第6のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記回折像のパターンは、分岐された光ビームのスポットが非平行に並んでいる部分を少なくとも有することを特徴とする。
さらに本発明の第8の手段は、第7の手段の光走査装置において、前記回折像のパターンは、分岐された光ビームのスポットが平行に並んでいる部分を更に有することを特徴とする。
本発明の第9の手段は、第6の手段の光走査装置において、前記回折像のパターンは、主走査方向である光走査方向の回折角分布における幅をθmax、前記回折光学素子のピクセルの間隔をp、使用波長をλとしたとき、次の条件式、
arcsin(λ/p)>θmax
を満たすように、pを設定することを特徴とする。これは、回折光学素子で回折された高次光が、1次光と重ならない条件である。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の光走査装置において、前記回折光学素子による高次回折光が前記光検出器に入射しないように、前記光源の点灯タイミングを設定することを特徴とする。
本発明の第11の手段は、第6の手段の光走査装置において、前記回折光学素子の基板における光ビームの入射面側に前記単位構造を設けることを特徴とする。これにより、回折光学素子で回折された高次光は基板の裏面で全反射される。
また、本発明の第12の手段は、第6の手段の光走査装置において、前記回折光学素子のピクセル間隔をp、使用波長をλとしたとき、
λ>p
とすることを特徴とする。これにより、回折光学素子で回折された高次回折光が全て基板の裏面で全反射される。
本発明の第13の手段は、第6の手段の光走査装置において、前記回折光学素子のピクセル間隔をp、使用波長をλ、基板の屈折率をnとしたとき、
λ/n>p
とすることを特徴とする。これにより、回折光学素子で回折された高次光が全てエバネッセントになり、高次光が発生しない。
本発明の第14の手段は、第1〜第13のいずれか1つの手段に記載の光走査装置において、前記回折光学素子への入射光は、該回折光学素子の入射面に対して略垂直であることを特徴とする。これにより、回折像が歪むのを防ぐことができる。
また、本発明の第15の手段は、第1〜第14のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光検出器に入射する光ビームの副走査方向の幅を規制する手段を設け、前記回折像のパターンの一部を光検出器で検出することを特徴とする。
本発明の第16の手段は、第1〜第15のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記回折像のパターンの副走査方向の一部の幅は、隣り合う分岐された光ビームの副走査方向の間隔と異ならせることを特徴とする。
また、本発明の第17の手段は、第1〜第16のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記回折像のパターンは、光軸を中心として180°回転対称であることを特徴とする。これにより、直接像と共役像を重ねることができ、不要光の発生の防止や、効率の向上が図れる。
本発明の第18の手段は、第1〜第17のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記光ビームの副走査位置を補正する走査位置補正手段を有し、前記光検出器からの信号に基づいて前記走査位置補正手段により前記光ビームの副走査位置を補正することを特徴とする。
また、本発明の第19の手段は、第18の手段光走査装置において、前記走査位置補正手段は、前記光源と前記偏向手段の間に配置された光学素子の姿勢制御手段か、もしくは前記光源と前記偏向手段の間に配置された液晶偏向素子に印加する電気信号制御手段であることを特徴とする。
さらに本発明の第20の手段は、第18の手段の光走査装置において、前記走査位置補正手段は、前記被走査面上の画像の副走査方向の形成開始位置を、画像解像度に応じた1ライン単位で副走査方向にシフトさせる手段であることを特徴とする。
本発明の第21の手段は、像担持体と、該像担持体を被走査面として光ビームを照射して静電潜像を形成する光走査装置と、該光走査装置により前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で顕像化する現像手段と、前記像担持体上に顕像化された画像を、記録媒体に直接または中間転写体を介して転写する転写手段とを有し、画像を出力する画像形成装置において、前記光走査装置として、第1〜第20のいずれか1つの手段の光走査装置を備えたことを特徴とする。
本発明の第22の手段は、並設された複数の像担持体と、該複数の像担持体の各々に光ビームを照射して静電潜像を形成する光走査装置と、該光走査装置により各像担持体上に形成された静電潜像を色の異なる現像剤で顕像化する現像手段と、前記各像担持体上に顕像化された各色の画像を、記録媒体に直接または中間転写体を介して重ね合わせて転写する転写手段とを有し、多色またはカラー画像を出力する画像形成装置において、前記光走査装置として、第1〜第20のいずれか1つの手段の光走査装置を備えたことを特徴とする。
本発明の第1の手段の光走査装置では、偏向手段により偏向された光ビームが通過する光路上に配置され前記光ビームを回折して複数ビームに分岐し所望のパターンの回折像を形成する回折光学素子と、前記回折像の副走査方向の一部を検出する光検出器とを備え、前記偏向手段による光走査とともに前記回折像で前記光検出器上を光走査し、前記回折像は1度の光走査で少なくとも2度、前記光検出器で信号が検出されるパターンに設定するとともに、前記光検出器と前記回折像との相対的な副走査方向の位置関係に応じて、前記回折像の1度の光走査で前記光検出器により少なくとも2度検出される信号の時間間隔が変化する構成としたことにより、走査光学系の大型化を招くことなく、且つ低コストで、光ビーム(光スポット)の副走査位置が検出可能になる。
本発明の第2の手段の光走査装置では、第1の手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子は、入射光の位相のみを制御する位相型光学素子であることにより、光利用効率を向上することができる。
また、本発明の第3の手段の光走査装置では、第1または第2の手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子は、所定の単位構造が周期的に配置された構造であることにより、回折光学素子への入射光の走査により、回折光学素子により形成した回折像を走査することが可能になる。
本発明の第4、第5の手段の光走査装置では、第3の手段の構成及び効果に加え、単位構造と単位構造の境界は滑らかに接続されるように、前記回折光学素子の構造を設定し、さらに、前記単位構造における最も長い対角線の長さは、入射ビームのスポット径よりも小さいことにより、回折光学素子への入射光を走査して回折光学素子により形成した回折像を光走査する際に、分岐ビーム間に相対強度変動が発生するのを防止することができる。
本発明の第7、第8の手段の光走査装置では、第1〜第5のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折像のパターンは、分岐されたビームのスポットが非平行に並んでいる部分を少なくとも有し、また、前記回折像のパターンは、分岐されたビームのスポットが平行に並んでいる部分を更に有することにより、温度変動時における回折角変動により、回折像が膨張・収縮することに起因する副走査位置検出誤差を補正することができ、温度変動時においても、良好な検出精度を維持することができる。
本発明の第6、第9の手段の光走査装置では、第3〜第5のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子の単位構造は、複数のピクセルにより構成されており、かつ、前記回折像のパターンは、主走査方向である光走査方向の回折角分布における幅をθmax、前記回折光学素子のピクセルの間隔をp、使用波長をλとしたとき、次の条件式、
arcsin(λ/p)>θmax
を満たすように、pを設定することにより、所望の回折像(1次回折光による回折像)と高次回折像(2次以上の回折光による回折像)を分離することができ、光ビーム(光スポット)の副走査位置の検出精度を向上することができる。
本発明の第10の手段の光走査装置では、第9の手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子による高次回折光が前記光検出器に入射しないように、前記光源の点灯タイミングを設定することにより、高次回折光が発生したとしても、その高次回折光が光検出器へ到達することを回避することができ、光ビーム(光スポット)の副走査位置の検出精度を向上することができる。
本発明の第6、第11の手段の光走査装置では、第3〜第5のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子の単位構造は、複数のピクセルにより構成されており、かつ、前記回折光学素子の基板における光ビームの入射面側に回折構造を設けることにより、高次回折光のうち、より高次の回折光が回折光学素子から射出されることを防止し、光ビーム(光スポット)の副走査位置の検出精度を向上することができる。
本発明の第6、第12の手段の光走査装置では、第3〜第5のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子の単位構造は、複数のピクセルにより構成されており、かつ、前記回折光学素子のピクセル間隔をp、使用波長をλとしたとき、
λ>p
とすることにより、全ての高次回折光が回折光学素子から射出されることを防止でき、検出精度を向上することができる。
本発明の第6、第13の手段の光走査装置では、第3〜第5のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子の単位構造は、複数のピクセルにより構成されており、かつ、前記回折光学素子のピクセル間隔をp、使用波長をλ、基板の屈折率をnとしたとき、
λ/n>p
とすることにより、全ての高次回折光が発生しなくなり、検出精度を向上することができる。
本発明の第14の手段の光走査装置では、第1〜第13のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折光学素子への入射光は、該回折光学素子の入射面に対して略垂直であることにより、回折パターンが歪むのを抑制し、検出精度を向上することができる。
また、本発明の第15の手段の光走査装置では、第1〜第14のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記光検出器に入射する光ビームの副走査方向の幅を規制する手段を設け、回折像の一部を光検出器で検出することにより、光検出器に安価な汎用のフォトダイオードを用いて、光ビームの副走査位置の検出が可能になる。
本発明の第16の手段の光走査装置では、第1〜第15のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折像のパターンの副走査方向の一部の幅は、隣り合う分岐された光ビームの副走査方向の間隔と異ならせることにより、離散的に並んだドットの影響による副走査位置検出の誤差を低減することができる。
また、本発明の第17の手段の光走査装置では、第1〜第16のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記回折像のパターンは、光軸を中心として180°回転対称であることにより、光利用効率を増大することができ、かつノイズ光の発生を防止でき、高精度な副走査位置検出が可能になる。
本発明の第18,19,20の手段の光走査装置では、第1〜第17のいずれか1つの手段の構成及び効果に加え、前記光ビームの副走査位置を補正する走査位置補正手段を有し、前記光検出器からの信号に基づいて前記走査位置補正手段により光ビームの副走査位置を補正すること、また、前記走査位置補正手段は、前記光源と前記偏向手段の間に配置された光学素子の姿勢制御手段か、もしくは前記光源と前記偏向手段の間に配置された液晶偏向素子に印加する電気信号制御手段であること、さらに前記走査位置補正手段は、前記被走査面上の画像の副走査方向の形成開始位置を、画像解像度に応じた1ライン単位で副走査方向にシフトさせる手段であることにより、光ビームの副走査位置検出結果を用いて、光ビーム(光スポット)の副走査位置を補正することが可能になる。
本発明の第21,22の手段の画像形成装置では、光走査装置として、第1〜第20のいずれか1つの手段の光走査装置を備えたことにより、色ずれが良好に補正された高品位で高画質な画像を形成できるだけでなく、生産性を向上させ、且つトナー消費量を低減することができる。
以下、本発明の構成、動作及び作用効果を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
[実施例1:第1の手段の実施例]
まず、図1、図2、図4に、複数の像担持体を並設したフルカラー画像形成装置に展開した光走査装置の一実施例を示す。
図1は、光走査装置の光学系と画像形成装置の一部を概略的に示す斜視図であり、被走査面である4つの像担持体(感光体ドラム)111a,111b,111c,111dに対して偏向手段であるポリゴンミラー213は1つであり、ポリゴンミラー213に対して対向する方向に2ステーション分ずつ振り分けて走査している。また、図1では、説明の簡略化のため、第1走査レンズ(例えばfθレンズ)以降の光学系は1ステーション分のみを図示している。なお、図2はポリゴンミラー213以降の光学系配置を示す断面図であり、図4は光走査装置のポリゴンミラー213により偏向走査される光ビームが通過する平面(偏向走査面または主走査平面と言う)上に展開した光学系配置を示す図である。
図1では、4つの感光体ドラム111a,111b,111c,111dを転写ベルト(または中間転写ベルト)110の移動方向に沿って配列し、4つの感光体ドラム111a,111b,111c,111dに異なる色(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を形成した後、転写ベルト110で搬送される記録媒体(または中間転写ベルト)に順次異なる色のトナー像を転写することでカラー画像を形成する画像形成装置において、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに光ビームを照射して静電潜像を形成する光走査装置を一体的に構成し、単一のポリゴンミラー213で全ての光ビームを走査するようにしたものである。
また、本実施例では、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに対して2つの半導体レーザを有するマルチビーム構成の光源ユニット250a,250b,250c,250dを配備し、副走査方向に記録密度に応じて1ラインピッチ分ずらして走査することにより、2ラインずつ同時に走査するようにしている。
各光源ユニット250a,250b,250c,250dの図示されない半導体レーザから放射された光ビームは、該光源ユニットの出射部に設けられた図示しないカップリングレンズにより略平行光束化され、この略平行光束化された光ビーム210a,210b,210c,210dは、図示されないアパーチャによりビーム整形された後、シリンドリカルレンズ290a,290b,290c,290dにより副走査方向にのみ集束され、ポリゴンミラー213の偏向反射面位置に、主走査方向に長い線像として結像する。
第1走査レンズであるfθレンズ218a,218b,218c,218dは、それぞれ第2走査レンズであるトロイダルレンズ220a,220b,220c,220dとともに各色に対応した走査光学系をなしている。なお、fθレンズ218a,218b(fθレンズ218c,218d)は副走査方向に重ねて保持されている。
各fθレンズ218a,218b,218c,218dは、主走査方向にはポリゴンミラー213の回転に伴って各感光体面上でビームが等速に移動するようにパワーを持たせた非円弧面形状となし、各トロイダルレンズ220a,220b,220c,220dとともにポリゴンミラー213の面倒れ補正機能をなし、各fθレンズ218a,218b,218c,218dを通過した後、折り返しミラー224a,224b,224c,224dで反射され、各トロイダルレンズ220a,220b,220c,220dに入射し、さらに折返しミラー227a,227b,227c,227dで反射され、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dにスポット状に結像させる。そして、ポリゴンミラー213により感光体ドラム111a,111b,111c,111d上を光スポットで走査するとともに、感光体ドラム111a,111b,111c,111dを回転させることで、感光体ドラム111a,111b,111c,111d上に画像(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像)を形成することができる。そして、図示しない現像手段で各感光体ドラム111a,111b,111c,111d上の潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナーで現像して顕像化することにより、各色の画像を形成することができる。すなわち、本実施例では、4つの感光体ドラム111a,111b,111c,111d上を同時に走査し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像を同時に形成することができる。なお、画像形成装置の詳細については後述する。
本実施例の光走査装置では、上記の構成に加えて、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dにおける主走査方向の走査開始を検出する図示しない同期センサと、ポリゴンミラー213で偏向走査される光ビームの副走査方向の位置(以下では副走査位置とも言う)を検出する副走査位置検出手段228a,228b,228c,228dとを備えている。
図示しない各同期センサは、対応する感光体ドラム111a,111b,111c,111dにおける主走査方向の走査開始を検出する。ここでは、各同期センサは、いずれも像面と等価な位置に配置され、主走査方向の走査を開始するのに先立って、ポリゴンミラー213により偏向された光ビームが各同期センサに入射する。各同期センサは、それぞれ受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
副走査位置検出手段228a,228b,228c,228dは、ポリゴンミラー213により偏向走査される光ビームの光路に配置され、偏向走査領域の一端側で、画像形成領域外の光ビームをミラー2281で折り返し、レンズ2282で集光し、回折光学素子2283を介して複数のビーム(回折光)に分岐して、所望のパターンの回折像を形成し、この回折像の副走査方向の一部を光検出器(例えばフォトダイオード(PD)等の受光素子)で受光して光ビーム(光スポット)の副走査位置を検出するものである。以下、回折光学素子を用いた副走査位置検出方法について説明する。
半導体レーザ等のコヒーレンス光を任意の回折像に分岐するためには、回折を制御する必要があり、そのためには光ビームの振幅分布もしくは位相分布もしくはその両方を空間的に変調するような回折光学素子を設ければ良い。振幅分布の変調は透過率分布の変調によって行い、位相分布の変調は、回折光学素子の光学面の凹凸の高さ分布(もしくは屈折率分布)を変調することによって行う。そうすることで、所望の分岐パターンの回折像が得られる。そのような素子の振幅分布(透過率分布)もしくは位相分布(高さ分布)もしくはその両方を求めるためには、計算機により計算して求める必要がある。
図3に、回折光学素子2283を用いて所望の回折像を得るイメージ図を示す。図3において、平面波は回折光学素子2283を通過することで、振幅分布もしくは位相分布もしくはその両方が空間的に変調され、無限遠において所望の回折像(ファーフィールド(Far Field)パターン)を得ることができる。
また、所望のパターンの回折像を逆フーリエ変換すれば、所望のパターンを得るための振幅分布および位相分布が得られる。すなわち、振幅分布(透過率分布)と位相分布(高さ分布)の両方を与える回折光学素子を用いれば、所望のパターンの回折像が簡単に得られる。また、振幅分布のみもしくは位相分布のみを用いたとしても、厳密に所望のパターンの回折像を得ることはできないが、所望のパターンにかなり近いパターンの回折像を得ることは可能である。そのためには、通常は反復計算手法により反復計算を行って、振幅分布もしくは位相分布を求める。
次に、上記で説明したパターンの回折像で光検出器上を走査することにより光ビーム(光スポット)の副走査方向の位置を検出する方法及び検出手段について図2、図4、図5を用いて説明する。
副走査位置検出手段228a,228b,228c,228dは各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに対応して設けられているが、構成は同じであり、例えばミラー2281、レンズ2282、回折光学素子2283、光検出器(例えばフォトダイオード(PD))2284で構成されている。
一つの副走査位置検出手段228dを例に上げて説明すると、副走査位置検出手段228dは感光体ドラム111aに照射される光ビームの副走査方向の位置(すなわち感光体ドラム111dに形成される光スポットの副走査方向の位置)を検出する。この副走査位置検出手段228dの反射ミラー2281は、図2に示すように、折り返しミラー227dと感光体ドラム111dとの間であって、主走査方向の走査の際に、図4に示すように、感光体ドラム111dにおける画像形成領域から外れた領域を走査する光ビームの光路上に配置されている。レンズ2281は、走査光学系による感光体上の光ビームの集光位置と、光検出器2284上の受光位置とが共役となるように光ビームを集光し、回折光学素子2283は、光ビームを回折して所望のパターンの回折像を形成する。なお、図示していないが、レンズ2282と回折光学素子2283によって生成される回折像(ファーフィールドパターン)の副走査方向の一部のみを光検出器(PD)2284で検出するために、光検出器(PD)2284の受光領域における副走査方向に対応する方向の幅を規制する手段(例えばアパーチャ)を設けてもよい。
光ビーム(光スポット)の副走査位置検出に用いる回折像のパターンの1つの実施例として、図5に示すようなパターンを考える。
この回折像のパターンは、副走査方向に対応する方向に平行に延びる2つのドット列像と、この2つのドット列像の間に形成され所定の角度θ(0<θ<90°)だけ傾いたドット列像とからなっている。この傾いたドット列像は、主走査方向と副走査方向のいずれとも異なる方向に延びている。また、図5のパターン(ドット列像)において、黒丸のドット部分は光の強度が強いことを示しており、光軸は中央のドット(斜線のドット)部分に対応している。また、図5のドット列パターン(ドット列像)は、光軸(中央のドット)を中心として180°回転対称となっている。
上記のパターンの回折像により光検出器(PD)2284上を走査する方法としては、光走査装置における偏向手段(ポリゴンンミラー)213を用いて回折光学素子2283への入射光を走査すればよい。図5においては、回折光学素子2283への入射光はレンズ2282により集束光としており、回折光学素子2283で回折され、複数に分岐された光ビームは、光検出器(PD)2284上で光スポットを形成し、前述のパターンの回折像(ドット列像)を形成するようにしている。このとき、回折光学素子2283への入射ビームの位置がずれれば、そのずれに応じて回折像のパターンの生成位置もずれるように回折光学素子2283を設計しておけば(詳細は後述する)、回折光学素子2283への入射ビームの位置に依存して、回折像のパターンの生成位置が変化する。
また、回折像のパターンは、光検出器(PD)2284上を光走査したときに、1度の光走査で少なくとも2度、光検出器(PD)2284から信号が出力され、且つ回折像のパターンと光検出器(PD)2284の副走査方向の相対的な位置関係に依存して、前述の少なくとも2度出力される信号の時間間隔が異なるパターンとしておく。図5の実施例では、回折像のパターンは、副走査方向に対応する方向に平行に延びる2つのドット列像と、この2つのドット列像の間に形成され所定の角度だけ傾いたドット列像とからなっているので、回折像で光検出器(PD)2284上を1度光走査したときに、3度、光検出器(PD)2284から信号が出力され、回折像のパターンと光検出器(PD)2284の副走査方向の相対的な位置関係に依存して2番目に出力される信号と1番目(もしくは3番目)に出力される信号の時間間隔が変化する。
ここで、回折光学素子2283への入射ビームの位置が副走査方向に変化したときを考える。図6はその様子を示す図である。図6(a),(b),(c)における中段の図は、図5と同様のドット列で形成された回折像のパターンを示しており、この回折像のパターンにおいて、中央のドット(斜線のドット)は回折光学素子2283の光軸上に生成される。また、図6(a),(b),(c)における上段の図の点線は入射光の光軸を表し、入射光を延長したものに対応する。
図6においては、ポリゴンミラーによる偏向走査により、回折光学素子2283による回折像が主走査方向の(+)方向に走査されている(図6(a),(b),(c)における中段の図)。回折像のパターンの生成位置と光検出器(PD)2284との位置関係が図6(a)の中段の図のようなときには、その下段の図に示すような信号が光検出器(PD)2284から出力される。また、図6(b)のように、回折光学素子2283への入射光の位置が副走査方向(+)にずれ、図6(b)の中段の図のような位置に回折像のパターンが生成されると、光検出器(PD)2284からの出力信号はその下段の図のようになる。回折光学素子2283への入射光の位置が副走査方向(+)に更にずれ、図6(c)の中段の図のような位置に回折像のパターンが生成されると、その下段の図のような信号が光検出器(PD)2284から出力される。図6(a)〜(c)よりわかるように、回折光学素子2283への入射光の副走査方向の位置に応じて、光検出器(PD)2284から出力される1番目(もしくは3番目)の信号と2番目の信号の時間間隔が変化する。従って、光検出器(PD)2284から出力される複数の信号の時間間隔を測定することにより、光ビーム(光スポット)の副走査方向の位置の変化を検出することができる。
なお、光検出器(PD)2284を光ビームが通過する際、光検出器(PD)2284の出力においては、必ず立ち上がりと立下りがあるが、どちらか一方を「光ビームが光検出器(PD)2284を通過した時間」とするよりも、両方の値を用いて(例えば平均値を用いて)「光ビームが光検出器(PD)2284を通過した時間」を決定するのが良い。さらに、光検出器(PD)2284の出力信号を複数回サンプリングして検出し、所定の閾値を超えた検出結果の重心を求めて、「光ビームが光検出器(PD)2284を通過した時間」を決定するのが最も良い。
上記のような、回折光学素子2283を用いた光ビームの副走査位置検出方法のメリットとしては、まず第1に、光ビームの副走査位置を検出できる方法として知られている前述の特許文献3や特許文献4に記載の「非平行な辺縁を有するフォトダイオード」といった特殊なフォトダイオードを用いる必要がなく、汎用のフォトダイオードを用いて光ビーム(光スポット)の副走査位置の検出が可能であるため、大幅なコストダウンが可能である。
さらに、非平行な辺縁を有するフォトダイオードは、通常の(汎用の)フォトダイオードに比べてフォトダイオード自体が大きく、それに伴ってパッケージが非常に大きくなってしまう。副走査位置検出用のフォトダイオードは、画像形成に寄与する領域外に設けられるため、大きなパッケージのフォトダイオードは、画像形成領域に対してより外側に配置しなければならない。そのことはつまり、ポリゴンミラー等の偏向手段により走査可能な領域を広く設定しなければならないことを意味しており、その結果、走査光学系(走査レンズや折り返しミラー等)が大型化してしまう。走査光学系の大型化は、光路長の増大や光学系の広角化を引き起こし、誤差感度の増大や走査レンズの厚肉化に伴う製造上の難易度の増大といった問題を引き起こしてしまう。
従って、本発明のように、回折光学素子2283と、小さなパッケージの汎用の光検出器(フォトダイオード(PD))2284を用いることで、走査光学系の大型化を抑止しつつ、且つ光ビームの副走査位置が検出可能で、且つ低コストな光走査装置を実現することができる。
[実施例2:第2の手段の実施例]
本実施例では、実施例1の構成に加え、前記回折光学素子2283は、入射光の位相のみを制御する位相型光学素子とする。
すなわち、実施例1で述べた回折光学素子2283は、位相分布のみを制御する(振幅分布、つまり透過率分布は制御しない)構造にするのが良い。そうすることで、光利用効率を増大できる。位相分布の制御は、屈折率分布で実現することも可能であるが、素子作製の容易さという観点から、光学面の凹凸の高さ分布で実現するのが望ましい。
[実施例3:第3〜第6の手段の実施例]
本実施例では、実施例1、実施例2の構成に加え、前記回折光学素子2283は、所定の単位構造が周期的に配置された構造とする。
実施例1で述べたように、回折光学素子2283への入射ビームの位置がずれれば、そのずれに応じて回折像のパターンの生成位置もずれるようにするために、回折光学素子の位相分布を、所定の単位構造が周期的に配置されたものにするのがよい。図8に、位相分布のみを制御する回折光学素子(振幅分布は制御しない)の一実施例を示す。図8(a)は回折光学素子の単位構造を表しており、本実施例では64ピクセル×64ピクセルとしている。灰色部は0位相を示し、白色部はπ位相を示している。0位相に対してπ位相を実現するためには、灰色部に対して白色部の高さを変えるのがよい。従って、図8の位相分布は、高さ分布と考えることも可能である。図8(b)は(a)の単位構造が周期的に配置されることを示した図であり、(a)の単位構造を4つだけ配置した例を示している。
また、上記の単位構造と単位構造の境界は、滑らかに接続するように、単位構造を設計するのが良い。図8(b)における位相分布では、境界において、位相分布が滑らかに接続している。そうすることで、回折像による光走査の際に、分岐された光ビーム間の相対強度が変動するのを防止することができる。
また、単位構造の対角線のうち最も長い対角線の長さは、入射ビームのスポット径よりも小さくするのがよい。ここで、入射ビームのスポット径は、強度がピークの1/e^2となる径と定義する。半導体レーザを用いると、一般にビームスポットは楕円形状となるが、そのような際には、楕円の短軸の長さ(直径)をビームスポット径と定義する。上記のようにすることで、図9に示すように、単位構造が入射ビームの中に完全に収まるため、回折され複数に分岐されたビームによる光走査の際に、分岐されたビーム間の相対強度が変動するのを防止することができる。
さらに望ましくは、入射ビームの中に単位構造が4つ入るのが望ましく、最も望ましくは、入射ビームの中に単位構造が9つ入るのが望ましい。入射ビームの中に入る単位構造の数が多ければ多いほど、分岐されたビームによる光走査の際のビーム間の相対強度変動の防止効果が高いが、入射ビームの中に単位構造が9つ入れば、実用上十分に、分岐されたビーム間の相対強度の変動の防止が可能である。
なお、図8(a)のような単位構造は、複数のピクセルで構成するのが良い。ここで、ピクセルの形状は四角形(図8(a)は正方形で図示している)でも良いし、六角形でも良い。
[実施例4:第7、第8の手段の実施例]
上記で説明した回折像のパターンの例としては、図7(a)に示すようなパターンが理想的であるが、図7(b)に示すように、回折光学素子2283で分岐されたビームのスポット(黒丸で示すドット)が非平行に並んでいる部分(副走査方向に平行な1つのドット列と、主・副走査方向に傾斜したドット列)を少なくとも有するようにするのが良い。図7(b)では各スポット(ドット)が分離されている例を示したが、これらのドットは一部がつながっていても良く、また、ドットが連接してライン状になっているものでも良い。
また、さらに望ましい回折像のパターンの例としては、図7(a)に示すように、回折光学素子2283で分岐されたビームのスポット(黒丸で示すドット)が非平行に並んでいる部分(副走査方向に平行な1つのドット列と、主・副走査方向に傾斜したドット列)の他に、副走査方向に平行なドット列が、傾斜したドット列を挟んで主走査方向に並んでいる部分を設けるのが良い。
回折光学素子における実用上の問題点として、温度変動により、光源の波長変動や、回折光学素子の構造自体の収縮・膨張が発生してしまい、回折角が変わってしまうということが挙げられる。回折角変動が起こると、回折像が膨張・収縮してしまうため、光ビームの副走査位置検出に誤差が生じる。それを回避するため、図7(a)に示すように、回折光学素子により分岐されたビームのスポットが非平行に並んでいるドット列部分の他に、分岐されたビームのスポットが平行に並んだドット列部分を設けておき、平行にスポットが並んだドット列部分によって出力された光検出器(PD)からの信号の時間間隔を検出することで、回折角変動の影響を補正でき、温度変動時においても良好な検出精度を維持することができる。
[実施例5:第9〜第17の手段の実施例]
回折光学素子2283の単位構造をピクセルで構成すると、所望の回折像(1次回折光に対応)の他に、高次回折光(2次以上の回折光)による回折像が発生する。図10にその様子を示す。図10において、所望のパターンの回折像の中央に位置する斜線の丸(ドット)は回折光学素子2283の光軸の位置を表している。回折像のパターンを構成する丸(ドット)は、大きいほど、また白より黒に近いほど強度が強いことを表している。よって、図10では、高次回折光の回折像は、所望の回折像よりも強度は弱いが、所望の回折像の周囲に発生していることを示している。ここで、回折像の主走査方向の回折角分布の幅をθmaxとする。図10におけるθmaxは、所望の回折像における、副走査方向と平行に並んだ2つのドット列の、主走査方向の回折角の絶対値の和である。また、ピクセルの間隔をp、使用波長をλとすると、次の条件式、
arcsin(λ/p)>θmax
を満たすように、ピクセルの間隔p、及び回折角を設定することで、図10のように、所望の回折像と、その周囲の高次回折光による回折像を分離でき、副走査位置の検出精度を向上することができる。
また、高次回折光による回折像が発生する際には、高次回折光が光検出器(PD)2284上を走査しているときには光源を消光し、所望の回折像が光検出器(PD)2284上を走査しているときにのみ光源を点灯させるように、図示しない書き込み制御部で光源駆動回路を制御するのが良い。より具体的には、図10に示す主走査方向のDaの区間において光源(半導体レーザ(LD))を点灯し、同図のDbの区間においてLDを消光するようにLD駆動回路を制御するのがよい。そうすることで、副走査位置の検出精度をさらに向上することができる。
高次回折光(2次回折光、3次回折光、・・・)による回折像は複数発生するが、回折光学素子2283の単位構造を基板の入射面側に設けることで、より高次の回折光が基板で全反射され、光検出器(PD)2284に到達しなくなる。仮に、単位構造を射出側に設けると、全ての高次回折光が光検出器(PD)側に射出される。高次回折光は、様々な部分で反射され、ゴースト光として光検出器(PD)に到達する恐れがあるため、このことは望ましくない。従って、回折光学素子の単位構造を基板の入射面側に設けることで、ゴースト光の影響を低減することができる。
また、回折光学素子2283のピクセル間隔をp、使用波長をλとしたとき、
λ>p
とすることで、全ての高次回折光が基板の裏面で全反射されるようになり、光検出器(PD)2284におけるゴースト光の発生を防止することができる。
なお、回折光学素子2283の基板の裏面で全反射された光は、基板の側面から抜けるため、その光がゴースト光とて感光体に到達する恐れがある。それを防止するためには、基板の屈折率をnとして、
λ/n>p
とすることで、高次回折光がエバネッセント波になり伝搬しなくなるため、光検出器(PD)2284及び感光体ドラム111の両方にゴースト光が到達することを防止することができる。
ところで、回折光学素子2283に対して斜めに光ビームが入射すると、回折像のパターンが歪むという問題がある。そのため、入射光は回折光学素子2283の入射面に対して略垂直に入射させるのが良い。そうすることで、副走査位置の検出精度を向上することができる。
上記においては、回折像のパターンの副走査方向の一部を光検出器(PD)2284で検出するとして説明したが、そのためには、光検出器(PD)2284の副走査方向の幅が所望の幅になるような光検出器(PD)を設けると良い。しかし、さらに良いのは、汎用の光検出器(PD)2284の前に、副走査方向の光束幅を規制するアパーチャ(図示せず)を設け、光検出器(PD)2284に入射する光ビームの副走査方向の幅を規制するのが良い。このように汎用の光検出器(PD)とアパーチャを組合わせることで、低コストに光ビームの副走査位置を検出することができる。
ここで、回折光学素子2283で回折された回折像のパターンの副走査方向の一部を光検出器(PD)2284で検出するとき、光検出器(PD)で検出可能な副走査方向の幅Psubは、回折光学素子2283で分岐されたビームの副走査方向の間隔Bsub(最も狭いドット間隔)の整数倍と異ならせるのが良い。PsubがBsubの整数倍に等しくなると、入射ビームが副走査方向に変化した際に、上記で説明した方法を用いて検出したビームの副走査位置の検出結果が、図11に示すように波打った特性となる。これは、回折光学素子で分岐された複数のビームが離散的に並んでいることに起因する。図11の特性はリニアであることが理想的であり、リニアからずれるに従って、上記の方法で検出した副走査位置の検出結果の検出誤差が増大する。
そこで、PsubをBsubの整数倍からずらすと、離散的な分岐ビームが光検出器(PD)による検出の際に平均化されることになるので、図11の特性はリニアに近づき、副走査位置の検出誤差を低減することができる。
また、
Psub−Bsub×n(ただし、Psub>Bsub×nであるときの最大の正の整数)
がBsubの1/2程度にするのが最も望ましい。
回折光学素子2283による回折像は、光軸を中心として、180°回転対称とするのが良い。ここで、光軸とは、入射ビームが進む向きを指す。回折光学素子2283を用いて所望の回折像(直接像(+1次回折光))を得る際、所望の回折像が光軸を中心として180°回転した像(共役像(−1次回折光))が発生する。また、回折光学素子を2段階の位相(高さ)で実現したときには、原理的に直接像と共役像が1:1の割合で発生する。そこで、所望のパターンを光軸に対して180°回転対称なパターンにしておけば、直接像と共役像が重なるため、光利用効率が増大するだけでなく、ノイズ光の発生を防止することができる。
[実施例6:第18〜第20の手段の実施例]
上記の実施例1〜5においては、光ビーム(光スポット)の副走査方向の位置を検出する方法を説明したが、実用上は更に光ビームの副走査方向の位置を補正可能な副走査位置補正手段を有しているのが良く、そうすることで、例えば多色画像形成装置に展開した際に、色ずれや画像歪みの少ない高品質なカラー画像を提供することができる。
ここで、本発明に係る「副走査位置補正手段」とは、光走査装置により形成される画像の副走査方向の位置を補正可能な手段を表しており、被走査面上における光ビーム(光スポット)の物理的位置を変更する手段の他に、光走査を行うタイミングや光走査装置に与える画像データを変更することにより、画像の副走査方向位置を補正することも本発明の範疇に含まれる。
光ビームの副走査方向の位置を補正可能な副走査位置補正手段として、以下に3つの例を説明する。
まず第一の例として、姿勢制御手段で光学素子(例えばくさび形プリズム)を回動させることにより光ビームの副走査方向の位置の補正を行う方法について説明する。図12は、互いに非平行な入射面と射出面を有し、不図示の回動機構(姿勢制御手段)によって光軸を中心に回動可能なくさび形プリズム501を用い、くさび形プリズム501を光軸を中心に回動させることにより、くさび形プリズム501より出射される光ビームの副走査方向の角度を変化させる例を示した図である。くさび形プリズム501は、角度αの非平行な入射面と射出面をもったプリズム状の部材であり、光源ユニット250(a〜b)とポリゴンミラー213の間に設置するのが良い。
このくさび形プリズム501は、回動に応じて、入射光に対して副走査方向に対応する方向W1に偏向した出射光を出射する。なお、図12におけるW2は主走査方向に対応する方向であり、W3は光軸方向である。この場合には、画像形成装置の書き込み制御系(図示せず)は、前述の副走査位置検出手段228で検出された光スポットの副走査方向の位置ずれ量及び位置ずれ方向に基づいて、該位置ずれが補正されるようにくさび形プリズム501を回動させる駆動信号を生成し、図示しない回動機構(姿勢制御手段)に出力することにより、光軸方向W3に対して、くさび形プリズム501を回転させる。これにより、くさび形プリズム501から出射される光ビームの副走査方向の角度が変化し、被走査面上における光スポットの副走査方向の位置を補正することが可能となる。
次に第二の例として、図13に示すように、液晶偏向素子43を用いて副走査ビーム位置補正を行う方法について説明する。液晶偏向素子43は、電圧を印加すると或る偏光方向を持った光に対する屈折率が変化することを利用して光を偏向させる素子である。また、液晶に限らず、ニオブ酸リチウム(LiNbO)等の他の電気光学材料を用いても実現することができる。以下では、電気光学材料として液晶を例にとり、図13を用いて説明する。なお、液晶偏向素子43は、上記のくさび形プリズムと同様に、光源ユニット250(a〜b)とポリゴンミラー213の間に設置して使用する。
図13(a)は液晶偏向素子43の外形形状(正面図及び側面図)を示している。液晶偏向素子43の中央部には光ビームの光路を偏向可能な有効エリアがある。
図13(b)は、液晶偏向素子43の光路偏向可能な有効エリア内の透明電極52−1を入射側から見た図である。透明電極52−1は図面の上下方向に長いストライプ状の透明電極パターン56が等間隔に(左右方向に)配列されており、各ストライプ状の透明電極56−1,56−2,・・・,56−nは、一対の抵抗部材55により電気的に接続されている。なお、図面の左右方向はレーザビームが光路偏向される方向であり、複数ビームの走査線間隔を補正する場合には、副走査方向に対応する方向である。
図13(c)の(i)に、液晶偏向素子43の構造の一例を示す。この図は液晶偏向素子43の断面構造及び液晶分子の配向状態を表している。
図13(c)の(i)において、厚さ数μm〜数十μm程度の液晶層54が、透明電極52−1,52−2及び配向膜53を介して、2枚のガラス基板51−1及び51−2に挟持されている。本図においては下側(レーザビームの入射面側)の透明電極52−1は、図13(b)に示すような等間隔に配列したストライプ状の電極パターン56(56−1,56−2,・・・,56−n)を呈しており、上側(レーザビームの出射面側)の透明電極52−2は全面一様の電極パターンとなっている。
図13(b)に示すストライプ状の電極パターンの左右両端(56−1及び56−n)には、2つの端子(端子1及び端子2)が具備されており、この2つの端子に、画像形成装置の書き込み制御部(図示せず)からの駆動信号を印加することができる。すなわち、端子1及び端子2に駆動信号として異なる電圧を印加することにより、図13(c)(ii)に示すように、液晶層内には抵抗55の抵抗値Rを比例定数とする線形の電位分布(一定勾配)を発生することができる。この電位分布に従い、液晶層54内の液晶分子のチルト角φを変化させることができる。このように配向した液晶分子に、(電圧無印加時の)液晶の長軸方向に偏光した光ビームを入射すると、この光ビームは、図13(c)(iii)に示すように、偏光方向と同じ方向に屈折率の勾配を感じる。よって、この液晶偏向素子43はプリズムのように働き、光ビームを偏向することができる。端子1,2に印加する電圧を変化させると、屈折率の勾配を変化させることができるため、光ビームの偏向角を制御することができる。
なお、上記のくさび形プリズム501や液晶偏向素子43を用いた副走査方向の位置の補正方法は、画像の副走査方向の形成開始位置の補正だけでなく、1つの画像の途中においても副走査方向の位置の補正が可能である。
次に第三の例として、画像の副走査方向の形成開始位置を、画像解像度に応じた1ライン単位で補正する方法について、図14を用いて説明する。
まず、画像の形成開始について説明する。画像形成装置の図示しない書き込み制御部は、図示しない操作パネルからのキー入力等により発生される、動作を開始する光走査制御部動作開始信号(STOUT信号)を検出した後、光走査開始信号(SOS信号)をカウントし、あらかじめ設定されたカウント数N=Csに達したときに、画像形成を開始する。この光走査開始信号(SOS信号)は、PD等の光検出器より1走査につき1回検出される。
副走査方向の画像形成開始位置を、画像解像度に応じた1ライン単位で調整するためには、カウント数Nの値を変化させればよい。カウント数Nの値を1減らせば(図13(a)における(2)N=Cs−1)、副走査方向の画像形成開始位置が図13(b)の(2)のラインのように、(1)のラインよりも1ライン分早くなり、カウント数Nの値を1増やせば(図13(a)における(3)N=Cs+1)、副走査方向の画像形成開始位置が図13(b)の(3)のラインのように、(1)のラインよりも1ライン分遅くなる。
以上のように、光走査開始信号(SOS信号)のカウント値を変化させることにより、副走査方向の画像形成開始位置を補正することができ、画像の解像度が600dpiであれば42.3μm、1200dpiであれば21.2μm単位で補正することができる。
また、例えば画像データの先頭部に空白ラインを設け、その空白ライン数を変化させることによっても、上記と同様の補正が可能である。
以上、3種類の副走査方向位置の補正方法の例を説明したが、副走査方向の画像形成開始位置を1ライン単位で補正する方法が最も簡便であり好適である。しかし、最小補正単位が画像解像度の1ライン単位であるため、更に高精度な補正のためには、図12に示したように、くさび形プリズム501と姿勢制御手段を用いる方法や、図13に示したような液晶偏向素子43を用いる方法等を用いる必要があり、これらを用いることにより、1ライン単位以下で且つアナログ的な補正が可能になる。
[実施例7:第21、第22の手段の実施例]
次に本発明に係る光走査装置を多色(カラー)画像形成装置に展開した実施例を示す。
図15に本発明に係る光走査装置を用いた多色(カラー)対応の画像形成装置の一構成例を示す。図中の符号111a,111b,111c,111dは、転写ベルト110に沿って並設され,イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像が形成される感光体ドラムであり、図中の矢印方向に回転される。各感光体ドラム111a,111b,111c,111dの周囲には、帯電装置112a,112b,112c,112d(図では帯電ローラによる接触式のものを示しているが、この他、帯電ブラシや、非接触式のコロナチャージャ等を用いることもできる)、本発明の光走査装置113、各色のトナーで現像を行う現像装置114a,114b,114c,114d、転写装置(転写チャージャ、転写ローラ、転写ブラシ等)115a,115b,115c,115d、クリーニング装置116a,116b,116c,116dが配設されている。また、図中の符号117は定着装置、119は記録紙等のシート状記録媒体Sを積載した給紙カセット、120は給紙ローラ、121は分離ローラ、122は搬送ローラ、123はレジストローラを示している。
感光体ドラム111a,111b,111c,111dは潜像形成手段である光走査装置113により画像情報に応じて強度変調された光ビームが露光され、静電潜像が形成される。この露光工程を行う光走査装置113の基本的な構成は前述の実施例で説明した通りであり、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに対応して4つの光走査装置を配置しても良いが、図15の例では、図1、図2、図4と同様に1つの偏向手段で4系統のマルチビームを振り分けて走査する構成である。すなわち、図15に示す光走査装置113では、図1、図2、図4と同様に、4つの感光体ドラム111a,111b,111c,111dにそれぞれ対応するための4つの光源ユニット250a〜250dとシリンドリカルレンズ209a〜209d、偏向手段である1つのポリゴンミラー213、4系統の光学系(fθレンズ218a〜218d、折り返しミラー224a〜224d、トロイダルレンズ220a〜220d、折り返しミラー227a〜227d等)を備えており、1つのポリゴンミラー213で4系統の光ビームを左右に振り分けて走査し、4系統の光学系で各光ビームを各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに照射する構成である。
各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに形成された静電潜像は、イエロー現像装置114a、マゼンタ現像装置114b、シアン現像装置114c、ブラック現像装置114dによって現像され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像として顕像化される。また、この現像工程にタイミングを合わせて給紙カセット119から転写媒体であるシート状記録媒体Sが給紙ローラ120と分離ローラ121により1枚ずつ給紙され、搬送ローラ122を経てレジストローラ123に至る。そして、上記の現像工程で顕像化された各感光体ドラム111a,111b,111c,111d上のトナー像が転写位置に来るタイミングに合わせてレジストローラ123によりシート状記録媒体Sが転写ベルト110に送り出され、転写ベルト110によりシート状記録媒体Sが担持されて各色の転写位置に順次搬送される。そして、転写ベルト110を挟んで各感光体ドラム111a,111b,111c,111dに対向して配置された転写装置115a,115b,115c,115dにより転写バイアスが印加され、各感光体ドラム111a,111b,111c,111d上の各色のトナー像がシート状記録媒体Sに順次重ね合わせて転写される。シート状記録媒体S上に転写された4色重ね合わせのトナー画像(カラー画像)は定着装置117によって熱及び圧力を加えることにより定着される。そして、トナー画像を定着されたシート状記録媒体Sは装置外の図示しない排紙部に排出される。また、トナー画像転写後の各感光体ドラム111a,111b,111c,111dはクリーニング装置116a,116b,116c,116dのクリーニング部材(ブレード、ブラシ等)によりクリーニングされて残留トナーや紙粉が除去される。
なお、図15に示す画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれか1色の画像を形成する単色モード、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれか2色の画像を重ねて形成する2色モード、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれか3色の画像を重ねて形成する3色モード、上記のように4色の重ね画像を形成するフルカラーモードを有し、これらのモードを図示しない操作部にて指定して実行することで単色、多色、フルカラーの画像形成が可能である。
また、図15に示す構成の画像形成装置では、各色の作像部で帯電→露光→現像→転写という工程を経てシート状記録媒体S上に多色画像形成を行なうものであるが、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dからシート状記録媒体Sに直接転写する方式に換えて、中間転写ベルト等の中間転写媒体を用い、各感光体ドラム111a,111b,111c,111dから中間転写ベルトに1次転写して各色の重ね画像を形成した後、中間転写ベルトからシート状記録媒体Sに一括して2次転写する構成の、中間転写方式の画像形成装置としてもよい。
以上のように、本発明に係る画像形成装置では、各色の作像部で帯電→露光→現像→転写という工程を経てシート状記録媒体S上に多色(カラー)画像形成を行なうものであるが、本発明の光走査装置を多色画像形成装置に適用することにより、副走査位置検出手段228a〜228dで各色ごとの光ビームの副走査方向の位置を求めることができ、さらに各色ごとに光ビームの副走査位置補正手段(図12または図13あるいは図14)を設けることにより、出力画像における各色間での副走査方向の色ずれを低減することができ、高品位で高画質な画像を提供することができる。
また、従来では、転写ベルト110(または中間転写ベルト)上に、トナーでパターンを作成し、そのパターンを、発光素子、受光素子、集光レンズ等で構成されるパターン検出手段で検出することで、画像の副走査方向の色ずれを検出し、色ずれの補正をしていたが、そのような補正方法は、色ずれ検出に時間がかかり生産性を低下させていたばかりでなく、トナーを無駄に消費し、環境に負荷をかけていた。これに対して、本発明の光走査装置における光ビームの副走査位置検出方法では、トナーによりパターンを形成する必要はないため、生産性を向上でき、且つトナー消費量を低減することができる。また、パターン検出手段を省略することができるので、コストの低減を図れる。
なお、上記の実施例では、多色(カラー)画像形成装置を例に上げて説明したが、単色の画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
複数の像担持体を並設した画像形成装置に展開した光走査装置の一実施例を示す概略斜視図である。 図1に示す光走査装置のポリゴンミラー以降の光学系の構成例を示す概略断面図である。 回折光学素子により所望の回折像を得る場合の説明図である。 図1、2に示す光走査装置の偏向走査面上に展開した光学系配置を示す図である。 回折光学素子と光検出器を用いたビーム位置検出方法の一例を示す説明図である。 回折光学素子を用いたビーム位置検出方法の具体例を示す説明図である。 本発明の光走査装置に適する回折像の例を示す図である。 回折光学素子の単位構造と、その単位構造が周期的に配列された例を示す図である。 回折光学素子に入射する光ビームのスポット径と、単位構造の大きさの関係を示す図である。 回折光学素子により所望の回折像と、高次回折光による回折像が発生する様子を示した図である。 入射ビームの副走査位置変化と、光検出器による副走査位置検出結果の関係を示す図である。 くさび形プリズムの回動による光ビームの副走査位置補正手段の説明図である。 液晶偏向素子による光ビームの副走査位置補正手段の説明図である。 画像の副走査方向の形成開始位置の調整による副走査位置補正手段の説明図である。 本発明に係る光走査装置を用いた多色(カラー)対応の画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。
符号の説明
43:液晶偏向素子(副走査位置補正手段)
51−1,51−2:ガラス基板
52−1,52−2:透明電極
53:配向膜
54:液晶層
55:抵抗
56:透明電極パターン
110:転写ベルト(または中間転写ベルト)
111a,111b,111c,111d:感光体ドラム(像担持体(被走査面))
112a,112b,112c,112d:帯電装置
113:光走査装置
114a,114b,114c,114d:現像装置
115a,115b,115c,115d:転写装置
116a,116b,116c,116d:クリーニング装置
117:定着装置
118:転写ベルト
119:給紙カセット
120:給紙ローラ
121:分離ローラ
122:搬送ローラ
123:レジストローラ
209a,209b,209c,209d:シリンドリカルレンズ
213:ポリゴンミラー(偏向手段)
218a,218b,218c,218d:fθレンズ
220a,220b,220c,220d:トロイダルレンズ
224a,224b,224c,224d:折り返しミラー
227a,227b,227c,227d:折り返しミラー
228a,228b,228c,228d:副走査位置検出手段
250a,250b,250c,250d:光源ユニット
501:くさび形プリズム(副走査位置補正手段)
2281:ミラー
2282:レンズ
2283:回折光学素子
2284:光検出器(フォトダイオード(PD))
S:シート状記録媒体

Claims (22)

  1. 光源と、前記光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された光ビームを被走査面上に集光する走査光学系とを有する光走査装置において、
    前記偏向手段により偏向された光ビームが通過する光路上に配置され前記光ビームを回折して複数ビームに分岐し所望のパターンの回折像を形成する回折光学素子と、前記回折像の副走査方向の一部を検出する光検出器とを備え、
    前記偏向手段による光走査とともに前記回折像で前記光検出器上を光走査し、前記回折像は1度の光走査で少なくとも2度、前記光検出器で信号が検出されるパターンに設定するとともに、前記光検出器と前記回折像との相対的な副走査方向の位置関係に応じて、前記回折像の1度の光走査で前記光検出器により少なくとも2度検出される信号の時間間隔が変化することを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子は、入射光の位相のみを制御する位相型回折光学素子であることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または2に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子は、所定の単位構造が周期的に配置された構造であることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項3に記載の光走査装置において、
    前記単位構造と単位構造の境界は滑らかに接続されるように、前記回折光学素子の構造を設定することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項3または4に記載の光走査装置において、
    前記単位構造における最も長い対角線の長さは、入射ビームのスポット径よりも小さいことを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子の単位構造は、複数のピクセルによって構成されていることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記回折像のパターンは、分岐された光ビームのスポットが非平行に並んでいる部分を少なくとも有することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7に記載の光走査装置において、
    前記回折像のパターンは、分岐された光ビームのスポットが平行に並んでいる部分を更に有することを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項6に記載の光走査装置において、
    前記回折像のパターンは、主走査方向である光走査方向の回折角分布における幅をθmax、前記回折光学素子のピクセルの間隔をp、使用波長をλとしたとき、次の条件式、
    arcsin(λ/p)>θmax
    を満たすように、pを設定することを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項9に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子による高次回折光が前記光検出器に入射しないように、前記光源の点灯タイミングを設定することを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項6に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子の基板における光ビームの入射面側に前記単位構造を設けることを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項6に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子のピクセル間隔をp、使用波長をλとしたとき、
    λ>p
    とすることを特徴とする光走査装置。
  13. 請求項6に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子のピクセル間隔をp、使用波長をλ、基板の屈折率をnとしたとき、
    λ/n>p
    とすることを特徴とする光走査装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記回折光学素子への入射光は、該回折光学素子の入射面に対して略垂直であることを特徴とする光走査装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記光検出器に入射する光ビームの副走査方向の幅を規制する手段を設け、前記回折像のパターンの一部を光検出器で検出することを特徴とする光走査装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記回折像のパターンの副走査方向の一部の幅は、隣り合う分岐された光ビームの副走査方向の間隔と異ならせることを特徴とする光走査装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記回折像のパターンは、光軸を中心として180°回転対称であることを特徴とする光走査装置。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記光ビームの副走査位置を補正する走査位置補正手段を有し、前記光検出器からの信号に基づいて前記走査位置補正手段により前記光ビームの副走査位置を補正することを特徴とする光走査装置。
  19. 請求項18に記載の光走査装置において、
    前記走査位置補正手段は、前記光源と前記偏向手段の間に配置された光学素子の姿勢制御手段か、もしくは前記光源と前記偏向手段の間に配置された液晶偏向素子に印加する電気信号制御手段であることを特徴とする光走査装置。
  20. 請求項18に記載の光走査装置において、
    前記走査位置補正手段は、前記被走査面上の画像の副走査方向の形成開始位置を、画像解像度に応じた1ライン単位で副走査方向にシフトさせる手段であることを特徴とする光走査装置。
  21. 像担持体と、該像担持体を被走査面として光ビームを照射して静電潜像を形成する光走査装置と、該光走査装置により前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で顕像化する現像手段と、前記像担持体上に顕像化された画像を、記録媒体に直接または中間転写体を介して転写する転写手段とを有し、画像を出力する画像形成装置において、
    前記光走査装置として、請求項1〜20のいずれか1項に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  22. 並設された複数の像担持体と、該複数の像担持体の各々に光ビームを照射して静電潜像を形成する光走査装置と、該光走査装置により各像担持体上に形成された静電潜像を色の異なる現像剤で顕像化する現像手段と、前記各像担持体上に顕像化された各色の画像を、記録媒体に直接または中間転写体を介して重ね合わせて転写する転写手段とを有し、多色またはカラー画像を出力する画像形成装置において、
    前記光走査装置として、請求項1〜20のいずれか1項に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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