JP4927198B2 - ビデオデコーダにおける番組固有情報のエラー管理のためのシステム - Google Patents

ビデオデコーダにおける番組固有情報のエラー管理のためのシステム Download PDF

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Description

(背景)
本発明はデジタル信号処理の分野に関し、より詳細には、パケット化されたビデオ、音声、および他の情報の獲得およびデコードに使用される、不完全な番組固有情報の処理に関する。
ビデオの放送および処理用のアプリケーションでは、デジタルビデオデータは通例、周知の規格の要件に従うように符号化される。このような規格で広く採用されているのは、MPEG2(Moving Pictures Expert Group)画像符号化規格である。本明細書では以降これを「MPEG規格」と呼ぶ。MPEG規格は、システム符号化の部(ISO/IEC 13818−1 1994年6月10日)とビデオ符号化の部(ISO/IEC 13818−2 1995年1月20日)からなる。MPEG規格に従って符号化されたデータは通例、多くの番組チャネルのデータ内容(例えばケーブルテレビチャネル1〜125に対応するコンテンツ)を含む、パケット化されたデータストリームの形をとる。さらに、いくつかのデジタルのサービスおよびチャネルは、以前には単一のアナログチャネルが占めていた周波数帯域を占めることもある。以前アナログのNTSC互換放送チャネルに割り振られていた6MHzの帯域幅は、現在では複数のデジタルのサブチャネルに分割して、多様なサービスを提供することが可能である。例えば、RFチャネル13の放送帯域は、メイン番組のチャネル、株価を提供する金融サービスチャネル、スポーツニュースのサービスチャネル、ショッピングおよび双方向のチャネルを含むサブチャネルに割り振ることができる。また、異なるサブチャネルで搬送されるデータは、データ形式が異なっていてもよい(例えば、アナログ、デジタルなど)。
国際公開第97/46010号 特開平10−21299号公報
Digital Communication、LeeおよびMesserschmidt(Kluwer Academic Press、Boston、MA、USA、1988年)
このようなデジタルビデオシステムでは、例えばテレビに表示するために、パケット化されたデータを獲得およびデコードするのに使用される補助的な番組固有の情報の処理には多くの問題がある。補助的な番組固有情報には、選択された番組を含むパケットを識別し、組み合わせるのに使用されるデータが含まれ、また、伝送された番組データに関連付けられた番組ガイドおよびテキスト情報も含まれる。補助的な番組固有情報は、様々な放送源、例えばABC、CBS、NBCなどといった各放送局から得られ、多くの番組チャネル(例えばチャネル1〜125)の番組コンテンツデータとともに、パケット化されたデータストリームの形で、複合的な番組固有情報として照合および伝送される。この処理の結果、伝送後にビデオデコーダによって受信された補助的な番組固有情報がエラーを含む場合がある。このエラーは、照合プロセスを通じて、あるいは放送局の誤解や非互換性によって発生するとともに、伝送プロセス自体によって生じるデータの破損によって発生することもある。本発明の原理によると、システムは、補助的な番組固有情報を獲得および処理して、そのようなエラーによって生じる問題を軽減する。
(概要)
処理システムは、階層的に並べられた複数の情報テーブルを含む補助的な番組固有情報を含む、パケット化された番組情報をデコードする。補助的な情報は、パケット化された番組情報を獲得およびデコードして、ビデオ番組を表示のために提供するのに使用される。この処理システムでは、番組固有情報の第1のテーブル(例えば仮想チャネルテーブル(VCT)、またはチャネル情報テーブル(CIT))のバージョン番号と、それに対応する、第2のテーブル(例えばマスタガイドテーブル(MGT))で搬送される第1のテーブルのバージョン番号との間の不一致の検出を伴う方法を用いる。不一致が検出された場合、強制的に、第1および第2のテーブルが互換性のある第1のテーブルのバージョン番号を含むようにする。強制的に含ませた互換性のあるバージョン番号を含む第1および第2のテーブルを含む番組固有情報を使用して、パケット化された番組情報をデコードし、ビデオ番組を表示のために提供する。
他の特徴では、検出された不一致を無視することにより、パケット化された番組情報のデコードを可能にする。さらに、検出された不一致に関連づけられたチャネル、または他の番組固有情報のエラー状態を取り除くようにユーザのチャネルラインナップを編集する。
番組固有情報テーブルのバージョン番号を搬送する、例示的マスタガイドテーブル(MGT)の図である。 それ自体のバージョン番号を含む、例示的仮想チャネルテーブル(VCT)の図である。 本発明による、ビデオおよび音声のデコードアプリケーションのための、番組固有情報を処理する際のエラー状態を管理する方法の流れ図である。 本発明による、図3のプロセスを使用して、パケット化された番組情報をデコードするデコーダシステムの図である。
(図面の詳細な説明)
番組固有情報(PSI)は選択された番組チャネルの内容を再生するために個々のデータパケットを識別して組み立てる際に使用する番組案内データおよび情報を含む。番組固有情報はMPEG準拠フォーマット(MPEGシステム規格、セクション2.2.4)で搬送でき、または1997年12月23日にAdvanced Television Systems Committee(ATSC)によって公開されたProgram and System Information Protocol for Terrestrial Broadcast and Cable(本明細書では以後PSIP規格またはその他のATSC規格と呼称)に準拠するフォーマットで搬送できる。さらに、データ構造体要素は特定のシステムの所有要件またはカスタム要件に従って形成することができる。番組固有情報は通常、多数の階層配列され相互リンクされたテーブルに構築される。テーブルはTVチャネル、TV番組、チャネルパラメータ、番組パラメータ、それらに対応するマルチメディアオブジェクトおよびオブジェクトパラメータなどの集合またはシーケンスを列挙し記述するのに使用される一連のデータおよびパラメータからなる。例示のPSIP階層テーブル構成は、マスタガイドテーブル(図1のPSIP準拠MGTに例示)、仮想チャネルテーブル(VCT−1、VCT−2など、図2のPSIP準拠VCTに例示)、イベント情報テーブル(EIT−1、EIT−2)、および拡張チャネル情報テーブル(EVCT−1、EVCT−2、EVCT−3)などのオプションのテーブル、ネットワーク情報テーブル(NIT)および拡張イベント情報テーブル(EEIT−1、EEIT−2)を含む。
MGT(図1に例示)は、VCT(図2に例示)を含むその他のテーブル内で搬送される番組固有情報を獲得するのに使用する情報を含む。特に、MGTは個々のチャネルで送信されているその他のすべてのPSIPテーブルのバージョン番号、長さ、およびパケット識別子(PID)を含むリストを含む。その他のテーブルもそれぞれの個々のバージョン番号を含み、これらのバージョン番号は通常の運用時にはMGT内で搬送されるそれに対応するバージョン番号と一致するはずである。VCTは特定の移送ストリーム内で搬送されるチャネルの属性リストを含み、ユーザが選択した番組チャネルを受信するための同調とナビゲーションの情報を含む。EITはVCT内にリストされたチャネルで受信可能な番組(イベント)の記述リストを含む。VCT、EITまたはその他のテーブルのいずれかを用いて、ユーザが特定の番組を選択して同調するための情報を搬送することができる。VCTは通常、いくつかのイベント(TV番組)を通して一定である視聴覚番組コンテンツデータを獲得するためのパラメータを搬送するのに使用される。EITは通常、あるイベント(個々のTV番組)に対して一定である視聴覚番組コンテンツデータのパラメータを搬送するのに使用される。NIT(オプションテーブル)は放送ネットワーク全体(地上、衛星、ケーブルなど)のパラメータリストを含む。EVCTおよびEEITは追加のVCTおよびEIT情報を収容する拡張テーブルである。階層構造のテーブル内の項目を記述し補足する追加の番組固有情報は記述子(descriptor)情報要素内で搬送される。
発明者は、個々の番組固有情報テーブル間のバージョン番号一致の妥当性検査を実行する際に、問題が発生する可能性を認識している。VCTの妥当性検査は、例えば、VCTそれ自体の内部で搬送されるVCTバージョン番号とMGT内部で搬送されるそれに対応するVCTバージョン番号との比較を含む。その他の番組固有情報テーブルについても同様の妥当性検査が実行される。いくつかの異なる理由からバージョン番号の不一致が発生することがある。例えば、放送業者がバージョン番号が一致しないがその他のすべての点で有効なMGTとVCTとを誤って送信することがある。あるいは、MGTを獲得し、VCTを獲得する前に番組固有情報テーブルが更新された場合、バージョン番号の不一致が発生することがある。更新されたテーブルは新しいバージョン番号を含み、その結果、MGTは、獲得されたVCTのバージョン番号よりも古いVCTバージョン番号を搬送することになる。バージョン番号の不一致は伝送または獲得プロセスおよびその他の手順でのデータ破壊が原因で発生することもある。
デコードシステムでは、例えばMGTとVCTとの間でバージョン番号不一致が検出されると、1つの初期応答でVCTを再獲得することができる。MGTの方が監視頻度が高くしたがって最新の値であることが多いので、通常、MGTではなくVCTの方が再獲得される。MGTはその他のテーブルのバージョン番号のインデックスを含むので、MGTの方が監視頻度が高く、したがって、MGTを効率的に用いて他のどのテーブルが変更され、再獲得される必要があるかを判定できる。
放送業者が一致しないバージョン番号を有するがその他のすべての点で有効なMGTおよびVCT番号を誤って送信すると、VCTまたはMGTの再獲得によってこの不一致は解決されない。これは、この場合、MGTはVCTと一致しないからである。この結果、VCTまたはMGTの連続的な再獲得を含む障害モードが生成されるおそれがある。これと対照的に、MGTとVCTの獲得の間に番組固有情報テーブルの更新が介在したためにバージョン番号の不一致が起こった場合、VCTの再獲得によって不一致は成功裏に解決される。ただし、バージョン番号の不一致が解決されるとVCTの再獲得がさらに遅延する。VCTの再獲得によって、MGTとVCTの伝送または獲得プロセスでのデータ破壊によって引き起こされるバージョン番号の不一致が、成功裏に解決される(ただし遅延が発生する)。バージョン番号の不一致が解決されると、VCTからチャネル情報を取り出して同調とナビゲーションに使用してユーザが選択した番組チャネルを受信することができる。
発明者はバージョン番号の不一致とそれに伴う再獲得の遅延の問題が、有利なことに、VCT(またはその他のテーブル)のバージョン番号をMGT(またはその他のテーブル)内で搬送されるそれに対応するバージョン番号に強制的に一致させることで、最小限にするかまたは解消できることを認識している。特に、(MGT内で搬送されるバージョン番号に対応する異なるバージョン番号を備えた)VCTが最初に獲得された時に、MGTをメモリ内で変更することができる。したがって、MGTとVCTとの妥当性検査を実行すると、バージョン番号が一致し、VCTからのチャネル情報を使用してチャネルを獲得することができる。別の実施形態では、VCTまたはMGTデータの使用不能を招く破壊の、その他の指示がないという条件で、バージョン番号の不一致を無視して、チャネル獲得のためVCT情報が使用される。
本発明の原理を階層構造の番組固有情報が送受信される地上、ケーブル、衛星、インターネットまたはコンピュータネットワーク放送システムに提供することができる。そのようなシステムは、例えば、他のタイプの符号化データストリームおよび番組固有情報を搬送する他の方法を含む非MPEG準拠システムを含むことができる。そのような他の方法は、例えば、MPEG−PSI、インターネットTCP/IP(転送制御プロトコル/インターネットプロトコル)、DSS(ディジタル衛星システム)、ATM(非同期転送モード)などを含む移送構造を使用することができる。さらに、開示されたシステムは放送番組を処理するものとして記述されているが、これは例示にすぎない。「番組」という用語は、例えば、音声データ、電話メッセージ、コンピュータプログラム、インターネットデータまたはその他の通信などの任意の形式のパケット化データを表すものである。
図3は、ビデオおよび音声のデコードアプリケーションのための、番組固有情報を処理する際の、バージョン番号の不一致と他のエラー状態を管理する方法の流れ図を示す。図3の方法は、それぞれ図1および2の例示のPSIP準拠のMGTおよびVCTを処理するのに使用される。図3で処理されるVCTは、RFまたは物理伝送チャネル(PTC)をサブチャネル(仮想または論理チャネルとも呼ばれる)に関連付ける。各物理伝送チャネル(PTC)には6MHzの帯域幅が割り当てられ、例えば、最大6つのサブチャネルを含む。図3のプロセスは、PSIP準拠のMGTおよびVCTを含む番組固有情報を獲得する際にデコーダ内で使用される。獲得された番組固有情報は、ユーザが選択したサブチャネルおよびそれに対応するPTCを獲得するために使用される。図3のプロセスは番組固有情報が更新されるたびに使用される。番組固有情報は通常定期的に更新されるが、現在選択されているPTCと異なるPTCの新しいチャネルをユーザが選択しても更新される。ユーザがすでに選択されているPTCに関連する別のサブチャネルを選択した場合、新しいVCTを確認する必要はない。
図3の開始ステップ250に続けて、ステップ253で、番組固有情報テーブルのバージョン番号はMGT内で搬送されるそれに対応するバージョン番号と比較され、不一致がないか検出される。特に、VCTバージョン番号(図2の項目140)はMGT内で搬送されるそれに対応するVCTバージョン番号(図1の項目135)と比較される。
不一致が検出されると、ステップ255で、バージョン番号の不一致が解決されるまで、VCT(および/またはMGT)が限られた回数だけ繰り返し再獲得される。別の実施形態では、検出された不一致に応答して、バージョン番号の一致を招くVCTまたはMGTの以前のバージョンを使用することができる。あるいは、ステップ255を省略してプロセスをステップ257で継続させてもよい。
ステップ257で、検出された不一致に応答して(ステップ255のテーブル再獲得を行うかまたは行わず)、VCTバージョン番号とMGT内で搬送されるそれに対応するバージョン番号は都合よく強制的に一致させられる。これはMGT内で搬送されるVCTバージョン番号をVCTそれ自体の内部で搬送されるVCTバージョン番号で置き換える(または書き換える)ことで実行できる。あるいは、これは、VCT内で搬送されるVCTバージョン番号をMGT内で搬送されるVCTバージョン番号で置き換える(または書き換える)ことで実行できる。したがって、MGTとVCTの妥当性検査を実行すると、バージョン番号は一致し、VCTからのチャネル情報を以降のチャネル獲得に使用できる。代替形態として、MGT内で搬送されるVCTバージョン番号とVCT自体の内部で搬送されるVCTバージョン番号の両方を元のどのバージョン番号とも異なる共通の値に設定することもできる。この共通のバージョン番号を使用して、特定の物理伝送チャネルについてVCT獲得時に不一致状態が発生したことを示すことができる。さらに共通のバージョン番号を使用して、VCT(またはMGT)への特別のエラー検出および/または訂正処理のアプリケーションをトリガして、VCT(またはMGT)がデータ破壊によって使用不能になってはいないことを保証できる。
別の実施形態では、ステップ257で、検出されたバージョン番号の不一致は無視され、バージョン番号の不一致があってもVCT情報はチャネル獲得に使用される。ただし、別の実施形態では、使用不能を招くVCTまたはMGTデータの破壊の、その他のエラー指示(以下のステップ260に例示する)がない場合、バージョン番号の不一致が無視されるだけである。
パケット化された番組情報はステップ260でエラー指示がないか検証される。特に、パケット化された番組情報(番組固有情報を含む)は、(a)MPEG連続カウントエラー、(b)MPEG不連続エラー、(c)MPEG移送エラー、(d)連続するタイムスタンプ間の変動が示すエラーがないか検証される。これらのインジケータはMPEGシステム規格内で(例えば、セクション2.4.3.5およびその他の場所で)定義され、またはエラーインジケータはMPEG準拠パラメータから引き出される。特定の物理伝送チャネル上で発生するそのようなエラー状態またはテーブルのバージョン番号の不一致状態が検出されると、ステップ263でデータベースに記録される。特に、データベースはステップ263で更新され、特定のサブチャネルとそれに対応する物理伝送チャネルを検出されたエラーまたは不一致状態に関連付ける。
ステップ265で、パケット化された番組情報のデコードは、データベースによって示されるバージョン番号の不一致またはその他のエラー状態に関連する、物理伝送チャネルには禁じられる。したがって、ステップ257でバージョン番号の一致が強制されるか無視され、ステップ260でエラー状態が検出されないと、パケット化された番組情報がステップ265でデコードされ、ディスプレイまたはオーディオ装置で再生できるビデオまたは音声番組が提供される。ステップ270でさらにデータベースを用いて、バージョン番号の不一致またはエラー状態に関連するチャネルをユーザのチャネルラインアップから削除することができる。障害状態に関連するチャネルを、電子プログラムガイド(EPG)の形式で、または別のチャネルリストの形式で表示されるユーザの表示可能なチャネルラインアップから、削除することができる。あるいは、障害状態に関連するチャネルを、障害状態に対応するものとして、EPGまたはその他のチャネルリスト内の可視表示によって、ユーザに対して識別できる(またチャネルを獲得できないことを示すことができる)。そのような障害表示を有利なことに診断または同調手順で使用できる。図3のプロセスをビデオデコーダを初期化する走査プロセスの一部として使用して、例えば特定の地理的位置のユーザの使用可能なチャネルラインアップを決定できる。図3のプロセスはステップ275で終了する。
図4は図3のプロセスを用いてパケット化された番組情報をデコードするディジタルビデオデコードシステムのブロック図を示す。特に、図4のシステムは放送(地上、衛星、ケーブルまたはインターネット)信号を復調してデコードする。地上モードでは、アンテナ10によって受信する、番組の代表的なMPEG準拠の、音声、ビデオ、および関連するデータを搬送するプログラムで変調された搬送波信号は、ディジタル形式に変換され入力プロセッサ13によって処理される。プロセッサ13は、入力信号を次の処理に適したより低い周波数帯域にダウンコンバートする無線周波数(RF)同調器と中間周波数(IF)ミクサと増幅段とを含む。この例示的なシステムでは、アンテナ10によって受信される地上入力信号は、125の物理伝送チャネル(PTC0〜124)を含む。各物理伝送チャネル(PTC)は6MHzの帯域幅を割り当てられ、例えば、最大6つのサブチャネルを含む。
例えば、ビデオ受信機のユーザが、リモートコントロールユニット70を用いて視聴するサブチャネル(SC)を選択すると仮定する。プロセッサ60はリモートコントロールユニット70からインタフェース65を介して提供される選択情報を用いて、選択されたサブチャネル(SC)に対応するPTCを受信するようにデコーダ100の要素を適切に設定する。ダウンコンバージョンに従って選択されたPTCのユニット13からの出力信号は6MHzの帯域幅を有する。以下の説明で、RFチャネルまたは物理伝送チャネル(PTC)は、1つまたは複数のサブチャネルを含む、割り当てられた放送業者の伝送チャネル帯域を指す。
プロセッサ60は、双方向制御および信号バスCを用いて選択したPTCを受信するように、ユニット13の無線周波数(RF)同調器と中間周波数(IF)ミクサと増幅段とを設定する。選択されたPTCのダウンコンバートされた出力周波数はユニット15によって復調される。復調装置15の基本機能は搬送周波数の再生およびトラッキング、送信されたデータクロック周波数の再生、およびビデオデータ自体の再生である。またユニット15は送信機クロックに対応し、プロセッサ13、復調装置15およびデコーダ17の動作タイミングをとるのに用いるサンプリングクロックおよび同期クロックを再生する。ユニット15からの再生された出力はデコーダ17に提供される。
復調装置15の出力は、ユニット17によって、周知の原理に従ってバイト長データセグメントに対応付けられ、デインタリーブされリード−ソロモン符号方式でエラーを訂正される。さらに、ユニット17はフォワードエラーコレクション(FEC;Forward Error Correction)の妥当性またはロックの指示をプロセッサ60に提供する。リード−ソロモン方式エラー訂正法は周知のタイプのフォワードエラーコレクションである。FECロック指示信号は、リード−ソロモン方式エラー訂正法が、訂正されているデータに同期し有効な出力を提供している、ということを知らせる。ユニット13、15および17によって実施される復調装置およびデコーダ機能は、個々に周知であり、例えば、参照文献のDigital Communication、LeeおよびMesserschmidt(Kluwer Academic Press、Boston、MA、USA、1988年)に概説してある。
他のモードでは、衛星、ケーブルおよびインターネットデータは入力ライン11、14および18で受信され、それぞれインタフェースアクセスモジュール74、78および72によって処理される。インタフェースモジュール74、78および72は、それぞれ、衛星、ケーブルおよびインターネットデータ形式のインタフェース機能を組み込んでいる。そのような機能は周知であり、該当する規格およびその他のドキュメントに詳述されている。これらのインタフェース機能は、地上モードにおいて、ユニット13、15および17によって実行される機能に対応する。さらに、地上モードに似た形で、プロセッサ60は双方向制御および信号バスCを用いて、衛星、ケーブルまたはインターネットデータを受信するように、ユニット74、78、72およびデコーダ100を設定する。デコーダ100は、地上モードで説明したのと同様の機能を用いるこれらのその他のモードにおいて、ユニット74、78または72によって調整されるデータを処理する。
ユニット17からの訂正された出力データは、MPEG準拠の移送プロセッサおよびデマルチプレクサ22によって処理される。特定の番組チャネルのコンテンツと番組固有情報のいずれかを含む個々のパケットは、そのテーブル識別子(テーブルID)および/またはパケット識別子(PID)によって識別される。
プロセッサ22は、パケットヘッダ情報内に含まれるパケット識別子(PID)の分析に基いて、タイプ別にデータを分離し、以降のビデオ、音声およびデータ圧縮解除に使用される同期およびエラー指示の情報を提供する。
プロセッサ22に提供される訂正済み出力データは、いくつかのサブチャネルを介して配信される多数の番組の、番組チャネルコンテンツと番組固有情報とを含む移送データストリームの形式である。この説明の例では、番組固有情報は特定のPTCの移送ストリーム内にあるサブチャネルを記述する。ただし、別の実施形態では、番組固有情報は他のPTC内にあって異なる移送ストリーム内で搬送されるサブチャネルも記述する。これらのグループの送信元が特定の放送業者であるか、それらのグループが以前はアナログNTSC準拠放送チャネルに割り当てられていた伝送帯域幅を占有しているという点で、これらのサブチャネルのグループは対応付けられる。さらに、移送ストリーム内の選択された番組チャネルを含む個々のパケットは、番組固有情報に含まれるPIDを用いて、プロセッサ22と連携動作するプロセッサ60によって識別され組み立てられる。
番組固有情報は、ユニット22と連携動作するプロセッサ60によって、ユニット17から入力されたデータストリームから獲得され組み立てられる。プロセッサ60は、ユニット17によって提供されるFECロック指示から、移送プロセッサ22に有効なデータが提供されていると判断する。そこで、プロセッサ60の内部メモリ内に記憶された所定のテーブルIDとPID値とを用いて、番組固有情報テーブルMGTおよびVCTテーブルが識別され組み立てられる。制御信号Cを用いて、プロセッサ60は、EIT、ETTおよびNITデータを含む残りの番組固有情報を含むデータパケットを選択するように移送プロセッサ22を設定する。各テーブルは、衛星放送受信アンテナフィード11、ケーブル線14および電話回線18などの異なる伝送媒体を介して異なるデータ形式および伝送プロトコルで、異なる送信元(例えば、衛星、ケーブル、またはインターネット送信元)との通信を開始するプロセッサ60によって、獲得できる。
プロセッサ22は、ユニット17(またはインターネット、ケーブルまたは衛星データ送信元の場合、ユニット72、74および78)によって提供される着信パケットの、テーブルIDおよびPID(または、例えばTCP/IP識別子、SCIDなどのその他のデータ識別子)を、プロセッサ60によってユニット22内の制御レジスタに事前にロードされたテーブルIDおよびPID値と照合する。さらに、プロセッサ60は、プロセッサ22によって取り込まれた番組固有情報パケットにアクセスし、解析し組み立て、番組固有情報をその内部メモリ内に記憶する。
選択されたサブチャネル(SC)の番組固有情報を含む階層構造テーブルを獲得し処理する際、プロセッサ60は図3の前述のプロセスを使用する。プロセッサ60は、デコーダ100と連携して、番組固有情報テーブルのバージョン番号をMGT内で搬送されるそれに対応するバージョン番号と比較して不一致を検出する。不一致の検出に応答して、プロセッサ60は、VCTバージョン番号とMGT内で搬送されるそれに対応するバージョン番号とを強制的に一致させる。このために、プロセッサ60は、MGT内で搬送されるVCTバージョン番号を、VCTそれ自体の内部で搬送されるVCTバージョン番号で置き換える(または書き換える)。したがって、その後MGTとVCTの妥当性検査を実行すると、バージョン番号が一致し、VCTからのチャネル情報を以降のチャネル獲得に使用できる。またプロセッサ60は、エラー指示のために取り込まれたパケット化番組情報を検証する。特に、プロセッサ60は、パケット化された番組情報(番組固有情報を含む)について、MPEG連続カウントエラー、MPEG不連続エラーおよびMPEG移送エラーがないか検証し、さらに、連続する提示タイムスタンプ(PTS)の過度の変動がないか検証する。プロセッサ60は、内部データベースを更新して、エラーまたはテーブルのバージョン番号の不一致状態の検出がサブチャネル(SC)およびそれに対応する物理伝送チャネルに関連することを示す。
プロセッサ60は、デコーダ100が、データベースに示されるバージョン番号の不一致またはその他のエラー状態に関連する、物理伝送チャネルのパケット化番組情報をデコードすることを禁止する。したがって、バージョン番号が事前に強制的に一致させられエラー状態が検出されない場合、デコーダ100は、パケット化番組情報をデコードしてディスプレイ50またはオーディオ装置55で再生するビデオまたは音声番組を提供する。またプロセッサ60は、データベースを用いてバージョン番号の不一致またはエラー状態に関連するチャネルを、ユーザのチャネルラインアップおよび電子プログラムガイド(EPG)リストから削除する。
インタフェース65を介したリモートユニット70からのチャネルSC選択コマンドに応答して、プロセッサ60は、獲得した番組固有情報から、PTC搬送周波数、復調特性、およびサブチャネルPIDを含む同調パラメータを取り出す。プロセッサ60は、この情報を用いて、選択されたサブチャネル(SC)番組のコンテンツを獲得するように、ユニット13、15、17およびデコーダ100の要素を設定する。
ユニット17(またはユニット72、74または78)からのデコーダ100へのパケット化デコード移送ストリーム入力は、例えばTV番組を表すビデオ、音声およびデータと、さらにサブピクチャデータを含む。サブピクチャデータは、例えば、マルチメディアオブジェクト、番組ガイド、表示コマンド、字幕、選択可能なメニューオプションまたはその他の項目を含む、視聴のためのユーザが選択可能な番組およびチャネルに関連する画像要素を含む。したがって、サブピクチャデータは、VCT内にリストされたサブチャネルで受信可能な番組(イベント)の記述リストを含むEITを含み、さらに、番組と番組のサブチャネルとを記述するテキストメッセージを含むEITを含む。
地上サブチャネル(SC)上で伝送されているビデオ、音声、データおよびサブピクチャデータは、ユニット74、78および72からの衛星、ケーブルまたはインターネットの送信元からの関連データと共に、ユニット22と連携動作するプロセッサ60によって獲得される。これは照合された番組固有情報を用いて達成される。プロセッサ60は、VCTおよび記述子から決定されたそれぞれのPID(またはその他の識別子)を用いて、ビデオ、音声、データおよびサブピクチャデータを識別する。またプロセッサ60は、他のデータ送信元(例えば、ケーブル、衛星またはインターネット送信元など)との通信を開始し、これらの送信元からビデオ、音声、データおよびサブピクチャデータを獲得する。
プロセッサ22は、デコーダ17とインタフェースユニット72、74および78によって提供される着信パケットのPID(またはその他の識別子)を、サブチャネル(SC)上で伝送され通信回線11、14および18を介して入力されているビデオ、音声およびサブピクチャデータの識別子の値に合わせる。こうして、プロセッサ22は、サブチャネル(SC)上で伝送される番組を構成するパケットとそれに対応するデータおよびマルチメディアオブジェクト(例えば、広告、ウェブページデータ、対話型アイコンなど)を取り込む。プロセッサ22は、これらのパケットを、ビデオデコーダ25、音声デコーダ35およびサブピクチャプロセッサ30にそれぞれ出力するために、MPEG準拠のビデオ、音声およびサブピクチャストリームに形成する。ビデオおよび音声ストリームは、選択されたサブチャネル(SC)番組コンテンツを表す圧縮されたビデオおよび音声データを含む。サブピクチャデータは、サブチャネル(SC)番組コンテンツと番組ガイド情報に関連する、マルチメディアオブジェクトとEITおよびETT情報とを含む。
デコーダ25は、ユニット22からのMPEG準拠のパケット化ビデオデータをデコードして圧縮解除し、マルチプレクサ40を介してNTSCエンコーダ45に、圧縮解除された番組を表すピクセルデータを提供する。同様に、音声プロセッサ35は、ユニット22からのパケット化音声データをデコードし、関連する圧縮されたビデオデータと同期したデコードされ増幅された音声データを、音声再生のために装置55に提供する。プロセッサ30は、ユニット22から受けとるマルチメディアオブジェクトを含むサブピクチャデータをデコードして圧縮解除し、画像を表すマルチメディアオブジェクト、テキスト、字幕およびグラフィックスデータを提供する。
プロセッサ30は、デコードされ圧縮解除されたマルチメディアオブジェクト、テキスト、字幕およびグラフィックスデータを組み立ててフォーマットし、オンスクリーンディスプレイ(OSD)およびグラフィックスジェネレータ37に出力する。ユニット37は、ユニット30からのマルチメディアオブジェクトとその他のデータを解釈してフォーマットし、ユニット50に提示する。フォーマットされたピクセルマップのテキストおよびグラフィックスデータは、ユニット50上での以降の表示のために、マルチメディアオブジェクトまたは番組ガイドまたは他のタイプのメニューまたはユーザインタフェースを表すことができる。
ユニット37はまた、EIT、ETTおよびその他の情報を処理して、ユニット50に提示するための、選択可能なメニューオプションおよびその他の項目を含む、字幕、コントロールおよび情報メニュー表示を表すピクセルマップデータを生成する。コントロールおよび情報表示によって、デコーダ100のユーザ操作のための、機能選択と装置動作パラメータの入力が可能になる。
OSDジェネレータ37によって生成されるテキストおよびグラフィックスは、プロセッサ60の命令下でオーバレイピクセルマップデータの形式で生成される。ユニット37からのオーバレイピクセルマップデータはプロセッサ60の命令下でマルチプレクサ40を介して、エンコーダ45内で、MPEGデコーダ25からの圧縮解除されたピクセルを表すデータと組み合され、同期化される。それによって、広告、ウェブページデータ、対話型アイコンなどのマルチメディアオブジェクトを、番組コンテンツまたは番組ガイドに含ませて表示できる。ビデオ番組を表す組み合わされたピクセルマップデータと、それに関連するマルチメディアオブジェクトと、それに関連するサブピクチャテキストメッセージデータは、NTSCエンコーダ45によって符号化され、装置50に出力されて表示される。
図4のシステムの記憶モードでは、ユニット17からの訂正された出力データは、デコーダ100によって処理され、MPEG準拠データストリームが提供されて記憶される。このモードでは、リモートユニット70およびインタフェース65を介して、ユーザによって記憶する番組が選択される。プロセッサ22は、プロセッサ60と連携動作して、MGT、VCT、EITおよびETTデータを含む圧縮された番組固有情報を形成する。圧縮された番組固有情報は、記憶するために選択された番組のデコードをサポートするが、関連性のない情報は除外する。プロセッサ60は、プロセッサ22と連携動作して、選択された番組のパケット化コンテンツデータとそれに関連する圧縮された番組固有情報とを含む、複合MPEG準拠データストリームを形成する。複合データストリームは記憶インタフェース95に出力される。
記憶インタフェース95は、複合データストリームをバッファに入れて、データ内の空隙と伝送速度の変動とを低減する。その結果としてのバッファに入れられたデータは、媒体105上に記憶するのに適するように記憶装置90によって処理される。記憶装置90は、インタフェース95からのバッファに入れられたデータストリームを、チャネル符号化、インタリーブおよびリード−ソロモン符号化方式などの、周知のエラー符号化技法を用いて符号化し、記憶に適した符号化データストリームを生成する。ユニット90は、こうして生成された、圧縮された番組固有情報を組み込んだ符号化データストリームを、媒体105上に記憶する。
図4のアーキテクチャは限定的なものではない。本発明の原理に従ってその他のアーキテクチャを考案して同じ目的を達成できる。さらに、図4のデコーダ100の各要素の機能と図3のプロセスステップは、マイクロプロセッサのプログラミングされた命令内で、その全部または一部を実施することができる。さらに、本発明の原理は、任意の形式のMPEGまたは非MPEG準拠の電子プログラムガイドに適用できる。本発明の原理に従って形成されるデータストリームは、例えば、電話回線を介してのビデオサーバまたはPCタイプの通信を含む、さまざまな応用分野で使用できる。本発明の原理による番組固有情報を組み込むように形成されたビデオ、音声およびデータの1つまたは複数の構成要素を備えた番組データストリームを、記憶媒体上に記録し、他のサーバ、PCまたは受信機に伝送または再放送することができる。

Claims (3)

  1. 階層的に並べられた複数の情報テーブルからなる補助的な番組固有情報を含む、パケット化された番組情報をデコードするシステムにおいて使用される方法であって、前記補助的な番組固有情報前記パケット化された番組情報を獲得およびデコードして、表示用のビデオ番組を提供するのに使用される、方法において
    (a)第1のテーブルのバージョン番号と、第2のテーブルで搬送される前記第1のテーブルのバージョン番号との間の、バージョン番号の非互換性、(b)前記補助的な番組固有情報におけるエラー状態、のうち少なくとも1つを含む、前記パケット化された番組情報中の障害状態を検出するステップと、
    記検出された障害状態に伝送チャネルが関連付けられていることを、データベース中に指示するステップと、
    ユーザの表示可能アクティブチャネルラインアップリストから、前記検出された障害状態関連付けられた伝送チャネルを除くステップと
    を備えたことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記デコードするシステムはMPEGデコードシステムであり、
    前記補助的な番組固有情報における前記エラー状態、(a)MPEG移送エラー、(b)MPEG不連続性エラー、(c)MPEG連続性カウントエラー、および(d)連続的なタイムスタンプ間の変動が示すエラー、のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、さらに、
    前記チャネルが前記障害状態と関連付けられているとする障害表示を、前記ユーザの表示可能チャネルラインアップリスト中に表示するステップを含むことを特徴とする方法。
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