JP4926284B1 - 太陽光発電システムおよび太陽光発電プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱媒体による圧力を低減する構造であって軽量化が可能であるとともに、太陽電池パネルとの間で高い熱伝導性を保持することができる太陽光発電システムおよび太陽光発電プログラムを提供する。
【解決手段】 所定の傾斜角度で配置される太陽電池パネル2と、太陽電池パネル2の裏面に設けられるパネルであって、熱媒体を流通させる複数本の流通路31が縦方向に向けて並列に配置されているとともに、それら各流通路31の下端を流入口31aとして熱媒体の注入口35に連通させ、各流通路31の上端を流出口31bとして熱媒体の排出口34に連通させて構成された太陽電池用集熱・加熱パネル3と、注入口35に熱媒体を注入して各流通路31内に下方から上方へ熱媒体を流通させて排出口34から排出させる循環ポンプ4とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池パネルから熱を集めて太陽電池パネル自体を冷却することにより発電効率を高めるとともに、集熱した熱を有効利用し、さらには太陽電池パネル表面に積もった雪を融かすことも可能な太陽光発電システムおよび太陽光発電プログラムに関するものである。
従来、太陽電池パネルから集熱して発電効率を高めるとともに、集熱した熱を有効利用する技術が提案されている。例えば、特開2010−123907号公報には、太陽電池パネルの裏面にタンクや蛇行状の伝熱管を設け、該タンクや該伝熱管に水を流し、この水によって太陽電池パネルの熱を回収する太陽電池が開示されている(特許文献1)。
特開2010−123907号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明において、太陽電池パネルの裏面にタンクを設ける場合、当該タンクには高い水圧がかかる。このため、高強度な金属製のタンクでなければ、水圧に耐えられず破損してしまうおそれがある。一方、金属製のタンクは重量が重いため、太陽電池パネルの重量およびタンク内を流す水の重量を合わせると、総重量が極めて大きくなる。このため、特に一般家庭の屋根上等に設置する場合には不向きである。また、金属は導電性が高いため、太陽電池パネルから漏電した場合、感電事故が発生するおそれもある。
一方、太陽電池パネルの裏面に伝熱管を設ける場合、伝熱管は断面円形である上、蛇行させて配管するため、太陽電池パネルの裏面に接触する面積が著しく小さい。このため、太陽電池パネルの裏面から伝熱管へ熱伝導し難く、十分な集熱効果が期待できないという問題がある。
さらに、特許文献1では、水出口にエアー抜きを設ける構成が開示されている(図8)。しかしながら、この構成では、水出口のエアー抜きに至るまでは、水と一緒に空気が太陽電池パネルの裏面を流れることとなる。このため、当該空気によって、太陽電池パネルからタンクまたは伝熱管への熱伝導が阻害されてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、熱媒体による圧力を低減する構造であって軽量化が可能であるとともに、太陽電池パネルとの間で高い熱伝導性を保持することができる太陽光発電システムおよび太陽光発電プログラムを提供することを目的としている。
本発明に係る太陽光発電システムは、所定の傾斜角度で配置される太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの裏面に設けられるパネルであって、2枚の薄板の間に多数の仕切壁を等間隔に配置して直線状に構成されているとともに横断面形状が矩形状に形成され、熱媒体を流通させる複数本の流通路が縦方向に向けて並列に配置されており、それら各流通路の下端を流入口として前記熱媒体の注入口に連通させ、前記各流通路の上端を流出口として前記熱媒体の排出口に連通させて構成された太陽電池用集熱・加熱パネルと、前記注入口に前記熱媒体を注入して前記各流通路内に下方から上方へ前記熱媒体を流通させて前記排出口から排出させる循環ポンプとを有する。
また、本発明の一態様として、前記太陽電池用集熱・加熱パネルの各流通路は、前記流入口へ流入される前記熱媒体を一旦貯留する注入側貯留空間を介在させて前記注入口と連通されているとともに、前記流出口から流出される前記熱媒体を一旦貯留する排出側貯留空間を介在させて前記排出口と連通されており、複数の太陽電池パネルが上下に並べて配置されているとともに、下側の太陽電池用集熱・加熱パネルに連通された排出口と、上側の太陽電池用集熱・加熱パネルに連通された注入口とが連結されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記太陽電池用集熱・加熱パネルの上下端部に設けられるスポンジパッキンと、このスポンジパッキンを狭持して締め付ける狭持フレームと、この狭持フレームを前記太陽電池パネルのフレームに固定する固定金具とを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、前記太陽電池用集熱・加熱パネルは絶縁性材料で形成されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記太陽電池用集熱・加熱パネルのパネル温度から前記循環ポンプへ戻される熱媒体の熱媒体温度を減算して求められる温度差が所定値以上の場合、前記循環ポンプを運転させ、前記温度差が所定値以下の場合、前記循環ポンプを停止させる制御装置を有していてもよい。
また、本発明の一態様として、外気温度が所定温度以下であって、かつ、前記太陽電池用集熱・加熱パネルのパネル温度から前記循環ポンプへ戻される熱媒体の熱媒体温度を減算して求められる温度差が所定値以下の場合、前記循環ポンプを停止させるとともに、前記太陽電池用集熱・加熱パネルの各流通路内から熱媒体を抜き落とす落水弁を開放する制御装置を有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、積雪防止用の屋根が設けられており積雪を検知するための積雪検知用太陽電池と、この積雪検知用太陽電池の発電電力が所定値以上であって、かつ、前記太陽電池パネルの発電電力が所定値以下の場合、前記循環ポンプを運転させる制御装置を有していてもよい。
本発明に係る太陽光発電プログラムは、請求項3または請求項に記載の制御装置であるコンピュータを機能させる。
本発明によれば、熱媒体による圧力を低減する構造であって軽量化が可能であるとともに、太陽電池パネルとの間で高い熱伝導性を保持することができる。
本発明に係る太陽光発電システムの一実施形態を示す全体構成図である。 本実施形態の太陽電池用集熱・加熱パネルを裏面に取り付けた太陽電池パネルを示す背面図である。 図2の中央横断面図およびその一部拡大図である。 図2の一点鎖線領域を示す拡大図である。 図4の5A−5A線における断面図である。 本実施形態の太陽光発電システムにおける制御装置を示すブロック図である。 本実施形態の太陽光発電システムおよび太陽光発電プログラムにより実行される処理を示すフローチャート図である。 本実施例1における実測結果およびシミュレーション結果を示すグラフである。 本実施例2における実測結果およびシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る太陽光発電システムおよび太陽光発電プログラムの実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態では、本願発明者が発明した特許第4514827号に記載の太陽軌道追尾式発電システムに、本発明に係る太陽光発電システムを適用した例について説明する。なお、特許第4514827号に係る構成についての説明は省略する。
本実施形態の太陽光発電システム1は、図1に示すように、主として、複数枚の太陽電池パネル2と、これら各太陽電池パネル2の裏面に設けられる太陽電池用集熱・加熱パネル3と、これら各太陽電池用集熱・加熱パネル3に熱媒体を循環させる循環ポンプ4と、当該熱媒体と熱交換するための貯湯槽5と、前記貯湯槽5で温められたお湯を給水するための給水ポンプ6と、前記太陽電池用集熱・加熱パネル3内から熱媒体を抜き落とす落水弁7と、前記循環ポンプ4や前記落水弁7等を制御する制御装置8とを有している。以下、各構成について説明する。
太陽電池パネル2は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。本実施形態において、太陽電池パネル2は、複数枚の太陽電池(セル)を直列または並列に接続して全体として略長方形のパネル状に構成されている。そして、図1に示すように、上下に並べて配置された3枚の太陽電池パネル2を1組としてフレーム(図示せず)に保持させ、これを横方向に3組並べて配置している。
なお、本実施形態では、上述したように、太陽電池パネル2を太陽軌道に追尾させる太陽軌道追尾式発電システムに適用しているが、この構成に限定されるものではない。すなわち、所定の傾斜角度で配置される太陽電池パネル2を使用するものであれば、屋根の上に固定設置された太陽電池パネル2を備えた一般的な発電システムに適用することもできる。
太陽電池用集熱・加熱パネル3は、太陽電池パネル2から集熱する役割および太陽電池パネル2を加熱する役割を果たすものである。具体的には、図2および図3に示すように、太陽電池用集熱・加熱パネル3は、太陽電池パネル2の裏面に設けられるパネルであって、熱媒体を流通させる複数本の流通路31が縦方向に向けて並列に配置されている。
本実施形態では、図3に示すように、各流通路31は、2枚の薄板の間に多数の仕切壁を略等間隔に配置して略直線状に構成されている。また、各流通路31の上下端部は開口されており、下端は熱媒体の流入口31aとして機能し、上端は熱媒体の流出口31bとして機能するようになっている。太陽電池用集熱・加熱パネル3は、図2に示すように、太陽電池パネル2の上下方向と、各流通路31の流れ方向とが略一致する状態で取り付けられる。このため、後述するように、各流通路31内に下方から上方へ向けて熱媒体を流通させると、空気の混入が抑制される。
また、太陽電池用集熱・加熱パネル3の上下端部には、図2および図4に示すように、スポンジパッキン32によって密閉された注入側貯留空間33aおよび排出側貯留空間33bが形成されている。注入側貯留空間33aは、流入口31aへ流入される熱媒体を一旦貯留し、各流通路31へ熱媒体を均等に流入させるためのものである。また、排出側貯留空間33bは、流出口31bから流出される熱媒体を一旦貯留し、各流通路31から熱媒体を均等に流出させるためのものである。
本実施形態において、各流通路31は、注入側貯留空間33aを介在させて、熱媒体を他の太陽電池用集熱・加熱パネル3や循環ポンプ4から注入する注入口35と連通されている。一方、各流通路は、図5に示すように、排出側貯留空間33bを介在させて、熱媒体を他の太陽電池用集熱・加熱パネル3や貯湯槽5へ排出する排出口34と連通されている。
なお、各太陽電池用集熱・加熱パネル3の上下端部は、図4および図5に示すように、スポンジパッキン32を狭持する狭持フレーム36で締め付けられている。また、この狭持フレーム36が、略くの字形状の固定金具37によって太陽電池パネル2のフレームに固定されている。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、太陽電池パネル2の裏面に設けられていればどのような取り付け方法を採用してもよい。
なお、本実施形態では、3枚の太陽電池パネル2が上下に並べて配置されている。そこで、流通経路を単純化し、各太陽電池用集熱・加熱パネル3の集熱・加熱効率を高めるため、下側の太陽電池用集熱・加熱パネル3に連通された排出口34と、上側の太陽電池用集熱・加熱パネル3に連通された注入口35とが連結されている。
具体的には、図1に示すように、下段の太陽電池パネル2に取り付けた太陽電池用集熱・加熱パネル3の注入口35は、循環ポンプ4に接続されている。また、当該下段の太陽電池用集熱・加熱パネル3の排出口34は、中段の太陽電池用集熱・加熱パネル3の注入口35と接続されている。さらに、当該中段の太陽電池用集熱・加熱パネル3の排出口34は、上段の太陽電池用集熱・加熱パネル3の注入口35と接続されている。そして、当該上段の太陽電池用集熱・加熱パネル3の排出口34は、集水トラップ9へ繋がるように配管されている。
以上の構成により、循環ポンプ4から供給された熱媒体は注入口35から注入され、各太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31内を下方から上方へと流れた後、排出口34から排出され、集水トラップ9を介して貯湯槽5へと戻されるようになっている。一方、循環ポンプ4が停止した状態では、重力によって熱媒体が落水し、循環ポンプ4側へ逆流するようになっている。
なお、太陽電池用集熱・加熱パネル3の構成は、上記構成に限定されるものではなく、複数本の流通路31が縦方向に向けて並列に配置されていればよい。また、本実施形態では、熱媒体の凍結を防止するため不凍液を使用しているが、温暖な地域では水等を使用してもよい。さらに、本実施形態では、感電事故を防止する観点から、太陽電池用集熱・加熱パネル3を絶縁性の高いポリカーボネートで形成しているが、その他の軽量な絶縁性材料でもよい。
循環ポンプ4は、太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31内に、下方から上方へ向けて熱媒体を流通させるものである。また、貯湯槽5は、各流通路31を循環された熱媒体と熱交換するものである。本実施形態では、図1に示すように、貯湯槽5の内部には、水道水が貯留されているとともに、集水トラップ9で集められた熱媒体を回収するクッションタンク51が設けられている。また、クッションタンク51には、貯湯槽5内において熱媒体と水道水とを熱交換させるための蛇行状の熱交換パイプ52が接続されており、その熱交換パイプ52の出口が循環ポンプ4へ接続されている。
給水ポンプ6は、貯湯槽5で温められたお湯を給水するためのものである。本実施形態では、図1に示すように、貯湯槽5のお湯が給水ポンプ6へと供給されるように配管されており、そのお湯が当該給水ポンプ6によって、給湯器やお風呂へと給水されるようになっている。なお、お風呂へ直接給水したお湯の温度が低めの場合、別途、給湯器で追い炊きして使用してもよい。
落水弁7は、太陽電池用集熱・加熱パネル3内から熱媒体を抜き落とす役割と、熱媒体が循環ポンプ4へ逆流するのを防止する役割とを果たすものである。本実施形態において、落水弁7は、図1に示すように、循環ポンプ4と各太陽電池用集熱・加熱パネル3との間の配管経路上に設けられている。また、落水弁7は、熱媒体を流通させる開放状態と、熱媒体の流通を阻止する閉鎖状態とを制御装置8によって制御可能に構成されている。
制御装置8は、循環ポンプ4や落水弁7を制御して、熱媒体の循環や抜き落としを行わせるものである。本実施形態において、制御装置8は、プログラマブルコントローラやパーソナルコンピュータ等のコンピュータから構成されており、図6に示すように、主として、本実施形態の太陽光発電プログラム1aや各種のデータ等を記憶する記憶手段81と、各種のデータを取得して演算処理する演算処理手段82とから構成されている。以下、各構成手段についてより詳細に説明する。
記憶手段81は、ROM(Read Only memory)やRAM(Random Access Memory)およびフラッシュメモリ等から構成されており、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段82が演算処理を行う際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態において、記憶手段81は、図1に示すように、主として、プログラム記憶部811と、集熱条件記憶部812と、落水条件記憶部813と、積雪条件記憶部814とを有している。
プログラム記憶部811には、本実施形態の太陽光発電システム1を制御するための太陽光発電プログラム1aがインストールされている。そして、演算処理手段82が、太陽光発電プログラム1aを実行することにより、後述する各構成部として制御装置8(コンピュータ)を機能させるようになっている。
集熱条件記憶部812は、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって集熱するのに好適な集熱条件を記憶するものである。本実施形態では、効率的に集熱させるため、太陽電池用集熱・加熱パネル3のパネル温度と、循環ポンプ4へ戻される熱媒体の熱媒体温度との温度差を用いて集熱条件を設定している。
具体的には、前記パネル温度から前記熱媒体温度を減算して求められる温度差が、所定の運転開始温度差を超えた場合、循環ポンプ4を運転させ、所定の運転停止温度差よりも小さい場合、循環ポンプ4を停止させるように設定する。つまり、集熱条件として、上述した運転開始温度差および運転停止温度差が記憶されている。なお、図1に示すように、前記パネル温度を測定するパネル温度センサT1は、太陽電池用集熱・加熱パネル3の表面に設けられ、前記熱媒体温度を測定する熱媒体温度センサT2は、貯湯槽5から循環ポンプ4へ至る配管経路上に設けられている。
また、本実施形態では、循環ポンプ4の運転エネルギーと、太陽電池用集熱・加熱パネル3による集熱エネルギーとを考慮して、運転開始温度差を10℃に設定し、運転停止温度差を5℃に設定している。前記温度差が5℃以下の場合には、集熱エネルギーがほとんど得られない一方で、運転エネルギーが消費されてしまうからである。なお、運転開始温度差は、外気温度に応じて適宜変更してもよい。
なお、集熱条件は、上記条件に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、本実施形態では、集熱動作の効率性を考慮して、パネル温度から熱媒体温度を減算して求められる温度差を基準としているが、単純に、パネル温度が熱媒体温度よりも高いときに循環ポンプ4を駆動し、パネル温度が熱媒体温度よりも低いときに循環ポンプ4を停止させるようにしてもよい。ただし、この条件下では、集熱効果があまり期待できない状態でも循環ポンプ4を運転させるため、エネルギーを無駄に消費してしまうおそれがある。
落水条件記憶部813は、太陽電池用集熱・加熱パネル3内から熱媒体を抜き落とすための落水条件を記憶するものである。本実施形態では、熱媒体の凍結を防止するために、図示しない外気温度センサが設けられている。そして、当該外気温度センサが検知した外気温度が所定温度以下であって、かつ、前記パネル温度から前記熱媒体温度を減算して求められる温度差が所定値以下である場合を、熱媒体が凍結するおそれがある条件としている。したがって、第1の落水条件として、外気温度の閾値および前記温度差の閾値を記憶している。
また、本実施形態では、太陽光による発電が行われない夜間の間も、太陽電池用集熱・加熱パネル3内から熱媒体を抜き落とすようになっている。したがって、第2の落水条件としては、夜間に相当する時間帯を記憶するようになっている。
積雪条件記憶部814は、太陽電池パネル2の表面に積雪があるか否かを判定するための積雪条件を記憶するものである。本実施形態では、積雪の有無を検知するため、図1に示すように、積雪検知用太陽電池10が設けられている。この積雪検知用太陽電池10は、その表面に積雪するのを防止するため、太陽電池パネル2よりも小サイズであり、積雪防止用の屋根11が設けられている。この構成により、積雪条件として、積雪検知用太陽電池10の発電電力が所定値以上であって、かつ、太陽電池パネル2の発電電力が所定値以下の場合、太陽電池パネル2の表面に積雪があるものとして、循環ポンプ4を運転させるように設定されている。これにより太陽電池用集熱・加熱パネル3の流通路31を流通するお湯の温度によって太陽電池パネル2の積雪を融かすようになっている。
具体的には、積雪検知用太陽電池10がほぼ最大に発電している場合、太陽光が届いており集熱に好適な気象条件といえる。その一方で、太陽電池パネル2の発電量が低い場合、積雪によって太陽光が遮られているものと考えられる。したがって、本実施形態の積雪条件は、積雪検知用太陽電池10の発電電力と比較する値として、積雪検知用太陽電池10のほぼ最大の発電電力値が記憶されている。また、太陽電池パネル2の発電電力と比較する値として、太陽電池パネル2の最大発電電力値に対して約10〜20%の電力値が記憶されている。
なお、積雪条件は、上記条件に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、レーザー光等によって積雪を感知できる積雪センサを設け、この積雪センサからの信号を受信したときに、循環ポンプ4を運転させるように設定してもよい。
演算処理手段82は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、記憶手段81にインストールされた太陽光発電プログラム1aを実行することにより、図6に示すように、センサ温度監視部821と、運転開始判定部822と、運転停止判定部823と、落水条件判定部824と、積雪条件判定部825として制御装置8を機能させるようになっている。以下、各構成部についてより詳細に説明する。
センサ温度監視部821は、パネル温度センサT1および熱媒体温度センサT2の各検知温度を監視するものである。具体的には、センサ温度監視部821は、パネル温度センサT1からパネル温度を取得するとともに、熱媒体温度センサT2から熱媒体温度を取得する。そして、パネル温度が熱媒体温度よりも高い状態であるか否かを監視するようになっている。
運転開始判定部822は、循環ポンプ4の運転を開始させるか否かを判定するものである。具体的には、運転開始判定部822は、前記パネル温度から前記熱媒体温度を減算して求められる温度差と、集熱条件記憶部812に記憶されている運転開始温度差とを比較する。この比較の結果、当該温度差が運転開始温度差を超えた場合、循環ポンプ4に運転開始信号を出力する。また、本実施形態では、落水弁7が設けられているため、運転開始判定部822は、落水弁7を開放させるための開放信号を出力する。
運転停止判定部823は、循環ポンプ4の運転を停止させるか否かを判定するものである。具体的には、運転停止判定部823は、前記パネル温度から前記熱媒体温度を減算して求められる温度差と、集熱条件記憶部812に記憶されている運転開始温度差とを比較する。この比較の結果、当該温度差が運転開始温度差未満になった場合、循環ポンプ4に運転停止信号を出力する。また、本実施形態では、熱媒体の逆流を防止するため、運転停止判定部823は、落水弁7を閉鎖するための閉鎖信号を出力する。
落水条件判定部824は、太陽電池用集熱・加熱パネル3内から熱媒体を抜き落とすか否かを判定するものである。具体的には、落水条件判定部824は、制御装置8内の内部時計による現在時刻と、落水条件記憶部813に記憶されている落水条件とを比較する。そして、現在時刻が夜間に相当する時間帯であれば、落水弁7に開放信号を出力する。
また、夜間に相当する時間帯でなくとも、落水条件判定部824は、外気温度センサが検知した外気温度と、落水条件記憶部813に記憶されている閾値とを比較するとともに、前記パネル温度から前記熱媒体温度を減算して求められる温度差と、集熱条件記憶部812に記憶されている閾値とを比較する。そして、外気温度が所定温度以下であって、かつ、前記温度差が所定値以下である場合、落水弁7に開放信号を出力する。
積雪条件判定部825は、太陽電池パネル2の表面に積雪があるか否かを判定するものである。具体的には、積雪条件判定部825は、積雪検知用太陽電池10および太陽電池パネル2の各発電電力と、積雪条件記憶部814に記憶されている各電力値とを比較する。そして、積雪検知用太陽電池10の発電電力が所定値以上であって、かつ、太陽電池パネル2の発電電力が所定値以下の場合、積雪条件判定部825は、循環ポンプ4に運転開始信号を出力するとともに、落水弁7へ開放信号を出力する。
つぎに、本発明に係る太陽光発電プログラム1aによって実行される太陽光発電システム1の作用について説明する。
まず、本実施形態の太陽光発電システム1を用いて発電する場合、太陽電池パネル2の裏面に太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けた後、日当たりのよい場所に設置する。このとき、太陽電池パネル2は、太陽光との関係上、所定の傾斜角度で配置されるため、太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31の流れ方向が、太陽電池パネル2の上下方向と略一致するように取り付ける。
また、本実施形態では、太陽電池用集熱・加熱パネル3が絶縁性材料であるため、太陽電池パネル2から漏電した場合でも、感電事故の発生を防止する。
つぎに、図7に示すように、太陽光発電プログラム1aによって太陽光発電システム1の動作を開始させる。なお、本実施形態の太陽光発電プログラム1aは、集熱条件、落水条件および積雪条件を常に監視しており、いずれかの条件に該当する場合、当該条件に対応する動作を実行させるようになっている。
まず、センサ温度監視部821は、パネル温度が熱媒体温度よりも高いか否かを判定する(ステップS1)。この判定の結果、パネル温度が熱媒体温度よりも高い場合のみ(ステップS1:YES)、太陽電池用集熱・加熱パネル3で集熱するための前提条件を満たすものとして、処理をステップS2へと進める。
つぎに、運転開始判定部822が、パネル温度から熱媒体温度を減算して求められる温度差が、運転開始温度差よりも高いか否かを判定する(ステップS2)。この判定の結果、当該温度差が運転開始温度差よりも高い場合のみ(ステップS2:YES)、運転開始判定部822は、循環ポンプ4に運転開始信号を出力するとともに(ステップS3)、落水弁7に開放信号を出力する(ステップS4)。
これにより、循環ポンプ4が運転を開始するとともに落水弁7が開放されるため、循環ポンプ4から吐出された熱媒体は、落水弁7を介して太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31へと供給されて循環する。このとき、熱媒体は、温度上昇した太陽電池パネル2から集熱して冷却するため、太陽電池パネル2の発電効率を上昇させる。また、集熱した熱媒体は、貯湯槽5へ戻されて水温を上昇させるため、エネルギー回収効率が向上する。
また、太陽電池用集熱・加熱パネル3は、構造上、複数本の細い流通路31から構成されるため、大きな流量を確保しつつ、各流通路31にかかる熱媒体からの圧力を低減する。このため、太陽電池用集熱・加熱パネル3は、比重の高い金属製ではなく、軽量な樹脂材料等で形成することが可能となる。このため、本実施形態のように、複数枚の太陽電池パネル2からなる太陽軌道追尾式発電システムに適用する場合であっても、総重量がそれほど増大せず、一般家庭の屋根上等にも無理なく設置される。
さらに、太陽電池用集熱・加熱パネル3は、複数本の流通路31が並列されてなり、流通路31の横断面形状が矩形状に形成されているため、太陽電池パネル2の裏面と接触する面積が大きい。このため、太陽電池パネル2の裏面から太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31内の熱媒体に対して大量の熱伝導が行われ、集熱効果が向上する。
また、各太陽電池用集熱・加熱パネル3においては、熱媒体が各流通路31内を下方から上方へ向けて流通する。このため、各流通路31内では、熱媒体が空気を上方へ押し上げながら上昇するため、全ての太陽電池用集熱・加熱パネル3内に熱媒体が緊密に充填される。これにより、太陽電池パネル2から熱媒体への熱伝導が十分に行われ、集熱効率が向上する。
また、本実施形態では、注入側貯留空間33aが、注入口35から注入された熱媒体を一旦貯留するため、各流通路31の流入口31aへ熱媒体を均等に流入させる。また、排出側貯留空間33bが、排出口34から排出される前の熱媒体を一旦貯留し、各流通路31の流出口31bから熱媒体を均等に流出させる。このため、太陽電池用集熱・加熱パネル3内には、熱媒体が均質に行き渡り、集熱ムラや加熱ムラが防止される。
さらに、本実施形態では、3枚の太陽電池パネルが上下に並べて配置され、下方の太陽電池用集熱・加熱パネル3から上方の太陽電池用集熱・加熱パネル3に向けて熱媒体が流通するように連結されている。このため、流通経路が単純化し、循環ポンプへの負荷を低減するとともに、各太陽電池用集熱・加熱パネル3の集熱・加熱効率が向上する。
循環ポンプ4が運転されている間、運転停止判定部823は、パネル温度から熱媒体温度を減算して求められる温度差が運転開始温度差よりも小さくなったか否かを判定する(ステップS5)。この判定の結果、当該温度差が運転開始温度差未満になった場合(ステップS5:YES)、運転停止判定部823は、循環ポンプ4に運転停止信号を出力するとともに(ステップS6)、落水弁7に閉鎖信号を出力する(ステップS7)。
これにより、循環ポンプ4が運転を停止するとともに落水弁7が閉鎖されるため、太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31内に充填されている熱媒体が、そのまま各流通路31内に保持される。このため、次回、循環ポンプ4を始動させる際には、熱媒体の循環を速やかに開始することが可能となる。
一方、循環ポンプ4が停止している間、落水条件判定部824が、落水条件に該当するか否かを監視する(ステップS8)。そして、落水条件に該当する場合(ステップS8:YES)、すなわち、夜間に相当する時間帯の場合、あるいは外気温度が所定温度以下であって、かつ、パネル温度から熱媒体温度を減算して求められる温度差が所定値以下である場合、落水弁7に開放信号を出力する(ステップS4)。
これにより、太陽電池パネル2の温度上昇が見込まれない夜間や、熱媒体が凍結してしまうおそれのある気象条件下においては、太陽電池用集熱・加熱パネル3内の熱媒体を開放された落水弁7から流下させて、貯湯槽5内のクッションタンク51へと回収する。これにより、太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31内で熱媒体が凍結してしまうのを防止する。
一方、落水条件に該当しない場合であっても(ステップS8:NO)、積雪条件判定部825が、太陽電池パネル2の表面に積雪があるか否かを判定する(ステップS9)。この判定の結果、太陽電池パネル2の表面に積雪があると判定された場合(ステップS9:YES)、つまり、積雪検知用太陽電池10の発電電力が所定値以上であって、かつ、太陽電池パネル2の発電電力が所定値以下の場合、積雪条件判定部825が、循環ポンプ4に運転開始信号を出力するとともに(ステップS3)、落水弁7へ開放信号を出力する(ステップS4)。
これにより、循環ポンプ4が運転を開始するとともに落水弁7が開放されるため、循環ポンプ4から吐出された熱媒体は、落水弁7を介して太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31へと供給されて循環する。このとき、積雪がある気象条件下では、太陽電池用集熱・加熱パネル3内に充填されている熱媒体の温度よりも、貯湯槽5内のお湯の温度の方が高い状態にある。
このため、太陽電池用集熱・加熱パネル3から戻された熱媒体が貯湯槽5で温められた後、再び、太陽電池用集熱・加熱パネル3へと供給される。これにより、温かい熱媒体が太陽電池パネル2を裏面から加熱し、太陽電池パネル2の表面に積もった雪を融解する。したがって、積雪による太陽電池パネル2の発電効率の低下が防止される。
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1.熱媒体による圧力を低減する構造を採用して軽量化でき、複数枚の太陽電池パネル2を用いた太陽光発電システム1にも適用することができる。
2.太陽電池用集熱・加熱パネル3の各流通路31内に空気が混入するのを防止し、太陽電池パネル2との間で高い熱伝導性を保持することができる。
3.太陽電池用集熱・加熱パネル3を絶縁性材料で形成し、感電事故を防止することができる。
4.太陽電池パネル2から集熱するのに適した条件下で自動的に熱媒体を循環させ、集熱効率を向上することができる。
5.太陽電池パネル2の温度上昇が見込まれない夜間や、熱媒体が凍結するおそれのある気象条件下で自動的に熱媒体を抜き落とし、凍結を防止することができる。
6.太陽電池パネル2に積雪がある場合、自動的に熱媒体を循環させて融雪し、発電を確保および発電効率を向上することができる。
以下、本発明に係る太陽光発電システム1および太陽光発電プログラム1aの具体的な実施例について説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の各実施例によって示される特徴に限定されるものではない。
<固定設置式の太陽光発電システムに適用した例>
本実施例1では、太陽電池パネル2を固定設置した固定設置式の太陽光発電システム1に、本発明を適用した場合の効果をシミュレーションした。具体的には、三菱電機株式会社製の太陽電池パネル2(PV−MX190HX:定格出力190W,定格温度25℃)を9枚固定設置してなる太陽光発電システム1を用意した。
そして、太陽光の強いある一日において、外気温度、当該太陽光発電システム1による発電電力、および太陽電池パネル2の温度を実測した。また、各太陽電池パネル2に太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けた場合を想定し、熱媒体の冷却作用により太陽電池パネル2の最高温度が40℃に保持された場合の発電電力をシミュレーションした。その結果を図8に示す。
図8に示すように、計測日は快晴で外気温度が30℃前後を推移したため、太陽電池パネル2の温度が約70℃まで上昇していた。このため、太陽電池パネル2の定格温度(25℃)を超えた場合における発電効率の低下率を0.4%/1℃とすると、温度上昇によって発電効率が約18%[=(70−25)×0.4]低下することとなる。したがって、太陽電池パネル2の定格出力も約155.8W[=190−190×0.18]にまで低下してしまう。
一方、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって太陽電池パネル2の最高温度を40℃に保持した場合、温度上昇による発電効率の低下は6%[=(40−25)×0.4]に抑えられ、太陽電池パネル2の定格出力も178.6W[=190−190×0.06]を維持することとなる。
また、太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けていない場合の実測値は、発電電力量が約9.363kWであり、860kcal/1kWとして熱量に換算すると、約8052kcalであった。一方、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって太陽電池パネル2の最高温度を40℃に保持した場合、発電電力量が約10.363kWで、約8912kcalであった。つまり、発電効率は、約110%も向上することが示された。
また、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって集熱されるエネルギーは、度重なる実験の結果、太陽電池パネル2の発電で得られるエネルギーの約1.4倍であることがわかっている。また、循環ポンプ4の電気使用量は、1kW(=860kcal)/dayと推定される。したがって、太陽電池用集熱・加熱パネル3で集熱した場合のトータルの熱量は、約19325kcal[8912+8052×1.4−860]となり、太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けていない場合と比較して、エネルギー回収効率は約240%[=(19325/8052)×100]にもなることが示された。
以上より、本実施例1によれば、固定設置式の太陽光発電システム1において、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって太陽電池パネル2を冷却することにより、発電効率およびエネルギー回収効率が向上することが示された。
<太陽軌道追尾式の太陽光発電システムに適用した例>
本実施例2では、太陽電池パネル2を太陽光に追尾させる太陽軌道追尾式の太陽光発電システム1に、本発明を適用した場合の効果をシミュレーションした。具体的には、実施例1と同様の太陽電池パネル2を9枚用いて、上述した特許第4514827号に記載の太陽軌道追尾式発電システムと同様の太陽光発電システム1を用意した。
そして、実施例1の実験日と同日に、外気温度、当該太陽光発電システム1による発電電力、および太陽電池パネル2の温度を実測した。また、各太陽電池パネル2に太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けた場合を想定し、熱媒体の冷却作用により太陽電池パネル2の最高温度が50℃に保持された場合の発電電力をシミュレーションした。その結果を図9に示す。
実施例1と同様、太陽電池パネル2の温度は約70℃まで上昇していた。このため、太陽電池パネル2は、実施例1と同様、温度上昇によって発電効率が約18%低下し、定格出力も約155.8Wにまで低下してしまう。
一方、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって太陽電池パネル2の最高温度を50℃に保持した場合、温度上昇による発電効率の低下は10%[=(50−25)×0.4]に抑えられ、太陽電池パネル2の定格出力も171W[=190−190×0.10]を維持することとなる。
また、太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けていない場合の実測値は、発電電力量が約14.899kWであり、熱量に換算すると約12813kcalであった。一方、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって太陽電池パネル2の最高温度を50℃に保持した場合、発電電力量が約15.545kWで、約13369kcalであった。つまり、発電効率は、約104%も向上することが示された。
また、実施例1と同様、太陽電池用集熱・加熱パネル3で集熱した場合のトータルの熱量は、約30447kcal[13369+12813×1.4−860]と計算され、太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けていない場合と比較して、エネルギー回収効率は約238%[=(30447/12813)×100]にもなることが示された。
以上より、本実施例2によれば、太陽軌道追尾式の太陽光発電システム1においても、太陽電池用集熱・加熱パネル3によって太陽電池パネル2を冷却することにより、発電効率およびエネルギー回収効率が向上することが示された。
<固定式と太陽軌道追尾式との比較>
本実施例3では、太陽電池パネル2を固定設置した場合と、太陽の軌道に追尾させた場合とにおけるエネルギー回収効率を比較した。
実施例1の結果より、固定設置式の太陽光発電システム1において、太陽電池用集熱・加熱パネル3で集熱した場合のトータルの熱量は、約19325kcalである。一方、実施例2の結果より、太陽軌道追尾式の太陽光発電システム1にいおて、太陽電池用集熱・加熱パネル3で集熱した場合のトータルの熱量は、約30447kcalである。したがって、本発明に係る太陽光発電システム1は、太陽軌道追尾式に適用した場合、固定設置式に適用した場合と比較して、約1.6倍(=30447/19325)のエネルギー回収効率が得られることが示された。
以上より、本実施例3によれば、太陽電池パネル2を固定設置した場合と比較して、太陽電池パネル2を太陽の軌道に追尾させた場合、より多くの発電電力が得られることが示された。
なお、本発明に係る太陽光発電システム1およびその太陽光発電プログラム1aは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した本実施形態では、図3に示すように、太陽電池用集熱・加熱パネル3が太陽電池パネルの裏面からわずかに離れているが、この構成に限定されるものではなく、接着剤や所定の押し付け具等によって、太陽電池パネルの裏面に密着させることで、熱伝導をより一層向上させることができる。
また、上述した本実施形態では、予め太陽電池用集熱・加熱パネル3を取り付けた太陽電池パネル2を使用しているが、この構成に限定されるものではなく、既存の太陽電池パネル2に、太陽電池用集熱・加熱パネル3を後から取り付けるようにしてもよい。
1 太陽光発電システム
1a 太陽光発電プログラム
2 太陽電池パネル
3 太陽電池用集熱・加熱パネル
4 循環ポンプ
5 貯湯槽
6 給水ポンプ
7 落水弁
8 制御装置
9 集水トラップ
10 積雪検知用太陽電池
11 屋根
31 流通路
31a 流入口
31b 流出口
32 スポンジパッキン
33a 注入側貯留空間
33b 排出側貯留空間
34 排出口
35 注入口
36 狭持フレーム
37 固定金具
51 クッションタンク
52 熱交換パイプ
81 記憶手段
82 演算処理手段
811 プログラム記憶部
812 集熱条件記憶部
813 落水条件記憶部
814 積雪条件記憶部
821 センサ温度監視部
822 運転開始判定部
823 運転停止判定部
824 落水条件判定部
825 積雪条件判定部
T1 パネル温度センサ
T2 熱媒体温度センサ

Claims (4)

  1. 所定の傾斜角度で配置される太陽電池パネルと、
    前記太陽電池パネルの裏面に設けられるパネルであって、2枚の薄板の間に多数の仕切壁を等間隔に配置して直線状に構成されているとともに横断面形状が矩形状に形成されており熱媒体を流通させる複数本の流通路が縦方向に向けて並列に配置され、それら各流通路の下端を流入口として前記熱媒体の注入口に連通させ、前記各流通路の上端を流出口として前記熱媒体の排出口に連通させて構成された太陽電池用集熱・加熱パネルと、
    前記注入口に前記熱媒体を注入して前記各流通路内に下方から上方へ前記熱媒体を流通させて前記排出口から排出させる循環ポンプとを有し、
    前記太陽電池用集熱・加熱パネルの各流通路は、前記流入口へ流入される前記熱媒体を一旦貯留する注入側貯留空間を介在させて前記注入口と連通されているとともに、前記流出口から流出される前記熱媒体を一旦貯留する排出側貯留空間を介在させて前記排出口と連通されており、
    複数の太陽電池パネルが上下に並べて配置されているとともに、下側の太陽電池用集熱・加熱パネルに連通された排出口と、上側の太陽電池用集熱・加熱パネルに連通された注入口とが連結されており、
    前記太陽電池用集熱・加熱パネルの上下端部に設けられるスポンジパッキンと、このスポンジパッキンを狭持して締め付ける狭持フレームと、この狭持フレームを前記太陽電池パネルのフレームに固定する固定金具とを有している、太陽光発電システム。
  2. 外気温度が所定温度以下であって、かつ、前記太陽電池用集熱・加熱パネルのパネル温度から前記循環ポンプへ戻される熱媒体の熱媒体温度を減算して求められる温度差が所定値以下の場合、前記循環ポンプを停止させるとともに、前記太陽電池用集熱・加熱パネルの各流通路内から熱媒体を抜き落とす落水弁を開放する制御装置を有している請求項1に記載の太陽光発電システム。
  3. 積雪防止用の屋根が設けられた積雪を検知するための積雪検知用太陽電池と、この積雪検知用太陽電池の発電電力が所定値以上であって、かつ、前記太陽電池パネルの発電電力が所定値以下の場合、前記循環ポンプを運転させる制御装置とを有している請求項1または請求項に記載の太陽光発電システム。
  4. 請求項または請求項に記載の制御装置であるコンピュータを機能させる太陽光発電プログラム。
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