JP4925739B2 - 家庭用エレベータ - Google Patents
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Description
特に、前記従来のもののように、昇降路を、階下空間に対向する第一部位と、階下と階上とのあいだの天井空間に対向する第二部位と、天井空間に対向する第三部位とによる分割型として、既存の住宅に設置しやすい構成とするとともに、緩衝材についても、組み込みやすさの観点から分割してガイドレールに嵌入させた場合では、分断された緩衝材がそれぞれ収縮することで、複数箇所に隙間が形成されることになってガタつきが増加して、円滑性、静粛性を損ない、頻繁なメンテナンスが必要になるという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、昇降路は、階下空間に対向する第一部位と、階下と階上とのあいだの天井空間に対向する第二部位と、天井空間に対向する第三部位とを連結して構成されるものとし、それぞれの部位に形成した案内受け体を連通状に連結する一方、緩衝材は、前記案内受け体の連結部と位置ズレする部位で分割して配設されている請求項1に記載の家庭用エレベータである。
請求項3の発明は、案内受け体は、昇降路の四隅に複数設けられるものとし、前記案内受け体の端部に固定される調整具は、昇降路の各隅に対応すべくL字形に折曲された第一、第二取り付け片と、該各第一、第二取り付け片に開設される上下方向に長い第一、第二長孔と、第一取り付け片上下端縁部に第二取り付け片の折曲方向とは逆方向に折曲された支持片とを備えて構成されていて、上下方向の固定位置の調整と上下逆転取り付けとができるようにして、一種類の調整具を共用するように構成されている請求項1または2に記載の家庭用エレベータである。
請求項2の発明とすることにより、家庭用エレベータを既存の住宅に設置するのが容易になるものでありながら、緩衝材の調整を容易にできる。
請求項3の発明とすることにより、部材の兼用化が計れ、取り付け作業が容易になる。
図面において、1は二階建住宅室内の例えば玄関ホールに設けられた家庭用のエレベータであって、該エレベータ1は、最大乗員二名の省スペース化された構成となっている。前記エレベータ1を構成する昇降路2は、一階床部から二階天井部に至る部位が連通する上下方向に長い矩形状に形成されており、下側から順に一階の空間(階下空間)に面する第一部位3、一階と二階のあいだの天井部空間に面する第二部位4、二階の空間(階上空間)に面する第三部位5のそれぞれに分割されていて、既存の住宅にエレベータ1を設置する作業が容易になるように構成されている。
そして、一階の空間に面する第一部位3は、一対の左右側片部3a、3bと、前側面を構成する外扉6とにより構成されるが、前記左右側片部3a、3bは、前後端縁部に位置して前後一対の縦枠材(以降、前縦枠材、後縦枠材)7、8が設けられており、左右に位置する後縦枠材8の内側面(内面)には、内方に突出する前後一対の突片により構成される第一、第二ガイド片8a、8bが一体に形成されている。さらに、後縦枠材8の後方に位置する第二ガイド片8bの突出先端部には、後方に延出する突片により構成される第三ガイド片8cが一体形成されている。一方、左右の前縦枠材7の内側面(内面)には、内方に突出形成された突片7aの基端部における後方部位であって、前縦枠材7の内側片により構成される第四ガイド片7bと、前記突片7aの先端部から後方に延出された突片により構成される第五ガイド片7cとが一体形成されている。さらに、左側片部3aの前縦枠材7には、前端縁から内方に向けて突出する突片により第六ガイド片7dが一体形成されている。
ここで、第一部位3の上下方向長さは、標準的な住宅の一階床面から一階天井面までの長さよりも短く寸法設定されており、該第一部位3を一階床面に設置固定したとき、上縁部は一階天井面と同じかそれよりも低位に位置するように寸法設定されている。
そして、第二部位4の上下長さ寸法は、標準的な二階床面高さから第一部位3の上下長さを差し引いた長さ寸法と同じかそれよりも長く、標準的な一階天井高さから第一部位3の上下長さを差し引いた長さ寸法に、一階天井面から二階床面までの長さ寸法、即ち一階天井部の高さ寸法を加えた長さと同じかそれよりも短い長さ寸法に設定されている。
そして、前記左右側片部5a、5bは、前後端縁部に上下方向を向く前後一対の縦枠材12、13とを備えて構成されている。これら前後の縦枠材12、13は、それぞれ前記第一、第二部位3、4を構成する各縦枠材7、8、9、10と同様のものとなっており、第一、第二部位縦枠材7、8、9、10の突片7a、9aおよび第一〜第六ガイド片8a、8b、8c、10a、10b、10c、7b、7c、7d、9b、9c、9dに上下方向に連続(連通)する状態で、突片12aおよび第一〜第六ガイド片13a、13b、13c、12b、12c、12dがそれぞれ形成されている。
尚、6bは、一階、二階外扉6F、6Sにそれぞれ設けられた把手である。
さらに、昇降体14の左右の前縦枠材14gの前端面(外面)には、上下方向複数箇所に位置して前部ローラユニット19が一体的に設けられている。前記各前部ローラユニット19は、前縦枠材14gの前端面(外面)に固定される取り付け片14iに、前方に突出するローラ軸19aと、該ローラ軸19aの突出先端に回転自在に軸承されるローラ19bとで構成される第三ガイドローラ(本発明の案内体に相当する)19が設けられている。
そして、前記各第一〜第五ガイド片8a、8b、8c、7b、7c、10a、10b、10c、9b、9c、13a、13b、13c、12b、12cの一方の面部であって、第一、第二、第三ガイドローラ17、18、19との当接面となるローラ当接面には、それぞれ蟻溝状の嵌合凹溝Rが形成されており、これら各嵌合凹溝Rに、衝撃吸収材としての緩衝材20がそれぞれ抜け止め状、かつ、スライド移動自在に嵌入されている。そして、緩衝材20は、各第一〜第五ガイド片8a、8b、8c、7b、7c、10a、10b、10c、9b、9c、13a、13b、13c、12b、12cの溝開口側を覆うように設けられ、これらによって移動案内される各第一、第二、第三ガイドローラ17、18、19とは、それぞれ緩衝材20に当接する状態で移動案内されるように設定されている。
ここで、前記嵌入された緩衝材20は、最上位の緩衝材20の上端位置が、第三部位5の第一〜第五ガイド片13a、13b、13c、12b、12cの上端縁よりも下方に位置するように設定されている。
また、第二ガイドローラ18は、前側部位において前後方向を向く第三ガイド片8c、10c、13cの緩衝材20に当接して衝撃吸収された状態で案内を受けて上下昇降動するように設定されている。
さらに、第三ガイドローラ19は、前縦枠材7、9、12の内側面に左右方向対向状に形成された第四、第五ガイド片7b、7c、9b、9c、12b、12cのあいだに挟持状に嵌合され、第四、第五ガイド片7b、7c、9b、9c、12b、12cの緩衝材20に当接して衝撃吸収された状態で案内を受けて上下昇降動するように設定されている。
因みに、このように、昇降体14の四隅部位(各コーナー部)にそれぞれ配された第一〜第三ガイドローラ17、18、19が、第一〜第五ガイド片8a、8b、8c、7b、7c、10a、10b、10c、9b、9c、13a、13b、13c、12b、12cによる移動案内を受けて昇降作動することにより、昇降体14は、前後方向の動きを規制され(振れ止めされ)るとともに、左右方向の動きを規制され(振れ止めされ)た状態で昇降路2内を上下昇降動するように設定されている。
尚、14hは昇降体14の室内に設けられた手摺、14jは昇降体14の室内に設けられた操作スイッチである。
さらに、第一取り付け片27aの上下端縁部には、第二取り付け片27bの折曲方向とは逆方向に折曲された支持片27eがそれぞれ形成されている。前記支持片27eの幅方向長さは、それぞれ各第一〜第五ガイド片13a、13b、13c、12b、12cの蟻溝状の嵌合凹溝Rの溝入口部の溝幅よりも短い長さに設定されており、折曲先端側の長さは、それぞれ嵌合凹溝Rの溝深さに相当する長さに設定されている。このように、調整具27は、第一、第二長孔27c、27dが形成されていること、支持片27eが第一、第二取り付け片27a、27bの上下に形成されていることにより、調整具27を上下逆転させることが可能となって、部材の共通化を果せるように構成されている。
まず、第三部位5を構成する後縦枠材13に形成された第一ガイド片13aに取り付けられる調整具27は、家庭用エレベータ1の設置時においては、図5の仮想線で示すように、上側の支持片27eが第一ガイド片13aの上端と略同位置となる位置に組み込まれるように設定されている。このとき、下側に位置する支持片27eは、第一ガイド片13aの嵌合凹溝Rに嵌入する緩衝材20の上端に当接しており、第一取り付け片27aは第一ガイド片13aの溝開口を塞ぎ、第二取り付け片27bは縦枠材13の本体部から内側に突出するリブ13dの先端に突きあてられる状態となるように設定されている。そして、調整具27は、第二長孔27dに挿入した螺子28を後縦枠材13本体に螺合することによりリブ13dに対して緊締状態とすることにより、緩衝材20の上下方向の移動規制を行う状態で、第一ガイド片13aに固定されるように設定されている。この組み込み初期状態において、螺子28は、第二長孔27dの下端部に位置して螺合しており、後述する調整時に、螺子28を取り外すことなく調整具27(支持片27e)を下動させることができるように設定されている。
このように、調整具27は、緩衝材20の上下方向の移動規制をする構成として、従来のようにカシメ作業を不要にすることができる一方、調整具27の下動により、緩衝材20が収縮することにより嵌合凹溝R内に形成される緩衝材20の隙間を補正することができ、調整具27による緩衝材20の調整が簡単、かつ、容易になるように設定されている。
さらに、第三ガイド片13cに取り付けられる調整具27は、第二ガイド片13bに取り付けられる調整具27と同様の姿勢のものを、第三ガイド片13cの溝底に螺子28を螺合して取り付ける構成とするため、第一取り付け片27aの第一長孔27cを用いて取り付ける構成となっている。
一方、第三部位5の前縦枠材12に形成される第四ガイド片12bに取り付けられる調整具27は、第二ガイド片13bに取り付けられる調整具27と同様の姿勢のものを用い、第二長孔27dに挿通した螺子28により、突片12aに緊締する構成となっている。さらに、第五ガイド片12cに取り付けられる調整具27は、第四ガイド片12bに取り付けられるものを上下逆転させた姿勢で取付けられる構成となっており、このものも、第二長孔27dを用いて突片12aに緊締される構成となっている。
因みに、昇降体14が二階の第二停止位置に位置するとき、昇降体14上端部と昇降路2の第三部位5の上端部とは略同位置となるが、各ガイドローラ17、18、19を昇降体14の上端よりも下方に位置させることにより、第三部位5に形成される第一〜第五ガイド片13a、13b、13c、12b、12cの上端部に調整具27を設けて、該調整具27による調整が自在となるスペースを確保することができる。
しかも、このものでは、予め調整具27が組み込まれていない場合であっても、緩衝材20に収縮が生じた段階で、調整具27を組み込むことで、簡単な調整を行うことできるという利点もある。
第二の実施の形態の家庭用エレベータ29は、前記第一の実施の形態と同様に構成されており、昇降路30側に設けた図示しないガイドレールが、昇降体31側に設けた図示しないガイドローラの移動案内をすること、ガイドレールに設けた緩衝材が調整具により調整されること等は同様の構成となっている。
このものでは、昇降体31が第一停止位置に位置する状態で、昇降体31の上方であって、二階床面と略同レベルとなる位置に安全ネット32が配設される構成となっている。つまり、安全ネット32は、左右縁部に係止体32aが設けられる一方、昇降路30の中間部には、安全ネット32の係止体32aが上側から係止する係止受け体30aを設けられている。そして、二階から降下して昇降体31の上面が二階床面位置に達すると、安全ネット32の係止体32aが昇降路30の係止受け体30aに上側から係止し、昇降体31が第一停止位置に停止したときに、昇降体31の上方に安全ネット32が配設されるように設定されている。そして、このように構成することにより、例えば、メンテナンス時等の特別な制御状態において、昇降体31が一階の第一停止位置に位置しているときに二階の外扉が開放し、作業員が誤って足を踏み出したとしても、安全ネット32が二階床面と同レベルに設けられていて、昇降体31上に落下してしまうことを防止できる。
尚、係止受け体30aに係止する安全ネット32は、昇降体31の上昇に基づいて昇降体31の上面に当接し、昇降体31とともに上動することにより、係止体32aが係止受け体30aとの係止が解除され、安全ネット32が昇降体31の上面に載置された状態で第二停止位置まで上昇するように設定されていて、安全ネット32が昇降体31の上下昇降作動を阻害するような不具合がないように構成されている。
2 昇降路
3 第一部位
5 第三部位
12 前縦枠材
12b 第四ガイド片
12c 第五ガイド片
13 後縦枠材
13a 第一ガイド片
13b 第二ガイド片
13c 第三ガイド片
11 駆動ボックス
14 昇降体
15 内扉
17 第一ガイドローラ
19 第三ガイドローラ
27 調整具
28 螺子
Claims (3)
- 住宅内の階下と階上とを連通する昇降路内を昇降する昇降体を備えてなる家庭用エレベータにおいて、昇降体の外面に設けた案内体を、昇降路の内面に設けた案内受け体により移動案内するにあたり、案内受け体は、案内体との当接面に上下方向に長い緩衝材が配されるものとし、前記緩衝材は、案内受け体の端部に固定される上下方向移動自在な調整具により位置補正される構成とした家庭用エレベータ。
- 昇降路は、階下空間に対向する第一部位と、階下と階上とのあいだの天井空間に対向する第二部位と、天井空間に対向する第三部位とを連結して構成されるものとし、それぞれの部位に形成した案内受け体を連通状に連結する一方、緩衝材は、前記案内受け体の連結部と位置ズレする部位で分割して配設されている請求項1に記載の家庭用エレベータ。
- 案内受け体は、昇降路の四隅に複数設けられるものとし、前記案内受け体の端部に固定される調整具は、昇降路の各隅に対応すべくL字形に折曲された第一、第二取り付け片と、該各第一、第二取り付け片に開設される上下方向に長い第一、第二長孔と、第一取り付け片上下端縁部に第二取り付け片の折曲方向とは逆方向に折曲された支持片とを備えて構成されていて、上下方向の固定位置の調整と上下逆転取り付けとができるようにして、一種類の調整具を共用するように構成されている請求項1または2に記載の家庭用エレベータ。
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