JP4925139B2 - ディスパーション干渉計及び被測定物の物理量の計測方法 - Google Patents

ディスパーション干渉計及び被測定物の物理量の計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスパーション(Dispersion)干渉計に関し、特に、波長分散を持つ媒質の屈折率計測を行う産業分野に資するディスパーション干渉計及び被測定物の物理量の計測方法にする。
従来、一般的なヘテロダイン干渉計を使用したプラズマの密度計測の方法は下記の通りである。
図3に示すように光源100から出射された振幅sinωtを有する直線偏光のレーザ光は、ハーフミラーM10を介して周波数シフタ110Aに入射されて、sin(ω+ω)tにシフトされ、ハーフミラーM20、ミラーM30、プラズマ120、ミラーM40、ハーフミラーM50を介して検出器130に入射する。
この光路を通過したレーザ光は、周波数シフタ110Aにより、振幅がsin{(ω+ω)t+φ}となる。なお、ωは基本角周波数であり、ωは周波数シフタ110Aによるシフト角周波数、tは時間、φはレーザ光がプラズマ120を通過することにより、レーザ光に生ずる位相シフト量(位相差)である。
又、周波数シフタ110Aを通過した一部のレーザ光は、ハーフミラーM20、ミラーM100、ハーフミラーM90を介して検出器140に入射する。
又、ハーフミラーM10、ミラーM60を介して周波数シフタ110Bに入射したレーザ光は、周波数シフタ110Bによりsin(ω+ω)tにシフトされて、一部がハーフミラーM70、ミラーM80、ハーフミラーM90を介して検出器140に入射する。なお、ωは周波数シフタ110Bによるシフト角周波数である。又、周波数シフタ110Bによりsin(ω+ω)tにシフトされた、レーザ光の残りはハーフミラーM70、ハーフミラーM50を介して検出器130に入射する。
検出器130では、プラズマ120を介して入射したレーザ光と、周波数シフタ110Bを介して入射したsin(ω+ω)tの振幅のレーザ光に基づいてヘテロダイン方式で測定信号を得る。この測定信号中、AC成分はAcos{(ωL−ω)t+φ}である。なお、ここではAは振幅である。
又、検出器140では、周波数シフタ110Aで周波数シフトされて入射したレーザ光と、周波数シフタ110Bを介して入射したsin(ω+ω)tの振幅のレーザ光に基づいてヘテロダイン方式で参照信号Acos{(ωL−ω)t}を得る。
上記のように得られた測定信号と、参照信号に基づき位相計によって位相シフト量(位相差)φを下式により取得して、プラズマ120の線平均電子密度nを算出するようにしている。
Figure 0004925139
(なお、λは波長、Lはプラズマ中での光路長である。)
この干渉計では、時間・密度分解能が高い利点があり、実時間計測が容易である利点がある。
しかし、レーザ光として赤外領域の短波長レーザを用いると、プラズマ中の屈折率勾配がもたらすレーザ光の屈折変位量を抑えられるが、φに含まれる機械振動がもたらす光路長変化Δdによる位相変化量2πΔd/λが無視できなくなり、大きな計測誤差となる。機械振動を抑制するためには、大がかりな除振設備や、振動補正のため異なる波長の干渉計を併設する必要があり、システムが複雑になる問題があり、又、補正しきれない成分が残る場合もあって、位相分解能が低下する。
それに対して、ディスパーション干渉計は、波長分散を持つ媒質を対象として干渉計測を行うものであり、通常の干渉計測では、問題となる機械振動による測定誤差が少ないことが特徴である。
従来のディスパーション干渉計としては、特許文献1が公知である(図4(a)参照)。同図に示すようにこのディスパーション干渉計は、プラズマ120の電子密度を計測するために、直線偏光のレーザ光(周波数ωを有する基本波W1)を非線形結晶素子200に透過させて、その一部を基本波W1と偏光方向が直交する2倍高調波W2に変化させ、共通の光路上にあるプラズマ120に前記基本波W1と2倍高調波W2を通過させる。
そして、プラズマ120を通過した基本波W1と2倍高調波W2を非線形結晶素子220に入射して通過させて、前記基本波W1の一部を基本波W1と偏光方向が直交する2倍高調波W2に変化させて、波長選択フィルタ230に出射させる。なお、非線形結晶素子220ではプラズマ120を透過した2倍高調波成分から4倍高調波が発生するが、変換効率の観点からその変化は無視できる。波長選択フィルタ230では、2倍高調波W2以外の他の波長を除去して、検出器240に2倍高調波W2を出射する。検出器240では、2倍高調波の干渉信号が検出される。
ここで、非線形結晶素子200で発生した2倍高調波W2は、基本波W1と同じ光路となるため、基本波W1と同じ機械振動Δdを受けることになる。具体的には、図4(a)に示すように基本波W1はωΔd/cの位相変化を受け、2倍高調波W2は、2ωΔd/cの位相変化を受ける。なお、cは、光速である。
又、プラズマ120中では、基本波W1と2倍高調波W2は波長分散に応じた位相変化を受ける。具体的には、図4(a)に示すように基本波W1はプラズマ120によりcL/ωの位相変化を受け、2倍高調波W2は、プラズマ120によりcL/2ωの位相変化を受ける。なお、nはプラズマ120の線平均電子密度、cは定数である。
そして、検出器240で検出された2倍高調波W2の干渉信号の位相成分は、下記の通りとなる。
2(ωt+ωΔd/c+cpneL/ω)-(2ωt+2ωΔd/c+cpneL/2ω)=(3/2)cpneL/ω
なお、上記式の左辺の第1項の括弧内は、非線形結晶素子220で2倍高調波W2となった基本波W1の位相成分であり、これを2倍したものが非線形結晶素子220で発生した2倍高調波W2の位相成分である。括弧中には、機械振動による位相変化分ωΔd/cが含まれる。又、第2項は、非線形結晶素子200で2倍高調波となった2倍高調波の位相成分であり、機械振動による位相変化分2ωΔd/cが含まれる。なお、式中、Lはプラズマ120の中での光路長である。
又、干渉信号は、下記のように表わされる。
A+Bcos{(3/2)cpneL/ω}
ここで、
A=I+I、B=2√(I
であり、I,Iはそれぞれ2倍高調波強度である。ここではAはDC成分(直流成分)であり、Bは振幅強度である。
このようにして取得された干渉信号は、それぞれの2倍高調波で機械振動成分が同一のため、干渉したときに機械振動成分はキャンセルされ、干渉信号の位相にはプラズマによる位相変化のみが残ることになる。従って、このように得られた干渉信号に基づいて、線平均電子密度nを算出することができる。
上記のディスパーション干渉計では、機械振動の影響が少ないため、大がかりな除振設備や他の波長の干渉計の併設が不要となる。又、短波長レーザの使用により、屈折変位量が小さくなる等の利点がある。
しかし、位相差を精度良く抽出するためには、測定信号強度に比例する干渉信号中のDC成分のAと、振幅強度Bを精度良く評価する必要がある。このため、プラズマ120の放電終了後、位相物体(図示しない)を非線形結晶素子200,220間に挿入して、一周期以上の位相変化を与えて、A,Bを評価するが、屈折やレーザ出力変動によるプラズマ放電中の測定信号の変動やノイズの影響を除去できず、精度に問題がある。
そこで、特許文献1を改良した非特許文献1のディスパーション干渉計も提案されている。この非特許文献1でのディスパーション干渉計の位相抽出法について図4(b)を参照して説明する。なお、説明の便宜上、図4(a)と同一又は相当する構成については、同一符号を付す。
例えば、波長9.57μmの炭酸ガスレーザを、タイプI(発生する2倍高調波の偏光方向が、基本波W1の偏光方向と直交するタイプ)の非線形結晶素子200(例えば、ZnGeP2)に通す。
前記レーザ光(基本波W1)の一部は2倍高調波W2に変換され、該基本波W1と共に伝播する。
次に、駆動信号として角周波数ωの変調用高圧正弦波VEOM sin(ωt)を印加した電気光学素子250に前記基本波W1と2倍高調波W2を透過させる。この際、電気光学素子250に印加する電界と前記基本波W1の偏光方向が平行になるようにする。
上記のように2倍高調波W2を電気光学素子250に透過させることにより、2倍高調波W2の位相成分にのみ位相変調g・sin(ωt)が与えられる。なお、ここでは、g=πとなるように変調電圧を決めておく。
上記のように2倍高調波成分に位相変調を付与したレーザ光、及び基本波のレーザ光を、測定対象であるプラズマ120に入射する。
プラズマ120中では、波長分散に応じた位相変化を受ける。
プラズマ透過後のレーザ光(基本波及び2倍高調波)を、再度非線形結晶素子220(例えば、ZnGeP2)に通し、基本波成分の一部を2倍高調波成分に変換する。
次に、2倍高調波成分のみを透過させる波長選択フィルタ230に前記レーザ光を通過させて、他の波長成分を除去する。
前記波長選択フィルタ230を透過した2倍高調波の干渉信号強度Udet
Figure 0004925139
を、変調角周波数ωより十分速い周波数サンプリングで検出する。この干渉信号の位相成分には、プラズマ120の分散による位相変化
Figure 0004925139
が含まれている。なお、干渉信号を以下では説明の便宜上、変調信号ということがある。
そこで、電気光学素子250に印加している駆動信号を、干渉信号強度Udetの検出と同期して検出(サンプリング)する。
プラズマ放電終了後、検出したデータの解析を行う。
g=πとなるように変調電圧を決めているため、
Figure 0004925139
は、一周期変化する。このため、I+I、2√(I)を、変調の1周期の間で一定だと仮定すれば、I+I、2√(I)が求められる。
式(2)の干渉信号(変調信号)から、DC(直流)成分I+Iを差し引き、変調信号を振幅強度2√(I)で規格化した信号(以下、規格化信号という)
Figure 0004925139
を得る。
前述したように電気光学素子250に印加している駆動信号は、干渉信号強度Udetの検出と同期してサンプリングしているため、位相変調がゼロになる時間、すなわち、電気光学素子250への印加電圧がゼロになる時刻t
Figure 0004925139
を、このサンプリングしたデータから求める。
求めた時刻tにおいて、前記規格化信号から分散による位相変化を求める。
Figure 0004925139
そして、上記式(7)により測定したいプラズマ120の線平均電子密度n
Figure 0004925139
を得る。
図5(a)は、電気光学素子250に印加するsin(ωt)の時間的変化を示すグラフである。図5(b)は、干渉信号の時間的変化を示すグラフである。なお、図5(b)では、説明の便宜上、干渉信号の直流成分は除くとともに、−πsin(ωmt)の代わりにπsin(ωmt)を使用している。又、φは式(7)に相当するものである。
上記の位相変調型ディスパーション干渉計は、干渉信号中のA(=I+I)及び振幅強度B(=2√(I))をプラズマ放電中に評価でき、前述の特許文献1の干渉計よりも信号強度変化の影響を考慮できる利点がある。
米国特許第5642195号明細書 ピー・エイ・バグリイアンスキ(P.A.Bagryansky)他、「ディスパーション インターフェロメータ ベースド オン ア CO2 レーザ フォ テキサトール アンド バーニング プラズマ エクスプリメンツ(Dispersion interferometer based on a CO2 laser for TEXTOR and burning plasma experiments)」,Review of Scientific Instruments 77,053501(2006).
しかし、非特許文献1の干渉計の場合、一周期2π/ωの間は振幅強度Bは変化しないという仮定に基づくため、高周波ノイズの影響は除去できない問題がある。又、信号処理が複雑となり、特に、実時間計測に適用する場合には処理回路の開発が必要となる。
本発明の目的は変調信号のフーリエ成分である基本波、2倍高調波の信号強度比から位相抽出を行うことにより、高周波ノイズの影響を無くすとともに信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能なディスパーション干渉計を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、変調信号のフーリエ成分である基本波、2倍高調波の信号強度比から位相抽出を行うことにより、高周波ノイズの影響を無くすとともに信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能な被測定物の物理量の計測方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、基本波となる直線偏光のレーザ光を透過させて、一部のレーザ光を前記基本波と偏光方向が直交する第1の2倍高調波に変える第1非線形結晶素子と、位相変調を付与する駆動信号が印加されることにより、前記第1非線形結晶素子を介して入射した前記基本波と第1の2倍高調波のうちいずれか一方にのみ前記位相変調を発生させて、基本波及び第1の2倍高調波を共に被測定物に出射する位相変調手段と、前記被測定物を透過した基本波と第1の2倍高調波を入射して、前記基本波を該基本波と偏光方向が直交する第2の2倍高調波に変える第2非線形結晶素子と、前記第2非線形結晶素子を通過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波を選択的に透過させる波長選択フィルタと、前記波長選択フィルタを透過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号を取得する干渉信号取得手段と、前記干渉信号に含まれる前記被測定物による位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を計測する計測手段を備えたディスパーション干渉計において、前記計測手段は、調角周波数の基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の強度比を求め、
該強度比と、前記位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を算出することを特徴とするディスパーション干渉計を要旨とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、前記計測手段は、前記駆動信号に基づく参照信号に基づいて、前記位相変調における基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の各振幅強度を算出し、両振幅強度に基づいて前記強度比を求めることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記位相変調手段が、光弾性素子又は電気光学素子であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記被測定物が、プラズマであり、前記物理量が、該プラズマの電子密度であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記被測定物が、透過膜であり、前記物理量が、該透過膜の厚さであることを特徴とする。
請求項6の発明は、第1非線形結晶素子に対して、基本波となる直線偏光のレーザ光を透過させて、一部のレーザ光を前記基本波と偏光方向が直交する第1の2倍高調波に変える第1段階と、位相変調手段に対して、前記第1非線形結晶素子を通過した基本波と、前記第1の2倍高調波を入射して、位相変調を付与する駆動信号を印加することにより前記基本波と前記第1の2倍高調波のいずれか一方にのみ前記位相変調を発生させ、透過した基本波と第1の2倍高調波を被測定物に共に出射する第2段階と、第2非線形結晶素子に対して、前記被測定物を透過した基本波と第1の2倍高調波を入射して、前記基本波を該基本波と偏光方向が直交する第2の2倍高調波に変える第3段階と、波長選択フィルタにより、前記第2非線形結晶素子を通過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波を選択的に透過させる第4段階と、干渉信号取得手段により、前記波長選択フィルタを透過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号を取得する第5段階と、計測手段により、前記干渉信号に含まれる前記被測定物による位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を計測するに当たり、調角周波数の基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の強度比を求め、該強度比と、前記位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を算出する第6段階を有することを特徴とする被測定物の物理量の計測方法を要旨とするものである。
請求項1の発明によれば、変調信号のフーリエ成分である基本波、2倍高調波の信号強度比から位相抽出を行うことにより、高周波ノイズの影響を無くすとともに信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能なディスパーション干渉計を提供できる。
請求項2の発明によれば、駆動信号を参照信号として該参照信号に基づいて、干渉信号に含まれる、変調角周波数の基本波と2倍高調波の各振幅強度を算出し、両振幅強度に基づいて前記強度比を求めることにより、容易に請求項1の効果を実現できる。
請求項3の発明によれば、位相変調手段が、光弾性素子又は電気光学素子により構成されていることにより、請求項1又は請求項2の作用効果を容易に実現できる。
請求項4の発明によれば、被測定物であるプラズマの電子密度の計測において、信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能となる。
請求項5の発明によれば、透過膜の厚さの計測において、信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能となる。
請求項6の発明によれば、変調信号のフーリエ成分である基本波、2倍高調波の信号強度比から位相抽出を行うことにより、高周波ノイズの影響を無くすとともに信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能な被測定物の物理量の計測方法を提供できる。
以下、本発明をプラズマの線平均電子密度を計測するためのディスパーション干渉計及び計測方法に具体化した一実施形態を図1を参照して説明する。
ディスパーション干渉計は、第1非線形結晶素子としての非線形結晶素子10、位相変調手段としての光弾性素子12、第2非線形結晶素子としての非線形結晶素子14、波長選択フィルタ16、検出器18、ドライバ20、ロックインアンプ22,24、ディジタル回路26、及びディジタルスコープ28とを備えている。前記検出器18は干渉信号取得手段に相当する。
前記ロックインアンプ22,24、及びディジタル回路26により計測手段が構成されている。ロックインアンプ22,24は市販(例えば、(株)エヌエフ回路設計ブロック製)のものを採用することができる。なお、ドライバ20は、任意の波長及び後述する最大光学遅延量ρの設定を行うことができ、波長と最大光学遅延量ρとが入力されると、それに対応した駆動信号(すなわち電圧値)が決定され、光弾性素子12に印加する。
又、光源には、直線偏光の炭酸ガスレーザ、若しくはNd:YAGレーザ(ネオジウム・ヤグレーザ)を用いるが、これらのレーザに限定されるものではない。前記非線形結晶素子10,14は、発生する2倍高調波W2の偏光方向が、基本波W1の偏光方向と直交するタイプIのものが好ましい。タイプIの非線形結晶素子としては、例えば、ZnGeP2を挙げることができるが、限定されるものではない。
上記のように構成されたディスパーション干渉計の作用を図1を参照して説明する。
光源から、例えば炭酸ガスレーザ光を非線形結晶素子10に入射する。非線形結晶素子10により、レーザ光(角周波数ωを有する基本波W1)の一部は2倍高調波W2に変換され、該基本波W1と2倍高調波W2は、光弾性素子12に入射する。ここでの2倍高調波は第1の2倍高調波に相当する。なお、前記光弾性素子12に印加する駆動信号に基づく応力の方向は、基本波の偏光方向と平行になるように配置されているものとする。
光弾性素子12では、ドライバ20により、駆動信号が印加され、この駆動信号により、基本波W1の位相成分にのみ位相変調ρ=ρ・sin(ωt)を加える。なお、ρは最大光学遅延量、ωは前記駆動信号による変調角周波数、すなわち、光弾性素子12の駆動角周波数である。
上記のように基本波W1の位相成分に位相変調ρ・sin(ωt)が付与されたレーザ光、及び2倍高調波W2のレーザ光を、測定対象であるプラズマ30に入射する。プラズマ30中では、波長に応じた伝播速度をもつ(すなわち、分散(dispersion)の)ため、プラズマ透過後のレーザ光のそれぞれの波長成分の間には、波長分散に応じた位相の相違が生ずる。具体的には、図1に示すように基本波W1はプラズマ30によりcL/ωの位相変化を受け、2倍高調波W2は、プラズマ30によりcL/2ωの位相変化を受ける。nはプラズマ120の線平均電子密度、Lはプラズマ中での光路長、cは定数である。
プラズマ透過後のレーザ光(基本波及び2倍高調波)は、非線形結晶素子14を透過し、このとき基本波成分の一部が2倍高調波成分に変換される。ここで、基本波W1から2倍高調波W2となる高調波は第2の2倍高調波に相当する。なお、プラズマ30を透過した2倍高調波成分から4倍高調波が発生するが、変換効率の観点からその変化は無視できる。次に、2倍高調波成分のみを透過する波長選択フィルタ16に前記レーザ光が通過して、他の波長成分が除去され、波長選択フィルタ16を透過した2倍高調波成分は干渉し、その干渉信号強度Iを検出器18で検出する。
検出器18で取得された干渉信号は、式(9)となる。
Figure 0004925139
ここで、式(9)中、
A=I+I、B=2√(I
であり、I,Iはそれぞれ2倍高調波強度である。AはDC成分(直流成分)であり、Bは振幅強度である。又、nはプラズマ120の線平均電子密度、cは定数である。Lはプラズマ120中でレーザ光の光路長であり、既知のものである。
なお、干渉信号の位相成分は、下記の通りとなって算出される。
2(ωt+ρsin(ωmt)+ωΔd/c+cpneL/ω) −(2ωt+2ωΔd/c+cpneL/2ω)
=2ρsin(ωmt) +(3/2) cpneL/ω
上記式中、左辺の第1項の括弧内は、非線形結晶素子14で2倍高調波W2となった基本波W1の位相成分であり、この中には、機械振動による位相変化分ωΔd/cが含まれる。又、第2項は、非線形結晶素子10で2倍高調波となった2倍高調波の位相成分であり、機械振動による位相変化分2ωΔd/cが含まれる。なお、式中、cは光速である。
上記のようにして、非線形結晶素子10で発生した2倍高調波W2は、基本波W1と同じ光路となるため、基本波W1と同じ機械振動Δdを受けることになる。具体的には、図1に示すように基本波W1はωΔd/cの位相変化を受け、2倍高調波W2は、2ωΔd/cの位相変化を受ける。しかし、干渉信号では、基本波W1における機械振動ΔdによるωΔd/cの位相変化は非線形結晶素子14で2倍高調波に変換すると位相変化は2倍になるので、2倍高調波W2における機械振動Δdによる2ωΔd/cの位相変化は除去される。
なお、干渉信号の位相成分は、プラズマ30の分散による位相変化量(3/2)(cpneL/ω)が含まれており、干渉信号は加法定理により、下記式(10)の通りとなる。
Figure 0004925139
ここで、cos{2ρsin(ωmt)}、sin{2ρsin(ωmt)}は、第n次の第一種ベッセル関数Jnを用いて、
Figure 0004925139
Figure 0004925139
と展開することができる。すなわち、干渉信号Iはωmの高調波成分の和(級数)と見なせる。そこで、ωm、2ωmの角周波数成分に注目し、それらの振幅強度I(ωm)、I(2ωm)とすると、
Figure 0004925139
Figure 0004925139
となる。なお、Jは一次のベッセル関数であり、Jは二次のベッセル関数である。
そこで、上記のように検出された干渉信号と、ドライバ20の駆動信号に基づいてロックインアンプ22は、変調角周波数ωにおける基本波の振幅強度I(ω)を算出する。具体的には、ロックインアンプ22は、ドライバ20から入力した変調角周波数ωで変調させた駆動信号に基づくsin(ωt)のモニタ信号と、干渉信号に基づいて、上記式(13)で表わされる振幅強度I(ω)を算出する。
又、ロックインアンプ24は、ドライバ20から入力した変調角周波数ωで変調させた駆動信号に基づくsin(ωt)の信号を入力するが、この場合は、ロックインアンプ24の高調波測定モードを利用し、入力参照信号の2倍の高調波を参照信号とし、この参照信号と、干渉信号に基づいて、上記式(14)で表わされる振幅強度I(2ω)を算出する。
ロックインアンプ22,24で算出(すなわち、測定)した振幅強度I(ω)、I(2ω)に基づいて、両者の比のアークタンジェントを計算するディジタル回路26に入力する。
Figure 0004925139
さらに、J(2ρ)=J(2ρ)とするために、光弾性素子12の最大光学遅延量ρを1.3rad.に設定する。なお、この設定は、前記ベッセル関数の説明のために、ここで説明しているが、実計測の場合は、この計測を開始する際に、ドライバ20により光弾性素子12の最大光学遅延量ρを1.3rad.に設定するものとする。
なお、本実施形態では、レーザ光の基本波W1に位相変調ρ=ρ・sin(ωt)を加えるようにしたが、前記光弾性素子12により2倍高調波W2に位相変調ρを加えるようにしてもよい。この場合、前記光弾性素子12に印加する駆動信号に基づく応力の方向は、2倍高調波W2の偏光方向と平行になるように配置するものとする。又、干渉信号は、
Figure 0004925139
となる。この場合、前記式(9)〜式(15)において、2ρを−ρと入れ替えればよい。又、J(ρ)=J(ρ)とするために、光弾性素子12の最大光学遅延量ρを2.6rad.とする。
話を元に戻して、上記の設定により、ディジタル回路26の計算結果である出力信号は、下式(17)で表わされ、
Figure 0004925139
となる。
このディジタル回路26は、さらに、この式(17)に基づいて、下式(18)にてプラズマ30の線平均電子密度nを算出する。
Figure 0004925139
ここで、式(18)から分かるように、測定された線平均電子密度nは、DC成分A及び振幅強度Bに関するものがなく、DC成分A及び振幅強度Bの変動の影響を受けることがない。
なお、上記の説明では、実際には第1、第2の2倍高調波成分の位相には初期値である初期位相φ、φ’が付与されるが、説明の便宜上、省略している。又、式(9)であらわされる干渉信号の位相成分では、実際には初期値成分φ−φ’が付加されている。この初期値成分は、例えばプラズマ30が生じていない状態では、同じ光路で測定することにより、測定できるため、この値に基づいて線平均電子密度を正確に算出する。なお、前記初期位相の算出は、前記方法に限定されるものではない。
さて、上記のように構成されたディスパーション干渉計及び計測方法は下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のディスパーション干渉計は、直線偏光のレーザ光を透過させて、基本波W1の一部を基本波W1の偏光方向と直交する2倍高調波W2に変える非線形結晶素子10(第1非線形結晶素子)を有する。又、該干渉計は、前記基本波W1に変調角周波数ω分の位相変調を発生させ、透過した2倍高調波W2と位相変調した基本波W1をプラズマ30(被測定物)に出射する光弾性素子12(位相変調手段)を備える。又、該干渉計は、プラズマ30を透過した基本波W1と2倍高調波W2を入射し、入射した基本波W1を該基本波W1と偏光方向が直交する2倍高調波W2に変え、入射した2倍高調波W2と、ここで基本波W1の一部を2倍高調波に変えて該2倍高調波を出射する非線形結晶素子14(第2非線形結晶素子)を備える。又、該干渉計は、非線形結晶素子14から出射された2倍高調波W2を選択的に透過させる波長選択フィルタ16を備える。
又、干渉計は、検出器18、ロックインアンプ22、24、及びディジタル回路26、からなる計測手段を備え、調角周波数の基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の強度比を求め、該強度比と、前記位相変化量(3/2)(cpneL/ω)に基づいて、プラズマ30の物理量である線平均電子密度nを算出するようにした。そして、測定された線平均電子密度nは、DC成分A及び振幅強度Bに関するものがなく、DC成分A及び振幅強度Bの変動の影響を受けることがない。
この結果、干渉信号(変調信号)のフーリエ成分である基本波、2倍高調波に着目し、その信号強度比から位相抽出を行うことにより、高周波ノイズの影響を無くすとともに信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能となるとともに、機械振動による成分は自己補正できる。
(2) 本実施形態のディスパーション干渉計では、光弾性素子12に印加するドライバ20の駆動信号に基づく参照信号に基づいて、調角周波数ωにおける基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の各振幅強度I(ω)、I(2ω)を算出し、両振幅強度に基づいて前記強度比を求めることにより、容易に上記(1)の効果を実現できる。
(3) 本実施形態のディスパーション干渉計では、位相変調手段が光弾性素子12により構成されていることにより、上記(1)及び(2)の作用効果を容易に実現できる。
(4) 本実施形態のディスパーション干渉計では、被測定物であるプラズマ30の電子密度の計測において、信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能となる。
(5) 又、本実施形態では、計測手段には市販のロックインアンプ22,24を使用するようにした。この結果、信号処理系も市販の機器を組合わせるだけの簡素なシステムにできる。
(6) 本実施形態の計測方法では、第1段階では非線形結晶素子10(第1非線形結晶素子)に対して、基本波となる直線偏光のレーザ光を透過させて、一部のレーザ光を前記基本波と偏光方向が直交する第1の2倍高調波W2に変える。又、第2段階としては、光弾性素子12(位相変調手段)に対し、非線形結晶素子10を通過した基本波W1と、前記2倍高調波W2を入射して変調角周波数ωを付与する駆動信号を印加することにより基本波W1に変調角周波数ω分の位相変調を発生させ、透過した2倍高調波W2と位相変調した前記基本波W1をプラズマ30に出射する。又、第3段階として、非線形結晶素子14(第2非線形結晶素子)に対して、プラズマ30を透過した基本波W1と前記2倍高調波W2を入射して、基本波W1を該基本波と偏光方向が直交する第2の2倍高調波に変える。第4段階として、波長選択フィルタ16により、非線形結晶素子14を通過した第1の2倍高調波W2と第2の2倍高調波W2を選択的に透過させる。第5段階として、検出器18(干渉信号取得手段)により、波長選択フィルタ16を透過した第1の2倍高調波W2と第2の2倍高調波W2の干渉信号を取得する。そして、第6段階として、ロックインアンプ22,24及びディジタル回路26(計測手段)により、干渉信号に含まれるプラズマ30による位相変化量(3/2)(cpneL/ω)に基づいてプラズマ30の線平均電子密度nを計測する。この場合、変調角周波数ωの基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の強度比を求め、該強度比と、位相変化量に基づいてプラズマ30の線平均電子密度nを算出する。
この結果、測定された線平均電子密度nは、DC成分A及び振幅強度Bに関するものがなく、DC成分A及び振幅強度Bの変動の影響を受けることがない。この結果、干渉信号(変調信号)のフーリエ成分である基本波、2倍高調波に着目し、その信号強度比から位相抽出を行うことにより、高周波ノイズの影響を無くすとともに信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能となる。
(他の実施形態)
次に透過膜の厚さ計測が可能なディスパーション干渉計に具体化した実施形態を図2を参照して説明する。なお、前記実施形態と同一又は相当する構成については、同一符号を付してその詳細な説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
本実施形態では、厚さd、屈折率Nの透過膜52が基板50上に生成されたものを対象とし、その厚さdを計測するものである。ここで透過膜52の屈折は、波長分散を持つ。なお、基本波・2倍高調波に対する屈折率N(ω)、N(2ω)は既知であるものとする。又、基板50は、レーザ光に対して高い反射率を持つものとし、レーザ光の透過膜への入射角は限定するものではないが、本実施形態では、45度で入射するものとする。本実施形態の光学系は、前記実施形態のプラズマの密度計測の場合と同一であり、測定対象のプラズマ30の代わりに真空蒸着装置40内に収納された透過膜52を有した基板50と入れ替わるところが前記実施形態と異なっている。なお、図2において、真空蒸着装置40のケースには、後述する基本波W1、2倍高調波W2の光路上に透明部材からなる窓40aが設けられている。
ここで、光源から基本波W1が非線形結晶素子10に入射すると、前記実施形態と同様に非線形結晶素子10から入射した基本波W1の位相は光弾性素子12により変調角周波数ωで変調する。又、非線形結晶素子10で発生した2倍高調波W2は、基本波W1と同じ光路となるため、基本波W1と同じ機械振動Δdを受けることになる。具体的には、図2に示すように基本波W1はωΔd/cの位相変化を受け、2倍高調波W2は、2ωΔd/cの位相変化を受ける。
透過膜52に前記基本波W1,2倍高調波W2が入射すると、その中での光路長は2√(2)dのため、透過膜52中で生じる位相変化は、基本波W1,2倍高調波W2でそれぞれ2√(2)dωN(ω)/c、4√(2)dωN(2ω)/cとなる。基本波W1,2倍高調波W2を透過膜52に透過した後、再び非線形結晶素子14に通して前記実施形態と同様に基本波成分より2倍高調波W2を発生させる。そして、波長選択フィルタ16により、2倍高調波W2のみを選択して、検出器18により2つの2倍高調波W2の干渉信号を取得する。
ここで、2つの2倍高調波W2成分の干渉信号の位相は、
Figure 0004925139
となる。
これを前記実施形態のプラズマ計測と同様に、干渉信号と、ドライバ20の駆動信号に基づいてロックインアンプ22は、変調角周波数ωにおける基本波の振幅強度I(ω)を算出する。又、ロックインアンプ24は、ドライバ20から入力した変調角周波数ωで変調させた駆動信号に基づくsin(ωt)の信号を入力するが、この場合は、ロックインアンプ24の高調波測定モードを利用し、入力参照信号の2倍の高調波を参照信号とし、この参照信号と、干渉信号に基づいて、振幅強度I(2ω)を算出する。
そして、ロックインアンプ22,24で算出(すなわち、測定)した振幅強度I(ω)、I(2ω)に基づいて、ディジタル回路26で両者の比のアークタンジェントを計算する。この場合、アークタンジェントは式(20)で求める。ここで、式(20)の右辺は、位相変化量に相当する。
Figure 0004925139
ディジタル回路26は、さらに、下記式(21)に基づいて、透過膜52の厚さdを算出する。
Figure 0004925139
上記のようにして、本実施形態では、透過膜52の厚さdの計測を行うことができる。
さて、上記のように構成されたディスパーション干渉計及び計測方法は、前記実施形態の(1)〜(3)、(5)、(6)と同様の効果を奏することができる。又、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のディスパーション干渉計では、被測定物である透過膜52の物理量である厚さdの計測において、信号強度変化による測定誤差を低減し高精度化することができ、実時間制御での利用が可能となる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記各実施形態では、ロックインアンプ22,24及びディジタル回路26により計測手段を構成したが、計測手段をコンピュータにより構成してもよい。
○ 前記各実施形態では、光弾性素子12を使用したが、光弾性素子12の代わりに位相変調手段として、電気光学素子としてもよい。この際、電気光学素子に印加する電界と前記基本波W1の偏光方向が平行になるようにする。この場合、2倍高調波に位相変調を付与することになる。この場合においてもドライバ20は、電気光学素子により、2倍高調波W2に位相変調を付与することにより、前記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
又、電気光学素子に印加する電界と2倍高調波の偏光方向が平行になるようにしてもよい。この場合においては、基本波に位相変調を付与することになる。この場合においてもドライバ20は、電気光学素子により、基本波W1に位相変調を付与することにより、前記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態のディスパーション干渉計の概略図。 他の実施形態のディスパーション干渉計の概略図。 従来の干渉計の概略図。 (a)、(b)は、従来のディスパーション干渉計の概略図。 (a)は電気光学素子に印加するsin(ωt)の時間的変化を示すグラフ、(b)は、干渉信号の時間的変化を示すグラフ。
符号の説明
10…非線形結晶素子(第1非線形結晶素子)、
12…光弾性素子(位相変調手段)、
14…非線形結晶素子(第2非線形結晶素子)、
16…波長選択フィルタ、
18…検出器(干渉信号取得手段)、
20…ドライバ、
22…ロックインアンプ、
24…ロックインアンプ、
26…ディジタル回路(ロックインアンプ22,24とともに計測手段を構成する)、
28…ディジタルスコープ。

Claims (6)

  1. 基本波となる直線偏光のレーザ光を透過させて、一部のレーザ光を前記基本波と偏光方向が直交する第1の2倍高調波に変える第1非線形結晶素子と、
    位相変調を付与する駆動信号が印加されることにより、前記第1非線形結晶素子を介して入射した前記基本波と第1の2倍高調波のうちいずれか一方にのみ前記位相変調を発生させて、基本波及び第1の2倍高調波を共に被測定物に出射する位相変調手段と、
    前記被測定物を透過した基本波と第1の2倍高調波を入射して、前記基本波を該基本波と偏光方向が直交する第2の2倍高調波に変える第2非線形結晶素子と、
    前記第2非線形結晶素子を通過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波を選択的に透過させる波長選択フィルタと、
    前記波長選択フィルタを透過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号を取得する干渉信号取得手段と、
    前記干渉信号に含まれる前記被測定物による位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を計測する計測手段を備えたディスパーション干渉計において、
    前記計測手段は、
    調角周波数の基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の強度比を求め、該強度比と、前記位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を算出することを特徴とするディスパーション干渉計。
  2. 前記計測手段は、
    前記駆動信号に基づく参照信号に基づいて、前記位相変調における基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の各振幅強度を算出し、両振幅強度に基づいて前記強度比を求めることを特徴とする請求項1に記載のディスパーション干渉計。
  3. 前記位相変調手段が、光弾性素子又は電気光学素子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディスパーション干渉計。
  4. 前記被測定物が、プラズマであり、前記物理量が、該プラズマの電子密度であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のディスパーション干渉計。
  5. 前記被測定物が、透過膜であり、前記物理量が、該透過膜の厚さであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のディスパーション干渉計。
  6. 第1非線形結晶素子に対して、基本波となる直線偏光のレーザ光を透過させて、一部のレーザ光を前記基本波と偏光方向が直交する第1の2倍高調波に変える第1段階と、
    位相変調手段に対して、前記第1非線形結晶素子を通過した基本波と、前記第1の2倍高調波を入射して、位相変調を付与する駆動信号を印加することにより前記基本波と前記第1の2倍高調波のいずれか一方にのみ前記位相変調を発生させ、透過した基本波と第1の2倍高調波を共に被測定物に出射する第2段階と、
    第2非線形結晶素子に対して、前記被測定物を透過した基本波と第1の2倍高調波を入射して、前記基本波を該基本波と偏光方向が直交する第2の2倍高調波に変える第3段階と、
    波長選択フィルタにより、前記第2非線形結晶素子を通過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波を選択的に透過させる第4段階と、
    干渉信号取得手段により、前記波長選択フィルタを透過した第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号を取得する第5段階と、
    計測手段により、前記干渉信号に含まれる前記被測定物による位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を計測するに当たり、調角周波数の基本波と、前記第1の2倍高調波と第2の2倍高調波の干渉信号における2倍高調波の強度比を求め、該強度比と、前記位相変化量に基づいて前記被測定物に関する物理量を算出する第6段階を有することを特徴とする被測定物の物理量の計測方法。
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