JP4924202B2 - 繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置 - Google Patents

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本発明は、繊維束に樹脂を含浸させる繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置に関する。
繊維強化樹脂で製品を成形する方法として、十分な強度を有する繊維、例えばカーボン繊維を用い、これに液状の樹脂を含浸させて、製品の形状を形作るライナーに巻き付け、樹脂を加熱硬化させることが考えられている。カーボン繊維は、有機高分子繊維を、例えば3000℃の高温で焼成し、極めて強度を高くできるので、例えば高圧タンク等を、ライナーにカーボン繊維を巻き付ける、いわゆるフィラメントワインディング方法で製造することができる。カーボン繊維に樹脂を含浸させる方法として、温度制御された液体状の樹脂を満たした樹脂容器にカーボン繊維束を通過させることにより、カーボン繊維束に樹脂を含浸させることが考えられている。
また、カーボン繊維を使用したカーボン繊維強化樹脂(CFRP)等の繊維強化樹脂(FRP)製の製品を成形する際、補強材である繊維束を製織した織物を使用する場合がある。この場合、繊維束の厚さが大きいと、編みこんだ際の交差部での盛り上がりにより凹凸が生じ、また、繊維の偏在により樹脂過多部分やボイド部分が発生することにより、繊維強化樹脂製品の強度が低くなる可能性がある。このため、従来から、繊維束の厚さを小さくすることが考えられている。例えば、繊維束を開繊して厚さを小さくすることにより、編みこんだ際の凹凸部分が小さくなり、繊維強化樹脂製品において、樹脂過多部分やボイド部分を少なくでき、強度を高くできる可能性がある。
例えば、特許文献1には、フィーダー手段から送り出された繊維束に熱風を吹き付けてサイジング剤を柔軟化させながら繊維束を吸引風道管に導入し、吸引気流により各構成フィラメントを幅外方へ解き分ける開繊シート製造装置が記載されている。また、特許文献2には、集合繊維を送り出すフロントフィーダと、送り出された集合繊維を引き取るバックフィーダと、フロントフィーダおよびバックフィーダの間に配置された吸引風道とを備える開繊装置が記載されている。集合繊維は吸引風道の吸引口で吸引気流に出会うことにより、その際の通気作用により拡展開繊されるとされている。
また、特許文献3には、溶融樹脂を貯留させながら流動させるための浸漬区域と、浸漬区域に設置されて、炭素繊維により構成する強化用繊維束を接触通過させながら、開繊するとともに溶融樹脂を含浸させるための開繊ピンと、開繊ピンとの間で強化用繊維束を挟む位置で、強化用繊維束とは非接触位置に設けられた補助ピンとを備える開繊含浸装置が記載されている。開繊ピンに強化用繊維束を接触通過させることにより強化用繊維束が開繊され、開繊された連続繊維の間に溶融樹脂が含浸されるとされている。
特開平11−172562号公報 特許第3549152号公報 特開平11−58377号公報
上記の特許文献1、特許文献2のように、従来から、繊維束または集合繊維を開繊することが考えられているが、従来から、繊維束または集合繊維を開繊してから一旦ボビンに巻き取り、その後、このボビンから繊維束または集合繊維を送り出したものに樹脂を含浸させ、次いで、製品の形状を形作るライナーに巻き付け、すなわちフィラメントワインディングを行い、樹脂を加熱硬化させることにより、繊維強化樹脂製品を成形することが考えられている。例えば、ウェット法と呼ばれる方法では、供給用ボビンから送り出し、開繊した繊維束を中間ボビンに巻き取った後、中間ボビンから引き出した繊維束に樹脂を含浸させ、次いでライナーに巻き付けるフィラメントワインディングを行うことが考えられている。また、ドライ法と呼ばれる方法では、供給用ボビンから送り出し、開繊した繊維束を第1中間ボビンに巻き取った後、第1中間ボビンから引き出した繊維束に樹脂を含浸させ、次いで第2中間ボビンで巻き取った後、第2中間ボビンから繊維束を引き出してライナーに巻き付けるフィラメントワインディングを行うことが考えられている。
このようなウェット法およびドライ法のいずれの場合も、繊維束を開繊してからボビンに巻き取る工程と、繊維束に樹脂を含浸させる工程とが別になっているため、工程に無駄が生じることにより、作業時間が長くなり、繊維強化樹脂製品の製造コストが上昇する原因となっている。また、ドライ法の場合には、繊維束を供給用ボビンから引き出した後、第1中間ボビンに巻き取る工程と、第1中間ボビンから引き出した繊維束を第2中間ボビンに巻き取る工程との、繊維束をボビンに巻き取る2の工程が発生するため、さらに作業時間が長くなる原因となっている。
これに対して、特許文献1に記載された開繊シート製造装置、および、特許文献2に記載された開繊装置の場合、繊維束を気流により開繊しているのに過ぎず、繊維強化樹脂製品を成形するためには、繊維束を開繊する工程とは別に、繊維束に樹脂を含浸させる工程を必要とするため、繊維強化樹脂製品の製造コストの低減の面から改良の余地がある。また、特許文献3に記載された開繊含浸装置の場合、強化用繊維束の開繊と樹脂の含浸とを同時に行える可能性はないとはいえないが、繊維束の厚さを十分に小さくして、繊維束内のエアを十分に低減し、繊維束に樹脂をほぼ均一に含浸して、ボイドの少ない高品質の繊維強化樹脂製品を得られるようにする面からは改良の余地がある。
本発明の目的は、繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置において、繊維束により構成する繊維強化樹脂製品の製造コストを低減するとともに、ボイドの少ない高品質の繊維強化樹脂製品を実現することである。
本発明に係る繊維束の樹脂含浸方法のうち、第1の発明に係る繊維束の樹脂含浸方法は、加温した樹脂を収容した樹脂容器内で、繊維束を少なくとも2個のローラ間から加圧しながら引き出すことにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させる第1ステップと、繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させる第2ステップとを含み、第2ステップは、液状または半液状の樹脂を流す樹脂流路に対し、繊維束を樹脂流路の流れ方向に対し直交する方向に移動させ、繊維束は、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で、樹脂流路の外側で支持されていることを特徴とする繊維束の樹脂含浸方法である。
また、本発明に係る繊維束の樹脂含浸方法のうち、第2の発明に係る繊維束の樹脂含浸方法は、繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させるステップを含み、該ステップは、液状または半液状の樹脂を流す樹脂流路に対し、繊維束を樹脂流路の流れ方向に対し直交する方向に移動させ、繊維束は、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で、樹脂流路の外側で支持されていることを特徴とする繊維束の樹脂含浸方法である。
また、本発明に係る繊維束樹脂含浸装置のうち、第3の発明に係る繊維束樹脂含浸装置は、第1の発明に係る繊維束の樹脂含浸方法により、繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置であって、繊維束を巻き付けた繊維束供給部と、温水槽と、温水槽の内側に配置された樹脂槽とを有する樹脂容器であって、温水槽に配置された加温部により樹脂槽に収容した樹脂を加温する樹脂容器と、第2温水槽と、第2温水槽の内側に配置された第2樹脂槽とを有する第2樹脂容器であって、第2温水槽に配置された第2加温部により第2樹脂槽に収容した樹脂を加温し、繊維束供給部から送り出された繊維束に樹脂を含浸させる第2樹脂容器と、樹脂容器から送り出された液状または半液状の樹脂を流した後、樹脂容器に戻す樹脂流路である樹脂循環流路と、樹脂循環流路に設けられた樹脂循環ポンプと、樹脂循環流路の外側に設けられたテンションローラ装置と、を備え、第2樹脂槽は、少なくとも2個のローラを互いに平行に回転可能に支持しており、第2樹脂槽内で、繊維束を少なくとも2個のローラ間から加圧しながら引き出すことにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させることを可能とし、繊維束が樹脂循環流路を樹脂の流れ方向に対し直交する方向へ移動することを可能とし、かつ、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で張られるように、樹脂循環流路の外側に設けられた、第2樹脂槽のローラとテンションローラ装置とに繊維束が支持されていることを特徴とする繊維束樹脂含浸装置である。
また、本発明に係る繊維束樹脂含浸装置のうち、第4の発明に係る繊維束樹脂含浸装置は、第2の発明に係る繊維束の樹脂含浸方法により、繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置であって、温水槽と、温水槽の内側に配置された樹脂槽とを有する樹脂容器であって、温水槽に配置された加温部により樹脂槽に収容した樹脂を加温する樹脂容器と、樹脂容器から送り出された液状または半液状の樹脂を流した後、樹脂容器に戻す樹脂流路である樹脂循環流路と、樹脂循環流路に設けられた樹脂循環ポンプと、樹脂循環流路の互いに対向する位置に設けられた繊維束受け入れ口及び繊維束取り出し口と、を備え、繊維束受け入れ口から樹脂循環流路内に供給され、繊維束取り出し口を通じて樹脂循環流路内から取り出される繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、樹脂循環流路内の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させ、かつ、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で張られるように、樹脂循環流路の外側に設けられたローラとテンションローラ装置とで繊維束が支持されていることを特徴とする繊維束樹脂含浸装置である。

本発明に係る繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置によれば、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させるので、繊維束により繊維強化樹脂製品を成形する際に、繊維束を開繊する工程において、繊維束の開繊と樹脂の含浸とを同時に行え、その後、繊維束をボビンで巻き取ることなく、直接成形品を構成するライナーに巻き付ける、フィラメントワインディングを行うことができる。このため、工程を少なくできて、繊維強化樹脂製品の製造コストを低減できる。しかも、第1の発明によれば、加温した樹脂を収容した樹脂容器内で、繊維束を少なくとも2個のローラ間から加圧しながら引き出すことにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させ、また、第1の発明及び第2の発明によれば、繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させるので、繊維束を十分に開繊してその厚さを十分に小さくできるとともに、繊維束内のエアを十分に低減して、繊維束に樹脂をほぼ均一に含浸できる。この結果、ボイドの少ない高品質の繊維強化樹脂製品を実現できる。
[本発明に関する参考例]
以下において図面を用いて本発明に係る実施の形態と参考例とにつき詳細に説明する。以下において述べる材料、成形条件等は、説明のための1例であり、製品の仕様等に合わせ、適当な他の材料、成形条件を採用することができる。例えば、繊維として、カーボン繊維を説明するが、これ以外の適当な強度を有する繊維を使用することもできる。また、樹脂として、熱硬化型エポキシ樹脂を説明するが、これ以外の適当な接合強度を有する樹脂を使用することもできる。また、以下では、繊維強化樹脂製品を高圧ガスタンクとする場合について説明するが、繊維強化樹脂製品を高圧ガスタンク以外の製品とすることもできる。
図1は、本発明に関する参考例の繊維束の樹脂含浸方法によりカーボン繊維束18に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置10の構成図と、所定の通過位置での幅の変化を誇張して表すカーボン繊維束18の模式図とである。繊維束樹脂含浸装置10は、成形部12と、制御部14とを備える。なお、図1では、繊維束樹脂含浸装置10の構成要素ではないが、成形製品の形状を形作るライナー16も図示している。
成形部12は、原材料であるカーボン繊維束18をセットし、すなわち巻き付け、送り出しを行う繊維束供給部である繊維束ボビン20と、繊維束ボビン20から送り出されたカーボン繊維束18に液状または半液状の樹脂を含浸させることにより、カーボン繊維束18を樹脂含浸繊維束として供給する樹脂容器24と、樹脂が含浸されたカーボン繊維束18を巻き取るライナー回転機26とを備える。
カーボン繊維束18は、繊維束ボビン20から送り出された後、樹脂容器24、スクレーパー部28、冷却風吹き付け部30を介して、ライナー回転機26に設けられたライナー16に巻き付けられる。ライナー16は、その長手軸周りに回転駆動される。ライナー16の回転機構が、繊維束巻取部の機能を有する。したがって、カーボン繊維束18は、ライナー16の回転駆動によって張力が与えられ、その張力の下でライナー16に緊密に巻き付けられる。
また、樹脂容器24は、互いに仕切られた外側の温水槽32および内側の樹脂槽34を有する。温水槽32の下部に加温部であるヒータ36を設けており、ヒータ36の温度を、制御部14を介して調節可能としている。温水槽32に温水38を収容している。また、樹脂槽34に互いに平行に配置した両挟みローラである、2個の加圧ローラ40を、それぞれ回転可能に支持している。樹脂槽34に、液状または半液状の熱硬化型エポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」とする。)42を収容している。2個の加圧ローラ40は、樹脂槽34内のエポキシ樹脂42が浸った位置に配置している。樹脂容器24は、ヒータ36の温度上昇により、収容したエポキシ樹脂42を、温水38を介して加温し、樹脂粘度を低くする機能を有する。なお、樹脂槽34内の樹脂温度を管理するための樹脂温度センサを設けることもできる。樹脂槽34内の樹脂温度が例えば40℃から50℃の範囲に調節されることにより、エポキシ樹脂42が液状となる。
カーボン繊維束18は、繊維束ボビン20にセットし、ライナー回転機26のライナー16の回転により繊維束ボビン20から送り出され、ライナー16に巻き付けられる。繊維束ボビン20から送り出されたカーボン繊維束18は、案内ローラ44を介して、樹脂槽34の上方から下方にほぼ鉛直方向に2個の加圧ローラ40間に送られ、2個の加圧ローラ40の一方(図1の右方)の加圧ローラ40側からほぼ水平方向に樹脂槽出口46を通じて樹脂容器24外に引き出される。樹脂槽出口46は樹脂容器24外に直接通じており、樹脂槽出口46と樹脂が含浸されたカーボン繊維束18の間にはほとんど隙間が生じないようにしている。この構成により、樹脂槽34内でカーボン繊維束18を2個の加圧ローラ40間から加圧しながら引き出すことにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂42を含浸させることが可能となる。
樹脂容器24外に樹脂槽出口46を通じて引き出されたカーボン繊維束18は、樹脂槽出口46または樹脂槽出口46付近に設けたスクレーパー部28で余分な樹脂がそぎ落とされるようにしている。スクレーパー部28は、樹脂が含浸されたカーボン繊維束18を通過させる通過部48の幅を調節可能としており、幅の調節によりカーボン繊維束18に含浸させる樹脂量を調節可能としている。そぎ落とされたエポキシ樹脂42はスクレーパー部28の下側の樹脂受け部50で回収され、樹脂受け部50に接続された樹脂流路52を通じて樹脂槽34に戻されるようにしている。また、樹脂槽出口46から樹脂容器24外に漏れ出したエポキシ樹脂42も樹脂受け部50に回収可能としている。このように余分な樹脂を樹脂受け部50で回収し、樹脂槽34に戻す、すなわち樹脂のリサイクルを可能とすることにより、消費される樹脂量を少なくできる。なお、スクレーパー部28の通過部48の幅は調節不能とすることもできる。ただし、通過部48の幅を調節可能とすることにより、ライナー16へのカーボン繊維束18の巻き取り作業中でもカーボン繊維束18への樹脂含浸量の調節が可能となる。
また、スクレーパー部28とライナー回転機26との間に冷却風吹き付け部30を設けており、冷却風吹き付け部30を通過するカーボン繊維束18に、冷却ブロア54により冷却風を吹き付け可能としている。スクレーパー部28で付着する樹脂量を調節されたカーボン繊維束18は、冷却風吹き付け部30で冷却ブロア54により冷却風が吹き付けられることにより、冷却され樹脂粘度が低下する。冷却ブロア54およびライナー回転機26の作動は制御部14により制御する。
なお、図示は省略するが、アイクチ案内部を設けて、樹脂が含浸されたカーボン繊維束18をライナー16に巻き付け易いように案内することもできる。例えば、カーボン繊維束18をライナー16に向けて揃える揃え口と、揃え口をライナー16の長手軸方向(図1の表裏方向)と平行な方向に沿って移動させる移動機構等を有するものとする。
ライナー16は、成形製品の形状を形作る芯材となるもので、例えば高圧ガスタンクを成形する場合は、タンクの内径に対応する筒である。筒の材質は例えば硬質プラスチックを用いることができる。筒の直径は、例えば30cm程度で、その肉厚は数mm程度のものを用いることができる。ライナー16は、長手軸を中心とする回転可能に支持され、回転駆動機構によって長手軸周りに回転される。冷却風吹き付け部30を通過することにより、含有した樹脂の粘度が低下した、トウプリプレグ状のカーボン繊維束18は、ライナー16が回転駆動されることで、ライナー16外周に巻き取られる。ライナー16に巻き取られる量は、ライナー16の外周上の厚さにして数mmから10数mm程度である。エポキシ樹脂42が含浸されたカーボン繊維束18が所定巻き数でライナー16に巻き付けられ、製品の形状が形作られると、その後硬化処理が行われ、エポキシ樹脂42が硬化して、繊維強化樹脂製品である高圧ガスタンクが成形される。
また、このような繊維束樹脂含浸装置10を用いて繊維束に樹脂を含浸させる方法は、加温したエポキシ樹脂42を収容した樹脂容器24内で、カーボン繊維束18を2個の加圧ローラ40間から加圧しながら引き出すことにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂42を含浸させて、樹脂含浸繊維束とする。
このような本参考例の繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置によれば、加温したエポキシ樹脂42を収容した樹脂容器24内で、カーボン繊維束18を2個の加圧ローラ40間から加圧しながら引き出すことにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂42を含浸させる。このため、カーボン繊維束18により繊維強化樹脂製品を成形する際に、カーボン繊維束18を開繊する工程において、カーボン繊維束18の開繊と樹脂の含浸とを同時に行え、その後、カーボン繊維束18をボビンで巻き取ることなく、直接成形品を構成するライナー16に巻き付ける、フィラメントワインディングを行うことができる。したがって、工程を少なくできて、繊維強化樹脂製品の製造コストを低減できる。しかも、樹脂容器24内で2個の加圧ローラ40によりカーボン繊維束18を加圧しながら加圧ローラ40間から引き出すことにより、カーボン繊維束18を拡幅し、十分に開繊してその厚さを十分に小さくできる。すなわち、図1の下側に示すように、カーボン繊維束18は、加圧ローラ40間を通過することで、幅が大きくなり、繊維束ボビン20でのカーボン繊維束18の幅W1に対して、ライナー16巻き付け部分でのカーボン繊維束18の幅W2は大きくなる。また、カーボン繊維束18を2個の加圧ローラ40間に通過させ、カーボン繊維束18内のエアが搾り出されることによりエアを十分に低減できて、カーボン繊維束18にエポキシ樹脂42をほぼ均一に含浸できる。この結果、ボイドの少ない高品質の繊維強化樹脂製品を実現できる。
なお、本参考例において、カーボン繊維束18の開繊をより効果的に行うために、樹脂槽34内において、2個の加圧ローラ40以外の別の部分に別の2個以上の加圧ローラ40を設けることにより、複数段の2個ずつの加圧ローラからなる両挟みローラを設けることもできる。例えば、複数個所に2個ずつの加圧ローラ40を設ける場合、加圧ローラ40によるカーボン繊維束18の押圧力を異ならせることもできる。
第1の発明の実施の形態]
図2は、本発明の第1の実施の形態の繊維束の樹脂含浸方法によりカーボン繊維束18に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置10の構成図と、所定の通過位置での幅の変化を誇張して表すカーボン繊維束18の模式図とである。本実施の形態の場合、成形部12は、原材料であるカーボン繊維束18をセットし、送り出しを行う繊維束ボビン20と、繊維束ボビン20から送り出されたカーボン繊維束18に液状または半液状の樹脂を含浸させることにより、カーボン繊維束18を樹脂含浸繊維束として供給する樹脂循環流路56と、樹脂循環流路56に液状または半液状のエポキシ樹脂42を供給する樹脂容器24aと、樹脂が含浸されたカーボン繊維束18を巻き取るライナー回転機26とを備える。
カーボン繊維束18は、繊維束ボビン20から送り出された後、樹脂循環流路56、スクレーパー部28、冷却風吹き付け部30、テンションローラ装置58を介して、ライナー回転機26に設けられたライナー16に巻き付けられる。樹脂容器24aは、上記の図1に示した参考例を構成する樹脂容器24と同様の構成において、樹脂槽34に樹脂循環流路56の両端を接続している。また、樹脂槽34の外側の温水槽32の下部にヒータ36を設けており、ヒータ36の温度を、制御部14を介して調節可能としている。また、樹脂槽34には加圧ローラ40(図1参照)を設けていない。図2に示すように、樹脂槽34に、液状または半液状のエポキシ樹脂42を収容し、温水槽32に温水38を収容している。
樹脂循環流路56は、樹脂容器24aから送り出された液状または半液状のエポキシ樹脂42を流した後、樹脂容器24aに戻すようにしている。樹脂循環流路56に樹脂循環ポンプ60を設けており、樹脂循環ポンプ60の駆動により、樹脂循環流路56に樹脂が循環するようにしている。樹脂循環ポンプ60は、回転数を調節可能としており、樹脂循環ポンプ60の駆動状態は、制御部14により制御する。
また、樹脂循環流路56において、樹脂循環ポンプ60の樹脂吐出側である、樹脂循環ポンプ60とは別の互いに対向する位置に、それぞれ細長孔である繊維束受け入れ口62と繊維束取り出し口64とを設けている。繊維束ボビン20から送り出されたカーボン繊維束18は、2個の案内ローラ44を介して、繊維束受け入れ口62を通じて樹脂循環流路56に樹脂循環流路56内の樹脂の流れ方向に対し直交する方向に導入され、繊維束取り出し口64を通じて樹脂循環流路56外に取り出される。繊維束受け入れ口62と繊維束取り出し口64とにカーボン繊維束18を挿入した場合に、繊維束受け入れ口62および繊維束取り出し口64とカーボン繊維束18との間に生じる隙間はわずかである。この構成により、繊維束受け入れ口62から樹脂循環流路56内に供給され、繊維束取り出し口64を通じて樹脂循環流路56内から取り出されるカーボン繊維束18に、カーボン繊維束18の移動方向に対し直交する方向に、樹脂循環流路56内の樹脂の流れを通過させることにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18に樹脂を含浸させることが可能となる。
樹脂循環流路56を通過することにより樹脂が含浸されたカーボン繊維束18は、繊維束取り出し口64の出口または出口付近に設けたスクレーパー部28で余分な樹脂がそぎ落とされるようにしている。スクレーパー部28は樹脂が含浸されたカーボン繊維束18を通過させる通過部48の幅を調節可能としており、この幅の調節によりカーボン繊維束18に含浸される樹脂量を調節可能としている。そぎ落とされた樹脂はスクレーパー部28の下側の樹脂受け部50で回収されるようにしている。樹脂受け部50で回収された樹脂を、上記の図1に示した参考例と同様に、樹脂槽34に戻すようにすることもできる。また、スクレーパー部28の通過部48の幅は調節不能とすることもできる。また、樹脂受け部50は、樹脂循環流路56内から繊維束取り出し口64の出口を通じて漏れ出した樹脂も回収可能としている。
また、図示の例の場合には、繊維束受け入れ口62の入口の下側に第2樹脂受け部66を設けて、第2樹脂受け部66で、樹脂循環流路56内から繊維束受け入れ口62の入口を通じて漏れ出した樹脂を回収可能としている。第2樹脂受け部66で回収された樹脂も、上記の図1に示した参考例と同様に、樹脂槽34に戻すようにすることもできる。
また、スクレーパー部28とライナー回転機26との間に冷却風吹き付け部30を設けており、冷却風吹き付け部30を通過するカーボン繊維束18に、冷却ブロア54により冷却風を吹き付け可能としている。また、冷却風吹き付け部30を通過したカーボン繊維束18は、複数のテンションローラを有するテンションローラ装置58を通過することにより、張力が大きくなるとともに、冷却されるようにしている。すなわち、カーボン繊維束18は、エポキシ樹脂42の流れを通過させることにより開繊する際には、張力が抑えられていることが好ましいが、次に説明するライナー16への巻き付け時にはある程度の張力が確保されていることが必要とされる。すなわち、開繊時の張力とライナー16への巻き付け時の張力とでは互いに差が生じやすい。このため、本実施の形態のようにテンションローラ装置58を設けることが、カーボン繊維束18の必要とする張力を有効に確保する面から好ましい。テンションローラ装置58を通過した、粘度の低下したトウプリプレグ状のカーボン繊維束18は、ライナー回転機26に設けたライナー16に巻き取られる、フィラメントワインディングが行われるようにしている。エポキシ樹脂42が含浸されたカーボン繊維束18をライナー16に巻き付けることにより、製品の形状が形作られると、その後硬化処理が行われ、エポキシ樹脂42が硬化して、繊維強化樹脂製品が成形される。
また、このような繊維束樹脂含浸装置を用いて繊維束に樹脂を含浸させる方法は、カーボン繊維束18に、カーボン繊維束18の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状のエポキシ樹脂42の流れを通過させることにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂を含浸させて、樹脂含浸繊維束とする。
このような本実施の形態の繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置によれば、カーボン繊維束18に、カーボン繊維束18の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状のエポキシ樹脂42の流れを通過させることにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂42を含浸させる。このため、カーボン繊維束18により繊維強化樹脂製品を成形する際に、カーボン繊維束18を開繊する工程において、カーボン繊維束18の開繊と樹脂の含浸とを同時に行え、その後、カーボン繊維束18をボビンで巻き取ることなく、直接成形品を構成するライナー16に巻き付ける、フィラメントワインディングを行うことができる。したがって、工程を少なくできて、繊維強化樹脂製品の製造コストを低減できる。しかも、カーボン繊維束18に、カーボン繊維束18の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状のエポキシ樹脂42の流れを通過させるので、カーボン繊維束18を十分に開繊してその厚さを十分に小さくできる。すなわち、図2の下側に示すように、カーボン繊維束18は、エポキシ樹脂42が流れる樹脂循環流路56を通過することで、幅が大きくなり、繊維束ボビン20でのカーボン繊維束18の幅W1に対して、ライナー16巻き付け部分でのカーボン繊維束18の幅W3は大きくなる。また、カーボン繊維束18内のエアを十分に低減して、カーボン繊維束18にエポキシ樹脂42をほぼ均一に含浸できる。この結果、ボイドの少ない高品質の繊維強化樹脂製品を実現できる。その他の構成および作用については、上記の参考例と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
第2の発明の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態の繊維束の樹脂含浸方法によりカーボン繊維束18に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置10の構成図と、所定の通過位置での幅の変化を誇張して表すカーボン繊維束18の模式図とである。本実施の形態の場合、上記の図1に示した参考例に係る繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置と、上記の図2に示した第1の実施の形態に係る繊維束の樹脂含浸方法および繊維束樹脂含浸装置とを組み合わせている。すなわち、繊維束ボビン20から送り出されたカーボン繊維束18は、加圧ローラ40が設けられた樹脂容器24、樹脂循環流路56、スクレーパー部28、冷却風吹き付け部30、テンションローラ装置58を介して、ライナー回転機26に設けられたライナー16に巻き付けられるようにしている。すなわち、繊維束ボビン20から送り出されたカーボン繊維束18は、まず、上記の図1に示した参考例と同様に、樹脂容器24において、樹脂槽34内の加温された液状または半液状のエポキシ樹脂42中の、2個の加圧ローラ40間に送り出されるようにしている。そして、樹脂槽34内でカーボン繊維束18を2個の加圧ローラ40間から加圧しながら引き出すことにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂42を含浸させることにより、カーボン繊維束18を樹脂含浸繊維束として供給可能としている。
また、樹脂槽34に設けた樹脂層出口46aと、樹脂循環流路56に設けた繊維束受け入れ口62aとを接続している。そして、繊維束受け入れ口62aを通じて樹脂循環流路56に導入されたカーボン繊維束18が、上記の図2に示した第1の実施の形態と同様に、樹脂循環流路56内のエポキシ樹脂42の流れ方向に対し直交する方向に導入され、繊維束取り出し口64を通じて樹脂循環流路56外に取り出されるようにしている。この構成により、繊維束受け入れ口62aから樹脂循環流路56内に供給され、繊維束取り出し口64を通じて樹脂循環流路56内から取り出されるカーボン繊維束18に、カーボン繊維束18の移動方向に対し直交する方向に、樹脂循環流路56内の樹脂の流れを通過させることにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18に樹脂を含浸させることが可能となる。
このような本実施の形態によれば、加温したエポキシ樹脂42を収容した樹脂容器24内で、カーボン繊維束18を2個の加圧ローラ40間から加圧しながら引き出すことにより、カーボン繊維束18を開繊するのと同時にカーボン繊維束18にエポキシ樹脂42を含浸させる。また、樹脂が含浸されたカーボン繊維束18に、カーボン繊維束18の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状のエポキシ樹脂42の流れを通過させるので、上記の実施の形態及び参考例の場合に対して、カーボン繊維束18の開繊と樹脂の含浸とをより効果的に行える。例えば、図3の下側に示すように、カーボン繊維束18は、樹脂容器24内の2個の加圧ローラ40間を通過する場合と、樹脂循環流路56内をエポキシ樹脂42の流れに対し直交する方向に通過する場合との、2段階で幅が大きくなり、繊維束ボビン20でのカーボン繊維束18の幅W1に対して、ライナー16巻き付け部分での樹脂が含浸されたカーボン繊維束18の幅W4をより大きくできる。この結果、ボイドの少ない高品質の繊維強化樹脂製品をより効果的に実現できる。その他の構成および作用については、上記の図1に示した参考例または上記の図2に示した第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の繊維束の樹脂含浸方法によりカーボン繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置の構成図と、所定の通過位置での幅の変化を誇張して表すカーボン繊維束の模式図とである。 本発明の第1の実施の形態の繊維束の樹脂含浸方法によりカーボン繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置の構成図と、所定の通過位置での幅の変化を誇張して表すカーボン繊維束の模式図とである。 本発明の第2の実施の形態の繊維束の樹脂含浸方法によりカーボン繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置の構成図と、所定の通過位置での幅の変化を誇張して表すカーボン繊維束の模式図とである。
符号の説明
10 繊維束樹脂含浸装置、12 成形部、14 制御部、16 ライナー、18 カーボン繊維束、20 繊維束ボビン、24、24a 樹脂容器、26 ライナー回転機、28 スクレーパー部、30 冷却風吹き付け部、32 温水槽、34 樹脂槽、36 ヒータ、38 温水、40 加圧ローラ、42 熱硬化型エポキシ樹脂、44 案内ローラ、46,46a 樹脂槽出口、48 通過部、50 樹脂受け部、52 樹脂流路、54 冷却ブロア、56 樹脂循環流路、58 テンションローラ装置、60 樹脂循環ポンプ、62,62a 繊維束受け入れ口、64 繊維束取り出し口、66 第2樹脂受け部。

Claims (4)

  1. 加温した樹脂を収容した樹脂容器内で、繊維束を少なくとも2個のローラ間から加圧しながら引き出すことにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させる第1ステップと、
    繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させる第2ステップとを含み、
    第2ステップは、液状または半液状の樹脂を流す樹脂流路に対し、繊維束を樹脂流路の流れ方向に対し直交する方向に移動させ、繊維束は、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で、樹脂流路の外側で支持されていることを特徴とする繊維束の樹脂含浸方法。
  2. 繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、液状または半液状の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させるステップを含み、
    該ステップは、液状または半液状の樹脂を流す樹脂流路に対し、繊維束を樹脂流路の流れ方向に対し直交する方向に移動させ、繊維束は、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で、樹脂流路の外側で支持されていることを特徴とする繊維束の樹脂含浸方法。
  3. 請求項1に記載の繊維束の樹脂含浸方法により、繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置であって、
    繊維束を巻き付けた繊維束供給部と、
    温水槽と、温水槽の内側に配置された樹脂槽とを有する樹脂容器であって、温水槽に配置された加温部により樹脂槽に収容した樹脂を加温する樹脂容器と、
    第2温水槽と、第2温水槽の内側に配置された第2樹脂槽とを有する第2樹脂容器であって、第2温水槽に配置された第2加温部により第2樹脂槽に収容した樹脂を加温し、繊維束供給部から送り出された繊維束に樹脂を含浸させる第2樹脂容器と、
    樹脂容器から送り出された液状または半液状の樹脂を流した後、樹脂容器に戻す樹脂流路である樹脂循環流路と、
    樹脂循環流路に設けられた樹脂循環ポンプと、
    樹脂循環流路の外側に設けられたテンションローラ装置と、を備え、
    第2樹脂槽は、少なくとも2個のローラを互いに平行に回転可能に支持しており、第2樹脂槽内で、繊維束を少なくとも2個のローラ間から加圧しながら引き出すことにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させることを可能とし、
    繊維束が樹脂循環流路を樹脂の流れ方向に対し直交する方向へ移動することを可能とし、かつ、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で張られるように、樹脂循環流路の外側に設けられた、第2樹脂槽のローラとテンションローラ装置とに繊維束が支持されていることを特徴とする繊維束樹脂含浸装置。
  4. 請求項2に記載の繊維束の樹脂含浸方法により、繊維束に樹脂を含浸させる繊維束樹脂含浸装置であって、
    温水槽と、温水槽の内側に配置された樹脂槽とを有する樹脂容器であって、温水槽に配置された加温部により樹脂槽に収容した樹脂を加温する樹脂容器と、
    樹脂容器から送り出された液状または半液状の樹脂を流した後、樹脂容器に戻す樹脂流路である樹脂循環流路と、
    樹脂循環流路に設けられた樹脂循環ポンプと、
    樹脂循環流路の互いに対向する位置に設けられた繊維束受け入れ口及び繊維束取り出し口と、を備え、
    繊維束受け入れ口から樹脂循環流路内に供給され、繊維束取り出し口を通じて樹脂循環流路内から取り出される繊維束に、繊維束の移動方向に対し直交する方向に、樹脂循環流路内の樹脂の流れを通過させることにより、繊維束を開繊するのと同時に繊維束に樹脂を含浸させ
    かつ、繊維束の樹脂流路通過部分が下方に垂れ下がるような低い張力で張られるように、樹脂循環流路の外側に設けられたローラとテンションローラ装置とで繊維束が支持されていることを特徴とする繊維束樹脂含浸装置。
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