JP4924149B2 - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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そして、探索の結果、得られた基準画像と対象画像の間のオフセットは、動きベクトル、フローベクトルなどと呼ばれる。これらの動きベクトルを総合すれば、基準画像と対象画像の間の位置合わせ処理などが可能になる。
なお、このテンプレートは、単に所定位置のブロックである場合や、特徴抽出処理にて選ばれた特徴の高い領域である場合もある。
この理由としては、歪曲収差などの光学的要因による歪みが周縁部で大きくなることや、周縁部のテンプレートでは探索領域が画像境界をはみ出してしまうことが挙げられる。
しかしながら、上記方法の場合、信頼性の低いテンプレート対応を含まない点では有効であるが、周縁部の位置合わせの精度が低下してしまうといった問題がある。
そこで、画像境界外の画像を外挿する、即ち、境界画素値をコピーして延長する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
複数の画像のうち、何れか一の基準画像に対する対象画像における複数のテンプレートの探索領域が前記対象画像の縁部の外側にはみ出すか否かを判定するはみ出し判定手段と、
前記探索領域内で前記テンプレートを探索して動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
前記はみ出し判定手段により前記対象画像の縁部の外側にはみ出すと判定された探索領域に対応する一のテンプレートの動きベクトルと、当該一のテンプレートよりも内側に存する内側テンプレートの内側動きベクトルとの差が所定の値以上であるか否かを判定する差判定手段と、
前記はみ出し判定手段により前記対象画像の縁部の外側にはみ出さないと判定された当該テンプレートの動きベクトルと、前記差判定手段により前記動きベクトルと前記内側動きベクトルとの差が所定の値以上でないと判定された当該一のテンプレートの動きベクトルとを用いて前記基準画像と前記対象画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、
を備えることを特徴としている。
画像処理装置を制御するコンピュータに、
複数の画像のうち、何れか一の基準画像に対する対象画像における複数のテンプレートの探索領域が前記対象画像の縁部の外側にはみ出すか否かを判定する機能と、
前記探索領域内で前記テンプレートを探索して動きベクトルを算出する機能と、
前記対象画像の縁部の外側にはみ出すと判定された探索領域に対応する一のテンプレートの動きベクトルと、当該一のテンプレートよりも内側に存する内側テンプレートの内側動きベクトルとの差が所定の値以上であるか否かを判定する機能と、
前記対象画像の縁部の外側にはみ出さないと判定された当該テンプレートの動きベクトルと、前記動きベクトルと前記内側動きベクトルとの差が所定の値以上でないと判定された当該一のテンプレートの動きベクトルとを用いて前記基準画像と前記対象画像との位置合わせを行う機能と、
を実現させることを特徴としている。
図1は、本発明を適用した実施形態1の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
実施形態1の撮像装置(画像処理装置)100は、例えば、画像を連続して撮像し、当該複数の画像に対する位置合わせ処理を行って合成するものであり、基準画像に対する対象画像GにおけるテンプレートTの探索領域Rを対象画像Gの縁部の外側に出ないように限定(制限)するとともに、内側隣接テンプレートTbの内側動きベクトルMbを着目テンプレートTaの動きベクトルとして適用して、当該着目テンプレートTaの画素が対象画像Gの縁部の外側に存する場合に、当該着目テンプレートTaの動きベクトルを用いないで基準画像と対象画像Gとの画像合成を行うものである。
電子撮像部12は、撮像レンズ群11を通過した被写体像を二次元の画像信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等から構成されている。
映像信号処理部13は、電子撮像部12から出力される画像信号に対して所定の画像処理を施すものである。
画像メモリ14は、画像処理後の画像信号を一時的に記憶する。
撮影制御部15は、CPU71の制御下にて、電子撮像部12及び映像信号処理部13を制御する。
ズーム駆動部22は、撮像レンズ群11に接続されたズーム機構部(図示略)を駆動させる。
なお、フォーカス駆動部21及びズーム駆動部22は、撮影制御部15に接続され、撮影制御部15の制御下にて駆動する。
表示制御部31は、CPU71から適宜出力される表示データを一時的に保存するビデオメモリ(図示略)を備えている。
画像表示部32は、表示制御部31からの出力信号に基づいて所定の画像を表示する液晶モニタ等を備えている。
入力回路42は、操作入力部41から入力された操作信号をCPU71に入力するためのものである。
テンプレート構造体は、図2に示すように、テンプレート関連の属性を規定するものであり、「基準画像でのx座標」、「基準画像でのy座標」、「動きベクトルのx成分」、「動きベクトルのy成分」、「限定フラグ」、「無効フラグ」等のフィールドを具備している。
「基準画像でのy座標」は、変数名を「yr」として数値で表される。
「動きベクトルのx成分」は、変数名を「xo」として数値で表され、初期値は「0」に設定されている。
「動きベクトルのy成分」は、変数名を「yo」として数値で表され、初期値は「0」に設定されている。
「限定フラグ」は、「True」や「False」といった真偽値で表され、初期値は「False」に設定されている。
「無効フラグ」は、「True」や「False」といった真偽値で表され、初期値は「False」に設定されている。
具体的には、CPU71による抽出プログラム72aの実行に基づいて、基準画像から特徴点、即ち、特徴の強い領域をテンプレートT1、T2(例えば、9×9画素の正方形)として所定個数選択して抽出する(図3(a)参照)。
なお、抽出された各テンプレートT1、T2の中心座標(xr,yr)をテンプレート構造体の基準画像での座標として保持する(図2参照)。
即ち、対象画像Gにおいて、探索に必要とされる画素は、左上端の座標を(xr+xo−4−15,yr+yo−4−15)及び右下端の座標を(xr+xo+4+15,yr+yo+4+15)とする矩形の画素領域(R1)である。なお、±4は、テンプレート寸法の半分を規定している(図3(b)参照)。
具体的には、テンプレートT2の場所により必要画素が対象画像Gの境界からはみ出してしまう探索領域R2について、CPU71は、探索領域調整プログラム72cの実行に基づいて、対象画像Gの縁部の外側に出ないように、テンプレートの移動する探索領域Rから境界外の必要画素を含む範囲を除いた矩形範囲に限定(調整)する探索領域調整処理を行う(図3(c)参照)。
なお、図3(c)にあっては、探索領域R2の限定されたものを探索領域Q2として表す。
具体的には、CPU71による動きベクトル算出プログラム72dの実行に基づいて、全ての探索領域R内でテンプレートマッチングを行って、探索の結果、最もマッチングの良いオフセットを動きベクトルとして算出する。
具体的には、CPU71による動きベクトル適用プログラム72eの実行に基づいて、限定フラグの立っている着目テンプレートTa、Tc(図4参照)に関して、当該着目テンプレートTa、Tcから一定距離以内にあり、且つ、限定フラグの立っていないテンプレート(内側隣接テンプレート)Tb、Tdを検索して、当該内側隣接テンプレートTb、Tdに係る内側動きベクトル(xo’,yo’)を着目テンプレートTa、Tcの動きベクトルとして適用する。例えば、図4に示すように、着目テンプレートTaの動きベクトルMaの代わりに、内側隣接テンプレートTbの動きベクトルMbを適用するとともに、着目テンプレートTcの動きベクトルMcの代わりに、内側隣接テンプレートTdの動きベクトルMdを適用する。
なお、本実施形態にあっては、内側隣接テンプレートTbは、例えば一つ見つかれば良いが、複数存在する場合には、その全てに関して検索するようにしても良い。
また、一つも見つからない場合には、無効フラグを立てるようになっている。
具体的には、CPU71による外側判定プログラム72fの実行に基づいて、内側動きベクトル(xo’,yo’)が適用された着目テンプレートTaの左上端の座標(xr+xo’−4,yr+yo’−4)及び右下端の座標(xr+xo’+4,yr+yo’+4)がともに画像境界内に収まっているか否かを判定する。
具体的には、CPU71による位置合わせプログラム72lの実行に基づいて、内側動きベクトル(xo’,yo’)が適用された着目テンプレートTaの左上端(xr+xo’−4,yr+yo’−4)及び右下端(xr+xo’+4,yr+yo’+4)の少なくとも何れか一方が対象画像Gの境界内に収まっていないテンプレートTを除外して位置合わせ処理を行う。
なお、位置合わせの方法としては、撮像部1による連続撮影中において動きベクトル算出処理により算出された動きベクトルに基づいて撮像レンズ群11に含まれている補正用レンズ又は電子撮像部12を光軸方向と直交する方向に移動(シフト)させることにより位置合わせを行う方法や、動きベクトル算出処理により算出された動きベクトルに基づいて撮像部1により撮像された連続する複数の画像に対する切り取り範囲(トリミング範囲)を変更することにより位置合わせを行う方法がある。
図5に示すように、先ず、CPU71は、プログラムメモリ72から抽出プログラム72aを読み出して実行して、基準画像から特徴の強い領域をテンプレートTとして所定個数選択して抽出する抽出処理を実行する(ステップS1)。ここで、各テンプレートTの中心の座標をテンプレート構造体の基準画像での座標として保持する。
ここで、探索領域Q2が限定された場合には(ステップS33;YES)、CPU71は、テンプレート構造体の限定フラグを立てて、「True」とする(ステップS34)。
ループ1による処理(ステップS31〜ステップS36)をテンプレートTの個数分だけ繰り返し実行することにより、全てのテンプレートTについて動きベクトルが算出されると、ループ1を終了する(ステップS36)。
ここで、限定フラグが立っている、即ち、限定フラグが「True」であるテンプレート(着目テンプレートTa、Tc)について、CPU71は、当該テンプレートTから一定距離以内にあり、且つ、限定フラグの立っていない内側隣接テンプレートTbを検索する(ステップS43)。続けて、CPU71は、プログラムメモリ72から動きベクトル適用プログラム72eを読み出して実行して、内側隣接テンプレートTbの内側動きベクトルMbを着目テンプレートTaの動きベクトルとして適用し、さらに、プログラムメモリ72から外側判定プログラム72fを読み出して実行して、内側動きベクトルMbが適用された着目テンプレートTa、Tcの有効性、即ち、当該着目テンプレートTa、Tcの画素が対象画像Gの縁部の外側に存するか否かを判定する(ステップS44)。
ここで、着目テンプレートTa、Tcの画素が対象画像Gの縁部の外側に存する、即ち、着目テンプレートTa、Tcは有効ではない(無効)と判定された場合(ステップS44;無効)、CPU71は、テンプレート構造体の無効フラグを立てて、「True」として(ステップS45)、ループ(ループ2)処理を終了する(ステップS46)。
一方、着目テンプレートTa、Tcの画素が対象画像Gの縁部の外側に存しない、即ち、着目テンプレートTa、Tcは有効であると判定された場合(ステップS44;有効)、CPU71は、ループ(ループ2)処理を終了する(ステップS46)。
従って、基準画像と対象画像Gとの周縁部の大域的な相関性の高い有効な対応情報を捨てることなく利用することができ、基準画像と対象画像Gとの位置合わせを精度良く行うことができる。
即ち、プログラムメモリ72に、CPU71をはみ出し判定手段として機能させるはみ出し判定プログラム(図示略)を記憶して、CPU71によるはみ出し判定プログラムの実行に基づいて、複数の画像のうち、基準画像に対する対象画像GにおけるテンプレートTの探索領域Rが対象画像Gの縁部の外側にはみ出すか否かを判定するはみ出し判定処理を実行する。そして、はみ出し判定処理にて、探索領域Rが対象画像Gの縁部の外側にはみ出すと判定された場合に、CPU71による探索領域調整プログラム72cの実行に基づいて、探索領域Rを対象画像Gの縁部の外側に出ないように調整するようにしても良い。
つまり、対象画像Gの縁部の外側にはみ出してしまう探索領域Rが設定されてしまうテンプレートTについては、ループ1におけるステップS32の処理(探索領域設定処理、探索領域調整処理)とステップS35の処理(動きベクトル算出処理)を行う前に、探索領域対象画像Gの縁部の外側にはみ出してしまう探索領域Rが設定されてしまう着目テンプレートTaよりも内側の内側隣接テンプレートTbの内側動きベクトルMbを着目テンプレートTaの動きベクトルとして適用して、当該着目テンプレートTaの画素が対象画像Gの縁部の外側に存するか否かを判定して、対象画像Gの縁部の内側に存すると判定された着目テンプレートTaについてのみ、ループ1におけるステップS32の処理(探索領域設定処理、探索領域調整処理)とステップS35の処理(動きベクトル算出処理)を行って、基準画像と対象画像Gとの位置合わせに用いるようにしても良い。
以下に、変形例1の撮像装置200について図6を参照して説明する。
図6に示すように、変形例1の撮像装置200は、プログラムメモリ72に差判定プログラム72hを記憶している。
具体的には、CPU71による差判定プログラム72hの実行に基づいて、着目テンプレートTa、Tcの動きベクトルMa、Mc(xo,yo)と、内側隣接テンプレートTb、Tdの動きベクトルMb、Md(xo’,yo’)との差が所定の値以上であるか否か、つまり、ほぼ近似しているかどうかを判定する。
そして、着目テンプレートTa、Tcの動きベクトルMa、Mc(xo,yo)と内側隣接テンプレートTb、Tdの動きベクトルMb、Md(xo’,yo’)との差が所定の値以上であると判定された場合に、当該着目テンプレートTa、Tcの動きベクトルを用いないで基準画像と対象画像Gとの位置合わせ処理や画像合成処理を行う。即ち、対象画像Gの縁部の外側にはみ出さないと判定されたテンプレートの動きベクトルと、動きベクトルと内側動きベクトルとの差が所定の値以上でないと判定された当該一のテンプレートの動きベクトルとを用いて基準画像と対象画像Gとの位置合わせを行うようになっている。
これにより、基準画像と対象画像Gとの周縁部の大域的な相関性の高い有効な対応情報を捨てることなく利用することができ、基準画像と対象画像Gとの位置合わせを精度良く行うことができる。
図7は、本発明を適用した実施形態2の撮像装置300の概略構成を示すブロック図である。
実施形態2の撮像装置300は、基準画像と対象画像Gの解像度を低減させて基準低解像度画像及び対象低解像度画像GLを作成して、縮小階層の対象低解像度画像GLにおいて設定された基準低解像度画像から抽出された複数のテンプレートTの探索領域Rのいずれかの画素が対象低解像度画像GLの縁部の外側に存する場合に、内側隣接テンプレートT3の内側動きベクトルM3に基づいて、対象低解像度画像GLよりも解像度の高い原寸階層の画像における探索中心(探索領域)Cを再設定するものである。
なお、実施形態2の撮像装置300、探索中心Cの再設定処理を行う以外の点では、実施形態1におけるものと略同様であり、その詳細な説明については省略するものとする。
具体的には、CPU71による低解像度画像作成プログラム72iの実行に基づいて、基準画像及び対象画像Gの各々の縦横の画素数を1/2倍ずつすることで階層構造化させて、基準低解像度画像及び対象低解像度画像GLを作成する(図8参照)。
具体的には、CPU71による低解像度外側判定プログラム72jの実行に基づいて、探索領域R3、R4の画素が対象低解像度画像GLの境界内に収まっているか否かを判定する。
即ち、CPU71による探索領域再設定プログラム72kの実行に基づいて、限定フラグが立っているテンプレート構造体について、内側隣接テンプレートT3の内側動きベクトル(xo’,yo’)をテンプレート構造体の動きベクトル(xo,yo)の値として、対象低解像度画像GLよりも一段階解像度の高い原寸階層の対象画像Gにおける探索領域の中心(xr+xo’,yr+yo’)を再設定する。
図9に示すように、先ず、CPU71は、プログラムメモリ72から抽出プログラム72aを読み出して実行して、原寸の基準画像から特徴の強い領域をテンプレートTとして所定個数選択して抽出する抽出処理を実行する(ステップS101)。
なお、テンプレートTは、原寸画像でも縮小画像であっても同一の形状であり、例えば9×9画素の正方形となっている。
次に、縮小階層と原寸階層を行き来させる上で、動きベクトルと座標のスケール変換が必要となるため、CPU71は、縮小階層の画像に対応するように、各テンプレート構造体の座標値をスケール変換するスケール変換処理を実行する(ステップS103)。
その後、CPU71は、実施形態1のステップS31〜S36のループ(ループ1)と同様のループ(ループ3)を行って、各テンプレートTについて、縮小階層の画像について動きベクトルの算出を行う(ステップS151〜S156)。
ここで、標準の探索領域R3、R4は、縮小階層においては、x成分につき「−15〜+15」、y成分につき「−15〜+15」と設定される。
その後、CPU71は、プログラムメモリ72から低解像度外側判定プログラム72jを読み出して実行して、テンプレートTの探索領域R3、R4の画素が対象低解像度画像GLの縁部の外側に存するか否かを判定する処理を行った後、対象低解像度画像GLの縁部の外側に存すると判定された探索領域R4については、プログラムメモリ72から探索領域調整プログラム72cを読み出して実行して、対象低解像度画像GLの縁部の外側に出ないように探索領域R4を探索領域Q4に限定する探索領域調整処理を行う(ステップS152)。
ここで、探索領域R4が探索領域Q4に限定された場合には(ステップS153;YES)、CPU71は、テンプレート構造体の限定フラグを立てて、「True」とする(ステップS154)。
ループ3による処理(ステップS151〜ステップS156)をテンプレートTの個数分だけ繰り返し実行することにより、全てのテンプレートTについて動きベクトルが算出されると、ループ3を終了する(ステップS156)。
ここで、ループ3の処理により、各テンプレート構造体の動きベクトル(xo,yo)に値が規定されているので、それによりオフセットされた座標が原寸階層の探索中心Cとなるが、限定フラグが立っているテンプレートTに関しては、その探索中心の正当性が疑わしいため、探索中心C4の再設定を行う。
ここで、限定フラグが立っている、即ち、限定フラグが「True」であるテンプレート(着目テンプレートT4)について、CPU71は、当該テンプレートT4から一定距離以内にあり、且つ、限定フラグの立っていない内側隣接テンプレートT3を検索する(ステップS173)。続けて、CPU71は、プログラムメモリ72から探索領域再設定プログラム72kを読み出して実行して、内側隣接テンプレートT3の内側動きベクトルM3(xo’,yo’)を着目テンプレートT4の動きベクトル(xo,yo)の値としてテンプレート構造体を再設定する。そして、CPU71は、当該テンプレート構造体に基づいて、原寸階層の対象画像Gにおける探索領域Rの探索中心C4(xr+xo’,yr+yo’)を再設定した後(ステップS174)、探索領域Rを標準よりも数画素増やすように探索領域Rを再設定する(ステップS175)。即ち、CPU71は、内側隣接テンプレートT3の内側動きベクトルM3に基づいて対象画像Gに設定する探索領域Rを、内側隣接テンプレートT3の内側動きベクトルM3以外の動きベクトルに基づいて対象画像Gに設定する探索領域Rよりも大きくするようになっている。
なお、標準の探索領域Rは、原寸階層においては、x成分につき「−2〜+2」、y成分につき「−2〜+2」と設定する。
なお、探索中心C(探索領域R)が再設定されていないテンプレートについては、各テンプレート構造体の動きベクトル(xo,yo)によりオフセットされた座標が原寸階層の探索中心Cとして設定されるとともに前述した標準の探索領域Rが設定され、この標準の探索領域R内でテンプレートマッチングが行われることになる。
ループ4による処理(ステップS171〜ステップS177)をテンプレートTの個数分だけ繰り返し実行することにより、全てのテンプレートTについて動きベクトルが算出されると、ループ4を終了する(ステップS177)。
即ち、本実施形態2のように、ピラミッド或いは階層探索と呼ばれる方法で探索を行う場合には、探索領域Rが対象画像Gの境界の外側にはみ出す虞がかなり高くなってしまう。具体的には、階層探索とは、先ず縮小画像間でマッチング探索を行い、その動きベクトルを探索中心として原寸画像でのマッチング探索を行うことにより、大きな動きベクトルにも対応できるようにした方法である。この場合、縮小画像でのマッチング探索と原寸画像でのマッチング探索には、個別に回路を用意することが最適であると言われているが、そのぶんコストが高くなる。ここで、コスト等の制約によりあえて同一の回路によって処理を行うならば、縮小画像でのテンプレートT画素数を原寸画像と同一とすることとなり、画像全体との比で考えるならば、テンプレートTは相対的に非常に大きな寸法となり、縮小画像探索において対象画像Gの境界の外側にはみ出す虞がかなり高くなってしまう。
そこで、本実施形態2のように、探索領域Rが限定された限定フラグが立っているテンプレート構造体について、着目テンプレートT4の内側に隣接する内側隣接テンプレートT3の内側動きベクトルM3に基づいて、原寸階層の画像における着目テンプレートT4の探索中心C4を再設定することができるので、基準画像と対象画像Gとの周縁部の大域的な相関性の高い有効な対応情報を捨てることなく利用することができ、基準画像と対象画像Gとの位置合わせを精度良く行うことができる。
また、最も解像度の高い階層を原寸階層としたが、これに限られるものではなく、原寸階層よりも解像度の低い階層であっても良い。
具体的には、ループ3と4の間に、実施形態1のループ2(S41〜S46)を挿入して、原寸画像について、S172に対応するステップにてテンプレートTの限定フラグの代わりに無効フラグの判断を行う。そして、縮小階層において有効と判断されたテンプレートについては、探索中心及び探索領域の再設定は行われずに、限定フラグの立っていないテンプレートと同様の処理を行う。つまり、無効と判断されたテンプレートについてのみ探索中心C及び探索領域Rの再設定を行う(ステップS174、S175)。その後、原寸階層にて、探索領域R内でテンプレートマッチングを行って、最もマッチングの良いオフセットを動きベクトルとして算出して、ループ4を終了する(ステップS176)。
例えば、有効性判断や探索中心Cの再設定にて、全ての内側隣接テンプレート(図5におけるステップS43や図10におけるステップS173)を取得して検査しても良いし、また、複数存在する場合には、それらの動きベクトルの平均やメディアン等を使っても良い。
71 CPU(抽出手段、探索領域調整手段、動きベクトル算出手段、動きベクトル適用手段、外側判定手段、画像合成手段、差判定手段、低解像度画像作成手段、探索領域設定手段)
G 対象画像
GL 対象低解像度画像
T テンプレート
Ta、Tc、T4 着目テンプレート
Tb、Td、T3 内側隣接テンプレート
Mb、M3 内側動きベクトル
R 探索領域
C 探索中心
Claims (2)
- 複数の画像のうち、何れか一の基準画像に対する対象画像における複数のテンプレートの探索領域が前記対象画像の縁部の外側にはみ出すか否かを判定するはみ出し判定手段と、
前記探索領域内で前記テンプレートを探索して動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
前記はみ出し判定手段により前記対象画像の縁部の外側にはみ出すと判定された探索領域に対応する一のテンプレートの動きベクトルと、当該一のテンプレートよりも内側に存する内側テンプレートの内側動きベクトルとの差が所定の値以上であるか否かを判定する差判定手段と、
前記はみ出し判定手段により前記対象画像の縁部の外側にはみ出さないと判定された当該テンプレートの動きベクトルと、前記差判定手段により前記動きベクトルと前記内側動きベクトルとの差が所定の値以上でないと判定された当該一のテンプレートの動きベクトルとを用いて前記基準画像と前記対象画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 画像処理装置を制御するコンピュータに、
複数の画像のうち、何れか一の基準画像に対する対象画像における複数のテンプレートの探索領域が前記対象画像の縁部の外側にはみ出すか否かを判定する機能と、
前記探索領域内で前記テンプレートを探索して動きベクトルを算出する機能と、
前記対象画像の縁部の外側にはみ出すと判定された探索領域に対応する一のテンプレートの動きベクトルと、当該一のテンプレートよりも内側に存する内側テンプレートの内側動きベクトルとの差が所定の値以上であるか否かを判定する機能と、
前記対象画像の縁部の外側にはみ出さないと判定された当該テンプレートの動きベクトルと、前記動きベクトルと前記内側動きベクトルとの差が所定の値以上でないと判定された当該一のテンプレートの動きベクトルとを用いて前記基準画像と前記対象画像との位置合わせを行う機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
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