JP4921952B2 - 蓄熱槽及び蓄熱空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱槽及び蓄熱空調システムに関し、特に、熱搬送媒体の流路を構成する複数の槽を備えた蓄熱槽及び当該蓄熱槽を用いた蓄熱空調システムに関する。
従来から、一般住宅やオフィス等の各種の空間に対して空調を行うため、蓄熱槽を利用した蓄熱空調システムが提案されている。このような蓄熱空調システムにおいては、低負荷時に、熱源機器によって冷却又は加熱された水等の熱搬送媒体を蓄熱槽に導入して蓄熱し、高負荷時に、当該蓄熱された冷熱又は温熱を熱搬送媒体を介して取り出して利用する。
このような蓄熱槽において蓄熱効率を高めるためには、蓄熱槽の内部において熱搬送媒体を澱ませること無く回流させることが必要であるため、熱搬送媒体の滞留領域(死水領域)を無くすことが好ましい。また、蓄熱効率を高めるためには、蓄熱槽の出入り口における熱搬送媒体の温度差を十分に持たせることが必要であるため、蓄熱槽の内部に導入された熱搬送媒体の短絡(ショートサーキット)を極力防止することが好ましい。
このため、従来から、複数の槽を相互に直列的に連結して構成された蓄熱槽が提案されている。例えば、地下空間を蓄熱槽として利用する場合には、基礎梁で区画された各槽を連通管で直列的に接続し、熱搬送媒体を各槽に順次連通させている。タンク式の蓄熱槽においては、蓄熱槽の内部を複数の仕切り板で区画することによって当該蓄熱槽の内部に複数の槽を形成したり(例えば、特許文献1の図1参照)、あるいは、極端にアスペクト比の大きいタンクを用いることで死水領域が生じ難くしていた。
特開平8−296874号公報
しかしながら、このようにタンク式の蓄熱槽を複数の仕切り板で区画するためには、多数の仕切り板を蓄熱槽の内部に溶接等の手段にて固定する必要があり、蓄熱槽の施工コストを増大させる一因になっていた。また、極端にアスペクト比の大きいタンクを用いた場合には、設置スペースの制約が大きくなり、施工性を低下させる一因になっていた。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、熱搬送媒体の短絡や滞留を簡易な構造で低減することができる、蓄熱槽及び蓄熱空調システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、熱搬送媒体の流路を構成する複数の槽を備えた蓄熱槽であって、前記複数の槽の中の最外槽以外の各槽を、当該各槽の1つ外側の槽に順次内包されるように配置することで、相互に入れ子状に配置し、前記複数の槽の中の最外槽以外の各槽を可撓性素材から形成し、前記複数の槽の各々には、前記熱搬送媒体を当該各槽から当該各槽に隣接する次順の槽に流出させるための流出口を形成し、前記各槽の前記流出口と、当該各槽に隣接する次順の槽の前記流出口とを、相互に対向する位置に配置したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記複数の槽の少なくとも一つの内部空間に、前記複数の槽の相互間隔を維持するためのスペーサを配置したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の本発明において、前記スペーサを、前記複数の槽の少なくとも一つの槽壁に一体に突設したことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の本発明において、前記複数の槽の少なくとも一つの内部空間に、潜熱蓄熱材を配置したことを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の本発明において、前記槽の槽壁に複数の空間部を設け、当該複数の空間部に前記潜熱蓄熱材を封入したことを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項2及び5に記載の本発明において、前記潜熱蓄熱材を封入した前記空間部にて、前記スペーサを形成したことを特徴とする。
また、請求項7に記載の本発明は、熱源と、空調機と、蓄熱槽とを、熱搬送媒体を流通可能に接続した蓄熱空調システムにおいて、前記蓄熱槽として、請求項1から6のいずれか1項に記載の蓄熱槽を用いたこと、を特徴とする。
請求項1に係る本発明の蓄熱槽によれば、蓄熱槽に設けた複数の槽に対して熱搬送媒体を順次回流させることができるので、蓄熱槽の内部に導入された熱搬送媒体のショートサーキットを防止することができる。また、流出口を介して各槽に導入された熱搬送媒体が、当該槽の内部を経由して、次の流出口を介して次順の槽に導入されるので、各槽の内部にくまなく熱搬送媒体を回流させることができ、死水領域の発生を低減又は防止できる。
また、請求項2に係る本発明の蓄熱槽によれば、各槽の内部空間における水の流路をスペーサを介して所望の形状に維持しておくことができ、死水領域の発生を防止できる。
また、請求項3に係る本発明の蓄熱槽によれば、前記スペーサを、前記複数の槽の少なくとも一つの槽壁に一体に突設したことにより、各槽を配置するだけでスペーサを設置でき、スペーサを個別的に配置する手間が省けるので、蓄熱槽を一層簡易に形成することができる。
また、請求項4に係る本発明の蓄熱槽によれば、蓄熱槽に導入された冷水の冷熱又は温水の温熱を潜熱蓄熱材に蓄熱でき、蓄熱密度の向上を図ることができる。特に、潜熱蓄熱材は融点近傍の作用温度での凝固・融解による熱授受を含めた「見かけの比熱」が大きいことから、容積に対する蓄熱容量が大きく、蓄熱材を潜熱蓄熱材とすることで、蓄熱密度の向上を図ることができる。
また、請求項5に係る本発明の蓄熱槽によれば、各槽を潜熱蓄熱材と一体化でき、各槽を組み入れることで、自動的に潜熱蓄熱材を配置できる。従って、潜熱蓄熱材を独立して配置する手間を省略できるので、潜熱蓄熱材を用いた蓄熱槽の組立てを一層簡易化できる。
また、請求項6に係る本発明の蓄熱槽によれば、潜熱蓄熱材を封入した空間部によってスペーサを兼ねているので、スペーサ及び潜熱蓄熱材を独立して配置する手間を省略できるので、スペーサ及び潜熱蓄熱材を用いた蓄熱槽の組立てを一層簡易化できる。
また、請求項7に係る本発明の蓄熱空調システムによれば、熱搬送媒体を介して蓄熱槽にて蓄熱する蓄熱空調システムにおいて、蓄熱槽に設けた複数の槽に対して熱搬送媒体を順次回流させることができるので、請求項1から請求項6に係る上記発明と同様の効果を得ることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る蓄熱槽及び蓄熱空調システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る蓄熱空調システムは、一般住宅やオフィス等、空調の対象になる各種の空間(以下、空調対象空間)に対する空調を行うためのシステムに関する。ここで、空調対象空間としては、1つの領域として区画された空間の他、複数の領域や、あるいは、明確な区画のない開放又は半開放領域を含む。
この蓄熱空調システムの具体的構成は、蓄熱槽に関して特記する構成を除いて任意であり、例えば、空調対象空間に温湿度を調整した気体を送出する空調機、熱負荷を処理する熱源機、熱搬送媒体を循環させる循環管路、及び、蓄熱を行う蓄熱槽を備えて構成されている。そして、これら空調機、蓄熱槽、及び、熱源機が循環管路にて順次接続されており、この循環管路を介して熱搬送媒体を循環させることによって、熱交換が可能となっている。ただし、空調機と熱源機とを接続する循環管路を蓄熱槽に直接接続するものに限られず、循環管路から分岐されたバイパス管路等を介して熱搬送媒体を蓄熱槽に導入するように、蓄熱空調システムを構成することもできる。
ここで、空調機の具体的構成は任意であり、循環処理用の空調機の他、外気処理用の外気空調機をも含み得る。また、熱源機の具体的構成も任意であり、冷凍機の他、必要に応じて、冷却塔等の付帯設備を含み得る。また、熱搬送媒体は、水、ブライン、冷媒、又は、水和物スラリーを含み得るが、以下の説明では水(冷水)を用いるものとして説明する。
上記構成のうち、蓄熱槽は、循環管路にて循環されている熱搬送媒体をその内部に導入し、この熱搬送媒体の冷熱又は温熱を蓄熱する蓄熱手段である。この蓄熱槽としては、蓄熱媒体(水)が熱搬送媒体を兼ねる蓄熱槽(実施の形態1から5)と、蓄熱媒体(水、氷、潜熱蓄熱材等)が熱搬送媒体との間で熱交換する蓄熱槽(実施の形態6から10)との両方を含み得る。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る蓄熱槽の各実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、本発明の実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、蓄熱媒体が熱搬送媒体を兼ねる蓄熱槽の基本的形態である。
(蓄熱槽の構造)
最初に、蓄熱槽1の構造について説明する。図1は本実施の形態1に係る蓄熱槽1の縦断面図、図2は図1の蓄熱槽1のA−A矢視図である。この蓄熱槽1は、複数の槽10〜13を備えて構成されており、最内側の槽10には送水管2が挿通されると共に、最外側の槽13には取水管3が挿通されている。これら送水管2及び取水管3は、上述の循環管路を構成するもので、図示しない熱源機にて加熱又は冷却された水(又は図示しない空調機にて熱交換を終えた水)が送水管2を介して蓄熱槽1に導入されると共に、当該蓄熱槽1に導入された水が取水管3を介して空調機又は熱源機に導入される。
複数の槽10〜13は、水の流路を構成するもので、それぞれ袋状に形成されていると共に、相互に入れ子状に配置されている。すなわち、これら複数の槽10〜13によって囲繞される部分をそれぞれ受容部(内部空間)10a〜13aとすると、受容部13aには受容部12aが内包され、受容部12aには受容部11aが内包され、受容部11aには受容部10aが内包されている(10a⊂11a⊂12a⊂13a)。ただし、ここでいう「内包」とは、各受容部10a〜13aのうち、水の流路を構成するために実質的に必要な部分を包含していることを意味しており、各受容部10a〜13aの端部等が他の受容部10a〜13aの外側に突出しているような状態を含む趣旨である。
これら各槽10〜12の開口端部10b〜12bは、最外側の槽13の上面よりも上方に引き出されており、平面上の相互に略同一な位置において、送水管2の周囲に収束されている。この収束方法は、各槽10〜12からの水の流出を防止できる限りにおいて任意であるが、例えば、各槽10〜12の開口端部10b〜12bは、相互に熱溶着され、あるいは、面ファスナの如き接続手段にて送水管2に巻き付け固定されている。
これら複数の槽10〜13のうち、最外側の槽13を除いた各槽10〜12は、可撓性素材から形成されている。ここで、可撓性素材とは、容易に折り曲げ成形可能であり、かつ、透水性のないものを意味し、例えばポリエチレンやポリプロピレンを用いて各槽10〜12を形成することができる。また、最外側の槽13は、蓄熱槽1の筐体(タンク)として機能するものであり、蓄熱槽1の所望の強度や耐寒性及び耐熱性を維持できる材質、例えばFRPにて形成され、またこの槽13の外部には、断熱材を配置する等して保温性を向上させることもできる。ただし、この槽13を蓄熱槽1の筐体として機能させる必要がない場合、例えば蓄熱槽1を全体として他の保護手段の内部に収容するような場合には、当該槽13についても可撓性素材にて形成することができる。また、各槽10〜12が所定形状に拡充された後は、各槽10〜12の可撓性を維持する必要は必ずしもないため、各槽10〜12を水硬化性樹脂(例えば吸水性アクリル樹脂)を用いて形成することで、水の投入によって自動的に硬化させて、各槽10〜12の形状を一層安定的に維持するようにしてもよい。
また、各槽10〜12の各々には、流出口10c〜12cが形成されている。この流出口10c〜12cは、水を当該各槽10〜12から当該各槽10〜12に隣接する次順の槽11〜13に流出させるための開口部である。具体的には、送水管2を介して槽10に導入された水が、流出口10cを介して槽11に導入され、流出口11cを介して槽12に導入され、流出口12cを介して槽13に導入され、最終的には取水管3を介して蓄熱槽1の外部に排水される。特に、水の投入で生じた水位差により、各槽10〜13の相互間で圧力差が生じ、水が各槽10〜13に順次に回流する。従って、蓄熱槽1の内部に導入された水のショートサーキットを防止することができる。なお、各流出口の具体的構成は、各槽10〜13に対して水を単位時間当りの所望の流量だけ流出させることができる限りにおいて任意であり、例えば短尺筒状の硬質樹脂を各槽10〜12の側壁に貫通状に固定することで、流出口10c〜12cを構成することができる。
ここで、各槽10〜12の流出口10c〜12cと、当該各槽10〜12に隣接する次順の槽10〜12の流出口10c〜12cとは、相互に対向する位置に配置されている。具体的には、槽10の流出口10cと、当該槽10に隣接する次順の槽11の流出口11cとは、相互に対向する位置に配置されている。同様に、流出口11cと流出口12cとが、それぞれ相互に対向する位置に配置されている。さらには、送水管2と流出口10c、及び、流出口12cと取水管3についても、相互に対向する位置に配置されている。ここで、「対抗する位置に配置」とは、当該配置された2つの流出口10c〜12c(又は送水管2や取水管3)が相互に極力離れる位置に配置されることを意図しており、これら2つの流出口10c〜12c(又は送水管2や取水管3)の相互間の距離が最も大きくなることを意図している。この構成によれば、各槽10〜12に導入された水が、当該槽10〜12の内部を経由して、次の流出口10c〜12cを介して次順の槽11〜13に導入され、あるいは、取水管3を介して外部に取り出される。従って、各槽10〜13の内部にくまなく水が流れ、死水領域の発生を低減又は防止できる。
このような送水管2、流出口10c〜12c、又は、取水管3の具体的な配置位置は、実際には、シミュレーション等を通じて、必要十分な蓄放熱が得られるように決定することが好ましい。また、送水管2、流出口10c〜12c、又は、取水管3の具体的な内径については、各槽10〜13の相互間の水位差が所望のレベルになるように調整することが好ましい。なお、ここでは、各槽10〜13に送水管2、流出口10c〜12c、又は、取水管3を一つのみ設けた例を示しているが、これらを複数設けてもよい。この場合、これら複数の送水管2、複数の流出口10c〜12c、又は、複数の取水管3が、次段の槽10〜13のいずれの送水管2、流出口10c〜12c、又は、取水管3とも短絡しない位置に配置されていればよい。こうすることで、各槽10〜13の内部空間を流れる水の滞留域が一層発生し難くなる。
(蓄熱槽1の組立て方法)
次に、蓄熱槽1の組立て方法について説明する。蓄熱槽1は、工場等にて組み立てることもできるが、設置現場において容易に組み立てることも可能である。例えば、設置現場において組み立てる場合、当該現場に最外側の槽13と及び他の各槽10〜12を搬入する。ここで、各槽10〜12は、可撓性素材から形成されているので、折り畳まれたコンパクトな状態で取り扱うことができる。そして、最外側の槽13の内部に槽12を入れ、この槽12の内部に次の槽11を入れ、同様に槽11の内部に次の槽10を入れ込む。
そして、送水管2を最内側の槽10に差し込んだ状態で固定すると共に、取水管3を最外側の槽13に差し込んだ状態で固定する。次いで、各槽10〜12の開口端部10b〜12bを収束し、組立て作業が終了する。その後、送水管2から水を送水することで、水圧によって各槽10〜12がその可撓性によって自動的に所定形状に拡充される。あるいは、各槽10〜12に水を満たした状態で又は水を満たしながら組み立てることで、水の浮力を利用して各槽10〜12の自重を軽減しつつ、組み立て作業を行うことができる。このような組立て方法によれば、従来のように多数の仕切り板を蓄熱槽1の内部に溶接にて固定する必要がないため、蓄熱槽1の施工コストを大幅に低減することができる。また、上記と逆の手順を行うことで、蓄熱槽1を分解でき、蓄熱槽1の移送や再利用を容易に行なうことができる。この他、最外側の層13を除く各槽10〜12を予め入れ子状に配置しておき、その後にこれら各槽10〜12を一括して最外側の層13の内部に配置してもよい。
(実施の形態1の効果)
このように本実施の形態1によれば、蓄熱槽1に設けた複数の槽10〜13に対して水を順次回流させることができるので、蓄熱槽1の内部に導入された水のショートサーキットを防止することができる。また、送水管2又は流出口10c〜12cを介して各槽10〜13に導入された水が、当該槽10〜13の内部を経由して次段に至るので、各槽10〜13の内部にくまなく水を回流させることができ、死水領域の発生を低減又は防止できる。
特に、各槽10〜12を可撓性素材から形成したので、各槽10〜12の取り扱いが容易になり、設置現場においても容易に組み立てることができる。また、可撓性の複数の槽10〜12を入れ子状に組み立てることで蓄熱槽1を設置できるので、従来のように多数の仕切り板を蓄熱槽1の内部に溶接等の手段にて固定する必要がなくなり、蓄熱槽1の施工コストを大幅に低減することができる。また、蓄熱槽1を容易に分解でき、蓄熱槽1の移送や再利用を容易に行なうことができる。さらに、各槽10〜12を水硬化性樹脂にて形成した場合には、各槽10〜12を形成した後で水を投入することで各槽10〜12を自動的に硬化させることができ、あるいは、各槽10〜12に水を投入した後でこれら各槽10〜12を水中で成形しながら硬化させることで、各槽10〜12の形状を一層安定的に維持することができる。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、各槽の相互間隔を維持するためのスペーサを配置した形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(蓄熱槽の構造)
最初に、蓄熱槽20の構造について説明する。図3は本実施の形態2に係る蓄熱槽202の縦断面図、図4は図3のB−B矢視断面図である。蓄熱槽20の各槽11〜13の内部空間には、スペーサ21が設けられている。このスペーサ21は、各槽10〜13の相互間隔を維持するための間隔維持手段であり、例えば、複数の脚部21aと保持部21bとから棚状に構成されている。
複数の脚部21aは、例えば棒状に形成され、各槽11〜13の槽壁の下方部の上面に立設されている。また、保持部21bは、例えば平板状に形成され、各脚部21aによって支持されている。この保持部21bの上面には、当該保持部21bが配置されている槽11〜13の前段側の槽10〜12の槽壁が、略水平状になるように保持されている。例えば、槽11の内部に配置されたスペーサ21の保持部21bの上面には、槽10の槽壁が、略水平状に保持されている。ここで、脚部21aの長さと保持部21bの厚みとの合計値は、各槽10〜13の所望の相互間隔に略対応するように決定されている。従って、各槽10〜13の槽壁が、このスペーサ21によって所望の相互間隔を保つ位置において略水平状に保持される。このため、各槽10〜13の内部における水の流路を所望の形状に維持しておくことができ、死水領域の発生を防止できる。
(蓄熱槽20の組立て方法)
次に、蓄熱槽20の組立て方法について説明する。最外側の槽13を設置した後、この槽13の内部にスペーサ21を配置してから、この槽13の内部に前段の槽12を配置する。以降、同様に、スペーサ21と槽11、10とを交互に配置する。その他の手順は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
(実施の形態2の効果)
このように本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、各槽10〜13の相互間隔をスペーサ21にて維持すると共に、各槽10〜13の槽壁を略水平状に維持することで、各槽10〜13の内部における水の流路を所望の形状に維持しておくことができて、水の滞留を防止することができる。
〔実施の形態3〕
次に、本発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、実施の形態2とは異なる形状のスペーサを用いた形態である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図5は本実施の形態3に係る蓄熱槽30の縦断面図である。蓄熱槽30の槽11〜13の内部空間には、スペーサ31が設けられている。具体的には、槽10、11は狭幅に形成されると共に、槽12、13は広幅に形成されており、槽12が槽11を包含すると共に槽11の側方に延出している。各スペーサ31は、実施の形態2のスペーサ21の半分程度の幅に形成され、狭幅の槽11の内部には1つのスペーサ31のみが配置され、広幅の槽12、13の内部には2つのスペーサが左右に並設されている。このように、各槽10、11及びスペーサ31を実施の形態2よりも小型化することで、蓄熱槽30の内部の受容部10a〜13aの容積を自由に調整することができる。また、1つのスペーサ31の体積や重量を低減してその取扱いを一層容易とすることができる。
(実施の形態3の効果)
このように本実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果に加えて、蓄熱槽30の内部の受容部10a〜13aの容積を自由に調整することができると共に、1つのスペーサ31の体積や重量を低減してその取扱いを一層容易とすることができる。
〔実施の形態4〕
次に、本発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態4は、実施の形態2とは異なる形状のスペーサを用いた形態である。なお、実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図6は本実施の形態4に係る蓄熱槽40の縦断面図、図7は図6のC−C矢視断面図である。蓄熱槽40の内部空間には、スペーサ41が設けられている。具体的には、各槽11〜13の内部に、複数のスペーサ41が間隔を隔てて並設されている。各スペーサ41は、上下一対の平板状の保持部41aと、この保持部41aの相互間に立設された脚部41bとから、全体として略I字状に形成されている。各スペーサ41は、実施の形態3のスペーサ31よりもさらに狭幅に形成されており、一層多くのスペーサ41を並設することが可能になっている。このように、各槽11〜13の内部のスペーサ41を分割配置することで、各槽11〜13の内部における水の流動性を一層高めることができると共に、1つのスペーサ41の体積や重量を低減してその取扱いを一層容易とすることができる。
(実施の形態4の効果)
このように本実施の形態4によれば、実施の形態2と同様の効果に加えて、各槽11〜13の内部のスペーサ41を分割配置することで、各槽11〜13の内部における水の流動性を一層高めることができると共に、1つのスペーサ41の体積や重量を低減してその取扱いを一層容易とすることができる。
〔実施の形態5〕
次に、本発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5は、スペーサを各槽に一体に設けた形態である。なお、実施の形態5の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図8は本実施の形態5に係る蓄熱槽50の縦断面図、図9は各槽の槽壁の要部斜視図である。蓄熱槽50の各槽10〜13の内部空間には、スペーサ51が設けられている。具体的には、各槽10〜13の槽壁に、複数のスペーサ51が間隔を隔てて一体的に固定されている。各スペーサ51は、細長棒状に形成されており、各槽10〜13の槽壁の下面において下方に突出するように固定されている。このスペーサ51の具体的形成方法や素材は任意であるが、例えば、樹脂製のスペーサ51を各槽10〜13の槽壁に溶着固定することができる。このように、各槽10〜13にスペーサ51を一体化させた場合には、スペーサ51を独立して取り扱う必要がなくなり、蓄熱槽50の組立て時にも、各槽10〜13を順次入れ込むだけで、スペーサ51を自動的に配置できる。
(実施の形態5の効果)
このように本実施の形態5によれば、実施の形態2と同様の効果に加えて、各槽10〜13にスペーサ51を一体化させることで、スペーサ51を独立して取り扱う必要がなくなり、蓄熱槽50の組立を一層容易に行なうことができる。
〔実施の形態6〕
次に、本発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6は、蓄熱媒体が熱搬送媒体との間で熱交換する蓄熱槽の基本的形態である。なお、実施の形態6の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(蓄熱槽の構造)
最初に、蓄熱槽60の構造について説明する。図10は本実施の形態6に係る蓄熱槽60の縦断面図である。蓄熱槽60の各槽10〜13の内部空間には、潜熱蓄熱材(PCM)61が配置されている。そして、各槽10〜13に導入された水は、この潜熱蓄熱材61の周囲を回流することにより、当該潜熱蓄熱材61の間で熱交換を行なう。このように、蓄熱槽60に導入された冷水の冷熱又は温水の温熱を潜熱蓄熱材61に蓄熱でき、蓄熱密度の向上を図ることができる。特に、潜熱蓄熱材61を用いることで、相変化に伴う潜熱を利用することで見かけの比熱が高くなり、蓄熱密度の一層の向上が図られている。
この潜熱蓄熱材61の具体的な配置構造は任意であるが、ここでは、潜熱蓄熱材61は、複数の中空球状(カプセル状)の小型容器61aに充填された状態で各槽の内部に収容されている。この小型容器61aの具体的素材は任意であるが、熱伝導率が高い材料で、単位体積あたりの表面積の大きいものが好ましく、例えば金属製(アルミやステンレス等)を用いることができる。この他、潜熱蓄熱材61の熱伝導率を高めるため、小型容器61aを薄厚化したり、その外表面に伝熱用フィンを取り付けてもよい。ただし、蓄放熱計画上、伝熱速度が大きくなくてもよい場合はこの限りではない。また、潜熱蓄熱材61の配置密度(配置個数)に関しては、水の回流を妨げない密度とすることが好ましい。実際には、シミュレーション等を通じて、必要十分な伝熱速度や回流速度が得られるように、潜熱蓄熱材61の構造や配置密度を決定することが好ましい。このように、潜熱蓄熱材61を小型容器61aに充填することで、その取扱いが容易になると共に、単位体積あたりの熱搬送媒体との接触面積を大きくでき、その凝固又は融解を促進することができる。
このように潜熱蓄熱材61を用いる場合、水の温度は潜熱蓄熱材61が相変化するように設定する。例えば、蓄熱槽60に冷水を導入して冷熱を蓄熱する場合において、潜熱蓄熱材61の凝固点が10℃で融点が13℃である場合、蓄冷する時には5℃程度の水を投入し、放冷する時には18℃程度の水を投入する。
(蓄熱槽60の組立て方法)
次に、蓄熱槽60の組立て方法について説明する。最外側の槽13を設置した後、この槽13の内部に潜熱蓄熱材61を配置してから、この槽13の内部に前段の槽12を配置する。以降、同様に、潜熱蓄熱材61と槽11、10とを交互に配置する。その他の手順は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
(実施の形態6の効果)
このように本実施の形態6によれば、実施の形態1と同様の基本的効果に加えて、蓄熱槽60に導入された冷水の冷熱又は温水の温熱を潜熱蓄熱材61に蓄熱でき、蓄熱密度の向上を図ることができる。特に、潜熱蓄熱材61を用いることで、相変化に伴う潜熱を利用することで見かけの比熱が高くなり、蓄熱密度の一層の向上が図られている。また、潜熱蓄熱材61を小型容器61aに充填することで、その取扱いが容易になると共に、単位体積あたりの熱搬送媒体との接触面積を大きくでき、その凝固又融解を促進することができる。
〔実施の形態7〕
次に、本発明の実施の形態7について説明する。この実施の形態7は、各槽の内部に潜熱蓄熱材とスペーサの両方を配置した形態である。なお、実施の形態7の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2又は実施の形態6の構成と略同一であり、実施の形態2又は実施の形態6の構成と略同一の構成についてはこれら実施の形態2又は実施の形態6で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(蓄熱槽の構造)
最初に、蓄熱槽70の構造について説明する。図11は本実施の形態6に係る蓄熱槽70の縦断面図である。蓄熱槽70の各槽10〜13の内部空間には、スペーサ21及び潜熱蓄熱材61が配置されている。ここで、スペーサ21は実施の形態2と同様に形成されており、潜熱蓄熱材61は実施の形態5と同様に小型容器61aの内部に収容されている。ただし、この小型容器61aは、中空球状ではなく中空円筒状に形成されている。そして、スペーサ21の上面に各槽10〜13の槽壁が水平状に保持され、この槽壁の上面に潜熱蓄熱材61が載置されている。ただし、この他にも、スペーサ21から潜熱蓄熱材61を吊り下げるように配置してもよい。
(蓄熱槽70の組立て方法)
次に、蓄熱槽70の組立て方法について説明する。最外側の槽13を設置した後、この槽13の内部に潜熱蓄熱材61とスペーサ21とを順次配置してから、この槽13の内部に次順の槽12を配置する。以降、同様に、潜熱蓄熱材61とスペーサ21とを配置してから、槽11、10を配置する。その他の手順は、実施の形態2又は実施の形態6と同様であるので説明を省略する。
(実施の形態7の効果)
このように本実施の形態7によれば、実施の形態2及び実施の形態6と同様の効果を同時に得ることができる。
〔実施の形態8〕
次に、本発明の実施の形態8について説明する。この実施の形態8は、各槽の内部に潜熱蓄熱材とスペーサの両方を配置した形態である。なお、実施の形態8の構成は、特記する場合を除いて実施の形態3又は実施の形態7の構成と略同一であり、実施の形態3又は実施の形態7の構成と略同一の構成についてはこれら実施の形態3又は実施の形態7で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図12は本実施の形態8に係る蓄熱槽80の縦断面図である。蓄熱槽80の各槽及びスペーサ21は実施の形態3と同様に構成されており、このスペーサ21の上面には、実施の形態7と同様に構成された潜熱蓄熱材61が配置されている。
(実施の形態8の効果)
このように本実施の形態8によれば、実施の形態3及び実施の形態7と同様の効果を同時に得ることができる。
〔実施の形態9〕
次に、本発明の実施の形態9について説明する。この実施の形態9は、各槽の槽壁に複数の空間部を設け、当該複数の空間部に潜熱蓄熱材を封入した形態である。なお、実施の形態9の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1及び実施の形態6の構成と略同一であり、実施の形態1及び実施の形態6の構成と略同一の構成についてはこれら実施の形態1及び実施の形態6で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(蓄熱槽の構造)
最初に、蓄熱槽90の構造について説明する。図13は本実施の形態9に係る蓄熱槽90の縦断面図、図14は図13の各槽の槽壁の要部斜視図である。蓄熱槽90の各槽10〜12の槽壁には、複数の空間部91が形成されており、各空間部91に潜熱蓄熱材61が封入されている。各槽10〜12の具体的製造方法としては、例えば、複数の凹部を有する第1のシートを準備し、この第1のシートの凹部に潜熱蓄熱材61を充填した後、この第1のシートの当該潜熱蓄熱材61側の面に対して平板状の第2のシートを重ね合わせて、これら第1のシートと第2のシートとを相互に溶着することで、各槽10〜12を製造することができる。
(蓄熱槽90の組立て方法)
次に、蓄熱槽90の組立て方法について説明する。基本的には、実施の形態1と同様の手順にて、蓄熱槽90を組み立てることができる。ここでは、各槽10〜12に潜熱蓄熱材61が一体化されているので、各槽10〜12を組み入れることで、自動的に潜熱蓄熱材61を配置でき、潜熱蓄熱材61を独立して配置する手間を省略できるので、潜熱蓄熱材61を用いた蓄熱槽90の組立てを一層簡易化できる。
(実施の形態9の効果)
このように本実施の形態9によれば、実施の形態1及び実施の形態6と同様の効果を同時に得ることができる。さらに、潜熱蓄熱材61を独立して配置する手間を省略できるので、潜熱蓄熱材61を用いた蓄熱槽90の組立てを一層簡易化できる。
〔実施の形態10〕
最後に、本発明の実施の形態10について説明する。この実施の形態10は、潜熱蓄熱材にてスペーサを兼ねるようにした形態である。なお、実施の形態10の構成は、特記する場合を除いて実施の形態5及び実施の形態9の構成と略同一であり、実施の形態5及び実施の形態9の構成と略同一の構成についてはこれら実施の形態5及び実施の形態9で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図15は本実施の形態10に係る蓄熱槽100の縦断面図である。蓄熱槽100の各槽11〜12の槽壁には、複数の空間部101が形成されており、各空間部101に潜熱蓄熱材61が封入されている。ここで、各空間部101の上下方向の長さは、実施の形態9よりも縦長状に形成されており、実施の形態5のスペーサ21と同様に、各槽11〜12の所望の相互間隔に略対応するように決定されている。従って、各槽11〜12の槽壁が、この空間部101によって所望の相互間隔を保つ位置において略水平状に保持される。すなわち、各空間部101及び潜熱蓄熱材61は、実施の形態5のスペーサ21と同様に機能する。
(実施の形態10の効果)
このように本実施の形態10によれば、実施の形態5及び実施の形態9と同様の効果を同時に得ることができる。さらに、潜熱蓄熱材61を封入した空間部101によってスペーサを兼ねているので、スペーサを独立して配置する手間を省略でき、スペーサ及び潜熱蓄熱材61を用いた蓄熱槽100の組立てを一層簡易化できる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(複数種類の蓄熱材の利用について)
実施の形態6から10においては、潜熱蓄熱材61を用いるものとして説明したが、凝固点や融点が異なる複数種類の潜熱蓄熱材61(またはこれらを混合して形成された蓄熱材)を用いてもよい。この場合には、様々な温度の熱搬送媒体に対して、効率的な蓄熱を行うことが可能になる。
(熱搬送媒体の流動方向について)
上記各実施の形態においては、最内側の槽から最外側の槽に至る方向に熱搬送媒体が流動するものとして説明していたが、最外側の槽から最内側の槽に至る方向に流動させてもよい。この場合には、最外側の槽に送水管を挿入すると共に、最内側の槽に取水管を挿入することになる。
この発明は、タンク式の蓄熱槽や当該蓄熱槽を用いる蓄熱空調システムに利用でき、特に、熱搬送媒体の滞留領域の発生や短絡を防止して蓄熱効率を高めることに有用である。
本発明の実施の形態1に係る蓄熱槽の縦断面図である。 図1の蓄熱槽のA−A矢視図である。 実施の形態2に係る蓄熱槽の縦断面図である。 図3のB−B矢視断面図である。 実施の形態3に係る蓄熱槽の縦断面図である。 実施の形態4に係る蓄熱槽の縦断面図である。 図6のC−C矢視断面図である。 実施の形態5に係る蓄熱槽の縦断面図である。 各槽の槽壁の要部斜視図である。 実施の形態6に係る蓄熱槽の縦断面図である。 実施の形態7に係る蓄熱槽の縦断面図である。 実施の形態8に係る蓄熱槽の縦断面図である。 実施の形態9に係る蓄熱槽の縦断面図である。 図13の各槽の槽壁の要部斜視図である。 実施の形態10に係る蓄熱槽の縦断面図である。
符号の説明
1、20、30、40、50、60、70、80、90、100 蓄熱槽
2 送水管
3 取水管
10〜12 槽
10a〜13a 受容部
10b〜12b 開口端部
10c〜12c 流出口
21、31、41、51 スペーサ
21a、41b 脚部
21b、41a 保持部
61 潜熱蓄熱材
61a 小型容器
91、101 空間部

Claims (7)

  1. 熱搬送媒体の流路を構成する複数の槽を備えた蓄熱槽であって、
    前記複数の槽の中の最外槽以外の各槽を、当該各槽の1つ外側の槽に順次内包されるように配置することで、相互に入れ子状に配置し、
    前記複数の槽の中の最外槽以外の各槽を可撓性素材から形成し、
    前記複数の槽の各々には、前記熱搬送媒体を当該各槽から当該各槽に隣接する次順の槽に流出させるための流出口を形成し、
    前記各槽の前記流出口と、当該各槽に隣接する次順の槽の前記流出口とを、相互に対向する位置に配置したこと、
    を特徴とする蓄熱槽。
  2. 前記複数の槽の少なくとも一つの内部空間に、前記複数の槽の相互間隔を維持するためのスペーサを配置したこと、
    を特徴とする請求項1に記載の蓄熱槽。
  3. 前記スペーサを、前記複数の槽の少なくとも一つの槽壁に一体に突設したこと、
    を特徴とする請求項2に記載の蓄熱槽。
  4. 前記複数の槽の少なくとも一つの内部空間に、潜熱蓄熱材を配置したこと、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の蓄熱槽。
  5. 前記槽の槽壁に複数の空間部を設け、当該複数の空間部に前記潜熱蓄熱材を封入したこと、
    を特徴とする請求項4に記載の蓄熱槽。
  6. 前記潜熱蓄熱材を封入した前記空間部にて、前記スペーサを形成したこと、
    を特徴とする請求項2及び5に記載の蓄熱槽。
  7. 熱源と、空調機と、蓄熱槽とを、熱搬送媒体を流通可能に接続した蓄熱空調システムにおいて、
    前記蓄熱槽として、請求項1から6のいずれか1項に記載の蓄熱槽を用いたこと、
    を特徴とする蓄熱空調システム。
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