JP4921771B2 - ビームホモジナイザ、それを利用するレーザ照射方法及びレーザ照射装置、並びに非単結晶半導体膜のレーザアニール方法 - Google Patents
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Description
より詳しくは、本発明は、装置面積の拡大、装置重量及び材料費の増加を回避することができる、レーザビームの照射エネルギー密度分布を均一化するビームホモジナイザ、それを利用するレーザ照射方法及びレーザ照射装置、並びにそれを用いる非単結晶半導体膜のレーザアニール方法に関する。
レーザアニーリングでは、例えばエキシマレーザ等の出力の大きいパルス発振式レーザを用い、レーザビームを数cm角の四角いスポットや長さ10cm以上の線状となるように光学系にて整形することができ、更にこのようなビームスポットの照射位置を被照射面に対して相対的に走査させて、レーザアニールを行うことができ、それらは量産性が良く工業的に優れているため、実際のレーザアニーリングでは好んで使用される。
この高い量産性により、現在レーザアニールにはパルス発振のエキシマレーザのビームスポットを適当な光学系で整形した線状のビームスポットを使用することが主流になりつつある。
なお、ここで線状のビームスポットとはアスペクト比が大きい長方形状または楕円状のビームスポットをいう。
そのビームスポットの断面形状を被照射面において線状に整形するためには、一般的にシリンドリカルレンズアレイ等を用いた光学系を用いることが多い。
また、前記光学系は、ビームスポットの断面形状を線状に整形するだけでなく、同時に被照射面におけるビームスポットのエネルギー密度分布の均一化を果たす役目も負う。
つまりビーム進行光導波路に入射するレーザビームは、折りたたまれるように、射出口に重ね合わされることになる。
その結果、射出口においてレーザビームのエネルギー密度分布が均一化される。
そのため断面形状が線状のビームスポットを得たい場合には、射出口は線状の形状を有しているのが好ましい。
図2(A)に従来のビームホモジナイザの代表例として反射型のビーム進行光導波路201を示す。
また、図2(B)はビーム進行光導波路201を用いた場合のレーザビームの光路の平面概略図を示すものであり、同図において、レーザビーム202は入射口203から入射し、ビーム進行光導波路によってレーザビーム202のエネルギー密度分布が均一化された後、射出口204から射出される。
また、線状のビームスポットの長さをより長くすることができれば、生産性のより高い装置を得ることが出来る。
このようにより生産性の高い、より均一なレーザアニールを行うためには、例えば、より大型のビーム進行光導波路201を用いたビームホモジナイザが必要となる。
その結果、装置の占有面積の拡大、装置重量の増加、材料費の増大が問題となる。
したがって、本発明は、かかる問題を回避することを発明の解決課題とするものであり、具体的にはビーム進行光導波路を有するビームホモジナイザの軽量化、コンパクト化、及び材料費の低減を図ることを発明の解決すべき課題とするものである。
また、本発明は、かかるビームホモジナイザを利用することにより、生産性が高く、より均一な半導体膜を形成することができるレーザ照射方法及びレーザ照射装置、並びに非単結晶半導体膜のレーザアニール方法を提供することを発明の解決すべき課題とするものである。
以上の構成において、ビームホモジナイザは1つ又は複数の進路変更反射面を有し、そのうちの一部又は全部の面をビームの進行方向を変更するために用いることができる。
ビームの進行方向を変更するために用いる進路変更反射面の数が多いほど、ビーム進行光導波路の大きさを縮小することができる。
また、その構造は、ビーム進行光導波路の前記光反射面を備える面の形状を5角形とし、かつ互いに隣接する辺に入射口及び射出口を形成し、その上で、前記入射口及び射出口を形成した2つの辺に隣接する辺に進路変更反射面を形成した2つの進路変更反射面を持つものとしてもよいし、前記入射口及び射出口を形成した以外の全ての辺に進路変更反射面を形成した3つの進路変更反射面を持つものとしてもよい。
前者のレーザ照射方法は、ビームの進行方向に沿った面に互いに対面し、平行でかつ所定の間隙をもって配置された2つの光反射面を有するビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を形成したビームホモジナイザに、レーザビームを入射して短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームを形成し、前記短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームをシリンドリカルレンズアレイ及びシリンドリカルレンズに順次通過させることによって長辺方向のエネルギー密度分布も均一化した照射レーザビームを形成し、次いで、前記照射レーザビームを照射面に照射することを特徴とするものであり、照射面としては基板上の非単結晶半導体膜が好ましい。
その小型化に伴い、ビームホモジナイザの占有面積が減少するため、非単結晶半導体膜をレーザアニールによって結晶化する際に用いる光学系が縮小化できる。
また、量産性を向上させるために装置を大型化させた場合に生じる構成部品の加工精度の問題も軽減され、高精度の装置の作製も可能となる。
さらに、軽量化により装置の搬送や移動が容易になり、また構成部品が縮小することに伴って材料使用量が減ることにより経済性を向上させることができる。
また、ビームホモジナイザ、並びにレーザ照射方法及びレーザ照射装置については図面を用い、特にビームホモジナイザについては、複数の形態を説明する。
なお、非単結晶半導体膜のアニール方法を用いて半導体装置を作製する方法についても実施の形態に関して合わせて説明する。
以上のとおりであるが、本発明は、それらによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
ビームホモジナイザの各種形態に関し、図1、図3〜図5を用いて説明する。
図1、図3〜図5に図示したビームホモジナイザは、図2(A)に示した従来技術のビーム進行光導波路201を変形させ、装置の占有面積、装置重量及び材料費を低減させた各種態様例である。
まず、図1(A)に本発明のビーム進行光導波路101の概略図を示す。
図1(A)に示す、互いに対面する平行な2つの反射面の間に形成されたビーム進行光導波路101は、図2(A)に示した従来の技術における矩形状の光導波路の形状を直角三角形になるよう対角線に沿って切断し、前記光導波路の直角三角形の斜辺部分において前記光反射面に交差する方向の面に進路変更反射面102を設置したものである。
なお、図1(B)において、レーザビーム103は図の上方から入射し、直角三角形の斜辺部分、すなわち反射面102で反射され、左へ射出する構成になっている。
図1(A)に示すように、本発明においては、レーザビームが入射し、射出されるまでの距離は、ビーム進行光導波路の形状が矩形状の場合にレーザビームが入射し、射出されるまでの距離と等しい。このため、矩形状のビーム進行光導波路と同様に、三角形状のビーム進行光導波路101の射出口においてレーザビームの強度分布が均一化される。
このようにビーム進行光導波路を三角形状とすることで、その重量や占有面積、及び材料費を半減させることができる。
ビーム進行光導波路の形状は、先の図1の場合と同様に三角形状とするが、ここでは、石英ガラス板等の1枚の透光性板状体に必要なコーティング膜を適宜施したビーム進行光導波路301について説明する。
すなわち、ビーム進行光導波路を形成する石英ガラス板等の透光性板状体に、レーザビーム302が入射する面303はレーザビームを透過するコーティング膜を施し、三角形の斜辺部分304にはレーザビームを反射するコーティング膜を施す。
さらに、レーザビームが射出する面305にもレーザビームを透過するコーティング膜を施す。
なお、この場合には、ビーム進行光導波路の光反射面にコーティング膜は必要ない。
その際レーザビームが透過するコーティング膜を入射面及び射出面に形成するには、誘電体多層膜等を用いることができる。
また、進路変更反射面を形成する反射性のコーティング膜を形成するには、アルミ(Al)薄膜、クロム(Cr)薄膜、金(Au)薄膜、あるいは誘電体多層膜等を用いることができる。
なお、その全反射は、透光性板状体内の外面との境界において起こる。
そのため入射したレーザビームは反射しながら進行して進路変更反射面に到達し、そこで反射して進行方向を変更して更に進行し射出面から射出されることになる。
これにより、本ビーム進行光導波路の光学透過率を飛躍的に高めることができる。
本ビーム進行光導波路の形状である三角形の斜辺部分についても全反射条件を満たすようにレーザビームを入射させるようにするとより好ましい。
具体的には、使用するレーザビームの波長に合わせて、透光性板状体の屈折率を最適化し、入射角度45°で全反射条件を満たすようにすればよい。
より具体的には、前者は、誘電体多層膜や水銀等の被膜をガラスなどの板に形成した2枚のミラーを、間隙を以って平行に対面して配置することでビーム進行光導波路を形成できる。
また、後者は、石英ガラス、サファイア、蛍石、BK7(ホウ珪クラウンガラスの一種)などの透光性を有し、均一な厚さで、かつ平らな表面を持つ板状体によりビーム進行光導波路を形成するものである。この場合は、柱状体の表面が光反射面となる。
光反射面における全反射は、前記したとおり透光性板状体の内部を進行するビームが外面との境界に到達した際に起こるのであり、その全反射を発生させるためには、ミラーを用いる場合のように誘電体多層膜等の被膜を透光性板状体表面に形成する必要はない。
なお、これらの材料は、レーザの波長によって透過率が異なるため、用いるレーザの波長によって最適な材料を適宜選択さればよい。
これは、多角形状の一枚の均一厚さの透光性板状体にレーザビームを反射して進行方向を変更するコーティング膜を複数面に施したビーム進行光導波路を示すものである。
その図4において、(A)は進路変更反射面を2つ持つビーム進行光導波路401、(B)は進路変更反射面を3つ持つビーム進行光導波路402の概略を示す。
なお、図4(A)、(B)に示したビーム進行光導波路401と402は、入射口から射出口までのビームが進行する距離が同じになるように示してある。
このようなコーティング膜を形成することで、レーザビーム403を多角形状のビーム進行光導波路内で複数回反射させることにより、レーザビームが折りたたまれ、ビーム進行光導波路の面積を縮小させることができる。
ビーム進行光導波路は1つまたは複数の進路変更反射面を有し、そのうちの一部または全部の面をレーザビームの進行方向を変更するために用いることができる。この進路変更反射面によって折りたたまれるレーザビームの折りたたみ回数が多いほど、即ちレーザビームの進行方向を変更するために用いた進路変更反射面の数が多いほどビーム進行光導波路の面積は縮小できる。
そのビーム進行光導波路501は、ビーム進行光導波路に入射口方向に反射する凹面又は放物面の進路変更反射面502(a)及び502(b)と、射出口方向に反射する凸面又は双曲面の進路変更反射面503を設けたものである。
図5に示したように、図の上方より入射したレーザビームは、ビーム進行光導波路に形成された、互いに対面する平行な2つの光反射面で反射を繰り返しながら、進路変更反射面502(a)及び502(b)にて、まず進路変更反射面503へ集光するように反射する。
その際ビーム進行光導波路501によってレーザビームの強度分布が均一化され、また2つの進路変更反射面を用いることにより、ビーム進行光導波路内でレーザビームが3つに折りたたまれ、重量や占有面積、及び材料費を大幅に減少することができる。
以下において、図1に図示した構造のビーム進行光導波路を形成したビームホモジナイザを用いたレーザ照射方法及び装置について図6を用いて説明する。
その図6において、(A)は上面図であり、(B)は側面図である。
まず、図6(B)の側面図に基づいて、前記レーザ照射装置について説明する。
レーザ発振器601から出たレーザビームは、図6において矢印の方向に進行し、シリンドリカルレンズ602(a)及び602(b)により拡大される。
なお、この構成は、レーザ発振器601から出るビームスポットが十分に大きい場合には必要ない。
その均一化されたビームは、ミラー605を介し、シリンドリカルレンズアレイ606(a)及びシリンドリカルレンズアレイ606(b)、並びにシリンドリカルレンズ607を通過し、その後ダブレットシリンドリカルレンズ608(a)及び608(b)により拡大と縮小がなされた後、その後方に配置した被照射面609に側面図側が短辺方向となる長方形の光線として集光される。
レーザ発振器601から出たレーザビームは、シリンドリカルレンズ602(a)及び602(b)により拡大され、その後シリンドリカルレンズ603、ビーム進行光導波路604を形成したビームホモジナイザの順に入射し、そのホモジナイザから射出したビームは、ミラー605にて反射される。
なお、そのビーム進行光導波路604のビームの進行方向に沿った面の形状は3角形であり、ビーム進行光導波路604内に入射したビームは、その斜辺において反射され、進行方向を90度変更することになる。
これにより、長方形状のビームスポットの長辺方向のエネルギー密度分布の均一化もなされ、長辺方向の長さが決定される。
その場合には、具体的には、図6において短辺方向の均一化手段であるビーム進行光導波路604と、長辺方向の均一化手段であるシリンドリカルレンズアレイ606(a)、606(b)及びシリンドリカルレンズ607とを相互に入れ替えればよく、その入れ替えた結果は図7に図示するとおりである。
なお、この場合にはシリンドリカルレンズ607をミラー605の後に移動してもよい。
半導体膜として珪素膜を用いた場合、吸収率を考慮し、用いるレーザ発振器の出すレーザビームの波長は600nm以下であることが好ましい。
このようなレーザビームを出すレーザ発振器には、例えば、エキシマレーザ、YAGレーザ(高調波)、ガラスレーザ(高調波)がある。
以下において、本発明のビームホモジナイザ及びレーザ照射装置を用いた本発明の半導体装置の作製方法について説明する。
まず、非晶質珪素膜を成膜した基板を用意する。
それには、例えばガラス基板上に下地膜として酸化珪素膜を成膜し、更にその上から非晶質珪素膜を成膜したものがある。
次に、非晶質珪素膜に本発明のレーザ照射装置を用いてレーザ照射する。
そのレーザビームの照射は、例えば図6に示した被照射面609を載せたステージを長方形状のビームスポットの短辺方向に走査させながら行う。
走査間隔は、長方形状のビームスポットの短辺方向の幅が90%程度互いに重なり合う範囲で適当なものを選ぶと、均一なレーザアニールを行える。
また、最適な走査スピードは、レーザ発振器の周波数に依存し、前記周波数に比例すると考えてよい。
こうして、レーザアニール工程が終了する。
上記工程を繰り返すことにより、多数の基板を処理できる。
そして、前記基板を利用し、それに既知の所望の工程を付加することにより、例えばアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイ等の各種半導体装置を作製することができる。
なお、以下の説明においては、本実施例に加え、その製造プロセスにおいて採用し得る他の態様に関しても併記する。
まず、基板1100上に下地絶縁膜1101a、1101bを形成する(図8(A))が、その際本実施例においては基板1100にガラス基板を使用する。
なお、その基板の材料としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基板やセラミック基板、ステンレス基板、金属基板(タンタル、タングステン、モリブデン等)、半導体基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)等を用いることができるが、少なくともプロセス中に発生する熱に耐えうる材料を使用する。
なお、その基板1100上に形成する下地絶縁膜1101a、1101bとしては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などが使用でき、これら絶縁膜を単層又は2以上の複数層形成する。
これらはスパッタ法や減圧CVD法、プラズマCVD法等の公知の方法を用いて形成する。
前記のとおり、本実施例の下地絶縁膜は2層の積層構造だが、本発明では下地絶縁膜が勿論単層でも3層以上の複数層でも構わない。
なお、窒化酸化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜はその窒素と酸素の割合が異なっていることを意味しており、前者の方がより窒素の含有量が高いことを示している。
本実施例では、アモルファスシリコンをCVD法により膜厚66nmで形成する。
なお、その非晶質半導体膜はシリコン又はシリコンを主成分とする材料(例えばSixGe(1-x)等)で25〜80nmの厚さに形成すればよい。
その作製方法としては、公知の方法、例えばスパッタ法、減圧CVD法又はプラズマCVD法等が使用できる。
その形成後、アモルファスシリコンの結晶化を行う(図8(B))。
したがって、本実施例では、ビームの進行方向に沿った面に互いに対面する平行な2つの光反射面を形成したビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を形成したことを特徴とするビームホモジナイザを用いて、線状のレーザビームの短辺方向を均一化し、それに続いてシリンドリカルレンズアレイ等に入射して長辺方向を均一化し、その均一化されたレーザビームを非晶質半導体膜に投影しアニールを行う。
そのアニールによる結晶化後、結晶性半導体膜をエッチングにより所望の形状1102a〜1102dとする。
その膜厚は115nm程度とし、減圧CVD法またはプラズマCVD法、スパッタ法などでシリコンを含む絶縁膜を形成すればよい。
その後、ゲート絶縁膜1103上に第1の導電層1104a〜1104dとして膜厚30nmの窒化タンタル(TaN)を形成し、さらに第2の導電層1105a〜1105dとして膜厚370nmのタングステン(W)を形成する(図8(D))。
なお、本実施例では、前記したとおり第1の導電層1104a〜1104dを膜厚30nmのTaN、第2の導電層1105a〜1105dを膜厚370nmのWとしたが、これに限定されず、第1の導電層1104a〜1104dと第2の導電層1105a〜1105dは、共にTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成してもよい。
その両導電層の膜厚は、第1の導電層1104a〜1104dが20〜100nm、第2の導電層1105a〜1105dが100〜400nmの範囲で形成すればよい。
本実施例では、前記したとおり2層の積層構造としたが、1層としてもよいし、あるいは3層以上の積層構造としてもよい。
その後、レジストからなるマスクを除去して第1のパッシベーション膜1120を形成する(図9(A))。
本実施例では、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。
なお、この第1のパッシベーション膜1120としてはシリコンを含む絶縁膜を100〜200nmの厚さに形成すればよい。
その膜の成膜法としては、プラズマCVD法や、スパッタ法を用いればよい。
この場合の作製条件は、反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2である。
また、第1のパッシベーション膜1120としてSiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用してもよい。
勿論、第1のパッシベーション膜1120は、本実施例のような酸化窒化シリコン膜の単層構造に限定されるものではなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層構造、もしくは積層構造として用いてもよい。
なお、この場合にも、結晶化の場合と同様に、ビームの進行方向に沿った面に互いに対面する平行な2つの光反射面を形成したビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を形成したビームホモジナイザを用いて、線状のレーザビームの短辺方向を均一化し、それに続いてシリンドリカルレンズアレイ等に入射して長辺方向を均一化し、その均一化されたレーザビームを照射することができ、本実施例ではそれを採用する。
また、第1のパッシベーション膜1120を形成した後で熱処理を行うことで、活性化処理と同時に半導体層の水素化も行うことができる。
その水素化は、第1のパッシベーション膜1120に含まれる水素によって、半導体層のダングリングボンドを終端するものである。
この場合には、第1のパッシベーション膜1120がないため、当然パッシベーション膜に含まれる水素を利用しての水素化は行うことができない。
但し、第1の導電層1104a〜1104d及び第2の導電層1105a〜1105dを構成する材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線などを保護するため、第1のパッシベーション膜1120を形成した後で熱処理を行うことが望ましい。
この場合には、プラズマにより励起された水素を用いる手段(プラズマ水素化)を用いての水素化や、3〜100%の水素を含む雰囲気中において、300〜450℃で1〜12時間の加熱処理による水素化を用いればよい。
本実施例では、膜厚1.6μmの非感光性アクリル膜を形成した(図9(B))。
なお、その第1の層間絶縁膜1121としては無機絶縁膜あるいは有機絶縁膜を用いることができる。
無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化シリコン膜や、SOG(Spin On Glass)法により塗布された酸化シリコン膜などを用いることができ、有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル又はポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる。
さらに、アクリル膜と酸化窒化シリコン膜の積層構造を用いてもよい。
これらの材料の代表例としては、シロキサン系ポリマーが挙げられる。
そのシロキサン系ポリマーは、その構造により、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。
なお、Si−N結合を有するポリマー(ポリシラザン)を含む材料で第1の層間絶縁膜1121を形成してもよい。
そのため、第1の層間絶縁膜1121によって基板上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、平坦化することができ、特に、第1の層間絶縁膜1121は平坦化の意味合いが強いので、平坦化されやすい材質の絶縁膜を用いることが好ましい。
また、上記した材料は、耐熱性が高いため、多層配線におけるリフロー処理にも耐えうる層間絶縁膜を得ることができる。
さらに、吸湿性が低いため、脱水量の少ない層間絶縁膜を形成することができる。
なお、その膜厚は、10〜200nm程度で形成すればよく、第2のパッシベーション膜1122によって第1の層間絶縁膜へ水分が出入りすることを抑制することができる。
第2のパッシベーション膜1122には、他にも窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜やカーボンナイトライド(CN)膜も同様に使用できる。
そのRFスパッタの条件は、例えば酸化窒化シリコン膜を成膜する場合、Siターゲットで、N2、Ar、N2Oをガスの流量比が31:5:4となるように流し、圧力0.4Pa、電力3000Wとして成膜する。
また、例えば窒化シリコン膜を成膜する場合、Siターゲットで、チャンバー内のN2、Arをガスの流量比が1:1となるように流し、圧力0.8Pa、電力3000W、成膜温度を215℃として成膜する。
その後、各ソース及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続する配線及び電極1123を形成する。
なお、これらの配線及び電極は、膜厚50nmのTi膜と膜厚500nmの合金膜(AlとTi)との積層膜をパターニングして形成する。
勿論2層構造に限らず、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造にしてもよい。
また、配線材料としては、AlとTiに限らない。
例えばTaN膜上にAl膜やCu膜を形成し、更にTi膜を形成した積層膜をパターニングして配線を形成してもよい。
なお、本発明のレーザ照射方法を用いた半導体装置の作製方法は、上述したTFTの作製工程に限定されない。
また、本実施例で示した半導体装置の作製方法では、ビームホモジナイザ、レーザ照射方法及び同装置については前記実施の形態に開示した範囲では自由に組み合わせて採用することができる。
図10(A)はテレビ受像機であり、それは筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。
そのテレビ受像機は、本発明のレーザ照射方法を用いて作製した半導体装置を表示部2003に使用することによって作製することができる。
同(B)はデジタルカメラであり、それは本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105あるいはシャッター2106などを含む。
そのデジタルカメラは、本発明のレーザ照射方法を用いて作製した半導体装置を表示部2102やその他回路などに使用することによって作製することができる。
そのコンピュータは、本発明のレーザ照射方法を用いて作製した半導体装置を表示部2203やその他回路などに用いることによって作製することができる。
すなわち、本発明のレーザ照射方法を表示部2203やその他回路などの加工に用いることによってコンピュータを作製することができる。
同(D)はモバイルコンピュータであり、それは本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。
本発明のレーザ照射方法を表示部2302やその他回路などの加工に用いることによって、モバイルコンピュータを作製することができる。
その表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。
本発明のレーザ照射方法を表示部A2403、表示部B2404あるいはその他の回路などの加工に用いることによって、画像再生装置を作製することができる。
なお、記録媒体を備えた画像再生装置にはゲーム機器なども含まれる。
本発明のレーザ照射方法を表示部2502やその他回路などの加工に用いることによって、ゴーグル型ディスプレイを作製することができる。
同(G)はビデオカメラであり、それは、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609あるいは接眼部2610等を含む。
本発明のレーザ照射方法を表示部2602やその他回路などの加工に用いることによって、ビデオカメラを作製することができる。
本発明のレーザ照射方法を表示部2703やその他回路などの加工に用いることによって、携帯電話を作製することができる。
なお、上述した電子機器の他に、フロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
以上のとおりであり、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
601 レーザ発振器
602 シリンドリカルレンズ
603 シリンドリカルレンズ
604 互いに対面する平行な2つの光反射面
606 シリンドリカルレンズアレイ
607 シリンドリカルレンズ
608 タブレットシリンドリカルレンズ
609 被照射面
Claims (13)
- ビームの進行方向に沿った面に互いに対面し、平行でかつ所定の間隙をもって配置された2つの光反射面を有するビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を複数形成したことを特徴とするビームホモジナイザ。
- 前記ビーム進行光導波路は、表面が平らで、均一な厚さの透光性板状体内に形成されたものである請求項1に記載のビームホモジナイザ。
- 前記ビーム進行光導波路は、板に反射性被膜を形成したミラー2枚を間隙を以って平行に対面して配置することにより形成されたものである請求項1に記載のビームホモジナイザ。
- 前記ビーム進行光導波路の前記光反射面を備える面の形状は5角形で、互いに隣接する辺に入射口及び射出口を形成し、その入射口及び射出口を形成した2つの辺に隣接する辺に前記進路変更反射面を形成した2つの進路変更反射面を持つ請求項1ないし3のいずれか1項に記載のビームホモジナイザ。
- 前記ビーム進行光導波路の前記光反射面を備える面の形状は5角形で、互いに隣接する辺に入射口及び射出口を形成し、その入射口及び射出口を形成した以外の全ての辺に前記進路変更反射面を形成した3つの進路変更反射面を持つ請求項1ないし3のいずれか1項に記載のビームホモジナイザ。
- 前記入射口、前記射出口の少なくとも一方の形状が、線状である請求項4又は5に記載のビームホモジナイザ。
- ビームの進行方向に沿った面に互いに対面し、平行でかつ所定の間隙をもって配置された2つの光反射面を有するビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を複数形成した短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたビームを形成するビームホモジナイザ、前記ビームを順次入射して長辺方向のエネルギー密度分布を均一化するシリンドリカルレンズアレイとシリンドリカルレンズ、及びそこから射出された長辺方向及び短辺方向のエネルギー密度分布が均一化された照射ビームを投影する照射面を設置するステージを備えたことを特徴とするレーザ照射装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のビームホモジナイザを用いることにより短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたビームを形成するレーザ照射装置。
- ビームの進行方向に沿った面に互いに対面し、平行でかつ所定の間隙をもって配置された2つの光反射面を有するビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を複数形成したビームホモジナイザに、レーザビームを入射して短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームを形成し、
前記短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームをシリンドリカルレンズアレイ及びシリンドリカルレンズに順次通過させることによって長辺方向のエネルギー密度分布も均一化した照射レーザビームを形成し、
次いで、前記照射レーザビームを照射面に照射することを特徴とするレーザ照射方法。 - ビームの進行方向に沿った面に互いに対面し、平行でかつ所定の間隙をもって配置された2つの光反射面を有するビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を複数形成したビームホモジナイザに、レーザビームを入射して短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームを形成し、
前記短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームをシリンドリカルレンズアレイ及びシリンドリカルレンズに順次通過させることによって長辺方向のエネルギー密度分布も均一化した照射レーザビームを形成し、
次いで、前記照射レーザビームを基板上の非単結晶半導体膜に照射することを特徴とするレーザ照射方法。 - ビームホモジナイザが請求項1ないし6のいずれか1項に記載のものである請求項9又は10に記載のレーザ照射方法。
- ビームの進行方向に沿った面に互いに対面し、平行でかつ所定の間隙をもって配置された2つの光反射面を有するビーム進行光導波路に、前記光反射面に交差する方向の面にビームの進行方向を変更する進路変更反射面を複数形成したビームホモジナイザに、レーザビームを入射して短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームを形成し、
前記短辺方向のエネルギー密度分布が均一化されたレーザビームをシリンドリカルレンズアレイ及びシリンドリカルレンズに順次通過させることにより長辺方向のエネルギー密度分布も均一化した照射レーザビームを形成し、
次いで、前記照射レーザビームを基板上の非単結晶半導体膜に照射することを特徴とするレーザアニール方法。 - ビームホモジナイザが請求項1ないし6のいずれか1項に記載のものである請求項12に記載のレーザアニール方法。
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