JP4921069B2 - フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法 - Google Patents

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本発明は、フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法に関し、さらに詳しくは、大量生産されている市販のフッ素樹脂製の管状部材(チューブ)を利用することにより生産性を向上させてコストを大幅に低減すると共に、市販のフッ素樹脂製管状部材がもともと備えている内壁面の表面粗さを維持した状態での加工を可能とするフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法に関する。
近年、耐薬品性、クリーン度などから薬品、食品、半導体産業、バイオテクノロジー、化学工業、住宅、ガスの分野でより高品質の樹脂の要求が高まり、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)やポリエーテルエーテルケトンなどのスーパーエンジニアリングプラスチックなどが配管材料として使用されるようになった。
しかし、半導体の製造工場における配管や食品工場などで使用されるフッ素樹脂製管状部材、すなわちフッ素樹脂製のチューブは、その内面の平滑性が特に重視される。なぜなら内面に凹凸があるとその部分に不純物が滞留して次第に蓄積し、それが異物となって半導体や食品等に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。この点、管継手をフッ素樹脂素材から切削加工によって製造すると管継手の内面に凹凸ができてしまい表面粗さ、すなわち清浄度を高品位に保持することができない。そのため、内面を特殊研削(研磨)を施して対応する場合もあるが時間も費用負担も大きいうえ、生産数量も限られる。従って、高清浄度に対する要望に応えるには射出成形や押出成形に頼らざるを得ないというのが現状であった。
押出成形は生産性が高く、大量生産が可能なので直線配管部分は主に押出成形によるフッ素樹脂製のチューブが使われるようになった。押出成形によるフッ素樹脂製のチューブは価格も比較的安く量産されているので市場にも大量に供給されるようになってきている。また、押出成形によって量産されたフッ素樹脂製のチューブは比較的高品位の表面粗さを有している。しかし、工場内に配管を敷設する際に使用される分岐管、エルボ、レデューサ等の管継手は分岐部分や屈曲部分を備えており、そのような複雑な形状の部材を押出成形で製造するのは不可能であり、射出成形によらざるを得ないのが現状となっている。しかし、射出成形は、射出成形機や金型等の設備にかかるコスト負担が大きく製品が高価格となる大きな要因となっている。また、原料の歩留まりも悪い。さらに、成形した製品はそのままでは内部応力が残り、他の部品等と接合する際に変形等の問題が生じるのでアニリングを行なう必要がある。
そのため、大量生産が容易で、価格も安い配管用の分岐管や屈曲管等の管継手が要望されていた。ここで、射出成形によらない管継手の製造方法としては特開2001−141163(特許文献1)が提案されている。これは、樹脂製の管本体の側面を加熱し、突出部が形成された金属製冶具を管本体内部に挿入して加熱側面を内側から押圧して枝管を形成させるというものである。
一方、本発明者は、樹脂製管状部材の材質の違いに基づく遠赤外線の吸収スペクトルに着目し、そのような吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を放射し得る材料を用いたヒータ装置を開発し特許出願を行なった(特開平9−55287号公報(特許文献2))。
特開2001−141163号公報 特開平9−55287号公報
しかし、特許文献1のように、突出させるべき部分のみを加熱しても形成された枝管の肉厚が一定にならないおそれがあり、径の狭い配管や長さの長い配管の場合にはそのような作業は実際上困難である。また、管本体の内部に金属製冶具を挿入するため管本体の内面の表面粗さを悪化させてしまうおそれもある。
ところで、樹脂の成形方法としては上述した押出成形や射出成形の他にブロー成形がある。すなわち、原料となる樹脂を加熱して溶融状態とした後パリソンを形成し、それを金型に挿入して内部に加圧エアを吹き込み金型に密着させ冷却し成形するというものである。この方法は通常の熱可塑性樹脂では多く利用されているがフッ素樹脂ではこれまでは不可能と考えられていた。その原因はフッ素樹脂の持つ特質による。すなわち、フッ素樹脂は高温溶融性(約360℃)で、熱伝導率が悪く外部から接触加熱しても内部に温度が伝導し難くいので均等に加熱するのが困難であり、また500℃以上に加熱すると内部に気泡が発生し易くなりそうなると製品にならないことに加え、蒸発温度(約650℃)以上に加熱してしまうと昇華が起こり、大気中の水分と結合して有毒ガスが発生する等の問題があるからである。
今般、本発明者は、安い価格で大量生産されているフッ素樹脂製のチューブをそのまま利用することに着目した。すなわち、フッ素樹脂製のチューブを溶着する際に使用される遠赤外線ヒータでフッ素樹脂製のチューブの周側面を加熱溶融状態とし、これをフッ素樹脂をブロー成形或いは真空成形によって所定の形状に成形することに着目した。ここで、特許文献2には遠赤外線を放射するヒータ装置が開示されている。しかし、この技術は、樹脂製管状部材の吸収スペクトルの中でも比較的吸収率が高い波長領域を含む遠赤外線を放射可能なヒータ装置に係り、樹脂製管状部材の端面からの深度の浅い部分のみを積極的に溶融状態として樹脂製管状部材同士の溶着を高品位に行なわしめることを目的としたものである。従って、このヒータ装置をそのまま適用してもフッ素樹脂製のチューブの表面近くの局部的な加熱しか行うことができずブロー成形或いは真空成形のための部材の加熱には必ずしも向いていない。
そこで、本発明は、生産性が高く、素材であるフッ素樹脂製のチューブの持つ内面の平滑度を維持し清浄度を落とすことなく、しかもフッ素樹脂製のチューブを広範囲で加熱溶融させ、それによって成形加工を可能とするフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、射出成形では困難な形状や、中子等の材料を使用することなく均一な肉厚を確保することが可能なフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、金型等の初期の投資コストを抑え、生産時間もこれまでより短縮することが可能フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法において、フッ素樹脂製管状部材を所定の長さに調整する工程と、長さ調整されたフッ素樹脂製管状部材の側面の所定部分を遠赤外線ヒータによって非接触加熱する工程と、そして、加熱されたフッ素樹脂製管状部材を所定形状を有する形成部を備えてフッ素樹脂によって形成された型内に保持した状態で加圧流体を吹き込んでブロー成形する工程とを含み構成されてなる。
安い価格で大量生産されているフッ素樹脂製のチューブを所定の長さに切断して利用することでそのフッ素樹脂製のチューブが持つ内面粗さを維持した管継手を製造することができる。また、フッ素樹脂を溶融状態とした後パリソンを作る必要もない。
また、フッ素樹脂は熱伝導率が悪いので通常の加熱では原料としてのフッ素樹脂の塊を溶融状態とすることは困難であるが既に管状に成形されたフッ素樹脂製のチューブを利用することで加熱すべき部分はチューブの肉厚分だけでよい。そして、利用するフッ素樹脂における吸収率が高い波長を含む遠赤外線を用いることで短時間で効率的に肉厚部分を加熱溶融状態にすることができる。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、加圧流体は、0.02〜3MPaの圧力の空気、窒素ガス又は炭酸ガスであることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法において、フッ素樹脂製管状部材を所定の長さに調整する工程と、長さ調整されたフッ素樹脂製管状部材の側面の所定部分を遠赤外線ヒータによって非接触加熱する工程と、そして、加熱されたフッ素樹脂製管状部材を所定形状を有する形成部を備えてフッ素樹脂によって形成された型内に保持した状態で真空成形する工程とを含み構成されてなる
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、フッ素樹脂製管状部材の加熱は、加工すべき部分を中心とする周辺部をも含めて加熱することを特徴とする。
例えば、フッ素樹脂製管状部材に枝管を形成する場合、枝管を形成する部分のみを加熱するのではなくその周囲を加熱する。これにより成形時に溶けた素材が必要部分に移動するので形成部分の肉厚も確保できる。
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、フッ素樹脂製管状部材の加熱は、フッ素樹脂製管状部材をヒータに対して相対的に直線移動及び/又は回転させつつ行なうことを特徴とする。
加熱面積が広い場合にその面積に応じた面積を有するヒータを準備する必要はなく、ヒータ又はフッ素樹脂製管状部材のいずれかを可動させることで広い加熱面積を確保する。
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、加熱したフッ素樹脂製管状部材を型へ挿入する際の型の表面温度が80〜120℃であることを特徴とする。
この温度以下の場合、冷却時にフッ素樹脂が結晶化して製品の強度が低下するおそれがあると共に、例えば形成された枝管にチューブを溶着する場合溶着部分の強度低下が起こるおそれがあり、それらを有効に防止する。
上記課題を解決するために請求項7に記載の本発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、管継手が、エルボ等の屈曲管、チーズや十字管等の分岐管、又はレデューサ等の異径管であることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項8に記載の本発明は、請求項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、分岐管又は屈曲管を形成するための型は、その基部がフッ素樹脂製管状部材の肉厚の少なくとも1〜1.5倍の長さの半径の円弧によるアール状とされていることを特徴とする。
本発明に係るフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法によれば、安価で大量生産されるフッ素樹脂製のチューブを利用することとしたのでパリソンを作る必要もなく生産時間も短く大量生産が可能で、しかもフッ素樹脂製のチューブの持つ内面の平滑度を維持し清浄度を落とすことのないフッ素樹脂製の管継手の製造方法及び管継手を提供することができるという効果がある。
また、本発明は、射出成形では困難な形状や、中子等の材料を使用することなく均一な肉厚を確保することが可能なフッ素樹脂製の管継手の製造方法を提供することができるという効果がある。
さらに、本発明は、金型等の初期の投資コストを抑え、生産時間もこれまでより短縮することが可能フッ素樹脂製の管継手の製造方法を提供することができるという効果がある。
以下、図面を用いて本発明に係るフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明に係るフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法の一実施形態におけるフローチャートである。
初めに、フッ素樹脂製管状部材としては、主として円筒状のチューブ材が利用可能だが、形状はこれに限定されるものではなく、角筒状のチューブ材等であってもかまわない。
円筒状をしたフッ素樹脂製のチューブは様々な径サイズのものが提供されている。例えば、内径が2mm程度のものから400mmを超えるものまで各種のサイズのものが用意されている。また、フッ素樹脂製のチューブは一般に押出成形により形成されるが、そのようにして製造されたチューブは切削加工によって製造されたもののように別途内面処理を行なわなくても内面粗さは滑らかな状態となっている。近年では、内面粗さをさらに向上させた製品も提供されてきている(例えば、三井・デュポンフロロケミカル株式会社のSUPER PFA テフロン(登録商標)HPシリーズ)。そのため、円筒状のチューブ材は内面粗さが滑らかな押出成形により製造されたものを用いることが好ましい。
また、フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)などがある。その他の樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)やポリエーテルエーテルケトンなどのスーパーエンジニアリングプラスチックなどがある。
上述のようなフッ素樹脂製のチューブを利用して枝管を備えた分岐管や複雑な形状をした管継手を製造する手順について説明する。
まず、押出成形により形成され所定の内面粗さを備えたフッ素樹脂製のチューブ1を所定の長さにカットして管状部材2とする(図2参照)。カットすべきサイズは製造しようとする管継手の形状に即して適宜決定すればよい(ステップS1)。
次に、カットした管状部材2の加工すべき部分の側面の所定部分を遠赤外線ヒータによって非接触による加熱を行なう(ステップS2)。遠赤外線ヒータ10は、例えば図3に示すようなものを用いることができる。すなわち、図示された遠赤外線ヒータ10は、概略的に、電気的に加熱可能なタングステンヒータ13を第一及び第二の赤外線透過性のガラス板11a、11bの間に間挿した状態で所定の高さを備えた円筒形状に丸められて形成されており、内部側のガラス板11aの表面にはセラミック層15が設けられて構成されている。セラミック層15は、比較的広範囲の波長領域を含む遠赤外線を放射し得る材料を含んで形成されている。尚、13a、13bはリードである。
例えば、PFAやPVDFの場合、遠赤外線の吸収率が0.5以上の波長領域は6〜10μmであり、この波長領域では管状部材2の端面を効率的且つ短時間に加熱することができる。しかし、この波長領域の遠赤外線を選択的に照射すると管状部材2の表面や比較的浅い部分で吸収されてしまうのでその部分だけが溶融状態となり管状部材2の広範囲且つ深くまで加熱して溶融状態とすることができない。そのため、比較的吸収率の高くない波長領域の遠赤外線をも含む比較的広範囲の波長領域の遠赤外線を放射することが可能な遠赤外線ヒータを用いることが好ましい。例えば、4〜12μmの遠赤外線を放射可能なセラミック層15を備えた遠赤外線ヒータ10を用いることが好ましい。そのような波長領域の遠赤外線を放射する素材として例えばブラックシリカ等があり、主としてこれを用いて4〜12μmの遠赤外線を均等に放射されるように不足する波長領域の遠赤外線を良く放射する素材を適宜混合補足してセラミック層15を形成するとよい。また、遠赤外線ヒータ10の周囲を断熱材で取り囲むことによって熱の発散を防ぎ内部に挿入された管状部材2を均一に加熱することが可能となる。
この遠赤外線ヒータ10の内部に加工すべき管状部材2を挿入し、溶融流動温度まで加熱する。加熱温度は使用する樹脂の材質及びセラミック層15の表面から管状部材2の表面までの距離等により異なるが、概略280〜370℃に加熱する。この温度管理は非接触の温度センサによって行なうことが好ましい。温度センサは、必要に応じて遠赤外線ヒータ10に監視穴を設けて配置してもよい。尚、管状部材2を加熱溶融した際に粘度が約80cp以下にならないように注意する。フッ素樹脂は比重が大きいので粘度が約80cp以下になるとドローダウンが発生するおそれがあるからである。
フッ素樹脂は熱伝導率が悪いので材料の塊を通常の加熱によって溶融状態とすることはきわめて困難であるが既に管状に成形されたフッ素樹脂製の管状部材2を利用すれば管状部材2の肉厚分だけ加熱すればよいというメリットがある。そして、吸収率が高い波長の遠赤外線のみでなくそれを含む広い波長の遠赤外線を用いて加熱することで短時間で効率的に肉厚の深くまで加熱溶融状態にすることができる。
また、フッ素樹脂製の管状部材2の加熱は、加工すべき部分を中心とする周辺部をも含めて加熱する。例えば、管状部材2に枝管を形成する場合、枝管を形成べき部分のみを局部的に加熱するのではなく、その周辺部を含めて広く加熱する。これにより成形時に溶けた素材が必要部分に移動して枝管の肉厚を確保することができる。このように拡張すべき部分のみでなく拡張べき部分の2倍〜5倍程度の面積を加熱することで枝管と管状部材2の肉厚がほぼ均等にすることができ、しかも内面の表面粗さに影響を与えることなく加工できる。
ここで、管状部材2に多くの加工部署を形成させる場合や、大型の管継手を製造する場合には、管状部材2の側面を長く、広くそして均等に加熱する必要がある。しかし、それに合わせて遠赤外線ヒータ10の径サイズや長さ(高さ)を大きくしたものを使用するのでは製造効率が悪い。そのため、そのなような広い面積を加熱する場合には管状部材2を遠赤外線ヒータ10に対して相対的に動かしながら加熱を行なうとよい。例えば、遠赤外線ヒータ10内に挿入した管状部材2を上下に直線移動させたり回転させたりしながら加熱を行なう。もちろん、これとは逆に遠赤外線ヒータ10を上下に直線移動させたり回転させたりしながら加熱してもよい。これにより、加熱すべき範囲が広い場合にもその面積に応じた面積を有するヒータを準備する必要はなく既存の遠赤外線ヒータ10を有効活用することができる。
次に、遠赤外線ヒータ10により加熱された管状部材2を所定形状を有する形成部25aを備えた型内に保持し(ステップS3)、管状部材2の内部に加圧流体を吹き込んでブロー成形を行なう(ステップS4)。
ここで用いられる型は、形成すべき管継手の外形形状を備えた形成部25aが設けられている。例えば、図5に示すのは枝管を備えた管継手を製造するための型である。図示された型20は、表面に形成すべき管継手の形状にくぼんだキャビティ23aを備えた第一の型21aと、それと対をなす第二の型21bにより構成されている。第一の型21aと重ねあわされる第二の型21bの表面にもキャビティ23bが設けられている。また、第一の型21a及び第二の型21bの四隅には図示しないピンを挿通するための孔29a、29bが穿設されている。加熱した管状部材2を第一の型21a及び第二の型21bを挿入して突き合わせた状態で図示しないピンを挿入することにより位置合わせを行なわせると共に、図示しないナット等の固定具によって第一の型21a及び第二の型21bを押さえつけるようになっている。
また、型20は、表面に金属を析出しない素材、例えばフッ素樹脂等によって形成することが好ましい。半導体工場では信頼性を阻害する原因となる金属イオンなどの不純物の混入に細心の注意を払っている。そのため、半導体生産ラインに使用する配管もそのおそれのないものが要求されるためである。
加熱した管状部材2を型20内に挿入する際には型20の表面を60〜80℃に加熱した状態で挿入する。この温度以下で挿入すると冷却時にフッ素樹脂が結晶化して製品の強度が低下するおそれがあるからである。例えば、この温度以下で形成された成形品の枝管にチューブを溶着すると溶着部分の強度が低下するおそれがある。尚、挿入温度をそれ以上高い温度(120℃程度)とすることも可能であるが、成形後の冷却に要する時間や費用を考慮すれば上述の温度範囲とするのが好ましい。
第一の型21a及び第二の型21bによって挟み込まれて型20内に挿入された状態となった管状部材2に加圧空気を吹き込む。すなわち、図6(c)に示されているように、管状部材2の上部側にノズル30を装着し、0.05〜3MPaの圧力で加圧空気を吹き込む。これにより内側から加圧された管状部材2は型20のキャビティ23a、23bに即した形状に均等に拡張する。その際、管状部材2の枝管を形成べき部分だけでなくその周辺部を含めて広く加熱されているので加熱された部分の素材が枝管の方へ拡張しながら移動して枝管の肉厚を確保した成形が行なわれる。これまで説明してきた加熱温度及び圧力で成形を行なえば高機能配管に求められる耐圧(肉厚)や内面粗さ、結晶化度の進行(冷却時に急冷すると白く硬く脆くなってしまい配管の柔軟性を失う)に対する劣化を起こすことがない。
ここで、管状部材2の内部へ吹き込む加圧流体は製造過程における危険性や、清浄度の管理から空気の他、窒素ガス、炭酸ガス、不活性ガス等とすると共に、それらは埃等の不純物を含まないようフィルタを通したもの用いることが好ましい。また、圧力も成形すべき管継手の大きさや型の複雑性によっても異なるが0.02〜3MPaの圧力でブローするのが好ましい。
尚、図6(c)によれば、管状部材2のノズル30が装着される側とは反対側の端部を型20で挟みつけて押し潰すことにより密閉するようになっているが、管状部材2の開口部に予め栓を詰めて加圧空気が漏れないようにしてから図5に示すような管状部材2を押し潰さない形状の型20で成形するようにしても良い。
一方、分岐管又は屈曲管を形成するための型20は、図5に示すように、その基部26aはアール状とされている。ここで、図7は型20の枝管の形成部25aの基部26aを示す部分拡大図である。図示された基部26aは、管状部材2の肉厚hと同じ長さの半径に基づく円弧が描くアール状とされている。このように形成することにより溶融した素材をスムーズに枝管の形成部25aに移行させることができるので極めて成形性が良くなる。尚、その形状は、図7に示すように、管状部材2の肉厚の少なくとも1〜1.5倍の長さの半径の円弧によるアール状とすることが好ましい。
ところで、肉厚の薄い製品を成形する場合には加圧するより真空で吸引して成形する方がよい場合がある。この場合には図8に示すような型20を用いる。型20はブロー成形の場合と同様に第一の型21aと第二の型21bにより構成され、それぞれその表面にはキャビティ23a、23bが形成されている点では同様である。本実施形態における型20の場合には、枝管を形成する部分に小さな吸気孔27が穿設されている。そして管状部材2を型20内に挿入した状態では吸気孔27以外は気密状態となっている。そして、吸気孔27から吸引を行なうことにより管状部材2の側面を枝管の形成部25aに導き、成形を行なう。尚、流動状態となった素材の粘度にもよるが吸気孔27のサイズは0.2〜2mmとするのが好ましい。また、肉厚の必要な配管材にはエアー抜き穴はあまり大きくする必要はない。
拡張し成形された管状部材2は、型20の温度まで冷却されて固形化され、安定した形状となる。この場合、急冷していないために内部応力はほとんどもたない。完成した製品は当初の初期全長よりも2〜10%程度短くなる。
拡張され押し出された枝管部分をカットして開口させれば分岐管が完成する。この枝管部分に他の取り出しチューブを溶着すれば種々の配管システムを形成することが可能となる。特に強度や表面粗さなど高機能を要求されるような産業用の配管として用いるのに好適である。
尚、本発明についてフッ素樹脂を主体に説明したが、フッ素樹脂以外の合成樹脂、例えばスーパーエンジニアリングプラスチックなどに適用することも可能である。
本発明方法を用いることにより種々な管継手を製造することができる。例えば、図9に示すような、エルボ等の屈曲管(b)、チーズや十字管等の分岐管(a、c)、レデューサ等の異径管(d)、多連結分岐管(e)など利用範囲は広い。また、本発明方法で製造した管継手は、性能では射出成形によって生産された製品と遜色がない。さらに、各メーカは内面粗さや薬液の溶出を最小にした製品等を開発しておりそのような各メーカーが提供する各種の管製品の特徴を維持した管継手を製造することができる。すなわち、基礎となる管状部材2の内面粗さを維持した状態の管状部材2の側面に一又は二以上の枝管を形成し、或いは屈曲させ、又は両端部の径サイズを異ならしめた管継手を提供することができる。
本発明に係るフッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法の一実施形態におけるフローチャートである。 フッ素樹脂製のチューブを所定の長さにカットした管状部材を示す説明図である。 遠赤外線ヒータの一例を示す斜視図である。 管状部材の加熱方法を示す説明図である。 型の斜視図である。 (a)〜(d)は本発明方法を説明するためのフロー図である。 形成部の基部を示す部分拡大図である。 真空成形を行なうための型の断面図である。 (a)〜(e)は本発明方法により製造された管継手を示す図である。
符号の説明
1 チューブ
2 管状部材
10 遠赤外線ヒータ
11a、11b ガラス板
13 タングステンヒータ
13a、13b リード
15 セラミック層
20 型
21a 第一の型
21b 第二の型
23a、23b キャビティ
25a 形成部
26a 基部
27 吸気孔
29a、29b 孔
30 ノズル

Claims (8)

  1. フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法において、
    フッ素樹脂製管状部材を所定の長さに調整する工程と、
    長さ調整されたフッ素樹脂製管状部材の側面の所定部分を遠赤外線ヒータによって非接触加熱する工程と、そして、
    加熱された前記フッ素樹脂製管状部材を所定形状を有する形成部を備えてフッ素樹脂によって形成された型内に保持した状態で加圧流体を吹き込んでブロー成形する工程と、
    を含み構成されてなるフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  2. 請求項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、
    前記加圧流体は、0.02〜3MPaの圧力の空気、窒素ガス又は炭酸ガスであることを特徴とするフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  3. フッ素樹脂製管状部材を利用した管継手の製造方法において、
    フッ素樹脂製管状部材を所定の長さに調整する工程と、
    長さ調整されたフッ素樹脂製管状部材の側面の所定部分を遠赤外線ヒータによって非接触加熱する工程と、そして、
    加熱された前記フッ素樹脂製管状部材を所定形状を有する形成部を備えてフッ素樹脂によって形成された型内に保持した状態で真空成形する工程と、
    を含み構成されてなるフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、
    前記フッ素樹脂製管状部材の加熱は、加工すべき部分を中心とする周辺部をも含めて加熱することを特徴とするフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、
    前記フッ素樹脂製管状部材の加熱は、当該フッ素樹脂製管状部材を前記ヒータに対して相対的に直線移動及び/又は回転させつつ行なうことを特徴とするフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、
    加熱した前記フッ素樹脂製管状部材を前記型へ挿入する際の当該型の表面温度が80〜120℃であることを特徴とするフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、
    前記管継手が、エルボ等の屈曲管、チーズや十字管等の分岐管、又はレデューサ等の異径管であることを特徴とするフッ素樹脂製管継手の製造方法。
  8. 請求項に記載のフッ素樹脂製管継手の製造方法において、
    分岐管又は屈曲管を形成するための前記型は、その基部が前記フッ素樹脂製管状部材の肉厚の少なくとも1〜1.5倍の長さの半径の円弧によるアール状とされていることを特徴とするフッ素樹脂製管継手の製造方法。
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