JP4920070B2 - 火力発電設備、及び火力発電設備の運転方法 - Google Patents

火力発電設備、及び火力発電設備の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、火力発電設備及び火力発電設備の運転方法に関し、より詳しくは、発電機を駆動する蒸気タービンから排出される蒸気を水に戻す復水器で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔と、復水器内の水を脱塩塔に送る復水ポンプと、蒸気タービンに供給する蒸気を発生させるボイラに給水する給水ポンプに脱塩塔内の水を送る二台以上の復水昇圧ポンプとを備えた火力発電設備、及び火力発電設備の運転方法に関する。
一般的に、火力発電設備は、水を加熱して蒸気にするボイラと、該ボイラで発生させた蒸気で駆動する蒸気タービンと、該蒸気タービンの駆動を受けて発電する発電機と、蒸気タービンから排出される蒸気を冷却して水(飽和水)にするための復水器と、復水器で得られた水をボイラに供給する給水ポンプと、復水器に冷却水を供給する循環ポンプとを備えている。
すなわち、この種の火力発電設備は、復水器で得られた水を給水ポンプに送るべく、復水器と給水ポンプとを繋ぐ復水系統と、復水系統からの水をボイラに供給すべく、給水ポンプとボイラとを繋ぐ給水系統と、ボイラで発生させた蒸気を蒸気タービンに供給し、該蒸気タービンが排出した蒸気を復水器に送るべく、蒸気タービンを介してボイラと復水器とを繋ぐ蒸気系統とを備えている。
前記復水系統は、復水器で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔と、復水器で得られた水を脱塩塔に送る復水ポンプと、脱塩塔からの水を給紙ポンプに向けて送る復水昇圧ポンプとを備えている(例えば、特許文献1及び2参照)。
前記復水ポンプ及び復水昇圧ポンプは、それぞれ二台以上設けられている。すなわち、復水ポンプ及び復水昇圧ポンプは、復水器から得られた水を給水ポンプに必要量安定して送ることができるように、それぞれ二台以上設けられている。
そして、復水ポンプは、電源電圧が復水昇圧ポンプの電源電圧よりも低圧に設定されている。具体的には、復水系統は、復水器に比して圧力損失の大きな脱塩塔が設けられているため、復水ポンプで送った水が脱塩塔を通過するに当って水圧が低下することから、脱塩塔の下流側に復水昇降ポンプが設置されている。これにより、復水系統は、復水昇圧ポンプによって水圧の低下を補償し、脱塩塔からの水(処理済みの水)を給水ポンプに安定して送ることができるようになっている。
そして、復水系統では、復水ポンプと復水昇圧ポンプの設置箇所の相違で、運転時における各ポンプの負荷が異なる(復水昇圧ポンプの負荷が復水ポンプの負荷よりも大きくなる)ことから、起動時や通常運転時の電流等を考慮して、通常、復水昇圧ポンプの電源電圧が復水ポンプの電源電圧よりも高圧に設定され、例えば、復水ポンプの電源が440Vである場合、復水昇圧ポンプの電源が6600Vに設定される。
ここで、上記火力発電設備の運転(起動)手順について説明すると、運転を開始する起動運転において、まず、循環系統を駆動し、その後に復水系統を駆動する。すなわち、循環ポンプを駆動して復水器に冷却水を供給した後、復水ポンプを駆動するとともに、二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部(例えば、一台)の復水昇圧ポンプを駆動し、復水器内にある水を下流側に送水して復水器内の真空度を高める。すなわち、復水ポンプ及び復水昇圧ポンプを駆動して復水器内にある水を下流側に送水することで復水系統内に設けられたエゼクタを作動させ、復水器の真空度を高める。
そして、復水器の真空度が所定の真空度に到達すると、給水ポンプを駆動して復水系統からの水をボイラに供給する。そうすると、ボイラ内に水が溜まり、その水が蒸気となって蒸気系統に供給される。これにより、蒸気タービンが駆動して発電機が発電を開始し、蒸気タービンから排出された蒸気が復水器に送られることになる。
そして、このように発電機が発電を開始すると、該発電機の出力が次第に増していくことになり、該出力が定格出力域よりも低い低出力域の下限値に到達すると、発電した電力の送電が開始される。これに伴い、発電機の負荷(出力)が徐々に高まることになるため、復水系統において発電機の出力に応じた水量で復水器の水を給水ポンプに向けて送り、復水器の真空度を発電機の出力(負荷)に対応させる。
そして、復水系統において、発電機の出力が定格出力域よりも低い低出力域から脱すると(定格出力域で予め設定された出力値になると)、復水昇圧ポンプの駆動台数を増やし、発電機の出力に対応した水量で復水器内の水が給水ポンプに供給され、定格運転が行われる。
これに対し、運転を停止する停止運転において、前記火力発電設備は、ボイラから蒸気タービンに供給する蒸気を徐々に減らして発電機の出力を低下させ、該出力が定格出力域から脱して低出力域に入ると、復水昇圧ポンプの一部を停止して復水昇圧ポンプの駆動台数を減らし、起動運転時と同一の台数の復水昇圧ポンプを駆動させ続ける。
そして、発電機の出力が低出力域の下限値に到達すると、送電線に対する送電が停止状態(解列状態)にされ、発電機の出力が送電することのできない(並列状態を維持できない)非常に小さな出力になった後、残りの復水ポンプ及び復水昇圧ポンプが停止される。
特開2008−261316号公報 特開2008−261317号公報
ところで、上記火力発電設備は、発電機の出力が所定の出力値(一般的には、定格出力域の下限値)になると、発電機の出力傾向(出力の増加、又は出力の低下)に対応させて復水系統の水量を増減させるべく、復水昇圧ポンプの駆動台数を変更するようにしているが、復水昇圧ポンプの吐出性能は、発電機の出力が大出力であるときにその状態に見合った水量の水を供給できるように設定されているため、起動運転や停止運転のように発電機の出力が小さな状態では、一部の復水昇圧ポンプのみを駆動したとしてもポンプ容量の余裕度が大きく、エネルギーを無駄に消費するといった問題がある。
そこで、本発明は、起動運転及び停止運転における復水系統でのエネルギーの無駄な消費を抑えることができ、定格運転時に安定した発電を行うことのできる火力発電設備、及び火力発電設備の運転方法を提供することを課題とする。
本発明に係る火力発電設備は、発電機を駆動する蒸気タービンから排出される蒸気を水に戻す復水器で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔と、復水器内の水を脱塩塔に送る復水ポンプと、蒸気タービンに供給する蒸気を発生させるボイラに給水する給水ポンプに脱塩塔内の水を送る二台以上の復水昇圧ポンプとを備えた火力発電設備において、前記二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部の復水昇圧ポンプが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動し、発電機の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプを駆動することを特徴とする。
上記構成の火力発電設備によれば、前記二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部の復水昇圧ポンプが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動するようにしているため、起動運転や停止運転のように発電機の出力が小さな状態において、少ないエネルギーで小出力ポンプを駆動し、その状態に応じた水量で脱塩塔内の水を給水ポンプに送ることができる。また、上記火力発電設備は、発電機の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプを駆動するため、定格運転のように発電機の出力が大きなときに、その発電機の負荷に応じた水量で脱塩塔内の水を給水ポンプに供給することができる。これにより、上記火力発電設備は、起動運転及び停止運転における復水系統でのエネルギーの無駄な消費を抑えることができ、定格運転時に安定した発電を行うことができる。
また、本発明の一態様として、前記大出力ポンプが二台以上設けられ、発電機の出力が定格出力域内に予め設定された出力値になると、発電機の出力の増減に対応して大出力ポンプの駆動台数が増減するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、発電機の出力が高出力となる定格出力域にある場合にその定格出力域内での出力の変動に応じた台数の大出力ポンプが駆動される。従って、発電機の出力が定格出力域にあるときにおいても、過剰なエネルギーを消費することなく、発電機の出力状態に応じた水量で脱塩塔内の水を給水ポンプに送ることができる。
本発明に係る火力発電設備の運転方法は、発電機を駆動する蒸気タービンから排出される蒸気を水に戻す復水器で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔と、復水器内の水を脱塩塔に送る復水ポンプと、蒸気タービンに供給する蒸気を発生させるボイラに給水する給水ポンプに脱塩塔内の水を送る二台以上の復水昇圧ポンプとを備えた火力発電設備の運転方法において、前記二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部の復水昇圧ポンプが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動させ、発電機の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプを駆動させることを特徴とする。
上記構成の火力発電設備の運転方法によれば、前記二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部の復水昇圧ポンプが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動させるため、起動運転や停止運転のように発電機の出力が小さな状態において、少ないエネルギーで小出力ポンプを駆動し、その状態に応じた水量で脱塩塔内の水を給水ポンプに送ることができる。また、上記火力発電設備の運転方法は、発電機の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプを駆動させるため、定格運転のように発電機の出力が大きなときに、その発電機の負荷に応じた水量で脱塩塔内の水を給水ポンプに供給することができる。これにより、上記火力発電設備の運転方法は、起動運転及び停止運転における復水系統でのエネルギーの無駄な消費を抑えることができ、定格運転時に安定した発電を行うことができる。
また、本発明の一態様として、前記大出力ポンプが二台以上設けられ、発電機の出力が定格出力域内に予め設定された出力値になると、発電機の出力の増減に対応して大出力ポンプの駆動台数を増減させることが好ましい。このようにすれば、発電機の出力が高出力となる定格出力域にある場合にその定格出力域内での出力の変動に応じた台数の大出力ポンプが駆動される。従って、発電機の出力が定格出力域にあるときにおいても、過剰なエネルギーを消費することなく、発電機の出力状態に応じた水量で脱塩塔内の水を給水ポンプに送ることができる。
以上のように、本発明に係る火力発電設備によれば、起動運転及び停止運転における復水系統でのエネルギーの無駄な消費を抑えることができ、定格運転時に安定した発電を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
また、本発明に係る火力発電設備の運転方法によれば、起動運転及び停止運転における復水系統でのエネルギーの無駄な消費を抑えることができ、定格運転時に安定した発電を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の一実施形態に係る火力発電設備の概略概念図を示す。 同実施形態に係る火力発電設備の復水系統の概念図を示す。
以下、本発明の一実施形態に係る火力発電設備について添付図面を参照しつつ説明する。
かかる火力発電設備は、図1に示す如く、水を加熱して蒸気にするボイラ10と、該ボイラ10で発生させた蒸気で駆動する蒸気タービン20,21,22,23と、該蒸気タービン20,21,22,23の駆動を受けて発電する発電機30と、蒸気タービン20,21,22,23から排出される蒸気を冷却して水(飽和水)にするための復水器40と、復水器40で得られた水をボイラ10に供給する給水ポンプ50,51と、復水器40に冷却水を供給する循環ポンプ80,81とを備えている。
すなわち、該火力発電設備1は、復水器40で得られた水を給水ポンプ50,51に送るべく、復水器40と給水ポンプ50,51とを繋ぐ復水系統WLaと、復水系統WLaからの水をボイラ10に供給すべく、給水ポンプ50,51とボイラ10とを繋ぐ給水系統WLbと、ボイラ10で発生させた蒸気を蒸気タービン20,21,22,23に供給し、該蒸気タービン20,21,22,23が排出した蒸気を復水器40に送るべく、蒸気タービン20,21,22,23を介してボイラ10と復水器40とを繋ぐ蒸気系統SLとを備えている。
前記ボイラ10は、給水系統WLbから供給される水を蒸発させる蒸発器11と、蒸発器11で蒸発させた飽和蒸気を過熱する過熱器12と、蒸発タービン(後述する高圧タービン)20からの排気(蒸気)を過熱する再熱器13とを備えている。そして、本実施形態に係るボイラ10は、過熱器12よって過熱した蒸気を蒸気タービン(高圧タービン)20に供給し、再熱器13によって過熱した蒸気を別の蒸気タービン(後述する一段目の中圧タービン)21に供給するようになっている。
本実施形態に係る火力発電設備1は、蒸気タービン20,21,22,23として、高圧タービン20、中圧タービン21,22、及び低圧タービン23を備えており、高圧タービン20、及び低圧タービン23が一台ずつ設けられ、中圧タービン21,22が二台設けられている。
そして、これらの蒸気タービン20,21,22,23は、高圧タービン20、中圧タービン21、中圧タービン22、低圧タービン23の順でそれぞれの出力軸が同軸になるように並列に配置され、出力軸が隣り合う蒸気タービン20,21,22,23の出力軸に連結されている。そして、前記発電機30は、蒸気タービン20,21,22,23に対して横並びに配置されており、入力軸が低圧タービン23の出力軸に接続されている。これにより、発電機30は、高圧タービン20、中圧タービン21,22、及び低圧タービン23の駆動を受けて発電するようになっている。
前記復水器40は、蒸気タービン22,23の排気(蒸気)を冷却して水にするもので、本実施形態においては、蒸気タービン22,23(二段目の中圧タービン22及び低圧タービン23)からの蒸気が導入される内部空間を画定するハウジング400と、該ハウジング400内に配設され、前記循環系統RLからの冷却水を流通させる冷却管401とを備え、ハウジング400内に導入された蒸気を冷却管401内の冷却水によって間接的に冷却し、これによって蒸気を凝縮させて水にするようになっている。すなわち、本実施形態に係る復水器40には、表面復水器が採用されている。
前記給水ポンプ50,51は、上述の如く、二台以上設けられており、その一部の給水ポンプ50が電動で駆動する電動式のポンプで構成され、残りの給水ポンプ51が蒸気で駆動する蒸気タービン式のポンプで構成されている。本実施形態において、給水ポンプ50,51が二台設けられており、そのうちの一台の給水ポンプ50が電動で駆動する電動式のポンプ(以下、この給水ポンプ50を電動式給水ポンプという)で構成され、残りの一台の給水ポンプ51が蒸気で駆動する蒸気タービン式のポンプ(以下、この給水ポンプ51を蒸気駆動式給水ポンプという)で構成されている。
そして、電動式給水ポンプ50は、発電機30の出力が定格出力域よりも低い低出力域(以下、LLO域という)に設定された出力値未満であるときに駆動するようになっている。これに対し、蒸気駆動式給水ポンプ51は、発電機30の出力がLLO域内に設定された出力値以上であるときに駆動するようになっている。なお、ここで「定格出力域」とは、火力発電設備1の設計仕様である発電機30の定格(安定)運転時の出力範囲を意味する。
ここで上記各系統WLa,WLb,Sb,Rbについて具体的に説明する。各系統WLa,WLb,Sb,Rbは、前記ボイラ10、復水器40、給水ポンプ50,51を基準に区画されている。
前記復水系統WLaは、図2に示す如く、発電機30を駆動する蒸気タービン20,21,22,23から排出される蒸気を水に戻す復水器40で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔52と、復水器40内の水を脱塩塔52に送る復水ポンプ53a,53bと、蒸気タービン20,21,22,23に供給する蒸気を発生させるボイラ10に給水する給水ポンプ50,51に脱塩塔52内の水を送る二台以上の復水昇圧ポンプ54a,54b,54cとを備えている。
さらに、復水系統WLaは、復水昇圧ポンプ54a,54b,54cの下流側(復水昇圧ポンプ54a,54b,54cと給水ポンプ50,51との間)に、復水器40で得られた水と蒸気タービン20,21,22,23の軸受け冷却水として使用された水とを熱交換させる復水熱交換器55や、復水器40の真空度を維持するために内部の空気を抽出するエゼクタ56、蒸気タービン20,21,22,23の軸シール水と熱交換するグランドコンデンサ57、熱回収やフラッシング防止のためにドレンを冷却するドレンクーラ58、蒸気タービン20,21,22,23からの抽気で水を加熱する低圧給水加熱器59、蒸気によって水を直接加熱し、水に含まれる溶存ガスを物理的に分離除去する脱気器60等が設けられている。
本実施形態に係る火力発電設備1は、前記復水ポンプ53a,53bが二台以上設けられており、該二台以上の復水ポンプ53a,53bが協働して復水器40内の水を下流側(脱塩塔52)に送るようになっている。本実施形態においては、復水ポンプ53a,53bが二台設けられており、該二台の復水ポンプ53a,53bが協働して送水するようになっている。
そして、復水ポンプ53a,53bは、復水昇圧ポンプ54a,54b,54cの後述する小出力ポンプ54aと同様の許容負荷のポンプが採用されている。すなわち、復水ポンプ53a,53bは、許容負荷が復水昇圧ポンプ54a,54b,54cの後述する高出力ポンプ54b,54cの許容負荷よりも低いポンプが採用されている。これに伴い、復水ポンプ53a,53bの電源は、高出力ポンプ54b,54cの電源よりも電圧が低くなっており、本実施形態においては、高出力ポンプ54b,54cの電源電圧が6600Vであるのに対し、復水ポンプ53a,53bの電源電圧は440Vになっている。
前記二台以上の復水昇圧ポンプ54a,54b,54cは、そのうちの一部の復水昇圧ポンプ54aが他の復水昇圧ポンプ54b,54cよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成され、残りの復水昇圧ポンプ54b,54cが小出力ポンプ54aよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成されている。そして、前記大出力ポンプ54b,54cは、二台以上設けられる。具体的には、本実施形態において、復水昇圧ポンプ54a,54b,54cは、三台設けられており、そのうちの一台の復水昇圧ポンプ54aが小出力ポンプで構成され、残りの二台の復水昇圧ポンプ54b,54cが大出力ポンプで構成されている。
前記小出力ポンプ54aは、復水ポンプ53a,53bと同様の許容負荷のポンプが採用されている。そして、該小出力ポンプ54aの電源は、高出力ポンプ54b,54cの電源よりも電圧が低くなっており、本実施形態においては、高出力ポンプ54b,54cの電源電圧が6600Vであるのに対し、小出力ポンプ54a電源電圧は440Vになっている。
本実施形態に係る火力発電設備1は、発電機30の出力が定格出力域の下限値未満であるとき(LLO域にあるとき)に、小出力ポンプ54aのみを駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値以上であるとき(定格出力域にあるとき)に、大出力ポンプ54b,54cのみを駆動するようになっている。
すなわち、該火力発電設備1は、運転を開始する起動運転のように発電機30の出力が増加傾向にある場合、発電機30の出力が定格出力域の下限値に到達するまで、小出力ポンプ54aのみが駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値に到達すると小出力ポンプ54aを停止して大出力ポンプ54b,54cが駆動する一方、運転を停止する停止運転のように発電機30の出力が減少傾向にある場合、発電機30の出力が定格出力域の下限値に到達するまで、大出力ポンプ54b,54cのみが駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値に到達すると大出力ポンプ54b,54cを停止して小出力ポンプ54aのみが駆動するようになっている。
また、該火力発電設備1は、上述の如く前記大出力ポンプ54b,54cが二台以上(本実施形態においては二台)設けられることを前提に、発電機30の出力が定格出力域内に予め設定された出力値(以下、台数切換出力値という)になると、発電機30の出力の増減(増減の傾向)に対応して大出力ポンプ54b,54cの駆動台数が増減するように構成されている。すなわち、該火力発電設備1は、発電機30の出力が定格出力域内にあり、且つ台数切換出力値以上である場合に、多くの大出力ポンプ54b,54cを駆動し、発電機30の出力が定格出力域内にあり、且つ台数切換出力値未満である場合に、発電機30の出力が台数切換出力値以上であるときよりも少ない台数の大出力ポンプ54bを駆動するようになっている。
本実施形態においては、大出力ポンプ54b,54cが二台設けられているため、発電機30の出力が定格出力域内にあり、且つ台数切換出力値以上である場合に、二台の大出力ポンプ54b,54cを駆動し、発電機30の出力が定格出力域内にあり、且つ台数切換出力値未満である場合に、一台の大出力ポンプ54bを駆動するようになっている。
図1に戻り、前記給水系統WLbは、給水ポンプ50,51で送り出された水を蒸気タービン20,21,22,23からの抽気で加熱する高圧給水加熱器70を備えている。そして、上述の如く、給水ポンプ50,51の一部(一台)が電動式給水ポンプで、残りの給水ポンプ51が蒸気タービン式の蒸気駆動式給水ポンプで構成されているため、給水系統WLbにおいて、起動運転時や停止運転時のように発電機30の出力が小さく、復水器40に対する熱負荷が小さいときに、電動式給水ポンプ50でボイラ10に給水し、定格運転時のように発電機30の出力が大きく、復水器40に対する熱負荷が大きいときに、蒸気駆動式給水ポンプ51でボイラ10に給水するようになっている。すなわち、本実施形態に係る給水系統WLbは、発電機30の出力が予め設定された出力値になったときに、駆動する給水ポンプ50,51を電動式給水ポンプ50から蒸気駆動式給水ポンプ51に、或いは、蒸気駆動式給水ポンプ51から電動式給水ポンプ50に切り換えてボイラ10に給水するようになっている。
前記蒸気系統SLは、蒸気タービン20,21,22,23が上述のように配列されることを前提に、ボイラ10と高圧タービン20の吸気側とを接続した第一スチーム管路SL1、高圧タービン20の排気側とボイラ10内の再熱器13とを接続した第二スチーム管路SL2、再熱器13と一方(一段目)の中圧タービン21の吸気側とを接続した第三スチーム管路SL3、一方(一段目)の中圧タービン21の排気側と他方(二段目)の中圧タービン22の吸気側、及び低圧タービン23の吸気側とを接続した第四スチーム管路SL4、他方(二段目)の中圧タービン22の排気側、及び低圧タービン23の排気側と復水器40とを接続する第五スチーム管路SL5を備えている。
なお、本実施形態に係る火力発電設備1の蒸気系統SLは、上述のスチーム管路SL1〜SL5に加え、ボイラ10と高圧タービン20とを接続する第一スチーム管路SL1からバルブBを介して分岐し、復水器40に繋がるバイパス管路SL6を備えている。
前記循環系統RLは、上述の如く、二台以上の循環ポンプ80,81を備えており、本実施形態においては、二台の循環ポンプ80,81を備えている。ここで、循環系統RLについて具体的に説明すると、本実施形態に係る循環系統RLは、水源(本実施形態においては海)に繋がる取水路82と、水源から取水路82に取り入れた冷却水を復水器40に供給する前記二台の循環ポンプ80,81と、復水器40で熱交換(蒸気の冷却)に利用された冷却水を水源に戻す放水路83とを備えており、前記二台の循環ポンプ80,81は取水路82上に設けられている。なお、本実施形態において循環系統RLの水源は海であるが、発電設備1の立地条件によっては、河川が循環系統RLの水源とされる場合がある。
本実施形態に係る火力発電設備1は、以上の通りであり、次に、上記火力発電設備1の運転方法について図1及び図2を参照して説明する。なお、以下の説明においては、発電機30の定格出力域を105MW以上で320MW以下に、台数切換出力値を175MWに、LLO域を10.5MW以上で105MW未満に設定した場合を一例に、復水系統WLaにおける運転に関連する事項を重点に説明することとする。
まず、火力発電設備1の運転を開始する起動運転について説明する。起動前の火力発電設備1は、送電線に対して解列状態になっている。そして、該火力発電設備1は、運転を開始する起動運転において、まず、循環系統RLを駆動し、その後に復水系統WLaを駆動する。すなわち、一方の循環ポンプ80を駆動して復水器40に冷却水を供給した後、復水ポンプ53a,53bを駆動するとともに、二台以上の復水昇圧ポンプ54a,54b,54cのうち、小出力ポンプ54aのみを駆動し、復水器40内にある水を下流側に送水してエゼクタ56を作動させて復水器40内の真空度を高める。
そして、復水器40の真空度が所定の真空度に到達すると、給水ポンプ(電動式給水ポンプ)50を駆動して復水系統WLaからの水をボイラ10に供給する。そうすると、ボイラ10内に水が溜まり、その水が蒸気となって蒸気系統SL(第一スチーム管路SL1、バイパス管路SL6)に供給される。これにより、蒸気タービン20,21,22,23が駆動して発電機30が発電を開始し、蒸気タービン20,21,22,23から排出された蒸気が復水器40に送られることになる。
そして、このように発電機30が発電を開始すると、該発電機30の出力が次第に増していくことになり、予め設定された出力値(例えば、LLO域の下限値である10.5MW)になったときに、一方の循環ポンプ80に加えて他方の循環ポンプ81が駆動し、これらが協働して循環系統RL内で冷却水を循環させる。
そして、発電機30の出力が予め設定された出力値(例えば、LLO域の下限値である10.5MW)に到達すると、発電した電力の送電が開始される。これに伴い、発電機30の出力が徐々に高まることになるため、復水系統WLaにおいて小出力ポンプ54aが許容負荷の範囲で駆動して発電機30の出力に応じた水量の水(復水器の水)を給水ポンプ51に向けて送り、復水器40の真空度を発電機30の出力(負荷)に対応させる。なお、このように発電機30の出力が増加傾向にあるときは、該出力が予め設定された出力値(例えば、LLO域(10.5MW以上で105MW未満)内の出力値である80MW)になると、電動式給水ポンプ50が停止して蒸気駆動式給水ポンプ51による給水が開始する。
そして、発電機30の出力が増加して定格出力域(105MW以上で320MW以下)の下限値(105MW)になると、小出力ポンプ54aを停止させるのに対し、一方の大出力ポンプ54bを駆動する。すなわち、発電機30の出力が定格出力域(105MW以上で320MW以下)よりも低いLLO域(10.5MW以上で105MW未満)から脱すると、復水系統WLaでは、小出力ポンプ54aが停止されるのに対し、一方(一台)の大出力ポンプ54bが駆動され、発電機30の出力に対応した水量で復水器40内の水が給水ポンプ51に供給される。なお、発電機30の出力が定格出力域に到達する前、あるいは定格出力域に到達する(蒸気バランスが整う)と、バイパス管路SL6への蒸気の供給は停止される。
この状態で、火力発電設備1は、定格運転をしているが、送電に応じた電力量を発電するため、発電機30の出力は、定格出力域(105MW以上で320MW以下)内で変動することになる。そして、火力発電設備1の起動運転時や送電量(消費電力)の多いときは、発電機30の出力が増加傾向にあり、台数切換出力値(175MW)になると、一方(一台)の大出力ポンプ54bに加えて他方(一台)の大出力ポンプ54cが駆動し、発電機30の出力に対応した水量の水を給水ポンプ51する。これに対し、火力発電設備1の停止運転時や消費電力が少ないときは、発電機30の出力が減少傾向にあり、台数切換出力値(175MW)になると、二台の大出力ポンプ54b,54cのうちの一台の大出力ポンプ54cが停止し、一方の大出力ポンプ54bのみが発電機30の出力に対応した水量の水を給水ポンプ51する。
これに対し、火力発電を停止する停止運転を行う場合には、ボイラ10から蒸気タービン20,21,22,23に供給する蒸気を徐々に減らして発電機30の出力を低下させる。
そして、発電機30の出力が減少して定格出力域(105MW以上で320MW以下)の下限値(105MW)を超えてLLO域(10.5MW以上で105MW未満)の上限値になると、大出力ポンプ54bを停止して小出力ポンプ54aを駆動する。すなわち、発電機30の出力が定格出力域(105MW以上で320MW以下)を脱してLLO域(10.5MW以上で105MW未満)になると、復水系統WLaでは、大出力ポンプ54bが停止されるのに対し、小出力ポンプ54aが駆動され、発電機30の出力に対応した水量で復水器40内の水が給水ポンプ51に供給される。
そして、発電機30の出力が予め設定された出力値(例えば、LLO域(10.5MW以上で105MW未満)内の出力値である80MW)になると、蒸気駆動式給水ポンプ51が停止して電動式給水ポンプ50による給水が開始する。そして、LLO域(10.5MW以上で105MW未満)の下限値(10.5MW)になると、送電線に対する送電の停止状態(解列状態)にされ、発電機30の出力が送電することのできない(並列状態を維持できない)非常に小さな出力になった後、復水ポンプ53a,53b及び小出力ポンプ54aが停止される。
このように、本実施形態に係る火力発電設備1は、前記二台以上の復水昇圧ポンプ54a,54b,54cのうちの一部の復水昇圧ポンプ54aが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプ54b,54cが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機30の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプ54aのみを駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプ54b,54cのみを駆動するので、起動運転や停止運転のように発電機30の出力が小さな状態において、少ないエネルギーで小出力ポンプ54aを駆動し、その状態に応じた水量で脱塩塔52内の水を給水ポンプ50,51に送ることができ、定格運転のように発電機30の出力が大きなときに、その発電機30の負荷に応じた水量で脱塩塔52内の水を給水ポンプ50,51に供給することができる。
従って、本実施形態に係る火力発電設備1は、起動運転及び停止運転における復水系統WLaでのエネルギーの無駄な消費を抑えることができ、定格運転時に安定した発電を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
また、本実施形態に係る火力発電設備1は、前記大出力ポンプ54b,54cが二台以上設けられ、発電機30の出力が定格出力域内に予め設定された出力値になると、発電機30の出力の増減に対応して大出力ポンプ54b,54cの駆動台数が増減するように構成されているので、発電機30の定格出力域内での出力の変動に応じた台数の大出力ポンプ54b,54cが駆動され、発電機30の出力が高出力となる定格出力域にあるときにおいても、過剰なエネルギーを消費することなく、発電機30の出力状態に応じた水量で脱塩塔52内の水を給水ポンプ50,51に送ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することは可能である。
上記実施形態において、復水昇圧ポンプとして、小出力ポンプ54aを一台設けるとともに、大出力ポンプ54b,54cを二台設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、復水昇圧ポンプとして、小出力ポンプを二台以上設けるとともに、大出力ポンプを三台以上設けるようにしてもよい。この場合においても、発電機30の出力が小さいときに、小出力ポンプを駆動し、発電機の出力が大きいときに大出力ポンプを駆動するようにしてもよい。すなわち、発電機30の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプを駆動するようにすればよい。
上記実施形態において、発電機30の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプ54aのみを駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプ54b,54cのみを駆動するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、発電機30の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプ54aのみを駆動し、発電機30の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、小出力ポンプ54aとともに大出力ポンプ54b,54cを駆動するようにしてもよい。但し、小出力ポンプ54aと大出力ポンプ54b,54cとは、許容負荷が異なるため、復水系統WLaでの圧力バランス等を考慮した配管系(例えば、流量調整弁や圧力調整弁等を適宜配置した配管系)に構成することは言うまでもない。
上記実施形態において、大出力ポンプ54b,54cを二台設け、発電機30の定格出力域内に予め設定した一点の出力値(台数切換出力値)を基準に、発電機30の定格出力域内にあっても、その出力の増減に対応させて大出力ポンプ54b,54cの駆動台数を変更するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、大出力ポンプを三台以上設けるとともに、台数切換出力を大出力ポンプの台数に対応させて複数点(大出力ポンプの台数から一つ少ない数の点)設定しておき、発電機30の出力値が各台数切換出力値を通過するたびに、発電機30の出力の増減傾向にあわせて大出力ポンプの駆動台数を増減させるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、大出力ポンプ54b,54cを二台設け、発電機30の定格出力域内に予め設定した出力値(台数切換出力値)を基準に、発電機30の定格出力域内にあっても、その出力の増減に対応させて大出力ポンプ54b,54cの駆動台数を変更するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、発電機30の出力が定格出力域にあるときに一定台数の大出力ポンプ54b,54cを駆動するようにしてもよい。このようにしても、発電機30の出力が小さいときに、小出力ポンプ54aのみを駆動させるため、復水系統WLa内でのエネルギーの無駄な消費を抑えることができる。
上記実施形態において、小出力ポンプ54aの電源電圧を440Vに設定し、大出力ポンプ54b,54cの電源電圧を6600Vに設定したが、これに限定されるものではなく、例えば、これらのポンプ54a,54b,55cの電源電圧は、440V、6600V以外の電圧であってもよい。また、小出力ポンプ54a及び大出力ポンプ54b,54cの電源電圧を同一に設定してもよい。
すなわち、ポンプを駆動するエネルギーは、吐出量や吐出圧等の負荷(出力)と対応関係にあるため、電源の電圧に拘束されることなく、小出力ポンプ54aの許容負荷(定格吐出量や定格吐出圧等の性能)が大出力ポンプ54b,54cの許容負荷(定格吐出量や定格吐出圧等の性能)よりも小さければよい。このようにすることで、小出力ポンプ54aを駆動するエネルギーが大出力ポンプ54b,54cを駆動するエネルギーよりも小さいため、上記実施形態と同様に、復水系統WLaにおけるエネルギーの無駄な消費を抑えることができる。
そして、上記実施形態において、小出力ポンプ54aを復水ポンプ53a,53bと同一のものを採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、小出力ポンプ54a及び復水ポンプ53a,53bは異なる仕様であってもよい。
上記実施形態において、復水昇圧ポンプ54a,54b,54cの下流側に、エゼクタ56、グランドコンデンサ57、ドレンクーラ58、低圧給水加熱器59、及び脱気器60が並ぶ復水系統WLaについて説明したが、本発明が対象とする復水系統WLaはこれに限定されるものではなく、エゼクタ56、グランドコンデンサ57、ドレンクーラ58、低圧給水加熱器59、脱気器60の配置や有無は火力発電設備1の仕様に応じて適宜変更可能である。すなわち、本発明が対象とする復水系統WLaは、少なくとも復水ポンプ53a,53bと脱塩塔52と復水昇圧ポンプ54a,54b,54cとを備えたものであればよい。
上記実施形態において、通常の起動から停止までの運転で動作させる復水昇圧ポンプ54a,54b,54cを設けるようにしたが、例えば、いずれかのポンプが故障したときに代替として使用する非常用の復水昇圧ポンプ(小出力ポンプ及び大出力ポンプ)を設けるようにしてもよい。すなわち、復水系統WLa内に設けられた復水昇圧ポンプは、起動から停止までの運転において、必ずしも全てのポンプを駆動する必要はない。これは、復水ポンプ53a,53bをはじめとする他のポンプも同様である。
上記実施形態において、発電機30の定格出力域を105MW以上で320MW以下に、台数切換出力値を175MWに、LLO域を10.5MW以上で105MW未満に設定した場合を一例に説明したが、これに限定されるものではなく、定格出力域、LLO域、台数切換出力値は、火力発電設備1の設計仕様に応じて適宜決定すればよい。但し、何れの出力域及び出力値においても、発電機30が発電した電力を送電している状態、或いは送電できる状態(並列状態)の出力域であることが前提である。
1…火力発電設備、10…ボイラ、11…蒸発器、12…過熱器、13…再熱器、20…高圧タービン(蒸気タービン)、21,22…中圧タービン(蒸気タービン)、23…低圧タービン(蒸気タービン)、30…発電機、40…復水器、50…電動式給水ポンプ(給水ポンプ)、51…蒸気駆動式給水ポンプ(給水ポンプ)、52…脱塩塔、53a,53b…復水ポンプ、54a…小出力ポンプ(復水昇圧ポンプ)、54b,54c…大出力ポンプ(復水昇圧ポンプ)、55…復水熱交換器、56…エゼクタ、57…グランドコンデンサ、58…ドレンクーラ、59…低圧給水加熱器、60…脱気器、70…高圧給水加熱器、80,81…循環ポンプ、82…取水路、83…放水路、400…ハウジング、401…冷却管、B…バルブ、SL1…第一スチーム管路、SL2…第二スチーム管路、SL3…第三スチーム管路、SL4…第四スチーム管路、SL5…第五スチーム管路、SL6…バイパス管路、RL…循環系統、SL…蒸気系統、WLa…復水系統、WLb…給水系統

Claims (4)

  1. 発電機を駆動する蒸気タービンから排出される蒸気を水に戻す復水器で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔と、復水器内の水を脱塩塔に送る復水ポンプと、蒸気タービンに供給する蒸気を発生させるボイラに給水する給水ポンプに脱塩塔内の水を送る二台以上の復水昇圧ポンプとを備えた火力発電設備において、前記二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部の復水昇圧ポンプが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動し、発電機の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプのみを駆動することを特徴とする火力発電設備。
  2. 前記大出力ポンプが二台以上設けられ、発電機の出力が定格出力域内に予め設定された出力値になると、発電機の出力の増減に対応して大出力ポンプの駆動台数が増減するように構成されている請求項1に記載の火力発電設備。
  3. 発電機を駆動する蒸気タービンから排出される蒸気を水に戻す復水器で得られた水に含まれる不純物を除去するための脱塩塔と、復水器内の水を脱塩塔に送る復水ポンプと、蒸気タービンに供給する蒸気を発生させるボイラに給水する給水ポンプに脱塩塔内の水を送る二台以上の復水昇圧ポンプとを備えた火力発電設備の運転方法において、前記二台以上の復水昇圧ポンプのうちの一部の復水昇圧ポンプが他の復水昇圧ポンプよりも許容負荷の小さい小出力ポンプで構成されるとともに、残りの復水昇圧ポンプが小出力ポンプよりも許容負荷の大きい大出力ポンプで構成され、発電機の出力が定格出力域の下限値未満であるときに、小出力ポンプのみを駆動させ、発電機の出力が定格出力域の下限値以上であるときに、大出力ポンプのみを駆動させることを特徴とする火力発電設備の運転方法。
  4. 前記大出力ポンプが二台以上設けられ、発電機の出力が定格出力域内に予め設定された出力値になると、発電機の出力の増減に対応して大出力ポンプの駆動台数を増減させる請求項3に記載の火力発電設備の運転方法。
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