JP4919223B2 - シート状蛍光粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状の粒子形状を有するシート状蛍光粒子に関するものであり、更に詳しくは、母結晶が水酸化イットリウム又は酸化イットリウムで、活性中心がEu3+であり、ナノシート構造を有するシート状蛍光粒子及びその製造方法に関するものである。本発明のシート状蛍光粒子は、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)や蛍光ランプなどとして用いられる蛍光体用の蛍光粒子として有用である。
粒径が数μm以下の超微粒子は、表面エネルギーが大きい(全エネルギーに対する割合が高い)ために、従来の微粉とは異なった特性、例えば、量子サイズ効果による光学特性の変化、融点の低下、高触媒特性、高磁気特性等を発現することから、例えば、電子材料、触媒材料、蛍光体材料、発光体材料、医薬品等、様々な分野で広く用いられている。これらの超微粒子の中でも、特に、100nm以下の極小粒子は、ナノ粒子と称されており、これまでにない物性を有する材料として注目されている。
一般に、真空紫外線により励起され、発光する蛍光体は、PDPや真空紫外線励起発光素子に用いられ、また、紫外線により励起され、発光する蛍光体は、3波長型蛍光ランプに用いられている。それらのうち、ディスプレイ用の蛍光体においては、画面の大型化や放送のデジタル化に伴って、より高精細な画面表示が必要とされている。そのため、微細な微粒子の合成が盛んに行われている。例えば、界面活性剤を利用して粒子を表面改質する方法(非特許文献1)や、噴霧法(非特許文献2)、逆ミセル法(非特許文献3)、ゾルーゲル法(非特許文献4)、CVD法(非特許文献5)等により微細な微粒子を合成することが種々試みられている。しかしながら、粒子を小さくしていくと、発光効率が劣る結晶表面の割合が増えるため、発光効率は低下するという問題がある。
また、従来、一般的に、PDP用の蛍光体には、高温で長時間焼成された球状粒子や、焼成後に粉砕プロセスを経た多角体粒子が用いられてきた。しかし、PDPは、放電によって発生する短波長の紫外線により蛍光が発生し、その発光の仕方が反射型パネル方式となっているため、球状に近い蛍光体を蛍光体層として使用すると、隔壁や隔壁底部への被覆率が低くなり、紫外線を十分に利用できないという問題があった。
そこで、板状の蛍光粒子を用いて、蛍光体膜を作製し、蛍光層の充填率を上げるとともに、隔壁や底部への被覆率を高くすることにより、蛍光体層の紫外線吸収量を増大させ、パネルの輝度の向上を実現することができることが示された。更に、蛍光体の充填率を高めることによって、蛍光体自身が可視光の反射膜として作用しているために、反射輝度の向上もできることが示された(特許文献1)。しかし、この種の方法では、板状の蛍光粒子を製造する過程でフラックスが使用されており、最終的には、それを取り除く必要があった。
それに対し、フラックスを用いることなく板状の蛍光粒子を製造する方法として、以下の方法が示された(特許文献2)。即ち、種々の蛍光粒子原料と水を容器内に入れ、密封し、250℃以上500℃以下の温度範囲で加熱した後に容器から取り出し、酸素存在下で700℃以上1400℃以下の温度範囲で焼成する蛍光体の製造方法である。しかしながら、この種の方法では、溶液反応で250℃以上という高温高圧プロセスが必要とされ、エネルギーを大量に消費するという問題がある。
特開平11−144625号公報 特開2002−309245号公報 P. K. Sharma, M. H. Jilavi, R. Nass, and H. Schmidt, J Lumin., 82, (1999) 187 Y.C. Kang, H.S. Roh, and S.B. Park, J. Am. Ceram. Soc. 84 (2001) 447 H. Huang, G. Q. Xu, W. S. Chin, L. M. Gan and C. H. Chew, Nanotechnology 123 (2002) 318 J. Dhanaraj, R. Janannathan, T. R. N. Kutty, and C. H. Lu, J. Phys. Chem. B 105 (2001) 11098 A. Konrad, T. Fries, A. Gahn, F. Kummer, U. Herr, R. Tidecks, and K. Samwer, J. Appl. Phys. 86 (1999) 3129
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述の問題を解消することができる新しい蛍光体膜を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、ナノシート構造を有する蛍光粒子の開発に成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、水系の液相合成法を用いて、厚さが薄く、シート状の粒子形状を有する蛍光粉体を簡便な方法で合成し、提供することを実現できるナノシート状蛍光粒子及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)粒子がシート状の形状をしているシート状蛍光粒子であって、(1)母体結晶が水酸化イットリウム、又は酸化イットリウムである、(2)発光中心がEu3+である、(3)ナノシート構造を有する、ことを特徴とするシート状蛍光粒子。
(2)Eu3+が母結晶にドープされている、前記(1)記載のシート状蛍光粒子。
(3)活性中心となるEu3+が、母結晶の中に略均一に含まれている、前記(1)記載のシート状蛍光粒子。
(4)前記(1)から(3)のいずれかに記載のシート状蛍光粒子の塗膜からなることを特徴とするシート状蛍光粒子塗膜。
(5)前記(1)から(3)のいずれかに記載のシート状蛍光粒子を含有することを特徴とする蛍光粒子塗料。
(6)前記(1)から(3)のいずれかに記載のシート状蛍光粒子の焼結体からなることを特徴とする蛍光膜。
(7)イットリウム源の溶液を活性中心となるユーロピウムイオンと高分子テンプレートとしてのエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの存在下で水熱反応を行うことによりユーロピウムイオンがドープされたナノシート状の蛍光粒子を合成することを特徴とするシート状蛍光粒子の製造方法。
(8)イットリウム源が、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、シュウ酸イットリウム、酢酸イットリウム、又はイットリウムイソプロポキシドである、前記(7)記載の方法。
(9)ユーロピウムイオンのイオン源として、ユーロピウム塩を用いる、前記(7)記載の方法。
(10)100℃から250℃の範囲で1時間から12時間の間で水熱反応を行う、前記(7)記載の方法。
(11)前記(7)から(10)のいずれかに記載の方法で作製したシート状蛍光粒子を用いて基板上に蛍光膜を作製することを特徴とする蛍光膜の製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、シート状蛍光粒子であって、粒子の厚さが薄く、ナノシート構造を有する蛍光粒子であること、母結晶が水酸化イットリウム又は酸化イットリウムであり、活性中心がEu3+であること、を特徴とするものである。本発明のシート状蛍光粒子は、Eu3+が母結晶にドープされていること、活性中心となるEu3+が、母結晶の中に略均一に含まれていること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、上記シート状蛍光粒子の製造方法であって、母結晶粒子溶液に、活性中心となるEu3+を溶媒に混合し、蒸留水を加えて水熱反応を行うことにより、母結晶粒子に添加イオンの活性中心となるEu3+がドーピングされた蛍光粒子を得ることを特徴とするものである。上記本発明の方法では、活性中心となるEu3+が母結晶の中に略均一に含まれ、母結晶の結晶が発達していること、を好ましい実施の態様としている。
次に、本発明のナノシート構造を有する蛍光粒子の製造方法では、母結晶となるイットリウム化合物を水熱溶液に対して、0.02から0.2mol/lの範囲で高分子テンプレートであるエチレングルコールモノイソプロピルエーテル(水熱溶液に対して3%から15%の範囲)等に混合した後、活性中心となるEu3+化合物を母結晶に対して1%から10%の範囲で添加して水熱反応させる。
この場合、水を加えて更に撹拌した後、100℃から250℃の範囲で1時間から12時間の間で水熱反応を行うことにより、Eu3+がドープされたナノシート状の蛍光水酸化物粒子を得ることができる。蛍光水酸化物は、所定の熱処理を行うことにより、酸化物にすることができ、ナノシート状の酸化物蛍光粒子とすることが可能となる。熱処理の条件は、600℃から1400℃の範囲である。
本発明に用いるイットリウム源としては、好適には、例えば、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、シュウ酸イットリウム、酢酸イットリウム、イットリウムイソプロポキシド等が例示され、これらの適当なイットリウム化合物が使用される。また、ユーロピウム源としては、好適には、例えば、硝酸ユーロピウム、塩化ユーロピウム、ユーロピウムイソプロポキシド等が例示され、それらの適当なユーロピウム塩が使用される。これらは水溶性であることが好適である。
上記のイットリウムイオン、ユーロピウムイオンの個々の溶液又は混合溶液は、余り極端なアルカリ性や酸性にならぬように、pH調整することも必要である。ここで、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水が好適である。更に、水熱反応中に、高分子テンプレートとして、析出する粒子の成長をシート状に進展させるための添加剤として、エチレングルコールモノイソプロピルエーテルが用いられる。
更に、本発明は、蛍光膜の作製方法であって、上記シート状蛍光粒子を用いて基板上に蛍光膜を作製することを特徴とするものである。この場合、基板の種類は特に限定されるものではなく、任意の基板を使用することができる。次に、上記シート状蛍光粒子の塗膜としての作用について説明すると、一般に、塗膜の強度は、粒子の付着力に影響される。その粒子の付着力は、乾燥した場合には、ファンデルワールス力、静電付着力等によって決定される。1μm以下の粒子では、ファンデルワールス力の影響の方が大きい。
ファンデルワールス力に関して2つの粒子間ではh≪x(粒子の接近距離:h、粒径:x)の場合、粒子が球状のときには、付着力はF=−Ax/12h(Hamaker constant:A)として示され、板状のときには、F=−x/2h・Ax/12hと表現される(粉体工学会編、粉体の基礎物性、日刊工業新聞社(2005)227)。
そのため、板状と球状との付着力の相対比はx/2hと表される。接近距離(h)が小さくなるほど粒子の半径は一定であるため、相対比は最終的には大きな値となる。つまり、板状の方が粒子同士の接近距離が小さくなるほど付着力の影響が大きくなることがわかる。また、粒子の大きさが一定であるため、付着力に関して平板粒子に球状粒子が同じように大きな力を有するようになるためには、球状粒子がある程度の個数壁につかない限り効率的に付着力として作用しない。
しかし、10ナノ粒子をナノシート粒子(1辺1μm)と同じ平面積に整列させて並べることはかなり困難である。そのため、実用上、板状粒子でナノサイズの厚さを持つものは大きな付着力を有することが予測される。本発明において、ナノシート状の水酸化イットリウムは、変形させて丸めることができる(図1)。これにより、蛍光膜を作製する場合に、粒子間に隙間がないように変形することが可能であると考えられる。本発明のナノシート構造を有するシート状蛍光粒子は、次のような物理的性質及び化学的性状を有している。即ち、本発明のシート状蛍光粒子は、(1)厚さ20nm〜200nm、1辺300nm〜10μmのナノシート構造を有している、(2)変形させて丸めることができる等の変形が可能である、(3)基板物質への付着力が大きい、(4)粒子間の細孔が少ない、(5)光の散乱が少ないことによる透光性が良好な膜となる、等の特性を有している。
水熱合成した試料の熱処理過程における挙動を調べるため、熱分析を行った(図2)。DTAの結果より、305℃、411℃に吸熱ピークが見られた。TG曲線に関しても、同じ温度付近で急激な減少が見られた。Satoらによると(T. Sato, S. Imaeda and K. Sato, Thermochimica Acta, 133 (1988) 79)、六方晶の水酸化イットリウムでは300℃でYOOHに相転移し、更に、450℃で酸化イットリウムに相転移している。本発明においても、305℃にて水酸基が離脱して重量が減少し、六方晶の水酸化イットリウムからYOOHに相転移し、411℃にてYOOHから更に水酸基が離脱して、重量が減少し、酸化イットリウムに変化したと考えられる。
従来法では、例えば、PDP用の蛍光体においては、板状の粒子を用いて蛍光体膜を作製し、蛍光層の充填率を上げるとともに、隔壁や底部への被覆率を高くすること、それによって、蛍光体層の紫外線吸収量を増大させ、パネルの輝度の向上を図ることが試みられていた。しかし、板状の蛍光粒子を製造する過程でフラックスの使用が必要とされ、あるいは250℃以上の高温高圧プロセスが必要とされ、作製工程が複雑になる等の問題点があった。
これに対し、本発明は、結晶としてイットリウム系化合物を使用し、これに活性中心としてユーロピウムイオンをドープした蛍光粒子を作製することで、上述の従来法にみられる問題点がなく、厚さ20nmから200nmのナノシート構造を有するナノシート状の蛍光粒子を合成することに成功したものである。該シート状蛍光粒子を用いることで、例えば、PDPの蛍光体用の蛍光膜を作製する場合に、粒子間に隙間がないように変形することが可能であり、蛍光層の充填率や、隔壁や底部への被覆率を大幅に向上させることが可能であることから、高精細な画面表示を実現する新しい傾向粒子及び蛍光膜として高く期待される。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)ナノシート構造を有するシート状蛍光粒子を提供することができる。
(2)例えば、厚さ20nmから200nmで1辺300nmから10μmのナノシート状の蛍光粒子を提供することができる。
(3)それを用いて蛍光体膜を作製し、蛍光層の充填率を上げるとともに、隔壁や底部への被覆率を高くすることにより、PDP等のパネルの輝度の向上を実現することができる。
(4)基板への付着力が大きい塗料を提供することができる。
(5)透光性が高い塗料及び蛍光膜を提供することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
1.5mmolのイットリウムイソプロポキシド(Y(O−i−C)及び0.12mmolの塩化ユーロピウム六水和物(EuCl・6HO)を秤量し、20mlのエチレングルコールモノイソプピルエーテルが入った蓋付きフラスコに入れて、12時間撹拌した。この溶液を60mlの蒸留水に混合した後、内容積100mlのテフロン(登録商標)製内筒に入れてオートクレーブ装置を用い、温度180℃、圧力10kg/cmの条件で6時間水熱合成を行ない、反応終了後、自然冷却した。生成物を容器から取り出し、水及びエタノールで数回洗浄した後、エバポレータにより固液分離し、真空乾燥し、水酸化イットリウム粉末を得た。
得られた粉末は、厚さ20nm、一辺1μmの正方形のナノシート状であり(図3)、X線回折分析をしたところ、結晶構造は六方晶であった(図4)。また、一部棒状粒子も見られた。昇温速度10℃/minで900℃を1時間保持する熱処理を行うことにより、立方晶の酸化イットリウムを得た(図5)。得られた酸化イットリウムは、大きさは水酸化物とほとんど変わらず、形状はナノシート状であった。また、シート状の粒子は40nmから50nmの大きさのマトリックス粒からなる多結晶体であり、その結晶方向はランダムであった(図6、図7)。この粉末の蛍光特性を分光蛍光光度計(日立ハイテクノロジーズ製F4500D)にて調べたところ、波長611nmにピークが見られ、赤色に発光した(図8)。
1.25mmolの酢酸イットリウム4水和物(Y(CHCOO)・4HO及び0.05mmolの塩化ユーロピウム(EuCl・6HO)を秤量し、5mlのエチレングルコールモノイソプロピルエーテルが入った蓋付きフラスコに入れて、12時間撹拌した。この溶液を15mlの蒸留水に混合した後、内容積25mlのテフロン(登録商標)製内筒に入れてオートクレーブ装置を用い、温度180℃、圧力10kg/cmの条件で6時間水熱合成を行ない、反応終了後、自然冷却した。
生成物を容器から取り出し、水及びエタノールで数回洗浄した後、エバポレータにより固液分離し、真空乾燥し、水酸化イットリウム粉末を得た。得られた粉末は、厚さ50nm、一辺2μmと8μmの長方形のナノシート状であった(図9、図10)。また、昇温速度10℃/minで900℃を1時間保持する熱処理を行うことにより、立方晶の酸化イットリウムを得た。得られた酸化イットリウムは、大きさは水酸化物とほとんど変わらず、形状はナノシート状であった。この粉末の蛍光特性を調べたところ、波長611nmにピークが見られ、赤色に発光した。
比較例
1.5mmolのイットリウムイソプロポキシド(Y(O−i−C)及び0.12mmolの塩化ユーロピウム六水和物(EuCl・6HO)を秤量し、60mlの蒸留水が入った蓋付きフラスコに入れて、12時間撹拌した。この溶液を内容積100mlのテフロン(登録商標)製内筒に入れてオートクレーブ装置を用い、温度180℃、圧力10kg/cmの条件で6時間水熱合成を行ない、反応終了後、自然冷却した。生成物を容器から取り出し、水及びエタノールで数回洗浄した後、エバポレータにより固液分離し、真空乾燥し、水酸化イットリウム粉末を得た。
得られた粉末は、棒状粒子で短径50nmから800nm、長さ1μmから5μmであり(図11)、X線回折分析にしたところ、結晶構造は六方晶であった(図12)。昇温速度10℃/minで900℃を1時間保持する熱処理を行うことにより、立方晶の酸化イットリウムを得た。この粉末の蛍光特性を調べたところ、波長611nmにピークが見られ、赤色に発光したが、実施例1と比較して発光強度は小さかった(図13)。
以上詳述したように、本発明は、厚さが薄く、シート状の粒子形状を有する蛍光粉体を簡便な方法で生成し、提供することのできるナノシート状蛍光粒子の製造方法及び該蛍光粉体に係るものであり、本発明によれば、蛍光塗膜やプラズマディスプレイパネル(PDP)や蛍光ランプなどとして用いられる蛍光体用の蛍光粒子として好適に使用できる新しいシート状蛍光粒子を提供することができる。本発明は、簡便な方法で製造でき、更に、上述のデバイスの蛍光特性を向上させることができる新しいナノシート構造を有する蛍光粒子、蛍光膜を提供するものとして有用である。
ナノシート状の水酸化イットリウムの走査電子顕微鏡写真を示す(水熱条件180℃、6時間)。 合成したナノシート状の水酸化イットリウムの熱重量分析及び示差熱分析結果を示す。 実施例1で作製したナノシート状の水酸化イットリウム粒子の走査電子顕微鏡写真を示す。 実施例1で作製したナノシート状の水酸化イットリウム粒子のX線回折パターンを示す。 実施例1で作製した酸化イットリウム(熱処理条件900℃、1時間)のX線回折パターンを示す。 実施例1で作製した酸化イットリウム(熱処理条件900℃、1時間)の走査電子顕微鏡写真を示す。 実施例1で作製した酸化イットリウム(熱処理条件900℃、1時間)の透過電子顕微鏡写真を示す。 実施例1で作製した酸化イットリウム(熱処理条件900℃、1時間)の励起波長467nmの蛍光スペクトルを示す。 実施例2で作製したナノシート状水酸化イットリウム粒子の平板方向からの走査電子顕微鏡写真を示す。 実施例2で作製したナノシート状水酸化イットリウム粒子の積層状態の走査電子顕微鏡写真を示す。 比較例で作製した水酸化イットリウム粒子の走査電子顕微鏡写真を示す。 比較例で作製した水酸化イットリウム粒子のX線回折パターンを示す。 比較例で作製した酸化イットリウム(熱処理条件900℃、1時間)の励起波長467nmの蛍光スペクトルを示す。

Claims (11)

  1. 粒子がシート状の形状をしているシート状蛍光粒子であって、(1)母体結晶が水酸化イットリウム、又は酸化イットリウムである、(2)発光中心がEu3+である、(3)ナノシート構造を有する、ことを特徴とするシート状蛍光粒子。
  2. Eu3+が母結晶にドープされている、請求項1記載のシート状蛍光粒子。
  3. 活性中心となるEu3+が、母結晶の中に略均一に含まれている、請求項1記載のシート状蛍光粒子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のシート状蛍光粒子の塗膜からなることを特徴とするシート状蛍光粒子塗膜。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のシート状蛍光粒子を含有することを特徴とする蛍光粒子塗料。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載のシート状蛍光粒子の焼結体からなることを特徴とする蛍光膜。
  7. イットリウム源の溶液を活性中心となるユーロピウムイオンと高分子テンプレートとしてのエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの存在下で水熱反応を行うことによりユーロピウムイオンがドープされたナノシート状の蛍光粒子を合成することを特徴とするシート状蛍光粒子の製造方法。
  8. イットリウム源が、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、シュウ酸イットリウム、酢酸イットリウム、又はイットリウムイソプロポキシドである、請求項7記載の方法。
  9. ユーロピウムイオンのイオン源として、ユーロピウム塩を用いる、請求項7記載の方法。
  10. 100℃から250℃の範囲で1時間から12時間の間で水熱反応を行う、請求項7記載の方法。
  11. 請求項7から10のいずれかに記載の方法で作製したシート状蛍光粒子を用いて基板上に蛍光膜を作製することを特徴とする蛍光膜の製造方法。
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