JP4918845B2 - 易解体性ホットメルト組成物 - Google Patents

易解体性ホットメルト組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4918845B2
JP4918845B2 JP2006314248A JP2006314248A JP4918845B2 JP 4918845 B2 JP4918845 B2 JP 4918845B2 JP 2006314248 A JP2006314248 A JP 2006314248A JP 2006314248 A JP2006314248 A JP 2006314248A JP 4918845 B2 JP4918845 B2 JP 4918845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot melt
melt composition
composition
mass
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006314248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008127473A (ja
Inventor
秀典 植地
智広 川崎
孝 久永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2006314248A priority Critical patent/JP4918845B2/ja
Publication of JP2008127473A publication Critical patent/JP2008127473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4918845B2 publication Critical patent/JP4918845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、易解体性ホットメルト組成物に関する。
従来、各種組立部品のシール材として解体性を有するホットメルト組成物が提案されている(特許文献1〜8参照。)。
このような解体性を有するホットメルト組成物を使用することによって、組立部品を組立てる際不具合が発生した場合や、使用された後に機器を解体する場合に、部品からホットメルト組成物を剥離して部品を廃棄または再生利用することができる。
特開2004−189844号公報 特開2006−28315号公報 特開2005−97360号公報 特許第3588473号公報 特開2002−105423号公報 特開2000−119637号公報 特開2004−35746号公報 特開2001−40330号公報
しかしながら、本発明者は、特許文献1〜8に記載されているホットメルト組成物は、基材としてのポリオレフィンに対する解体性が低いことを見出した。
そこで、本発明は、ポリオレフィンに対するシール性および解体性に優れるホットメルト組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の重量平均分子量を有するSEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方と、特定の水酸基価を有する粘着付与剤と、炭化水素系可塑剤とを特定の量で含有するホットメルト組成物が、ポリオレフィンに対するシール性および解体性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(12)を提供する。
(1) 重量平均分子量が25万以上の、SEEPS100質量部に対して、
水酸基価が20〜200(mgKOH/g)であるテルペンフェノール樹脂5〜500質量部と、
炭化水素系可塑剤350〜2000質量部とを含有する易解体性ホットメルト組成物。
(2) さらに、オレフィン樹脂を含有する上記(1)に記載の易解体性ホットメルト組成物。
(3) 前記オレフィン樹脂がポリエチレンである上記(2)に記載の易解体性ホットメルト組成物。
(4) 前記オレフィン樹脂の重量平均分子量が、1万〜100万である上記(または(3)記載の易解体性ホットメルト組成物。
(5) 前記オレフィン樹脂の量が、前記SEEPS100質量部に対して、5〜50質量部である上記()〜(4)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(6) 前記SEEPSの重量平均分子量が、25万〜50万である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(7) 前記水酸基価が、50〜200(mgKOH/g)である記(1)〜(6)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(8) 前記テルペンフェノール樹脂の量が、50〜500質量部である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(9) 前記炭化水素系可塑剤が、パラフィン系プロセスオイルである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(10) 前記炭化水素系可塑剤の量が、550〜2000質量部である上記((9)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(11) ポリオレフィンに対する、20℃における180°はく離強度が1〜50N/25mmである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
(12) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物を用いることによって得られるシール材。
本発明の易解体性ホットメルト組成物は、ポリオレフィンに対するシール性および解体性に優れる。
本発明について以下詳細に説明する。
まず、本発明の易解体性ホットメルト組成物について説明する。
本発明の易解体性ホットメルト組成物は、
重量平均分子量が25万以上の、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方100質量部に対して、
水酸基価が20〜200(mgKOH/g)である粘着付与剤5〜500質量部と、
炭化水素系可塑剤350〜2000質量部とを含有するものである。
以下、本発明の易解体性ホットメルト組成物を「本発明の組成物」ということがある。
本発明の組成物は、重量平均分子量25万以上の、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方を含有する。
本発明の組成物において、SEEPSおよびSEBSはホットメルト組成物のベースポリマーとして含有される。
SEEPSについて以下に説明する。
本発明において、SEEPSは、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレンのブロックコポリマーを意味する。
本発明の組成物に含有されるSEEPSは、その重量平均分子量が25万以上のものであれば特に制限されない。
SEEPSの重量平均分子量が25万以上であることによって、本発明の組成物から得られる硬化物は解体性に優れる。解体性により優れるという観点から、SEEPSの重量平均分子量は25万〜50万であるのが好ましく、25万〜40万であるのがより好ましい。
なお、本発明において重量平均分子量はGPC装置によって測定された数値である。
SEEPSのスチレン含有量は、組成物が作業しやすい粘度となり、組成物の凝集性に優れ、得られる硬化物の解体性により優れるという観点から、10〜70質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
SEEPSは、その製造について特に制限されず、例えば、スチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SIBS)を水素添加する方法によって得ることができる。
SEBSについて以下に説明する。
本発明において、SEBSは、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブタジエン)−ポリスチレンのブロックコポリマーを意味する。
本発明の組成物に含有されるSEBSは、その重量平均分子量が25万以上のものであれば特に制限されない。
SEBSの重量平均分子量が25万以上であることによって、本発明の組成物から得られる硬化物は解体性に優れる。解体性により優れるという観点から、SEBSの重量平均分子量は25万〜50万であるのが好ましく、25万〜40万であるのがより好ましい。
SEBSのスチレン含有量は、組成物が作業しやすい粘度となり、組成物の凝集性に優れ、組成物の解体性により優れるという観点から、10〜70質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
SEBSは、その製造について特に制限されず、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)を水素添加する方法によって得ることができる。
本発明の組成物は、ベースポリマーとしてSEEPSを含有するのが好ましい。
本発明の組成物がベースポリマーとしてSEEPSを含有する場合、SEEPSはSEBSより柔らかいため、得られる硬化物はより高い柔軟性を有し振動をより吸収することができる。
したがって、SEEPSを含有する組成物をシール材として使用する場合、SEBSを含有する組成物と比べて振動によって部品が外れることが少なく、シール性により優れる。
粘着付与剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される粘着付与剤は、水酸基価が20〜200(mgKOH/g)であり、その量はSEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方100質量部に対して5〜500質量部である。
粘着付与剤は、ヒドロキシ基を有し、水酸基価が20〜200(mgKOH/g)のものであれば特に制限されない。
例えば、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、ロジン誘導体が挙げられる。
なかでも、得られる硬化物の解体性により優れるという観点から、テルペンフェノール樹脂が好ましい。
テルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物とフェノール類とを反応させることによって得られるものである。
テルペンフェノール樹脂を製造する際に使用されるテルペン化合物は、一般に、イソプレン単位(C58)を有する化合物である。
テルペン化合物としては、例えば、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、カンフェン、トリシクレン、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂を製造する際に使用されるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールAが挙げられる。
粘着付与剤の水酸基価は、粘着付与剤の極性が基材としてのポリオレフィンが有する極性よりも高くなり、基材と硬化物との極性の差が大きいことによって硬化物の解体性に優れるという観点から、20〜200(mgKOH/g)である。
また、粘着付与剤の水酸基価は、粘着付与剤の極性が基材としてのポリオレフィンが有する極性よりも高くなり、基材と硬化物との極性の差が大きいことによって硬化物の解体性により優れるという観点から、50〜200(mgKOH/g)であるのが好ましい。
粘着付与剤は、ヒドロキシ基以外の極性基を有することができる。
ヒドロキシ基以外の極性基としては、例えば、カルボキシ基、カルボニル基、アミノ基、イミノ基、エステル結合、アミド結合が挙げられる。
粘着付与剤の量は、硬化物の解体性に優れるという観点から、5〜500質量部である。
また、粘着付与剤の量は、硬化物の解体性により優れるという観点から、50〜500質量部であるのが好ましい。
炭化水素系可塑剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される可塑剤は、炭化水素化合物であり、その量はSEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方100質量部に対して、350〜2000質量部である。
炭化水素系可塑剤は、特に制限されず、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる。
炭化水素系可塑剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、流動パラフィン、オレフィンプロセスオイル、ポリブテンのような鉱物油系可塑剤が挙げられる。
なかでも、ベースポリマーとの相溶性および耐熱性の点から、パラフィン系プロセスオイルが好ましい。
炭化水素系可塑剤の量は、組成物が基材に対して施される際基材の形状に対して密着でき、硬化物の解体性により優れるという観点から、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方100質量部に対して、550〜2000質量部であるのが好ましく、600〜1,800質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、組成物の凝集性を高め、硬化物の解体性により優れるという観点から、さらに、オレフィン樹脂を含有するのが好ましい。
本発明の組成物がさらに含有することができるオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンが挙げられる。
なかでも、組成物の凝集性を高め、硬化物の解体性と耐熱性により優れるという観点から、ポリプロピレンが好ましい。
オレフィン樹脂の重量平均分子量は、組成物の凝集性を高め、硬化物の解体性により優れるという観点から、1万〜100万であるのが好ましく、10万〜100万であるのがより好ましい。
オレフィン樹脂の量は、組成物の凝集性を高め、硬化物の解体性により優れるという観点から、SEEPSおよび前記SEBSのうちの一方または両方100質量部に対して、5〜50質量部であるのが好ましく、5〜30質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方と粘着付与剤と炭化水素系可塑剤と、必要に応じて使用することができるオレフィン樹脂との他に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、無機充填剤、老化防止剤、難燃材、発泡防止剤が挙げられる。
添加剤の量は、特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム(クレー)、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カーボンブラック、ガラスバルーンやシラスバルーン等の軽量中空充填剤が挙げられる。
なかでも、比重を下げ軽量化を図ることができるという観点から、ガラスバルーンが好ましい。
無機充填剤の量は、材料の強度確保という観点から、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方100質量部に対して、1〜80質量部であるのが好ましく、5〜50質量部であるのがより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、フェノール系が挙げられる。
老化防止剤の量は、組成物の酸化防止効果が得られるという観点から、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方100質量部に対して、0〜20重量部であるのが好ましい。
発泡防止剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、モレキュラシーブが挙げられる。
本発明の組成物は、その製造について特に制限されない。例えば、SEEPSおよびSEBSのうちの一方または両方と、粘着付与剤と、炭化水素系可塑剤と、更には必要に応じて含有することができる、オレフィン樹脂、添加剤とを、これらが溶融することができる温度付近に温度設定されたニーダーに投入し、十分に溶融混合することにより、調製することができる。
ニーダーとしては、例えば、加熱装置と脱泡装置を備えたバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ヘンシェルミキサー、ブラベンダー型ニーダーやディスパーが挙げられる。
必要に応じてニーダー内部を減圧とすることができる。
得られた組成物は、例えば、ペール缶、ドラム缶に充填され、保存することができる。
本発明の組成物は、ポリオレフィンに対する、20℃における180°はく離強度が1〜50N/25mmであることが好ましく、1〜30N/25mmであるのがより好ましい。このような範囲の場合、基材に対するシール性および解体性により優れる。
なお、本発明において180°はく離強度は、実施例において説明する方法によって測定された数値である。
本発明の組成物を適用することができる基材は、特に制限されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンのようなポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールのようなエンジニアリングプラスチック;金属、ガラス、ゴムが挙げられる。
なかでも、本発明の組成物は高い極性を有するということから、本発明の組成物より極性の低い材料の基材に適用されるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明の組成物の用途としては、例えば、電気分野、自動車分野(例えば、ランプハウジングのシール材)、加熱装置、熱処理装置を含む分野において使用される装置や、部品の組立部、接合部のシール材が挙げられる。
次に、本発明のシール材について以下に説明する。
本発明のシール材は、本発明の易解体性ホットメルト組成物を用いることによって得られるものである。
本発明のシール材に使用される組成物は、本発明の易解体性ホットメルト組成物であれば特に制限されない。
本発明の組成物をシール材として用いるシール方法について、以下に説明する。
シールされる部材としては、特に限定されない。例えば、上記基材と同様のものが挙げられる。
ここでは、自動車のランプハウジングを例に取上げて説明する。
まず、本発明の易解体性ホットメルト組成物を、例えば断面径8〜12mmのビード状態で、自動車のランプハウジング側に設けられたリブ溝形状の位置に合せて自動的に又は手動で加熱塗布する。
このとき、本発明の易解体性ホットメルト組成物は、例えば一般にアプリケーターと総称される加熱塗布装置(詳しくは100℃以上、好ましくは約150℃以上に加熱され、ホットメルト組成物のみが溶融して、定流量ギヤポンプ等で吸い上げられる塗布装置)によって、自動的又は手動で、自動車のランプハウジング面に加熱塗布される。
易解体性ホットメルト組成物の塗布断面形状は、特に制限されない。
一般的には、易解体性ホットメルト組成物をランプハウジング面のようなシールされる部材に対しビード状に加熱塗布する場合が多い。水密性が確保できるならば必要に応じてノズル先端形状を変化させることによって、楕円形状、三角ビード形状、その他異型(左右非対称)断面形状に塗布することができる。
また、より断面径の大きなビード形状、またはより断面高さの大きなビード形状をランプハウジング面のようなシールされる部材に加熱塗布形成させる場合には、吐出ノズル先端径をより大きくする方法以外に、一旦加熱塗布したビード形状または楕円形状の上に更に塗布(重ね塗布)を行ってもよい。
自動車のランプハウジング面に加熱塗布してループ形状を形成させる方法以外に、あらかじめ離型紙やポリテトラフルオロエチレン製の離型性のあるフィルム等を準備し、それらの上に易解体性ホットメルト組成物をあらかじめビード状に加熱塗布することによって、自動車のランプの水密保持に必要なループ形状を得ることも可能である。このようにして易解体性ホットメルト組成物を自動的又は手動で、自動車のランプハウジング面にループ状の粘着性成型ガスケットとして貼付して用いても、何ら問題はない。
易解体性ホットメルト組成物を塗布して組立てたランプをレンズとハウジングに取り外す工程は、以下の如く行うことができる。
本発明の易解体性ホットメルト組成物は、従来のようにシーリング材を加熱し低粘度化するための工業用ドライヤーやプラスチックバール等の取り外し用工具を一切必要とせず、機械締結部分の拘束のみを解除すれば、熟練度を必要としない通常の手作業にてレンズとハウジングを容易に取り外すことができる。
この場合、レンズとハウジングの間隙に用いられていた本発明の易解体性ホットメルト組成物は、それぞれの接触面に粘接着しているが、該易解体性ホットメルト組成物の凝集力はその粘接着力よりも大きいため、従来のようなブチルゴム系粘着材を用いた場合のような完全な凝集破壊にはならず、接触面に本発明の易解体性ホットメルト組成物の残塊が付着残存することなく、かつ易解体性ホットメルト組成物の破断伸びの応力の範囲内において粘接着部が剥離し、界面破壊となり、残存することなく容易に剥すことができる。
このように本発明の易解体性ホットメルト組成物を用いた場合、成型ガスケットを用いた場合と同様に特殊な解体用工具等を必要とせず、作業者の熟練度に関わり無く一定時間内に容易にレンズとハウジングを取り外すことが可能となる。
従来の解体性を有するとされるホットメルト組成物は、ポリプロピレンのようなポリオレフィンやエンジニアリングプラスチックに対する解体性が低く、凝集破壊を起こして、接触面にホットメルト組成物の残塊が付着残存してしまうことを本願発明者は見出した。
これに対して、本発明の組成物は、ポリプロピレンのようなポリオレフィンやエンジニアリングプラスチックに対して優れた解体性を有する。
このように本発明の組成物がポリプロピレンのようなポリオレフィンやエンジニアリングプラスチックに対して優れた解体性を有するのは、本発明の組成物が水酸基価20〜200(mgKOH/g)の粘着付与剤を含有するためと本願発明者は推察する。
これは、本発明の組成物が水酸基価20〜200(mgKOH/g)の粘着付与剤を含有することによって組成物が高い極性を有することができ、本発明の組成物が極性が低いポリオレフィンやエンジニアリングプラスチックと接触する場合本発明の組成物と基材との界面で親和性が生じにくいため、その結果、本発明の組成物ははく離の際基材との接触面で界面はく離をすることができる、と考えられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.評価
得られた組成物を用いて、組成物の溶融粘度、組成物から得られる硬化物の針入度、引張強度、引張伸び、180°はく離強度、はく離後の破壊状態、解体性を評価した。結果を第1表に示す。
(1)針入度
針入度は、JIS K2207:1996に準じて、20℃の条件下で測定した。
(2)溶融粘度
溶融粘度は、JIS K7117−1:1999に準じ、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド社製)を用い、得られた組成物を190℃にて#29ローターで5rpm、120秒間回転させて測定を行った。
(3)引張試験
得られた組成物を20℃の条件下で冷却し、得られた組成物からダンベル2号形の試験片を採取し、得られた試験片をJIS K 6251−1993に準じて引張速度500mm/分で引張って引張試験を行い、引張強度および引張伸びを測定した。
(4)180°はく離強度
まず、180°はく離強度に使用するサンプルを次のとおり作製した。
はじめに、縦150mm、横25mm、厚さ3mmのポリプロピレン製の板を準備した。このポリプロピレンの片面に、得られた組成物を厚さ約1mmとなる量で塗布し、この上に綿布(縦200mm、横25mm、厚さ2mm)をさらに積層させ500gのおもりでしごいた。積層後、温度20℃の条件下で冷却し、組成物を硬化させてポリプロピレンと綿布との積層体を得た。
次に、得られた積層体を用いて、20℃の条件下、測定器具としてオートグラフを用いて、つかみ具移動速度100mm/分の条件で、積層体の180°はく離試験を行って180℃はく離強度を測定し、はく離後の破壊状態を確認した。
破壊状態の評価基準は、界面破壊をAF、凝集破壊をCFとした。また、界面破壊と凝集破壊の両方が発生し界面破壊の占める面積が全体の略半分である場合を50%CF50%AFとした。
(5)解体性
180°はく離強度試験済みのサンプルを観察し、解体性を評価した。
解体性の評価基準は、硬化物がポリプロピレンに残らずポリプロピレンからはく離した場合を○、硬化物がポリプロピレンからほとんどはく離した場合を△、硬化物がポリプロピレンからはく離しなかった場合を×とした。
2.組成物の調製
第1表に示す成分を第1表に示す量で、200℃に加熱して混合し、各組成物を調製した。
Figure 0004918845
Figure 0004918845
第1表に示されている各成分は、以下のとおりである。
・SEEPS1:セプトン4077(重量平均分子量30万、スチレン含有量30質量%)、クラレ社製
・SEEPS2:セプトン4033(重量平均分子量8万、スチレン含有量30質量%)、クラレ社製
・SIS:クインタック3421、日本ゼオン社製
・SEBS:クレイトンG−1651(重量平均分子量25万、スチレン含有量33質量%)、クレイトンポリマージャパン社製
・無機充填剤:ガラスバルーン(S38、住友スリーエム社製)
・オレフィン樹脂:スミカセンG−807、住友化学工業社製
・粘着付与剤1:テルペンフェノール樹脂(水酸基価170)、ヤスハラケミカル社製
・粘着付与剤2:テルペン樹脂(水酸基価0)、ヤスハラケミカル社製
・炭化水素系可塑剤:パラフィン系プロセスオイル(プライモールN382、エクソンモービル社製)
・老化防止剤:イルガノックス1010、チバガイギー社製
第1表に示す結果から明らかなように、比較例1〜4は180°はく離後に凝集破壊が確認され解体性が低かった。
これに対して、実施例1〜は、180°はく離後の破壊状態は界面破壊であり解体性に優れた。

Claims (12)

  1. 重量平均分子量が25万以上の、SEEPS100質量部に対して、
    水酸基価が20〜200(mgKOH/g)であるテルペンフェノール樹脂5〜500質量部と、
    炭化水素系可塑剤350〜2000質量部とを含有する易解体性ホットメルト組成物。
  2. さらに、オレフィン樹脂を含有する請求項1に記載の易解体性ホットメルト組成物。
  3. 前記オレフィン樹脂がポリエチレンである請求項2に記載の易解体性ホットメルト組成物。
  4. 前記オレフィン樹脂の重量平均分子量が、1万〜100万である請求項2または3に記載の易解体性ホットメルト組成物。
  5. 前記オレフィン樹脂の量が、前記SEEPS100質量部に対して、5〜50質量部である請求項〜4のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  6. 前記SEEPSの重量平均分子量が、25万〜50万である請求項1〜5のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  7. 前記水酸基価が、50〜200(mgKOH/g)である請求項1〜6のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  8. 前記テルペンフェノール樹脂の量が、50〜500質量部である請求項1〜7のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  9. 前記炭化水素系可塑剤が、パラフィン系プロセスオイルである請求項1〜のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  10. 前記炭化水素系可塑剤の量が、550〜2000質量部である請求項1〜のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  11. ポリオレフィンに対する、20℃における180°はく離強度が1〜50N/25mmである請求項1〜10のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の易解体性ホットメルト組成物を用いることによって得られるシール材。
JP2006314248A 2006-11-21 2006-11-21 易解体性ホットメルト組成物 Active JP4918845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314248A JP4918845B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 易解体性ホットメルト組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314248A JP4918845B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 易解体性ホットメルト組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008127473A JP2008127473A (ja) 2008-06-05
JP4918845B2 true JP4918845B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=39553650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006314248A Active JP4918845B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 易解体性ホットメルト組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4918845B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4752937B2 (ja) * 2009-03-25 2011-08-17 富士ゼロックス株式会社 封鎖方法
JP5636704B2 (ja) * 2010-03-11 2014-12-10 横浜ゴム株式会社 ホットメルト接着剤組成物及びシール材
JP6477343B2 (ja) * 2015-08-05 2019-03-06 株式会社オートネットワーク技術研究所 樹脂組成物
JP6726011B2 (ja) * 2016-03-29 2020-07-22 アイカ工業株式会社 易解体性ホットメルト組成物
JP6634044B2 (ja) * 2016-03-31 2020-01-22 アイカ工業株式会社 易解体性ホットメルト組成物
JP6890931B2 (ja) 2016-05-31 2021-06-18 ヘンケルジャパン株式会社 ホットメルト組成物
JP6607182B2 (ja) 2016-12-27 2019-11-20 横浜ゴム株式会社 ホットメルト組成物
CN107384272A (zh) * 2017-06-07 2017-11-24 吴秀兰 胶状组合物及其制造方法和钢化玻璃保护膜、电子设备
JP7268878B2 (ja) 2017-08-07 2023-05-08 旭化学合成株式会社 ホットメルト組成物およびシール材
JP7169007B2 (ja) 2018-10-18 2022-11-10 旭化学合成株式会社 ホットメルト組成物およびシール材

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3578179B2 (ja) * 1995-03-29 2004-10-20 荒川化学工業株式会社 スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体用粘着付与剤およびその粘着剤組成物
JP4412953B2 (ja) * 2003-09-22 2010-02-10 アイカ工業株式会社 ホットメルト組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008127473A (ja) 2008-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4918845B2 (ja) 易解体性ホットメルト組成物
JP5636704B2 (ja) ホットメルト接着剤組成物及びシール材
JP7268878B2 (ja) ホットメルト組成物およびシール材
JPH0246063B2 (ja)
JP4412953B2 (ja) ホットメルト組成物
JP7169007B2 (ja) ホットメルト組成物およびシール材
JP4622011B2 (ja) カーペットへのポリオレフィン系樹脂製パッドの接着方法
JPH09208928A (ja) シーリング剤組成物
JP2007099795A (ja) ホットメルト組成物
JP7395089B2 (ja) ホットメルト組成物
JP6304405B2 (ja) 接着剤組成物
US6809142B1 (en) Pressure sensitive sealant composition and method of sealing by using same
JP7289502B2 (ja) ホットメルト組成物およびシール材
JP2020070344A (ja) ホットメルト組成物、シーリング材およびシリンジ
WO2022138099A1 (ja) ホットメルト組成物
JP2000119637A (ja) 粘着性シーリング材組成物及び該シーリング材組成物を用いたシール方法
WO2024023646A1 (en) Stabilized hot melt pressure-sensitive adhesives
JP2004010637A (ja) 分別型シーラント
JPH07169307A (ja) 車両用ランプのシール材
JP2000073045A (ja) 防水シート用シール材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4918845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250