JP4918682B2 - 超音波モータの制御方法、超音波モータ制御装置及び超音波モータを制御するためのプログラム - Google Patents

超音波モータの制御方法、超音波モータ制御装置及び超音波モータを制御するためのプログラム Download PDF

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Description

本発明は超音波モータの制御方法、超音波モータ制御装置及び超音波モータを制御するためのプログラムに関する。
超音波モータは、ロボット、精密工作機械、自動車電装品、カメラオートフォーカス用レンズ駆動、コンピュータ関連機器等の幅広い分野に利用されている。超音波モータには、定在波型と進行波型があり、ここでは進行波型について説明する。
図1は進行波型の超音波モータの動作原理を示す。超音波モータは圧電振動子、弾性体、動体の3要素から構成される。圧電振動子から発生する超音波振動で弾性体を励振すると、弾性体は固有の振動数で振動し、その振動波が弾性体中で連続的に進行する。このとき弾性体表面上の質点は楕円運動となり、丁度、波が物体を運ぶように動体は推力を受け移動する。このような方式で圧電振動子と弾性体を張り合わせ、リング状に構成すれば回転型超音波モータ、直線状にすればリニア型超音波モータとなる。
次に、超音波モータの詳細について図2で説明する。図2に示す超音波モータ1は主としてスライダ2と、下面に超音波振動を発生させる圧電振動子3が接着されたステータ(弾性振動体)4とから構成される市販の超音波モータであり、上面に櫛歯のような溝が形成されたステータ4の上にスライダ2を重ねた構造となっている。
よって、ステータ4下面の圧電振動子3に特定の高周波電圧を加えて圧電振動子3を励振させると、この励振が圧電振動子3に接着されているステータ4にも伝わり、弾性振動体であるステータ4上に一方向に進む進行波が作り出される。スライダ2をステータ4に一定の圧力で圧接すると、これによってスライダ2とステータ4との間に摩擦力が発生し、スライダ2はこの摩擦力によりステータ4の進行波の進行方向と逆のへ方向に移動する。即ち、超音波モータ1が駆動される。そして、シャフト5を介してこの超音波モータ1の駆動力が負荷の回転力へと変換される。符号6、7はシャフト5のベアリング及びケースである。
超音波モータは、(1)摩擦駆動のため保持トルクが大きい、(2)外部磁界の影響を受けない、(3)応答性が優れている、(4)小型軽量である、という長所があり、上記のような用途が多岐にわたる。反面、(1)摩擦駆動のため強い非線形性を持つ、(2)駆動条件(温度上昇等)により動特性が大きく変化する、(3)複雑な駆動回路が必要である、という短所もある。
そこで、上記短所を小さくするために、従来は、図15に示すようなPID制御の制御構成をとっている。即ち、超音波モータをUSM、目標入力をr(k)、制御入力をu(k)、出力偏差をe(k)、出力をy(k)とすると、次式のPIDコントローラが実現される。ここで、Kpは比例ゲイン、KIは積分ゲイン、KDは微分ゲインであり、固定された値である。
Figure 0004918682
従来のPID制御回路による補正制御としては、特許文献1に開示されるようなものがある。
特開2003−256005号公報 特許文献1には、PID制御を補償するための一手段として、ニューラルネットワークを用いた制御あるいは遺伝的アルゴリズム(GA)によってPID制御回路のパラメータを直接制御することが開示されている。このPID制御は、制御対象が温度、圧力、流量、速度あるいは液位などの物理状態を制御する制御装置として、制御対象の出力および目標値に基づいて、制御対象を制御するPID制御回路と、このPID制御回路のPIDゲインを調整するニューラルネットワークとを備えており、ニューラルネットワークは、遺伝的アルゴリズムによって予め決定された結合係数およびシグモイト関数のパラメータで構成され、設計パラメータの調整を容易にするとともに局所解に陥るのを抑制するものである。
従来のPID制御回路による超音波モータの制御では、超音波モータの非線形性、摩擦による駆動のため温度変化によるモータの動特性の変動を補償できず、PID制御では高精度な制御ができなかった。また、特許文献1に示されるようなPID制御は特に超音波モータを制御対象とするものではないが、このPID制御を超音波モータの制御に用いたとしても、遺伝的アルゴリズムにより予め決定された結合係数およびシグモイト関数のパラメータを有するニューラルネットワークの出力によりPID制御回路のゲインを直接調整する制御となり、制御系としても複雑なものであって、簡単な制御系により超音波モータの摩擦熱による動特性の変動を補償する上で効果的ではない。
また、制御系を簡素化する上で、通常の超音波モータとPID制御回路とが一体化された超音波モータユニットの形の製品を用いた簡単な構成により超音波モータの制御を行うことが求められていた。
本発明は、上記課題を解決すべくなしたものであり、本発明による超音波モータの制御方法は、超音波モータの出力を目標値に基づいて制御する超音波モータの制御方法であって、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行することと、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定することと、前記決定された結合係数及び設計パラメータに基づくニューラルネットワークの出力をPID制御手段の出力に加算点において付加して超音波モータを制御することと、からなるものである
また、超音波モータの出力を目標値に基づいて制御する超音波モータの制御方法であって、可変仮想モデルを得るための制御系を用いて超音波モータの制御系における入力信号と出力信号により同定手法を用いて超音波モータの動特性の変化を反映した伝達関数を求め、求められた前記伝達関数を有する内部モデル制御回路により超音波モータへの制御信号を生成する可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段を構成することと、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行し、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定することと、前記可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段の出力と前記ニューラルネットワークの出力とをともにPID制御手段の出力に加算点において付加することにより超音波モータを制御することと、からなるものとしてもよい。
本発明による超音波モータ制御装置は、超音波モータに制御信号を与えて超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するための制御信号付加手段を有する超音波モータ制御装置であって、前記制御信号付加手段は、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行するための遺伝的アルゴリズム回路と、該遺伝的アルゴリズム回路により決定された結合係数及び設計パラメータに基づいて学習過程を行い前記PID制御部の出力に対し加算点において付加出力を生ずるニューラルネットワークと、からなるようにしたものである
また、超音波モータに制御信号を与えて超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するための制御信号付加手段を有する超音波モータ制御装置であって、前記制御信号付加手段は、可変仮想モデルを得るための制御系を用いて超音波モータの制御系における入力信号と出力信号により同定手法を用いて求められた超音波モータの動特性の変化を反映した伝達関数を有する可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御回路と、 それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行するための遺伝的アルゴリズム回路での遺伝的アルゴリズムにより決定された結合係数及び設計パラメータに基づいて学習過程を行い前記PID制御回路の出力に対し加算点において付加出力を生ずるニューラルネットワークと、からなるものとしてもよい。
本発明による超音波モータを制御するためのプログラムは、超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するようにした超音波モータを制御するためのプログラムであって、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行し、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定し、前記決定された結合係数及び設計パラメータに基づくニューラルネットワークの出力をPID制御手段の出力に加算点において付加して超音波モータを制御するようにしたものである
また、超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するように超音波モータを制御するためのプログラムであって、可変仮想モデルを得るための制御系を用いて超音波モータの制御系における入力信号と出力信号により同定手法を用いて超音波モータの動特性の変化を反映した伝達関数を求め、求められた前記伝達関数を有する内部モデル制御回路により超音波モータへの制御信号を生成する可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段を構成し、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行し、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定し、前記可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段の出力と前記ニューラルネットワークの出力とをともにPID制御手段の出力に加算点において付加することにより超音波モータを制御ようにしたものとしてもよい。
超音波モータとPID制御回路とが一体された超音波モータユニットに遺伝的アルゴリズム(GA)を学習に適用したニューラルネットワーク(NN)の出力をPID制御における加算点に付加することにより、NNによりPIDのゲインを調整する制御手法に比して、超音波モータの摩擦熱による動特性の変化を補償し、超音波モータの非直線性を補償する上で格段の改善がなされ、出力応答、適応度及び位置決め精度において従来法に比して改善を達成することができる。また、PID制御手段と超音波モータとが一体化されたPID超音波ユニットを用いて簡単な制御系の構成とすることができる。さらに、仮想モデル型IMC−PID制御回路を用いるものでは、負荷変動や外乱による急激で大きな特性変動を補償する制御を行う上でより効果的である。
本発明の超音波モータの制御系は、モータの摩擦熱による動特性の変化を補償する制御を行うために、以下に説明するように、図3〜図5し示すような構成となっている。
図3は、超音波モータ(USM)の入力信号u(k)、出力信号y(k)により伝達関数のパラメータを推定するために、周知の同定手法を適用し、可変仮想モデルを得るための制御系を示している。この可変仮想モデルの伝達関数G(z‐1)は式(2)のようになる。これにより、超音波モータの摩擦熱による動特性の変化を反映した伝達関数が得られる。
Figure 0004918682
次に、この可変仮想モデルの伝達関数G(z‐1)を用いた内部モデル制御回路(IMC)の構成の制御系は図4に示すようになる。ここで可変仮想モデルの伝達関数G(z‐1)は式(3)で示され、制御回路の伝達関数GIMC(z‐1)は式(4)で示される。
Figure 0004918682
Figure 0004918682
この可変仮想モデルの伝達関数G(z‐1)を用いた内部モデル制御回路(IMC)をPID制御に適用したIMC‐PID制御回路は図5に示すようになる。ここでIMC‐PIDの伝達関数GC(z‐1)は式(5)となり、GC(z‐1)をGPID(z‐1)と置くことにより、式(6)のPIDゲインを得ることができる。
Figure 0004918682
Figure 0004918682
従って、最終の仮想モデル型IMC‐PID制御回路は、図6に示すものになる。そして、仮想モデル型IMC‐PID制御回路の可変PIDゲインは、それぞれ式(7)のようになる。
Figure 0004918682
このように、仮想モデル型IMC‐PID制御回路により超音波モータの制御を行うことにより、超音波モータの摩擦熱による動特性の変化を補償することができる。
ただし、超音波モータは極めて非線形性が強いので、これを補償するために、本発明では、また、図7に示すように、この超音波モータユニットに対し、遺伝的アルゴリズム(GA)を学習に適用したニューラルネットワーク(NN)の出力をPID制御における加算点に付加する構成による制御を行う。
図7において、超音波モータ(USM)1と仮想モデル型IMC‐PID制御器11とにより構成されたPID超音波モータユニット10に対し、ニューラルネットワーク(NN)12の出力をPID制御器11からの出力に加算点15において付加する。ニューラルネットワーク(NN)12は、遺伝的アルゴリズム(GA)回路13による遺伝的アルゴリズムを適用する。14は目標値と出力の偏差を求める信号加算点である。
このように、遺伝的アルゴリズム回路13による遺伝的アルゴリズムを適用してニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定したニューラルネットワーク(NN)12の出力を、加算点15において付加する。この制御系における各部の入出力信号は式(8)のようになる。
Figure 0004918682
ニューラルネットワーク(NN)の構成は、図8に示す階層構造タイプでは、入力層、中間層、出力層から構成され、入力層の入力、r(k)、y(k)、y(k−1)、u(k−1)に対して、中間層入出力は式(9)となり、出力層入出力は式(10)のようになる。
Figure 0004918682
Figure 0004918682
式(9),(10)における結合荷重wji (1)(k),w (2)(k)を更新する手順において、ニューラルネットワークでの学習過程において、自然界の適応進化メカニズムをモデル化した最適化手法である遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて確率的探索を行い、ニューラルネットワーク(NN)の学習過程での重みを最適化させるのがよい。
遺伝的アルゴリズム(GA)の手順は、図9に示すステップに従って処理される。すなわち、図10に示すように、定常応答における1周期を1個体とし、10個体を1世代とする初期個体集団とし、各個体の適応度を式(11)により算出し、適応度によってランク付けして、個体の評価を行なう。
Figure 0004918682
次に、ランク付けされた個体集団から適応度の高い個体ほど多くの子孫を残す機会をもたせるために、交配する染色体を選択する。選択交配は、図11に示すように、(1)適応度によって各個体にランク付けし、予め決められた確率で交叉する個体を選択するランキング選択と、(2)集団の中で適応度の最も高い個体をそのまま次世代に残すエリート保存選択があり、これらの選択を併用する。
交叉は、図12に示すように、2つの染色体間で遺伝子を組み替えて、次世代の個体集団の染色体を創出する。図12では、交叉点の前後で親の染色体を入れ換え、子の染色体を創っている。また、遺伝子のある部分の値を強制的に変えて、遺伝子集団としての多様性、つまりバラツキを大きくして、より良い解をもつ個体の発生を期待する。特に、学習過程で局所最適解に陥ることを防ぐことができる。
本発明では、仮想モデル型IMC‐PID制御回路11により、また、PID制御回路の出力に遺伝的アルゴリズム回路13による遺伝的アルゴリズムをニューラルネットワーク(NN)12の学習課程に適用しニューラルネットワーク12の出力を加算点15においてPID制御回路11の出力に付加することにより、超音波モータの摩擦熱による動特性の変化を補償することができるものである。
仮想モデル型IMC‐PID制御回路による制御においては、超音波モータにおける負荷変動や外乱による急激で大きな特性変動を補償するのに有効である。
遺伝的アルゴリズムをニューラルネットワークに適用した制御においては、従来のように遺伝的アルゴリズム(GA)により予め決定された結合係数およびシグモイト関数のパラメータを有するニューラルネットワークの出力によりPID制御回路のゲインを直接調整する制御手法とは異なって、ニューラルネットワークにより制御入力を修正するという制御手法により超音波モータの特性変動をより効果的に補償した制御がなされる。
仮想モデル型IMC−PID制御回路による制御と、遺伝的アルゴリズムをニューラルネットワークに適用した制御とは、いずれか一方を独自に用いることができるものであり、また、両方の制御を併用して制御を行うようにしてもよい。両方を併用した制御形態においては、PID超音波モータユニット10を利用した制御系とすることができ、制御装置の構成を簡単にすることができる。
本発明は、前述した特徴を有する超音波モータの制御方法、超音波モータ制御として、また、そのような制御を行う超音波モータを制御するためのプログラムという形態として実現されるものである。
本発明を適用した超音波モータの特性試験の結果、出力応答、適応度はもちろん従来法に比して良好な結果が得られた。また、位置決めの精度を+45度と−45度について、30回の繰り返し試験を行なった結果を、横軸に目標と出力の差(誤差)を、縦軸に回数をグラフ分布表示すると、従来法のBP法により学習したNN併用型PID制御による位置決め精度は図13のようになり、本発明のGA法により学習したNN併用型PID制御による位置決め精度は図14のようになった。
このことから明らかなように本発明は簡単な制御系の構成により、超音波モータの摩擦熱による動特性の変化を補償し、しかも超音波モータの非線形性を補償することができ、出力応答、適応度及び位置決め精度において、従来法に比して格段の改善を達成することができた。
本発明は超音波モータを駆動源として利用するロボット、精密工作機械、自動車電装品、カメラオートフォーカス用レンズ駆動、コンピュータ関連機器等に適用され、また、他のサーボ系やプロセス制御系にも適用可能である。
超音波モータの動作原理図である。 超音波モータの具体例を示す図である。 超音波モータ(USM)の可変仮想モデルの導入図である。 内部モデル制御回路(IMC)の構成の制御系を示す図である。 内部モデル制御回路(IMC)をPID制御に適用したIMC‐PID制御系を示す図である。 最終の仮想モデル型IMC‐PID制御系を示す図である。 本発明のGAにより学習したNN併用型PID制御系を示す図である。 ニューラルネットワーク(NN)の構成図である。 遺伝的アルゴリズム(GA)の手順を示す図である。 遺伝的アルゴリズム(GA)の個体の説明図である。 遺伝的アルゴリズム(GA)の選択交配の説明図である。 遺伝的アルゴリズム(GA)の交叉の説明図である。 BP法により学習したNN併用型PID制御(従来法)による位置決め精度を示すグラフである。 GAにより学習したNN併用型PID制御(本発明)による位置決め精度を示すグラフである。 従来のPID制御系を示す図である。
符号の説明
1 超音波モータ
2 スライダ
3 圧電振動子
4 ステータ(弾性振動体)
5 シャフト
6 ベアリング
7 ケース
10 PID超音波モータユニット
11 仮想モデル型IMC‐PID制御器
12 ニューラルネットワーク(NN)
13 遺伝的アルゴリズム(GA)回路
14,15 信号加算点

Claims (6)

  1. 超音波モータの出力を目標値に基づいて制御する超音波モータの制御方法であって、
    それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行することと、
    該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定することと、
    前記決定された結合係数及び設計パラメータに基づくニューラルネットワークの出力をPID制御手段の出力に加算点において付加して超音波モータを制御することと、
    からなることを特徴とする超音波モータの制御方法。
  2. 超音波モータの出力を目標値に基づいて制御する超音波モータの制御方法であって、
    可変仮想モデルを得るための制御系を用いて超音波モータの制御系における入力信号と出力信号により同定手法を用いて超音波モータの動特性の変化を反映した伝達関数を求め、求められた前記伝達関数を有する内部モデル制御回路により超音波モータへの制御信号を生成する可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段を構成することと、
    それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行し、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定することと、
    記可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段の出力と前記ニューラルネットワークの出力とをともにPID制御手段の出力に加算点において付加することにより超音波モータを制御することと、
    からなることを特徴とする超音波モータの制御方法。
  3. 超音波モータに制御信号を与えて超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するための制御信号付加手段を有する超音波モータ制御装置であって、前記制御信号付加手段は、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行するための遺伝的アルゴリズム回路と、
    該遺伝的アルゴリズム回路により決定された結合係数及び設計パラメータに基づいて学習過程を行い前記PID制御部の出力に対し加算点において付加出力を生ずるニューラルネットワークと、
    からなることを特徴とする超音波モータ制御装置。
  4. 超音波モータに制御信号を与えて超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するための制御信号付加手段を有する超音波モータ制御装置であって、前記制御信号付加手段は、可変仮想モデルを得るための制御系を用いて超音波モータの制御系における入力信号と出力信号により同定手法を用いて求められた超音波モータの動特性の変化を反映した伝達関数を有する可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御回路と、
    それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行するための遺伝的アルゴリズム回路での遺伝的アルゴリズムにより決定された結合係数及び設計パラメータに基づいて学習過程を行い前記PID制御回路の出力に対し加算点において付加出力を生ずるニューラルネットワークと、
    からなることを特徴とする超音波モータ制御装置
  5. 超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するようにした超音波モータを制御するためのプログラムであって、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行し、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定し、前記決定された結合係数及び設計パラメータに基づくニューラルネットワークの出力をPID制御手段の出力に加算点において付加して超音波モータを制御するようにしたことを特徴とする超音波モータを制御するためのプログラム。
  6. 超音波モータの出力を目標値に基づいて制御するように超音波モータを制御するためのプログラムであって、可変仮想モデルを得るための制御系を用いて超音波モータの制御系における入力信号と出力信号により同定手法を用いて超音波モータの動特性の変化を反映した伝達関数を求め、求められた前記伝達関数を有する内部モデル制御回路により超音波モータへの制御信号を生成する可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段を構成し、それぞれ定常応答における1周期を個体とした複数の個体からなる初期個体集団を設定し、予め設定された評価関数に基づいて各個体に対する適応度を算出することにより各個体をランク付けし、適応度がより高くなるように新たな個体を生成する過程を反復して適応度が最も高くなる複数の個体を得る遺伝的アルゴリズムを実行し、該遺伝的アルゴリズムの実行により得られた個体集団によりニューラルネットワークの結合係数及び設計パラメータを決定し、前記可変仮想モデル化した内部モデル制御系を取り込んだPID制御手段の出力と前記ニューラルネットワークの出力とをともにPID制御手段の出力に加算点において付加することにより超音波モータを制御ようにしたことを特徴とする超音波モータを制御するためのプログラム。
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