JP4916930B2 - 近赤外線遮蔽粘着フィルム及びpdp用光学フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、PDP(プラズマディスプレイパネル)に使用される近赤外線遮蔽粘着フィルムに関するものである。さらに詳細には、各種のディスプレイ用光学フィルター(以下、単に「光学フィルター」という揚合がある。)用機能性フィルムの貼り合わせにおいて、基材フィルムを減らして光学フィルター全体の厚みを薄くし、重量が軽減できるとともに、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層にクラックが発生することを防止できる近赤外線遮蔽粘着フィルムに関する。
近年、PDP(プラズマディスプレイパネル)などのディスプレイにおいては、ディスプレイ前面から発生する電磁波が人体に悪影響を与えたり、周囲の電子機器を誤動作させることが問題とされるようになり、ディスプレイの画像の鮮明さと共に、ディスプレイが周囲へ与える影響への対策が益々重要視されつつある。
特に、大型の薄型ディスプレイとして需要の増大しているPDPにおいては、電磁波シールドフィルム以外に、近赤外線の波長領域を使用している各種のリモコンスイッチの誤作動を防ぐための近赤外線吸収フィルム、その近赤外線吸収フィルムに使用されている近赤外線吸収剤の経時劣化を防ぐための紫外線吸収フィルム、さらには可視光領域の色調調整のためのネオン光カットフィルム、光学フィルターの表面に外光が映り込むのを防ぐための反射防止フィルム等が、必要とされる機能に応じて組み合わせて構成されている。
これらのフィルムをディスプレイ用光学フィルターとして用いることにより画像の映り具合の改善を図ると共に、周囲へ与える影響を低減する対策が採られている。
ディスプレイから発生する電磁波が外部に漏洩して人体に与える悪影響を防ぐという要求に対しては、従来から、種々の透明導電性フィルムおよび電磁波シールドフィルムが開発されている。公知の電磁波シールド材は、大きく分けると、透明導電膜による電磁波シールド材と、導電性の金属メッシュによる電磁波シールド材の2つに区分される。このうち、透明導電膜による電磁波シールド材は、金属メッシュによる電磁波シールド材に比べて透明性に優れる反面、表面抵抗率が大きく、電磁波シールド性能に劣る。このため、PDP等の強い電磁波を発生させる機器からの電磁波をシールドする用途では、金属メッシュによる電磁波シールド材が好ましい。
さらに、導電性の金属メッシュによる電磁波シールド材の作製方法としては、(1)透明基材に金属箔を貼り合わせ、または透明基材に金属の薄膜を蒸着した後、フォトリソグラフ法により導電性金属パターンを形成するエッチング法(例えば、特許文献1参照)や、(2)細線パターンを写真製法により生成された現像銀で形成した後、この現像銀の薄膜の上にメッキすることにより導電性金属パターンを形成する写真銀−メッキ法(例えば、特許文献2参照)などが挙げられる。
一方、近赤外線吸収フィルムとしては、透明基材の片面にジチオールニッケル化合物および/またはジインモニウム化合物からなる近赤外線吸収組成物からなる近赤外線吸収層が形成された近赤外線吸収フィルターが開示されている(特許文献3参照)。
また、それぞれ波長800〜1100nmの間の近赤外領域に吸収を示す少なくとも2層の近赤外線吸収層を有し、基材を含めて少なくとも3層から構成された近赤外線吸収フィルムが開示されている(特許文献4参照)。
さらには、近赤外線吸収色素をバインダー樹脂に分散した組成物を基材上に積層して形成された近赤外線吸収フィルターが開示されている(特許文献5参照)。
また、近赤外線吸収性能が劣化するのを防止し、フィルムの外観(ハガレ、クラク、発泡、白濁)変化が少ない近赤外線吸収樹脂組成物が開示されている(特許文献6参照)。
さらに、熱劣化の程度やクラックの発生の程度が極めて少なく、経時的に安定な近赤外線吸収性組成物が開示されている(特許文献7参照)。
特開平10−075087号公報 国際公開第2004/007810号 特開2005−054031号公報 特開2002−156521号公報 特開2000−227515号公報 特開2004−182793号公報 特開2002−214427号公報
従来技術においては、PDP(プラズマディスプレイパネル)の画面の大型化による重量の増大を避けることができる軽量化を図った光学フィルターが求められている。また、光学フィルターを構成する透明基材を減らすと共に、耐光性試験や耐熱試験に対して経時的に安定した製品とすることが課題となっている。
特許文献3〜5に記載の光学フィルターに組み込まれる近赤外線吸収フィルムは、いずれも、透明基材の片面に近赤外線吸収色素を含有する近赤外線吸収層を積層したものである。しかし、直接、透明基材の片面に近赤外線吸収層を積層しているため、光学フィルターを構成する場合に構成上の制約が多く、より軽量化する場合に限界があった。
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムは透明基材の制約がなく、構成上の自由度が向上し、より軽量化を図ることが出来る。
特許文献6、7に記載の近赤外線吸収組成物は、いずれも、近赤外線吸収組成物の樹脂層を、PETフィルム基材の上に積層したものであり、近赤外線吸収組成物の樹脂層の両面が粘着剤層になっていない。このため、特許文献6、7に記載の近赤外線吸収組成物であっても、本発明のように近赤外線吸収組成物の樹脂層の両面が粘着剤層となっている構成においては、耐光性試験や耐熱試験によって近赤外線吸収組成物の樹脂層に隣接する粘着層が伸縮したときに、粘着剤層と共に近赤外線吸収組成物の樹脂層が伸縮することにより、近赤外線吸収組成物の樹脂層にクラックが発生するという問題があった。
このように、従来技術においては、光学フィルター用機能性フィルムの貼合わせにおいて、透明基材フィルムを減らして光学フィルター全体の厚みを薄くし、重量が軽減できると共に、近赤外線吸収組成物の熱的な経時安定性を図った近赤外線遮蔽粘着フィルムは提供されていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、透明基材フィルムを減らして光学フィルター全体の厚みを薄くし、重量が軽減できると共に、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層にクラックが発生することを防止できる近赤外線遮蔽粘着フィルムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の両面に、粘着剤層と剥離フィルムとを順に積層してなり、前記透明樹脂層は、
(1)重量平均分子量が10,000〜3,000,000であって、Tgが60〜105℃であり水素結合性官能基を有しないアクリル系バインダー樹脂と、
(2)重量平均分子量が1,000〜10,000であって、Tgがマイナス80〜マイナス30℃であり水素結合性官能基を有しないアクリル系(共)重合体であるオリゴマーとからなり、
(3)前記アクリル系バインダー樹脂組成部100重量部に対して、前記アクリル系オリゴマーが5〜50重量部含まれることを特徴とする近赤外線遮蔽粘着フィルムを提供する。
前記近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能の極大値を有する長波長用の吸収色素と短波長用の吸収色素との2種類からなることが好ましい。
前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、スクワリリウム系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることが好ましい。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂フィルム層の機能としては、波長領域850〜1100nmの近赤外線透過率を15%以下、好ましくは10%以下に低下させるものであることが望ましい。
また、本発明は、前記の近赤外線遮蔽粘着フィルムから両面の剥離フィルムを剥がして、反射防止フィルムもしくは防眩フィルム、電磁波シールドフィルム、紫外線吸収フィルム、およびネオン光カットフィルムから選択される1種または2種以上の機能性フィルムに貼合してなるPDP用光学フィルターを提供する。
前記剥離フィルムには剥離剤が塗布されていることが好ましい。
本発明は、透明基材フィルムを減らして光学フィルター全体の厚みを薄くし、重量が軽減できると共に、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層にクラックが発生することを防止できる近赤外線遮蔽粘着フィルムを提供できる。
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムを用いることにより、従来技術での透明基材の片面に近赤外線吸収色素を含有する近赤外線吸収層を直接に積層した近赤外線吸収フィルムを光学フィルターの構成層中に貼り合わせる場合に比べて、近赤外線吸収フィルターを製造するために用いる透明基材のフィルム1枚を省くことができるので、光学フィルター全体の厚みを薄くし、重量が軽減できると。
また、近赤外線吸収層の透明基材の柔軟性が増加しているので、耐光性試験や耐熱試験によって近赤外線吸収組成物の樹脂層に隣接する粘着層が伸縮したときに、粘着剤層と共に近赤外線吸収組成物の樹脂層が伸縮しても、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層にクラックが発生することを防止できる
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムは、製造工程から光学フィルターとして各種の機能性フィルムに貼合して使用されるまでの保管期間中において、最外表面を覆っている剥離フィルムが保護フィルムとして機能し、内部の近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の損傷を保護する効果を有する。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムの構成を示す模式的断面図である。
図2は、図1の近赤外線遮蔽粘着フィルムの両面の剥離フィルムを剥がして、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルムなどの機能性フィルムに貼合してなるPDP用光学フィルターの一例を示す模式的断面図である。
図3は、同じく図1の近赤外線遮蔽粘着フィルムの両面の剥離フィルムを剥がして使用したPDP用光学フィルターの別の例を示す模式的断面図である。
図4は、従来技術における近赤外線吸収フィルムの構成を示す模式的断面図である。
図1は、本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルム1の構成例を示すもので、近赤外線吸収色素4aが分散された透明樹脂層4の両面に、粘着剤層3,5と剥離フィルム2,7とを順に積層してなるものである。
(剥離フィルム)
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムにおいて、剥離フィルムは不透明なものでもよいが、剥離フィルムを剥がさないままの状態で近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の性能測定試験を実施するためには、透明樹脂からなる剥離フィルムを用いることが好ましい。
剥離フィルム2,7を構成する透明材料としては、可視領域で透明であり、またフレキシブル性を有し、好ましくは耐熱性の良好な樹脂からなるプラスチックフィルムである。
そのようなプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等からなる厚みが10〜600μmの単層または複合フィルムが挙げられる。
剥離フィルム2,7として、さらに好ましいものは、上記透明プラスチックフィルムの片面に剥離剤を塗布したものである。剥離剤としては特に制限はなく、例えばパラフィンワックス、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、メラミン系、尿素系、尿素−メラミン系、セルロース系、ベンゾグアナミン系などの樹脂および界面活性剤を単独またはこれらの混合物を主成分とした有機溶剤もしくは水に溶解させた塗料をグラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法で前記透明プラスチックフィルムに塗布、乾燥させて形成したものが挙げられる。
(粘着剤層)
粘着剤層3,5を構成する粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等いずれのものでもよいが、中でもアクリル系粘着剤が特に好ましい。これにより、透明性に優れ、粘着剤層3,5の耐候性を良好に維持することができる。
このような粘着剤成分の1つとして挙げられるアクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低Tgの主モノマー、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー(モノエチレン性不飽和モノマー)等から成るものが用いられる。
主モノマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらのものを1種または2種以上を混合して用いることができる。
コモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基含有化合物が挙げられる。
官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有モノマー、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド等のN−置換アミド基含有モノマー、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマーが挙げられる。
このような材料を用いることにより、粘着性や凝集性、耐久性に優れ、また、モノマーの種類や組合せの選択により用途に応じた任意の品質、特性を得ることができる。
粘着剤成分の重量平均分子量は、30万〜300万が好ましく、50万〜200万がより好ましい。粘着剤成分の分子量が小さ過ぎると、粘着剤の粘着力や凝集力が劣り、耐ブリスター性が十分に得られず、分子量が大き過ぎると粘着剤が硬くなり、粘着性が不十分となって貼着の作業性が悪くなる。
また、粘着剤成分のガラス転移点(Tg)は、−20℃以下であるのが好ましい。ガラス転移点が−20℃を超える場合、使用温度によっては粘着剤が硬くなり、粘着性を維持できなくなることがある。
以上のような粘着剤は、架橋型、非架橋型のいずれのものも使用できる。架橋型の場合、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等の各種架橋剤を用いる方法等が挙げられ、これらは、それぞれの有する官能基により適宜選択される。
粘着剤層5に含まれる硬化性成分は、特に限定されないがエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性を有するもの、または後述する放射線硬化性を有するもの等が挙げられるが、特に放射線硬化性を有するものが好ましい。これにより、硬化性成分を常温や低温下で、かつ非常に短時間で硬化を進行させることができ取扱性に優れる。
ここでいう、放射線硬化性とは、例えば、紫外線、レーザー光線、α線、β線、γ線、X線、電子線の照射により分子鎖の成長や架橋反応が誘起され、硬化性成分が硬化する性質のことを意味する。
このような放射線硬化性成分としては、特に限定されないが、例えばアクリル系モノマーまたはオリゴマーを有するものが好ましい。これにより耐候性の優れた粘着剤層を形成することができる。
このような放射線硬化性のアクリル系モノマーまたは/およびオリゴマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、上記アクリル系モノマーまたはオリゴマーは、アクリロイル基を有する反応性モノマーまたはオリゴマーを含むものが好ましく、アクリロイル基を2以上有するものがより好ましい。アクリロイル基を2以上含むことにより、網目構造の形成が十分に行われ、粘着剤の凝集性がさらに向上し、良好な粘着剤層が得られる。
上記放射線硬化性成分等の硬化性成分の含有量は、前記粘着剤成分100重量部に対し、0.05〜50重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましい。硬化性成分の量が少な過ぎると粘着剤の凝集力との関係で、発生したガスによる発泡や膨れの抑制効果が十分に得られない場合がある。一方、硬化性成分の量が多すぎると、粘着剤層5が硬くなり過ぎて粘着力が低下するおそれが生じる。
硬化性成分は粘着剤成分とブレンドする場合、粘着剤成分との相溶性が良いものが好ましい。その他、硬化性成分を粘着剤成分の主ポリマーとの共重合体として用いることも可能である。
放射線硬化性成分を紫外線照射等により硬化させる場合、粘着剤層3,5は光透過性を有するものが好ましく、例えば、実質的に透明または半透明(無色または有色)であるものがよく、これにより、粘着剤層3,5の硬化を容易に行うことができる。
また、放射線硬化性成分を紫外線照射等により硬化させる場合、重合開始剤を添加してもよく、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、o−ベンゾイル安息香酸メチル−p−ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ジメチルベンジルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−クロルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンジル、ジベンゾスベロン、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
このような重合開始剤の添加量は、上記放射線硬化性成分100重量部に対し、0.5〜30重量部程度とするのが好ましく、1〜20重量部程度とするのがより好ましい。
一方、上記放射線硬化性成分を電子線照射により硬化させる場合には、前記重合開始剤の添加は不要であるが、この場合、酸素の存在により硬化反応が著しく阻害されるため、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行う必要がある。あるいは、剥離フィルム2,7を貼着した状態で行うのが好ましい
また、上記重合開始剤ともに、重合促進剤を用いることもでき、このような重合促進剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルエタノールアミン、グリシン等が挙げられる。
なお、以上のような重合開始剤および重合促進剤は、保存時の安定性を向上するために、マイクロカプセル化して添加することもできる。
さらに、必要に応じて他の添加剤として、例えば、粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、老化防止剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を添加することができる。
粘着付与剤としては、例えば、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、液状ポリエーテル、グリコールエステル、液状ポリテルペン、液状ポリアクリレート、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル等が挙げられる。
以上のような粘着剤成分および硬化性成分を主成分とする粘着剤層3,5の形成方法としては、例えば、ダイまたはコンマコーター等による塗工が挙げられる。塗布の方法としては、例えば、フローコーター、ナイフコータ、ロールコーター、ディッピング等が挙げられる。
粘着剤層3,5の厚み(乾燥膜厚み)は、特に限定されないが、5〜100μm程度、特に10〜60μm程度とするのが好ましい。
(近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層)
近赤外線吸収色素4aが分散された透明樹脂層4の機能としては、波長領域850〜1100nmの近赤外線透過率を15%以下、好ましくは10%以下に低下させるものであることが望ましい。
近赤外線吸収色素の具体例としては、インモニウム塩系化合物、ジインモニウム塩系化合物、アミニウム塩系化合物、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、アミノチオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリールメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化インジウムをドープした酸化錫、周期表の4族、5族または6族に属する金属の酸化物若しくは炭化物若しくはホウ化物等が挙げられる。
本発明の近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能の極大値を有する長波長用の近赤外線吸収色素と短波長用の近赤外線吸収色素との2種類以上の色素からなることが好ましい。
前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、スクワリリウム系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることが好ましい。
近赤外線吸収色素4aが分散された透明樹脂層4は、透明樹脂からなるバインダーに近赤外線吸収色素を分散して形成することができる。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層は、水素結合性官能基を有しないアクリル系バインダー樹脂および水素結合性官能基を有しないアクリル系オリゴマーを必須とし、必要によりその他の化合物やポリマー、有機溶剤等を含有することにより構成されることになる。ここで水素結合性官能基とは、水素結合を生成できる官能基をいい、その具体例としては、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)、−カルボキシ基(−COOH)などが挙げられる。
上記バインダー樹脂は重量平均分子量が10,000〜3,000,000であって、ガラス転移温度(Tg)が60〜105℃であるアクリル系バインダー樹脂であることが好ましい。重量平均分子量が10,000より小さいとバインダー樹脂の機械的強度得られず、バインダー樹脂自身でクラックの発生がしやすくなり、アクリル系オリゴマーを添加してもバインダー樹脂自身に十分な機械強度がないためにクラック防止効果が得られなくなる。重量平均分子量が3,000,000より大きいと溶剤に対して難溶になり、取り扱いが困難になる。
また、バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が60〜105℃の範囲内にあることにより、バインダー樹脂自体の耐候性が向上することになり、近赤外線吸収性塗膜の近赤外線吸収性能が持続すると共に、近赤外線吸収性塗膜自体の耐候性や物性がより向上することとなる。
上記バインダー樹脂としては、炭素数4〜25の炭化水素基を有するモノマーを必須としてなるポリマーからなる。これにより、近赤外線吸収性色素の耐久性が向上することに加えて、高分子量ポリマーから構成されるバインダー樹脂自体の耐久性も優れたものとなるため、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の耐候性をより向上させることができる。
本発明における炭素数4〜25の炭化水素基を有するモノマーとしては、例えば、下記一般式
Figure 0004916930
(式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Zは、炭素数4〜25の炭化水素基を表す。)で表されるモノマーが好適である。一般式(1)で表されるモノマーは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(1)中、Zで表される炭素数4〜25の炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロドデシル基等の脂環式炭化水素基;ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;ボルニル基、イソボルニル基等の多環式炭化水素基等が挙げられる。
上記モノマー成分に用いることができるその他の共重合可能な不飽和モノマーとしては、上述したもの以外に、例えば、塩化ビニル等のハロゲン原子を有する不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族不飽和モノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記その他の共重合可能な不飽和モノマーとしては、特にフッ素原子を有するモノマーの使用が好適である。例えば、フッ素原子を有するモノマーとしては、ポリフルオロアルキル基又はポリフルオロエーテル基を有するラジカル重合性モノマーが挙げられ、パーフルオロアルキル基としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロへキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロテトラデシル基が好適である。このようなモノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、近赤外線吸収性樹脂組成物から形成される近赤外線吸収性塗膜の耐候性向上のために、炭素数4〜25の炭化水素基を有するモノマーに共重合させる不飽和モノマーとして、重合性紫外線吸収性モノマー、重合性紫外線安定性モノマー、重合性酸化防止モノマーを使用することができる。特に本発明の樹脂組成物から形成される近赤外線吸収性塗膜に更に紫外線遮断能が必要な場合やバインダー樹脂の耐候性を向上させる場合は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の紫外線吸収性基を有する不飽和モノマーを使用すればよい。具体的には「RUVA 93」(商品名、大塚化学社製)、「BP−1A」(商品名、大阪有機化学社製)等が挙げられ、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。またバインダー樹脂の耐候性を更に向上させる場合には、紫外線安定性基を有する不飽和モノマーとして「アデカスタブLA−82」、「アデカスタブLA−87」(いずれも商品名、旭電化工業社製)、酸化防止能を有する不飽和モノマーとして「スミライザーGS」、「スミライザーGM」(いずれも商品名、住友化学工業社製)等が挙げられ、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
上記モノマー成分を重合する方法としては、例えば、重合開始剤を用いて、溶液重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合等の従来公知の重合方法により行うことができる。溶液重合を行う場合の溶媒としては特に限定されず、例えば、上述したような有機溶剤を1種又は2種以上用いることができる。溶媒の使用量としては、重合条件等により適宜設定すればよい。
上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、2,2′−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。使用量としては、所望する重合体の特性値等から適宜設定すればよいが、例えば、全モノマー成分を100質量%とすると、0.01〜50質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.05〜20質量%である。
上記重合方法における重合条件としては、重合方法により適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、重合温度としては、室温〜200℃とすることが好ましい。より好ましくは、40〜140℃である。反応時間としては、モノマー成分の組成や重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。
上記アクリル系オリゴマーは重量平均分子量が1,000〜10,000であって、ガラス転移温度(Tg)がマイナス80〜0℃、好ましくはマイナス80〜マイナス30℃
であるアクリル系(共)重合体である。アクリル系オリゴマーとしては、柔軟性を与える低Tgの主モノマー、相溶性、凝集力を与える高Tgのコモノマー等から成るものが用いられる。
主モノマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらのものを1種または2種以上を混合して用いることができる。
コモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基含有化合物が挙げられる。
上記モノマー成分を重合する方法としては、例えば、重合開始剤を用いて、溶液重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合等の従来公知の重合方法により行うことができる。溶液重合を行う場合の溶媒としては特に限定されず、例えば、上述したような有機溶剤を1 種又は2種以上用いることができる。溶媒の使用量としては、重合条件等により適宜設定すればよい。
上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。目的のポリマーが得られる重合法であれば、開始剤を使用しなくても良い。使用量としては、所望するポリマーの特性値等から適宜設定すればよいが、例えば、全モノマー成分を100質量%とすると、0.0〜50質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.0〜20質量%である。
上記重合方法における重合条件としては、重合方法により適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、重合温度としては、室温〜250℃とすることが好ましい。より好ましくは、40〜200℃である。反応時間としては、モノマー成分の組成や重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。
このような材料を用いることにより、柔軟性や相溶性、耐久性に優れ、また、モノマーの種類や組合せの選択により用途に応じた任意の品質、特性のアクリル系オリゴマーを得ることができる。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層は、前記アクリル系バインダー樹脂組成部100重量部に対して、5〜50重量部の前記アクリル系オリゴマーが含まれるのが好ましく、アクリル系オリゴマーが少なすぎるとクラック防止効果が薄くなり、多すぎると逆に機械的強度が損なわれるおそれがあり、白濁など相溶性に問題が生じるおそれがある。
また、近赤外線吸収色素はジインモウム塩系化合物やシアニン系化合物等のように塩構造を形成していることが多く、近赤外線吸収色素と透明樹脂層中の水素結合性官能基と反応し近赤外吸収性能が損なわれるために、アクリル系バインダー樹脂とアクリル系オリゴマーからなる透明樹脂層は、いずれも、水素結合性官能基が含まれないことが好ましい。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層を形成する際に、上述した以外の配合物として、例えば、溶剤や添加剤等を1種又は2種以上含んでいてもよい。このような溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド等の1種又は2種以上の有機溶剤が挙げられる。
また、添加剤としては、フィルムやコーティング膜等を形成する樹脂組成物に一般に使用される従来公知の添加剤等を用いることができ、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾル等の無機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、シランカップリング剤、粘性改質剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、潤滑剤、防錆剤、有機及び無機系紫外線吸収剤、無機系熱線吸収剤、有機・無機防炎剤、静電防止剤等が挙げられる。
色素の耐久性を向上するためにクエンチャーや酸化防止剤を配合することもできる。
このようなクエンチャーとしては、金属錯体系の材料が挙げられ、例えば、みどり化学社製の商品名「MIR101」、住友精化社製の商品名「EST5」等が挙げられる。
酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物等があり、これらを1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
光学フィルターにおいては、近赤外線吸収機能の他にネオン光吸収といった可視光領域の特定波長吸収機能、色調・透過率調整機能が求められ、本発明の近赤外吸収色素を分散した透明樹脂層中に上記の機能を兼用することも可能である。
前記可視光領域の特定波長吸収色素としては、例えば、シアニン系、スクワリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素が挙げられ、色素を1種類、または2種類以上複合して用いることができる。特定波長吸収色素の一つであるネオン光吸収色素は、波長580〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する前記の色素1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
透過率・色調調整用に可視光領域に吸収を持つ染料・顔料を1種類、又は2種類以上複合して用いることができる。そのような材料として、フタロシアニン系、アントラキノン系、キノリン系、カーボンブラック、無機顔料などといった材料を1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
近赤外線吸収色素4aが分散された透明樹脂層4を塗布する方法としては、例えば、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコート、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、ブレードコート、バーコート、リバースコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗装等の方法が挙げられる。これらの場合には、近赤外線吸収性樹脂組成物に上述した有機溶剤を適宜混合させて塗布することができる。
上記近赤外線吸収層の厚みとしては、使用用途等により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。例えば、乾燥時の厚みを1〜50μm、好ましくは、3〜20μmである。
(近赤外線遮蔽粘着フィルム)
本形態例の近赤外線遮蔽粘着フィルム1を形成する方法としては、剥離フィルム2の上に粘着剤層3を設け、その粘着剤層3の上に近赤外線吸収剤4aを分散させた透明樹脂層4を積層し、更にその透明樹脂層4の上に粘着剤層5と剥離フィルム7とを順に積層する方法が挙げられる。
本形態例の近赤外線遮蔽粘着フィルム1は、剥離フィルム2,7を剥がして除去することにより、近赤外線吸収剤4aを分散させた透明樹脂層4の両面に粘着剤層3,5が設けられた近赤外線吸収性の積層体6を得ることができる。この積層体6は、両面に粘着性を有するので、反射防止フィルムもしくは防眩フィルム、電磁波シールドフィルム、紫外線吸収フィルム、ネオン光カットフィルムなどの機能性フィルムに貼合することにより、近赤外線吸収層を有するディスプレイ用光学フィルターを製造することができる。
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムを用いて製造したディスプレイ用光学フィルター(以下単に、本発明の光学フィルターという。)は、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイの前面パネルPに直貼りで取り付けて使用することができる。
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムを用いて、光学フィルターの構成に近赤外線吸収層を設けることにより、ディスプレイが発する近赤外線を吸収することができる。
図2に示す1例の光学フィルター10は、視覚側(図2では上側)から順に、反射防止層11、紫外線吸収剤が添加された透明基材(紫外線吸収層)12、粘着剤層13、近赤外線吸収色素14aが分散された透明樹脂層(近赤外線吸収層)14、粘着剤層15、電磁波シールド材17、電磁波シールド材17を支持している透明基材18、粘着剤層19が積層されてなるものである。
なお、図2においては、透明基材12に紫外線吸収剤を添加して紫外線吸収層となし、反射防止層11を支持する透明基材12と電磁波シールド材17との間に、本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムを構成する両面の剥離フィルムを剥がして、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層14の両面に粘着剤層13、15が形成された積層体16を積層した例を示すが、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層のうち光学フィルターに採用する層の組み合わせ、順序は、特にこれに限定されるものではない。
例えば、図3に示す別の例の光学フィルター20のように、視覚側(図3では上側)から順に、反射防止層21、紫外線吸収剤が添加された透明基材(紫外線吸収層)22、粘着剤層29、電磁波シールド材27、電磁波シールド材27の支持基材28、粘着剤層23、近赤外線吸収色素24aが分散された透明樹脂層(近赤外線吸収層)24、粘着剤層25が積層されてなるものであってもよい。この光学フィルター20において、粘着剤層23、近赤外線吸収層24、粘着剤層25の3層は、本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムから両面の剥離フィルムを剥がして得られる積層体26を用いて構成することができる。
光学フィルターにおいては、透明基材に反射防止層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層などの機能層を塗布したものを積層してフィルターの層構成中に存在させることができる。しかし、反射界面を減らすことにより反射率の上昇を抑える観点からは、極力、兼用して透明基材層の数を少なくすることが好ましい。
図2及び図3では、機能性フィルムの例として、透明基材12,22の片面に反射防止層11,21を設けてなる反射防止フィルムと、透明基材18,28の片面に電磁波シールド材17,27を設けてなる電磁波シールドフィルムが用いられた例を示している。補の他、本発明の光学フィルターで用い得る機能性フィルムの別の例としては、紫外線吸収フィルム、およびネオン光カットフィルムが挙げられる。
光学フィルターの透明基材12,18,22,28を構成する透明材料としては、可視領域で透明であり、またフレキシブル性を有し、好ましくは耐熱性の良好な樹脂からなるプラスチックフィルムである。
そのようなプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等からなる厚みが10〜600μmの単層または複合フィルムが挙げられる。
光学フィルターの各粘着剤層13,15,19,23,25,29を構成する粘着剤としては、可視領域で透明であれば(すなわち、十分な透過率を有すれば)特に限定されない。この粘着剤としては、前記本発明に用いる粘着剤と同様であり、透明性、耐侯性の観点から、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
(反射防止層)
ここで、反射防止層11,21は、光学フィルター10,20の外側からの可視光線の反射を防ぐためのものであって、単層の場合は、反射防止層11,21を支持する透明基材12,22に比べて屈折率の低い物質、例えばポリシロキサン構造を有するフッ素含有有機化合物等の薄膜を形成する。また多層からなる場合は、透明基材12,22に比べて高屈折率の物質、例えば酸化チタンの蒸着薄膜と、透明基材に比べて低屈折率の物質、例えば酸化ケイ素の薄膜を交互に積層する。このような金属酸化物薄膜の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、湿式塗布法により、酸化ジルコニウム、ITO、酸化ケイ素等の薄膜を形成することができる。
(紫外線吸収層)
紫外線吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。紫外線吸収層を形成する方法としては、透明基材や粘着剤層の中に紫外線吸収剤を混入させる方法、紫外線吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。紫外線吸収層は、外部光による近赤外線吸収層の劣化を防ぐため、近赤外線吸収層よりも視覚側に設けられる。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤のいずれも使用可能であるが、50%透過率での波長が350〜420nmが好ましく、より好ましくは360〜400nmである。前記50%透過率での波長が350nmより低波長では、紫外線遮断能が弱く、420nmより高波長では着色が強くなり、好ましくない。
有機系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾエート等のヒドロキシベンゾエート系化合物等が挙げられる。無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
(ネオン光吸収層)
ネオン光吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。ネオン光吸収層は、PDPの発光するネオン光(吸収波長580〜620nm)を、ネオン光吸収剤を用いて除去することにより画像の赤色をより鮮明にするためのものである。
ネオン光吸収層を形成する方法としては、透明基材や粘着剤層の中にネオン光吸収剤を混入させる方法、ネオン光吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。前記ネオン光吸収剤としては、例えば、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素のうち、波長580〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する適当な色素が挙げられる。これらのネオン光吸収剤は、1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
必要に応じて、透過率・色調調整用に可視光領域に吸収を持つ染料・顔料を1種類、又は2種類以上複合して用いることができる。そのような材料として、フタロシアニン系、アントラキノン系、キノリン系、カーボンブラック、無機顔料などといった材料を用いることができる。
(電磁波シールド材)
本発明では、公知の方法にて製造された導電性の金属メッシュ17a,27aによる電磁波シールド材17,27や透明導電性膜による電磁波シールド材を用いることができる。プラズマディスプレイは多量の電磁波を発生させるので、金属メッシュによる電磁波シールド材が好ましい。導電性の金属メッシュによる電磁波シールド材は、透明基材に金属箔を貼り合わせ、または透明基材に金属の薄膜を蒸着した後、フォトリソグラフ法により導電性金属パターンを形成するエッチング法や、細線パターンを写真製法により生成された現像銀で形成した後、この現像銀の薄膜の上にメッキすることにより導電性金属パターンを形成する写真銀−メッキ法などを用いて製造したものを用いることができる。
(光学フィルターの製造方法)
図2および図3に示す光学フィルター10,20の製造方法は特に限定されないが、例えば、図2に示す光学フィルター10の製造方法は、以下に示す方法を用いることができる。なお、製造工程中または工程後に、粘着剤層を保護するため、任意に剥離フィルムを積層してもよい。
(1)公知の方法にて製造された透明基材18の上に形成された電磁波シールド材17を準備する。本発明では、導電性の金属メッシュによる電磁波シールド材や透明導電性膜による電磁波シールド材を用いることができる。
(2)透明基材12の片面に、反射防止層11を設けて積層体(ARフィルム)Aを作製する。
(3)近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層14の両面に、粘着剤層13,15と剥離フィルムとを順に積層してなる本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムから、一方の剥離フィルムを剥がして、粘着剤層13の側で積層体Aの反射防止層11を設けた面とは反対側の面に貼り付け、積層体Bを製造する。
(4)積層体Bから、もう一方の剥離フィルムを剥がして、粘着剤層15の側で透明基材18の上に形成された電磁波シールド材17に積層する。
(5)電磁波シールド材17の支持基材18に、さらに粘着剤層19を積層して、本形態例の光学フィルター10を得る(図2参照)。
なお、本発明では、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層4の両面に、粘着剤層3,5と剥離フィルム2,7とを順に積層してなる本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルム1を使用するので、透明基材12,22の片面に粘着剤を塗布する工程を省くことができる。
本形態例の光学フィルター10、20は、最も内側に設けられた粘着剤層19、25によってディスプレイの前面パネルP等に貼着して用いることができる。本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムを用いることにより、透明基材フィルムを減らして光学フィルター全体の厚みを薄くし、重量が軽減できると共に、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層にクラックが発生することを防止できる近赤外線遮蔽粘着フィルムを提供できる。
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムを用いてディスプレイ用光学フィルターを製造することにより、従来技術(図4参照)での透明基材101の上に近赤外線吸収層102を積層して形成された近赤外線吸収フィルター100を作製してそのまま光学フィルターの構成層中に貼り合わせる場合に比べて、近赤外線吸収フィルターを製造するために用いる透明基材フィルム1枚を省くことがでるので、可視光線の透光性を改善することができる。
また、本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムは、製造工程から光学フィルターとして各種の機能性フィルムに貼合して使用されるまでの保管期間中において、最外表面を覆っている剥離フィルム2,7が保護フィルムとして機能し、内部の近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の損傷を保護する効果を有する。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
<NIR樹脂層に用いた材料>
アクリル系バインダー樹脂として、品名:GS1000(綜研化学株式会社、固形分濃度 30%、メチルエチルケトン(MEK)溶液、水素結合性官能基:なし、平均分子量:7万、ガラス転移温度(Tg) 85℃)を用いた。
アクリル系オリゴマーとして、品名:ARUFON UP1000(東亞合成株式会社、固形分濃度 100%、水素結合性官能基:なし、平均分子量:3000、Tg −77℃)、
品名:ARUFON UP1080(東亞合成株式会社、固形分濃度 100%、水素結合性官能基:なし、平均分子量:6000、Tg −61℃)、
品名:ARUFON UP1170(東亞合成株式会社、固形分濃度 100%、水素結合性官能基:なし、平均分子量:8000、Tg −57℃)を用いた。
低分子成分として、フタル酸ジオクチル(分子量:390、沸点:386℃、昭和化学株式会社製)、フタル酸ジ−n−ブチル(分子量:278、沸点:339℃、昭和化学株式会社製)、セバシン酸ジオクチル(分子量:426、沸点:377℃、昭和化学株式会社製)、アジピン酸ジオクチル(分子量:370、沸点:210℃/5mmHg、昭和化学株式会社製)を用いた。
NIR色素として、品名:NK5060(株式会社林原生物化学研究所製、シアニン系色素、λmax 870nm)、品名:CIR−RL(日本カーリット株式会社製、ジインモニウム塩系色素、λmax 1085nm)を用いた。
<粘着剤層に用いた材料>
アクリル系粘着剤として、品名:SKダイン1811L(綜研化学株式会社、固形分濃度 23%)、
架橋剤として、品名:TD−75(綜研化学株式会社、イソシアネート系架橋剤)、
紫外線吸収剤として、品名:TINUVIN571(チバスペシャルティーケミカルズ株式会社、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)および品名:TINUVIN400(チバスペシャルティーケミカルズ株式会社、トリアジン系紫外線吸収剤)を用いた。
<実施例1>
NIR樹脂層の形成のため、下記の配合にて調製したNIR塗料を調製した。
(NIR塗料の配合)
アクリル系バインダー樹脂(GS1000) 100重量部
アクリル系オリゴマー(UP1080) 17.6重量部
NIR色素(NK5060) 0.07重量部
NIR色素(CIR−RL) 0.7重量部
メチルエチルケトン(MEK) 35重量部
また、粘着層の形成のため、下記の配合にて紫外線吸収剤入り粘着剤を調製した。
(粘着剤配合)
アクリル系粘着剤(SKダイン1811L) 100重量部
架橋剤(TD−75) 0.2重量部
紫外線吸収剤(TINUVIN571) 1.61重量部
紫外線吸収剤(TINUVIN400) 0.92重量部
酢酸エチル 15重量部
NIR塗料の固形分濃度を25%に調整したものを用いて、剥離フィルム(東洋紡績株式会社、品名:TN100、厚み50μm)を基材にアプリケーターを用いて、Wet40g/m塗布したのち、110℃、2分乾燥し、乾燥状態(Dry)で厚み10μmのNIR樹脂層を形成し、剥離フィルム上にNIR樹脂層を有する第1の積層体を得た。
また、重剥離フィルム(東洋紡績株式会社、品名:K1504、厚み50μm)を基材にアプリケーターを用いて、前記紫外線吸収剤入り粘着剤をDryで厚み20μmになるように塗布したのち、100℃で2分間乾燥を行い、重剥離フィルム上に紫外線吸収剤入り粘着剤層を有する第2の積層体を得た。
第2の積層体の乾燥後の粘着面の上方から、前記NIR樹脂層を下向きとして第1の積層体を貼合し、NIR樹脂面側の剥離フィルムを剥がして除去した。これにより、重剥離フィルム上に紫外線吸収剤入り粘着剤層が形成され、その上にNIR樹脂層が積層されてなる第3の積層体を得た。
軽剥離フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社、品名:MRF、厚み38μm)を基材にアプリケーターを用いて、前記紫外線吸収剤入り粘着剤をDryで厚み20μmになるように塗布したのち、100℃で2分間乾燥を行い、軽剥離フィルム上に紫外線吸収剤入り粘着剤層を有する第4の積層体を得た。
第4の積層体の乾燥後の粘着面の上方から、前記NIR樹脂層を下向きとして第3の積層体を貼合した。これにより、重剥離フィルム上に紫外線吸収剤入り粘着剤層が形成され、その上にNIR樹脂層が積層され、その上にさらに紫外線吸収剤入り粘着剤層が形成され、その上に軽剥離フィルムが積層されてなるNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
NIR遮蔽両面粘着フィルムを所定のサンプルサイズに加工して、評価試験を行った。
サンプルサイズは、80℃耐熱試験では10cm×15cm、キセノン耐光性試験では6cm×15cmとした。
耐熱試験後の外観変化は、80℃オーブンに500時間に投入後の外観変化について、目視にて確認を行った。
耐光試験の外観変化は、7.5kWのキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、品名:SX75、光量180W/m、ブラックパネル温度63℃、湿度50%)に100時間投入後の外観変化について、目視にて確認を行った。
色素耐久性は、未処理のサンプルと上記耐熱試験または耐光試験後のサンプルについて、UV/VIS/NIR分光光度計(日本分光株式会社製V570)にて透過率を測定し、測定した透過率のデータから、JIS−Z−8701の方法に従って、各サンプルの色度座標x,yを算出し、さらに下記の式からΔcを算出することで、試験前後の色素耐久性について評価を行った。
Figure 0004916930
ただしこの式中において、xおよびyは未処理のサンプルのxおよびyであり、xおよびyは上記耐熱試験または耐光試験後のサンプルのxおよびyである。
実施例1のサンプルにおいては、耐熱試験後および耐光試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかった。また、耐熱試験によるΔcは0.010、耐光試験によるΔcは0.005であった。
<実施例2>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、アクリル系オリゴマー(UP1080)42.8重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
実施例2のサンプルにおいては、耐熱試験後および耐光試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかった。また、耐熱試験によるΔcは0.012、耐光試験によるΔcは0.004であった。
<実施例3>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、アクリル系オリゴマー(UP1000)17.6重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
実施例3のサンプルにおいては、耐熱試験後および耐光試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかった。また、耐熱試験によるΔcは0.011、耐光試験によるΔcは0.006であった。
<実施例4>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、アクリル系オリゴマー(UP1170)17.6重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
実施例4のサンプルにおいては、耐熱試験後および耐光試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかった。また、耐熱試験によるΔcは0.009、耐光試験によるΔcは0.006であった。
<比較例1>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部を添加しないものとしたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
比較例1のサンプルにおいては、耐熱試験後および耐光試験後、いずれも外観にクラックが認められた。また、耐熱試験によるΔcは0.008、耐光試験によるΔcは0.010であった。
<比較例2>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、フタル酸ジオクチル17.6重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
比較例2のサンプルにおいては、耐熱試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかったが、耐光試験後の外観に発泡が認められた。また、耐熱試験によるΔcは0.006、耐光試験によるΔcは0.009であった。
<比較例3>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、フタル酸ジオクチル42.8重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
比較例3のサンプルにおいては、耐熱試験後の外観にクラックが認められ、耐光試験後の外観に発泡が認められた。また、耐熱試験によるΔcは0.006、耐光試験によるΔcは0.009であった。
<比較例4>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、フタル酸ジブチル17.6重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
比較例4のサンプルにおいては、耐熱試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかったが、耐光試験後の外観に発泡が認められた。また、耐熱試験によるΔcは0.007、耐光試験によるΔcは0.011であった。
<比較例5>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、セバシン酸ジオクチル17.6重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
比較例5のサンプルにおいては、耐熱試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかったが、耐光試験後の外観に発泡が認められた。また、耐熱試験によるΔcは0.007、耐光試験によるΔcは0.006であった。
<比較例6>
NIR塗料の配合において、アクリル系オリゴマー(UP1080)17.6重量部の代わりに、アジピン酸ジオクチル17.6重量部としたことのほかは実施例1と同様にしてNIR遮蔽両面粘着フィルムを得た。
比較例6のサンプルにおいては、耐熱試験後の外観にクラックが認められ、耐光試験後の外観にクラックおよび発泡が認められた。また、耐熱試験によるΔcは0.006、耐光試験によるΔcは0.007であった。
以上の結果を表1および表2にまとめて示す。
Figure 0004916930
Figure 0004916930
比較例1〜6のNIR遮蔽両面粘着フィルムにおいては、表2に示すように耐熱試験後と耐光試験後の少なくともいずれかにおいて外観にクラックや発泡等の異常が認められたのに対して、実施例1〜4のNIR遮蔽両面粘着フィルムにおいては、表1に示すように耐熱試験後および耐光試験後の外観にクラックや発泡等の異常は認められなかった。
また、耐熱試験および耐光試験後のΔcも小さく、十分な色素耐久性を有することが確認できた。
本発明は、PDP(プラズマディスプレイ)などのディスプレイに使用される、近赤外線吸収フィルターを組み込んだ光学フィルターとして利用することができる
本発明の近赤外線遮蔽粘着フィルムの実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の光学フィルターの一例を示す模式的断面図である。 本発明の光学フィルターの他の例を示す模式的断面図である。 従来技術における近赤外線吸収フィルムの構成を示す模式的断面図である。
符号の説明
P…前面パネル、1…近赤外線遮蔽粘着フィルム、2,7…近赤外線吸収フィルターの保護フィルムである剥離フィルム、3,5,13,15,19,23,25,29…粘着剤層、4,14,24…近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層、4a,14a,24a…近赤外線吸収色素、10,20…ディスプレイ用光学フィルター(光学フィルター)、11,21…反射防止層、12,22…透明基材(紫外線吸収層)、17,27…電磁波シールド材、18,28…電磁波シールド材の支持材である透明基材。

Claims (4)

  1. 近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の両面に、粘着剤層と剥離フィルムとを順に積層してなり、前記透明樹脂層は、
    (1)重量平均分子量が10,000〜3,000,000であって、Tgが60〜105℃であり水素結合性官能基を有しないアクリル系バインダー樹脂と、
    (2)重量平均分子量が1,000〜10,000であって、Tgがマイナス80〜マイナス30℃であり水素結合性官能基を有しないアクリル系(共)重合体であるオリゴマーとからなり、
    (3)前記アクリル系バインダー樹脂組成部100重量部に対して、前記アクリル系オリゴマーが5〜50重量部含まれる
    ことを特徴とする近赤外線遮蔽粘着フィルム。
  2. 前記近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能の極大値を有する長波長用の吸収色素と短波長用の吸収色素との2種類からなることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線遮蔽粘着フィルム。
  3. 前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、スクワリリウム系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることを特徴とする請求項2に記載の近赤外線遮蔽粘着フィルム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の近赤外線遮蔽粘着フィルムから両面の剥離フィルムを剥がして、反射防止フィルムもしくは防眩フィルム、電磁波シールドフィルム、紫外線吸収フィルム、およびネオン光カットフィルムから選択される1種または2種以上の機能性フィルムに貼合してなるPDP用光学フィルター。
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