図1および図2は、本発明の実施形態に係るスイッチ装置100の操作部の斜視図である。このスイッチ装置100の操作部は、自動車の運転席のアームレストに取り付けられるスイッチモジュール104の前部に設けられている。スイッチ装置100は、自動車の左右のドアの外側に設けられた図示しないサイドミラーの視角を調節するためのものである。各サイドミラーは被駆動操作体の一例である。スイッチモジュール104の図示しない後部には、この他にパワーウインドウ操作用のスイッチ装置が設けられている。スイッチ装置100には、操作方向指示機構10、操作対象指示機構20、および起立・倒伏指示機構30が設けられている。起立・倒伏指示機構30の操作ノブ31は、サイドミラーを起立または倒伏させることを指示するために押し込み操作される。操作対象指示機構20の操作ノブ21は、左右のサイドミラーのいずれを操作対象とするかを指示するために対応する2方向(L、R方向)へスライド操作される。操作方向指示機構10の操作ノブ1は、サイドミラーを上、下、左、または右のいずれへ駆動するかを指示するために対応する4方向(U、D、L、R方向)へ傾くように操作される。
図3Aおよび図3Bは、スイッチ装置100および操作方向指示機構10の断面図である。詳しくは、図3Aと図3Bでは、操作方向指示機構10の縦断面を他の指示機構20、30側から見た状態を示している。図3Aに示すように、スイッチモジュール104のケース41の下方は開口されていて、カバー42を嵌め込むことにより塞がれる。ケース41内には、基板8が設けられている。基板8はガラスエポキシ樹脂等で形成されている。基板8は、ケース41とカバー42とで上下から支持されている。基板8上には、図2に示すように操作対象指示機構20のスライドスイッチ24、起立・倒伏指示機構30のプッシュスイッチ34、および図示しないその他の電子部品と電気回路が実装されている。スライドスイッチ24のアクチュエータ23には、操作軸22の下端が係合されている。操作軸22は、ケース41に設けられた筒44(図1)を貫通して、ケース41上に突出している。操作軸22の上端には、操作ノブ21が筒44の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ21を左右L、Rに操作することで、アクチュエータ23が操作軸22に引っ張られて左右L、Rに移動し、スライドスイッチ24のON/OFF状態が切り替わって、操作対象が左サイドミラーまたは右サイドミラーになる。プッシュスイッチ34のアクチュエータ33は、ケース41に設けられた筒45(図1)を貫通して、ケース41上に突出している。アクチュエータ33の上端には、操作ノブ31が筒45の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ31を下方へ押し操作することで、アクチュエータ33がプッシュスイッチ34内に押し込まれ、プッシュスイッチ34のON/OFF状態が切り替わって、左右のサイドミラーが起立または倒伏する。
図3Aに示すように、ケース41の上部と内部には、筒43、46が連通するように設けられている。筒43の内面には、ふし43aが設けられている。操作軸2は筒43、46を貫通して、ケース41の上部と内部に突出している。操作軸2の上端には、操作ノブ1が筒43の上部開口を覆うように取り付けられている。操作ノブ1の上面には、図1および図2に示すように4つの三角形のマーク1U、1D、1L、1Rが設けられている。前U側にあるマーク1Uは、各サイドミラーの上方向に対応する方向を指している。後D側にあるマーク1Dは、各サイドミラーの下方向に対応する方向を指している。左L側にあるマーク1Lは、各サイドミラーの左方向に対応する方向を指している。右R側にあるマーク1Rは、各サイドミラーの右方向に対応する方向を指している。
操作軸2の中央には、鍔3が取り付けられている。図3Aに示すように鍔3とふし43aの間の操作軸2の周囲には、コイルばね4が設けられている。コイルばね4は、鍔3とふし43aを互いに離れる方向へ押している。コイルばね4が鍔3とふし43aを押すことにより、操作軸2に設けられた段差部2aがふし43aに係合し、操作軸2が基板8に対して垂直な姿勢で保持されている。操作軸2の下端部は、ガイド5に設けられた孔5aを貫通して、可動片6に設けられた孔6aに嵌め込まれている。ガイド5の孔5aは、図2に示すように前U、後D、左L、および右Rへと拡がる直交座標軸上に形成されている。ガイド5は、図3Aに示すように筒46に設けられた段差面46aと可動片6に設けられた突起6bによって上下から支持されている。また、ガイド5は、基板8と平行に移動できないように筒46の側壁によって動きが制限されている。
操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が該マーク1U、1D、1L、1Rのある前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ基板8と平行に移動する。つまり、可動片6が直交座標軸に沿った4方向U、D、L、Rのいずれかへ操作される。図3Bは、操作ノブ1のマーク1Rの位置が押されて、操作ノブ1と操作軸2がR方向へ傾き、可動片6がL方向へ移動操作された状態を示している。上記操作時にガイド5は、前、後、左、または右のいずれかの方向へ操作ノブ1と操作軸2を傾けて、可動片6を移動させるように案内する。操作ノブ1と操作軸2の傾き量および可動片6の移動量は、操作ノブ1の下端面1aがケース41の筒43の段差面43bに接触することで制限される。操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰する。
図4は、中立状態(図3Aの状態)にある可動片6の近傍を上方(操作ノブ1側)から見た図である。可動片6は合成樹脂で形成されている。可動片6には、図4および図3A等に示すようにばね性を有する3つの導体71〜73を取り付けることができる。そのうち導体73は、後述するように基板8上の固定接点構造に応じて省略される。各導体71〜73は、図5に示すような形状に形成されている。図5は、各導体71〜73のU、D方向の断面図である。各導体71〜73には、2つずつ可動接点7a〜7fが下方へ突出するように設けられている。つまり、可動接点群7a〜7fは、1つの導体に設けられた2つの可動接点を1組として、3組配列されて成る。可動接点群7a〜7fは、可動片6から下方へ突出して、基板8上に所定の圧力で接触する。
図6A〜図6Eは、第1実施形態に係る接点の構造と接触状態を示す図である。第1実施形態では、可動片6(図4)には、導体71、72が取り付けられて、導体73が省略されることにより、可動接点群7a〜7dが設けられている。基板8上には、図6A等に示すように4組の固定接点80〜83が設けられている。固定接点80〜83は、導体で形成されている。固定接点80は固定接点8a、8e、8i、8mから成り、固定接点81は固定接点8b、8f、8j、8nから成り、固定接点82は固定接点8c、8g、8k、8oから成り、固定接点83は固定接点8d、8h、8L、8pから成る。つまり、固定接点80〜83は、直交座標の両軸(図6Aの固定接点80の位置にのみ一点鎖線で図示)上に原点を挟んで対向するように配置された4つの固定接点を1組として、L、R方向とU、D方向に4組配列されて成る。可動片6が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ操作されることで、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上をそれと同じ方向へ摺動して、それぞれ図6B〜6Eに示すように固定接点8a〜8pに接触する。
図7は、第1実施形態に係るスイッチ装置100の電気回路図である。図7において、左右のサイドミラーを起立または倒伏する電気スイッチやモータ等の構成については図示を省略している。第1実施形態では、スイッチ装置100は、制御回路101、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という。)102、および駆動回路103等から成る。制御回路101とマイコン102は、自動車の右側(運転席側)のドアに取り付けられたスイッチモジュール104内に設けられている。モータM1〜M4は電動機の一例である。モータM1、M2は、右サイドミラーに対応するように、右側のドア内に設けられている。モータM3、M4は、左サイドミラーに対応するように、左側(助手席側)のドア内に設けられている。駆動回路103も左側のドア内に設けられている。Cはコネクタである。Dはダイオードである。Rは抵抗である。M1は右サイドミラーを上下へ駆動させる駆動源である。M2は右サイドミラーを左右へ駆動させる駆動源である。M3は左サイドミラーを上下へ駆動させる駆動源である。M4は左サイドミラーを左右へ駆動させる駆動源である。
制御回路101には、複数の電気スイッチSa〜Sd、Sx、Syが設けられている。操作方向切替スイッチSa〜Sdは、前述した導体71、72と固定接点80〜81(図6A等)で構成されている。操作方向切替スイッチSa〜Sdは、2つのa接点(常開接点)を1組として、操作方向指示機構10の操作ノブ1(図1等)が操作される上下左右の4方向にそれぞれ対応するように4組設けられて成る。つまり、操作方向切替スイッチSa〜Sdは、いわゆる4接点方式のスイッチである。操作方向切替スイッチSa〜Sdの一方の端子8d、8h、8j、8nは、電源IGに接続されている。操作対象切替スイッチSx、Syは、スライドスイッチ24(図2)内に設けられている。操作対象切替スイッチSx、Syは、2つのa接点を1組として、該a接点の一方の端子が共通でかつ他方の端子が操作対象指示機構20の操作ノブ21(図1等)の操作される左右の2方向にそれぞれ対応するように2組設けられて成る。操作対象切替スイッチSx、Syのそれぞれの共通な一方の端子は、操作方向切替スイッチSa〜Sdの4組のa接点を介して電源IGに接続されている。
操作対象切替スイッチSx、Syの2組のa接点のそれぞれの他方の端子のうち、操作ノブ21が操作される右方向Rに対応する各端子は、それぞれ1本の信号線を介してモータM1、M2に接続されている。また、操作ノブ21が操作される左方向Lに対応する各端子は、それぞれ1本の信号線L1、L2を介してマイコン102に接続されている。信号線L3の一端は、マイコン102に接続され、他端は分岐して、信号線L1、L2の途中にそれぞれ抵抗R1、R2を介して接続され、かつ右サイドミラーに対応するモータM1、M2に接続されている。制御回路101とモータM1、M2は、3つのコネクタCと3本のハーネスを介して接続されている。
操作方向切替スイッチSa〜Sdは、操作ノブ1の操作に連動して制御回路101を切り替える。具体的には、操作方向切替スイッチSa〜Sdの一方のa接点は、電源IGからモータM1、M2またはマイコン102へと電流を流す回路を開閉する。操作方向切替スイッチSa〜Sdの他方のa接点は、グランドGNDへと電流を流す回路を開閉する。操作対象切替スイッチSx、Syは、操作ノブ21の操作に連動して制御回路101を切り替える。具体的には、操作対象切替スイッチSx、Syは、電源IGからモータM1、M2若しくはマイコン102へと電流を流す回路、またはグランドGNDへと電流を流す回路を開閉する。制御回路101は、モータM1、M2を駆動して、右サイドミラーを上下左右の各方向へ駆動させる。
マイコン102と駆動回路103は、2つのコネクタCと1本のハーネス(信号線L4)を介して接続されている。駆動回路103と左サイドミラーに対応するモータM3、M4は、3つのコネクタCと3本のハーネスを介して接続されている。マイコン102は、操作対象切替スイッチSx、Syと操作方向切替スイッチSa〜Sdの切り替わり状態によって変化する制御回路101からの入力信号に基づいて、駆動回路103へモータM3、M4を駆動する信号を出力する。駆動回路103は、操作対象切替スイッチSx、Syと操作方向切替スイッチSa〜Sdの切り替わり状態に応じた制御回路101からの入力信号に基づいて、モータM3、M4を駆動して、左サイドミラーを上下左右の各方向へ駆動させる。
起立・倒伏指示機構30の操作ノブ31の操作により左右のサイドミラーを起立させた後、図1、図2、図3A、および図6Aに示すように操作ノブ1、21と接点7a〜7d、80〜83が中立状態にある場合は、操作方向切替スイッチSa〜Sdと操作対象切替スイッチSx、Syは図7に実線で示すようなOFF状態にある。この状態から、操作ノブ21を左Lまたは右Rのいずれかの方向へスライド操作すると、操作対象切替スイッチSx、Syが破線で示すように左右のいずれかの端子に接触してON状態になる。さらに、操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ移動して、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上で摺動する。そして、可動接点群7a〜7dと固定接点8a〜8pの接触状態が変化して、操作方向切替スイッチSa〜SdのON/OFF状態が切り替わる。
具体的には、操作ノブ21を右方向Rへスライド操作すると、図7で操作対象切替スイッチSx、Syが右端子に接触してON状態になる。この状態で、操作ノブ1のマーク1Uの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が前U側へ傾き、可動片6が後D側へ移動して、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上で摺動し、図6Bに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8a〜8dにそれぞれ接触する。すると、図7で操作方向切替スイッチSaの2つのa接点が破線で示すようにON状態になり、電流が電源IGから操作方向切替スイッチSaの一方のa接点の端子8d、8cと、操作対象切替スイッチSxの右端子とを通って、上下モータM1に上から下へ流れ、操作方向切替スイッチSaの他方のa接点の端子8a、8bを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが上向きに駆動する。このとき、信号線L1〜L3の電圧レベルは低くなる(図7の右上の表参照)。
また、操作ノブ1のマーク1Dの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が後D側へ傾き、可動片6が前U側へ移動して、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上で摺動し、図6Cに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8e〜8hにそれぞれ接触する。すると、図7で操作方向切替スイッチSbの2つのa接点が破線で示すようにON状態になり、電流が電源IGから操作方向切替スイッチSbの一方のa接点の端子8h、8gを通って、上下モータM1に下から上へ流れ、操作対象切替スイッチSxの右端子と、操作方向切替スイッチSbの他方のa接点の端子8e、8fとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが下向きに駆動する。このとき、信号線L3の電圧レベルは高くなり、信号線L1、L2の電圧レベルも電流の回り込みにより高くなる(図7の右上の表参照)。
また、操作ノブ1のマーク1Lの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が左L側へ傾き、可動片6が右R側へ移動して、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上で摺動し、図6Dに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8i〜8Lにそれぞれ接触する。すると、図7で操作方向切替スイッチScの2つのa接点が破線で示すようにON状態になり、電流が電源IGから操作方向切替スイッチScの一方のa接点の端子8j、8iを通って、左右モータM2に下から上へ流れ、操作対象切替スイッチSyの右端子と、操作方向切替スイッチScの他方のa接点の端子8k、8Lとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが左向きに駆動する。このとき、信号線L3の電圧レベルは高くなり、信号線L1、L2の電圧レベルも電流の回り込みにより高くなる(図7の右上の表参照)。
さらに、操作ノブ1のマーク1Rの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が右R側へ傾き、可動片6が左L側へ移動して、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上で摺動し、図6Eに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8m〜8pにそれぞれ接触する。すると、図7で操作方向切替スイッチSdの2つのa接点が破線で示すようにON状態になり、電流が電源IGから操作方向切替スイッチSdの一方のa接点の端子8n、8mと、操作対象切替スイッチSyの右端子とを通って、左右モータM2に上から下へ流れ、操作方向切替スイッチSdの他方のa接点の端子8o、8pを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが右向きに駆動する。このとき、信号線L1〜L3の電圧レベルは低くなる(図7の右上の表参照)。
一方、操作ノブ21を左方向Lへスライド操作すると、図7で操作対象切替スイッチSx、Syが左端子に接触してON状態になる。この状態で、操作ノブ1のマーク1Uの位置を指で押すと、図6Bに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8a〜8dにそれぞれ接触し、図7で操作方向切替スイッチSaの2つのa接点が破線で示すようにON状態になる。このため、電流が電源IGから操作方向切替スイッチSaの一方のa接点の端子8d、8cと、操作対象切替スイッチSxの左端子とを通って分岐し、さらに信号線L1〜L3および抵抗R1、R2等を通って、マイコン102に流れて行く。また、電流は操作方向切替スイッチSaの他方のa接点の端子8a、8bを通って、グランドGNDへ流れて行く。このとき、信号線L1の電圧レベルは高くなり、信号線L2、L3の電圧レベルは抵抗R1、R2により低くなるので(図7の右上の表参照)、マイコン102は、左サイドミラーを上方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して上下モータM3を正転駆動する信号を駆動回路103へ出力する。すると、駆動回路103がマイコン102から入力された上記制御信号に従って上下モータM3に上から下へ電流を流し、左サイドミラーが上向きに駆動する。
また、操作ノブ1のマーク1Dの位置を指で押すと、図6Cに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8e〜8hにそれぞれ接触し、図7で操作方向切替スイッチSbの2つのa接点が破線で示すようにON状態になる。このため、電流が電源IGから操作方向切替スイッチSbの一方のa接点の端子8h、8gを通って分岐し、さらに信号線L1〜L3および抵抗R1、R2等を通って、マイコン102に流れて行く。また、電流は抵抗R1と、操作対象切替スイッチSxの左端子と、操作方向切替スイッチSbの他方のa接点の端子8e、8fを通って、グランドGNDへ流れて行く。このとき、信号線L3の電圧レベルは高くなり、信号線L2の電圧レベルは電流の回り込みにより高くなり、信号線L1の電圧レベルは抵抗R1により低くなるので(図7の右上の表参照)、マイコン102は、左サイドミラーを下方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して上下モータM3を逆転駆動する信号を駆動回路103へ出力する。すると、駆動回路103がマイコン102から入力された上記制御信号に従って上下モータM3に下から上へ電流を流し、左サイドミラーが下向きに駆動する。
また、操作ノブ1のマーク1Lの位置を指で押すと、図6Dに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8i〜8Lにそれぞれ接触し、図7で操作方向切替スイッチScの2つのa接点が破線で示すようにON状態になる。このため、電流が電源IGから操作方向切替スイッチScの一方のa接点の端子8j、8iを通って分岐し、さらに信号線L1〜L3および抵抗R1、R2等を通って、マイコン102に流れて行く。また、電流は抵抗R2と、操作対象切替スイッチSyの左端子と、操作方向切替スイッチScの他方のa接点の端子8k、8Lを通って、グランドGNDへ流れて行く。このとき、信号線L3の電圧レベルは高くなり、信号線L1の電圧レベルは電流の回り込みにより高くなり、信号線L2の電圧レベルは抵抗R2の介在により低くなるので(図7の右上の表参照)、マイコン102は、左サイドミラーを左方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して左右モータM4を逆転駆動する信号を駆動回路103へ出力する。すると、駆動回路103がマイコン102から入力された上記制御信号に従って左右モータM4に下から上へ電流を流し、左サイドミラーが左向きに駆動する。
さらに、操作ノブ1のマーク1Rの位置を指で押すと、図6Eに示すように可動接点7a〜7dが固定接点8m〜8pにそれぞれ接触し、図7で操作方向切替スイッチSdの2つのa接点が破線で示すようにON状態になる。このため、電流が電源IGから操作方向切替スイッチSdの一方のa接点の端子8n、8mと、操作対象切替スイッチSyの左端子とを通って分岐し、さらに信号線L1〜L3および抵抗R1、R2等を通って、マイコン102に流れて行く。また、電流は操作方向切替スイッチSdの他方のa接点の端子8o、8pを通って、グランドGNDへ流れて行く。このとき、信号線L2の電圧レベルは高くなり、信号線L1、L3の電圧レベルは抵抗R1、R2の介在により低くなるので(図7の右上の表参照)、マイコン102は、左サイドミラーを右方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して左右モータM4を正転駆動する信号を駆動回路103へ出力する。すると、駆動回路103がマイコン102から入力された上記制御信号に従って左右モータM4に上から下へ電流を流し、左サイドミラーが右向きに駆動する。
なお、操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰し、可動接点群7a〜7dが固定接点80〜83上で摺動して、図4および図6Aに示すように元の接触状態に復帰する。このため、操作方向切替スイッチSa〜SdがOFF状態になり、モータM1〜M4に電流が流れなくなる。
図8A〜図8Eは、第2実施形態に係る接点の構造と接触状態を示す図である。第2実施形態では、可動片6(図4)には、導体71〜73が取り付けられることにより、可動接点群7a〜7fが設けられている。基板8上には、図8A等に示すように3組の固定接点84〜86とそれに対応する3組のコモン接点87〜89が設けられている。各接点84〜89は、導体で形成されている。固定接点84〜86は、常閉固定接点NCと常開固定接点NOから成る。具体的には、固定接点84〜86は、常閉固定接点NCと常開固定接点NOとが直交座標の両軸(図8Aの固定接点84の位置にのみ一点鎖線で図示)上に原点を挟んで対向するように配置され、原点上にも常閉固定接点NCが設けられたものを1組として、左右方向L、Rに3組配列されて成る。つまり、各固定接点84〜86には、常閉固定接点NCが3つ有り、常開固定接点NOが2つ有る。各固定接点84〜86において、3つの常閉固定接点NCは連続し、2つの常開固定接点NOは連続している。また、常閉固定接点NCと常開固定接点NOの配列は、各固定接点84〜86で異なる。各コモン接点87〜89は、直交座標の両軸に沿って拡がるように設けられている。また、各コモン接点87〜89は、各固定接点84〜86の後D側で左右方向L、Rに配列されている。
可動片6が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ操作されることで、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上とコモン接点87〜89上をそれと同じ方向へ摺動する。各導体71〜73の2つの可動接点7a〜7fのうち、前U側の可動接点7a、7c、7eは、各固定接点84〜86に接触するように設けられていて、可動接点群7a〜7fの摺動に伴って常閉固定接点NCまたは常開固定接点NOとの接触状態が切り替わる。後D側の可動接点7b、7d、7fは、常に各コモン接点87〜89に接触するように設けられている。このような構造により電気回路上は、3つの操作方向切替スイッチS1〜S3が構成される。
図9は、第2実施形態に係るスイッチ装置100の電気回路図である。図9において、左右のサイドミラーを起立または倒伏する電気スイッチやモータ等の構成については図示を省略している。第2実施形態では、スイッチ装置100は、制御回路105、マイコン106、および駆動回路107等から成る。制御回路105とマイコン106は、自動車の右側のドアに取り付けられたスイッチモジュール104内に設けられている。モータM1、M2は、右側のドア内に設けられている。駆動回路107とモータM3、M4は、左側のドア内に設けられている。
制御回路105には、複数の電気スイッチS1〜S3、S4〜S6が設けられている。操作方向切替スイッチS1〜S3は、1つのa接点(常開接点)と1つのb接点(常閉接点)を1組として、該a接点とb接点の一方の端子が共通になるように3組設けられて成る。つまり、操作方向切替スイッチS1〜S3は、いわゆる3接点方式のスイッチである。操作方向切替スイッチS1〜S3のa接点の他方の端子NOは、電源IGに接続されている。操作対象切替スイッチS4〜S6は、スライドスイッチ24(図2)内に設けられている。操作対象切替スイッチS4〜S6は、2つのa接点を1組として、該2つのa接点の一方の端子が共通でかつ他方の端子が操作ノブ21(図1等)の操作される左右の2方向にそれぞれ対応するように3組設けられて成る。操作対象切替スイッチS4〜S6の共通な一方の端子は、操作方向切替スイッチS1〜S3のa接点のいずれかを介して電源IGに接続されている。
操作方向切替スイッチS1の共通な一方の端子と、操作対象切替スイッチS5、S6の操作ノブ21が操作される右方向Rに対応する端子は、それぞれ1本の信号線を介してモータM1、M2に接続されている。操作対象切替スイッチS4〜S6の操作ノブ21が操作される左方向Lに対応する端子は、それぞれ1本の信号線L1〜L3を介してマイコン106に接続されている。
操作方向切替スイッチS1〜S3は、操作ノブ1(図1等)の操作に連動して制御回路105を切り替える。具体的には、操作方向切替スイッチS1〜S3のa接点は、電源IGからモータM1、M2またはマイコン106へと電流を流す回路を開閉する。操作方向切替スイッチS1〜S3のb接点は、グランドGNDへと電流を流す回路を開閉する。操作対象切替スイッチS4〜S6は、操作ノブ21の操作に連動して制御回路105を切り替える。具体的には、操作対象切替スイッチS4〜S6は、電源IGからモータM1、M2若しくはマイコン106へと電流を流す回路、またはグランドGNDへと電流を流す回路を開閉する。制御回路105は、モータM1、M2を駆動して、右サイドミラーを上下左右の各方向へ駆動させる。
マイコン106と駆動回路107は、2つのコネクタCと1本のハーネス(信号線L4)を介して接続されている。駆動回路107と左サイドミラーに対応するモータM3、M4は、3つのコネクタCと3本のハーネスを介して接続されている。マイコン106は、操作対象切替スイッチS4〜S6と操作方向切替スイッチS1〜S3の状態によって変化する制御回路105からの入力信号に基づいて、駆動回路107へモータM3、M4を駆動する信号を出力する。駆動回路107は、操作対象切替スイッチS4〜S6と操作方向切替スイッチS1〜S3の状態に応じた制御回路105からの入力信号に基づいて、モータM3、M4を駆動して、左サイドミラーを上下左右の各方向へ駆動させる。
操作ノブ31の操作により左右のサイドミラーを起立させた後、図1、図2、図3A、および図8Aに示すように操作ノブ1、21と接点7a〜7f、84〜89が中立状態にある場合は、操作方向切替スイッチS1〜S3と操作対象切替スイッチS4〜S6は図9に実線で示すようなOFF状態にある。この状態から、操作ノブ21を左Lまたは右Rのいずれかの方向へスライド操作すると、操作対象切替スイッチS4〜S6が破線で示すように左右のいずれかの端子に接触してON状態になる。さらに、操作ノブ1の上面のマーク1U、1D、1L、1Rのいずれかの位置を指で押し操作すると、図3Bに示すように操作ノブ1と操作軸2が前U、後D、左L、または右Rのいずれかの方向へ傾き、可動片6がその反対方向へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上およびコモン接点87〜89上で摺動する。そして、可動接点群7a〜7fと固定接点84〜86の接触状態が変化して、操作方向切替スイッチS1〜S3のON/OFF状態が切り替わる。
具体的には、操作ノブ21を右方向Rへスライド操作すると、図9で操作対象切替スイッチS4〜S6が右端子に接触してON状態になる。この状態で、操作ノブ1のマーク1Uの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が前U側へ傾き、可動片6が後D側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上およびコモン接点87〜89上で摺動する。そして、図8Bに示すように可動接点7aが固定接点84の常開固定接点NOに接触し、可動接点7c、7eが固定接点85、86の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点87〜89に接触する。すると、図9で操作方向切替スイッチS1が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、操作方向切替スイッチS2、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS1の常開固定接点NOとコモン接点87とを通って、上下モータM1に上から下へ流れ、操作対象切替スイッチS6の右端子と操作方向切替スイッチS3のコモン接点89と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが上向きに駆動する。このとき、信号線L1〜L3の電圧レベルは低くなる(図9の右上の表参照)。
また、操作ノブ1のマーク1Dの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が後D側へ傾き、可動片6が前U側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上およびコモン接点87〜89上で摺動する。そして、図8Cに示すように可動接点7aが固定接点84の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7c、7eが固定接点85、86の常開固定接点NOに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点87〜89に接触する。すると、図9で操作方向切替スイッチS1が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になり、操作方向切替スイッチS2、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS3の常開固定接点NOとコモン接点89と操作対象切替スイッチS6の右端子とを通って、上下モータM1に下から上へ流れ、操作方向切替スイッチS1のコモン接点87と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが下向きに駆動する。このとき、信号線L1〜L3の電圧レベルは低くなる(図9の右上の表参照)。
また、操作ノブ1のマーク1Lの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が左L側へ傾き、可動片6が右R側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上およびコモン接点87〜89上で摺動する。そして、図8Dに示すように可動接点7a、7eが固定接点84、86の常開固定接点NOに接触し、可動接点7cが固定接点85の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点87〜89に接触する。すると、図9で操作方向切替スイッチS1、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、操作方向切替スイッチS2が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS3の常開固定接点NOとコモン接点89と操作対象切替スイッチS6の右端子とを通って、左右モータM2に下から上へと流れ、操作対象切替スイッチS5の右端子と操作方向切替スイッチS2のコモン接点88と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが左向きに駆動する。このとき、信号線L1〜L3の電圧レベルは低くなる(図9の右上の表参照)。
さらに、操作ノブ1のマーク1Rの位置を指で押すと、操作ノブ1と操作軸2が右R側へ傾き、可動片6が左L側へ移動して、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上およびコモン接点87〜89上で摺動する。そして、図8Eに示すように可動接点7a、7eが固定接点84、86の常閉固定接点NCに接触し、可動接点7cが固定接点85の常開固定接点NOに接触し、可動接点7b、7d、7fがコモン接点87〜89に接触する。すると、図9で操作方向切替スイッチS2が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、操作方向切替スイッチS1、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS2の常開固定接点NOとコモン接点88と操作対象切替スイッチS5の右端子とを通って、左右モータM2に上から下へ流れ、操作対象切替スイッチS6の右端子と操作方向切替スイッチS3のコモン接点89と常閉固定接点NCとを通って、グランドGNDへ流れて行く。このため、右サイドミラーが右向きに駆動する。このとき、信号線L1〜L3の電圧レベルは低くなる(図9の右上の表参照)。
一方、操作ノブ21を左方向Lへスライド操作すると、図9で操作対象切替スイッチS4〜S6が左端子に接触してON状態になる。この状態で、操作ノブ1のマーク1Uの位置を指で押すと、図8Bに示すように可動接点7a〜7fが固定接点84〜86とコモン接点87〜89に接触し、図9で操作方向切替スイッチS1が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、操作方向切替スイッチS2、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS1の常開固定接点NOとコモン接点87と、操作対象切替スイッチS4の左端子と、信号線L3とを通って、マイコン106に流れて行く。このとき、信号線L3の電圧レベルは高くなり、信号線L1、L2の電圧レベルは低くなるので(図9の右上の表参照)、マイコン106は、左サイドミラーを上方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して上下モータM3を正転駆動する信号を駆動回路107へ出力する。すると、駆動回路107がマイコン106から入力された上記制御信号に従って上下モータM3に上から下へ電流を流し、左サイドミラーが上向きに駆動する。
また、操作ノブ1のマーク1Dの位置を指で押すと、図8Cに示すように可動接点7a〜7fが固定接点84〜86とコモン接点87〜89に接触し、図9で操作方向切替スイッチS1が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になり、操作方向切替スイッチS2、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS2、S3の常開固定接点NOとコモン接点88、89と、操作対象切替スイッチS5、S6の左端子と、信号線L2、L1とを通って、マイコン106に流れて行く。このとき、信号線L1、L2の電圧レベルは高くなり、信号線L3の電圧レベルは低くなるので(図9の右上の表参照)、マイコン106は、左サイドミラーを下方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して上下モータM3を逆転駆動する信号を駆動回路107へ出力する。すると、駆動回路107がマイコン106から入力された上記制御信号に従って上下モータM3に下から上へ電流を流し、左サイドミラーが下向きに駆動する。
また、操作ノブ1のマーク1Lの位置を指で押すと、図8Dに示すように可動接点7a〜7fが固定接点84〜86とコモン接点87〜89に接触し、図9で操作方向切替スイッチS1、S3が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になり、操作方向切替スイッチS2が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS1、S3の常開固定接点NOとコモン接点87、89と、操作対象切替スイッチS4、S6の左端子と、信号線L3、L1とを通って、マイコン106に流れて行く。このとき、信号線L1、L3の電圧レベルは高くなり、信号線L2の電圧レベルは低くなるので(図9の右上の表参照)、マイコン106は、左サイドミラーを左方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して左右モータM4を逆転駆動する信号を駆動回路107へ出力する。すると、駆動回路107がマイコン106から入力された上記制御信号に従って左右モータM4に下から上へ電流を流し、左サイドミラーが左向きに駆動する。
さらに、操作ノブ1のマーク1Rの位置を指で押すと、図8Eに示すように可動接点7a〜7fが固定接点84〜86とコモン接点87〜89に接触し、図9で操作方向切替スイッチS1、S3が実線で示すように常閉固定接点NCに接触したままOFF状態になり、操作方向切替スイッチS2が破線で示すように常開固定接点NOに接触してON状態になる。これにより、電流が電源IGから操作方向切替スイッチS2の常開固定接点NOとコモン接点88と、操作対象切替スイッチS5の左端子と、信号線L2とを通って、マイコン106に流れて行く。このとき、信号線L2の電圧レベルは高くなり、信号線L1、L3の電圧レベルは低くなるので(図9の右上の表参照)、マイコン106は、左サイドミラーを右方向へ駆動することが指示されたと判断し、信号線L4を通して左右モータM4を正転駆動する信号を駆動回路107へ出力する。すると、駆動回路107がマイコン106から入力された上記制御信号に従って左右モータM4に上から下へ電流を流し、左サイドミラーが右向きに駆動する。
なお、操作ノブ1の押し操作を解除すると、コイルばね4の力により、図1、図2、および図3Aに示すように操作ノブ1、操作軸2、および可動片6が元の中立状態に復帰し、可動接点群7a〜7fが固定接点84〜86上およびコモン接点87〜89上で摺動して、図4および図8Aに示すように元の接触状態に復帰する。このため、操作方向切替スイッチS1〜S3がOFF状態になり、モータM1〜M4に電流が流れなくなる。
以上によると、操作ノブ1、21、操作方向切替スイッチSa〜Sd、S1〜S3、および操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6の状態に応じた、操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6からマイコン102、106への出力に基づいて、マイコン102、106が駆動回路103、107を動作させることにより、左サイドミラーに対応するモータM3、M4を駆動させることができる。また、操作ノブ1、21、操作方向切替スイッチSa〜Sd、S1〜S3、および操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6の状態に応じた、操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6から右サイドミラーに対応するモータM1、M2への出力により、モータM1、M2に対して直接通断電して、モータM1、M2を駆動させることができる。つまり、操作ノブ1、21と電気スイッチSa〜Sd、Sx、Sy、S1〜S6の状態に応じたマイコン102、106の制御によりモータM3、M4を駆動させ、かつ操作ノブ1、21と電気スイッチSa〜Sd、Sx、Sy、S1〜S6の状態に応じてモータM1、M2を駆動させることができる。このため、操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6とモータM1、M2とを接続するハーネス、操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6からマイコン102、106に対する入力信号線L1〜L3、マイコン102、106から駆動回路103、107に対する出力信号線L4、およびマイコン102、106の端子の本数をそれぞれ減少させることができる。
そしてその結果、スイッチ装置100のコストと組み立て工数の減少化を図り、かつマイコン102、106のサイズと実装スペースを小さくして、スイッチ装置100および該スイッチ装置100を設けるスイッチモジュール104のサイズの小型化を図ることが可能となる。また、従来のモータ直切方式の回路の一部を変更して、マイコン102、106を実装すればよいので、該回路の大幅な変更が不要となる。また、マイコン102、106の端子数の減少により、チャタリングやノイズや半田付け不良等の不具合が生じ難くなり、スイッチ装置100の製造の信頼性を向上させることができる。また、マイコン102、106への入力信号線数の減少により、マイコン102、106の処理速度と能力を向上させることができる。さらに、マイコン102、106に各電気スイッチSa〜Sd、Sx、Sy、S1〜S6が正常に作動するか否かをチェックするための自己診断機能(プログラム)を組み込むことができ、メーカやディーラ等での車両検査の際に、操作ノブ1、12を操作することなく、各電気スイッチSa〜Sd、Sx、Sy、S1〜S6の作動確認と故障診断を容易に行うことが可能となる。
また、自動車の運転席側のドアに、右サイドミラーに対応するモータM1、M2およびスイッチモジュール104を実装し、助手席側のドアに左サイドミラーに対応するモータM3、M4および駆動回路103、107を実装することで、左右の各ドアに実装されたハーネスを接続するために中央の車体に実装するハーネスの本数を減少させることができる。そしてこの結果、ハーネス本数の減少により、自動車の組立工程におけるドア艤装の際に、ドアに実装されたハーネスと車体に実装されたハーネスの接続のための作業工程を減少させることが可能となる。さらに、ハーネス接続部の減少により、組立後のハーネス接続部への水等の浸入によるリークや断線等の故障リスクを減少させることが可能となる。
また、操作方向切替スイッチSa〜Sd、S1〜S3と操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6の切り替わり状態に応じて、操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6とマイコン102、106とを接続する3本の信号線L1〜L3の電圧レベルが異なる状態に変化するので、該電圧レベルの状態に基づいてマイコン102、106で左サイドミラーに対応するモータM3、M4を駆動回路103、107を介して駆動することができる。また、操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6からマイコン102、106に対する入力信号線が3本でよいので、マイコン102、106の端子数を減少させ、コスト削減を図ることができる。また、図7に示したように操作方向切替スイッチSa〜Sdを4接点方式にした場合は、抵抗R1、R2という安価な電子部品を制御回路101、105の操作対象切替スイッチSx、Sy、S4〜S6とマイコン102、106の間に2つ追加するだけでよいので、制御回路101、105を大幅に変更する必要がなく、コストを低く抑えることができる。さらに、図6Aと図8Aとの対比からわかるように、操作方向切替スイッチS1〜S3を3接点方式(図9)にするより、操作方向切替スイッチSa〜Sdを4接点方式(図7)にする方が、接点構成および構造が単純で、部品点数が少なく、コストと組み立て工数の減少化を図ることができる。
本発明は、以上述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、スイッチ装置100の各部の設置数は、以上の実施形態で述べた数に限定するものではなく、これ以外の数(1つまたは複数)にしてもよい。また、各サイドミラーに対応するモータの設置数も、以上の実施形態で述べた数に限定するものではなく、これ以外の数(1つまたは複数)にしてもよい。
また、以上述べた実施形態では、本発明を、自動車のサイドミラーの視角調節用のスイッチ装置100に適用した例を挙げたが、本発明は、これ以外の複数の被駆動操作体の複数方向への駆動操作用のスイッチ装置にも適用することが可能である。