JP4915873B2 - 光通信システムおよび送信器 - Google Patents

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本発明は、上り信号変調用であり且つ複数光周波数チップからなる下り供給光を、供給側から光伝送路を経由して被供給側に伝送し、該被供給側で、前記供給光を使用して上り信号で用いる符号で符号化および上り伝送データによる変調を行って上り信号光を作成し、該上り信号光を前記供給側に前記光伝送路を経由して伝送し、前記供給側において前記上り信号光を受信する光通信システムに関わり、特に、上記下り供給光を、光伝送路の分散による位相遅延のモニタ光として使用して、上り信号光の位相ずれを補償する光通信システム、および該システムに使用する送信器に関するものである。
光ファイバ通信では、伝送路分散による伝送距離等の制限が発生する。特に互いの位相関係が通信品質に影響しうる複数の光からなる信号光を送受信する光ネットワークでは、信号光の使用するスペクトル幅が広く、伝送路分散の影響が無視できない。そのようなネットワークとして例えば、複数光周波数を単一の送信器で用い、それぞれの位相関係を保持すべき搬送波位相同期WDM(非特許文献1)や、スペクトル領域で符号化する光CDMがある。この影響は、異なる伝送路を経由し、異なる伝送路分散の影響を被った複数信号光が同一の伝送路に合流するPONのようなネットワークで、特に問題となる。そのため、伝送路分散の補償が必要となる。
特に分散補償の必要性の大きい、スペクトル領域位相符号化光CDM(非特許文献2)や、ホモダイン検波やヘテロダイン検波等のコヒーレント受信を適用したスペクトル領域光CDM(非特許文献3)を行う構成などがある。以降は、後者を例にとって説明を続ける。
非特許文献3の方式は、スペクトル領域符号化光CDMの信号光間のビート雑音による多重数制限を改善するための方式である。この方式では、他符号信号光に起因する自符号信号光への多元接続干渉(以下、MAIと呼ぶ)を抑止する観点から、信号光を構成する各光周波数チップの間の光周波数差が均一で、位相が信号光毎に均一である必要がある。均一でないと、MAIが無視できなくなる。例えば、一部の光周波数チップの周波数間隔がずれたり、絶対周波数自体がずれたりしていると、そのずれた光周波数チップの成分がコヒーレント検波によって受信する帯域外となって、フィルター等により切り捨てられることになるからである。
スペクトル領域符号化光CDMでは、全光周波数チップの出力を加減算することで直交性を保っているので、一部の光周波数チップが加減算の対象外となると直交性を保てなくなる。例えば、符号長Nのアダマール符号の場合、1の値のチップ数がN/2であり、1チップの周波数ずれによる切り捨てにより、最悪2/NのMAIが発生することになる。同様に1チップのみ位相が半周期ずれると、最悪4/NのMAIが発生することになる。従って、周波数ずれと位相ずれの抑制が肝要である。
信号光の周波数間隔と絶対光周波数を制御する方法として、PONシステムでは、局内装置であるOLT(Optical Line Terminal)からユーザ宅内装置であるONU(Optical Network Unit)に設置する信号光源に対して注入同期をかけるための構成等が提案されている。しかし、位相に関しての検討はされていない。
ここで、位相回転の例について説明する。光源におけるn(n=0〜N−1)番光周波数チップEsn’は、以下とする。
Esn’=Escos[2π(f+nF)t+θs]
ここで、Esは強度、fは0番光周波数チップの光周波数、Fは隣接光周波数チップとの光周波数チップ間隔、tは時間、θsは信号光源における初期位相で、全光周波数チップで同一とする。すると、受信端におけるn番光周波数チップは以下となる。
Esn=Escos[2π(f+nF)(t-τn)+θs]
ここで、τは受信端におけるn番光周波数チップの0番光周波数チップに対する伝搬遅延差を意味する。
複数の光周波数チップを中間周波数fIFだけ異なる局発光で受信することを想定する。局発光源のn番光周波数チップElnは、以下とする。
Eln=Elcos[2π(f+fIF+nF)t+θl]
ここで、Elとθlは局発光の強度と初期位相で、全光周波数チップで同一とする。以上の両者EsnとElnの中間周波数信号Isnは、以下となる。
Isn=REsElcos[2πfIFt-2π(f+nF)τn+θs-θl]
ここで、Rは変換効率を意味する。したがって、0番光周波数チップに対するn番光周波数チップの伝播遅延差τnと位相差Θnは、以下となる。
τn=nFDL
Θn=2π(f+nF)τn=2π(f+nF)nFDL
ここで、Dは光周波数差に対する分散量、Lは伝播距離である。
0番光周波数チップの光周波数fが193.4THz(〜1550nm)、分散量Dが0.136ps/km/GHz(17ps/km/nm÷125GHz/nm)、伝播距離Lが20km、光周波数チップ間隔Fが10GHzとすると、0番光周波数チップに対する31番光周波数チップの伝搬遅延差τ31と位相差Θ31は、それぞれ以下となる。
τ31=31×10(GHz)×17(ps/km/nm)/125(GHz/nm)×20(km)=843.2(ps)
Θ31=2π×1.63×1017
したがって、位相差が1.63×1017回転となる。したがって、分散により中間周波数における全光周波数チップの位相差が不均一となることは明らかである。このため、位相補償が必要となる。
次に、位相補償の要求条件の例について示す。例えば、アダマール符号で、符号長Nが32、31符号同時通信、位相差が均等分布と仮定する。この場合に、位相差ずれによって発生したMAIをBERが10-9(図10)を満たす程度に抑えるためには、中間周波数における位相差は数%以下に抑える必要がある。
しかしながら、現状の補償器は、例えば遅延のリップルとして5ps程度が実力である(非特許文献4)。この値は、例えば、中間周波数が2.5GHzとすると、その中間周波数における位相回転の差は、
2πΔft=2π×2.5(GHz)×5(ps)≒0.08回転
となり、中間周波数の位相回転でみても、その補償の滑らかさとしては不十分である。このリップルによる結果と、要求される位相回転のばらつきを比較すると、現状の補償器の構成で、複数光周波数チップを一括してかつ位相差を考慮して位相補償することは困難であることが明確である。従って、光周波数チップ毎に、位相回転を考慮して位相補償量を調整する必要がある。
位相補償器の配置形態としては、図8(a)に示すように、重畳した複数の信号光を受信する受信器200側に位相補償器230を配置する例と、図9(a)に示すように、個々の送信器100側に位相補償器140を配置する例が考えられる。なお、図8(a)、図9(a)において、110は光源、120は符号器、130は変調器、210は光受信器、220は位相補償量検出器である。PONシステムに対応させると、送信器100がユーザ宅内装置ONUの一部に、受信器200が局内装置OLTの一部に対応する。そして、k個の送信器100と1個の受信器200は光ファイバ300と光スプリッタPSによって接続されている。ここで、1個の受信器200には、各上り信号光に対応する複数の上り信号光受信器を含むが、単純化のためここでは、1つの上り信号光受信器として表している。この内、重畳した複数の信号光を受信する1個の受信器200側に位相補償器230を配置する図8(a)に示す構成が、装置価格の低減の観点からは望ましい。しかし、位相差ずれのMAIに対する許容度を考慮すると、適切な補償となる解が存在しうる位相補償範囲は著しく小さいものと想定される。ここで、1個の受信器200は1個の上り信号光受信器からなるとしているので、位相補償器230は1つであるが、全上り信号光受信器で1つの位相補償器230と考えても、各上り信号光受信器毎に1個の位相報奨器230と考えても、同様である。
ここで、図8(a)に示す構成によって、重畳後に受信器200の側で補償する場合の問題点について説明する。スペクトル領域符号化光CDMでは、同一光周波数のチップを複数(図8(a)ではk個)の信号光で共用する。符号長Nのアダマール符号(光周波数チップの数がN)、全符号使用を想定すると、(N−1)の信号光の重畳によって、チップ毎に平均(N−1)/2符号からの光が重畳することになる。このため、受信器200の側で複数の信号光を重畳した後で位相補償するためには、光周波数チップ毎に異なる遅延を被った平均(N−1)/2符号の光に対して適切な補償を施すことが必要となる。
しかし、重畳した後の同一光周波数の光周波数チップを、信号光毎に独立に位相補償することはできないため、Nの自由度でN(N−1)/2、マーク率1/2を想定した場合でも、N(N−1)/4の光周波数チップの遅延を調整することとなる。このようなことは、各パラメータの従属度にもよるが、一般的に困難である。
例えば、全光伝送路から到着する全信号光の強度が受信器200の側で一定であり、全光伝送路の分散特性が各光周波数チップに対して単位距離当り同一かつ線形に近似できる特性であり、全送信器までの距離が均等に分布している場合では、全補償量としては、図8の(b)に示すように、概ね平均として遅延量が一定で、全信号光のMAIが最小となるように補償することになる。しかしながら、この位相補償の場合、個別の信号光(#1,#2,・・・,#k)で見れば、明らかに光周波数チップの位相が回転している状況にある。
次に、図9(a)に示す構成によって、送信器100の側で位相補償する場合の問題点について説明する。送信器100の側で位相補償する場合、図9(b)に示すように、各光周波数チップの遅延をリップル残り程度に抑えることができる。しかし、ピコ秒以下の精度で光伝送路の分散量を伝送後の受信器200の側で検出して、それを送信器100の側にリアルタイムに通知する必要がある。例えば、冬季での冠雪や日射を考慮すれば、架空ケーブルの1日の温度変化幅としては70℃程度を見込む必要があり、この場合、石英の熱膨張係数5×10-7(ps/nm/km/T)、線路長20kmの例では、群遅延量は8ps近く変動するので、図10に示すようにBER=10-9相当のSNRさえも下回る。このため、リアルタイムにモニタする必要がある。
しかし、リアルタイムに通知して補償量を制御するためには、何らかの通信プロトコルが必要であるし、また、制御遅延により制御が収束しない可能性がある。更に、送信器100の側で位相補償するにしても、そのための位相補償量の検出は、受信器200の側で行わなければならないため、N個の光周波数チップの情報にて、N(N−1)/4の光の遅延をピコ秒以下の精度で検出する必要があり、情報が少ないために一部の信号光のみわずかに位相差が発生している場合を除いて、検出できる保証はない。
また、送信側で位相補償を行う例として、非特許文献5に記載があるが、そこには要求される精度で補償すべき分散量を設定する測定手段は開示されていない。分散量の測定は受信側で行わざるをえない。簡易な方法として、例えば、B−PON等で用いられている距離測定用のレンジング値を受信側のOLTから通知させ、送信側のONUで設定することが想定されるが、この方法では所定の精度を満たさず、また温度変動等による影響に適応して位相補償を行う適応等化ができない。
山崎悦史他、「搬送波位相同期WDMによるチャネル間非線形クロストーク補償法(1)」、2006年、電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−10−60 Ryab p.Scott,"80.8-km BOSSNET SPECTS O-CDMA Field Trial Using Subpicosecond Pulses and a Fully Integrated,Compact AWG-Based Encoder/Decorder",IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL.13,NO.5,pp.1455-1462,SEPTEMBER/OCTOBER 2007 金子慎 他、「ビート雑音抑圧と高周波数利用効率を実現する光OFCDM方式の提案」、電子情報通信学会総合大会、B−10−23、2007年。 山内康寛 他、「VIPA型可変位相補償器」、電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、BCS−2−2、2007年、9月。 小林秀幸 他、「時間拡散/波長ホップ式光CDM用位相補償方式の検討」、電子情報通信学会総合大会、B−10−74、2005年。
従来では、コヒーレント検波を適用したスペクトル領域符号化光CDMシステムにおいて、信号光の各光周波数チップの間の位相差を揃え、分散をピコ秒以下の精度で遅延差を抑えることを可能としたものは現存しない。
本発明の目的は、上記した問題を解決した光通信システムおよび送信器を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、複数の光周波数チップからなる供給光を、供給側から光伝送路を経由して被供給側に伝送し、該被供給側で、前記供給光を使用して符号化および伝送データによる変調を行って信号光を作成し、該信号光を前記供給側に前記光伝送路を経由して伝送し、前記供給側において前記信号光を受信する光通信システムであって、前記供給光は、前記供給光の前記光伝送路内からの反射光と前記信号光が前記供給側に入力されたときに、前記反射光は前記信号光と相殺して前記信号光の受信に概ね影響を与えない光であり、前記光伝送路の分散による前記供給光の前記光周波数チップ間の位相ずれから位相補償量を前記被供給側で検出する位相補償量検出器と
位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき、前記信号光の位相ずれが前記供給側での受信時に概ね零となるように予め前記被供給側で位相補償する位相補償器とを備える、ことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の光通信システムにおいて、前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往復分の位相補償を行い、前記位相補償量検出器は、前記供給光の前記被供給側における位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、ことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の光通信システムにおいて、前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行うとともに前記信号光に前記光伝送路の復路分の位相補償を行い、前記位相補償量検出器は、前記供給光の前記被供給側における位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、ことを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の光通信システムにおいて、前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行う第1の位相補償器と、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記信号光に前記光伝送路の復路分の位相補償を行う第2の位相補償器とからなり、前記位相補償量検出器は、前記供給光の前記被供給側における位相ずれが概ね零となるように前記第1の位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、ことを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項2の前記位相補償器、請求項3の前記位相補償器、又は請求項4の前記第2の位相補償器は、前記符号化も行うことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、供給側から光伝送路を経由して供給された複数の光周波数チップからなる供給光を使用して符号化および伝送データによる変調を行って信号光を作成し前記光伝送路に出力する送信器において、前記供給光は、前記供給光の前記光伝送路内からの反射光と前記信号光が前記供給側に入力されたときに、前記反射光は前記信号光と相殺して前記信号光の受信に概ね影響を与えない光であり、前記光伝送路の分散による前記供給光の前記光周波数チップ間の位相ずれから位相補償量を検出する位相補償量検出器と、該位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき、前記信号光の位相ずれが前記供給側での受信時に概ね零となるように予め位相補償する位相補償器とを備える、ことを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の送信器において、前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往復分の位相補償を行い、前記位相補償量検出器は、前記供給光の位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、ことを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項6に記載の送信器において、前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行うとともに前記信号光に前記光伝送路の復路分の位相補償を行い、前記位相補償量検出器は、前記供給光の位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、ことを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項6に記載の送信器において、前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行う第1の位相補償器と、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記信号光に前記伝送路の復路分の位相補償を行う第2の位相補償器とからなり、前記位相補償量検出器は、前記供給光の位相ずれが概ね零となるように前記第1の位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、ことを特徴とする。
請求項10にかかる発明は、請求項7の前記位相補償器、請求項8の前記位相補償器、又は請求項9の前記第2の位相補償器は、前記符号化も行うことを特徴とする。
本発明によれば、上り信号光に用いる下り供給光を上り信号光と同一の光伝送路を経由して被供給側に供給し、上り信号光と同一の光周波数である下り供給光の分散による位相ずれがなくなるように補償量を被供給側で求めて、上り信号光の分散による位相ずれを被供給側で予め補償するので、上り信号光の各光周波数チップの分散による位相ずれを所定の精度で抑えることが可能となる。
本発明は、OLT等の一部を構成する受信器等の供給側(以下、「受信器」とよぶ)から、ONU等の一部を構成する送信器等の被供給側(以下、「送信器」とよぶ)に対して、光伝送路を介して上り信号変調用下り供給光(以下、「供給光」とよぶ)を伝送し、その供給光を上り信号光(以下、「信号光」とよぶ)の光伝送路での分散のモニタ光として用い、送信器側において、信号光の位相ずれを補償するための補償量を求め、求めた補償量に応じて、送信器側に設置した位相補償器によって、信号光の位相補償を行い、供給光と同一の光伝送路を介して、受信器側に伝送するものである。
<実施例1>
図1に実施例1のスペクトル領域符号化光CDM光通信システムの構成を示す。送信器100は、信号光用の変調器130、位相補償量検出器150、符号器兼用位相補償器160を備える。また、受信器200は、信号光の復号受信用の光受信器210、および供給光用の光源240を備える。300は光伝送路としての光ファイバ、SCは光サーキュレータ、PSは光スプリッタである。なお、受信器200には送信器100の数に応じた複数の光受信器が装備されるが、ここでは1個のみを示した。また、光サーキュレータSCは光ファイバに入出力する光を合分波できればよいので、光スプリッタ等でもよい。
ここで、送信器100の符号器兼用位相補償器160は、特定の光周波数チップを反射するBG(Bragg Grating)を光ファイバの長手方向に直列に焼き込んだFBG(Fiber Bragg Grating)を前提としているが、それ以外の符号器兼用位相補償器であってもよい。位相補償量検出器150では、符号器兼用位相補償器160が光ファイバの長手方向にBGが分散配置されているために、符号器兼用位相補償器160自体で発生する光周波数チップ間の遅延を補償するためのFBGからなる復号器151、差動光検波器152、バンドパスフィルタ153、および強度最大化器154により構成される。ここで、復号器151は符号器兼用位相補償器160自体が発生する分散(遅延)のみを零にするので、FBGのような光周波数チップ間で遅延が発生しない符号器兼用位相補償器を用い、時間領域の符号化を行わない場合は不要である。
受信器200の光源240で生成された異なる光周波数の複数の光周波数チップからなる供給光は、受信器200と送信器100とを結ぶ光ファイバ300を経由して、送信器100に到着する。到着した供給光は、符号器兼用位相補償器160により、各光周波数チップの位相ずれが光受信器210においてなくなるように位相補償されるとともに、自符号による符号化が行われる。そして、変調器130でのデータ信号による変調が行われた後に、光ファイバ300から、受信器200に送信され、光受信器210で受信される。
なお、受信器200自体に供給光源240を具備させる代わりに、他装置から受け取った光を供給光として送信器100に受け渡す構成であってもよい。また、符号器兼用位相補償器160は、送信器100内ではなく、光ファイバ300上で信号光同士を多重する光スプリッタPSよりも送信器100側であれば、光ファイバ300の途中に配置していてもよい。
本実施例では、複数の光周波数チップから構成される供給光は、受信器200から送信器100に伝送される際に、光ファイバ300及び符号器兼用位相補償器160にて分散を与えられる。このとき、各光周波数チップは、複数の送信器100から1個の受信器200に向けて送られる、複数の信号光が多重化されて同一の光周波数チップに複数の光が重畳したものではない。つまり、供給光には同一光周波数の光周波数チップは重畳していない。そのため、供給光の光周波数チップ数分の情報を用いて、位相補償量検出器150で、それと同じあるいはそれ以下の数の光周波数チップの遅延情報を導出することができ、制御自由度と同じ数の遅延量を検出・制御すればよいので、それぞれの光周波数チップの分散を最適に補償することが可能となる。
ここで、復号器151は、単に符号器兼用位相補償器160自体の構造上発生する符号化に伴う光周波数チップ間の遅れを補正するための復号器であり、全光周波数チップを反射するので、差動光検波器152は通常の強度符号化の場合と異なり、反射光のみを受信する光検出器としてもよい。また、符号によっては隣接光周波数チップが無い場合があるので、光周波数チップ間隔に加えて、その倍周波数成分の最大化を図ることが望ましい。もっとも望ましいのは、全光周波数チップの位相が揃い、供給光のパルス強度が最大化するように制御することである。なお、この場合、復号器151を除く位相補償量検出器150の構成は、図1の構成と異なり、実施例4のパルス高を最大化する構成等となる(不図示)。また、後述の他の実施例に示す構成であってもよい。
本実施例では、送信器100に入力された供給光と出力する信号光とで合わせて唯一度位相補償器160を経由するため、光ファイバ300の片道分の位相ずれαの倍の位相補償量−2αとなるように設定して、位相補償量の設定が完了する。このように過剰な位相補償を行うので、送信器100内では光周波数チップの時間がずれているため、変調器130としては、この時間的にずれた光周波数チップを変調できるものを使用する。このように、本実施例では、補償量の設定を分散零の最適値の2倍に設定するため、分散設定精度が補償可能な精度の制限要因となる。
ここで、復号器151での補正の例を説明する。例えば、光周波数チップがF1〜F8で示す8個であり、符号が「10101010」であるとすると、BGがチップF1,F3,F5,G7の順で並び片道の伝搬遅延が10msの間隔で配置されている場合では、F1のチップを基準として、F1=0ms、F3=20ms、F5=40ms、F7=60msの往復の伝搬遅延が乗ることになる。このため、チップ同士が外れてしまい、一旦相対遅延を揃える必要がある。
そこで、復号器151ではBGを逆の順番で並べる。つまり、F1のチップを基準とすると、F1=0ms、F3=−20ms、F5=−40ms、F7=−60msの反射となる復号器にする。なお、F1=0ms、F2=−10ms、F3=−20ms、F4=−30ms、F5=−40ms、F6=−50ms、F7=−60ms、F8=−70msの反射となるようにしてもよい。復号器151は、光伝送路分散が零のときに符号器兼用位相補償器160自体で発生する光周波数チップ毎の伝搬遅延差を補償する。
なお、本実施例では、他の送信器100への悪影響を防止する観点から、位相補償量の設定が完了するまでは、信号光の送出は停止する。また、本実施例では、符号器を兼ねる位相補償器160を使用するので、位相補償量検出器150に復号器151を備えているが、その位相補償器160を位相補償器と符号器に分割し、その分割した符号器で符号化する前の供給光を用いて位相補償量検出を行う場合には、復号器151は設ける必要がない。
本実施例は、通信に使う光周波数で分散を測定するので、位相補償器のリップルの影響無しに測定することができる。しかも、信号光に、伝送品質に影響を与える微小変調等を加えないでよい。また、送信側で測定するので、他ユーザ信号光の測定への影響や、他ユーザ信号光の品質劣化の恐れがなくなる。また、信号光の受信側から信号光を伝送する光伝送路を伝送された、供給光を用いて分散量を測定する。そのため、本実施例では、従来例と異なり、位相補償量の測定時に自信号光の通信は遮断となるが、他信号光を断にする必要は無い効果がある。
<実施例2>
図2に実施例2のスペクトル領域符号化光CDM光通信システムの構成を示す。送信器100は、符号器120、変調器130、位相補償量検出器150A、および位相補償器160Aを備える。また、受信器200は、信号光の復号受信用の光受信器210、および供給光用の光源240を備える。300は光伝送路としての光ファイバ、SCは光サーキュレータ、PSは光スプリッタである。なお、受信器200には送信器100の数に応じた複数の光受信器が装備されるが、ここでは1個のみを示した。また、光サーキュレータSCは光ファイバに入出力する光を合分波できればよいので、光スプリッタ等でもよい。
送信器100の位相補償器160Aは、供給光用と信号光用の一組の同じ特性の位相補償器164,165から構成される。この位相補償器164,165は、図1と同様にFBGの位相補償器とした。本実施例では、位相補償量検出器150Aで位相補償器164を出力する供給光の位相ずれが零となるようにして検出した位相補償量に応じて、供給光を位相補償器164で位相補償し、信号光を位相補償器165で予め位相補償する。位相補償器164,165が同じ特性であるので、同じ位相補償量を設定することで、同一の位相補償が行われる。信号光の位相補償の精度は、位相補償器間の機差によって制限される。
本実施例では、供給光に対する伝送路分散の影響を補償するように設定することで測定された補償量と同じ補償量を、信号光用の位相補償器165に設定すればよいので、補償値を決定する際に信号光を停止させる必要がなく、インサービスで分散の変動にリアルタイムで追従することができる。また、実施例1と異なり、変調前に遅延差が零となっているため、通常の符号器120、変調器130を使える。
なお、図2では、同一特性の位相補償器164,165として、入力光と出力光が同一ポートから入出力し、順方向および逆方法の入出力光を分離できないFBGタイプを使用しているが、順方向および逆方向の入出力光を分離できる位相補償器(例えば、1組のAWGと両AWGの各ポートを接続する遅延線又は位相シフタからなる位相補償器、ラティスフィルタ型位相補償器、FIRフィルタ型位相補償器、その他)でも使用できる。
<実施例3>
図3に実施例3のスペクトル領域符号化光CDM光通信システムの構成を示す。送信器100は、変調器130、位相補償量検出器150A、および位相補償器160Bを備える。また、受信器200は、信号光の復号受信用の光受信器210、および供給光用の光源240を備える。300は光伝送路としての光ファイバ、SCは光サーキュレータ、PSは光スプリッタである。なお、受信器200には送信器100の数に応じた複数の光受信器が装備されるが、ここでは1個のみを示した。また、光サーキュレータSCは光ファイバに入出力する光を合分波できればよいので、光スプリッタ等でもよい。
送信器100の位相補償器160Bは、供給光の位相補償を行う位相補償器166、信号光の符号化を行うとともに位相補償を行う符号器兼用位相補償器167からなる。位相補償器166,167は特定の光周波数チップを反射して反射する光周波数チップに同じ位相補償量を付与するための同一光周波数チップを同一の特性で反射するFBGタイプである。
本実施例でも、位相補償量検出器150Aで検出した位相補償量に応じて、供給光を位相補償器166で位相補償し、それに要した位相補償量と連動して、信号光を位相補償器167で位相補償すると同時に符号化する。位相補償器166,167が同じ特性であるので、同じ位相補償量を設定することにより、同一の位相補償が行われる。このように、測定された位相補償量によって両位相補償器166,167に同じ設定値を設定すればよいので、上り信号光を停止させる必要がなく、リアルタイムで位相補償を行うことができ、図2の実施例2と同様な効果がある。
<実施例4>
図4に実施例4のスペクトル領域符号化光CDM光通信システムの構成を示す。送信器100は、符号器120、変調器130、位相補償量検出器150A、および位相補償器160Cを備える。また、受信器200は、信号光の復号受信用の光受信器210、および供給光用の光源240Aを備える。300は光伝送路としての光ファイバ、SCは光サーキュレータ、PSは光スプリッタである。なお、受信器200には送信器100の数に応じた複数の光受信器が装備されるが、ここでは1個のみを示した。また、光サーキュレータSCは光ファイバに入出力する光を合分波できればよいので、光スプリッタ等でもよい。
受信器200の光源240Aで生成された複数の光周波数チップからなる供給光は、受信器200と送信器100とを結ぶ光ファイバ300を経由して、送信器100に到着する。到着した供給光は、位相補償器160Cにより、各光周波数チップの位相ずれを補正するように位相補償される。この位相補償された供給光を光源として、符号器120での自符号による符号化、変調器130でのデータ信号による変調が行われた後に、位相補償器160Cで、到着した供給光と同じ伝送路分散の影響を補償する位相補償が行われ、光ファイバ300から、受信器200に送信され、光受信器210で受信される。ここで、受信は直接検波でもよく、局発光を用いたコヒーレント検波でもよい。
以下、コヒーレント検波を前提に続ける。そのとき、受信器200の光源240Aは、コヒーレント検波を用いたスペクトル領域符号化光CDMに要求される各光周波数チップ間の位相に相関のある光源である。このような光源240Aとしては、モードロックレーザや変調サイドバンドを用いた光源等が使用できる。なお、受信器200自体に供給光源240Aを具備させる代わりに、他装置から受け取った光を供給光として送信器100に受け渡す構成であってもよい。また、位相補償器160Cは、送信器100内ではなく、光ファイバ300上で信号光同士を多重する光スプリッタPSよりも送信器100側であれば、光ファイバ300の途中に配置していてもよい。また、符号器120と変調器130の並びの順番は逆であってもよいし、符号器120と変調器130が一体となっていてもよい。
本実施例では、複数の光周波数チップから構成される供給光は、受信器200から送信器100に伝送される際に、光ファイバ300および位相補償器160Cにて分散を与えられる。ここで、受信器200から送信器100に供給される供給光は、複数の送信器100から受信器200に向けて伝送される信号光と異なる。すなわち、複数の信号光に含まれる同一の光周波数の光周波数チップを重畳したものではない。つまり、各光周波数チップは単一の光からなる。そのため、供給光の光周波数チップ数分の情報を用いて、位相補償量検出器150Aで、それと同じあるいはそれ以下の数の光周波数チップの遅延情報を検出することができ、制御自由度と同じ数の遅延量を検出・制御すればよいので、それぞれの光周波数チップの分散による位相ずれを最適に補償することが可能となる。
例えば、符号長Nのアダマール符号でN−1符号を使用するとき、受信器200の側で補償しようとする(図8参照)と、各光周波数チップは、それぞれ平均で(N−1)/2の光が重畳し、全体でN(N−1)/2の光の遅延を補償しなければならない。マーク率1/2と想定しても、N(N−1)/4の光の遅延を補償しなければならない。しかし、本実施例では、送信器100毎にそれぞれN/2チップの位相ずれを個別に補償すればよい。また、位相補償量の検出と位相補償制御を送信器100の側で行うので、受信器200の側で検出して、送信器100の側で補償する(図9参照)ために発生する制御遅延や、ある種の制御情報を通信により伝達するための送信器100と受信器200との間の通信プロトコルも不必要である。この効果は、本発明の実施例1〜3に同じである。更に、本実施例の位相補償では、光周波数チップ毎の位相ずれも加味して補償する。
以下に、位相補償量検出器150Aにおける位相補償量の検出方法を説明する。1つの方法は、光検波後の電気信号に含まれる光周波数チップ間隔(最小間隔の周波数又はその整数倍)に対応するビート信号の周波数成分が最大化する位相補償量を検出する方法である。ここで、i番光周波数チップの電界、光周波数、位相をEi、fi、θiとし、i番光周波数チップをEicos(2πfi+θi)、光周波数チップ数をN、光周波数チップ間隔をF、光周波数チップの偏波は同一とすると、光検波後の電気信号に含まれる隣接する光周波数チップ同士のビート信号は、Ejをj番光周波数チップの電界とすると、
ΣΣREiEjcos[2πFt+(θi-θj)]
と表すことができる。ここで、Rは変換効率を意味する。従って、光周波数チップ間隔Fの成分は、位相差「θi−θj」が零のときに最大となるので、位相差「θi−θj」が零となるように調整すれば、ビート信号が最大となる。光周波数チップ間隔Fの成分の取り出しは、バンドパスフィルタ等を用いることで可能である。
他の方法は、供給光の各光周波数チップと所定の周波数(零を含む)だけ異なる各光周波数チップで且つ位相に相関性のある光周波数チップを出力する局発光源を送信器100に具備して、コヒーレント検波し、その出力が特定の値、例えば最大となる位相補償量を検出する方法である(図示せず)。なお、この方法の変形として、上記局発光源の代わりに、単一光周波数の光を出力する局発光源を用いてコヒーレント検波してもよい。この場合は、局発光源の出力光と供給光の各光周波数チップとの光周波数差の中間周波数信号が光周波数チップ数分だけ得られるので、それぞれの光周波数チップに応じた周波数成分を特定の値にするように制御すればよい。各光周波数チップの強度が信号光と局発光のそれぞれで等しい場合は、各成分の強度が均等になるようにすればよい。制御しやすい値としては、均等に最大化や最小化を行うのがよい。また、上記同様に、光周波数チップ間のビット信号が最大化するように制御してもよい。コヒーレント検波で位相が揃っていることを検出する観点からは、これらのコヒーレント検波を用いる方法が適しているが、それ以外の方法を用いても良い。例えば、各光周波数チップの位相が同期して供給光がパルス化しているのを利用して、パルス高を最大化してもよい。パルス高が最大化していることを検出するためには、例えばTPA(二光子吸収)デバイス等の非線形デバイスを用いればよい。また、供給光を二分岐して、逆の分散の媒質をそれぞれ通過後の光検出値の差が最小化するようにしてもよい。
供給光は、送信器100に固有の自符号に符号化する符号器120と送信するデータ系列に従って変調する変調器130とを経由して信号光になった後に、位相補償器160Cに入力する。ここで、供給光を構成する各光周波数チップは、各信号光を復号して受信する受信器200の光受信器210で受信した際に概ね直交(強度領域符号化であれば、供給光を受信した際の差動光検波器の出力が十分零に近い)している。つまり、送信器100での符号化に用いる符号の、受信器200で受信した際に概ね直交する光周波数チップの組である。各送信器100には、それぞれ異なる符号を割り当てる。複数の又は単一の送信器100に複数の符号を割り当てる場合は、複数の符号同士もそれぞれ光周波数チップを符号化した際に互いの符号の受信器200で受信して概ね直交する符号を構成する光周波数チップである。例えば、供給光が「1111」の4チップからなる場合は、送信器100での符号化符号として「1100」や「1010」、又は「0011」や「0101」を用いればよい。供給光の各光周波数チップを上記のようにすることで、受信器200から送信器100に送信される供給光と送信器100から受信器に送信される信号光とによる、上り下り光伝送路の共有により発生する、供給光の反射に対する信号光の耐性を確保できる。
供給光に符号化とデータ変調を施した後の信号光は、供給光を位相補償した位相補償器160Cと光ファイバ300を経由して受信器200に到着する。光ファイバ300と位相補償器160Cによる分散は、光の進む向きに寄らないため、信号光を構成する各光周波数チップも受信側で位相が揃うこととなる。
局発光を用いたコヒーレント検波のような、局発光と信号光を構成する各光周波数チップ間の位相差ずれの許容度を満足するために、本実施例では、位相補償器160Cとして、供給光と信号光を互いに分離できる形で伝播し、それぞれに同一値の位相補償を行う位相補償器を用いる。
具体的には、一組の入出力ポートを有し、入出力ポート1から入力した光は入出力ポート2から出力し、入出力ポート1への出力は無視できる程度に小さく、入出力ポート2から入力した光は入出力ポート1から出力し、入出力ポート2への出力は無視できる程度に小さい位相補償器であり、どちらの方向の入力に対しても同値の補償を付与するような位相補償器である。例えば、このような位相補償器としては、供給光および信号光をそれぞれ光周波数毎に合分波するAWG等の光合分波器を対向させ、同一の光周波数チップに対応する出力同士を光遅延線や光位相シフタで接続したものである。以下、本発明では、このようなタイプの位相補償器を透過型の位相補償器と呼ぶことにする。ここでは、光遅延線や光位相シフタの遅延量や位相量を制御することで位相補償を行う。位相補償器160Cの設定は、供給光が送信側で位相ずれが概ね零となるように設定する。
本実施例は、供給光が送信側で位相ずれが概ね零となるように補償量を設定するので、微小変調等のデータ伝送から見ると雑音となるモニタ用の信号を用いる必要がない。実施例1と異なり、データ伝送を中止することなく、インサービスでリアルタイムに補償量を検出・設定できる。実施例2,3と異なり、複数の位相補償器をセットで使わずに、同一の位相補償器を用いることで、位相補償器間の機差の影響を抑止し、位相補償器のリップルまで加味した補償が可能となる。また、位相補償器が1台で済む効果がある。
このように、本実施例では、符号の直交性を用いて、供給光の反射に対する信号光の耐性を保持することができ、供給光と信号光を同時に逆方向に伝送できるので、トレーニング等の通信途絶をすることなく、データ送信と同時にリアルタイムで分散による位相ずれを補償できる。また、信号光として使用する光周波数チップと同じ光周波数の光周波数チップの供給光を用いて位相ずれをモニタし、位相ずれが零に近づくようにフィードバック制御して補償するので、信号光と違う光周波数を用いてモニタする場合と異なり、位相補償器160Cに数ピコ秒オーダの光周波数に対するリップルが存在していても、その影響を受けずに、ピコ秒オーダ以下の精度で位相調整量の検出と対応する設定が可能となる。また、供給光と信号光が共通の位相補償器160Cで位相補償されるので、供給光と信号光を別々の位相補償器で位相補償する場合に比べて、機差による影響を受けることがなく、位相補償器160Cのリップルを加味した上で位相補償できる。
なお、最終的に位相補償すべきは信号光を構成する各光周波数チップであるので、符号器120による符号化の際に使用されない供給光の光周波数チップについては、必ずしも位相補償する必要はない。従って、位相補償器160Cでは、供給光の全光周波数チップの内の少なくとも符号化に使用する複数の光周波数チップの位相補償を行えばよい。また、送信器100から受信器200への上り信号光の送受信器しか記載していないが、逆方向の下り信号光の送受信器を備えても良い。
<実施例5>
図5に実施例5のスペクトル領域符号化光CDM光通信システムの構成を示す。送信器100は、変調器130、位相補償量検出器150A、および符号器兼用位相補償器160Dを備える。また、受信器200は、信号光の復号受信用の光受信器210、および供給光用の光源240Aを備える。300は光伝送路としての光ファイバ、SCは光サーキュレータ、PSは光スプリッタである。なお、受信器200には送信器100の数に応じた複数の光受信器が装備されるが、ここでは1個のみを示した。また、光サーキュレータSCは光ファイバに入出力する光を合分波できればよいので、光スプリッタ等でもよい。
送信器100の符号器兼用位相補償器160Dは前記した透過型であり、チップ用位相調整器161と光合波器162,163からなる。各チップ用位相調整器161は、位相補償量検出器150で検出された各光周波数チップの位相補償量に応じて個別に、往復方向で同一量の位相を調整する。このとき、逆方向に伝播する光が互いに混入しない構造である。ここでは、符号が「10101010」の場合の例で示したので、チップ用位相調整器161は、使用する光周波数チップ1,3,5,7用の4個分が設けられる。本実施例では、光が符号器兼用位相補償器160Dを往復するので、往復して信号光となる符号化が行われるように、片道で半分の値の符号化を行う。例えば、多値の強度符号で符号が「0,1/2,1」であれば「0,1/√2,1」、位相符号で符号が「0,π」であれば「0,π/2」となる符号化であればよい。なお、「1,0」の2値の強度符号の場合は、「1,0」のままでよい。本実施例は、実施例4の効果に加えて、部品点数が削減できる効果もある。
<実施例6>
図6に実施例6のスペクトル領域符号化光CDM光通信システムの構成を示す。送信器100は、符号器120、変調器130、位相補償量検出器150B、位相補償器160C、および光受信器170を備える。位相補償量検出器150Bはその光受信器170の出力信号を入力する。また、受信器200は、信号光の復号受信用の光受信器210、供給光用の光源240A、供給光を符号化する符号器250、および変調器260を備える。300は光伝送路としての光ファイバ、SCは光サーキュレータ、PSは光スプリッタである。なお、受信器200には送信器100の数に応じた複数の光受信器が装備されるが、ここでは1個のみを示した。
受信器200では、異なる光周波数チップの組み合わせからなりかつ互いに光強度が等しいマーク又はスペースに符号化された供給光を、光源240A、符号器250および変調器260で作成して、送信器100に供給する。送信器100では、アダマール符号等による強度符号化の場合、マーク又はスペースの供給光を構成する光周波数チップに含まれる概ね半分の数に相当する光周波数チップを使用して符号化し、マーク又はスペースの信号光として、受信器200に送り返す。
このとき、マーク又はスペースに符号化されたどちらの供給光の符号とも、信号光の符号化に用いる符号を受信する際に概ね直交する符号である必要がある。例えば、供給光は、アダマール符号の01を反転した符号で符号化すればよい。供給光として、マーク又はスペースに「11110000」と「00001111」のいずれかの符号を用い、送信器100側の使用する符号として、符号1=「11001100」、符号2=「10101010」を用いるとすると、マーク供給光が「11110000」のとき、符号1=「11000000」、符号2=「10100000」となり、スペース供給光が「00001111」のとき、符号1=「00001100」、符号2=「00001010」となり、いずれの供給光でも信号光と直交する。つまり、マーク供給光およびスペース供給光をいずれの信号光を受信する受信器で受信したときも出力は零となる。例えば、マーク供給光「11110000」を符号1の受信器で受信すると、加算側が「11000000」、減算側が「00110000」となり、差動検波により零となる。スペース供給光「00001111」を符号1の受信器で受信すると、加算側が「00001100」、減算側が「00000011」となり、差動検波により零となる。
本実施例の位相補償量検出器150Bでは、供給光を光受信器170で復号受信してその出力の強度が最大化するように、位相補償器160Cを制御する。ただ、本実施例では、供給光は変調光となっており、供給光の0符号連続、1符号連続のビット数だけ、特定の光周波数チップが存在しない可能性がある。そのため、位相補償量検出器150Aが、復号受信信号の強度を最大化するように制御するときは、0符号連続、1符号連続のビット数以上の時間毎に、その最大値を検出すればよい。又は、供給光を光受信器170で復号受信した信号の0あるいは1の値に応じて、その値に対応する符号に含まれる光周波数チップを、信号強度を最大化するために制御する光周波数チップとすればよい。また、供給光がNRZでデータ変調されているときは、そのデータレートの周波数成分が最大化するように制御してもよいし、RZでデータ変調されているときは、そのデータレートの周波数成分を最小化するように制御してもよい。また、実施例4で説明したのと同様の手法によって、位相補償量を検出して位相補償器160Cを制御してもよい。つまり、位相補償量検出器150Bは、光受信器170を経由せずに実施例4と同様の位相量補償検出器150Aを用いても良い。なお、本実施例でも、符号化とデータ変調の順番(送信器100の符号器120と変調器130、受信器200の符号器250と変調器260)は逆になっていてもよい。
本実施例は、実施例1〜5で説明した効果に加えて、供給光を、受信器200から送信器100に対するデータ伝送に使える効果がある。また、受信器200から送信器100に伝送される供給光を復号受信する際の復号強度を最大化することで位相補償量を決定することができるので、複数の変調された供給光が重畳しているときに、実施例4で用いた供給光のために位相補償量を検出するための部品を削減できる効果がある。また、供給光が複数の符号からなる信号で変調されているので、符号器に入力する以前の供給光を用いて補償量を検出することで、光がない光周波数チップが少なくなり、光周波数チップ間隔Fでの位相補償量検出が容易となる効果もある。
<実施例7>
図7に実施例7の符号化兼用変調器の構成を示す。この図7は、図6の受信器200において、符号器250と変調器260を一体構成した複数符号一括変調用の符号化兼用変調器270の構成を示す図である。この符号化兼用変調器270は、2つの符号D#1、D#2を入力して合成しパターンA〜Dのいずれかを生成する変調信号展開器271と、生成したパターンA〜Dのいずれかによって、供給光の光周波数チップを変調する16個のチップ用変調器272と、合分波器273,274から構成される。ここで、符号として、D#1、D#2を、
D#1=「1010101010101010」又は「0101010101010101」
D#2=「1100110011001100」又は「0011001100110011」
を使用し、前半をマーク、後半をスペースとする。
これにより、符号D#1、D#2の2符号を合成した符号は、以下のA〜Dに示す4パターンとなる。
パターンA
D#1=マーク 「1010101010101010」
D#2=マーク 「1100110011001100」
D#1+D#2=「2110211021102110」
パターンB
D#1=マーク 「1010101010101010」
D#2=スペース「0011001100110011」
D#1+D#2=「1021102110211021」
パターンC
D#1=スペース「0101010101010101」
D#2=マーク 「1100110011001100」
D#1+D#2=「1201120112011201」
パターンD
D#1=スペース「0101010101010101」
D#2=マーク 「0011001100110011」
D#1+D#2=「0112011201120112」
従って、供給光は、各パターンA〜Dの「D#1+D#2」の強度の光周波数チップとなる。
次に、送信器100の符号器120の符号化符号は、以下のようにする。
符号化符号=「1111000011110000」
この符号器120で供給光を符号化すると、パターンA〜D毎に、以下の出力となる。
パターンAを用いた符号=「2110000021100000」
パターンBを用いた符号=「1021000010210000」
パターンCを用いた符号=「1201000012010000」
パターンDを用いた符号=「0112000001120000」
そして、このようにして符号化された信号光に対応する受信器200の光受信器210の復号化符号は、次の通りである。ここで、1は加算対象、0は減算対象の光周波数チップである。
復号化符号=「1111000011110000」
以上から、パターンAを用いた符号のときは、光受信器210の差動検波器の出力は、
加算=「2110000021100000」(8チップ)
減算=「0000000000000000」(0チップ)
合計=8チップ
となる。パターンB〜Dを用いた符号についても同様に合計8チップとなる。
なお、他の送信器から受信器200に伝送される信号光に対しては、その復号器250の復号化符号が、上記と異なって、
復号化符号=「1111111100000000」
であるとすると、パターンAを用いた符号のときは、
加算=「2110000000000000」(4チップ)
減算=「0000000002110000」(4チップ)
合計=0チップ
である。パターンB〜Dを用いた符号についても同様に合計0チップとなる。
また、上記パターンA〜Dの供給光が反射した場合は、以下の通りとなる。
パターンA:「2110211021102110」のとき、
加算=「2110000021100000」(8チップ)
減算=「0000211000002110」(8チップ)
合計=0チップ
パターンB:「1021102110211021」のとき、
加算=「1021000010210000」(8チップ)
減算=「0000102100001021」(8チップ)
合計=0チップ
パターンC:「1201120112011201」のとき、
加算=「1021000010210000」(8チップ)
減算=「0000102100001021」(8チップ)
合計=0チップ
パターンD:「0112011201120112」のとき、
加算=「0112000001120000」(8チップ)
減算=「0000011200000112」(8チップ)
合計=0チップ
このため、パターンA〜Dのいずれのときも、受信器200の光受信器210の差動検波器の出力は0チップ相当であり、反射の影響が相殺される。
本実施例によれば、実施例6と同様な効果があり、複数符号を用いることで、強度符号による光周波数チップの歯抜けを防ぎ、光周波数チップ間のビート信号を利用して位相ずれを検出できる。一括変調により複数符号で下り信号を変調する際、下り信号のデータレートの周波数を用いた位相補償量の測定のためには、位相の揃った供給光であること望まれる。一旦分割して個別に変調すると、下り伝送路に入力する前に波長オーダの精度で各下り信号の位相を調整する必要があるが、一括で変調することで、波長オーダの位相調整を取り除く効果がある。なお、位相が揃っていない場合、下り信号間のビートによる上り信号光強度の変動による信号劣化や、下り信号のデータレートの周波数を用いた分散補償が困難となる。
<その他>
なお、以上の実施例では主にコヒーレント検波を用いたスペクトル領域強度符号化光CDMに適用した場合について説明したが、本発明は複数の光周波数チップを用いる光通信全般に適用できる。その例として、光の位相が影響するSPC(spectrum phase coding)、つまりスペクトル領域位相符号化光CDMに適用できる。また、光CDM以外では、同時に複数送信器で同一光周波数を用いることはないと思われるが、複数の光周波数チップを単一の送信器で用い、それぞれの位相関係を保持すべき搬送波位相同期WDM(非特許文献1)にも適用可能である。ただし、供給光の反射が無視できない場合は、その反射が信号光に混入した場合に相殺できるようなDPSK(差動位相シフトキーイング)等の変調を採用する必要がある。
また、分散による位相ずれを測定する手法としては、前述したものに加えて(但し、一部は前記した)、
(1).様々な分散測定の例を述べた文献(多久島、「フォトニックネットワークにおける適応等化のためのモニタ技術」、2004年、電子情報通信学会通信ソサイエティ大会,CS−1−3)(この内の(a)、(c)、(f)は、信号成分に雑音が乗るので、本発明には望ましくない。これは、コヒーレント受信を用いた光CDMでは、MAI等の問題も生じるためである。)、
(2).下り変調信号のパルスを最大化する方法(TPAデバイス等の使用)(例えば、S.Wielandy,et al.,"Real-time mesurement of accumulated chromatic dispersion for automatic dispersion compensation",ELECTRONICS LETTERS ,26th September 2002,Vol.38,No.20,pp.1198-1199)、
(3).下り変調信号の信号強度を最大化(誤り率の最小化、アイ開口度最大化)する方法(例えば、K.Yonenaga,et al.,"Automatic dispersion equalisation using bit error rate monitoring in 40Gbit/s optical transmission system",ELECTRONICS LETTERS ,1st February 2001,Vol.37,pp.187-188)、
(4).下り変調信号の信号周波数成分を最大化(NRZの場合)しあるいは最小化(RZの場合)する方法(1Gbit/sであれば1GHzを使用)(例えば、Z.Pan,et al.,"Choromatic dispersion monitoring and automated compensation for NRZ and RZ data using clock regeneration and fading without adding signaling"OFC2001,WH5-1)、
(5).供給光を分岐して逆の分散の媒質をそれぞれ通過後の光検出値の差を最小化する方法(例えば、T.Inui,et al.,"160 Gbit/s adaptive dispersion equaliser usig asynchronous chip monitor with blanced dispersion configuration"ELECTRONICS LETTERS ,19th February 2004,Vol.40,No.4)、
等があるので、これらの手法を使用して、個々の光周波数チップについて位相ずれを検出し、位相補償に使用することができる。
実施例1の光通信システムの構成図である。 実施例2の光通信システムの構成図である。 実施例3の光通信システムの構成図である。 実施例4の光通信システムの構成図である。 実施例5の光通信システムの構成図である。 実施例6の光通信システムの構成図である。 実施例7の供給光用の複数符号一括変調用の符号器兼用変調器の構成図である。 従来の光通信システムの構成図である。 従来の別の例の光通信システムの構成図である。 スペクトル領域符号化光CDM通信におけるコヒーレント検波受信側での中間周波数における位相ばらつきに対するSNRの特性図である。
符号の説明
100:送信器、110:光源、120:符号器、130:変調器、140:位相補償器、150,150A,150B:位相補償量検出器、160,160A,160B,160C,160D:位相補償器、170:光受信器
200:受信器、210:光受信器、220:位相補償量検出器、230:位相補償器、240,240A:光源、250:符号器、260:変調器、270:複数符号一括変調用の符号器兼用変調器

Claims (10)

  1. 複数の光周波数チップからなる供給光を、供給側から光伝送路を経由して被供給側に伝送し、該被供給側で、前記供給光を使用して符号化および伝送データによる変調を行って信号光を作成し、該信号光を前記供給側に前記光伝送路を経由して伝送し、前記供給側において前記信号光を受信する光通信システムであって、
    前記供給光は、前記供給光の前記光伝送路内からの反射光と前記信号光が前記供給側に入力されたときに、前記反射光は前記信号光と相殺して前記信号光の受信に概ね影響を与えない光であり、
    前記光伝送路の分散による前記供給光の前記光周波数チップ間の位相ずれから位相補償量を前記被供給側で検出する位相補償量検出器と
    位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき、前記信号光の位相ずれが前記供給側での受信時に概ね零となるように予め前記被供給側で位相補償する位相補償器とを備える、
    ことを特徴とする光通信システム。
  2. 請求項1に記載の光通信システムにおいて、
    前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往復分の位相補償を行い、
    前記位相補償量検出器は、前記供給光の前記被供給側における位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、
    ことを特徴とする光通信システム。
  3. 請求項1に記載の光通信システムにおいて、
    前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行うとともに前記信号光に前記光伝送路の復路分の位相補償を行い、
    前記位相補償量検出器は、前記供給光の前記被供給側における位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、
    ことを特徴とする光通信システム。
  4. 請求項1に記載の光通信システムにおいて、
    前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行う第1の位相補償器と、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記信号光に前記光伝送路の復路分の位相補償を行う第2の位相補償器とからなり、
    前記位相補償量検出器は、前記供給光の前記被供給側における位相ずれが概ね零となるように前記第1の位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、
    ことを特徴とする光通信システム。
  5. 請求項2の前記位相補償器、請求項3の前記位相補償器、又は請求項4の前記第2の位相補償器は、前記符号化も行うことを特徴とする光通信システム。
  6. 供給側から光伝送路を経由して供給された複数の光周波数チップからなる供給光を使用して符号化および伝送データによる変調を行って信号光を作成し前記光伝送路に出力する送信器において、
    前記供給光は、前記供給光の前記光伝送路内からの反射光と前記信号光が前記供給側に入力されたときに、前記反射光は前記信号光と相殺して前記信号光の受信に概ね影響を与えない光であり、
    前記光伝送路の分散による前記供給光の前記光周波数チップ間の位相ずれから位相補償量を検出する位相補償量検出器と、
    該位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき、前記信号光の位相ずれが前記供給側での受信時に概ね零となるように予め位相補償する位相補償器とを備える、
    ことを特徴とする送信器。
  7. 請求項6に記載の送信器において、
    前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往復分の位相補償を行い、
    前記位相補償量検出器は、前記供給光の位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、
    ことを特徴とする送信器。
  8. 請求項6に記載の送信器において、
    前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行うとともに前記信号光に前記光伝送路の復路分の位相補償を行い、
    前記位相補償量検出器は、前記供給光の位相ずれが概ね零となるように前記位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、
    ことを特徴とする送信器。
  9. 請求項6に記載の送信器において、
    前記位相補償器は、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記供給光に前記光伝送路の往路分の位相補償を行う第1の位相補償器と、前記位相補償量検出器で検出された位相補償量に基づき前記信号光に前記伝送路の復路分の位相補償を行う第2の位相補償器とからなり、
    前記位相補償量検出器は、前記供給光の位相ずれが概ね零となるように前記第1の位相補償器の位相補償量を設定することで位相補償量を検出する、
    ことを特徴とする送信器。
  10. 請求項7の前記位相補償器、請求項8の前記位相補償器、又は請求項9の前記第2の位相補償器は、前記符号化も行うことを特徴とする送信器。
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