JP4915722B2 - 腎臓幹/前駆細胞の分離方法 - Google Patents

腎臓幹/前駆細胞の分離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4915722B2
JP4915722B2 JP2006027360A JP2006027360A JP4915722B2 JP 4915722 B2 JP4915722 B2 JP 4915722B2 JP 2006027360 A JP2006027360 A JP 2006027360A JP 2006027360 A JP2006027360 A JP 2006027360A JP 4915722 B2 JP4915722 B2 JP 4915722B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
kidney
stem
urine
progenitor cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006027360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007202512A5 (ja
JP2007202512A (ja
Inventor
健 菅谷
尚史 篠崎
伸一 大島
Original Assignee
株式会社 バイオリンクインク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社 バイオリンクインク filed Critical 株式会社 バイオリンクインク
Priority to JP2006027360A priority Critical patent/JP4915722B2/ja
Publication of JP2007202512A publication Critical patent/JP2007202512A/ja
Publication of JP2007202512A5 publication Critical patent/JP2007202512A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4915722B2 publication Critical patent/JP4915722B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、ヒトの腎臓幹/前駆細胞の分離方法に関する。
近年、慢性腎不全の患者数が増加している。慢性腎不全は、腎臓における疾病又は腎臓以外の器官における疾病が原因で生じた腎臓障害が進行した病態であり、血液中に含有される尿毒素を除去する機能、内分泌機能、調節機能など、正常な腎臓が有する機能が廃絶する。
慢性腎不全が進行すると、正常な腎臓が有する機能が廃絶するために、体内の各臓器に影響が及び、尿毒症となる。具体的には、中枢神経障害、末梢神経障害、心・循環器障害、消化器障害、視力・眼障害、血液・凝固障害、免疫障害、内分泌障害、皮膚障害、骨・関節障害、電解質障害、酸塩基平衡障害などになる。
慢性腎不全は、腎臓移植が現存する唯一の根治療法であるが、ドナー不足のため全ての慢性腎不全患者に移植を施すことは不可能である。このため、慢性腎不全患者は生存のためには人工透析を余儀なくされ、この透析患者の増大が医療費の増大を招き、大きな社会問題にもなっている。また、人工透析は、技術の進歩によって患者への負担は以前よりも軽減されてきているものの、腎臓移植を受けて根治した患者と比べると、その生活の質(QOL)においては格段の差がある。
ところで、近年、幹/前駆細胞を用いて組織や臓器をin vitro又はin vivoで形成することで病変や欠損を治療する、いわゆる再生医療が注目を集めている。このような流れの中で、骨髄中や腎臓に腎臓幹/前駆細胞が存在することが明らかにされている(非特許文献1,2を参照)。
そこで、この腎臓幹/前駆細胞を分離・取得して再生医療に応用することが考えられるが、骨髄中や腎臓から腎臓幹/前駆細胞を分離するのは、生体に対する負担が大きく、すなわち侵襲性が高いという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、ヒトの腎臓幹/前駆細胞を非侵襲的に分離する方法を提供することを目的とする。
本件発明者等は、上述した目的を達成するために、様々な観点から鋭意研究を重ねてきた。その結果、腎機能が低下している腎疾患患者の尿中に落下している尿中落下細胞から腎臓幹/前駆細胞を分離・取得できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明に係る腎臓幹/前駆細胞の分離方法は、腎疾患患者の尿中に含まれる細胞の初代培養細胞をヘキスト33342で染色したときの弱陽性又は陰性画分を分離することを特徴とする。
従来、腎疾患の指標としては、血中クレアチニン、シスタチンC、BUN(blood urea nitrogen;血中尿素窒素)などが知られているが、近年、尿や血液に含まれる脂肪酸結合タンパク質(fatty acid binding protein;FABP)のうち、肝型の分子種(以下、L−FABPという。)が、腎臓では近位尿細管に特異的に発現しており、腎疾患の指標となり得ることが報告されている(特許第3259758号公報を参照)。すなわち、尿中L−FABP値の正常上限は10ng/ml程度であるが、腎疾患患者では例えば50ng/ml以上など、高値を示すため、腎疾患の指標として用いることができる。特に、尿中L−FABP値とヘキスト33342弱陽性/陰性画分の割合とが正に相関することが本件発明者によって確認されているため、本発明においては、このL−FABPを指標として腎疾患患者を選ぶことが好ましい。
なお、本発明における腎疾患患者には、生体腎移植手術直後の患者や腎機能が未熟な新生児も含まれるものとする。
このような生体腎移植手術直後の患者や腎機能が未熟な新生児も、尿中のL−FABPが高値(例えば、100ng/ml以上)を示すため、この指標を用いて尿中から腎臓幹/前駆細胞を効率的に分離することができる。
また、本発明に係る腎臓幹/前駆細胞は、上述の分離方法によって分離されたことを特徴とし、本発明に係る腎疾患治療剤は、上述の分離方法によって分離された腎臓幹/前駆細胞を含むことを特徴とする。
本発明によれば、腎疾患患者から非侵襲的に腎臓幹/前駆細胞を分離することができる。
以下、本発明を適用した実施の形態について、具体的な実験結果を参照しながら詳細に説明する。
尿中落下細胞の培養
先ず、腎疾患患者の尿中から尿中落下細胞を分離し、培養した。
詳細には、生体腎移植手術直後の患者の尿10mlを4℃、1100rpmの条件で5分間遠心分離し、上清を除去した後、10% FBS(Fetal Bovine Serum)(MBL)を含有するDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)(Sigma) 10mlで懸濁し、再度遠心分離して上清を除去して細胞を分離した。さらに、この懸濁、遠心分離、上清除去による細胞洗浄の操作を4回繰り返した。このようにして分離された細胞を、10% FBSを含有するDMEM/F12(Sigma)に終濃度として5mg/ml インスリン、5mg/ml トランスフェリン、5ng/ml 亜セレン酸ナトリウム、2.5mg/ml ニコチナマイド、10−8M デキサメタゾン(以上、全てSigma)を添加した培地と、マウス間葉系細胞(独立行政法人産業総合研究所 特許生物寄託センターに寄託、受領番号FERM AP-20769)を10% FBSを含有するDMEMで約24時間培養した際の培養上清とを1:1で混合した培地 10mlで懸濁し、ゼラチンコーティングを行った細胞培養皿(BD FALCON)にて培養した。
細胞を経時的に顕微鏡観察した結果を図1に示す。図1(A)〜(E)は、それぞれ3日、4日、6日、8日、15日経過後の細胞を示したものである。細胞は培養開始後24時間以内に培養皿上に生着し、以後12〜24時間毎に細胞分裂を行い、培養開始から2週間後には約5×10個程度の細胞数にまで増殖した。このことから、この培養方法により、増殖能を有する細胞が得られることが確認された。
また、これらの増殖能を有する細胞群の中には、敷石上形態を示す尿細管上皮細胞様の細胞からなるコロニーが観察され、図2に示すように、経上皮輸送能を示唆する細胞ドームの形成も確認された。
これらの結果より、生体腎移植手術直後の患者の尿から分離した尿中落下細胞を培養することにより、尿細管細胞様の細胞を取得、培養可能であることが示された。
尿中落下細胞の遺伝子発現解析
次に、分離した尿中落下細胞における遺伝子発現を確認した。
詳細には、上述のようにして初代培養を5週間続けた細胞1.5×10個に、ISOGEN(ニッポンジーン) 1mlを加えて懸濁し、さらに0.2mlのクロロホルムを加えてよく混合した後、4℃、12000rpmの条件で10分間遠心分離した。そして、上清に0.5mlのイソプロパノールを加えてよく混合してから、4℃、12000rpmの条件で20分間遠心分離し、上清を除去してから1mlの75% エタノールで洗浄した後、風乾させた。このようにして得られたtotal RNAをサンプルとして、遺伝子チップ(Human Genome U133 Plus 2.0 Array Gene Chip、Affymetrix)を用いて遺伝子発現解析を行った。確認した遺伝子と、その陽性/陰性の別を以下の表1に示す。
Figure 0004915722
表1から分かるように、尿中落下細胞においては、アクアポリン1、Na/Cl共輸送体(KCC3a)、N−カドヘリンなど、近位尿細管特異的な遺伝子の発現が確認された。また、近位尿細管及びヘンレループで発現するNa/HCO 共輸送体(SLC4A4)、K−カドヘリン、ヘンレループ及び遠位尿細管で発現するNa/HCO 共輸送体(SLC4A7)、遠位尿細管で特異的に発現するカルビンジンD28Kなどの遺伝子発現も確認された。その一方で、ネフリンやP−カドヘリンなどの腎小体特異的な遺伝子や、アクアポリン2やNa/HCO 共輸送体(SLC4A1)などの集合管特異的な遺伝子の発現は確認されなかった。また、胎児における発生期の腎臓で発現するPax2やPax8などの遺伝子の発現が確認された。
これらの結果から、尿中落下細胞の初代培養細胞中には、発生期の腎臓に存在する腎臓幹/前駆細胞のような未分化細胞や、近位尿細管>ヘンレループ>遠位尿細管と続く腎ネフロンの尿細管細胞様に分化した細胞が存在することが示唆された。
尿中落下細胞からの腎臓幹/前駆細胞の分離
DNA結合色素であるヘキスト33342(Hoechst33342)は、紫外線レーザー光で励起すると400〜600nm以上に亘る広範囲の蛍光を発することが知られており、多種の細胞が混ざったヘテロな細胞集団、例えば骨髄細胞等をこの色素で染色した後にフローサイトメトリーを用いて450nm前後の青色蛍光と675nm前後の赤色蛍光とで二次元に展開すると、通常の細胞周期解析で見られるG0/G1期の細胞よりもさらに蛍光の暗い部分に特異なパターンを持つヘキスト33342弱陽性又は陰性の細胞集団が現れる。この細胞集団は、残りの大部分の細胞が属する主集団(メインポピュレーション)から突出した展開パターンを示すため、サイドポピュレーション(side population;SP)細胞と呼ばれる。
骨髄細胞においては、このSP細胞中に造血幹細胞が濃縮されていることが知られている(文献「Goodell M. A. et al., J. Exp. Med., vol.183, p.1797, 1996」等を参照)。また、骨髄以外に、脳や骨格筋、心臓、肝臓、腎臓などの組織中でもSP細胞が見つかっており(文献「Murayama A. et al., J. Neurosci. Res., vol.69, p.837, 2002」、文献「Gussoni E. et al., Nature, vol.401, p.390, 1999」、文献「Hierlihy A. M. et al., FEBS Lett., Vol.530, p.239, 2002」、文献「Asakura A. et al., Exp. Hematol., vol.30, p.1339, 2002」、文献「Iwatani H. et al., Kidney Int., vol.65, p.1604, 2004」等を参照)、これらの細胞でも組織幹細胞として機能している可能性がある。
なお、SP細胞では、ABCトランスポーターであるMDR(multi drug resistance gene)がコードするタンパク質を代表とするポンプ状の分子によってヘキスト33342が細胞外に排出される結果、ヘキスト33342によって余り染色されないと考えられている。幹/前駆細胞は、MDRの発現が活発なため、ヘキスト33342の排出能は幹/前駆細胞に共通の性質であることも示唆されている(実験医学、Vol.19, No.15(増刊),p.68-73, 2001)。このSP細胞画分は、MDR分子の機能阻害剤であるベラパミルやレセルピンを添加すると完全に消失する(第117回日本医学会シンポジウム記録集、p.66-74)。
以上のような背景から、尿中落下細胞においても同様にSP細胞が存在し、腎臓幹/前駆細胞として機能している可能性が考えられるため、尿中落下細胞からのSP細胞の分離を試みた。
詳細には、上述のように初代培養を3週間続けた尿中落下細胞をトリプシン−EDTA溶液(Invitrogen)を用いて培養皿から剥がし、1×10個/mlとなるように2% FBSを含有するDMEMに懸濁したものを2本調製した。そして、各サンプルにヘキスト33342(Morecular Probe)を5mg/mlとなるように添加し、一方のサンプルのみにレセルピン(Sigma)を1mg/mlとなるように添加して陰性コントロールとした。その後、細胞を37℃で1時間、振盪培養した後、遠心分離して上清を除去し、上清除去後の細胞を、死細胞を選別する目的でPI(propidium iodide)を1mg/mlとなるように添加した、2% FBS、10mM HEPES(Invitrogen)、10U/ml ペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)を含有するHBSS(Hank's Balanced Salt Solution)で懸濁し、蛍光活性化セルソーター(BD FACSAria、Beckton Dickinson)を用いてSP細胞の解析、分離を行った。
SP細胞の解析結果を図3に示す。図3(A)はレセルピンを添加していないサンプルを示し、図3(B)はレセルピンを添加した陰性コントロールのサンプルを示す。図中、実線で囲んだ領域がヘキスト33342弱陽性又は陰性画分である。この画分は、レセルピンを添加した陰性コントロールでは完全に消失しているため、この画分がSP細胞画分であることが確認された。なお、尿中落下細胞中には平均で0.33%(n=6)のSP細胞が存在した。
このSP細胞を分離・取得した後、初代培養時と同じ方法で培養を行った。細胞を経時的に顕微鏡観察した結果を図4に示す。図4(A)〜(F)は、それぞれ12時間、3日、10日、15日、19日、22日経過後の細胞を示したものである。培養を行うと、高増殖能を持ち、且つ近位尿細管上皮細胞様の敷石状形態を有する上皮性細胞コロニーが得られ、さらに培養を続けたところ、22日経過後には細胞ドームの形成が確認された。一方、SP細胞画分以外の細胞を同様の方法で培養しても、細胞ドームの形成は確認されなかった。
これらの結果から、初代培養した尿中落下細胞からヘキスト33342弱陽性又は陰性のSP細胞を分離することにより、尿細管上皮細胞に分化し得る腎臓幹/前駆細胞を分離・取得できることが示された。
尿中落下細胞からの腎臓幹/前駆細胞分離の効率化
次に、尿中落下細胞からの腎臓幹/前駆細胞の分離効率化を検討するため、近年、腎疾患の指標となり得ることが報告された尿中L−FABP値と、初代培養の培養効率との関係を検討した。
詳細には、腎機能の未熟な新生児を含む239例の患者由来の新鮮尿から分離された尿中落下細胞を上述と同様に初代培養し、その培養効率を尿中L−FABP値と比較した。培養1週間の時点で上皮様細胞のコロニー形成を認め、且つ3週間まで増殖の見られたものを初代培養成功例とした。尿中L−FABP値によりその培養効率を比較したところ、1群:L−FABP<100ng/mlで15%、2群:100<L−FABP<1000ng/mlで22%、3群:1000<L−FABP<10000ng/mlで35%、4群:L−FABP>10000ng/mlで100%となった。
初代培養細胞は、アルカリホスファターゼ染色陽性を示し、経上皮輸送能を示す細胞ドームの形成が確認された。また、初代培養細胞からmRNAを抽出し、RT−PCR法により遺伝子発現を確認したところ、近位尿細管特異的アミノトランスポーターrBAT(related to b0,+ system amino acid transporter)の発現が確認された。
これらの結果から、尿中L−FABPを指標にすることにより、その高値尿から効率的に尿細管細胞に分化し得る尿中落下細胞の初代培養が可能になることが示された。
さらに、尿中L−FABP値と、SP細胞の分離効率との関係についても検討した。この結果、SP細胞の割合は、図5に示すように、初代培養時の尿中L−FABP値と非常に高い相関(R=0.82)を示すことが明らかにされた。
このことは、腎疾患患者において尿中L−FABP値が上昇している時期を特定し採尿することにより、腎臓幹/前駆細胞が取得できる可能性を示唆しており、非侵襲的且つ効率的なヒト腎細胞の樹立に大きく貢献する方法が見出されたものと考えられる。
腎臓幹/前駆細胞の腎臓への生着
次に、分離した腎臓幹/前駆細胞が成体腎臓に生着し、機能する形質を有しているか否かを確認するため、成体腎臓に障害を与え、腎臓が再生する過程においてこの細胞が生着するか否かを検討した。
詳細には、ヒト腎臓幹/前駆細胞を異種移植するレシピエントとして、拒絶反応を起しにくい実験的免疫不全マウス(25g)を使用し、両腎臓の腎動静脈を駆血し、30分後虚血を解除し、虚血性急性腎不全モデルを作製した。分離したSP細胞をさらに5週間培養し、トリプシン−EDTA溶液(Invitrogen)を用いて単一細胞にまで分散させた後、虚血解除した直後の腎皮膜下経路により注射器にて細胞移植を行った。そして、3日後に剖検して腎臓を摘出し、凍結切片を作成した。
ヒト特異的HLA抗体(緑色蛍光標識)による免疫染色と、尿細管特異的アクアポリン1抗体(赤色蛍光標識)による免疫染色との2重染色を行った結果を図6に示す。図中、黄色を呈した部位は、移植細胞が尿細管様の管腔構造を形成した共陽性の部位である。虚血性急性腎不全モデルに異種移植を実施したにも拘わらず、生命予後の悪化は観察されなかった。
これらの結果から、分離した腎臓幹/前駆細胞は成体腎臓に生着し、尿細管特異的な機能を有するタンパクを発現する形質を有していることが示された。したがって、この腎臓幹/前駆細胞を含む腎疾患治療剤を腎疾患患者に移植することで、腎疾患を治療することができると考えられる。
以上、具体的な実験結果を参照しながら説明したように、本実施の形態の方法によれば、腎疾患患者から非侵襲的に効率よく腎臓幹/前駆細胞を分離し、分離した腎臓幹/前駆細胞を提供することができる。また、その腎臓幹/前駆細胞を含む腎疾患治療剤を提供することができる。特に、本実施の形態の方法では、腎疾患患者自身から腎臓幹/前駆細胞を分離することができるため、分離した腎臓幹/前駆細胞をその患者に移植することもでき、腎疾患に対するオーダーメイド医療の開発に応用することができると考えられる。さらに、分離した腎臓幹/前駆細胞を培養して得られたヒト尿細管細胞培養系は、in vitroでの薬剤スクリーニングにも使用することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
腎疾患患者から分離した尿中落下細胞を培養し、経時的に顕微鏡観察した結果を示す図である。 尿中落下細胞を培養することにより形成される細胞ドームを示す図である。 尿中落下細胞をヘキスト33342で染色したときの弱陽性又は陰性画分を示す図である。 分離したヘキスト33342弱陽性又は陰性のSP細胞を培養し、経時的に顕微鏡観察した結果を示す図である。 尿中L−FABP値とSP細胞の分離割合との関係を示す図である。 分離したSP細胞の腎臓への生着を示す図である。

Claims (3)

  1. 尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質が高値を示すヒト腎疾患患者の尿中に含まれる細胞の初代培養細胞をヘキスト33342で染色し、その弱陽性又は陰性画分を分離することを特徴とする腎臓幹/前駆細胞の分離方法。
  2. 上記弱陽性又は陰性画分は、上記ヘキスト33342と共にMDR(multi drug resistance gene)分子の機能阻害剤を添加することにより消失する画分であることを特徴とする請求項1記載の腎臓幹/前駆細胞の分離方法。
  3. 初代培養の培地には、マウス間葉系細胞(受託番号FERM BP−10865)の培養上清が含まれていることを特徴とする請求項1記載の腎臓幹/前駆細胞の分離方法。
JP2006027360A 2006-02-03 2006-02-03 腎臓幹/前駆細胞の分離方法 Active JP4915722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006027360A JP4915722B2 (ja) 2006-02-03 2006-02-03 腎臓幹/前駆細胞の分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006027360A JP4915722B2 (ja) 2006-02-03 2006-02-03 腎臓幹/前駆細胞の分離方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007202512A JP2007202512A (ja) 2007-08-16
JP2007202512A5 JP2007202512A5 (ja) 2009-03-05
JP4915722B2 true JP4915722B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=38482541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006027360A Active JP4915722B2 (ja) 2006-02-03 2006-02-03 腎臓幹/前駆細胞の分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4915722B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2146728A4 (en) 2007-05-21 2010-12-29 Univ Wake Forest Health Sciences PRELIMINARY CELLS FROM THE HARN AND METHOD FOR THEIR USE
JP5419968B2 (ja) * 2008-05-21 2014-02-19 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー 心臓治療を必要とする個体におけるl−fabp、ナトリウム利尿ペプチド及び心筋トロポニン
WO2010065239A1 (en) 2008-12-05 2010-06-10 Wake Forest University Health Sciences Stem cells from urine and methods for using the same

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3259768B2 (ja) * 1997-11-26 2002-02-25 田辺製薬株式会社 腎疾患の検査方法
WO2002061053A1 (en) * 2001-01-31 2002-08-08 The General Hospital Corporation Renal stem cells and uses thereof
JP4085410B2 (ja) * 2003-03-14 2008-05-14 株式会社 バイオリンクインク 腎臓幹細胞/前駆細胞、腎臓幹細胞/前駆細胞の分離方法、及び腎疾患の治療方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007202512A (ja) 2007-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7493252B2 (ja) 単離腎細胞を含有するオルガノイド及びその使用
Kitamura et al. Establishment and characterization of renal progenitor like cells from S3 segment of nephron in rat adult kidney
JP3934539B2 (ja) 胎盤等由来の成体又は生後組織の前駆細胞
US10526581B2 (en) Modulation of cardiac stem-progenitor cell differentiation, assays and uses thereof
JP4783909B2 (ja) 心臓組織由来の多能性幹細胞
KR100871984B1 (ko) 태반 조직 유래 다능성 줄기세포 및 이를 함유하는세포치료제
ES2870567T3 (es) Células madre procedentes de una capa trofoblástica coriónica pura y terapia celular que comprende las mismas
CN111133099B (zh) 神经纤毛蛋白-1(nrp1)作为细胞表面标志物用于分离人心脏心室祖细胞的用途
CA2606983A1 (en) Method of preparing organ for transplantation
JP2019505346A (ja) 3d軟骨オルガノイドブロックを調製するための方法
JP6241893B2 (ja) 心臓細胞培養材料
JP6781973B2 (ja) 腎臓病進行抑制細胞シート組成物、その製造方法、及び、それを用いた腎臓病進行抑制方法
JP4915722B2 (ja) 腎臓幹/前駆細胞の分離方法
CN111417718B (zh) 由cd31阳性cd45阴性cd200阳性的哺乳动物细胞组成的细胞群及其应用
KR20130063483A (ko) 개과동물 양막-유래 다분화능 줄기세포
JP2005287479A (ja) 組織幹細胞採取方法及びそれを利用した装置
US20130059297A1 (en) Method for isolating renal stem/progenitor cells, renal stem/progenitor cells and therapeutic agent for renal disease
KR20050086606A (ko) 장기의 재생 방법
KR101284484B1 (ko) 지방유래 중간엽 줄기세포를 골세포로 분화시키는 방법
KR20220047199A (ko) 중간엽 줄기세포에서 분화된 골모세포 및 이를 포함하는 골질환 치료용 조성물
JP2010533488A (ja) 胚性幹細胞をaqp−1発現細胞へ分化させるための方法
JP2006115771A (ja) 骨格筋由来の心筋幹細胞
WO2004010852A2 (en) Tissue compositions and methods for producing same
KR20240052103A (ko) 편도 유래 중간엽 줄기세포 제조 방법
US20200095557A1 (en) Cell spheroids containing capillary structures and methods of using same

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070724

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070810

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080229

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4915722

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R255 Notification that request for automated payment was rejected

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R2525

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R255 Notification that request for automated payment was rejected

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R2525

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R255 Notification that request for automated payment was rejected

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R2525

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees