JP4914157B2 - アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
一方、ヒドロゲルに力学的強度を十分なものとするためには、アクリルアミド系のモノマーが必須であることが解った。
以下の実施例及び比較例において、引張り試験は、島津製作所(株)製卓上型万能試験機AGS-Hを用いて、未精製の丸棒状のヒドロゲル(直径=5.5mm)をチャック部での滑りのないようにして引っ張り試験装置に装着し、標点間距離=30mm、引っ張り速度=100mm/分にて測定を行った。光透過率の温度依存性は、角柱状の透明ポリスチレンセルにヒドロゲルを合成し、そのまま日本分光(株)製紫外可視分光光度計V-530を用いて測定した。水膨潤度は直径5.5mmの丸棒状ヒドロゲル約1gを大量の水の中に浸して、その質量増加の時間依存性から求めた。また、表面タック性については、ヒドロゲルの表面水分をペーパーでふき取り、手でゲルを触って、べた付き具合を調べて評価した。
粘土鉱物として、[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na+ 0.66の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG、日本シリカ株式会社製)を真空乾燥して用いた。有機モノマーは、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM: 興人株式会社製) 及びジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA: 和光純薬工業株式会社製)を用いた。なお、NIPAMは、トルエンとヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶し無色針状結晶に精製してから用いた。DMAEAは活性アルミナ(和光純薬工業株式会社製)を用いて重合禁止剤を取り除いてから使用した。重合開始剤は、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS:関東化学株式会社製)をKPS/水=0.2/10(g/g)の割合で純水で希釈し、水溶液にして使用した。
モノマーとして、実施例2では、DMAEAを0.3g(12.3mol%)、NIPAMを1.7g用い、実施例3では、DMAEAを0.025g(1mol%)、NIPAMを1.975g用いた。それ以外は、実施例1と同様にして重合を行い、アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルを調製した。LCSTの測定結果を、図3に示す。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとして、実施例4ではジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM: 和光純薬工業株式会社製)を0.15g(5.5mol%)、NIPAMを1.85g用い、実施例5ではジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEM: 和光純薬工業株式会社製)を0.2g(6.4mol%)、NIPAMを1.8g用いた。それ以外は、実施例1と同様にして重合を行い、アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルを調製した。引っ張り試験、LCST、水膨潤性の測定結果を、図1、図4、図6にそれぞれ示している。なお、DMAEM, DEAEMはシリカゲルカラム(メルク社製)を用いて重合禁止剤を取り除いてから使用した。
有機モノマーとして、実施例6ではジメチルアクリルアミド(DMAA: 和光純薬工業株式会社製) 1.7gとDMAEA 0.3g(10.9mol%)を、実施例7ではDMAA 1.5gとDMAEA 0.5g(19mol%)を、実施例8ではDMAA 1.65gとDMAEM0.35g(11.8mol%)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして重合を行い、アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルを調製した。引っ張り試験、水膨潤性及び表面タック性の測定結果を図2、図5、図6、及び表2に示す。なお、DMAAは活性アルミナを用いて重合禁止剤を取り除いてから使用した。
粘土鉱物を用いないで、NIPAM、DMAEAモノマーを添加した後、有機架橋剤をモノマーの1mol%添加して用いること以外は実施例1と同様にして、20℃で15時間重合を行い、無色透明ゲルが得られた。有機架橋剤としては、N,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)(関東化学株式会社製)をそのまま使用した。得られたヒドロゲルを直径5.5mm、長さ50mmに注意深く切り出し、傷つけず、且つ滑らぬようにサンドペーパーで挟み、実施例1と同じ引っ張り試験装置を用いて、標点間=30mm、引っ張り速度=100mm/分にて引っ張り試験を行おうとしたが、サンプルが脆くチャックに装着前に殆どのサンプルが壊れた。また、チャックに軽く装着したものでも試験直後に破断し、物性値は得られなかった。
DMAEAを用いないで、NIPAM 2g及び重合触媒N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン16μlを用いること以外は、実施例1と同様にして、20℃で15時間重合を行い、有機無機複合ヒドロゲルが得られた。引っ張り試験、LCSTの測定結果を図1及び図4に示す。
NIPAMの変わりに、DMAA 2gを用いること以外は、比較例2と同様にして、20℃で15時間重合を行い、有機無機複合ヒドロゲルが得られた。引っ張り試験の測定結果を図2に示す。
DMAEAの変わりに、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA) 0.15g(5.6mol%)を用いること、NIPAM 1.85gを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、20℃で15時間重合を行い、アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルが得られた。水膨潤性の測定結果を図6に示す。なお、DMAPAAはシリカゲルカラム(メルク社製)を用いて重合禁止剤を取り除いてから使用した。
NIPAMの変わりに、DMAA 1.7gとDMAPAA 0.3g(10.1mol%)を用いること以外は、比較例4と同様にして、20℃で15時間重合を行い、アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルが得られた。水膨潤性及び表面タック性の測定結果を図6及び表2に示す。
図1及び図2に示したように、アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルは、有機無機複合ヒドロゲルの高い力学物性を保持し、有機架橋ゲルに比べて極めて優れた機械特性を有する。また、従来の有機無機複合ヒドロゲルに比べて、弾性率がやや低下すると共に破断伸びが向上する傾向を示した。
アミノ基含有メタクリレートを用いて調製した有機無機複合ヒドロゲルでは、NIPAM単独の有機無機複合ヒドロゲルと同様に臨界温度(Tc)を示した(図4)。一方、アミノ基含有アクリレートを用いて調製した有機無機複合ヒドロゲルでは、アミノ基含有アクリレートの添加量の増加につれ、臨界温度(Tc)が消失していくことがわかった(図3)。
図5、図6に示したように、アミノ基含有(メタ)アクリレートを用いて調製した有機無機複合ヒドロゲルは、従来のDMAPAAを用いて調製した有機無機複合ヒドロゲルに比べて水膨潤性が高いことが明らかである。特に、DMAEAを用いて調製した有機無機複合ヒドロゲルは、水膨潤性が著しく増大した。
注2)比較検討を容易にするため、DMAAと併用するモノマーの使用比率が10mol%以上の例について表中に記載した。
固形分0.5g相当の実施例7で得られたアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルを直径5.5mm、長さ5mmに切り出し、予め調製したホウ素濃度600ppmのホウ酸水溶液に入れて、24時間攪拌してホウ素を吸着した。次に濾過により回収したホウ酸残液をプラズマ発光分析によってホウ素濃度を調べたところ、残液のホウ素濃度は500ppmであった。これに対して、比較例6は市販のホウ素吸着剤ダイヤイオンCRB02(三菱化学株式会社製)を用いた以外は応用例1と同様にしてホウ酸水溶液を処理したところ、残液のホウ素濃度は510ppmであった。従って、本発明のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルの優れたホウ素吸着能力が認められた。
Claims (8)
- アミノ基含有(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体との共重合体からなる有機高分子(A)と、水膨潤性粘土鉱物(B)と、水(C)との三成分を含有し、前記有機高分子(A)と前記水膨潤性粘土鉱物(B)とが三次元網目を形成しているアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル。
- 前記水膨潤性粘土鉱物(B)と前記有機高分子(A)の質量比((B)/(A))が0.01〜10である請求項1記載のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル。
- 前記アミノ基含有(メタ)アクリレートが、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート及びジエチルアミノエチルアクリレートから選ばれる少なくとも一つである請求項1、2又は3のいずれかに記載のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル。
- 前記有機高分子(A)中のアミノ基含有(メタ)アクリレートの共重合比率が50モル%以下である請求項1、2、3又は4のいずれかに記載のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル。
- アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル中の前記水(C)の含有率(含水率)が90質量%の時点における、引っ張り強度が10kPa以上であり、且つ破断伸びが100%以上である請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル。
- アミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルの水による平衡膨潤度Wgel/Wdryが25以上である請求項1、2、3、4、5又は6のいずれかに記載のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲル。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルの製造方法であって、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体と、水膨潤性粘土鉱物(B)と、水(C)とを含む均一溶液を調製した後、アミノ基含有(メタ)アクリレートを重合開始剤と同時に又は重合開始剤を添加した直後に加えて、前記(メタ)アクリルアミドと前記アミノ基含有(メタ)アクリレートとを重合させることを特徴とするアミノ基含有有機無機複合ヒドロゲルの製造方法。
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