以下、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置について説明する。まず、携帯無線装置1(例えば、ワイヤレスキー)と認証対象装置21とを含んで構成される無線認証システムによる処理の概念について説明する。図1に、無線認証システムによるロック及びロック解除の処理の概念図を示す。図1では、無線認証システムの利用者が携帯無線装置1を所持しており、利用者の移動と共に携帯無線装置もまた移動するものとする。
携帯無線装置1及び認証対象装置21は、大きく分けて2つの処理を実行する。一つは、無線認証プロトコルに則った信号の送受信により相手装置を認証する処理であり、もう一つは、相手装置から受信した電波の受信強度を計測する処理である。図1に示す認証対象装置21(図1では、携帯電話)を中心とする円は、その内部に位置する携帯無線装置1から電波を受信したときにはその受信強度が所定値以上になり、他方、外部に位置する携帯無線装置1から電波を受信したときにはその受信強度が所定値未満となる、境界を示している。認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に失敗した場合、または、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値未満である場合(図1(a)に示す携帯無線装置1が円の外部に位置する場合)、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対して制限を施す。一方、認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に成功し、かつ、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値以上である場合(図1(b)に示す携帯無線装置1が円の内部に位置する場合)、認証対象装置21に備わる機能に施されている制限を解除する。なお、図1(a)と(b)とで受信強度の所定値を異ならせて、機能制限する範囲よりも、その制限を解除する範囲を狭くするようにしてもよい。
上記の携帯無線装置及び認証対象装置を含んで構成される無線認証システムによって、認証対象装置は、当該認証対象装置と対に設定されている携帯無線装置が所定の範囲内に存在しない場合には、制限がかけられた状態になるため、第3者による認証対象装置の利用を制限(禁止)することができる。また、携帯無線装置が、当該携帯無線装置と対に設定されている認証対象装置が所定の範囲内から範囲外に移動したときなどに警報音を出力することによって、認証対象装置の置き忘れや認証対象装置の盗難を防止することができる。以降、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による処理について詳細に説明する。
[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]
まず、いずれの認証対象装置とも無線認証を行っていない携帯無線装置1が一台の認証対象装置21と無線認証を開始し、無線認証を継続する一連の処理について、説明する。図2に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置によるサーチモード時のシーケンスを示す。携帯無線装置1は、当該携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置のうち、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置から送信されてくる信号を受信すべく、ある周期Tでサーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す(携帯無線装置1は、図2における「○」で示す時点で、サーチチャネルのキャリアセンスを実施している。)。一方、認証対象装置21は、少なくとも携帯無線装置1のキャリアセンス周期T以上の期間、サーチ要求信号を送信する(図2におけるサーチ要求信号を表す太矢印の幅が、キャリアセンス周期T以上の期間に対応)。携帯無線装置1と同期がとれていない認証対象装置21は、携帯無線装置1のキャリアセンスT以上の期間、サーチ要求信号を送信することによって、携帯無線装置1にサーチ要求信号を受信させることができるようにしている。認証対象装置21は、そのサーチ要求信号を受信した携帯無線装置1から送信されるサーチ信号を受信するまで、サーチ要求信号を定期的に送信し続ける。
携帯無線装置1は、認証対象装置21からのサーチ要求信号を受信することがなければ、サーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す。一方、携帯無線装置1は、キャリアセンス実行時に、無線通信圏内にいる認証対象装置21からサーチ要求信号を受信すると、認証対象装置21にサーチ信号を送信する。そして、認証対象装置21は、サーチ信号を受信し、サーチ応答を携帯無線装置1に送信する。サーチ応答を受信した携帯無線装置1は、自機(携帯無線装置1)を識別する識別符号を含むキーID信号を認証対象装置21に送信する。そのキーID信号を受信した認証対象装置21は、そのキーID信号に含まれる識別符号と、自機(認証対象装置21)がデータとして予め記憶している識別符号(この識別符号は、無線認証を行う上で認証対象装置と対になる携帯無線装置の識別符号である。)と、が一致するか否かを判定し、一致していれば自機(認証対象装置21)を識別する識別符号を含む端末ID信号を携帯無線装置1に送信する。
端末ID信号を受信した携帯無線装置1は、以後、認証対象装置21との間でチャレンジアンドレスポンス方式を用いた信号の送受信を行う。すなわち、端末ID信号を受信した携帯無線装置1は、チャレンジリクエスト信号を認証対象装置21に送信する。チャレンジリクエスト信号を受信した認証対象装置21は、8byteの乱数を発生させて生成したチャレンジ信号を携帯無線装置1に送信するとともに、そのチャレンジ信号を携帯無線装置1と共通の暗号化処理によって暗号化した暗号化信号を記憶する。チャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、このチャレンジ信号に対して認証対象装置21と共通の暗号化処理を行って生成したレスポンス信号を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信する。
上述したシーケンスにおいて、認証対象装置21がサーチ要求信号の送信を開始してから携帯無線装置1がACK信号を受信するまでの期間では、各種信号は、ある周波数(CH4)の電波を用いて伝送される。一方、携帯無線装置1は、認証対象装置21から受信したチャレンジ信号に含まれる乱数に基づいて、ランダムに指定した周波数CHf1(CHf1は、CH1〜CH3のいずれか一つ)を、レスポンス信号によって認証対象装置21に通知している。携帯無線装置1がACK信号を受信した後及び認証対象装置21がACK信号を送信した後の認証モードの期間では、各種信号は、携帯無線装置1がレスポンス信号によって認証対象装置21に通知した周波数CHf1(CHf1は、CH1〜CH3のいずれか一つ)の電波を用いて伝送される。なお、携帯無線装置1は、認証対象装置21が発生させた乱数を基に周波数CHf1を指定する構成について説明したが、携帯無線装置1が乱数を発生させ、その値を基に周波数CHf1を指定する構成であってもよい。
キーID信号以後の信号を所定の時間、相手側装置から受信できなければ、認証対象装置21はサーチ要求信号の送信を再度開始し、一方携帯無線装置1は認証対象装置21から送信されてくるサーチ要求信号のキャリアセンスを再度開始する。上述したシーケンスのうち、認証対象装置21がサーチ要求信号の送信を開始してから携帯無線装置1がACK信号を受信するまでの期間をサーチモードと称する(なお、認証対象装置21がサーチ要求信号の送信を開始してから携帯無線装置1が端末ID信号を受信するまでの期間をサーチモード、携帯無線装置1がチャレンジリクエスト信号を送信してから携帯無線装置1がACK信号を受信するまでの期間を初期認証モード、とそれぞれ称されることがある。)。また、ACK信号を送信または受信した以降、認証対象装置21及び携帯無線装置1は、後述する認証モードに遷移することになる。
ところで、認証対象装置21は、上述のシーケンスで示した各種信号の送受信を行うと共に、携帯無線装置1から受信した各種信号のうち、一部の信号(または全ての信号)の受信強度を計測する、または、認証対象装置21から受信した信号の受信強度を計測する携帯無線装置1からその受信強度を通知されている。レスポンス信号を受信した認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に成功したと判定した場合、そのレスポンス信号を受信するまでに計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値未満であれば、ACK信号を携帯無線装置1に送信して認証モードに遷移するものの、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を継続する。一方、認証対象装置21は、そのレスポンス信号を受信するまでに計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値以上であれば、ACK信号を携帯無線装置1に送信して認証モードに遷移し、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を解除する。
続いて、認証対象装置21がサーチモードにおいてレスポンス信号を送信した以後のシーケンスについて、説明する。図3に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンスを示す。携帯無線装置1及び認証対象装置21は、相手装置との同期をとるために、携帯無線装置1が、レスポンス信号を認証対象装置21に送信した時点を起点として計時を開始し、一方、認証対象装置21が、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始するものとする。なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1から受信する各種信号のフレーム同期に合わせて、計時時刻を補正するものとする。
携帯無線装置1は、計時を開始してから2Tの周期で、認証対象装置21から送信される信号のキャリアセンスを周波数CHf1にて繰り返す(携帯無線装置1は、図3における「○」で示す時点で、認証チャネルのキャリアセンスを実施している。)。認証モードに遷移した認証対象装置21は、以後、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミングに合わせて、任意の要求信号を携帯無線装置1に送信する。また、携帯無線装置1は、計時を開始してからTの周期で、サーチチャネルのキャリアセンスを実施する場合がある。携帯無線装置1によるサーチチャネルのキャリアセンスは、携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置が複数台携帯無線装置1に登録されており、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置から送信されてくる信号を受信するために、実施される。なお、認証チャネルのキャリアセンスを実施するタイミングとサーチチャネルのキャリアセンスを実施するタイミングとが重複する場合があるが、このような場合、携帯無線装置1は、認証チャネルのキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルのキャリアセンスを行う、という処理で対応する。
また、認証対象装置21も、計時を開始してから2Tの周期で、携帯無線装置1から送信される信号のキャリアセンスを周波数CHf1にて繰り返す(認証対象装置21は、図3における「○」で示す時点で、認証チャネルのキャリアセンスを実施している。)。認証対象装置21は、以後、認証対象装置21がキャリアセンスするタイミングに合わせて、任意の要求信号を認証対象装置21に送信する。なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミングに合わせて任意の要求信号を携帯無線装置1に送信する場合があるが、このときには、認証チャネルのキャリアセンスを行わない。
認証対象装置21は、レスポンス信号を受信してから時間2Tが経過したとき、その時点までに8byteの乱数を発生させて生成しておいたチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信するとともに、その8byteのチャレンジ信号と、そのチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1と共通の暗号化処理によって暗号化した8byteの暗号化信号と、を記憶する。チャレンジ信号(Full)を受信した携帯無線装置1は、このチャレンジ信号(Full)と、このチャレンジ信号(Full)に対して認証対象装置21と共通の暗号化処理を行って生成した8byteのレスポンス信号と、を記憶するとともに、そのレスポンス信号のうちの、先頭から1byte(レスポンス信号1/8)を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号(1/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(1/8)と、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの先頭から1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定する。
さらに、認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、記憶しておいた8byteのチャレンジ信号のうちの、1byte目の終わりからの1byte(チャレンジ信号2/8)を携帯無線装置1に送信する。チャレンジ信号(2/8)を受信した携帯無線装置1は、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、1byte目の終わりからの1byte(レスポンス信号2/8)を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号(2/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(2/8)と、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、1byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定する。同様に、認証対象装置21は、チャレンジ信号(2/8)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、記憶しておいた8byteのチャレンジ信号のうちの、2byte目の終わりからの1byte(チャレンジ信号3/8)を携帯無線装置1に送信する。チャレンジ信号3/8を受信した携帯無線装置1は、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、2byte目の終わりからの1byte(レスポンス信号3/8)を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号(3/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(3/8)と、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、2byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定する。
図3では、認証対象装置21が、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信してからチャレンジ信号(2/8)を携帯無線装置1に送信するまでの16Tの期間をブロック1と称している。以後、認証対象装置21が、チャレンジ信号(n/8)(n=2、3・・・7)を携帯無線装置1に送信してからチャレンジ信号((n+1)/8)を携帯無線装置1に送信するまでの16Tの期間をブロックnと称している。さらに、認証対象装置21が、チャレンジ信号(8/8)を携帯無線装置1に送信してから、再度8byteの乱数を発生させて生成したチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信するまでの16Tの期間をブロック8と称している。ブロック8において、認証対象装置21は、チャレンジ信号(8/8)を携帯無線装置1に送信してから16T経過したとき、その時点までに再度8byteの乱数を発生させて生成しておいたチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信するとともに、その8byteのチャレンジ信号と、そのチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1と共通の暗号化処理によって暗号化した8byteの暗号化信号と、を記憶する。そして、ブロック1、2・・・nそれぞれの期間に応じた、チャレンジ信号(n/8)及びレスポンス信号(n/8)が送受信される。以降、認証対象装置21は、128T毎に、上述の処理を繰り返す。なお、ブロックの順番nに合わせて、8byteのチャレンジ信号、及びレスポンス信号のうちの(n−1)の終わりからの1byteを、チャレンジ信号(n/8)、及びレスポンス信号(n/8)とするように説明したが、ブロックの順番nに合わせない構成であっても構わない。例えば、8byteのチャレンジ信号、及びレスポンス信号の最後からの1byteをチャレンジ信号(1/8)及びレスポンス信号(1/8)とし、以下チャレンジ信号、及びレスポンス信号の最後からの1byte単位でチャレンジ信号(n/8)及びレスポンス信号(n/8)としてもよいし、予めお互いの間で決められたランダムな順序(例えば、8、3、2、5、7、6、1、4)を決めておき、または、チャレンジ信号(Full)に順番を表す情報を載せてその順序を共有化しておき、その順序に対応する1byteをチャレンジ信号(n/8)及びレスポンス信号(n/8)としてもよいし、「最後から・・・」と「先頭から・・・」を交互に入れ替えるようにしてもよい。これにより、携帯無線装置1及び認証対象装置21間の信号の送受信における秘匿性が高まる。
各ブロックn(n=1、2、・・・8)において、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信した認証対象装置21は、その後携帯無線装置から受信するレスポンス信号(n/8)の受信強度を計測する、または、認証対象装置21から受信した信号の受信強度を計測する携帯無線装置1からレスポンス信号を用いてその受信強度を通知されている。レスポンス信号(n/8)を受信した認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に成功したと判定した場合、そのレスポンス信号(n/8)から計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値未満であれば、認証モードを維持するものの、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を継続する。一方、認証対象装置21は、そのレスポンス信号(n/8)から計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値以上であれば、認証モードを維持し、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を解除する。なお、認証対象装置21は、ブロック1からブロック8においてそれぞれ計測したまたは通知された信号の受信強度に基づいて、総合的に受信強度が所定値以上か未満かを判定するようにしてもよい。例えば、ブロック1〜8における受信強度の最大値(または最小値)や平均化した数値を算出し、その数値が受信強度の所定値以上か未満かを判定する手法が考えられる。また、認証対象装置21は、そのレスポンス信号(n/8)の受信強度を計測する機能と、携帯無線装置1からレスポンス信号(n/8)を用いてその受信強度を取得する機能と、を有している場合には、それぞれの機能から得た受信強度のうちの、大きいもの(または小さいもの)が、所定値以上か未満かを判定するようにしてもよい。
ところで、認証モードに遷移した認証対象装置21は、以後、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、任意の要求信号を携帯無線装置1に送信すると説明した。この「任意の要求信号」には、例えば、報知機能が設けられた携帯無線装置1に報知を要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置が当該認証対象装置に備わる機能の少なくとも一部に対して制限を加えるとき)、LEDが設けられた携帯無線装置1にそのLEDの点灯を要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置が携帯電話である場合、その携帯電話が音声電話の着信や電子メールの受信を検出したとき)、表示機能が設けられた携帯無線装置1に文字列や画像を表示することを要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置が携帯電話である場合、その携帯電話が着信した音声電話の相手先の情報や受信した電子メールの相手先の情報を携帯無線装置に送信し、携帯無線装置に表示させるとき)、または、携帯無線装置1に受信強度の測定を要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置21が計測する、または携帯無線装置1から通知される受信強度が通信可能な限界の数値に極めて近く、受信強度を検出する頻度を大きくするために、レスポンス信号の受信周期16Tのタイミングに加えて、さらに別のタイミングで受信強度を検出したいとき)、などが挙げられる。
この「任意の要求信号」を、認証対象装置21は、ブロック1からブロック8のいずれかの期間に送信することになる。認証対象装置21は、例えば、ブロック1の期間に任意の要求信号を携帯無線装置1に送信すると、記憶しておいた8byteのチャレンジ信号のうちの、先頭からの1byte(チャレンジ信号1/8)を付与した任意の要求信号(1/8)を携帯無線装置1に送信する。任意の要求信号(1/8)を受信した携帯無線装置1は、その任意の要求信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を認証対象装置21から受信したときに記憶しておいた信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。携帯無線装置1は、それらの信号が一致していれば、その要求に応じた処理を実行できるか否かを判定し、実行できると判定した場合には、その任意の要求信号(1/8)に応答する旨を通知するACK信号(1/8)を認証対象装置21に送信する。なお、携帯無線装置1は、ACK信号(1/8)を認証対象装置21に送信する際には、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、先頭からの1byteを付与したACK信号(1/8)を送信する。ACK信号(1/8)を受信した認証対象装置21は、そのACK信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1が要求した処理を実行するものと判定する。認証対象装置21が、他のブロックにおいて任意の要求信号を送信する場合も、任意の要求信号及びACKに付与される信号が、そのブロックに対応する1byteに変わる点を除いて、同様である。
認証モード期間中に無線認証に利用する電波の周波数を変更するための、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第1形態としては、上述した「任意の要求信号」を利用して、認証対象装置21から携帯無線装置1に、認証モード中の無線認証に利用される電波の周波数の変更を要求する。すなわち、認証対象装置21は、携帯無線装置1が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信する。図3では、認証対象装置21は、ブロック1の期間に、周波数の変更を要求する要求信号(1/8)を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信している場合を示している。要求信号(1/8)を受信した携帯無線装置1は、その要求信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を認証対象装置21から受信したときに記憶しておいた信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。携帯無線装置1は、それらの信号が一致していれば、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定し(携帯無線装置1は、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、周波数を変更することができないと判定する)、変更することができると判定した場合には、その要求信号(1/8)に応答する旨を通知するACK信号(1/8)を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信する。認証対象装置21は、携帯無線装置1からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信するまで(正常に受信できない場合には、携帯無線装置1が要求信号(1/8)を受信できていない場合、または、携帯無線装置1がACK信号(1/8)を送信したが、そのACK信号(1/8)を認証対象装置21が受信できていない場合、がある)、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信し続ける。なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信できない場合、所定の回数または所定の期間、要求信号を送信すれば、CHf1からCHf2への周波数の変更を取り止める、さらに、CHf1からCHf3への周波数の変更を要求する要求信号を送信するようにしてもよい。
なお、携帯無線装置1は、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定する場合に、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、周波数を変更することができないと判定すると説明したが、CHf2がCH1〜CH3の範囲内であっても、拒否する場合も考えられる。この場合としては、携帯無線装置1は、周波数CH1〜CH3毎の無線通信失敗回数や受信電界強度(後述する、携帯無線装置1または認証対象装置21が周波数の変更を要求する条件を参照)を逐次記憶しておき、認証対象装置21からCH1から、無線通信失敗回数の多いまたは他の認証チャネルに比べて受信電界強度の小さいCH2への変更を要求する信号が来たとき、無線通信失敗回数の少ないまたは他の認証チャネルに比べて受信電界強度の大きいCH3への変更を要求する要求信号を認証対象装置21に送信する場合である。この場合、認証対象装置21は、再度、CH1からCH3への変更を要求する要求信号を送信する。これにより、混信が起こり難い周波数にて、携帯無線装置1及び認証対象装置21は、認証モードにて無線認証することができる。
上述した携帯無線装置1及び認証対象装置21による要求信号(1/8)及びACK信号(1/8)の送受信は、周波数を変更する前の周波数CHf1にて行われるが、周波数をCHf2に変更する場合、携帯無線装置1及び認証対象装置21それぞれにおいて、どの時点から周波数を変更するのかを取り決めておく必要がある。周波数を変更する時点としては、携帯無線装置1では、要求信号(1/8)を受信してから2T後の時点、または、要求信号(1/8)を受信した後の、チャレンジ信号(2/8)を受信する時点(次のブロック2n開始時点)、認証対象装置21では、ACK信号(1/8)を受信した後の、次の2Tの周期の時点、または、ACK信号(1/8)を受信した後の、チャレンジ信号(2/8)を送信する時点(次のブロック2n開始時点)が、携帯無線装置1及び認証対象装置21それぞれにおいて考えられる。図3では、ブロック2の開始時点から、周波数をCHf2に変更する場合を示している。なお、認証対象装置21が、ACK信号(1/8)を受信できておらず、周波数CHf1にて要求信号(1/8)を再度送信する場合を考慮し、携帯無線装置1は、上記の周波数を変更する時点から一定期間、CHf1とCHf2にてキャリアセンスを行うことが好ましい。
また、認証モード期間中に無線認証に利用する電波の周波数を変更するための、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第2形態としては、携帯無線装置1が、認証対象装置21がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて認証対象装置21に送信する任意の要求信号を利用して、携帯無線装置1から認証対象装置21に、認証モード中の無線認証に利用される電波の周波数の変更を要求する、構成も考えられる。すなわち、携帯無線装置1は、認証対象装置21が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信する。図3では、携帯無線装置1は、ブロック1の期間に、周波数の変更を要求する要求信号(1/8)を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信している場合を示している。携帯無線装置1は、要求信号(1/8)を認証対象装置21に送信する際には、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、先頭からの1byteを付与した要求信号(1/8)を送信する。要求信号(1/8)を受信した認証対象装置21は、その要求信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定し(認証対象装置21は、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、周波数を変更することができないと判定する)、変更することができると判定した場合には、その要求信号(1/8)に応答する旨を通知するACK信号(1/8)を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信する。携帯無線装置1は、認証対象装置21からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信するまで(正常に受信できない場合には、認証対象装置21が要求信号(1/8)を受信できていない場合、または、認証対象装置21がACK信号(1/8)を送信したが、そのACK信号(1/8)を携帯無線装置1が受信できていない場合、がある)、認証対象装置21がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信し続ける。なお、携帯無線装置1は、認証対象装置21からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信できない場合、所定の回数または所定の期間、要求信号を送信すれば、CHf1からCHf2への周波数の変更を取り止める、さらに、CHf1からCHf3への周波数の変更を要求する要求信号を送信するようにしてもよい。
上述した携帯無線装置1及び認証対象装置21による要求信号(1/8)及びACK信号(1/8)の送受信は、周波数を変更する前の周波数CHf1にて行われるが、周波数をCHf2に変更する場合、携帯無線装置1及び認証対象装置21それぞれにおいて、どの時点から周波数を変更するのかを取り決めておく必要がある。周波数を変更する時点としては、認証対象装置21では、要求信号(1/8)を受信してから2T後の時点、または、要求信号(1/8)を受信した後の、チャレンジ信号(2/8)を送信する時点(次のブロック2の開始時点)、携帯無線装置1では、ACK信号(1/8)を受信した後の、次の2Tの周期の時点から、または、ACK信号(1/8)を受信した後の、チャレンジ信号を受信する時点(次のブロック2の開始時点)が、携帯無線装置1及び認証対象装置21それぞれにおいて考えられる。図3では、ブロック2の開始時点から、周波数をCHf2に変更する場合を示している。なお、携帯無線装置1が、ACK信号(1/8)を受信できておらず、周波数CHf1にて要求信号(1/8)を再度送信する場合を考慮し、認証対象装置21は、上記の周波数を変更する時点から一定期間、CHf1とCHf2にてキャリアセンスを行うことが好ましい。
続いて、認証対象装置21が認証モードにおいてレスポンス信号を受信できない場合のシーケンスについて、説明する。図4に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンスの他例を示す。認証対象装置21は、16Tの周期で、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信するが、それらのチャレンジ信号に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信できない場合、最初のチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信した時点から2T後に、同じチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を再送する(図3及び図4では、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1と表記している。)。認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信することができれば、最初のチャレンジ信号(n/8)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、チャレンジ信号(n+1)/8を携帯無線装置1に送信する。
一方、認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1を送信した後、それらのチャレンジ信号に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信できない場合、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1を送信した時点から2T後に、同じチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を再送する(図3及び図4では、チャレンジ信号(Full)再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送2と表記している。)。認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送2に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信することができれば、最初のチャレンジ信号(n/8)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、チャレンジ信号(n+1)/8を携帯無線装置1に送信する。
さらに、認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信した後、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1を送信した後、及びチャレンジ信号(Full)再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送2を送信した後、いずれのチャレンジ信号に対しても携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信できない場合、サーチ要求信号の送信を開始し、サーチモードに遷移する。そして、認証対象装置21は、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を加える、または、既に制限を加えた状態であればその制限を継続することになる。他方、携帯無線装置1は、認証対象装置21から最初のチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を受信すべき時点から4T経過すると(つまり、認証対象装置21が一連の3度のチャレンジ信号の送信にかかる時間経過すると)、2T間隔の認証対象装置21に対する認証チャネルのキャリアセンスを中止し、同時点ではサーチチャネルのキャリアセンスを行うことになる。
本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第3形態としては、チャレンジ信号、チャレンジ信号再送1またはチャレンジ信号再送2を受信した携帯無線装置1が、認証対象装置21に送信するレスポンス信号(n/8)を利用して、携帯無線装置1から認証対象装置21に、認証モード中の無線認証に利用される電波の周波数の変更を要求する、構成も考えられる。すなわち、携帯無線装置1は、チャレンジ信号(n/8)またはチャレンジ信号(Full)の応答電文であるレスポンス信号(n/8)に、チャネル変更要求情報を搭載する。図4では、携帯無線装置1は、ブロック1の期間に、チャネル変更要求情報を搭載したレスポンス信号(1/8)を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信している場合を示している。そのレスポンス信号(1/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定する(認証対象装置21は、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、周波数を変更することができないと判定する)。
上述した携帯無線装置1及び認証対象装置21による、チャネル変更要求情報を搭載したレスポンス信号(1/8)の送受信は、周波数を変更する前の周波数CHf1にて行われるが、周波数をCHf2に変更する場合、携帯無線装置1及び認証対象装置21それぞれにおいて、どの時点から周波数を変更するのかを取り決めておく必要がある。周波数を変更する時点としては、携帯無線装置1では、レスポンス信号(1/8)を送信した場合においてチャレンジ信号(Full)、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(Full)再送2を受信した時点から2T後の時点、または、チャレンジ信号(2/8)を受信する時点(次のブロック2の開始時点)、認証対象装置21では、レスポンス信号(1/8)を受信した場合においてチャレンジ信号(Full)、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(Full)再送2を送信した時点から2T後の時点(または、チャレンジ信号(2/8)を送信する時点(次のブロック2の開始時点)が、携帯無線装置1及び認証対象装置21それぞれにおいて考えられる。図4では、ブロック2の開始時点から、周波数をCHf2に変更する場合を示している。なお、認証対象装置21が、レスポンス信号(1/8)またはレスポンス信号(1/8)再送1を受信できておらず、周波数CHf1にてレスポンス信号(1/8)再送1またはレスポンス信号(1/8)再送2を送信する場合、及び、認証対象装置21が、レスポンス信号(1/8)またはレスポンス信号(1/8)再送1を受信を受信でき、周波数CHf2にて任意の要求信号(1/8)を送信する場合、を考慮し、認証対象装置21は、上記の周波数を変更する時点ではCHf1とCHf2にてキャリアセンスを行い、CHf2にて受信すれば上記の周波数を変更する時点から2T後の時点ではCHf2にてキャリアセンスを、CHf1にて受信すれば上記の周波数を変更する時点から2T後の時点でもCHf1とCHf2にてキャリアセンスを、それぞれ行うことが好ましい。
認証対象装置21は、以上のようなシーケンスによって携帯無線装置1との間で無線認証を行い、認証対象装置21に備わる各種機能の一部または全てに対して制限を加え、またはその制限を解除する。
なお、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第1形態〜第3形態において、携帯無線装置1または認証対象装置21が周波数の変更を要求する変更信号またはチャネル変更要求情報を搭載したレスポンス信号を送信する条件としては、次のものがある。すなわち、
(1)任意のブロックnにおいて、携帯無線装置1は、認証対象装置21からの最初のチャレンジ信号(n/8)を受信できない回数、または認証対象装置からチャレンジ信号(n/8)の再送を受信した回数をカウントしており、その回数が所定の回数を上回ったとき。または、認証対象装置21は、携帯無線装置1に送信した最初のチャレンジ信号(n/8)に対するレスポンス信号(n/8)を受信できない回数をカウントしており、その回数が所定の回数を上回ったとき。
(2)任意のブロックnにおいて、携帯無線装置1は、認証対象装置21からの最初のチャレンジ信号を受信するために認証チャネルのキャリアセンスを行ったときに、自機(携帯無線装置1)と対に設定されていない他の認証対象装置や他の携帯無線装置からの電波を受信した回数をカウントしており、その回数が所定の回数を上回ったとき。または、認証対象装置21は、携帯無線装置1に送信した最初のチャレンジ信号に対する応答受信時に、他の認証対象装置や自機(認証対象装置21)と対に設定されていない他の携帯無線装置からの電波を受信した回数をカウントしており、その回数が所定の回数を上回ったとき。
(3)携帯無線装置1及び認証対象装置21は、認証モードに遷移してからの時間を計時しており、その時間が所定の値を上回ったとき。特に、携帯無線装置1は、後述する複数の認証対象装置との間で無線認証を行っている場合には、各認証対象装置毎に認証モードに遷移してからの時間を計時しておき、その認証対象装置いずれかの認証モードに遷移してからの時間が所定の値を上回ったとき。
(4)予め定められた時間内の受信電界強度の最大値が小さいとき、受信電界強度が直近で小さいとき、または、フェージングの影響が考えられるとき(つまり、受信電界強度の最大値は大きいが、最小値が極端に低いとき)。
(5)1日のうちの、ある時刻における通信成功率の傾向をを学習しておき、現在時刻が、当該学習した傾向に基づいて特定される時刻になったとき(例えば、9:00〜1時間は定期的に周波数CH2に対して妨害がありCH2での通信成功率が下がる傾向にあることを予め学習しておき、その後9:00の時点で周波数CH2にて無線認証を行っているとき)。
携帯無線装置1及び認証対象装置21は、(1)〜(5)のような条件を検出したときに、認証チャネルを変更することによって、他の携帯無線装置(自機と対に設定されている他の携帯無線装置、されていない他の携帯無線装置を問わない。)及び他の認証対象装置が同じ認証チャネルで無線認証を行っている場合、さらには携帯無線装置または認証対象装置とは異なる別の通信装置によるある認証チャネルへの妨害やノイズ等による影響が大きい場合に、自機が無線認証に利用している認証チャネルを変更することができる。このため、複数の認証チャネルに渡って、各認証チャネルを利用して無線認証を行う携帯無線装置−認証対象装置のペアの数を、平均化することができ、また、別の通信装置からの妨害やノイズによる影響を回避することができるため、ある無線通信圏内で無線認証している全ての携帯無線装置−認証対象装置にとって混信が起こり難く、また、フェージングの影響を低減できる環境を作りだすことができる。
[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]
次に、1台の携帯無線装置が複数台の認証対象装置との間で無線認証を行う場合のシーケンスについて、説明する。上述した[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]では、認証対象装置21は、前回チャレンジ信号(n/8)を携帯無線装置1に送信してから1ブロック分の16Tが経過したときに、チャレンジ信号((n+1)/8)を携帯無線装置1に送信する処理を基本とするシーケンスについて説明した。[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]では、上記一つのブロックの期間に別の認証対象装置22と無線認証を行う処理について説明する。
図5に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスを示す。図5において、認証対象装置21は、[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]で説明したシーケンスによって、既に認証モードに遷移している。一方、認証対象装置22は、サーチモードにあり、サーチ要求信号の送信を開始する。
携帯無線装置1は、当該携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置のうち、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置22から送信されてくる信号を受信すべく、周期Tでサーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す。一方、認証対象装置22は、少なくとも携帯無線装置1のキャリアセンス周期T以上の期間、サーチ要求信号を周波数CH4にて送信する。携帯無線装置1と同期がとれていない認証対象装置22は、携帯無線装置1のキャリアセンスT以上の期間、サーチ要求信号を送信することによって、携帯無線装置1にサーチ要求信号を受信させることができるようにしている。認証対象装置22は、そのサーチ要求信号を受信した携帯無線装置1から送信されるサーチ信号を受信するまで、サーチ要求信号を定期的に送信し続ける。
例えば、図5に示すように、認証対象装置22がサーチ要求信号を送信する期間が、認証対象装置21がチャレンジ信号(2/8)を再送する時点と重複したとき、携帯無線装置1は、認証チャネルCHf1のキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルCH4のキャリアセンスを行う、という処理で対応するため、ここでは、認証対象装置21が再送するチャレンジ信号(2/8)が携帯無線装置1によって受信されるため、認証対象装置22が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信されない。
また、例えば、図5に示すように、認証対象装置22がサーチ要求信号を送信する期間が、携帯無線装置1がサーチチャネルのキャリアセンスを行う時点と重複した場合、認証対象装置22が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信される。サーチ要求信号を受信した携帯無線装置1は、サーチ信号を認証対象装置22に送信し、以後、携帯無線装置1及び認証対象装置22は、図2において説明したサーチモード時のシーケンスに則って、認証対象装置22がチャレンジ信号を送信するまでの処理を行う。なお、携帯無線装置1がサーチ要求信号を受信してから認証対象装置22がチャレンジ信号を送信するまでの処理にかかる時間は、時間間隔Tに比べて極めて短いため、図5において、その処理についてのシーケンスは省略している。
認証対象装置22からチャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、次の処理を行って、認証対象装置22との間で認証モードによる無線認証を開始する。すなわち、携帯無線装置1は、認証対象装置22からチャレンジ信号を受信すると、認証対象装置22に計時を開始させたい時点よりも時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信する。認証対象装置22に計時を開始させたい時点の候補は、任意のブロックの開始時刻から次のブロックの開始時刻までの2T間隔の時点である(認証対象装置21が、チャレンジ信号を送信する機会を最低3回確保するために、認証対象装置22に計時を開始させたい時点の候補は、任意のブロックの開始時刻から「4T」後、「8T」後、及び「12T」後が好ましい。)。携帯無線装置1は、この計時を開始させたい時点の候補のうちの、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点を選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信する。図5では、携帯無線装置1は、ブロック2の開始時刻から「6T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信することによって、ブロック2の開始時刻から「8T」後にチャレンジ信号(Full)を認証対象装置22から受信することができる。一方、レスポンス信号を受信した認証対象装置22は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置22は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信する。そして、認証対象装置22は、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始し、計時を開始してから時間2Tが経過したとき、8byteの乱数を発生させて生成したチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。携帯無線装置1及び認証対象装置22による以降の処理は、携帯無線装置1及び認証対象装置21による処理と同様であるため、省略する。
携帯無線装置1は、認証対象装置22からチャレンジ信号(Full)を受信すると、他の認証対象装置に計時を開始させたい時点の候補のうちの、任意のブロックの開始時刻から「8T」後の時点は、いずれかの認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶する。以降、認証対象装置21、22以外の別の認証対象装置23からサーチ要求信号からチャレンジ信号までのサーチモードにおける一連の信号を受信した場合、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である、任意のブロックの開始時刻から次のブロックの開始時刻までの2T間隔の時点のうちの、「8T」を除く時点のいずれかを選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信することになる。
一台の携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置21と認証対象装置22で、認証モード期間に無線認証に利用する認証チャネルを統一する必要が無い場合、携帯無線装置1は、[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]において周波数CHf1(CHf1は、CH1〜CH3のいずれか一つ)をレスポンス信号によって認証対象装置21に通知したのと同様に、サーチモード期間中に認証対象装置22から受信したチャレンジ信号に含まれる乱数に基づいて、ランダムに指定した周波数CHf3(CHf3は、CH1〜CH3のいずれか一つ)を、レスポンス信号によって認証対象装置22に通知する。認証対象装置22は、レスポンス信号によって携帯無線装置1から通知された周波数CHf3(CHf3は、CH1〜CH3のいずれか一つ)の電波を用いて伝送される各種信号を送受信する。一方、携帯無線装置1は、認証対象装置22からACK信号を受信した場合に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信した時点から2Tが経過すると、周波数CHf1及び周波数CHf3による認証チャネルのキャリアセンスを開始する。
このとき、携帯無線装置1及び認証対象装置22は、相手装置との無線認証に利用する電波の周波数を変更する場合、[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]にて説明した、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第1形態〜第3形態と同様の処理によって、周波数CHf3から周波数CHf4へ変更することができる。このとき、携帯無線装置1は、周波数CHf1及び周波数CHf4による認証チャネルのキャリアセンスを行うことになる。
続いて、一台の携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置21と認証対象装置22で、認証モード期間に無線認証に利用する認証チャネルを統一する必要が有る場合について説明する。この場合を、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第4形態とする。第4形態では、[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]にて説明した、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第1形態〜第3形態の処理を組み合わせる必要がある。図6に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例を示す。
サーチモードの期間において、認証対象装置22がサーチ要求信号の送信を開始してから、携帯無線装置1が認証対象装置22からチャレンジ信号を受信するまでの処理は、上述した通りである。チャレンジ信号を認証対象装置22から受信した携帯無線装置1は、ランダムに指定した周波数CHf3(CHf3は、CH1〜CH3のいずれか一つ)をレスポンス信号によって認証対象装置22に通知するのではなく、認証対象装置21との認証モードでの無線認証に利用している周波数CHf1をレスポンス信号によって認証対象装置22に通知する。これにより、認証対象装置22は、認証対象装置21が認証モードでの無線認証に利用している共通の周波数CHf1にて、認証モードでの無線認証を開始することになる。図6では、この処理を経て、認証対象装置21及び認証対象装置22は、認証チャネルCHf1にて、携帯無線装置1との間で無線認証を行っているものとする。
ここで、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第1形態で説明したように、認証対象装置21は、携帯無線装置1が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号(2/8)を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信すると、要求信号(2/8)を受信した携帯無線装置1は、その要求信号(2/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を認証対象装置21から受信したときに記憶しておいた信号のうちの、1byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。携帯無線装置1は、それらの信号が一致していれば、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定し(携帯無線装置1は、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、または、さらに、他の認証対象装置22から既に周波数を変更することを要求する要求信号を受信している場合には、周波数を変更することができないと判定し)、変更することができると判定した場合には、その要求信号(2/8)に応答する旨を通知するACK信号(2/8)を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信する。認証対象装置21は、携帯無線装置1からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信するまで(正常に受信できない場合には、携帯無線装置1が要求信号(2/8)を受信できていない場合、または、携帯無線装置1がACK信号(2/8)を送信したが、そのACK信号(2/8)を認証対象装置21が受信できていない場合、がある)、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信し続ける。なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信できない場合、所定の回数または所定の期間、要求信号を送信すれば、CHf1からCHf2への周波数の変更を取り止める、さらに、CHf1からCHf3への周波数の変更を要求する要求信号を送信するようにしてもよい。
認証対象装置21から要求信号(2/8)を受信したことをトリガとして、携帯無線装置1は、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第2形態で説明したように、認証対象装置22が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号(8/8)を周波数CHf1にて認証対象装置22に送信する。携帯無線装置1は、要求信号(8/8)を認証対象装置22に送信する際には、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、7byte目の終わりからの1byteを付与した要求信号(8/8)を送信する。要求信号(8/8)を受信した認証対象装置22は、その要求信号(8/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、7byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置22は、それらの信号が一致していれば、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定し(認証対象装置22は、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、周波数を変更することができないと判定する)、変更することができると判定した場合には、その要求信号(8/8)に応答する旨を通知するACK信号(8/8)を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信する。携帯無線装置1は、認証対象装置22からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信するまで(正常に受信できない場合には、認証対象装置22が要求信号(1/8)を受信できていない場合、または、認証対象装置22がACK信号(8/8)を送信したが、そのACK信号(8/8)を携帯無線装置1が受信できていない場合、がある)、認証対象装置22がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて認証対象装置22に送信し続ける。なお、携帯無線装置1は、携認証対象装置22からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信できない場合、所定の回数または所定の期間、要求信号を送信すれば、CHf1からCHf2への周波数の変更を取り止める、さらに、CHf1からCHf3への周波数の変更を要求する要求信号を送信するようにしてもよい。
その後、携帯無線装置1は、要求信号(2/8)を受信した後の、認証対象装置21がチャレンジ信号(3/8)を送信する時点、または、ACK信号(8/8)を受信した後の、認証対象装置22がチャレンジ信号(Full)を送信する時点のうちの、早い時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始する。そして、携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22からそれぞれ、周波数CHf2にて電波を受信すると、認証チャネルCHf2のみのキャリアセンスを開始する。一方、認証対象装置21は、チャレンジ信号(3/8)を送信する時点から、認証対象装置22は、チャレンジ信号(Full)を送信する時点から、周波数をCHf1からCHf2へ変更する。
一台の携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置21と認証対象装置22で、認証モード期間に無線認証に利用する認証チャネルを統一する必要が有る場合には、以上の処理により認証チャネルを変更する。なお、上述した第4形態の説明では、携帯無線装置1が認証対象装置22に周波数を変更するよう要求するために、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第2形態で説明した要求信号を利用したが、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第3形態で説明した、チャネル変更要求情報を搭載したレスポンス信号を利用してもよい。
また、携帯無線装置1が認証モードにて無線認証を行う認証対象装置の数が3、4・・・と増えた場合でも、同様である。すなわち、携帯無線装置1は、いずれか一つの認証対象装置から要求信号を受信した後、その他の認証対象装置に要求信号を送信し、全ての認証対象装置からACK信号を受信した後の、各認証対象装置がチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信する時点のうち、最も早い時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始し、全ての認証対象装置から周波数CHf2にて電波を受信すると、認証チャネルCHf2のみのキャリアセンスを開始する。
さらに、一台の携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置21と認証対象装置22で、認証モード期間に無線認証に利用する認証チャネルを統一する必要が有る場合について、さらに別の形態を説明する。この形態を、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第5形態とする。図7に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例を示す。
本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第4形態は、認証対象装置21が認証チャネルの変更を要求し、その結果、他の認証対象装置22の認証チャネルが変更されるものであった。本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第5形態では、携帯無線装置1が、認証対象装置21及び認証対象装置22に認証チャネルの変更を要求する場合について説明する。
携帯無線装置1は、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第2形態で説明したように、携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)を周波数CHf1にて認証対象装置22に送信する。図7では、携帯無線装置1は、要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)が重複して送信しないようにしている。携帯無線装置1が、認証対象装置21及び認証対象装置22からACK信号(2/8)及びACK信号(8/8)を受信するまでの処理は、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第2形態で説明した通りであるため、説明を省略する。
その後、携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22からACK信号(2/8)及びACK信号(8/8)を受信すると、認証対象装置21がチャレンジ信号(3/8)を送信する時点、または認証対象装置22がチャレンジ信号(Full)を送信する時点のうちの、早い時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始する。そして、携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22からそれぞれ、周波数CHf2にて電波を受信すると、認証チャネルCHf2のみのキャリアセンスを開始する。一方、認証対象装置21は、チャレンジ信号(3/8)を送信する時点に、認証対象装置22は、チャレンジ信号(Full)を送信する時点に、周波数をCHf1からCHf2へ変更する。
一台の携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置21と認証対象装置22で、認証モード期間に無線認証に利用する認証チャネルを統一する必要が有る場合には、以上の処理によっても認証チャネルを変更することができる。なお、上述した第5形態の説明では、携帯無線装置1が認証対象装置22に周波数を変更するよう要求するために、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第2形態で説明した要求信号を利用したが、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第3形態で説明した、チャネル変更要求情報を搭載したレスポンス信号を利用してもよい。
また、携帯無線装置1が認証モードにて無線認証を行う認証対象装置の数が3、4・・・と増えた場合でも、同様である。すなわち、、携帯無線装置1は、全ての認証対象装置に要求信号を送信し、全ての認証対象装置からACK信号を受信した後の、各認証対象装置がチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信する時点のうち、最も早い時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始し、全ての認証対象装置から周波数CHf2にて電波を受信すると、認証チャネルCHf2のみのキャリアセンスを開始する。
本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第5形態では、携帯無線装置1が、周波数の変更を要求する要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)を異なる時点で送信することを説明した。本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第6形態では、認証対象装置21及び認証対象装置22に同一の時点で要求信号を送信するシーケンスについて説明する。図8に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例を示す。
携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)を周波数CHf1にて認証対象装置21及び認証対象装置22に送信する。このとき、携帯無線装置1は、これらの要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)を同報で送信する。要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)には、携帯無線装置1と認証モードにて無線通信を行っている認証対象装置21及び認証対象装置22の識別符号が列挙されている。認証対象装置21(または認証対象装置22)は、携帯無線装置1から受信した要求信号(2/8)(または要求信号(8/8))に列挙されている識別符号に自機(認証対象装置21(または認証対象装置22))の識別符号と一致すれば、ACK信号を携帯無線装置1に送信する。
認証対象装置21及び認証対象装置22は、上記ACK信号を携帯無線装置1に送信するタイミングを次に説明する処理によって決定する。すなわち、認証対象装置21(または認証対象装置22)は、受信した要求信号(2/8)(または要求信号(8/8))に列挙されている自機(認証対象装置21(または認証対象装置22))の識別符号が、識別符号の並び順の何番目に位置しているか、及び識別符号の総数Mを特定する。認証対象装置21の識別符号がN番目に位置しているとすると、認証対象装置21は、要求信号(2/8)を受信した時点から2T×N後の時点に、ACK信号(2/8)を携帯無線装置1に送信する。図8では、要求信号(2/8)(または要求信号(8/8))には、認証対象装置21の識別符号(1番目に位置する)、認証対象装置22の識別符号(2番目に位置する)の順に、識別符号が列挙されているものとし、認証対象装置21が、要求信号(2/8)を受信した時点から2T×1後の時点に、ACK信号(2/8)を携帯無線装置1に送信している。一方、認証対象装置22は、要求信号(8/8)を受信した時点から2T×2後の時点に、ACK信号(8/8)を携帯無線装置1に送信するところであるが、同時点では、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信することが優先される。このため、認証対象装置22は、要求信号(8/8)を受信した時点から2T×2(識別符号の並び順N)+2T×M(識別符号の総数M)後の時点に、ACK信号(1/8)を携帯無線装置1に送信している。認証対象装置21及び認証対象装置22は、ACK信号を携帯無線装置1に送信すべき時点と、他のチャレンジ信号を送信すべき時点と、が重複すれば、2T×Mの周期で繰り返しACK信号を送信する。なお、認証対象装置21(または認証対象装置22)は、要求信号(2/8)(または要求信号(8/8))に対して、ACK信号(2/8)(またはACK信号(8/8))にて応答するように記載したが、チャレンジ信号(3/8)(またはチャレンジ信号(Full))にて応答するようにしてもよい。認証対象装置21(または認証対象装置22)は、ACK信号(2/8)(またはACK信号(8/8))及びチャレンジ信号(3/8)(またはチャレンジ信号(Full))を組み合わせて応答することにより、要求信号(2/8)(または要求信号(8/8))に対して迅速に応答することができる。さらに、要求信号を同報で送信する携帯無線装置1は、各認証対象装置が16T間隔で信号を送信するタイミングを知っているため、例えば図8のような場合、本来、要求信号に載せる識別符号の順番が「認証対象装置21」「認証対象装置22」の順番であるところを、「認証対象装置22」「認証対象装置21」のように順番を入れ替えることによって、認証対象装置22がACK信号を送信する時点と、チャレンジ信号(Full)を重複する時点と、が重複しないように制御することもできる。このように、携帯無線装置1は、要求信号を同報で送信する際に、各認証対象装置が信号を送信する16T間隔のタイミングに応じて、識別符号を並べる順番を変えることにより、全ての認証対象装置から応答を受信するまでの時間を短縮させることができる。
その後、携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22からACK信号(2/8)及びACK信号(1/8)を受信すると、認証対象装置21がチャレンジ信号(3/8)を送信する時点、または認証対象装置22がチャレンジ信号(2/8)を送信する時点のうちの、早い時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始する。そして、携帯無線装置1は、認証対象装置21及び認証対象装置22からそれぞれ、周波数CHf2にて電波を受信すると、認証チャネルCHf2のみのキャリアセンスを開始する。一方、認証対象装置21は、チャレンジ信号(3/8)を送信する時点から、認証対象装置22は、チャレンジ信号(2/8)を送信する時点から、周波数をCHf1からCHf2へ変更する。
なお、携帯無線装置1は、全ての認証対象装置からACK信号を受信することができない場合が考えられる。携帯無線装置1は、要求信号を同報で送信した時点から、所定の期間(例えば、16T、32T)が経過するまでにいずれかの認証対象装置からACK信号を受信できなかった場合、ACK信号を受信できていない認証対象装置の識別符号を列挙した要求信号を送信する。その後、上述した処理を経て、携帯無線装置1は、全ての認証対象装置からACK信号を受信すると、各認証対象装置がチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信する時点のうち、最も早い時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始することになる。
さらに、携帯無線装置1は、予め決められた回数要求信号を送信しても、全ての認証対象装置からACK信号を受信することができない場合が考えられる。この場合、携帯無線装置1は、ACK信号を受信することができなかった認証対象装置とは、変更前の周波数CHf1にて、ACK信号を受信することができた認証対象装置とは、変更後の周波数CHf2にて、認証モードにおける無線認証を行う。具体的には、携帯無線装置1は、最後に要求信号を送信してから所定の期間(例えば、16T、32T)が経過した時点から、認証チャネルCHf1及びCHf2にてキャリアセンスを開始する。そして、携帯無線装置1は、ACK信号を受信することができなかった認証対象装置を除く全ての認証対象装置からそれぞれ、周波数CHf2にて電波を受信すると、認証チャネルCHf2のみのキャリアセンスを開始する。さらに、携帯無線装置1は、ACK信号を受信することができなかった認証対象装置には個別に要求信号を送信する。一方、認証対象装置は、ACK信号(n/8)送信後の、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ(n/8)を送信する時点から、周波数をCHf1からCHf2へ変更する。
なお、携帯無線装置1は、要求信号(2/8)及び要求信号(8/8)を同報で送信する場合、認証対象装置21、22の識別符号を列挙したものを認証対象装置21、22に送信し、認証対象装置21、22が自機の識別符号の有無を検出する構成について説明した。別の手法として、携帯無線装置1は、識別符号は列挙せずに、「レスポンス信号(2/8)」と「レスポンス信号(8/8)」を並べた信号を送信し、認証対象装置21、22は、自分のブロックのレスポンス信号(2/8)(またはレスポンス信号(8/8))と一致するかどうかを検出する構成であってもよい。
さらに、認証対象装置21、22は、同報で送信された要求信号に列挙されている自機の識別符号の順番Nから、その要求信号に対して応答すべき順番を決定する構成について説明した。要求信号に対して応答すべき順番を決定する別の手法として、携帯無線装置1は、認証対象装置21、22の識別符号と伴に、要求信号に対して応答すべき順番を決定する情報を付与した要求信号を送信し、認証対象装置21、22は、その情報を基にその要求信号に対して応答すべき順番を決定する構成も考えられる。
ところで、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第4形態では、サーチモードの期間中の認証対象装置22からチャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、認証対象装置21との認証モードでの無線認証に利用している周波数CHf1をレスポンス信号によって認証対象装置22に通知する、と説明した。これにより、認証対象装置22は、認証対象装置21が認証モードでの無線認証に利用している共通の周波数CHf1にて、認証モードでの無線認証を開始することになる。認証対象装置21との認証モードでの無線認証に利用している周波数CHf1を認証対象装置22に通知するこの処理を応用すると、次に説明する本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第6形態によっても、認証モードでの無線認証に利用している周波数を変更することができる。図9に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例を示す。
本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第1形態で説明したように、認証対象装置21は、携帯無線装置1が周波数CHf1にてキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号(2/8)を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信すると、要求信号(2/8)を受信した携帯無線装置1は、その要求信号(2/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を認証対象装置21から受信したときに記憶しておいた信号のうちの、1byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。携帯無線装置1は、それらの信号が一致していれば、周波数をCHf1からCHf2に変更することができるか否かを判定し(携帯無線装置1は、CHf2がCH1〜CH3の範囲外であれば、または、さらに、他の認証対象装置22から既に周波数を変更することを要求する要求信号を受信している場合には、周波数を変更することができないと判定し)、変更することができると判定した場合には、その要求信号(2/8)に応答する旨を通知するACK信号(2/8)を周波数CHf1にて認証対象装置21に送信する。認証対象装置21は、携帯無線装置1からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信するまで(正常に受信できない場合には、携帯無線装置1が要求信号(2/8)を受信できていない場合、または、携帯無線装置1がACK信号(2/8)を送信したが、そのACK信号(2/8)を認証対象装置21が受信できていない場合、がある)、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、周波数をCHf1からCHf2に変更することを要求する要求信号を周波数CHf1にて携帯無線装置1に送信し続ける。なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1からACK信号を周波数CHf1にて正常に受信できない場合、所定の回数または所定の期間、要求信号を送信すれば、CHf1からCHf2への周波数の変更を取り止める、さらに、CHf1からCHf3への周波数の変更を要求する要求信号を送信するようにしてもよい。
認証対象装置21から要求信号(2/8)を受信したことをトリガとして、携帯無線装置1は、以降、認証対象装置21を以外の他の認証対象装置22から受信するチャレンジ信号(n/8)、チャレンジ信号(n/8)の再送1及びチャレンジ信号(n/8)の再送2に対して、レスポンス信号(n/8)を送信しない。この結果、チャレンジ信号(n/8)の再送2を送信した他の認証対象装置22は、サーチモードに遷移することになる。その後、他の認証対象装置22がサーチ要求信号の送信を開始するが、サーチ要求信号を受信した携帯無線装置1は、サーチ信号を認証対象装置22に送信し、以後、携帯無線装置1及び認証対象装置22は、図2において説明したサーチモード時のシーケンスに則って、認証対象装置22がチャレンジ信号を送信するまでの処理を行う。なお、携帯無線装置1がサーチ要求信号を受信してから認証対象装置22がチャレンジ信号を送信するまでの処理にかかる時間は、時間間隔Tに比べて極めて短いため、図9において、その処理についてのシーケンスは省略している。
認証対象装置22からチャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、認証対象装置21との認証モードでの無線認証に利用している周波数CHf1をレスポンス信号によって認証対象装置22に通知する。そのレスポンス信号を受信した認証対象装置22は、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始し、計時を開始してから時間2Tが経過したとき、周波数Chf1の認証チャネルにて無線認証を開始する。この処理によっても、認証対象装置22の認証チャネルを変更することができる。従来、サーチモードに一度遷移してから再び認証モードに遷移して周波数を変更するときには、変更した周波数が同じ周波数に再び設定される可能性があったが、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の第6形態で説明した処理によれば、変更した周波数を所望の周波数に設定することができる。なお、認証対象装置22は、上述のような処理を経てサーチモードに遷移した場合、一時的に認証対象装置22に備わる機能に制限がかけられてしまうことを防ぐため、携帯無線装置1が、
(1)サーチモードに遷移してから一定時間が経過するまでは機能制限をかけないように予め設定されている、または、
(2)認証対象装置22がサーチモードに遷移する前に、サーチモードに遷移しても一定時間は機能制限をかけないことを要求する要求信号を送信しておき、その要求信号を受信した場合には、サーチモードに遷移してから一定時間は機能制限をかけないようにする、
構成も考えられる。
[本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の構成]
次に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の構成について説明する。図10に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の機能ブロック図を示す。本発明の実施の形態の携帯無線装置1は、無線部11、スロット割当記憶部12、タイマ13、無線制御部14を含んで構成される。また、本発明の認証対象装置2は、無線認証部20、駆動部30、駆動制御部40を含んで構成される。
携帯無線装置1において、無線部11は、アンテナを介して、400MHz帯特定小電力無線、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)で使用される短距離通信用の電波やUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)等を用いて、ペアリング処理により当該携帯無線装置1と対に設定した認証対象装置2の識別コードが含まれる電波の送受信を行う。
無線制御部14は、所定の通信プロトコル(すなわち、上記[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]にて説明した通信プロトコル)に基づき、無線部11に送受信させる信号を制御する。無線制御部14には、増幅回路、変調回路、復調回路、エンコード回路、デコード回路などの回路が含まれる。また、無線制御部14は、無線通信で使用される電波の受信強度(例えば、復調回路に入力される電波の電圧レベルやS/N比、デコード回路によりデコードされたデータの誤り率などを基に算出される)を計測するとともに、その受信強度が予め設定された閾値(認証エリアおよび非認証エリアを区分けするための数値)以上か未満かを判別する。
スロット割当記憶部12には、認証モードにある認証対象装置の識別符号と、所定の通信プロトコルに基づいて設定した、認証対象装置にチャレンジ信号(n/8)またはチャレンジ信号(Full)を送信させる時点(「2T」、「4T」、「6T」、「8T」、「10T」、「12T」、「14T」、「16T」)と、を対応付けて記憶している。無線部11は、スロット割当記憶部12に記憶された識別符号と、認証対象装置がチャレンジ信号(n/8)またはチャレンジ信号(Full)を送信する時点とを参照して、各タイムスロットにおいて該当する認証対象装置2と無線認証を行う。
タイマ13は、無線部11が無線認証を最初に開始した一台目の認証対象装置2にレスポンス信号を送信した時点から計時を開始する。
認証対象装置2の無線認証部20において、無線部201は、アンテナを介して、400MHz帯特定小電力無線、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)で使用される短距離通信用の電波やUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)等を用いて、ペアリング処理により認証対象装置2と対に設定した携帯無線装置1の識別コード信号が含まれる電波の送受信を行う。
無線制御部203は、所定の通信プロトコル(すなわち、上記[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]にて説明した通信プロトコル)に基づき、無線部201に送受信させる信号を制御する。無線制御部203には、増幅回路、変調回路、復調回路、エンコード回路、デコード回路などの回路が含まれる。また、無線制御部203は、無線通信で使用される電波の受信強度(例えば、復調回路に入力される電波レベルの電圧やS/N比、デコード回路によりデコードされたデータの誤り率などを基に算出される)を計測するとともに、その受信強度が予め設定された閾値(認証エリアおよび非認証エリアを区分けするための数値)以上か未満かを判別する。無線制御部203は、携帯無線装置1との認証に失敗した場合、または、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値未満である場合、使用制限要求信号を駆動制御部40に出力して、認証対象装置2に備わる機能の少なくとも一部に対して制限を施す。一方、無線制御部203は、携帯無線装置1との認証に成功し、かつ、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値以上である場合、使用制限解除信号を駆動制御部40に出力し、認証対象装置21に備わる機能に施されている制限を解除する。
タイマ202は、無線部201が携帯無線装置1からレスポンス信号を受信した時点から計時を開始する。また、タイマ202は、携帯無線装置1から受信する各種信号のフレーム同期に合わせて、計時時刻を携帯無線装置1のタイムに合わせて補正するものとする。
駆動制御部40は、無線制御部203から使用制限要求信号を通知されている期間中、認証対象装置2により実行可能な各種駆動部30に対して、その機能の実行に制限を加える。
なお、本発明の携帯無線装置の一形態としては、ワイヤレスキーが考えられるが、ワイヤレスキーに限るものではなく、携帯電話、PDA、無線カードなどの電子機器が一機能として本発明の携帯無線装置を含む形態であっても構わない。