JP4911982B2 - ガス供給装置,基板処理装置,ガス供給方法及びガス供給制御方法 - Google Patents

ガス供給装置,基板処理装置,ガス供給方法及びガス供給制御方法 Download PDF

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Description

本発明は,処理室内にガスを供給するガス供給装置,基板処理装置,ガス供給方法に関する。
この種の基板処理装置は,処理室内に所定のガスを供給して,半導体ウエハ,液晶基板などの被処理基板(以下,単に「基板」と称する)に対して成膜やエッチングなどの所定の処理を施すようになっている。
このような基板処理装置としては,例えばプラズマ処理装置が知られている。プラズマ処理装置は,例えば処理室内に基板を載置する載置台を兼ねる下部電極と,基板に向けてガスを噴出するシャワーヘッドを兼ねる上部電極とを配設して構成される。このような平行平板型のプラズマ処理装置では,処理室内の基板上にシャワーヘッドから所定のガスを供給した状態で両電極間に高周波電力を印加してプラズマを生成することによって,成膜やエッチングなど所定の処理を行うようになっている。
特開平8-158072号公報 特開平9-45624号公報
ところで,基板に対して成膜やエッチングなどの所定の処理を施すに当り,エッチングレートやエッチング選択比,成膜レートなどの処理特性を基板面内において均一にし,基板処理の面内均一性を向上することは,従来からの重要課題である。
このような観点から,例えば特許文献1,2では,シャワーヘッド内部を複数のガス室に仕切り,各ガス室ごとにガス供給配管を独立に接続し,基板面内の複数部位に任意の種類又は任意の流量で処理ガスを供給することが提案されている。これによれば,基板面内のガス濃度を局所的に調整して,エッチングの基板処理の面内均一性を向上することができる。
また,実際の基板処理に用いられるガスは,例えば基板の処理に直接関与する処理ガス,このような処理によって生じる反応生成物のデポ(堆積)をコントロールするためのガス,不活性ガス等のキャリアガスなど複数種のガスの組み合わせにより構成され,そのガス種は基板上の被処理材料やプロセス条件に応じて適宜選択して使用される。このため,例えば特許文献2に示すように,シャワーヘッドの各ガス室ごとにそれぞれ接続されたガス供給配管ごとにマスフローコントローラを設けて流量制御を行う必要がある。
しかしながら,このような従来の構成では,使用するガスの中に共通するガス種が含まれていても,各ガス室から供給するガスごとにそれぞれガス供給系が設けられ,別々に流量制御が行われるので,配管構成が複雑化し,各配管の流量制御も複雑化するため,例えば広い配管スペースが必要になり,さらに制御負担も増大してしまうという問題があった。
また,上記ガス供給系とは別個に付加ガス供給系を設け,ガス供給系のガスに付加ガス供給系からの所定量の付加ガスを加えることにより,処理室のガス室へ供給されるガスの成分を調整することも考えられる。ところが,例えば付加ガスが微量(例えば数sccm)の場合,付加ガス供給系の配管の圧力がなかなか上昇しないため,付加ガスが付加ガス供給系の配管を通って処理室に到達するまでに時間がかかる。このため,処理室内でガス濃度が安定するまで時間がかかってしまい,スループットが低下する虞がある。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,簡単な配管構成で所望の面内均一性を実現でき,しかも簡単な制御で付加ガスの供給にかかる時間を短縮することができるガス供給装置等を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するガス供給装置であって,前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,前記処理ガス供給流路から分岐して前記処理室の異なる部位にそれぞれ接続される第1分岐流路及び第2分岐流路と,前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段と,前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路と,前記被処理基板の処理に先立って,前記処理ガス供給手段による処理ガス供給制御と,前記付加ガス供給手段による付加ガス供給制御を行う制御手段とを備え,前記付加ガス供給制御は,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を含むことを特徴とするガス供給装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,被処理基板を処理する処理室と,この処理室内にガスを供給するガス供給装置と,前記ガス供給装置を制御する制御手段とを備える基板処理装置であって,前記ガス供給装置は,前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,前記処理ガス供給流路から分岐して前記処理室の異なる部位にそれぞれ接続される第1分岐流路及び第2分岐流路と,前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段と,前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路とを備え,前記制御手段は,前記被処理基板の処理に先立って,前記処理ガス供給手段による処理ガス供給制御と,前記付加ガス供給手段による付加ガス供給制御を行い,前記付加ガス供給制御は,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を含むことを特徴とする基板処理装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するガス供給装置を用いるガス供給方法であって,前記ガス供給装置は,前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,前記処理ガス供給流路から分岐して前記処理室の異なる部位にそれぞれ接続される第1分岐流路及び第2分岐流路と,前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段と,前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路とを備え,前記被処理基板の処理に先立って,予め設定された設定流量の処理ガスを前記処理ガス供給手段により供給する制御を行う工程と,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を行う工程とを有することを特徴とするガス供給方法が提供される。
このような本発明によれば,処理ガス供給制御により処理ガス供給手段からの処理ガスは,第1,第2分岐流路に分流される。そして,付加ガス供給制御により,付加ガス供給手段からの付加ガスは付加ガス供給流路を介して第2分岐流路に合流される。こうして,第1分岐流路からは処理ガス供給手段からの処理ガスがそのまま処理室に供給され,第2分岐流路からは所定の付加ガスが付加されて処理ガスのガス成分や流量が調整された上で処理室に供給される。これにより,各分岐流路で共通するガス成分を有する処理ガスは共通の処理ガス供給手段から供給され,さらに第2分岐流路を流れる処理ガスには必要に応じて付加ガスが付加されてガス成分や流量を調整することができるので,必要最小限の配管数で足り,その分簡単な配管構成が可能となり,簡単な流量制御で所望の面内均一性を実現できる。
さらに,付加ガスを供給する際には,付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給するので,たとえ付加ガスの設定流量が微量な場合であっても,付加ガス供給流路の圧力を即時に上昇させることができる。これにより,付加ガスが早期に第2分岐流路に流れ込み易くなり,付加ガス供給にかかる時間を短くすることができ,スループットの低下を極力防止できる。
また,上記先出し流量は,前記付加ガスを流すための前記付加ガス供給流路の容積と,前記付加ガス供給流路から前記付加ガスが流れ込む前記第2分岐流路の圧力とに基づいて算出された値であることが好ましい。例えば前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量として算出された値であることが好ましい。これによれば,短い時間で付加ガス供給流路の圧力を第2分岐流路の圧力まで上昇させることができる最適な先出し流量を算出することができるので,付加ガス供給流路からの付加ガスが第2分岐流路に流れ込んで処理室内へ到達し,圧力が安定するまでの時間を短縮することができる。
また,上記付加ガス供給手段は,付加ガス供給源が接続される付加ガスラインを備え,前記付加ガス供給制御は,前記算出された先出し流量が前記付加ガスラインの最大許容流量を超える場合には,その最大許容流量を先出し流量とし,その分だけ前記所定時間を長くする制御を含むようにしてもよい。この場合の前記所定時間は,例えば前記最大許容流量を先出し流量として付加ガスを供給したときに前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な時間として算出されたものであることが好ましい。これによれば,基板処理装置の構成に応じた最適な先出し時間によって先出し処理を行うことができ,付加ガスラインの最大許容流量を超えない範囲で最適な付加ガス供給制御を実行することができる。
また,上記付加ガス供給流路の容積は,少なくとも前記第2分岐流路の容積よりも小さいことが好ましい。こうすることによって,付加ガスの設定流量が処理ガスの設定流量に比して微量な場合でも,より短い時間で付加ガス供給流路の圧力を上昇させることができる。
また,上記第1分岐流路は,この流路を流れる処理ガスが前記処理室内の被処理基板表面上の中心部領域へ向けて供給されるように配設し,前記第2分岐流路は,この流路を流れる処理ガスが前記被処理基板表面上の外周部領域へ向けて供給されるように配設することが好ましい。これにより,被処理基板の中心部領域と外周部領域における処理の均一性を向上させることができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するガス供給装置であって,前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,前記処理ガス供給流路から分岐して前記処理室の異なる部位にそれぞれ接続される第1分岐流路及び第2分岐流路と,前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,付加ガス供給源をそれぞれ接続する複数の付加ガスラインを備え,前記複数の付加ガスラインは下流側で合流するように構成した付加ガス供給手段と,前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路と,前記被処理基板の処理に先立って,前記処理ガス供給手段による処理ガス供給制御と,前記付加ガス供給手段による付加ガス供給制御を行う制御手段とを備え,前記付加ガス供給制御は,前記各付加ガスラインの付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を含むことを特徴とするガス供給装置が提供される。
これによれば,付加ガス供給手段が複数の付加ガスラインにより構成される場合においても,各付加ガスラインごとの先出し流量で付加ガス供給制御を行うことにより,付加ガス供給にかかる時間を短くすることができ,スループットの低下を極力防止できる。
また,上記各付加ガスラインにおける先出し流量は,前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量として予め算出された先出し総流量を,前記各付加ガスラインの設定流量比と同じ比率で分配した値であることが好ましい。これにより,各付加ガスラインの設定流量の比率に応じた先出し流量で付加ガス供給制御を行うことができる。
また,上記付加ガス供給制御は,前記各付加ガスラインにおける先出し流量のうち,付加ガスラインの最大許容流量を超えるものがある場合には,その最大許容流量をその付加ガスラインの先出し流量として,他の付加ガスラインの先出し流量と前記所定時間を再計算する制御を含むようにしてもよい。これによれば,各付加ガスラインの最大許容流量を超えない範囲で最適な付加ガス供給制御を実行することができる。これにより,基板処理装置の構成に応じた最適な先出し時間によって先出し処理を行うことができる。
以上説明したように本発明によれば,簡単な配管構成で所望の面内均一性を実現でき,しかも簡単な制御で付加ガスの供給にかかる時間を短縮することができるガス供給装置等を提供できるものである。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(基板処理装置の構成例)
先ず,本発明の実施形態にかかる基板処理装置について図面を参照しながら説明する。図1は,本実施形態にかかる基板処理装置の概略構成を示す断面図である。ここでは,基板処理装置を平行平板型のプラズマエッチング装置として構成したものである。
基板処理装置100は,略円筒形状の処理容器により構成される処理室110を有している。処理容器は,例えばアルミニウム合金により形成され,電気的に接地されている。また,処理容器の内壁面はアルミナ膜又はイットリウム酸化膜により被覆されている。
処理室110内には,基板としてのウエハWを載置する載置台を兼ねる下部電極を構成するサセプタ116が配設されている。具体的には,サセプタ116は,処理室110内の底部略中央に絶縁板112を介して設けられた円柱状のサセプタ支持台114上に支持される。サセプタ116は,例えばアルミニウム合金により形成される。
サセプタ116の上部には,ウエハWを保持する静電チャック118が設けられている。静電チャック118は,内部に電極120を有している。この電極120には,直流電源122が電気的に接続されている。静電チャック118は,直流電源122から電極120に直流電圧が印加されて発生するクーロン力により,その上面にウエハWを吸着できるようになっている。
また,サセプタ116の上面には,静電チャック118の周囲を囲むように,フォーカスリング124が設けられている。なお,サセプタ116及びサセプタ支持台114の外周面には,例えば石英からなる円筒状の内壁部材126が取り付けられている。
サセプタ支持台114の内部には,リング状の冷媒室128が形成されている。冷媒室128は,例えば処理室110の外部に設置されたチラーユニット(図示せず)に,配管130a,130bを介して連通している。冷媒室128には,配管130a,130bを介して冷媒(冷媒液又は冷却水)が循環供給される。これにより,サセプタ116上のウエハWの温度を制御することができる。
静電チャック118の上面には,サセプタ116及びサセプタ支持台114内を通るガス供給ライン132が通じている。このガス供給ライン132を介してウエハWと静電チャック118との間にHeガスなどの伝熱ガス(バックサイドガス)を供給できるようになっている。
サセプタ116の上方には,下部電極を構成するサセプタ116と平行に対向する上部電極134が設けられている。サセプタ116と上部電極134との間には,プラズマ生成空間PSが形成される。
上部電極134は,円板状の内側上部電極138と,この内側上部電極138の外側を囲むリング状の外側上部電極136とを備える。外側上部電極136と内側上部電極138との間には,リング状の誘電体142が介在されている。外側上部電極136と処理室110の内周壁との間には,例えばアルミナからなるリング状の絶縁性遮蔽部材144が気密に介在されている。
外側上部電極136には,給電筒152,コネクタ150,上部給電棒148,整合器146を介して第1高周波電源154が電気的に接続されている。第1高周波電源154は,40MHz以上(例えば60MHz)の周波数の高周波電圧を出力できる。
給電筒152は,例えば下面が開口した略円筒状に形成され,下端部が外側上部電極136に接続されている。給電筒152の上面中央部には,コネクタ150によって上部給電棒148の下端部が電気的に接続されている。上部給電棒148の上端部は,整合器146の出力側に接続されている。整合器146は,第1高周波電源154に接続されており,第1高周波電源154の内部インピーダンスと負荷インピーダンスを整合させることができる。
給電筒152の外側は,処理室110とほぼ同じ径の側壁を有する円筒状の接地導体111により覆われている。接地導体111の下端部は,処理室110の側壁上部に接続されている。接地導体111の上面中央部には,上述した上部給電棒148が貫通しており,接地導体111と上部給電棒148の接触部には,絶縁部材156が介在している。
内側上部電極138は,サセプタ116に載置されたウエハW上に所定のガスを噴出するシャワーヘッドを構成する。内側上部電極138は,多数のガス噴出孔160aを有する円形状の電極板160と,電極板160の上面側を着脱自在に支持する電極支持体162を備える。電極支持体162は,電極板160とほぼ同じ径の円板状に形成される。
電極支持体162の内部には,円板状の空間からなるバッファ室163が形成されている。バッファ室163内には環状隔壁部材164が設けられており,この環状隔壁部材164によってバッファ室163内は円板状の空間からなる内側の第1バッファ室163aとこの第1バッファ室163aを囲むリング状の空間からなる外側の第2バッファ室163bとに区画される。この環状隔壁部材164は,例えばOリングにより構成される。
ここで,サセプタ116上のウエハWの中心部領域(センタ部)と,中心部領域を囲む外周部領域(エッジ部)とに分けて考えれば,第1バッファ室163aはウエハWのセンタ部に対向し,第2バッファ室163bはウエハWのエッジ部に対向するように構成されている。
このような各バッファ室163a,163bの下面には,ガス噴出孔160aが連通している。そして,ウエハWのセンタ部には第1バッファ室163aから所定のガスを噴出することができ,ウエハWのエッジ部には第2バッファ室163bから所定のガスを噴出することができる。各バッファ室163a,163bにはそれぞれ,ガス供給装置200から所定のガスが供給されるようになっている。
電極支持体162の上面には,図1に示すように下部給電筒170が電気的に接続されている。下部給電筒170は,上部給電棒148にコネクタ150を介して接続されている。下部給電筒170の途中には,可変コンデンサ172が設けられている。この可変コンデンサ172の静電容量を調整することによって,第1高周波電源154から高周波電圧を印加したときに外側上部電極136の直下に形成される電界強度と,内側上部電極138の直下に形成される電界強度との相対的な比率を調整することができる。
処理室110の底部には,排気口174が形成されている。排気口174は,排気管176を介して真空ポンプなどを備えた排気装置178に接続されている。この排気装置178によって処理室110内を排気することによって,処理室110内を所望の真空度に減圧することができる。
サセプタ116には,整合器180を介して第2高周波電源182が電気的に接続されている。第2高周波電源182は,例えば2MHz〜20MHzの範囲,例えば2MHzの周波数の高周波電圧を出力できる。
上部電極134の内側上部電極138には,ローパスフィルタ184が電気的に接続されている。ローパスフィルタ184は第1高周波電源154からの高周波を遮断し,第2高周波電源182からの高周波をグランド(ground)に通すためのものである。一方,下部電極を構成するサセプタ116には,ハイパスフィルタ186が電気的に接続されている。ハイパスフィルタ186は第1高周波電源154からの高周波をグランド(ground)に通すためのものである。
(ガス供給装置)
次に,ガス供給装置200について図面を参照しながら説明する。図1は,処理ガスを処理室110内のウエハWのセンタ部へ向けて供給する第1処理ガス(センタ部用処理ガス)と,ウエハWのエッジ部へ向けて供給する第2処理ガス(エッジ部用処理ガス)の2つに分流する場合の例である。なお,本実施形態のように処理ガスを2つに分流する場合に限られず,3つ以上に分流するようにしてもよい。
ガス供給装置200は,例えば図1に示すようにウエハ対して成膜やエッチングなどの所定の処理を施すための処理ガスを供給する処理ガス供給手段210と,所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段220とを備える。処理ガス供給手段210は処理ガス供給流路を構成する処理ガス供給配管202が接続され,処理ガス供給配管202からは第1分岐流路を構成する第1分岐配管204及び第2分岐流路を構成する第2分岐配管206が分岐している。なお,第1,第2分岐配管204,206は,分流量調整手段230の内部で分岐していてもよく,また分流量調整手段230の外部で分岐していてもよい。
これら第1,第2分岐配管204,206はそれぞれ,処理室110の上部電極134の異なる部位,例えば内側上部電極138の第1,第2バッファ室163a,163bに接続される。
ガス供給装置200はさらに,第1,第2分岐配管204,206を流れる第1,第2処理ガスの分流量を第1,第2分岐配管204,206内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段(フロースプリッタ)230を備える。また,上記付加ガス供給手段220はこの分流量調整手段230の下流側で付加ガス供給配管208を介して第2分岐配管206の途中に接続される。
このようなガス供給装置200によれば,処理ガス供給手段210からの処理ガスは,分流量調整手段230によって分流量が調整されつつ,第1分岐配管204と第2分岐配管206に分流される。そして,第1分岐配管204を流れる第1処理ガスは第1バッファ室163aを介してウエハWのセンタ部に向けて供給され,第2分岐配管206を流れる第2処理ガスは第2バッファ室163bを介してウエハWのエッジ部に向けて供給される。
このとき,付加ガス供給手段220から付加ガスが供給されると,その付加ガスは付加ガス供給配管208を通って第2分岐配管206に流れて,第2処理ガスと混合して第2バッファ室163bを介してウエハWのエッジ部に向けて供給される。なお,ガス供給装置200の具体的構成例は後述する。
基板処理装置100には,その各部を制御する制御部300が接続されている。制御部300により,例えばガス供給装置200における処理ガス供給手段210,付加ガス供給手段220,分流量調整手段230などの他,直流電源122,第1高周波電源154及び第2高周波電源182などが制御されるようになっている。
(ガス供給装置の具体的構成例)
次に,ガス供給装置200の各部の具体的な構成例について説明する。図2は,ガス供給装置200の具体的な構成例を示すブロック図である。ここでは,付加ガス供給手段が1つの付加ガスラインにより構成される場合について説明する。
処理ガス供給手段210は,例えば図2に示すように複数(例えば3つ)の処理ガスライン(1),(2),(3)が収容されたガスボックスにより構成される。各処理ガスライン(1),(2),(3)の上流側にはガス供給源212a,212b,212cがそれぞれ構成されている。また各処理ガスライン(1),(2),(3)の下流側は合流して処理ガス供給配管202に接続される。これら処理ガスライン(1),(2),(3)にはそれぞれ,ガス供給源212a,212b,212cからのガスの流量を調整するためのマスフローコントローラ214a,214b,214cが設けられている。このような処理ガス供給手段210によれば,各ガス供給源212a〜212cからのガスは所定の流量比で混合されて処理ガス供給配管202に流れ出て,第1,第2分岐配管204,206に分流される。
ガス供給源212aには例えば図2に示すようにエッチングガスとしてのフロロカーボン系のフッ素化合物,CF,C,C,CなどのCガスが封入される。ガス供給源212bには,例えばCF系の反応生成物のデポをコントロールするガスとしての例えばOガスが封入され,ガス供給源212cには,キャリアガスとしての希ガス,例えばArガスが封入されている。なお,処理ガス供給手段210のガス供給源の数は,図2に示す例に限られるものではなく,例えば1つでも,2つでもよく,また4つ以上設けてもよい。
一方,付加ガス供給手段220は例えば図2に示すように1つの付加ガスラインが収容されたガスボックスにより構成される。付加ガスラインの上流側にはガス供給源222aが接続されている。また付加ガスラインの下流側は付加ガス供給配管208に接続されている。付加ガスラインにはガス供給源222aからのガスの流量を調整するためのマスフローコントローラ224aが設けられている。このような付加ガス供給手段220によれば,ガス供給源222aからのガスは付加ガス供給配管208に流れ出て,分流量調整手段230よりも下流側の第2分岐配管206へ供給される。
ガス供給源222aには,例えばエッチングを促進可能なCガス(例えばCFガス)が封入されている。なお,ガス供給源222aには,例えばCF系の反応生成物のデポをコントロール可能なOガスを封入するようにしてもよい。また,付加ガス供給手段220のガス供給源の数は,図2に示す例に限られるものではなく,例えば2つ以上設けてもよい。
分流量調整手段230は,第1分岐配管204内の圧力を調整する圧力調整部232と,第2分岐配管206内の圧力を調整する圧力調整部234とを備える。具体的には,圧力調整部232は第1分岐配管204内の圧力を検出する圧力センサ232aと第1分岐配管204の開閉度を調整するバルブ232bを備え,圧力調整部234は第2分岐配管206内の圧力を検出する圧力センサ234aと第2分岐配管206の開閉度を調整するバルブ234bを備える。
圧力調整部232,234は圧力コントローラ240に接続されており,圧力コントローラ240は,制御部300からの指令に応じて,各圧力センサ232a,234aからの検出圧力に基づいて各バルブ232b,234bの開閉度を調整する。例えば制御部300は,圧力比制御によって分流量調整手段230を制御する。この場合,圧力コントローラ240は,第1,第2処理ガスが制御部300からの指令による目標流量比になるように,すなわち第1,第2分岐配管204,206内の圧力が目標圧力比になるように,各バルブ232b,234bの開閉度を調整する。なお,圧力コントローラ240は,分流量調整手段230に制御ボードとして内蔵してもよく,また分流量調整手段230とは別個で構成してもよい。また,圧力コントローラ240は制御部300内に設けるようにしてもよい。
このような基板処理装置100では,例えばウエハに対してエッチングなどの処理を行うのに先立って,ガス供給装置200によって処理室110内に所定のガスが供給される。具体的には,先ず処理ガス供給手段210からの処理ガスの供給が開始され,分流量調整手段230は圧力比制御される。そして,第1,第2分岐配管204,206内の圧力比が目標圧力比に調整された後に,付加ガス供給手段220からの付加ガスが第2分岐配管206に供給される。
この場合,もし付加ガスを供給する際に,最初から設定流量の付加ガスを供給するように制御すると,付加ガスが付加ガス供給配管208を通って処理室に到達するまでに時間がかかる。例えば付加ガスが流れ込む第2分岐配管206には既に処理ガスが流れているので,ある程度の圧力が生じている。このため,付加ガスの設定流量が微量(例えば数sccm)だと,付加ガス供給開始直後では,付加ガス供給配管208と第2分岐配管206の圧力差が大きいので,付加ガスが流れにくい。この場合,付加ガスは少しずつ付加ガス供給配管208に充填されるので付加ガス供給配管208の圧力も少しずつ上昇して,付加ガス供給配管208と第2分岐配管206の圧力差が小さくなると,第2分岐配管206に流れ込み易くなり,処理室110へも供給されるようになる。このように,最初から設定流量の付加ガスを供給するようにすると付加ガスの供給に時間がかかる。
そこで,本発明では,付加ガス供給直後にできるだけ早く付加ガス供給配管208の圧力を上げることができるように,図3に示すように付加ガスの流量を予め設定された設定流量faよりも大きい先出し流量Faにして供給を開始し(t),所定時間T(例えば数秒間)経過後に付加ガスの流量を設定流量faにして供給する付加ガス供給制御(付加ガス供給処理)を行う。これにより,付加ガス供給配管208の圧力を即時に上昇させることができるので,付加ガスが第2分岐配管206へ流れ込み易くなる。これにより,付加ガス供給にかかる時間,すなわち付加ガスの供給を開始してからその付加ガスが処理室まで到達し,処理室内で圧力(ガス濃度)が安定するまでの時間を短縮でき,スループットの低下を極力防止できる。
このような付加ガス供給処理により,先出し流量Faを変えて付加ガスを供給する実験を行った結果を図4,図5に示す。図4,図5はそれぞれ,付加ガスの設定流量faが7sccmの場合に,先出し流量Faを21sccm,50sccmとしたときの実験結果である。先出し流量Faを流す時間Tは,1secとした。図4,図5では,付加ガスとしてOガスを用い,処理室110のガス導入口にガス濃度測定器を取り付けて,Oガスの濃度を検出した結果をグラフya1,yb1に示したものである。図4,図5の縦軸にはガス濃度をとり,横軸には時間をとっている。これによれば,処理室のガス導入口に到達したOガスの流量に応じて,Oガスの濃度が変化するので,このガス濃度変化により付加ガスが処理室へ到達する流量の変化がわかる。
図4,図5に示す実験結果によれば,先出し流量Faが大きいほどガス濃度変化の傾きが大きくなっている。これにより,先出し流量Faが大きいほど付加ガスが処理室へ到達してガス濃度が安定する時間が短くなることがわかる。実際に付加ガス供給開始から処理室へ到達し,付加ガス濃度が安定するまでの時間(付加ガス供給時間)を検出すると,図4の場合は略26.1sec,図5の場合は略20.2secであった。これに対して,付加ガスを最初から設定流量で供給する場合には数十secかかっていたので,本発明にかかる付加ガス供給処理を行うことにより,付加ガス供給時間が大きく短縮されることがわかった。
なお,上記のように付加ガス供給直後にできるだけ早く付加ガス供給配管208の圧力を上げるためには,付加ガス供給配管208の容積を小さくすればよい。さらに,付加ガス供給配管208の容積は,配管径と配管長さに依存するので,配管径や配管長さを小さくすることにより,より早く付加ガス供給配管208の圧力を上げることができる。
ここで,付加ガス供給配管208の配管径と配管長さを変えて付加ガス供給処理の実験を行った結果を図6,図7に示す。図6,図7はそれぞれ,図4,図5に示す先出し流量で付加ガスを供給した場合の実験結果である。
図6,図7に示すya2,yb2はそれぞれ図4,図5で使用した付加ガス供給配管208を基準として,配管径が1/2の配管を使用した場合の具体例である。図6,図7に示すya3,yb3はそれぞれ図4,図5で使用した付加ガス供給配管の途中に取り付けられるフィルタを基準として,長さがより短いフィルタを使用した場合の具体例である。
図6,図7に示すya4,yb4は上記の配管径1/2の配管を使用するとともに,さらに上記の短いフィルタを使用した場合の具体例である。このように,本実験では付加ガス供給配管208の途中に設けられるフィルタの長さを変えることにより,配管の長さを変えたものである。
本実験において,付加ガスの供給を開始してからその付加ガスが処理室110へ到達し,ガス濃度が安定するまでの時間(付加ガス供給時間)は,図6に示すya2,ya3,ya4の場合はそれぞれ,略19.4sec,略21sec,略13.9secであった。また,図7に示すyb2,yb3,yb4の場合はそれぞれ,略10.9sec,略10sec,略5.6secであった。
図6,図7に示す実験結果によれば,付加ガス供給配管208の配管径が小さいほど,またフィルタの長さ(配管長さ)が短いほど付加ガス供給時間が短くなることがわかる。しかも,先出し流量Faを大きくして,さらに配管径を小さくし,フィルタの長さ(配管長さ)を短くした方が,より付加ガス供給時間が短くなる。
従って,付加ガス供給配管208の容積は,配管径や配管長さなどを調整することによって,より小さくすることが好ましい。例えば付加ガス供給配管208の容積を第2分岐配管206の容積よりも小さくすることによって,付加ガスの設定流量faが処理ガスの設定流量fmに比して微量な場合でも,より短い時間で付加ガス供給流路208の圧力を上昇させることができる。
このように,付加ガスの先出し流量Faを大きくしていくと,付加ガス供給配管208の圧力の上昇も早くなって付加ガスもより流れやすくなるので,一時的に設定流量faを超えてオーバーシュートしてから設定流量faに安定するようになる(例えば図7に示すyb4)。このようなオーバーシュートが生じた方が,ガス濃度が安定するまでの時間が短くなる。しかも,先出し流量Faが大きいほど,オーバーシュートも大きくなり,ガス濃度が安定するまでの時間も短くなる。
ところが,このオーバーシュートが大きくなりすぎると,かえってガス濃度が安定するまでに時間がかかってしまう場合もある。例えば付加ガスが流れ込む第2分岐配管206の圧力に比して付加ガス供給配管208の圧力が高くなりすぎると,付加ガス一気に流れやすくなるので,オーバーシュートも大きくなり,ガス濃度が安定するまでに時間がかかってしまう。
そこで,本発明では,処理室110へガスを供給する前に,付加ガスの先出し流量Faの最適値を算出した上で付加ガス供給処理を行う。先出し流量Faの最適値としては,例えば所定時間内に付加ガス供給配管208の圧力が第2分岐配管206の圧力に到達する最大の流量とするのが好ましい。これにより,ガス供給装置の配管構成に応じた最適な先出し流量Faを算出することができるので,付加ガス供給時間をより短くすることができる。
以下,本発明にかかる付加ガス供給処理について詳細に説明する。このような付加ガス供給処理は,例えば処理室110へ処理ガス,付加ガスを供給するための一連のガス供給処理の中で実行される。このようなガス供給処理は,例えば制御部300に記憶されるプログラムによって実行される。
(制御部の構成例)
先ず,上記のようなガス供給処理を行う制御部300の具体的構成例を図面を参照しながら説明する。図8は制御部300の構成例を示すブロック図である。図8に示すように,制御部300は,制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)310,CPU310が行う各種データ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)320,操作画面や選択画面などを表示する液晶ディスプレイなどで構成される表示手段330,オペレータによるプロセスレシピの入力や編集など種々のデータの入力及び所定の記憶媒体へのプロセスレシピやプロセス・ログの出力など種々のデータの出力などを行うことができるタッチパネルなどで構成される操作手段340,記憶手段350,インタフェース360を備える。
記憶手段350には,例えば基板処理装置100の種々の処理(例えばガス供給処理,付加ガスの先出し処理など)を実行するための処理プログラム,その処理プログラムを実行するために必要な情報(例えばガス供給処理データ)などが記憶される。記憶手段350は,例えばメモリ,ハードディスク(HDD)などにより構成される。CPU310は必要に応じてプログラムデータ等を読み出して,各種の処理プログラムを実行する。例えばCPU310は,ウエハを処理するのに先立って処理室110内に所定のガスを供給するガス供給処理を実行する。このガス供給処理では,先ず付加ガスの先出し流量を算出する処理を行ってから,処理ガス供給処理(処理ガス供給制御)と付加ガス供給処理(付加ガス供給制御)を開始する。このようなガス供給処理は,記憶手段350に記憶されるガス供給処理データ352に基づいて実行される。
ガス供給処理データ352は,例えば図9に示すようなデータテーブルによって構成される。このデータテーブルには,少なくとも処理ガスと付加ガスのデータが記憶される。図9に示すデータテーブルには,処理ガスデータとして例えば処理ガスライン(1)〜(3)の設定流量fm(1)〜fm(3),処理ガス供給配管202を流れる処理ガス総流量fm(=fm(1)+fm(2)+fm(3)),第1,第2処理ガスの流量比C:Eの各データを記憶する記憶領域が設けられている。第1,第2処理ガスの流量比C:Eは,例えば処理ガス総流量fmに対する百分率で表すと,第2処理ガスの流量比Eは,E=100−Cにより容易に求めることができる。また,図9に示すデータテーブルには,付加ガスのデータとして例えば付加ガスラインの設定流量fa,付加ガスの先出し流量Fa,先出し流量Faを流す所定時間である先出し時間Tの各データを記憶する記憶領域が設けられている。
これらガス供給処理データ352のうち,処理ガスについてのものと付加ガスについての設定流量については,例えばオペレータによる操作手段340の操作により予め設定可能である。これに対して,付加ガスの先出し流量Faは後述する先出し流量算出処理によって算出される。また,先出し時間Tは予めデフォルト値(例えば1sec)に設定されている。なお,先出し時間Tは,例えばオペレータによる操作手段340の操作により変更可能である。
インタフェース360には,CPU310により制御を行う分流量調整手段230,処理ガス供給手段210,付加ガス供給手段220などの各部が接続される。インタフェース360は,例えば複数のI/Oポートなどにより構成される。
上記CPU310と,RAM320,表示手段330,操作手段340,記憶手段350,インタフェース360等とは,制御バス,データバス等のバスラインにより接続されている。
(付加ガスの先出し流量算出処理)
このような制御部300が行うガス供給処理では,実際に処理室110へのガス供給を実行するのに先だって,付加ガスの先出し流量を算出する。この先出し流量算出処理の具体例を図10に示す。図10に示すように制御部300は,先ずステップS110にてガス供給処理データ352から取得される処理ガス総流量fmと第1,第2処理ガスの流量比C:Eに基づいて,第2処理ガスの流量feを算出する。具体的には下記数式(1−1)に基づいて第2処理ガスの流量feを算出する。
fe=[Ne・E/(Nc・C+Ne・E)]・fm ・・・(1−1)
上記数式(1−1)において,Cは第1処理ガスの流量比であり,Eは第2処理ガスの流量比である。Nc,Neは基板処理装置100の構成(例えば上部電極134の構成)に依存する既知のパラメータであり,具体的にはNcはセンタ部すなわち第1バッファ室163aのガス噴出孔160aの数,Neはエッジ部すなわち第2バッファ室163bのガス噴出孔160aの数である。
次いで,ステップS120にてガス供給処理データ352から付加ガスの設定流量faを取得し,ステップS130にて第2分岐配管を流れるガス総流量Fe(=第2処理ガスの流量fe+付加ガスの設定流量fa)を算出する。
続いて,ステップS140にて上記ガス総流量Feに基づいて第2分岐配管206内の圧力Peを算出する。具体的には例えば,付加ガスの設定流量faが所定圧力(例えば500sccm)未満の場合には下記数式(1−2)によって求めることができる。この数式(1−2)において,p1,p2はパラメータであり,第2分岐配管内圧力換算係数である。これに対して,付加ガスの設定流量faが所定圧力(例えば500sccm)以上の場合には下記数式(1−3)によって求めることができる。この数式(1−3)において,q1,q2はパラメータであり,第2分岐配管内圧力換算係数である。
Pe=p1・bp2 ・・・(1−2)
Pe=q1・b+q2・・・(1−3)
次いで,ステップS150にて付加ガスの先出し流量Faを算出して記憶する。具体的には先ず先出し時間Tを所定時間(例えば1sec)に固定し,算出した第2分岐配管内圧力Peに基づいて,例えば下記数式(1−4)によって先出し流量Faを算出する。この数式(1−4)によれば,付加ガスを流すための付加ガス供給配管208の容積と,付加ガス供給配管208から付加ガスが流れ込む第2分岐配管206の圧力とに基づいて先出し流量Faの最適値を算出することができる。
Fa=α・(Pe/P)・β・60・v/(T−γ) ・・・(1−4)
上記数式(1−4)において,Pは大気圧(760Torr)であり,vは付加ガス供給配管208の配管容積である。α,β,γは基板処理装置100の構成に依存するパラメータであり,αは第1,第2処理ガスの圧力比に関する装置ごとのパラメータ,βは上記配管容積に関する装置ごとのパラメータ,γはオフセットに関する装置ごとのパラメータである。なお,αとβについては,まとめて1つのパラメータで表してもよいが,αとβに分けることにより,装置ごとのより細かい調整が可能となる。
このような数式(1−4)によれば,先出し時間(所定時間)T内に付加ガス供給配管内圧力が第2分岐配管内圧力Peに到達するために必要な最大の流量として先出し流量Faを算出することができる。すなわち,短い時間(ここでは1sec)で付加ガス供給配管208の圧力を第2分岐配管内圧力Peまで上昇させることができる最適な先出し流量Faを算出できる。これにより,付加ガス供給配管208からの付加ガスが第2分岐配管に流れ込んで処理室110内へ到達し,圧力が安定するまでの時間を短縮することができる。
そして,上記のように算出した付加ガスの先出し流量Faを記憶する。具体的にはガス供給処理データ352における先出し流量Faの記憶領域に記憶する。こうして,付加ガスの先出し流量Faが得られると,先出し流量算出処理を終了し,続いて実際に処理室110へ各ガスを供給してウエハの処理を実行する。
ここで,上記先出し流量算出処理後に行われる処理の具体例を図11に示す。図11に示すように,先ずステップS210にてガス供給処理データ352から必要なデータ(処理ガスデータ及び付加ガスデータ)を取得する。
次に,ステップS220にて処理ガス供給手段210により処理ガス供給処理(処理ガス供給制御)を開始する。具体的には処理ガス供給手段210内の各処理ガスライン(1)〜(3)から設定流量fm(1)〜fm(3)で各ガスを供給する。例えばガス供給源212a〜212cのCガス,Oガス,Arガスがそれぞれ設定流量fm(1),fm(2),fm(3)で供給が開始され,各ガスは混合されて所定の混合比のCガス,Oガス及びArガスからなる混合ガスが生成され,その混合ガスが処理ガスとして処理ガス供給配管202へ流れる。
このとき,制御部300は分流量調整手段230に対して例えば圧力比制御による処理ガスの分流量調整を行わせる。具体的には制御部300が圧力比制御指令を発すると,分流量調整手段230は圧力コントローラ240の制御により圧力センサ232a,234aの測定圧力に基づいてバルブ232b,234bの開閉度を調整し,第1,第2分岐配管204,206の圧力比が目標圧力比になるように調整する。これにより,第1,第2分岐配管204,206を介して第1,第2バッファ室163a,163bにそれぞれ供給される第1,第2処理ガスの流量比が決まる。
そして,ステップS230にて第1,第2分岐配管204,206の各圧力が安定したか否かを判断する。各圧力が安定したと判断した場合はステップS240〜ステップS270にて付加ガス供給処理(付加ガス供給制御)を開始する。
すなわち,先ずステップS240にて付加ガス供給手段220内の付加ガスラインからのガスを先出し流量Faで供給する。そして,ステップS250にて先出し時間T(ここでは1sec)が経過したか否かを判断する。
ステップS250にて先出し時間Tが経過したと判断した場合は,ステップS260にて付加ガスの流量を設定流量faにして供給する。このような付加ガス供給処理によれば,付加ガス供給手段220からの付加ガスは,付加ガス供給配管208を介して第2分岐配管206へ供給されて早期に処理室110に到達し,その後は設定流量faで処理室110へ第2処理ガスとともに供給される。
こうして,付加ガス供給手段220からは例えばガス供給源222aからエッチングを促進可能なCガス(例えばCFガス)が設定流量faで供給され,第2分岐配管206に合流し,第2分岐配管206を介して第2バッファ室163bへ供給される。これにより,第2バッファ室163bには,第1バッファ室163aよりもCFガスの多い処理ガスが供給される。これにより,第2バッファ室163bに供給される処理ガスのガス成分及び流量が決まる。
そして,ステップS270にて第1,第2分岐配管204,206の各圧力が安定したか否かを判断する。ステップS270にて各圧力が安定したと判断した場合は,ステップS280にてウエハの処理を実行する。このようなガス供給処理によって,基板処理装置100では,減圧雰囲気の下,サセプタ116上のウエハWの中心部付近には,第1バッファ室163aからの混合ガスが供給され,ウエハWの外周部には,第2バッファ室163bからのCFガスの多い混合ガスが供給される。これにより,ウエハWの外周部におけるエッチング特性がウエハWの中心部に対して相対的に調整され,ウエハWの面内のエッチング特性を均一にすることができる。
このような図11に示す処理によれば,処理ガス供給手段210からの処理ガスは,第1,第2分岐配管204,206に分流され,第1分岐配管204からは処理ガス供給手段210からの処理ガスがそのまま処理室110に供給され,第2分岐配管206からは所定の付加ガスが付加されて処理ガスのガス成分や流量が調整された上で処理室110に供給される。これにより,処理ガス供給手段210からは各分岐配管204,206で共通するガス成分を有する処理ガスが供給され,第2分岐配管206を流れる処理ガスには必要に応じて付加ガスが付加されてガス成分や流量が調整される。
このため,例えば各分岐配管で共通するガス成分の数が多い場合には,各分岐配管ごとに処理ガス源を設ける場合に比してより少ない配管数で足りる。このように,ガス供給装置200の配管数を必要最小限にすることができるので,より簡単な配管構成でガス供給装置200を構成することができる。しかも各分岐配管204,206の圧力に基づいて処理ガスの分流量を調整するので,簡単な制御で処理室110内の複数部位からガスを供給することができる。
また,付加ガスは,最初の先出し時間T(例えば1sec)では設定流量faよりも大きい先出し流量Faで供給され,その後は設定流量faで供給される。このため,最初から微量な設定流量faで付加ガスが供給される場合に比して付加ガス供給配管208の圧力の上昇が早くなるので付加ガスが第2分岐配管206へ流れ込みやすくなる。これにより,付加ガスが供給されてから処理室110内に流れ込み,圧力(ガス濃度)が安定するまでの時間(付加ガス供給時間)を短縮することができる。さらに,付加ガスの先出し流量Faは,付加ガス供給配管208の容積と圧力に基づいて算出された最適値であるため,基板処理装置の構成に応じた最適な先出し流量Faによって先出し処理を行うことができる。これにより,基板処理装置ごとに付加ガス供給時間が最も短くなるように最適化することができる。
ここで,上述した付加ガス供給処理により付加ガスを供給する実験を行った結果を図12に示す。この実験では,処理ガス供給手段210からArガスを流すとともに,付加ガス供給手段220からOガスを流して,各ガスの処理室110への到達状況を確認した。具体的には,先ずArガスを設定流量1100sccmで流し,次にOガスを最適な先出し流量49.9sccmでtから所定時間1sec流した後,Oガスの流量を設定流量7sccmにした。図12は,処理室110のガス導入口にガス濃度測定器を取り付けて,Arガス,Oガスの濃度を検出した結果をグラフに示したものである。図12の縦軸にはガス濃度をとり,横軸には時間をとっている。これによれば,処理室のガス導入口に到達したArガス,Oガスの流量に応じて,Arガス,Oガスの濃度が変化するので,このガス濃度変化によりArガス,Oガスが処理室110へ到達する流量の変化がわかる。
図12に示す実験結果によれば,Oガス供給開始tから時間M経過後にOガスの濃度が安定している。付加ガス供給時間に相当する時間Mは,4.5secであった。これに対して,Oガスを最初から設定流量で供給する場合には付加ガス供給時間は数十秒であったので,本発明にかかる付加ガス供給処理を行うことにより,付加ガス供給時間が大きく短縮されることがわかる。
なお,付加ガス供給に先立って分流量調整手段230に対して圧力一定制御による処理ガスの分流量調整を行わせるようにしてもよい。具体的には制御部300が圧力一定制御指令を発すると,分流量調整手段230は圧力コントローラ240の制御により圧力センサ232a,234aの測定圧力に基づいてバルブ232b,234bの開閉度を調整し,第1分岐配管204の第1処理ガスの圧力が一定になるように調整する。
これによれば,第2分岐配管206に付加ガスを供給したときに第2分岐配管206内の圧力が変動しても,第2分岐配管206へ流れるべき処理ガスが第1分岐配管204に流れ込むことを防止することができる。このため,付加ガス供給の前後で各分岐配管204,206に分流される処理ガスの流量比(分流比)が崩れることを防止することができ,所望の流量比で分流された処理ガスをウエハ表面上の異なる領域へ供給することができる。これにより,所望の面内均一性を実現することができる。
(付加ガスラインの最大許容流量を考慮した付加ガス供給処理)
次に,付加ガス供給手段220の付加ガスラインの最大許容流量を考慮した場合の付加ガス供給処理について説明する。図10に示す付加ガスの先出し流量算出処理では,先出し時間Tを所定時間(例えば1sec)に固定して先出し流量Faを算出するので,先出し流量Faの値によっては,付加ガスラインで流すことができる最大許容流量fmaxを超える場合も考えられる。このような場合には先出し流量Faを流すことができない。
そこで,このような場合は,最大許容流量fmaxを先出し流量Faとし,その分だけ先出し時間Tを長くする補正を行うことが好ましい。そして,付加ガスを供給する際には,補正した先出し時間Tで最大許容流量fmaxを先出し流量Faを流すことにより,最大許容流量fmaxを超えない範囲で最適な付加ガス供給処理を実行することができる。これにより,基板処理装置の構成に応じた最適な先出し時間Tによって付加ガス供給処理を行うことができる。
ここで,付加ガスラインの最大許容流量fmaxを考慮した先出し流量算出処理の具体例を図13を参照しながら説明する。図13に示す先出し流量算出処理は,ステップS110〜ステップS150までは,図10に示すものと同様の処理を行う。
その後,ステップS160にて算出した先出し流量Faが付加ガスラインの最大許容流量fmaxを超えるか否かを判断する。先出し流量Faが付加ガスラインの最大許容流量fmaxを超えないと判断した場合は一連の先出し流量算出処理を終了し,先出し流量Faが付加ガスラインの最大許容流量fmaxを超えると判断した場合は,ステップS170以降の先出し時間Tの補正処理を行う。
具体的にはステップS170にて先出し流量Faをその付加ガスラインの最大許容流量fmaxに設定してガス供給処理データ352のデータテーブルに記憶する。次いで,ステップS180にて先出し時間Tを補正して記憶する。すなわち,先ず先出し流量Faをその付加ガスラインの最大許容流量fmaxとして固定し,下記数式(1−5)に基づいて先出し時間Tを算出する。この数式(1−5)は,数式(1−4)を先出し時間Tを求める数式に変形したものである。
T=α・(Pe/P)・β・60・v/Fa+γ ・・・(1−5)
上記数式(1−5)によれば,最大許容流量fmaxを先出し流量Faとして付加ガスを供給したときに付加ガス供給配管208の圧力が第2分岐流路206の圧力に到達するために必要な時間として先出し時間Tを算出することができる。これによれば,基板処理装置の構成に応じた最適な先出し時間Tによって先出し処理を行うことができ,付加ガスラインの最大許容流量fmaxを超えない範囲で最適な付加ガス供給制御を実行することができる。なお,この場合には,補正前の先出し流量よりも小さい最大許容流量を補正後の先出し流量とするので,その分だけ先出し時間Tが長くなるが,最初から設定流量の付加ガスを流す場合に比べれば,付加ガス供給時間は十分に短くすることができる。こうして算出された補正後の先出し時間Tをガス供給処理データ352のデータテーブルに記憶して,一連の先出し流量算出処理を終了する。
(ガス供給装置の他の具体的構成例)
次に,ガス供給装置200の各部の具体的な構成例について説明する。図14は,ガス供給装置200の他の具体的構成例を示すブロック図である。ここでは,付加ガス供給手段が複数の付加ガスラインにより構成される場合について説明する。
図14に示す付加ガス供給手段220は,図14に示すように複数(例えば2つ)の付加ガスライン(1),(2)が収容されたガスボックスにより構成される。各付加ガスライン(1),(2)の上流側にはガス供給源222a,222bがそれぞれ接続されている。また各付加ガスライン(1),(2)の下流側は合流して付加ガス供給配管208に接続されている。各付加ガスライン(1),(2)にはそれぞれ,ガス供給源222a,222bからのガスの流量を調整するためのマスフローコントローラ224a,224bが設けられている。このような付加ガス供給手段220によれば,各ガス供給源222a,222bからのガスは選択されて或は所定のガス流量比で混合されて,付加ガス供給配管208に流れ出て,分流量調整手段230よりも下流側の第2分岐配管206へ供給される。
ガス供給源222aには,例えばエッチングを促進可能なCガスが封入され,ガス供給源222bには,例えばCF系の反応生成物のデポをコントロール可能なOガスが封入されている。なお,付加ガス供給手段220のガス供給源の数は,図14に示す例に限られるものではなく,例えば3つ以上設けてもよい。
このように付加ガス供給手段が複数の付加ガスラインで構成される場合には,付加ガス供給処理においても,各付加ガスラインごとに先出し流量Faを算出する必要がある。このような付加ガス供給処理を実行するためのガス供給処理データ352は例えば図15に示すようなデータテーブルで構成される。このデータテーブルには,少なくとも処理ガスと付加ガスのデータが記憶される。
図15に示すデータテーブルにおける処理ガスのデータは,図9に示すものと同様であるため,その詳細な説明を省略する。図15に示すデータテーブルには,付加ガスのデータとして例えば付加ガスライン(1),(2)の各設定流量fa(1),fa(2)と付加ガス総流量fa(=fa(1)+fa(2)),付加ガスライン(1),(2)の各先出し流量Fa(1),Fa(2)と先出し総流量Fa(=Fa(1)+Fa(2)),各先出し流量Fa(1),Fa(2)を流す時間である先出し時間Tの各データを記憶する記憶領域が設けられている。
これらガス供給処理データ352のうち,処理ガスについてのものと付加ガスについての設定流量については,例えばオペレータによる操作手段340の操作により予め設定可能である。これに対して,付加ガスの各先出し流量Fa(1),Fa(2)及び先出し総流量Faは後述の図16に示す先出し流量算出処理によって算出される。また,先出し時間Tは予めデフォルト値(例えば1sec)に設定されている。なお,この先出し時間Tは,例えばオペレータによる操作手段340の操作により変更可能である。
(付加ガスの先出し流量算出処理)
このようなガス供給処理データ352に基づいて,制御部300は例えば図16に示すような付加ガスの先出し流量算出処理を実行する。図16に示すように制御部300は,先ずステップS310にてガス供給処理データ352から取得される処理ガス総流量fmと第1,第2処理ガスの流量比C:Eに基づいて,第2処理ガスの流量feを算出する。第2処理ガスの流量feは,例えばステップS110の場合と同様に算出する。
次いで,ステップS320にてガス供給処理データ352から各付加ガスラインの設定流量の合計である設定総流量faを取得し,ステップS330にて第2分岐配管を流れるガス総流量Fe(=第2処理ガスの流量fe+付加ガスの設定総流量fa)を算出する。
続いて,ステップS340にて上記ガス総流量Feに基づいて第2分岐配管206内の圧力Peを算出する。この圧力Peは例えばステップS140の場合と同様に算出する。次いで,ステップS350にて各付加ガスラインの先出し流量の合計である先出し総流量Faを算出して記憶する。先出し総流量Faは,ステップS150の場合と同様に算出される。
次に,ステップS360にて付加ガスライン(1),(2)ごとに先出し流量Fa(1),Fa(2)を算出して記憶する。先出し流量Fa(1),Fa(2)は,付加ガスライン(1),(2)の設定流量fa(1),fa(2)と同じ比率になるように算出する。具体的には,下記数式(1−6)を利用して算出する。
Fa(x)=Fa・(f(x)/fa) ・・・(1−6)
上記数式(1−6)において,xは付加ガスラインの番号を示す。例えば付加ガスライン(1)はx=1であり,付加ガスライン(2)はx=2となる。faは設定総流量であり,Faは先出し総流量である。例えば付加ガスラインの設定流量がfa(1)=10sccm,fa(2)=20sccmの場合には,設定総流量はfa=30sccmであるので,先出し総流量がFa=60sccmと算出されれば,各付加ガスラインの先出し流量はそれぞれFa(1)=20sccm,Fa(2)=40sccmと算出される。
こうして,各付加ガスラインの先出し流量が算出されると,一連の先出し流量算出処理を終了する。これによれば,各付加ガスラインの設定流量比で先出し流量の最適値を算出することができる。
(付加ガスラインの最大許容流量を考慮した付加ガス供給処理)
次に,付加ガス供給手段220の各付加ガスラインの最大許容流量を考慮した場合の付加ガス供給処理について説明する。図16に示す先出し流量算出処理では,付加ガスを供給する際の先出し時間Tを所定時間(例えば1sec)に固定して各付加ガスラインの先出し流量Fa(1),Fa(2)を算出するので,付加ガスラインによっては,算出された先出し流量がその付加ガスラインで流すことができる最大許容流量fmaxを超える場合も考えられる。このような場合には算出された先出し流量を流すことができない。例えば先出し流量Fa(1)が最大許容流量fmax(1)を超えていなくても,先出し流量Fa(2)が最大許容流量fmax(2)を超えている場合も考えられる。
このような場合は,先出し流量Fa(2)を最大許容流量fmax(2)に固定して,他の先出し流量Fa(1)を補正するとともに,最大許容流量fmax(2)に応じて先出し時間Tを補正する。そして,付加ガスを供給する際には,補正した先出し時間Tで補正した先出し流量Fa(1),Fa(2)を流すことにより,すべての付加ガスラインにおいて最大許容流量fmaxを超えない範囲で最適な付加ガス供給処理を実行することができる。これにより,基板処理装置の構成に応じた最適な先出し時間Tによって付加ガス供給処理を行うことができる。これにより,基板処理装置ごとに付加ガス供給時間が最も短くなるように最適化することができる。
ここで,各付加ガスラインの最大許容流量fmaxを考慮した先出し流量算出処理の具体例を図17を参照しながら説明する。図17に示す先出し流量算出処理は,ステップS310〜ステップS360までは,図16に示すものと同様の処理を行う。
その後,ステップS370にて算出した各付加ガスライン(1),(2)の先出し流量Fa(1),Fa(2)のうち,その付加ガスラインの最大許容流量fmax(1),fmax(2)を超えるものがあるか否かを判断する。先出し流量Fa(1),Fa(2)のうち,付加ガスラインの最大許容流量を超えるものがないと判断した場合には一連の先出し流量算出処理を終了し,付加ガスラインの最大許容流量を超えるものがあると判断した場合は,ステップS380にて各先出し流量Fa(1),Fa(2)及び先出し時間Tの補正処理を行う。
具体的にはステップS380にて先出し流量が最大許容流量を超える付加ガスラインの最大許容流量に合わせて各先出し流量Fa(1),Fa(2)及び先出し時間Tを再計算して記憶する。上述したのと同様の具体例で説明すると,付加ガスラインの設定流量がfa(1)=10sccm,fa(2)=20sccmの場合,先出し総流量がFa=60sccmと算出されれば,各付加ガスラインの先出し流量はそれぞれFa(1)=20sccm,Fa(2)=40sccmと算出される。この場合に,付加ガスライン(2)の最大許容流量fmax(2)が30sccmであるとすると,Fa(2)=40sccmを流すことはできないので,先出し流量Fa(2)=fmax(2)=30sccmに設定する。これに応じて,設定流量比と同じ比率になるように先出し流量Fa(1)を算出し直すと,Fa(1)=15sccmとなる。従って,先出し総流量Fa=30sccm+15sccm=45sccmとなるので,この値を数式(1−5)に代入して,先出し時間Tを算出することができる。
そして,補正後の各先出し流量Fa(1),Fa(2),先出し総流量Fa,先出し時間Tは,ガス供給処理データ352のデータテーブルに記憶して,一連の先出し流量算出処理を終了する。上述した図16,図17に示す先出し流量算出処理では,2つの付加ガスライン(1),(2)の先出し流量を算出する場合について説明したが,これに限定されるものではなく,付加ガス供給手段220が備える付加ガスラインの数に合わせて各先出し流量を算出する。
なお,上記実施形態で説明した先出し流量算出処理(図10,図13,図16,図17)においては,例えばウエハ処理が複数ステップで構成され,各ステップごとに付加ガスの設定流量が異なる場合には,各ステップごとに付加ガスの先出し流量を算出することが好ましい。これにより,ウエハ処理のステップに応じた付加ガス供給処理を行うことができる。
また,上記実施形態における第2分岐流路206は,処理ガス供給配管202から分岐する複数の分岐流路で構成し,これら各第2分岐流路に付加ガス供給手段220からの付加ガスを供給可能に構成してもよい。これによれば,ウエハの外周部領域をさらに複数の領域に分けてそれぞれの領域に処理ガスを供給するように構成することができるので,ウエハの外周部領域における処理の均一性をより細かく制御することができる。
また,上記実施形態では,ガス供給装置200から供給された処理ガスが,処理室110の上部からウエハWに向けて噴出される場合について説明したが,必ずしもこれに限られるものではなく,処理室110の他の部分,例えば処理室110におけるプラズマ生成空間PSの側面からも処理ガスが噴出されるようにしてもよい。これによれば,プラズマ生成空間PSの上部と側部からそれぞれ所定の処理ガスを供給できるので,プラズマ生成空間PS内のガス濃度を調整することができる。これにより,ウエハの処理の面内均一性をさらに向上することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,分岐配管の分流量を圧力調整部により調整する場合を例に挙げて説明したが,これに限定されるものではなく,マスフローコントローラを用いて分岐配管の分流量を調整してもよい。また,基板処理装置としてプラズマエッチング装置に適用した場合を説明したが,処理ガスが供給される他の基板処理装置,例えばプラズマCVD装置,スパッタリング装置,熱酸化装置などの成膜装置に本発明を適用してもよい。さらに本発明は,被処理基板としてウエハ以外の例えばFPD(フラットパネルディスプレイ),フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板処理装置やMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)製造装置にも適用できる。
本発明は,処理室内にガスを供給するガス供給装置,基板処理装置,ガス供給方法に適用可能である。
本発明の実施形態にかかる基板処理装置の構成例を示す断面図である。 同実施形態にかかるガス供給装置の構成例を示すブロック図である。 同実施形態にかかる付加ガス供給処理を行う場合の付加ガスの供給制御タイミングを示す図である。 ある先出し流量で付加ガス供給処理を行った実験結果を示すグラフである。 図4とは異なる先出し流量で付加ガス供給処理を行った実験結果を示すグラフである。 配管径などを変えて図4の先出し流量で付加ガス供給処理を行った実験結果を示すグラフである。 配管径などを変えて図5の先出し流量で付加ガス供給処理を行った実験結果を示すグラフである。 同実施形態にかかる制御部の構成例を示すブロック図である。 図8に示すガス供給処理データのデータテーブルの構成例を示す図である。 同実施形態にかかる先出し流量算出処理の具体例を示すフローチャートである。 先出し流量算出処理後に行う処理の具体例を示すフローチャートである。 同実施形態にかかる付加ガス供給処理により付加ガスを供給する実験を行った結果 付加ガスラインの最大許容流量を考慮した場合の先出し流量算出処理の具体例を示すフローチャートである。 同実施形態にかかるガス供給装置の他の構成例を示すブロック図である。 図8に示すガス供給処理データのデータテーブルの他の構成例を示す図である。 同実施形態にかかる先出し流量算出処理の他の具体例を示すフローチャートである。 付加ガスラインの最大許容流量を考慮した場合の先出し流量算出処理の他の具体例を示すフローチャートである。
符号の説明
100 基板処理装置
110 処理室
111 接地導体
112 絶縁板
114 サセプタ支持台
116 サセプタ
118 静電チャック
120 電極
122 直流電源
124 フォーカスリング
126 内壁部材
128 冷媒室
130a,130b 配管
132 ガス供給ライン
134 上部電極
136 外側上部電極
138 内側上部電極
142 誘電体
144 絶縁性遮蔽部材
146 整合器
148 上部給電棒
150 コネクタ
152 給電筒
156 絶縁部材
160 電極板
160a ガス噴出孔
162 電極支持体
163 バッファ室
163a 第1バッファ室
163b 第2バッファ室
164 環状隔壁部材
170 下部給電筒
172 可変コンデンサ
174 排気口
176 排気管
178 排気装置
180 整合器
184 ローパスフィルタ
186 ハイパスフィルタ
200 ガス供給装置
202 処理ガス供給配管
204 第1分岐配管
206 第2分岐配管
208 付加ガス供給配管
210 処理ガス供給手段
212a〜212c ガス供給源
214a〜214c マスフローコントローラ
220 付加ガス供給手段
222a,222b ガス供給源
224a,224b マスフローコントローラ
230 分流量調整手段
232,234 圧力調整部
232a,234a 圧力センサ
232b,234b バルブ
240 圧力コントローラ
300 制御部
310 CPU
320 RAM
330 表示手段
340 操作手段
350 記憶手段
352 ガス供給処理データ
360 インタフェース
W ウエハ

Claims (27)

  1. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するガス供給装置であって,
    前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,
    前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,
    前記処理ガス供給流路から分岐して,前記処理室内に設けられ前記被処理基板上にガスを導入するシャワーヘッドの内部に区画された第1,第2バッファ室にそれぞれ接続される第1,第2分岐流路と,
    前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,
    所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段と,
    前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路と,
    前記被処理基板の処理に先立って,前記処理ガス供給手段による処理ガス供給制御と,前記付加ガス供給手段による付加ガス供給制御を行う制御手段とを備え,
    前記付加ガス供給制御は,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を含むことを特徴とするガス供給装置。
  2. 前記先出し流量は,前記付加ガスが流れる前記付加ガス供給流路の容積と,前記付加ガス供給流路から前記付加ガスが流れ込む前記第2分岐流路の圧力とに基づいて予め算出された値であることを特徴とする請求項1に記載のガス供給装置。
  3. 前記先出し流量は,前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量として予め算出された値であることを特徴とする請求項2に記載のガス供給装置。
  4. 前記付加ガス供給手段は,付加ガス供給源が接続される付加ガスラインを備え,
    前記付加ガス供給制御は,前記算出された先出し流量が前記付加ガスラインの最大許容流量を超える場合には,その最大許容流量を先出し流量とし,その分だけ前記所定時間を長くする制御を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のガス供給装置。
  5. 前記所定時間は,前記最大許容流量を先出し流量として付加ガスを供給したときに前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な時間として算出されたものであることを特徴とする請求項4に記載のガス供給装置。
  6. 前記付加ガス供給流路の容積は,少なくとも前記第2分岐流路の容積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガス供給装置。
  7. 前記第1分岐流路は,この流路を流れる処理ガスが前記処理室内の被処理基板表面上の中心部領域へ向けて供給されるように配設し,
    前記第2分岐流路は,この流路を流れる処理ガスが前記被処理基板表面上の外周部領域へ向けて供給されるように配設したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガス供給装置。
  8. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するガス供給装置であって,
    前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,
    前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,
    前記処理ガス供給流路から分岐して,前記処理室内に設けられ前記被処理基板上にガスを導入するシャワーヘッドの内部に区画された第1,第2バッファ室にそれぞれ接続される第1,第2分岐流路と,
    前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,
    付加ガス供給源をそれぞれ接続する複数の付加ガスラインを備え,前記複数の付加ガスラインは下流側で合流するように構成した付加ガス供給手段と,
    前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路と,
    前記被処理基板の処理に先立って,前記処理ガス供給手段による処理ガス供給制御と,前記付加ガス供給手段による付加ガス供給制御を行う制御手段とを備え,
    前記付加ガス供給制御は,前記各付加ガスラインの付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を含むことを特徴とするガス供給装置。
  9. 前記各付加ガスラインにおける先出し流量は,前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量として予め算出された先出し総流量を,前記各付加ガスラインの設定流量比と同じ比率で分配した値であることを特徴とする請求項8に記載のガス供給装置。
  10. 前記付加ガス供給制御は,前記各付加ガスラインにおける先出し流量のうち,付加ガスラインの最大許容流量を超えるものがある場合には,その最大許容流量をその付加ガスラインの先出し流量として,他の付加ガスラインの先出し流量と前記所定時間を再計算する制御を含むことを特徴とする請求項9に記載のガス供給装置。
  11. 被処理基板を処理する処理室と,この処理室内にガスを供給するガス供給装置と,前記ガス供給装置を制御する制御手段とを備える基板処理装置であって,
    前記ガス供給装置は,前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,前記処理ガス供給流路から分岐して,前記処理室内に設けられ前記被処理基板上にガスを導入するシャワーヘッドの内部に区画された第1,第2バッファ室にそれぞれ接続される第1,第2分岐流路と,前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段と,前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路とを備え,
    前記制御手段は,前記被処理基板の処理に先立って,前記処理ガス供給手段による処理ガス供給制御と,前記付加ガス供給手段による付加ガス供給制御を行い,
    前記付加ガス供給制御は,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を含むことを特徴とする基板処理装置。
  12. 前記先出し流量は,前記付加ガスが流れる前記付加ガス供給流路の容積と,前記付加ガス供給流路から前記付加ガスが流れ込む前記第2分岐流路の圧力とに基づいて予め算出された値であることを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
  13. 前記先出し流量は,前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量として予め算出された値であることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
  14. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するガス供給装置を用いるガス供給方法であって,
    前記ガス供給装置は,前記被処理基板を処理する処理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理ガス供給手段からの処理ガスを流す処理ガス供給流路と,前記処理ガス供給流路から分岐して,前記処理室内に設けられ前記被処理基板上にガスを導入するシャワーヘッドの内部に区画された第1,第2バッファ室にそれぞれ接続される第1,第2分岐流路と,前記処理ガス供給流路から前記各分岐流路に分流される処理ガスの分流量を前記各分岐流路内の圧力に基づいて調整する分流量調整手段と,所定の付加ガスを供給する付加ガス供給手段と,前記付加ガス供給手段からの付加ガスを前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に合流させる付加ガス供給流路とを備え,
    前記被処理基板の処理に先立って,予め設定された設定流量の処理ガスを前記処理ガス供給手段により供給する制御を行う工程と,
    前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給する制御を行う工程と,
    を有することを特徴とするガス供給方法。
  15. 前記処理ガスを供給する制御を行う工程の前に,
    前記付加ガスが流れる前記付加ガス供給流路の容積と前記付加ガス供給流路から前記付加ガスが流れ込む前記第2分岐流路の圧力とに基づいて,所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量を先出し流量として算出する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載のガス供給方法。
  16. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するシャワーヘッドを備える基板処理装置のガス供給制御方法であって,
    前記シャワーヘッドは,その内部に区画して設けられ,前記被処理基板を処理する処理ガスの供給流路から分岐して分流量調整手段によって調整された分流量のガスを流す第1,第2分岐流路がそれぞれ接続される第1,第2バッファ室と,前記第1,第2バッファ室の下面にそれぞれ設けられ,前記第1,第2バッファ室からのガスを前記被処理基板上に噴出する複数の噴出孔と,を備え,
    前記被処理基板の処理に先立って,前記第1,第2バッファ室に前記処理ガスの供給を開始した後に,前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に付加ガス供給流路から付加ガスを合流させて前記第2バッファ室に導入する際に,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給するガス供給制御を行い,
    前記ガス供給制御は,前記処理ガスの供給を開始する前に,前記付加ガスの先出し流量を算出する工程を行うことを特徴とするガス供給制御方法。
  17. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    前記第2分岐流路に流れる前記処理ガスの流量を算出する工程と,
    前記第2分岐流路に合流させる前記付加ガスの設定流量を取得する工程と,
    前記処理ガスと前記付加ガスの流量から前記第2分岐流路に流れるガスの総流量を算出する工程と,
    前記総流量に基づいて前記第2分岐流路の圧力を算出する工程と,
    前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量を前記付加ガスの先出し流量として算出する工程と,
    を有することを特徴とする請求項16に記載のガス供給制御方法。
  18. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    算出した先出し流量が付加ガス供給流路の最大許容流量を超える場合には,その最大許容流量を前記付加ガスの先出し流量とし,その分だけ前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項17に記載のガス供給制御方法。
  19. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するシャワーヘッドを備える基板処理装置のガス供給制御方法であって,
    前記シャワーヘッドは,その内部に区画して設けられ,前記被処理基板を処理する処理ガスの供給流路から分岐して分流量調整手段によって調整された分流量のガスを流す第1,第2分岐流路がそれぞれ接続される第1,第2バッファ室と,前記第1,第2バッファ室の下面にそれぞれ設けられ,前記第1,第2バッファ室からのガスを前記被処理基板上に噴出する複数の噴出孔と,を備え,
    前記被処理基板の処理に先立って,前記第1,第2バッファ室に処理ガスの供給を開始した後に,前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に付加ガス供給流路から付加ガスを合流させて前記第2バッファ室に導入する際に,前記付加ガス供給流路に合流する複数の付加ガスラインからの前記各付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に前記各付加ガスの流量を前記設定流量にして供給するガス供給制御を行い,
    前記ガス供給制御は,前記処理ガスの供給を開始する前に,前記各付加ガスラインにおける前記付加ガスの先出し流量を算出する工程を行うことを特徴とするガス供給制御方法。
  20. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    前記第2分岐流路に流れる前記処理ガスの流量を算出する工程と,
    前記第2分岐流路に合流させる前記付加ガスの設定総流量を取得する工程と,
    前記処理ガスと前記付加ガスの流量から前記第2分岐流路に流れるガスの総流量を算出する工程と,
    前記総流量に基づいて前記第2分岐流路の圧力を算出する工程と,
    前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量を先出し総流量として算出する工程と,
    前記先出し総流量を前記各付加ガスラインの設定流量比と同じ比率で分配することによって,前記各付加ガスラインにおける前記付加ガスの先出し流量を算出する工程と,
    を有することを特徴とする請求項19に記載のガス供給制御方法。
  21. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    前記各付加ガスラインにおける先出し流量のうち,付加ガスラインの最大許容流量を超えるものがある場合には,その最大許容流量をその付加ガスラインの先出し流量として,他の付加ガスラインの先出し流量と前記所定時間を再計算することを特徴とする請求項20に記載のガス供給制御方法。
  22. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するシャワーヘッドを備える基板処理装置であって,
    前記シャワーヘッドは,その内部に区画して設けられ,前記被処理基板を処理する処理ガスの供給流路から分岐して分流量調整手段によって調整された分流量のガスを流す第1,第2分岐流路がそれぞれ接続される第1,第2バッファ室と,前記第1,第2バッファ室の下面にそれぞれ設けられ,前記第1,第2バッファ室からのガスを前記被処理基板上に噴出する複数の噴出孔と,を有し,
    前記被処理基板の処理に先立って,前記第1,第2バッファ室に処理ガスの供給を開始した後に,前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に付加ガス供給流路から付加ガスを合流させて前記第2バッファ室に導入する際に,前記付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に付加ガスの流量を前記設定流量にして供給するガス供給制御を行う制御部を備え,
    前記制御部は,前記処理ガスの供給を開始する前に,前記付加ガスの先出し流量を算出する工程を行うことを特徴とする基板処理装置。
  23. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    前記第2分岐流路に流れる前記処理ガスの流量を算出する工程と,
    前記第2分岐流路に合流させる前記付加ガスの設定流量を取得する工程と,
    前記処理ガスと前記付加ガスの流量から前記第2分岐流路に流れるガスの総流量を算出する工程と,
    前記総流量に基づいて前記第2分岐流路の圧力を算出する工程と,
    前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量を前記付加ガスの先出し流量として算出する工程と,
    を有することを特徴とする請求項22に記載の基板処理装置。
  24. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    算出した先出し流量が付加ガス供給流路の最大許容流量を超える場合には,その最大許容流量を前記付加ガスの先出し流量とし,その分だけ前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項23に記載の基板処理装置。
  25. 被処理基板を処理する処理室内にガスを供給するシャワーヘッドを備える基板処理装置であって,
    前記シャワーヘッドは,その内部に区画して設けられ,前記被処理基板を処理する処理ガスの供給流路から分岐して分流量調整手段によって調整された分流量のガスを流す第1,第2分岐流路がそれぞれ接続される第1,第2バッファ室と,前記第1,第2バッファ室の下面にそれぞれ設けられ,前記第1,第2バッファ室からのガスを前記被処理基板上に噴出する複数の噴出孔と,を備え,
    前記被処理基板の処理に先立って,前記第1,第2バッファ室に処理ガスの供給を開始した後に,前記分流量調整手段より下流側で前記第2分岐流路に付加ガス供給流路から付加ガスを合流させて前記第2バッファ室に導入する際に,前記付加ガス供給流路に合流する複数の付加ガスラインからの前記各付加ガスの流量を予め設定された設定流量よりも大きい先出し流量にして供給を開始し,所定時間経過後に前記各付加ガスの流量を前記設定流量にして供給するガス供給制御を行う制御部を備え,
    前記制御部は,前記処理ガスの供給を開始する前に,前記各付加ガスラインにおける前記付加ガスの先出し流量を算出する工程を行うことを特徴とする基板処理装置。
  26. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    前記第2分岐流路に流れる前記処理ガスの流量を算出する工程と,
    前記第2分岐流路に合流させる前記付加ガスの設定総流量を取得する工程と,
    前記処理ガスと前記付加ガスの流量から前記第2分岐流路に流れるガスの総流量を算出する工程と,
    前記総流量に基づいて前記第2分岐流路の圧力を算出する工程と,
    前記所定時間内に前記付加ガス供給流路の圧力が前記第2分岐流路の圧力に到達するために必要な最大の流量を先出し総流量として算出する工程と,
    前記先出し総流量を前記各付加ガスラインの設定流量比と同じ比率で分配することによって,前記各付加ガスラインにおける前記付加ガスの先出し流量を算出する工程と,
    を有することを特徴とする請求項25に記載の基板処理装置。
  27. 前記付加ガスの先出し流量を算出する工程は,
    前記各付加ガスラインにおける先出し流量のうち,付加ガスラインの最大許容流量を超えるものがある場合には,その最大許容流量をその付加ガスラインの先出し流量として,他の付加ガスラインの先出し流量と前記所定時間を再計算することを特徴とする請求項26に記載の基板処理装置。
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