JP4911484B2 - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置の製造方法に関し、特に小型の液晶装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶装置、特に小型の液晶装置は、以下のような工程により製造されていた。
【0003】
図10から図16までに液晶装置の製造工程を示す。
【0004】
2枚のガラス基板を準備する。配向処理を行う。
【0005】
図10(A)に示すように、第1のガラス基板101上に、ディスペンサDを用いて所定の粒径を有するギャップコントロール材(以下「GC材」という。)101aを散布する。
【0006】
図10(B)に示すように、第2の基板103上に、所定の粒径を有するGC剤103aを添加したシール材103bを塗布する。シール材103bは、例えば注入口105を有し、液晶装置用の表示部の外周を囲む形状に塗布されている。尚、図10(A)、(B)において、ガラス基板101、103に対して1つの液晶セルが設けられている場合について示したが、実際には、ガラス基板に対して、多数の液晶セルが形成されている。
【0007】
図11に示すように、第1及び第2のガラス基板101、103を重ね合わせる。液晶の注入口105を有する空セルECが形成される。
【0008】
図12に示すように、プレス機Pを用いて第1及び第2のガラス基板101、103を外側の面から押圧する。
【0009】
両方のガラス基板101、103をプレスした状態のままで、ヒータHにより熱処理を行う。シール材103bが硬化して第1の基板101と第2の基板103とがシール材103bを介して固定される。
【0010】
尚、通常の熱硬化型のシール材103bに代えて、紫外線硬化樹脂を含むシール材を用いても良い。この場合には、熱処理の代わりに紫外線光を照射することによりシール材を硬化させる方法を用いることができる。
【0011】
図13に示すように、ダイヤモンドカッターDCにより、ガラス基板101とガラス基板103との上にスクライブラインSL(カットライン)を形成する。スクライブラインSLは、ガラス基板の切断を容易にし、切断箇所を規定する。スクライブラインSLは、ガラス基板内に形成されている各液晶セル107を囲むように形成される。
【0012】
1つの液晶セル107の四隅を囲むスクライブラインSLのうち1のスクライブラインSL1は、液晶セル107の液晶注入口105の開口面と揃うように形成されている。
【0013】
1つの液晶セル107と隣接して形成されている液晶セル107の液晶注入口105も、1本のスクライブラインSL1に沿ってその開口面が並ぶ。
【0014】
スクライブラインSLに沿ってガラス基板101,103を劈開する。
【0015】
空セルECを有する個々の液晶セル107が形成される。
【0016】
次に、図14に示すように、液晶セル107に設けられている空セルECの液晶注入口105が一平面上に揃うように、把持具110に複数個の液晶セル107をセットする。
【0017】
図15(A)に示すように、把持具110にセットされた状態の複数の液晶セル107を、真空チャンバVC中に入れる。液晶Eを入れた液晶収容容器115も真空チャンバVC内に置く。真空チャンバVCを真空引きする。
【0018】
図15(B)に示すように、所定の真空度に達した時点で、複数の液晶装置用セル107を移動させて空セルECの少なくとも液晶注入口105が液晶充填容器115に浸かる状態にする。真空チャンバVC内を大気圧に戻すと、液晶充填容器115内の液晶が液晶注入口105から空セルEC内に注入される。
【0019】
図16(A)に示すように、液晶が注入された液晶セル107を、プレス用治具111に挟む。プレス用治具111の端面から液晶注入口105がはみ出している状態にする。所定の圧力で液晶セル107をプレスする。余分な液晶Eが注入口105から出る。
【0020】
図16(B)に示すように、注入口105から出た余分の液晶をふき取った後、注入口105を塞ぐ。例えば、エンドシール材ESを注入口105の周りに塗り、
UV光の照射又は熱処理によりエンドシール材ESを硬化させる。
【0021】
以上の工程により、液晶セルを形成することができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の液晶装置の製造方法には、以下のような問題点があった。
【0023】
1)上記の製造方法によれば、注入口が設けられている方向(辺)に揃えてガラス基板をカットする必要がある。その辺は上下の基板の端面が揃うため、一方のガラス基板表面に引き出し用の電極を形成することができない。そのため、引き出し用の電極を取り出す方向が決まってしまい、液晶装置の設計上の自由度が低くなるという問題があった。
【0024】
2)上記の工程中には、非常に多くの(自動化が困難な)工程があり、製造工程が複雑になり、製造コストも高くなる。特に、小さい液晶セルを製造する場合には、注入口が一平面上に揃っていない場合のように注入治具へのセット状態が適切でないと、全ての注入口が液晶中に浸からずに注入不良を起こすという問題点があった。
【0025】
3)治具へのセット及びプレス工程が多く、液晶セルの表面を傷つけやすいという問題がある。
【0026】
特に、基板のカット工程において発生するガラスの切り子が基板表面に多く付着すると、後の工程においてガラス基板表面などに傷が入る原因となる。切り子を除去するために洗浄工程を追加することも可能ではあるが、さらに工程が増加するという問題が生じる。加えて、洗浄工程を経ても切り子は完全には除去されにくいという問題点もあった。
【0027】
4)メインシールやエンドシールの近くは液晶の配向や電気工学的特性が劣化しやすいという問題があった。
【0028】
本発明の目的は、液晶セルの製造工程を少なくして短時間で製造することができ、かつ、液晶セルのガラス基板の表面を傷つけにくい液晶装置の製造方法を提供することである。特に小型の液晶セルに適している。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、液晶装置の製造方法は、(a)所定の幅を有する無効領域に囲まれ、複数の液晶セル領域が画定される一対の基板を準備する工程と、(b)前記一対の基板のうちいずれか一方の基板上の、前記無効領域の少なくとも一部に前記一対の基板間の距離を仮に規定するギャップコントロール材を配したダミーの壁部を配する工程と、(c)前記一対の基板の間に前記ダミーの壁部が介装される向きに前記一対の基板同士を重ねて張り合わせる工程と、(d)前記一対の基板間に、後の工程で硬化できる液晶材を充填する工程と、(e)前記液晶セル領域の前記液晶材の一部を硬化させて液晶パネルを形成する工程と、(f)前記液晶パネルを前記無効領域に沿って前記液晶セル領域ごとに切断し、前記液晶セル領域から前記ダミーの壁部を全て切り離す工程とを含む。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する前に、発明者の行った考察について説明する。
【0034】
第1基板と第2基板とを重ね合わせて形成する1枚の大型パネル中に一括して液晶材を注入できれば、空セルごとに注入口を合わせて液晶材を注入するよりも液晶注入工程が簡単になる。2インチ角程度の大きさの液晶セルを多数形成できる程度の大型パネル中に液晶材を注入した後に、液晶セルの表示領域を規定する。液晶材中に、注入後に外力により液晶材を硬化できるための硬化剤を混ぜておけば、液晶材を注入した後に液晶セルの表示領域を画定することができる。
【0035】
上記の考察に基づき、以下に、本発明の第1の実施の形態による液晶装置およびその製造方法について図1から図3までを参照して説明する。
【0036】
図1は、基板にシール材を配した状態を示す平面図である。図2および図3は、液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【0037】
所望の配向処理を行った第1ガラス基板1上に多数の画素電極3を形成する。
【0038】
画素電極3は、例えば垂直方向および水平方向に整列して設けられている。尚、図1では、画素電極は1表示領域に1つの画素電極のみが示されているが、一の表示領域内に複数の電極を設けても良い。各画素電極3の外周をほぼ取り囲むように、シール材5を形成する。より詳細には、垂直方向に並び水平方向に隣接する画素電極3の列の間に、垂直方向に延びる第1のシール剤5aが形成されている。さらに、水平方向に並び垂直方向に隣接する画素電極3の行の間に、水平方向に延びる第2のシール剤5bが断続的に形成されている。シール材5a、5bは、熱硬化型シール材により形成される。
【0039】
図2(A)に示すように、シール材5a、5bには、所定の粒径を有するギャップコントロール剤(GC剤)7が添加されている。GC剤7が含まれるシール材5a、5bは、例えばディスペンサ装置により供給される。シール材5a、5bに添加するGC剤7により、後に形成される液晶セルのセル厚を所望の値に制御するために、隣接する第1のシール材5a間の距離W1および第2のシール材5bの距離L1(図1)は、2インチ以内にすることが望ましい。2インチ以内であれば、大型のパネルを形成する際に、パネルを形成する両基板の間のギャップをほぼ一定に保つことが可能である。L1とW1とがあまり離れると、大型のパネルを形成する際に、パネルを形成する両基板の間のギャップをほぼ一定に保つことが難しくなる。
【0040】
もちろん、シール材5中以外にもGC剤を散布しても良い。但し、GC剤を散布する場合には、実際の表示部にはGC剤が残らないように表示部にカバーを設けるなどの工夫をすることが好ましい。
【0041】
図2(B)に示すように、第2のガラス基板11の一表面上に共通電極13を形成する。尚、画素電極3は、通常、複数のセグメント電極により形成され、複数のセグメント電極のいずれかの組み合わせに電圧を印加させる際の選択の仕方により特定の形状を表示することができる。
【0042】
図2(C)に示すように、第1ガラス基板1と第2ガラス基板11とを重ね合わせる。2枚のガラス基板1、11は、それらを重ね合わせた状態において、各基板1、11に形成されている画素電極3と対向電極(共通電極)13とがそれぞれ対向する位置に重ね合わされる。GC剤7を添加した熱硬化型シール材5により所望の基板間距離を保ったままの状態で第1および第2の基板1、11を重ね合わせ、両基板1、11間の距離が近づく方向にプレスする。プレスした状態で熱処理を行うと、シール材5が硬化する。プレス機を用いて両基板の外側をプレスする代わりに、真空パック内に液晶セルを入れて真空パック内を減圧することにより、両基板間をプレスすることもできる。この場合には、両基板間に、減圧が可能な空間が設けられている必要がある。
【0043】
空セル内に液晶材15を注入する。液晶材15中には、紫外線(UV)硬化型液晶(UCL−001:大日本インキ社製)が10wt%、光反応開始剤が0.1wt%添加されている。図1には液晶材15の注入口21と注出口23とが示されている。シール材5a(図1)の形状を、注出口23が設けられるべき領域を閉じた形状にすることにより、注出口を設けずに注入口21のみを具備している形状にしても良い。
【0044】
注入口21のみを有する構造とすれば、注入口を除いて閉じた形状を利用して真空注入法により液晶材15を注入できる。図1のように注入口21と注出口23とを有する形状であれば、注入口21に液晶材15を配置した状態で液晶材を加圧し、注出口23から排気する加圧減圧法、または毛細管現象を利用した注入法を用いることができる。本実施の形態では毛細管現象を利用した方法を用いて液晶材15を注入した。
【0045】
図3(D)に示すように、上記の工程によりこのようにして形成した液晶セルをプレスした状態のままで、開口Oを有する遮光マスクMKを用いて、所定の領域(開口の形成されている領域に対応する領域)にのみUV光を照射した。UV光を照射した領域は、最終的に液晶セルを形成する液晶セル領域25を含む領域である。UV光を照射した領域の液晶材は、硬化する。硬化した液晶材の層を硬化液晶層と称し、符号15dで示す。硬化液晶層15dが形成されている領域は、図1では破線25aで示された範囲に対応し、この場合、この破線25aで囲まれた領域が液晶セル領域25にほぼ対応する。
【0046】
液晶セル領域25は、第1および第2のシール材5(5a、5b)が設けられている領域の内側の領域であり、かつ、画素電極3が設けられている領域を含む領域である。この領域がほぼ表示装置の表示領域に対応する。
【0047】
図3(E)に示すように、第1の基板1にスクライブラインSL1を、第2の基板11にスクライブラインSL2を形成する。スクライブラインSL1、SL2に沿って基板1、11を切断すれば、図3(F)に示すように、実際の液晶する31aが形成できる。尚、液晶セル31と、隣接する別の液晶セル31aとの間の部分31bは、無効領域(不要部分)となる。尚、スクライブラインSL1およびスクライブラインSL2により切断される無効領域内の液晶材を硬化させなければ、液状の部分を切断すればよいため、ガラス基板の切断が容易になる。
【0048】
実際には、硬化液晶材15d中には、液晶材が固化した部分と液状のままの部分とが適度に分布しているものと考えられる。液晶材が固化した部分は、画素電極3と共通電極13との間に電圧を印加しても、液晶のダイレクタ方向(配向方向)は変化しないが、液状の部分は、画素電極3と共通電極13との間に電圧を印加することにより液晶のダイレクタ方向を変化させることができる。
【0049】
本実施の形態による液晶表示技術によれば、液晶装置、特に表示部分の面積が小さい小型の液晶装置などを製造する際の工程が簡単になる。また、表示領域を囲むシール材などが残らないので、電極の引き出しを全てのカット面から行うことが可能であり、電極設計の自由度が増す。液晶装置を製造するための最終工程が液晶セルのカット及び劈開工程となるため、切り子などの影響により液晶セル表面に入る傷を最低限にすることができる。
【0050】
2枚の基板を両側からプレスする工程を、気圧又は液体圧を利用して行うことができるため、液晶セルの破損を防ぐことができ、歩留まりが向上をする。加えて、液晶材料が、例えば、硬化前のシール材やエンドシール材などの液晶物質に直接接触しない。従って、所望の液晶配向状態、電気光学的特性を保ったまま(液晶の配向乱れや電気光学的特性の劣化などを生じさせずに)液晶セルを製造することができる。特に小型の液晶装置では、シール材の位置と表示部の位置との距離のマージンを大きくすることは難しいので、シール材周辺の液晶の特性を良好に保つことは重要である。
【0051】
液晶セルを最終的にエンドシール材により封止する工程は、プレス治具へのセットなどに時間を要し、また、液晶材の押し出し工程にも手間がかかる。本実施の形態による液晶装置の製造方法を用いれば、エンドシールによる封止工程は不要であり、製造工程が簡略化される。
【0052】
尚、本実施の形態では、図1でシール材5aと5bとの間の領域に存在する液晶材を硬化させたが、シール材5a、5b領域を含む領域を硬化させてもよい。また、シール材を、ほぼ閉じた形状を有し、かつ、一部に開口部を有している形状としてもよい。この場合には、開口部を含む領域内の液晶材を硬化させてもよいし、シール材と開口部を含む領域の液晶材を硬化させてもよい。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態による液晶装置およびその製造方法について、図4から図9までを参照して説明する。
【0054】
図4は、基板上にシール材を配した状態を示す平面図である。図5(A)から図9(H)までは、液晶装置の製造工程を示す断面図である。
【0055】
図4および図5(A)に示すように、第1のガラス基板51の一表面上に、複数の液晶セル領域に対応する複数の画素電極53を形成する。画素電極53の上に配向膜(図示せず)を形成しても良い。
【0056】
熱硬化型のシール材55を、例えばディスペンサ54により形成する。シール材55は、例えば矩形の液晶セル領域(1又は複数の画素電極53を含む)の外周を囲むように閉じた形状で形成されており、線幅は200μmである。シール材55中に、後に基板間距離を所望の値に保つためのギャップコントロール材(GC材)57が混ぜられている。
【0057】
図5(B)に示すように、第2のガラス基板61の一表面上に、例えば垂直配向膜62を形成する。
【0058】
図6(C)に示すように、第1のガラス基板51と第2のガラス基板61とを、シール材55を形成した面と垂直配向膜62を形成した面とが向かい合うように重ね合わせる。この状態で、プレス機71により第1および第2の基板51、61を外側から、両基板51、61間の距離が近づく方向にプレスする。プレスしたままの状態で、両基板51、61の近くに配置したヒータ73により熱処理を行い、シール材55を硬化する。
【0059】
図7(D)に示すように、両基板51、61をプレス機71から取り外した後、第1の基板51から第2の基板61を剥離する。剥離の方法としては、剥離材を用いる方法を用いれば良い。
【0060】
尚、基板上にシールパターンを形成する方法としては、基板上にスピンコート法などを用いて感光性の材料を塗布し、フォトリソグラフィーによりパターニングする方法を用いることができる。或いは、GC材を含む光硬化型シール材又は熱硬化型シール材をディスペンサやスクリーン印刷法により基板上に形成し、別の平滑面(例えば表面エネルギーの低い材料を用いるか、表面エネルギーが低くなるような処理を施すか、または表面エネルギーが低くなるような膜を形成した、ガラス、石英、セラミックス、SUS、テフロン、アルミニウムなど)に、所望の基板間距離に対応する均一な高さを得るために必要な程度の力で)押しつけた状態で熱または光によりGC材を含む光硬化型シール材又は熱硬化型シール材を硬化し、硬化後は別の平滑面を剥離して壁をつくる方法などを用いても良い。
【0061】
第1の基板51の一表面に、所望のシール材により形成され閉じたシールパターン55(図4)が形成される。
【0062】
図7(E)に示すように、閉じたシールパターン55内に液晶セル領域が形成される。液晶セル領域内には1又は複数の画素電極53が形成されている。
【0063】
次いで、閉じたシールパターン55内にディスペンサ75を用いて液晶材65を滴下する。液晶材65中には、UVキュアラブル液晶(UCL−001:大日本インキ社製)が10wt%、光反応開始剤(イルガキュア784:チバスペシャリティケミカルズ社製)が0.1wt%添加されている。液晶材65は、閉じたシールパターン55から上りあがるか又は溢れる程度に十分な量を滴下する。
【0064】
図8(F)に示すように、真空チャンバVC内において、真空引きにより減圧した状態で別の基板と重ね合わせる。別の基板(ここでは便宜的に第2の基板と同じ符号61で示す)61は、図5(B)で用いた第2の基板61を用いても良いし、第2の基板とは別の基板を用いても良い。第2の基板または別の基板61の表面には、共通電極63を形成しておく。第1の基板51と別の基板61とは、画素電極53と共通電極63とが対面する方向に重ね合わせる。液晶材65は、閉じたシールパターン55から溢れ出して、液晶セル領域外にも入っていく。
【0065】
両基板51、61は、透明な真空パック内に入れておく。この状態で真空パック内を排気することにより液晶セルをプレスする。尚、前述のように、真空パック内に基板を入れる場合には、基板51、61間に減圧ができる空間を形成しておく必要がある。
【0066】
図9(G)に示すように、両基板51、61をプレスした状態で光干渉させたレーザ光(アルゴンイオンレーザ:波長514nm)を照射して液晶を硬化させる。基板51、61を挟んでレーザ光の入射方向と反対側には、基板とほぼ平行に設けられた反射板81が設けられている。プレス状態のまま表示部91およびその付近のみにレーザ干渉光が当たるように光を集める。表示部91およびその近傍の領域を含む液晶セル領域に存在する液晶が硬化して、硬化部分65dを形成する。尚、硬化部分65dが形成される領域は、シール材55が形成されている領域及びその外側近傍の領域を含む。第1の実施の形態の場合と同じように、シール材55を含まない領域にのみ硬化部分65dを形成しても良い。
【0067】
尚、レーザ光を光干渉させるには、レーザ光と反射板により反射した反射光との間で干渉を起こさせれば良い。このようにすると、ホログラムと同様の原理により、光強度が層状に異なるレーザ光が形成され、被照射部分に、照射光の強度の違いに起因した層状の領域が形成される。
【0068】
レーザ光の波長としては、514nm以外に、例えば488nmや368nmの波長を有するレーザ光を用いても良い。
【0069】
また、UV硬化型の液晶材中に例えば可視光に感度を有する所定の反応開始剤を混合することにより、可視光レーザにより液晶材を硬化させることも可能である。
【0070】
図9(H)に示すように、硬化部分65d(液晶硬化層)以外の位置であって隣接するシール材55の間の領域にスクライブラインを形成し、それに沿って基板を劈開する。複数の液晶セル93aが形成される。
【0071】
尚、硬化部分65d以外の位置であって隣接するシール材55の間の領域にスクライブラインSL3を形成したので、劈開が行いやすい。液状の液晶材の部分を含むため、劈開に対する抵抗が少ないからである。
【0072】
尚、レーザ干渉光を照射することにより液晶材を硬化させた硬化部分65dは、液晶材が固化している部分と液状の部分とが基板面と平行な方向に層状に形成されている。もちろん、レーザ干渉光の照射方向をかえることにより、基板面に対して傾斜を有している層を形成することもできる。
【0073】
層状に形成された液状の部分(液晶材)は、画素電極53と共通電極63とに電圧を印加することにより、液晶の配向方向を制御することができる。
【0074】
本実施の形態による液晶表示技術によれば、液晶装置、特に表示部分の面積が小さい小型の液晶装置などを製造する際の工程が簡単になる。また、液晶装置を製造するための最終工程が液晶セルのカット及び劈開工程となるため、切り子などの影響により液晶セル表面に入る傷を最低限にすることができる。2枚の基板を両側からプレスする工程を、気圧又は液体圧を利用して行うことができるため、液晶セルの破損を防ぐことができ、歩留まりが向上をする。
【0075】
液晶材料が、例えば、硬化前のシール材やエンドシール材などに直接接触しない。従って、所望の液晶配向状態、電気光学的特性を保ったまま(液晶の配向乱れや電気光学的特性の劣化などを生じさせずに)液晶セルを製造することができる。特に小型の液晶装置では、シール材の位置と表示部の位置との距離のマージンを大きくすることは難しいので、シール材周辺の液晶の特性を良好に保つことは重要である。
【0076】
液晶セルを最終的にエンドシール材により封止する工程は、プレス治具へのセットなどに時間を要し、また、液晶材の押し出し工程にも手間がかかる。本実施の形態による液晶装置の製造方法を用いれば、エンドシールによる封止工程は不要であり、製造工程が簡略化される。
【0077】
紫外線(UV)硬化型液晶の添加量は、5wt%から40wt%の間であるのが好ましい。
【0078】
ガラス基板以外に、フィルムやプラスチック基板などの有機材料の基板を用いても良い。
【0079】
プレス機を用いて基板をプレスする方法としては、表面を精度良く仕上げたアルミニウムやセラミックスなどを、基板をプレスする面に適用すると良い。ウレタンゴムなどのクッションを用いてプレスしても良い。真空パックを用いて減圧することにより両基板間をプレスする場合には、少なくとも一方の面をエアや窒素などの気体や水などの液体の圧力によりプレスすることもできる。
【0080】
スクライブラインの形成方法としては、ダイヤモンドカッターなどによりカットラインを形成した後、基板に圧力を加えて劈開する方法が一般的であるが、切り子が発生する恐れがあるので、ピエゾなどによりダイヤモンドカッターに超音波振動を与える方法や高出力レーザによりカットする方法を用いても良い。高出力レーザによりカットする方法などを用いれば、基板全厚をカットすることもできる。たとえば基板を台の上に置き、基板表面を含む領域上を延伸性のフィルムによって覆うことにより基板を固定すれば、基板を所望のおきなにカットするのも容易になる。
【0081】
尚、上記の実施の形態による液晶装置は、小型の液晶ディスプレイや、インスタントフィルムや、印画紙用書き込み光源、光ピックアップ、カメラの絞り、シャッタ、レーザプリンタ等の液晶光シャッタ、液晶レンズ、液晶光ヘッド、液晶センサを備えた製品全般が対象となる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態について例示したが、その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0083】
【発明の効果】
液晶装置の製造工程において、液晶セルを短時間で製造することができ、かつ、液晶セル表面のガラス基板の表面を傷つけにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態による液晶装置の製造方法を示す平面図である。
【図2】 図2(A)から(C)までは、本発明の第1の実施の形態よる液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】 図3(D)から図3(F)までは、本発明の第1の実施の形態よる液晶装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態による液晶装置の製造方法を示す平面図である。
【図5】 図5(A)、(B)は、本発明の第2の実施の形態による液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】 図6(C)は、本発明の第2の実施の形態による液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】 図7(D)、(E)は、本発明の第2の実施の形態による液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】 図8(F)は、本発明の第2の実施の形態による液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】 図9(G)、(H)は、本発明の第2の実施の形態による液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】 一般的な液晶装置の製造工程を示す図である。図10(A)は、第1の基板上にスペーサ剤を配置する工程を示す図であり、図10(B)は、第2の基板上にシール材を配置する工程を示す図である。
【図11】 一般的な液晶装置の製造工程を示す図であり、図10に示す工程に続く工程を示す図である。
【図12】 一般的な液晶装置の製造工程を示す図であり、図11に示す工程に続く工程を示す図である。
【図13】 一般的な液晶装置の製造工程を示す図であり、図12に示す工程に続く工程を示す図である。
【図14】 一般的な液晶装置の製造工程を示す図であり、図13に示す工程に続く工程を示す図である。
【図15】 図15(A)、(B)は、一般的な液晶装置の製造工程を示す図である。
【図16】 図16(A)、(B)は、一般的な液晶装置の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の基板
3 画素電極
5a、5b シール材
7 ギャップコントロール材
11 第2の基板
13 共通電極
15 液晶材
15d 硬化液晶層
25 液晶セル領域
51 第1の基板
53 画素電極
55 シールパターン
61 第2の基板
63 共通電極
65d 硬化部分
93a 液晶セル
Claims (3)
- (a)所定の幅を有する無効領域に囲まれ、複数の液晶セル領域が画定される一対の基板を準備する工程と、
(b)前記一対の基板のうちいずれか一方の基板上の、前記無効領域の少なくとも一部に前記一対の基板間の距離を仮に規定するギャップコントロール材を配したダミーの壁部を配する工程と、
(c)前記一対の基板の間に前記ダミーの壁部が介装される向きに前記一対の基板同士を重ねて張り合わせる工程と、
(d)前記一対の基板間に、後の工程で硬化できる液晶材を充填する工程と、
(e)前記液晶セル領域の前記液晶材の一部を硬化させて液晶パネルを形成する工程と、
(f)前記液晶パネルを前記無効領域に沿って前記液晶セル領域ごとに切断し、前記液晶セル領域から前記ダミーの壁部を全て切り離す工程と
を含む液晶装置の製造方法。 - 前記(b)工程は、少なくとも1の開口部を有し前記液晶セル領域を略囲む形状のダミーの壁部を形成する工程である請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記(d)の工程は、光を照射することにより硬化できる液晶材を充填する工程であり、前記(e)工程は、前記液晶セル領域の前記液晶材の一部に開口を有する遮光マスクを用いて開口の形成されている領域に対応する領域にのみ光を照射し前記液晶材を硬化させる工程を含む請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
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