本発明の実施形態を具体的に説明する前に、まず本実施形態にかかる医療器材管理システムの一例について簡単に述べる。本実施形態にかかる医療器材管理システムは、たとえば予定されている手術などの医療行為に関するオーダ情報であって、当該医療行為で使用予定の医療器材を特定する使用器材情報を含むオーダ情報が記録されたオーダ情報データベースと、不具合が存在する医療器材を登録する不具合情報データベースと、オーダ情報データベースに記録されたオーダ情報に含まれる使用器材情報の中から、不具合情報データベースに登録された医療器材を特定する使用器材情報を抽出する抽出部と、抽出された使用器材情報によって特定される医療器材が使用される医療行為において、抽出された使用器材情報によって特定される医療器材に不具合が存在する旨をディスプレイに表示する病棟PC(Personal Computer)などのクライアント端末と、を備える。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医療器材管理システム10の全体構成図である。医療器材管理システム10は、医療器材管理サーバ12、医師用PC14、在庫管理者用PC16、病棟PC18、および携帯端末20を備える。
医師用PC14は、主に医師によって使用される。このため、医師用PC14は病院内において医師が在駐する場所、たとえば診察室やその周辺などに通常配置される。在庫管理者用PC16は、主に医療器材の在庫状況を管理する在庫管理者によって使用され、このため在庫管理者が在駐する場所に通常配置される。病棟PC18は、たとえば各病棟毎に配置される。医療器材管理サーバ12は通常病院内のいずれかの場所に配置される。なお、図1に示す医療器材管理システム10では医療器材管理サーバ12、医師用PC14、および在庫管理者用PC16は1つずつ設けられているが、これらが複数設けられていてもよいことは勿論である。
携帯端末20は、無線通信機能を有する病棟PC18と無線によって通信を行う。携帯端末20は、主に看護師が病院内において携帯する。
医療器材管理サーバ12、医師用PC14、在庫管理者用PC16、および病棟PC18はネットワーク22によって相互に接続されている。携帯端末20は病棟PC18とだけでなく、病棟PC18を介してネットワーク22に接続されている様々な機器と相互にデータの送受信を行う。
図2は、医療器材管理サーバ12の全体構成図である。医療器材管理サーバ12は記憶部30、抽出部42、送信部44、および受信部46を有する。記憶部30にはオーダ情報データベース32、準備品リストマスタデータベース34、実施記録データベース36、在庫データベース38、および不具合情報データベース40が構築されている。
オーダ情報データベース32にはオーダ情報が記録される。オーダ情報は、予定されている手術や検査、処置などの医療行為に関する情報であり、医療予定情報として利用される。このため、オーダ情報データベース32は、医療予定情報が記録された医療予定情報記録手段として機能する。オーダ情報には、手術で使用予定の医療器材を特定する使用器材情報が含まれている。
準備品リストマスタデータベース34には準備品情報が記録されており、このため準備品リストマスタデータベース34は準備品情報記録手段として機能する。準備品情報では医療行為の各々と、その医療行為で通常使用される医療器材とが対応付けられている。具体的には、第1の実施形態に係る医療器材管理システム10では、準備品情報には医療器材情報、および手術の術式を示す術式情報が含まれており、各々の術式情報がその術式で通常使用される医療器材を示す医療器材情報に対応づけられている。
実施記録データベース36にはオーダに対して行われた医療行為の実施記録情報が記録されている。実施記録情報は、手術で使用した医療器材を特定する情報を含む。このため実施記録情報は、医療行為で使用した医療器材を特定する使用済器材情報として利用され、実施記録データベース36は、使用済器材情報が記録された使用済器材情報記録手段として機能する。
在庫データベース38には在庫情報が記録されており、このため在庫データベース38は在庫情報記録手段として機能する。在庫情報は、医療器材の在庫状況を特定する情報を含む。在庫情報には、医療器材の商品コード、器材名、メーカー名、ロット番号、発注日、入庫日、出庫日、数量などを特定する情報が含まれている。
不具合情報データベース40には不具合情報が記録されており、このため不具合情報データベース40は不具合情報記録手段として機能する。不具合情報は、不具合が存在する医療器材を特定する情報を含む。オーダ情報、準備品情報、実施記録情報、在庫情報、および不具合情報についてはこのあと詳述する。
抽出部42は、オーダ情報データベース32、準備品リストマスタデータベース34、実施記録データベース36、在庫データベース38および不具合情報データベース40のいずれかから所定の情報を抽出する。受信部46はネットワーク22を介して医療器材管理サーバ12に送信されたデータを受信し、送信部44はネットワーク22にデータを送信する。なお、以下の説明においてデータとは一般的なデータだけでなくプログラムも含むものとする。
図3は、医師用PC14の全体構成図である。医師用PC14は、PC本体50、ディスプレイ64A、マウス66A、およびキーボード68Aを有する。PC本体50は、受信部52、送信部54、記憶部56、オーダ情報取得部58、準備品情報取得部60、表示データ生成部62、検索部63を有する。
受信部52はネットワーク22を介して医師用PC14に送信されたデータを受信し、送信部54はネットワーク22にデータを送信する。オーダ情報取得部58は、キーボード68Aやマウス66Aなどの入力装置を使って医師などによって入力されたオーダ情報を取得する。また、オーダ情報取得部58は、ネットワーク22を介して医療器材管理サーバ12から送信されたオーダ情報を取得する。記憶部56は、取得したオーダ情報などのデータを格納する。医師などによるオーダ情報に含まれる情報の内容やその入力方法は、図4に関連して詳述する。
準備品情報取得部60は、医療器材管理サーバ12の準備品リストマスタデータベース34から準備品情報を取得する。表示データ生成部62はディスプレイ64Aに表示するための表示データを生成し、ディスプレイ64Bは生成された表示データを表示する。検索部63については後述する。
図4は、オーダ登録画面202を示す図である。オーダ登録画面202は、医師などがオーダ情報を入力する際に医師用PC14のディスプレイ64Aに表示される。
オーダ登録画面202上方にはオーダ登録タブ140、一覧表示タブ142、件数集計タブ144、データ出力タブ146、システム設定タブ148が表示されている。このうちオーダ登録タブ140がマウス66Aによってクリックされて選択されることによって、オーダ登録画面202がディスプレイ64Aに表示される。ユーザは、オーダ登録画面202において、患者ID、患者カナ名、患者漢字名、性別、年齢、入外区分、病棟名、オーダ種別、手術予定日時、予定時間、手術室、診療科、病名、術式、併存症、麻酔種類、医師名、看護師名、予想出血量、準備品など、手術の予定に関する情報としてのオーダ情報を入力することができる。
オーダ登録画面202の左上には、患者ID入力欄204、患者カナ名入力欄206、患者漢字名入力欄208、年齢入力欄212、性別入力欄214、入外区分入力欄216、病棟入力欄218が表示される。
ユーザは、患者ID入力欄204をクリックして入力可能状態とすることにより、患者IDを入力することができる。ユーザにより入力された患者IDは、患者ID入力欄204に表示される。ユーザは、患者カナ名入力欄206をクリックして入力可能状態とすることにより、患者カナ名を入力することができる。入力された患者カナ名は、患者カナ名入力欄206に表示される。ユーザは、患者漢字名入力欄208をクリックして入力可能状態とすることにより、患者漢字名を入力することができる。入力された患者漢字名は、患者漢字名入力欄208に表示される。入力された患者漢字名および患者カナ名は患者名として医療器材管理システム10において利用される。
性別入力欄214はプルダウンメニューとされており、ユーザは、性別入力欄214をクリックして男性を示す「M」または女性を示す「F」、「Unknown」、または空白のいずれかをさらにクリックして選択することにより、患者の性別を入力することができる。入力された患者の性別は性別入力欄214に表示される。ユーザは、年齢入力欄212をクリックして入力可能状態とすることにより、患者の年齢を入力することができる。入力された患者の年齢は年齢入力欄212に表示される。
入外区分入力欄216はプルダウンメニューとされており、ユーザは、入外区分入力欄216をクリックして「入院」または「外来」をさらにクリックして選択することにより、入院または外来を示す入外区分を入力することができる。入力された入外区分は入外区分入力欄216に表示される。病棟入力欄218はプルダウンメニューとされており、ユーザは、病棟入力欄218をクリックし、さらに病棟名をクリックして選択することにより、患者が入院している病棟名を入力することができる。入力された病棟名は病棟入力欄218に表示される。
オーダ登録画面202の左下には、オーダ種別入力欄220、手術予定日時入力欄222、OnCall入力ボックス224、予定時間入力欄226、手術室入力欄228、診療科入力欄230、病名入力欄232、術式入力欄234、併存症入力欄236、麻酔種類入力欄238、医師入力欄240、看護師入力欄242、予想出血量入力欄244が表示される。
オーダ種別入力欄220はブルダウンメニューとされており、ユーザは、オーダ種別入力欄220をクリックし、さらにオーダ種別をクリックして選択することにより、オーダ種別を入力することができる。入力されたオーダ種別はオーダ種別入力欄220に表示される。
手術予定日時入力欄222は、日付入力欄222a、時間入力欄222b、および分入力欄222cによって構成される。ユーザは、日付入力欄222aをクリックして手術予定日入力画面(図示せず)を表示することにより、手術予定日を入力することができる。入力された手術予定日は日付入力欄222aに表示される。時間入力欄222bはブルダウンメニューとされており、ユーザは、時間入力欄222bをクリックして、さらにゼロから24までの数字をクリックして選択することにより、手術予定時刻の時間を入力することができる。入力された手術予定時刻の時間は時間入力欄222bに表示される。分入力欄222cはプルダウンメニューとされており、ユーザは分入力欄222cをクリックし、さらに所定間隔毎に設定された数字をクリックして選択することにより、手術予定時刻の分を入力することができる。入力された手術予定時刻の分は分入力欄222cに表示される。なお、OnCallを指定したい場合は、ユーザは、OnCall入力ボックス224のチェックボックスをチェックすることによりOnCallを指定することができる。
予定時間入力欄226は、時間入力欄226aおよび分入力欄226bによって構成される。時間入力欄226aはプルダウンメニューとされており、ユーザは、時間入力欄226aをクリックし、さらに数字を選択することにより、予定時間を入力することができる。入力された予定時間は、時間入力欄226aに表示される。分入力欄226bはプルダウンメニューとされており、ユーザは、分入力欄226bをクリックし、さらに所定時間間隔毎に設定された数字をクリックして選択することにより、予定の分数を入力することができる。入力された予定の分数は、分入力欄226bに表示される。
手術室入力欄228はプルダウンメニューとされており、ユーザは、手術室入力欄228をクリックして、さらに手術室をクリックして選択することにより、手術室を入力することができる。選択された手術室は手術室入力欄228に表示される。
診療科入力欄230はプルダウンメニューとされており、ユーザは、診療科入力欄230をクリックし、いずれかの診療科をクリックして選択することにより、診療科を入力することができる。入力された診療科は診療科入力欄230に表示される。ユーザは、病名入力欄232をクリックして入力可能状態とすることにより、病名を入力することができる。入力された病名は病名入力欄232に表示される。
ユーザは、術式入力欄234をクリックして術式入力画面(図示せず)を表示させることにより、術式を入力することができる。具体的には、術式入力画面には、診療科入力欄230によって指定された診察科に応じた術式リストが表示される。術式リストに一覧表示された術式の各々にはチェックボックスが設けられており、このチェックボックスをオンにして選択することによって術式が選択される。複数の術式のチェックボックスをオンにすることによって、複数の術式を選択することが可能となっている。入力された術式は術式入力欄234に表示される。
併存症入力欄236はプルダウンメニューとされており、ユーザは、併存症入力欄236をクリックし、併存症の「あり」または「なし」をクリックして選択することにより、併存症の存否を入力することができる。入力された併存症の存否は併存症入力欄236に表示される。麻酔種類入力欄238はプルダウンメニューとされており、ユーザは、麻酔種類入力欄238をクリックし、さらに「全身麻酔」や「局部麻酔」などの麻酔種類をクリックして選択することにより、麻酔種類を入力することができる。入力された麻酔種類は麻酔種類入力欄238に表示される。
ユーザは、医師入力欄240をクリックして医師入力画面(図示せず)を表示させることにより、執刀医、助手、および麻酔医などの医師名を入力することができる。入力された医師名は、入力されたオーダ情報の手術を担当する医師を特定する医師情報として医療器材管理システム10において利用される。入力された医師名は医師入力欄240に表示される。
ユーザは、看護師入力欄242をクリックして看護師入力画面(図示せず)を表示させることにより、直接介助看護師名および間接介助看護師名を入力することができる。入力された直接介助看護師名または間接介助看護師名などの看護師は、入力されたオーダ情報の手術を担当する看護師を特定する看護師情報として、医療器材管理システム10において利用される。ユーザは、予想出血量入力欄244をクリックして入力可能状態とすることにより、予想出血量を入力することができる。入力された予想出血量は予想出血量入力欄244に表示される。
オーダ登録画面202の右側には、準備品リスト欄248が設けられている。準備品リスト欄248には、術式入力欄234に入力された術式に応じた医療器材の情報である準備品情報が表示される。具体的には、術式入力欄234をクリックすることによって表示される術式入力画面において、ユーザにより術式を選択してOKボタン(図示せず)をマウス66Aを使って押されると、準備品情報取得部60は、選択された術式を特定する情報を含む準備品情報の送信要求を医療器材管理サーバ12に送信する。医療器材管理サーバ12の抽出部42は、準備品リストマスタデータベース34に記録された準備品情報の中から、送信要求に含まれる情報によって特定される術式に対応して記録されている準備品情報を抽出する。送信部44は抽出された準備品情報を医師用PC14に送信する。医師用PC14の受信部52は医療器材管理サーバ12から送信された準備品情報を受信する。表示データ生成部62は、受信した準備品情報をオーダ登録画面202の準備品リスト欄248に表示するよう表示データを生成する。こうして術式入力欄234に入力された術式に応じた準備品情報が準備品リスト欄248に表示される。
準備品リスト欄248は、チェックボックス欄256、器材名欄257、および数量欄258を有する。準備品情報には医療器材の器材名および数量が含まれ、器材名欄257に器材名、数量欄258に数量が表示される。準備品リスト欄248に準備品が表示された時点でチェックボックス欄256はチェックされた状態となっている。オーダ情報を入力する医師は、表示された準備品の中で準備する必要がないと判断した準備品のチェックを外すことができる。チェックが外された準備品は、準備する必要がないものとして、オーダ情報の登録時に登録される。なお、準備品を追加したい場合は、追加ボタン259を押して表示される医療器材リスト(図示せず)から医療器材を選択することによって、準備品としての医療器材を追加することができる。
オーダ登録画面202の右下には登録ボタン250、キャンセルボタン252、クリアボタン254が設けられている。登録ボタン250をクリックすることにより、ユーザは、オーダ登録画面202に入力したオーダ情報を登録することができる。
具体的には、登録ボタン250がクリックされることにより、オーダ情報取得部58は、オーダ登録画面202に入力された情報をオーダ情報として取得する。このとき、準備品リスト欄248に表示された医療器材も、当該手術で使用予定の医療器材を特定する医療器材情報としてオーダ情報に含められる。取得されたオーダ情報は送信部54によって医療器材管理サーバ12に送信される。医療器材管理サーバ12はオーダ情報を受信すると、オーダ情報データベース32に受信したオーダ情報を記録する。
ユーザによりキャンセルボタン252がクリックされると、オーダ登録画面202に入力されたオーダ情報が登録されることなく、オーダ登録画面202が閉じられる。ユーザによりクリアボタン254がクリックされると、オーダ登録画面202に入力された内容がクリアされる。
図5は、在庫管理者用PC16の全体構成図である。在庫管理者用PC16は、PC本体70、ディスプレイ64B、マウス66B、キーボード68B、および識別コード読取装置84Aを有する。PC本体70は、受信部72、送信部74、記憶部76、在庫情報取得部78、表示データ生成部80、検索部82を有する。
受信部72はネットワーク22を介して在庫管理者用PC16に送信されたデータを受信し、送信部74はネットワーク22にデータを送信する。在庫情報取得部78は、マウス66Bやキーボード68Bなどの入力装置、または識別コード読取装置84を使って医師などによって入力された在庫情報を取得する。
具体的には、在庫管理者は、ディスプレイ64Bに表示された在庫状況入力画面(図示せず)に、マウス66およびキーボード68を使って、在庫の医療器材の器材名、ロット番号などを入力する。また、在庫管理者は、在庫の医療器材に表示された識別コードを識別コード読取装置84Aを使って読み取り、在庫の医療器材の器材名、ロット番号などを入力する。こうして在庫情報取得部78は、在庫の医療器材医の器材名やロット番号などを含む在庫情報を取得する。送信部74は、取得した在庫情報を医療器材管理サーバ12に送信する。
また、在庫情報取得部78は、医療器材管理サーバ12に準備品情報の送信要求を送信することによって、医療器材管理サーバ12から在庫情報を取得する。こうして医療器材管理サーバ12の在庫データベース38に記録されている在庫情報を、在庫管理者がいつでも参照できるようになっている。
記憶部76は、取得した在庫情報などのデータを格納する。表示データ生成部80はディスプレイ64Bに表示するための表示データを生成し、ディスプレイ64Bは生成された表示データを表示する。検索部82については後述する。
図6は、病棟PC18の全体構成図である。病棟PC18は、PC本体90、ディスプレイ64C、マウス66C、キーボード68C、および識別コード読取装置84Bを有する。PC本体90は、受信部92、送信部94、記憶部96、オーダ情報取得部98、実施入力取得部100、在庫情報取得部102、不具合器材登録部104、不具合情報取得部106、表示データ生成部107、検索部108を有する。
受信部92はネットワーク22を介して病棟PC18に送信されたデータを受信し、送信部94はネットワーク22にデータを送信する。記憶部96は、取得した在庫情報などのデータを格納する。
オーダ情報取得部98は、医療器材管理サーバ12にオーダ情報の送信要求を送信することによって、医療器材管理サーバ12からオーダ情報を取得する。実施入力取得部100は、医療器材管理サーバ12に実施記録情報の送信要求を送信することによって、医療器材管理サーバ12から実施記録情報を取得する。在庫情報取得部102は、医療器材管理サーバ12に在庫情報の送信要求を送信することによって、医療器材管理サーバ12から在庫情報を取得する。不具合情報取得部106は、マウス66C、キーボード68、または識別コード読取装置84Bを使ってユーザによって入力された不具合情報を取得する。ユーザによる不具合情報の入力方法については、図7に関連して詳述する。
表示データ生成部107はディスプレイ64Cに表示するための表示データを生成し、ディスプレイ64Cは生成された表示データを表示する。検索部108については後述する。
図7は、データ出力画面150に不具合品ウィンドウ161が表示された状態を示す図である。データ出力画面150は、医療器材管理サーバ12に構築される様々なデータベースに記録されている情報を出力するための画面であり、不具合品ウィンドウ161は、不具合が存在する医療器材を登録したり、医療器材の将来または過去の使用についての情報の検索を実施する際に表示される画面である。以下、病棟PC18のディスプレイ64Cに図7のデータ出力画面150が表示されているものとして説明する。データ出力画面150は、データ出力タブ146をマウス66Cでクリックすることなどによってディスプレイ64Cに表示される。
データ出力画面150は、自由出力ボタン152、使用器材ボタン154、実績値分析ボタン156、トレーサビリティボタン158、および不具合品ボタン160が画面上方に配置される。このうちユーザがマウス66Cで不具合品ボタン160をクリックすることなどにより図7に示されるように不具合品ウィンドウ161が表示される。不具合品ウィンドウ161の略上半分の領域には、商品コード入力欄162、ロット番号入力欄166、不具合対象期間指定部168、登録ボタン170が配置される。
ユーザは、商品コード入力欄162をクリックして入力可能状態とし、キーボード68Cなどを使って商品コード入力欄162に商品コードを入力することができる。商品コードは登録対象の医療器材に付されている識別コード周辺に記載されており、ユーザはこの商品コードを読み取って入力することができる。
なお、商品コード入力欄162の右側には選択ボタン164が配置されている。選択ボタン164がクリックされると器材選択画面(図示せず)が表示される。記憶部96には、医療器材と商品コードが対応づけられた医療器材データベースが格納されている。この器材選択画面に表示された医療器材がクリックされ選択されると、不具合器材登録部104は、記憶部96に格納された医療器材データベースを参照し、選択された医療器材に対応する商品コードを取得する。表示データ生成部107は、取得した商品コードを商品コード入力欄162に表示する表示データを生成する。これによって商品コード入力欄162には選択された医療器材の商品コードが入力される。
商品コード入力欄162の下方にはロット番号入力欄166が配置されている。ユーザはロット番号入力欄166をクリックして入力可能状態とし、キーボード68Cなどを使ってロット番号入力欄166にロット番号を入力することができる。ロット番号は登録対象の医療器材に付されている識別コード周辺に記載されており、ユーザはこのロット番号を読み取って入力することができる。
なお、ユーザは、識別コード読取装置84Bを使って不具合が存在する医療器材の商品コードおよびロット番号を入力することが可能である。医療器材の識別コードが識別コード読取装置84によって読み取られると、PC本体90は読み取られた商品コードを解析し、商品コードとロット番号を取得する。取得された商品コードとロット番号は表示データ生成部107に表示される。
ロット番号入力欄166のさらに下方には不具合対象期間指定部168が配置されている。不具合対象期間指定部168は期間開始日欄168a、期間終了日欄168b、および期間指定なしチェックボックス168cを有している。期間開始日欄168aおよび期間終了日欄168bはプルダウンメニューとされている。ユーザは期間開始日欄168aをクリックしてプルダウンメニューを表示させ、表示された日付の中から期間開始日を選択することができる。またユーザは期間終了日欄168bをクリックしてプルダウンメニューを表示させ、表示された日付の中から期間終了日を選択することができる。こうしてユーザは不具合対象期間を指定することができる。なお、期間指定なしチェックボックス168cがチェックされると、不具合対象期間の指定は解除される。
登録ボタン170がユーザにクリックされるなどして押されると、不具合器材登録部104は、商品コード入力欄162に入力された商品コードの医療器材のうち、ロット番号入力欄166に入力されたロット番号と同一のロットのものを不具合が存在する医療器材として登録する。具体的には、不具合器材登録部104は、入力された商品コード、ロット番号、および不具合対象期間を不具合情報として取得し、送信部94は、取得された不具合情報を医療器材管理サーバ12に送信する。医療器材管理サーバ12は不具合情報を受信すると、不具合情報データベース40に受信した不具合情報を記録する。こうして、ユーザによって不具合が存在するものとして不具合品ウィンドウ161で登録された医療器材は、不具合情報データベース40にその医療器材を特定する不具合情報として記録される。
不具合品ウィンドウ161の略下半分の領域には、不具合品一覧表示欄172、検索ボタン174、データ出力ボタン176a、帳票印刷ボタン176b、および出力ボタン178が配置されている。不具合品一覧表示欄172には、不具合が存在するものとしてすでに登録された医療器材の名称がリスト表示される。具体的には、ユーザによって不具合品ボタン160がクリックされると、不具合情報取得部106は、医療器材管理サーバ12に不具合情報の送信要求を送信する。医療器材管理サーバ12の抽出部42は、病棟PC18から不具合情報の送信要求を受信すると、不具合情報データベース40に記録されたすべての不具合情報を要求元の病棟PC18に送信する。医療器材管理サーバ12の表示データ生成部107は、データ出力画面150に不具合品ウィンドウ161を表示する際、受信した不具合情報によって特定される医療器材の名称を不具合品一覧表示欄172に表示するよう表示データを生成する。
データ出力ボタン176aと帳票印刷ボタン176bはラジオボタンとなっており、ユーザはいずれかのボタンをオンにすることによって、CSV(Comma Separated Values)方式によるデータ出力か、印刷出力かの出力形式を選択することができる。出力ボタン178がクリックされると、病棟PC18は不具合品一覧表示欄172に表示された不具合情報を選択された出力形式で出力する。なお、検索ボタン174については後述する。
図8は、データ出力画面150にトレーサビリティウィンドウ180が表示された状態を示す図である。トレーサビリティウィンドウ180は、医療器材の将来における使用予定、過去の使用状況、および現在の在庫状況を検索するための画面である。以下、病棟PC18のディスプレイ64Cに図8のデータ出力画面150が表示されているものとして説明する。
トレーサビリティウィンドウ180は、データ出力画面150上方に配置されるトレーサビリティボタン158がユーザにクリックされることによって表示される。トレーサビリティウィンドウ180の略上半分の領域には、商品コード入力欄182、選択ボタン184、ロット番号入力欄186、検索期間指定部188、および検索ボタン190が配置される。また、略下半分の領域には、検索結果表示欄192、データ出力ボタン176a、帳票印刷ボタン176b、および出力ボタン178が配置される。データ出力ボタン176a、帳票印刷ボタン176b、および出力ボタン178は、不具合品ウィンドウ161のものと同様である。
ユーザは、商品コード入力欄182に検索対象となる医療器材の商品コードを入力し、ロット番号入力欄186に検索対象となる医療器材のロット番号を入力する。これらの入力方法は、不具合品ウィンドウ161における商品コード入力欄162およびロット番号入力欄166と同様である。
また、ユーザ検索対象となる医療器材の使用予定、または使用実績の期間を限定するため、検索期間指定部188において検索期間を入力することができる。検索期間指定部188は期間開始日欄188a、期間終了日欄188b、および期間指定なしチェックボックス188cを有しており、これらの入力方法は不具合品ウィンドウ161における期間開始日欄168a、期間終了日欄168b、および期間指定なしチェックボックス168cと同様である。
検索ボタン190がクリックされると、検索部108は、入力された商品コードおよびロット番号によって特定される医療器材の将来の使用予定、過去の使用実績、および現在の在庫状況を検索する。具体的には、検索ボタン190がクリックされると、検索部108は、入力された商品コード、ロット番号、および検索期間を検索情報として取得し、送信部94は取得した検索情報を医療器材管理サーバ12に送信する。
検索情報を受信すると、医療器材管理サーバ12の抽出部42は、まずオーダ情報データベース32に記録されたオーダ情報の中から、検索情報によって特定される医療器材が使用予定となっている手術のオーダ情報を抽出する。また、抽出部42は、実施記録データベース36に記録されている実施記録情報の中から、検索情報によって特定される医療器材の過去の使用状況を示す実施記録情報を抽出する。また抽出部42は、在庫データベース38に記録された在庫情報の中から、検索情報によって特定される医療器材の現在の在庫状況を示す在庫情報を抽出する。
抽出されたオーダ情報、実施記録情報、及び在庫情報は、送信部44によって検索情報の送信元の病棟PC18に送信される。病棟PC18がこれらの情報を受信すると、表示データ生成部107は、検索結果表示欄192に、抽出されたオーダ情報、実施記録情報、及び在庫情報を表示するよう表示データを生成する。こうして、検索結果表示欄192には入力された商品コードおよびロット番号によって特定される医療器材の将来の使用予定、過去の使用実績、および現在の在庫状況が表示される。
図7に戻って、ユーザは、不具合品一覧表示欄172に表示された医療器材を選択して検索ボタン174をクリックすることによって、トレーサビリティウィンドウ180と同様に、不具合が存在するものとして登録された医療器材の将来の使用予定、過去の使用実績、および現在の在庫状況を検索することができる。
具体的には、不具合品一覧表示欄172に表示された医療器材のうち1つの医療器材がユーザによってクリックされ選択されると、その医療器材の情報を表示している箇所がハイライト表示される。この状態で検索ボタン174がクリックされると、まず不具合品ウィンドウ161に代わってトレーサビリティウィンドウ180が表示される。検索部108は、商品コード入力欄162に入力された商品コード、ロット番号入力欄166に入力されたロット番号、および不具合対象期間指定部168に入力された不具合対象期間を検索情報として取得する。その後、トレーサビリティウィンドウ180において検索ボタン190がクリックされた場合と同様の処理が実施され、検索結果表示欄192に、不具合が存在するものとして登録された医療器材のうち選択された医療器材の将来の使用予定、過去の使用実績、および現在の在庫状況が表示される。
なお、病棟PC18においてトレーサビリティウィンドウ180における検索、および不具合品ウィンドウ161における検索が実施される場合について説明したが、トレーサビリティウィンドウ180、および不具合品ウィンドウ161は医師用PC14および在庫管理者用PC16においても表示可能である。医師用PC14の検索部63、および在庫管理者用PC16の検索部82は、病棟PC18の検索部108と同様に検索を実施する。
図9は、第1の実施形態に係る携帯端末20の全体構成図である。携帯端末20は、識別コード読取部110、ディスプレイ111、受信部112、送信部114、記憶部116、オーダ情報取得部118、実施入力取得部120、表示データ生成部122、およびスタイラス126を備える。
識別コード読取部110は、医療器材に付された識別コードを読み取る。受信部112はネットワーク22を介して携帯端末20に送信されたデータを受信し、送信部114は無線によって対応する病棟PC18を介してネットワーク22にデータを送信する。オーダ情報取得部118は、ネットワーク22を介して医療器材管理サーバ12から送信されたオーダ情報を取得する。記憶部116は、取得したオーダ情報などのデータを格納する。表示データ生成部122はディスプレイ111に表示するための表示データを生成し、ディスプレイ111は生成された表示データを表示する。ディスプレイ111はスタイラス126などで押圧することによって入力可能な入力装置としても機能する。
実施入力取得部120は、看護師などによって入力される実施入力を実施記録情報として取得する。実施入力の入力方法については、図10に関連して詳述する。
図10(a)は、医療器材に付された識別コードが読み取られていない状態の実施入力画面260を示す図であり、図10(b)は、医療器材に付された識別コードが読み取られた状態の実施入力画面260を示す図である。手術の準備品を実際に準備する看護師などは、この実施入力画面260に準備が完了した医療器材を識別する情報を入力することによって実施記録情報を入力する。
実施入力画面260は、携帯端末20のディスプレイ111に表示される。実施入力画面260は、オーダ情報ボタン262、タブ264、医療器材表示画面266、数量変更ボタン268、削除ボタン270、および実施入力完了ボタン272を備える。
携帯端末20を用いて実施入力を行う看護師などは、まずオーダ情報ボタン262をスタイラス126などで押して、オーダ選択画面(図示せず)を表示させ、オーダ選択画面に表示されたオーダ情報を選択することによって、呼び出すオーダ情報を選択する。医療器材管理サーバ12は、こうして選択されたオーダ情報を携帯端末20に送信し、携帯端末20のオーダ情報取得部118は、受信したオーダ情報を取得する。表示データ生成部122は、取得したオーダ情報に含まれる患者名および術式を実施入力画面260に表示する。
タブ264には、時間、スタッフ、器材、手技、加算、ガスの各タブが設けられている。このうち器材タブを押すことによって医療器材表示画面266が表示される。この状態では、図10(a)に示されるように、医療器材表示画面266には医療器材に関する情報は何も表示されない。医療器材表示画面266を表示後、医療器材に付された識別コードを識別コード読取部110によって読み取ることで医療器材の識別情報を入力すると、表示データ生成部122は、識別コードを読み取ることによって特定される医療器材の名称を医療器材表示画面266に表示するよう表示データを生成する。これによって、図10(b)に示されるように医療器材表示画面266に識別コードを読み取った医療器材の名称が表示される。医療器材表示画面266に表示された医療器材を選択後、数量変更ボタン268を押して数量を入力することにより、選択された医療器材の数量を変更することが可能となっている。また、医療器材表示画面266に表示された医療器材を選択後、削除ボタン270を押すことによって、その医療器材を医療器材表示画面266から削除することが可能となっている。
実施入力完了ボタン272が押されると、実施入力取得部120は、入力された医療器材を特定する情報、および入力された医療器材を使用した手術のオーダ情報を実施記録情報として取得する。取得された実施記録情報は送信部114によって医療器材管理サーバ12に送信される。医療器材管理サーバ12は受信した実施記録情報を実施記録データベース36に記録する。
図11は、識別コードが読み取られた医療器材に不具合が存在する場合の実施入力画面260を示す図である。識別コードが読み取られた医療器材に不具合が存在する場合、実施入力画面260に確認ウィンドウ274が表示される。確認ウィンドウ274には、「不具合品の可能性があります。確認を行ってください。」などのメッセージが表示される。確認ウィンドウ274は、確認ウィンドウ274内に設けられたOKボタン276を押すことによって閉じることができる。
具体的には、携帯端末20において、識別コード読取部110によって医療器材に付された識別コードが読み取られると、送信部114は、識別コードを読み取ることにより得られた医療器材の識別情報を医療器材管理サーバ12に送信する。医療器材管理サーバ12の抽出部42は、不具合情報データベース40に記録される不具合情報によって特定される医療器材の中に、受信した識別情報によって特定される医療器材が含まれるか否かを判定することによって、携帯端末20で識別コードを読み取った医療器材が不具合が存在するものとして登録されているか否かを判定する。携帯端末20で識別コードを読み取った医療器材が不具合が存在するものとして登録されている場合、医療器材管理サーバ12の送信部114は、医療器材の識別情報の送信元の携帯端末20に、その医療器材に不具合が存在する旨を示す情報を送信する。医療器材に不具合が存在する旨を示す情報を携帯端末20が受信すると、携帯端末20の表示データ生成部122は、確認ウィンドウ274を表示するよう表示データを生成する。こうして医療器材が不具合が存在するものとして登録されている場合、その医療器材の識別コードを読み取ると、確認ウィンドウ274が実施入力画面260に表示される。
図12は、準備品の中に不具合が存在するものとして登録された医療器材が含まれる場合のオーダ登録画面202を示す図である。医療器材管理システム10では、準備品リスト欄248に表示される医療器材の中に不具合が存在するものとして登録された医療器材がある場合には、その医療器材の情報をハイライト表示させる。図12の例では、準備品リストの上から2列目に表示された「BBB」が、不具合が存在するものとして登録されているためハイライト表示されている。
具体的には、術式入力欄234に術式が入力され、準備品情報の送信要求が医療器材管理サーバ12に送信された場合、医療器材管理サーバ12の抽出部42は、入力された術式に応じた準備品情報を抽出すると共に、抽出した準備品情報に含まれる医療器材が不具合が存在するものとして登録されているか検索する。具体的には、抽出部42は、送信する準備品情報によって特定される医療器材の中で、不具合情報データベース40に記録されている不具合情報によって特定される医療器材が含まれるか否かを判定する。準備品に不具合が存在する医療器材が含まれている場合、抽出部42は、送信する準備品情報に含まれる医療器材情報のうち、不具合が存在する医療器材を特定する医療器材情報にその旨を示すデータを付加する。表示データ生成部62は、不具合が存在する旨を示すデータが付された医療器材情報を、そのようなデータが付されていない医療器材情報と異なる態様で表示させるよう表示データを生成する。
また、ユーザは、一覧表示画面(図示せず)に表示されたオーダ情報の一覧のうち1つのオーダ情報を選択することなどによって、オーダ登録画面202に選択したオーダ情報を表示させることができる。このとき、準備品リスト欄248に表示される医療器材の中に不具合が存在するものとして登録された医療器材がある場合には、その医療器材の情報がハイライト表示される。
具体的には、オーダ情報取得部58は、オーダ登録画面202または一覧表示画面を表示させる場合に、表示させる準備品の送信要求を医療器材管理サーバ12に送信する。医療器材管理サーバ12の抽出部42は、送信を要求されたオーダ情報をオーダ情報データベース32に記録されたオーダ情報から抽出する。抽出されたオーダ情報は送信部44によって要求元の医師用PC14に送信される。
このとき、抽出部42は、送信するオーダ情報によって特定される医療行為において、使用予定の医療器材が不具合が存在するものとして登録されているか検索する。具体的には、抽出部42は、送信するオーダ情報によって準備品として特定される医療器材の中で、不具合情報データベース40に記録されている不具合情報によって特定される医療器材が含まれるか否かを判定する。使用予定の医療器材に不具合があるものが含まれている場合、抽出部42は、不具合が存在する医療器材を特定する医療器材情報にその旨を示すデータを付加する。
病棟PC18のオーダ情報取得部98は、医療器材管理サーバ12から受信したオーダ情報を取得する。表示データ生成部107は、取得したオーダ情報をオーダ登録画面202の各欄に表示するよう表示データを生成する。このとき取得したオーダ情報に含まれる医療器材情報を準備品リスト欄248に表示するよう表示データを生成する。
表示データ生成部107は、医療器材情報を準備品リスト欄248に表示するに際して、医療器材情報に不具合が存在することを示す情報が付加されているか否かを判定する。医療器材情報に不具合が存在することを示す情報が付加されている場合、表示データ生成部107は、その医療器材に不具合が存在するものとして、そのような情報が付加された医療器材情報を表示する箇所をハイライト表示させるよう表示データを生成する。このようにハイライト表示させることによって、不具合が存在する医療器材をユーザに報知させることができる。
なお、表示データ生成部107はハイライト表示させる代わりに、データが付加された医療器材情報の表示を、他の医療器材情報の表示と異なる色で表示するよう表示データを生成してもよい。また、医療器材管理サーバ12は、スピーカから音声によって不具合が存在する医療器材をユーザに報知してもよい。
なお、医師用PC14において、医師がオーダ登録画面202を表示させてオーダ情報を入力する際にも、準備品リスト欄248に表示される医療器材が不具合が存在するものとして登録されている場合、上述と同様の処理がなされる。
(第2の実施形態)
図13は、第2の実施形態に係る医療器材管理システム10において、準備品の中に不具合が存在するものとして登録された医療器材が含まれる場合のオーダ登録画面202を示す図である。第2の実施形態に係る医療器材管理システム10の構成は、第1の実施形態に係る医療器材管理システム10の構成と同様である。図13に示されるオーダ登録画面202も、準備品リスト欄248のチェックボックス欄256のチェックなどを看護師が行うため病棟PC18において表示されているものとする。
第2の実施形態においても、ユーザは一覧表示画面(図示せず)に表示されたオーダ情報の一覧のうち1つのオーダ情報を選択することなどによって、オーダ登録画面202に選択したオーダ情報を表示させることができる。このとき、準備品リスト欄248に表示される医療器材の中に、不具合が存在するものとして登録された医療器材がある場合には、その医療器材の情報をハイライト表示させると共に、その医療器材の情報が表示される周辺に警告ウィンドウ278を表示させる。
具体的には、まず医療器材の情報をハイライト表示させる方法は第1の実施形態と同様である。表示データ生成部107は、医療器材情報に不具合が存在することを示す情報が付加されている場合、表示データ生成部107は、その医療器材に不具合が存在するものとして、そのような情報が付加された医療器材情報を表示する箇所をハイライト表示させると共に、警告ウィンドウ278をその医療器材の情報が表示される周辺に警告ウィンドウ278を表示させるよう表示データを生成する。警告ウィンドウ278には、たとえば「注意!上記準備品は不具合対象品の可能性があります。準備時にロット番号を確認してください。また代替可能な器材は以下の通りです。」というような警告メッセージと、「代替可能器材:器材A、器材B、器材C」など、不具合が存在するものとして登録された医療器材に代わって使用することが可能な代替可能器材の名称が表示される。このように代替可能器材を表示させることによって、看護師は円滑に準備品としての医療器材を用意することができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
ある変形例では、不具合が存在するものとしてある医療器材が登録された場合、医療器材管理サーバ12は、在庫管理者用PC16へ通知する。具体的には、不具合情報データベース40に新たな不具合情報が記録された場合、医療器材管理サーバ12は、その不具合情報によって特定される医療器材の在庫状況を示す在庫情報と、不具合が存在するものとして登録された医療器材に代わって使用可能な代替品の情報である代替品情報とを在庫管理者用PC16に送信する。なお、医療器材管理サーバ12は、在庫情報と代替品情報と共に不具合情報も在庫管理者用PC16に送信してもよい。
在庫情報および代替品情報を受信した在庫管理者用PC16は、ディスプレイ64Bに在庫情報および代替品情報を表示させる。在庫管理者用PC16は、在庫情報を登録するプログラムを起動したときや、在庫情報を登録するプログラムの起動中においてこれらの情報を受信したとき、または所定の画面を表示したときや検索を実行したときなどに、受信した不具合情報および代替品情報を表示する。なお、医療器材管理サーバ12は、電子メールによって在庫管理者に在庫情報および代替品情報を送信してもよいことは勿論である。
以上の変形例では、ある医療器材が不具合が存在するものとして登録された場合に、その旨を迅速に在庫管理者に報知することができる。在庫管理者は受信した情報に基づいて不具合が存在する医療器材の発注を停止する、または代替品を新たに発注するなどの対応をとることができ、円滑な医療行為を補助することができる。
なお、在庫管理者用PC16は、不具合が存在する医療器材の在庫情報に含まれる医療器材の数量を参照し、在庫管理者用PC16のユーザに、その医療器材の別ロット品、または代替品の発注を行うかを確認する表示を行ってもよい。これによって不具合が存在する医療器材の発注の停止や代替品の新たな発注を在庫管理者に促すことができる。
また、別の変形例では、不具合が存在するものとしてある医療器材が登録された場合、医療器材管理サーバ12は、その医療器材が使用予定の手術などの医療行為を担当する看護師が携帯する携帯端末20、その医療行為を担当する看護師が使用する病棟PC18、またはその医療行為を担当する医師が使用する医師用PC14に通知する。
具体的には、不具合情報データベース40に新たな不具合情報が記録された場合、医療器材管理サーバ12の抽出部42は、その不具合情報によって特定される医療器材が、使用予定の医療器材としてその医療器材情報を含むオーダ情報を抽出する。そのようなオーダ情報がある場合、医療器材管理サーバ12は、そのオーダ情報に含まれる看護師または医師を特定し、その看護師が携帯する携帯端末20、その看護師が使用する病棟PC18、またはその医師が使用する医師用PC14を特定する。医療器材管理サーバ12は、特定した携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14に、不具合が存在するものとして新たに不具合情報データベース40に記録された不具合情報を送信する。
不具合情報を受診した携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14は、ディスプレイに受診した不具合情報を表示させる。携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14は、オーダ情報や実施記録情報を登録するプログラムを起動した時や、そのプログラムの起動中において不具合情報を受信したとき、または所定の画面を表示したときや検索を実行したときなどに、受信した不具合情報を表示する。なお、医療器材管理サーバ12は、電子メールによって、特定した看護師または医師に不具合情報を送信してもよいことは勿論である。
以上の変形例によれば、ある医療器材が不具合が存在するものとして登録された場合に、その医療器材を使用する予定の看護師や医師にその旨を報知することができる。これによって看護師や医師は、そのような医療器材を使用を中止したり、代替品を使用する予定に変更するなどの対応をとることができ、円滑な医療行為を実現することができる。
また、別の変形例では、不具合が存在するものとしてある医療器材が登録された場合、準備品リストマスタデータベース34に記録された準備品情報に含まれる医療器材情報の中から、不具合が存在するものとして登録された医療器材を特定する医療器材情報を削除する。このとき、その医療器材の代替品の医療器材情報を削除した医療器材情報に代わって準備品情報に含ませる。
この場合、まず携帯端末20または病棟PC18に準備品リストマスタデータベース34に記録された準備品情報を更新してもよいか否かを通知し、更新してもよい旨を示す情報が返信された場合に上記処理を実施してもよい。これによって、オーダ登録画面202の準備品リスト欄248に表示される準備品の中に不具合が存在する医療器材が表示されることを抑制することができる。
また、別の変形例では、不具合が存在するものとしてある医療器材が登録された場合、医療器材管理サーバ12は、その医療器材が使用された手術などの医療器材を担当した看護師が携帯する携帯端末20、その医療行為を担当した看護師が使用する病棟PC18、またはその医療行為を担当した医師が使用する医師用PC14に通知する。
具体的には、不具合情報データベース40に新たな不具合情報が記録された場合、医療器材管理サーバ12の抽出部42は、その不具合情報によって特定される医療器材が、使用された医療器材としてsの医療器材情報を含む実施記録情報を抽出する。そのような実施記録情報がある場合、医療器材管理サーバ12は、実施記録情報に含まれる看護師または医師を特定し、その看護師が携帯する携帯端末20、その看護師が使用する病棟PC18、またはその医師が使用する医師用PC14を特定する。医療器材管理サーバ12は、特定した携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14に、不具合が存在するものとして新たに不具合情報データベース40に記録された不具合情報を送信する。
なお、実施記録情報に含められた使用済みの医療器材を示す医療器材情報には、その医療器材に不具合が見つかったときに使用を中止したり代替品に交換したりする必要性を示す警告レベルが付されていてもよい。医療器材管理サーバ12は、不具合が存在するものとしてある医療器材が登録された場合、たとえばその医療器材の警告レベルが所定の値以上の場合など、医療器材情報に付された警告レベルに応じて特定した携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14に不具合情報を送信してもよい。これによって使用中止や交換の必要性が高い医療器材に不具合が見つかった場合に、その医療器材を使用した看護師や医師に効果的にその旨を報知することができる。
不具合情報を受診した携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14は、ディスプレイに受診した不具合情報を表示させる。携帯端末20、病棟PC18、または医師用PC14が受信した不具合情報を表示するタイミングは前述の変形例と同様である。なおこの変形例においてもね医療器材管理サーバ12は電子メールによって、特定した看護師または医師に不具合情報を送信してもよいことは勿論である。
以上の変形例によれば、ある医療器材が不具合が存在するものとして登録された場合に、その医療器材を使用した看護師や医師にその旨を報知することができる。これによって看護師や医師は、そのような医療器材が患者に現在も装着されている場合にその医療器材を別ロット品や代替品に交換するなどの対応をとることができる。
また、別の変形例では、不具合器材登録部104により、不具合が存在する医療器材が不具合情報データベース40に登録されたタイミングで、医療器材管理サーバ12の抽出部42は、オーダ情報データベース32、在庫データベース38、および実施記録データベース36の少なくとも2つ以上から、不具合が存在する医療器材を特定する情報を含む情報、たとえばオーダ情報、在庫情報、および実施記録情報のいずれかの情報を抽出する。送信部44は、抽出された情報を病棟PC18、在庫管理者用PC16、および病棟PC18のいずれかに送信する。このとき送信部44は、オーダ情報に不具合器材を特定する情報が含まれる場合に、医師用PC14にその不具合器材を特定する情報を送信し、在庫情報に不具合器材を特定する情報が含まれる場合に、在庫管理者用PC16にその不具合器材を特定する情報を送信し、実施記録情報に不具合器材を特定する情報が含まれる場合に、病棟PC18にその不具合器材を特定する情報を送信してもよい。病棟PC18、在庫管理者用PC16、および医師用PC14のいずれかの表示データ生成部は、受信した不具合器材に関する情報を表示するための表示データを生成することによりディスプレイに不具合器材に関する情報を表示する。
これにより、医療機関内で不具合器材の所在を一括して確認することができる。また、抽出された不具合器材に関する情報を、通信回線を介して、例えば医療器材提供業者が管理するサーバなど医療機関外の情報管理サーバへ送信してもよい。これにより、医療機関外の情報管理サーバは医療器材を提供している医療機関内のどこに不具合対象器材が存在しているのかを確認することができる。
10 医療器材管理システム、 12 医療器材管理サーバ、 14 医師用PC、 16 在庫管理者用PC、 18 病棟PC、 20 携帯端末、 32 オーダ情報データベース、 34 準備品リストマスタデータベース、 36 実施記録データベース、 38 在庫データベース、 40 不具合情報データベース、 42 抽出部、 58 オーダ情報取得部、 60 準備品情報取得部、 78 在庫情報取得部、 102 在庫情報取得部、 104 不具合器材登録部、 106 不具合情報取得部、 120 実施入力取得部、 161 不具合品ウィンドウ、 180 トレーサビリティウィンドウ、 202 オーダ登録画面、 248 準備品リスト欄、 260 実施入力画面