JP4906754B2 - スプリンクラヘッド - Google Patents
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Description
そして、火災時の熱によってリンク機構の感熱体を構成する低融点合金が溶けることによりリンク機構が分解し、これに支持されている弁体が落下して放水口から放水が行われ、火災を消火するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
例えば、スプリンクラヘッドのフレームから突出しているリンク機構の下部に棒などが当たるなどして何らかの外力が加わった場合、その衝撃により弁体が動くなどして放水口の周囲にある弁座からずれて水漏れを起こすおそれがある。
図1は本発明の実施の形態1に係るスプリンクラヘッドの縦断面図である。
図において、1は断面円形のヘッド本体で、外周におねじが設けられた第1のねじ部2と、その下端部にこれと一体に設けられた例えば六角形状のつば部3と、つば部3の下部にこれと一体に設けられ、外周におねじが設けられた第2のねじ部4とからなり、中心部には軸方向に貫通する放水口5が設けられている。そして、放水口5の下部は拡径されて後述の弁体が収容される凹部6が形成されており、放水口5と凹部6との間には弁座7が設けられている。
35はほぼコ字状のバランサ(図の垂直方向の両側に短い脚部が設けられている)で、中心部には弁体20の突起部23が当接する凹部が設けられている。
アーム支持板44は中心部に貫通穴45が設けられ、両側にアーム41a,41bの第2の係止穴43に係止する係止片を備えている。
47は有底円筒状のシリンダで、上端部外周にはフランジが設けられており、底部の下面にはねじ部48が突設されている。そして、フランジが当接するまでアーム支持板44の貫通穴に挿入され、その位置でアーム支持板44に支持されている。
52はアーム支持板44やシリンダ47などの外周を覆う椀状の感熱板兼保護カバー(以下、保護カバーという)、54は感熱板で、両者は一体化されて感熱板54のめねじ55をシリンダ47のねじ部48に螺合することによりシリンダ47に取付けられる。このように、感熱板54はリンク機構40の下部に設けられている。
先ず、ヘッド本体1を第1のねじ部2を下にして直立させ、アームガイド30に固定された弁体20の弁本体21を放水口5内に挿入し、フランジ部22を弁座7に当接させる。ついで、アームガイド30のガイド片33a,33bの間にバランサ35を挿入し、その凹部を弁体20の突起部23に当接させる。
最後に、ヘッド本体1の第1のねじ部2を上にして保持し、フレーム10の底部13と保護カバー52との間、保護カバー52内及び保護カバー52と感熱板54との間に、液化した樹脂60を充填する。樹脂60が固化すれば組立が完了する。フレーム10の外部に樹脂60を充填する場合は、必要に応じて、感熱板54やリンク機構40を型枠の中に入れ、その型枠内に樹脂を注入するようにしてもよい。なお、上記の説明は組立手順の一例を示すもので、これに限定するものではない。
火災が発生してその熱及び周辺からの熱気流によりスプリンクラヘッドが加熱されて、その温度が40℃〜50℃に達すると、フレーム10内の上端部から感熱板54に至る全領域に充填され固化している樹脂が液化し、散水口14やフレーム10の底部13に設けた開口部15、フレーム10と保護カバー52の間や保護カバー52と感熱板54の間から外部に流出する。なお、保護カバー52は椀状に形成されて液化した樹脂が流出しにくいので、底部に複数の開口部53を設けておくことが望ましい。
これにより、保護カバー52を含むリンク機構40及びバランサ35は、フレーム10の底部13に設けた開口部15から外部に落下する。
また、リンク機構40を構成する一対のアーム41a,41bは、フレーム10内を移動できる隙間(空間)がないため、感熱板54などに強い衝撃が加えられても動きが規制されて、位置ずれを生ずることがない。
また、樹脂60を充填したことにより、シリンダ47内に設けた可溶合金49が外気と接触することがないので、可溶合金49の耐腐食性を向上することができる。
このように、本実施の形態によれば、水漏れや誤動作を防止することができる耐衝撃性に優れた信頼性の高いスプリンクラヘッドを得ることができる。
実施の形態1においては、フレーム10から感熱板54に至る全領域に樹脂60を充填した場合を示したが、本実施の形態を含む以下に説明する各実施の形態は、フレーム10内の上端部から感熱板54に至る領域の一部に樹脂60を充填したものである。
本実施の形態は、フレーム10内だけに樹脂60を充填したもので、本実施の形態によれば、弁体20の周囲及びリンク機構40を構成する一対のアーム41a,41bの周囲に樹脂60が充填されているので、弁体20がずれたりアーム41a,41bが移動したりする隙間がないため、スプリンクラヘッドに衝撃が加えられても弁体20が弁座7からずれて水漏れを生じたり、アーム41a,41bがずれたりすることがない。
図2は本発明の実施の形態3に係るスプリンクラヘッドの縦断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、弁体20の周囲だけに樹脂60を充填したものである。
本実施の形態は、リンク機構40の周囲だけに樹脂55を充填したものである。
本実施の形態によれば一対のアーム41a,41bやアーム支持板44の周囲には樹脂55が充填されてすき間が存在しないので、スプリンクラヘッドに衝撃が加えられてもアーム41a,41b等にずれを生ずることがなく、ヘッドの誤動作を防止できる。また、アーム41a,41bの位置ずれに起因する弁体20のずれも防止できるので、衝撃による水漏れを防止できる。
図3は本発明の実施の形態5に係るスプリンクラヘッドの縦断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、フレーム10から下方に突出した部分、すなわち、フレーム10の下面、保護カバー52内及び保護カバー52と感熱板54との間に、樹脂60を充填したものである。これは、この部分がフレーム10の下端部より突出して、一番外力を受け易いからである。
また、樹脂としては、粘性が低く、液化した際、スプリンクラヘッドのフレームから流出しやすいものを使用することが好ましく、例えば、スプリンクラヘッドの感熱体が溶融する前に、その樹脂を流出させれば、リンク機構の分解動作やヘッドの放水時にあたって、その樹脂が分解動作や放水動作の妨げる要因となることはない。
また、樹脂としては、その硬さが硬いほど、構成部品の位置ずれを防止でき、柔らかい場合では、衝撃によってつぶれるので衝撃を吸収しやすくなる。
フレーム内へ樹脂を充填する場合、隙間なく樹脂を充填させた場合で説明したが、樹脂内に空気の塊を所々に設けるようにして樹脂を充填させてもよい。この場合は、フレーム内への樹脂の充填量が減るので、結果として、樹脂の溶融時に、フレームから樹脂が抜けやすくなる。
Claims (5)
- 放水口を有するヘッド本体と、該ヘッド本体の下部に接続されたフレームと、前記放水口を閉塞する弁体と、感熱体を有し前記弁体を支持するリンク機構と、該リンク機構の下部に設けられた感熱板とを備えたスプリンクラヘッドにおいて、
前記フレーム内から感熱板に至る全領域又はその一部に、前記感熱体より低い温度で固体から液化する樹脂を充填したことを特徴とするスプリンクラヘッド。 - 前記樹脂を、前記フレーム内だけに充填したことを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
- 前記樹脂を、前記フレーム内の前記弁体の周囲だけに充填したことを特徴とする請求項2記載のスプリンクラヘッド。
- 前記樹脂を、前記リンク機構の周囲だけに充填したことを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
- 前記樹脂を、前記フレーム内の底部から突出した部分だけに充填したことを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
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