JP4905409B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents

車両走行制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4905409B2
JP4905409B2 JP2008113121A JP2008113121A JP4905409B2 JP 4905409 B2 JP4905409 B2 JP 4905409B2 JP 2008113121 A JP2008113121 A JP 2008113121A JP 2008113121 A JP2008113121 A JP 2008113121A JP 4905409 B2 JP4905409 B2 JP 4905409B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
control
egr
vehicle
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008113121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009264202A (ja
Inventor
茂樹 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008113121A priority Critical patent/JP4905409B2/ja
Publication of JP2009264202A publication Critical patent/JP2009264202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4905409B2 publication Critical patent/JP4905409B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、車両走行制御装置に関し、特に、内燃機関の吸気通路における吸気通路を流れる吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分と排気通路とを連通し、排気通路を流れる排気ガスを吸気通路に還流させるEGR通路と、EGR通路を流れる排気ガスの流量を制御するEGR弁とを有する排気ガス還流装置を備える車両を制御する車両走行制御装置に関する。
内燃機関の排気通路を流れる排気ガスを吸気通路に還流させるEGR通路と、EGR通路を流れる排気ガスの流量を制御するEGR弁とを備える排気ガス還流装置が知られている。EGR通路は、吸気通路における吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分に排気ガスを還流させる。
車両に排気ガス還流装置が設けられる場合、内燃機関に吸入される吸気におけるEGR通路を介して還流された排気ガスの割合であるEGR率の目標値に基づいて、EGR弁の開度制御がなされる。この場合に、EGR率が目標値から乖離した場合には、運転性が低下してしまうことがある。例えば、アクセルペダルが閉じられるなど、出力低下要求がなされて、吸気制御弁の開度を低下させる場合に、EGR率が目標値から乖離する可能性がある。吸気制御弁の開度を低下させた場合に、吸気制御弁よりも下流側の吸気通路の圧力が低下し、吸気通路に還流される排気ガスの量が所望よりも多くなることで、EGR率が目標値に対して過剰となる場合がある。その結果、燃焼速度が低下するなどの燃焼の悪化が生じる可能性がある。
特許文献1には、減速時の過渡的なEGR率の過剰を抑制する内燃機関の制御装置が開示されている。
特開2004−100464号公報
ここで、EGR率の過剰による燃焼の悪化を抑制できるだけでなく、運転者の意図に沿った車両の駆動力を実現できることが望ましい。すなわち、EGR率の過剰による燃焼の悪化を抑制する制御がなされる場合に、燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、実際の駆動力が運転者の要求する駆動力から乖離することを抑制できることが望ましい。
本発明の目的は、内燃機関の吸気通路における吸気通路を流れる吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分と排気通路とを連通し、排気通路を流れる排気ガスを吸気通路に還流させるEGR通路と、EGR通路を流れる排気ガスの流量を制御するEGR弁とを有する排気ガス還流装置を備える車両において、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、車両の駆動力が運転者の要求する駆動力から乖離することを抑制できる車両走行制御装置を提供することである。
本発明の車両走行制御装置は、内燃機関の吸気通路における前記吸気通路を流れる吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分と前記内燃機関の排気通路とを連通し、前記排気通路を流れる排気ガスを前記吸気通路に還流させるEGR通路と、前記EGR通路を流れる前記排気ガスの流量を制御するEGR弁とを有する排気ガス還流装置を備える車両を制御する車両走行制御装置であって、前記内燃機関の運転条件に基づいて前記吸気制御弁の開度の指令値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記開度の指令値が減少する場合に、前記内燃機関に吸入される前記吸気における前記EGR通路を介して還流された前記排気ガスの割合であるEGR率が予め定められた所定値を上回るか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記EGR率が前記所定値を上回ると判定された場合に、前記算出手段により算出された前記開度の指令値に代えて、前記EGR率が前記所定値を上回ることを抑制する値に前記開度の指令値を設定する開度設定制御、あるいは、前記内燃機関への燃料の供給を停止するフューエルカット制御のいずれの制御を実行するかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記制御を実行する実行手段とを備え、前記選択手段は、前記運転条件に基づいて算出される運転者の要求駆動力と、前記開度設定制御を実行した場合の前記車両の駆動力の予測値との関係、および、前記要求駆動力と、前記フューエルカット制御を実行した場合の前記駆動力の予測値との関係に基づいて、前記選択を行うことを特徴とする。
本発明の車両走行制御装置において、更に、前記開度設定制御、あるいは、前記フューエルカット制御を実行した場合の前記駆動力を前記要求駆動力に近づける駆動力制御手段を備えることを特徴とする。
本発明の車両走行制御装置において、前記車両は、前記内燃機関に加えて電動機を駆動源として備えるハイブリッド車両であって、前記駆動力制御手段は、前記電動機の力行あるいは回生により、前記駆動力を前記要求駆動力に近づけることを特徴とする。
本発明の車両走行制御装置において、前記選択手段は、更に、前記力行において前記電動機に電力を供給し、前記回生において前記電動機で発電される電力を充電する蓄電部の充電状態に基づいて、前記選択を行うことを特徴とする。
本発明の車両走行制御装置において、前記選択手段は、更に、前記駆動力制御手段により、前記駆動力を前記要求駆動力に近づけた場合の前記車両の燃費に基づいて、前記選択を行うことを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の吸気通路における吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分と排気通路とを連通し、排気通路を流れる排気ガスを吸気通路に還流させるEGR通路と、EGR通路を流れる排気ガスの流量を制御するEGR弁とを有する排気ガス還流装置を備える車両において、吸気量におけるEGR通路を介して還流された排気ガスの割合であるEGR率が予め定められた所定値を上回ると判定された場合には、EGR率が上記所定値を上回ることを抑制する値に吸気制御弁の開度の指令値を設定する開度設定制御、あるいは、内燃機関への燃料の供給を停止するフューエルカット制御が実行される。開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれの制御を実行するかは、要求駆動力と、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御を実行した場合のそれぞれの駆動力の予測値との関係に基づいて決定される。これにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、車両の駆動力が運転者の要求する駆動力から乖離することを抑制できる。
以下、本発明の車両走行制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図7を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、内燃機関の吸気通路における吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分と排気通路とを連通し、排気通路を流れる排気ガスを吸気通路に還流させるEGR通路と、EGR通路を流れる排気ガスの流量を制御するEGR弁とを有する排気ガス還流装置を備える車両を制御する車両走行制御装置に関する。
図2は、エンジンの概略構成を示す模式図、図3は、ハイブリッド車両の概略構成を示す模式図である。なお、図3中には、動力の流れを実線の矢印で示し、電力の流れを破線の矢印で示してある。また、図4は、動力分割機構を示す断面図、図5は、動力分割機構の遊星歯車を示す断面図である。
先ず、ハイブリッド車両の概略構成について図3〜図5に基づいて説明する。図3に示すように、ハイブリッド車両10には、走行駆動源としてのエンジン11とモータ(電動機)17aとが設けられている。
このエンジン11で発生する駆動力は、動力分割機構15により二分され、その出力軸の一方はモータ17aと駆動輪13に接続され、他方は発電機(電動機)17bに接続されている。エンジン11とモータ17aの駆動力は、自動変速可能な変速機12とドライブシャフト14を介して駆動輪13に伝達される。変速機12は、走行状態に応じてギヤ段の変速操作をアクチュエータで電気的に自動制御するものである。
また、駆動系歯車装置(ギヤトレーン)を一体化したモータ17aおよび発電機17bは、インバータ19を介し、充放電可能な二次電池であるバッテリ(蓄電部)20と接続されている。すなわち、モータ17aは、バッテリ20からの電力供給を受けてドライブシャフト14を駆動するための動力を発生する。また、モータ17aは単独でもハイブリッド車両10の走行駆動源となるが、変速時や加速時にエンジン11のトルクが不足する場合には、これをアシストすることができる。
発電機17bは、エンジン11あるいはドライブシャフト14から伝達される駆動力を電力に変換しバッテリ20を充電する。また、発電機17bは、エンジン11のスタータとしての機能を有している。
モータ17aによる力行運転がなされるか、発電機17bによる回生運転がなされるかは、バッテリ20の充電状態量SOC(State of Charge)を勘案して決定される。このバッテリ充電状態量SOCは、所定のバッテリ状態モニタコンピュータで演算されるようになっている。
つぎに、エンジン11の概略構成と排気浄化装置について図2に基づいて説明する。図2に示すように、エンジン11は、筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁11bや、吸排気弁の開閉動作タイミングを可変制御する可変バルブタイミング機構(図示せず)等を備える。
すなわち、エンジン11は、上記変速機12(図3参照)から指令される要求エンジントルクを出力するために、その燃料噴射量や吸入空気量等が制御されるように構成されている。エンジン11の要求燃料噴射量は、たとえば、エンジンの回転数(回転速度)およびアクセル開度からマップ等に基づいて決定され、後述するECU100により、筒内燃料噴射弁11bに燃料噴射量の指令値が出力される。
また、エンジン11の吸気通路21には、エアクリーナ22と、吸入空気量を検出するエアフロメータ23と、吸入空気量を調節するスロットル弁(吸気制御弁)24とを備えている。また、エンジン11は、排気圧力を利用してタービン部26bを回転させることで同軸のコンプレッサ部26aを駆動し吸気量を増大させることによりエンジントルクをアシストするターボ過給機26を備えている。このターボ過給機26と吸気マニホルド21aとの間の吸気通路21には、過給されて昇温した吸気を冷却するインタークーラ28が設けられている。また、エンジン11の排気通路30には、排気通路30を流れる排気ガスを浄化する触媒33が設けられている。
エンジン11は、排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス還流装置(以下、EGR装置と称する)35を備えている。このEGR装置35のEGR通路36には、排気マニホルド30a側から吸気マニホルド21a側に向けて順にEGR触媒39、EGRクーラ37、EGR弁38が設けられている。
EGR触媒39は、EGR通路36を流れる排気ガスに含まれる未燃燃料成分やPM(粒子状物質)等を浄化するものである。EGR触媒39により排気ガスが浄化されることにより、EGR弁38や吸気系に未燃燃料成分やPM等が付着してデポジットが生成されることを抑制することができる。
EGRクーラ37は、EGR通路36を流れる排気ガスを冷却するものである。EGRクーラ37により排気ガスが冷却されることにより、エンジン11における燃焼温度を低下させることができる。
EGR弁38は、EGR通路36を流れる排気ガスの流量を制御するものである。EGR弁38は、任意の開度に制御されることができると共に、閉じることによりEGR通路36を遮断することが可能である。
これらのEGR触媒39、EGRクーラ37およびEGR弁38を経たEGRガスは、ターボチャージャ26のコンプレッサ部26aにより圧縮されインタークーラ28を経た新気とともに、吸気マニホルド21aから燃焼室へと供給されるようになっている。
動力分割機構15は、図4および図5に示すように、遊星歯車からなっている。歯車機構内部のプラネタリーキャリア15aの回転軸は、エンジン11と連結し、ピニオンギヤ15bを通じて外周のリングギヤ15cおよび内側のサンギヤ15dに駆動力を伝達するように構成されている。
リングギヤ15cの回転軸は、モータ17aに直結しており、変速機12とドライブシャフト14を介して駆動力を駆動輪13に伝達するようになっている(図3参照)。また、サンギヤ15dの回転軸は、発電機17bに連結されている。
以上のように構成されたハイブリッド車両10は、図2に示すように、電子制御ユニット(車両走行制御装置、以下、ECUと称する)100によって制御され、種々の状態で走行することができる。ECU100は、図示しない車速センサやアクセル開度センサ等、各種センサからの出力情報に基づいてハイブリッド車両10を制御する。スロットル弁24およびEGR弁38は、ECU100に接続されており、それぞれECU100により制御される。本実施形態のECU100は、スロットル弁24の開度の指令値を算出する算出手段、後述するEGR率が予め定められた所定値を上回るか否かを判定する判定手段、後述する開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれの制御を実行するかを選択する選択手段、および、選択された制御を実行する実行手段としての機能を有する。
先ず、停車状態では、エンジン11、モータ17aおよび発電機17bは、すべて止まっている。そして、この停車状態から発進する時は、エンジン11の駆動力は使われず、モータ17aの駆動力のみが使われる。
つぎに、発進後にエンジン11を始動させる時には、エンジンスタータとしての機能を持つ発電機17bが回り、サンギヤ15dが回ることによってエンジン11が始動する。エンジン11が始動すると、発電機17bは発電を開始し、発電した電力はバッテリ20の充電およびモータ17aに供給され、走行に利用される。
また、定常走行時には、主にエンジン11の出力で走行する。この場合、効率を高めるために発電機17bによる発電量は最小限としている。また、定常走行から加速を行う場合には、エンジン11の回転数を上げるとともに、発電機17bにより発電する。その発電電力とバッテリ20の電力とを使ってモータ17aの駆動力を加え、エンジン11の加速をアシストする。
バッテリ充電状態量SOCが予め定められた基準値以下に低下している場合には、エンジン11がドライブシャフト14の要求出力以上の出力で運転され、その余剰動力の一部は発電機17bによって電力として回生され、バッテリ20の充電に利用される。そして、エンジン11の出力トルクが不足する場合には、バッテリ充電状態量SOCに応じて、モータ17aによって不足分のトルクがアシストされ、必要トルクが確保される。
本実施形態では、ECU100は、エンジン11の運転条件に基づいて、スロットル弁24およびEGR弁38を制御する。ECU100は、エンジン11の運転条件に基づいて、エンジン11に供給する吸気量、および、吸気量におけるEGR通路36を介して還流された排気ガスの割合であるEGR率の目標値をそれぞれ算出する。ECU100は、吸気量およびEGR率の目標値に基づいて、スロットル弁24およびEGR弁38の開度の指令値をそれぞれ算出する。
ここで、以下に図6を参照して説明するように、出力低下要求がなされてスロットル弁24の開度(以下、単に「スロットル開度」と記す)の指令値が減少する場合に、EGR率が目標値に対して過剰となり、エンジン11において燃焼速度が低下するなどの燃焼の悪化が生じる可能性がある。
図6は、従来の制御、および、本実施形態において後述するEGR率が所定値を上回ることを抑制する値にスロットル開度の指令値を設定する開度設定制御を実行した場合におけるそれぞれの値の推移を示すタイムチャートである。
図6において、(a)はアクセル開度(符号200)、(b)はスロットル開度、(c)は吸気マニホルド21aのサージタンクの圧力であるサージタンク圧、(d)はEGR弁38の開度(符号206)、(e)はEGR通路36を介して吸気マニホルド21aに還流される排気ガスの量(以下、単に「EGRガス量」と記す)、(f)はEGR率をそれぞれ示す。
符号201,203,207,209は、いずれも従来の制御におけるスロットル開度、サージタンク圧、EGRガス量、およびEGR率をそれぞれ示す。符号200aに示すようにアクセルペダルが閉じられた場合、すなわち、運転者の要求する駆動力が減少した場合、エンジン11に要求される出力が減少する。この場合、ECU100は、エンジン11に供給する吸気量を減少させるために、スロットル開度の指令値およびEGR弁38の開度の指令値をそれぞれ小さな値に変更する。これにより、符号201aで示すようにスロットル開度201が減少すると共に、符号206aで示すようにEGR弁38の開度206が減少する。
ここで、EGR弁38の開度206は減少するものの、EGRガス量207が所望の値まで減少しないことがある。これは、EGRガス量207は、EGR弁38の開度206およびEGR弁38の前後差圧で決まるためである。EGR弁38の開度206は減少するものの、スロットル開度201が減少する(スロットル弁24が閉じる)ことにより、サージタンク圧203が低下し、EGR弁38の前後の差圧が増加する。このため、EGRガス量207が所望の値まで低下しない状態となる。その結果、符号209aに示すように、従来の制御では、EGR率209が過剰となる状態が生じていた。
本実施形態では、アクセルペダルが閉じられる減速時等においてスロットル開度の指令値が減少する場合に、EGR率が予め定められた所定値を上回るか否かが判定される。EGR率が上記所定値を上回ると判定された場合には、EGR率が上記所定値を上回ることを抑制する値にスロットル開度の指令値を設定する開度設定制御、あるいは、エンジン11への燃料の供給を停止するフューエルカット制御のいずれかの制御が選択的に実行される。
開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれの制御を実行するかは、それぞれの制御を実行した場合の車両の駆動力の予測値と、エンジン11の運転条件(アクセル開度等)から求められる運転者の要求駆動力との差分に基づいて決定される。上記差分が小さな値となる方の制御を実行することにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、駆動力が要求駆動力から乖離することを抑制することができる。
ここで、開度設定制御の内容について説明する。開度設定制御とは、EGR率が予め定められた所定値を上回ると予測される場合に、EGR率が上記所定値を上回ることを抑制する値にスロットル開度の指令値を設定する制御である。すなわち、スロットル開度の指令値は、アクセル開度等の運転条件に基づいて算出された値に代えて、EGR率が上記所定値を上回ることを抑制する値に変更される。言い換えると、EGR率が上記所定値を上回る値にスロットル開度の指令値を設定することが禁止される。この場合、スロットル開度の指令値は、運転条件に基づいて算出された値と比較して、開き側の値に設定(制限)される。
図6において、符号202は、本実施形態において開度設定制御がなされた場合のスロットル弁24の開度を示す。スロットル弁24を閉じ過ぎないようにすることで、従来の制御におけるサージタンク圧203と比較して、開度設定制御がなされた場合のサージタンク圧204の低下が抑制される。これにより、開度設定制御がなされた場合のEGRガス量208は、従来の制御におけるEGRガス量207と比較して、少量となる。その結果、開度設定制御がなされた場合のEGR率210は、従来の制御におけるEGR率209よりも低下し、EGR率210が過剰となることが抑制される。
一方、フューエルカット制御を実行した場合には、エンジン11において燃焼が行われなくなることにより、燃焼の悪化を未然に抑制することができる。過渡的にEGR率が過剰となるような場合であっても、燃焼自体が行われなくなるため、燃焼の悪化が生じることを未然に抑制できる。
本実施形態では、以下に図7を参照して説明するように、開度設定制御を実行した場合の駆動力と運転者の要求駆動力との差分、および、フューエルカット制御を実行した場合の駆動力と要求駆動力との差分に基づいて、開度設定制御、あるいはフューエルカット制御のいずれを実行するかが判定される。
図7は、本実施形態において、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれを実行するかを決定する方法について説明するための図である。
図7において、縦軸は出力トルク、横軸は時間をそれぞれ示す。符号300は、運転条件に基づいて算出される運転者の要求する出力トルク(以下、「要求トルク」とも記す)を示す。従来の制御において、アクセルペダルが閉じられる(戻される)などの出力低下要求がなされた場合に、本実施形態の開度設定制御、および、フューエルカット制御のいずれも実行しなかった場合には、符号300に示す運転者の要求する出力トルクに基づいて車両が制御される。符号301は、開度設定制御がなされた場合の出力トルク(の予測値)を示す。符号302は、フューエルカット制御がなされた場合の出力トルク(の予測値)を示す。
開度設定制御がなされる場合には、スロットル弁24が運転者の要求するトルクTRQ1を実現する開度よりも開き気味に制御されることとなる。このため、開度設定制御がなされた場合の出力トルク301は、運転者の要求する出力トルク300と比較して大きな値となる。本実施形態の開度設定制御では、出力トルクが後述するEGR率判定閾値(符号T1参照)となる値にスロットル開度が設定される。一方、フューエルカット制御がなされる場合には、エンジン11の燃焼が行われなくなることで、出力トルク302は、運転者の要求する出力トルク300と比較して小さな値となる。
図7において、符号T1は、EGR率が予め定められた所定値を上回るか否かを判定するための閾値(以下、「EGR率判定閾値」と記す)を示す。EGR率判定閾値T1は、時刻t0においてアクセルペダルの戻し操作がなされる前の運転者の要求トルクTRQ0と、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1との差分ΔTRQに基づいて算出される。アクセルペダルの戻し操作がなされる前の要求トルクTRQ0に対して、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が一定以上に低下した場合(アクセルペダル戻し操作の前後の要求トルクの差分ΔTRQが上限値を超えた場合)には、EGR率が上記所定値を上回ると判定される。アクセルペダル戻し操作の前後の要求トルクの差分ΔTRQの上限値(許容範囲の上限値)は、予め実験の結果等に基づいて設定される。EGR率判定閾値T1は、アクセルペダルの戻し操作がなされる前の要求トルクTRQ0から、アクセルペダル戻し操作の前後の要求トルクの差分ΔTRQの上限値を減じた値である。
アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、EGR率判定閾値T1よりも小さな値である場合には、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制するために、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれかが実行される。
図7において、符号T3は、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれの制御を実行するかを判定するための要求トルクの閾値(以下、「制御選択閾値」と記す)を示す。制御選択閾値T3は、EGR率判定閾値(開度設定制御がなされた場合の出力トルク)T1と、フューエルカット制御がなされた場合の出力トルクT2とに基づいて設定される。制御選択閾値T3は、例えば、EGR率判定閾値T1と、フューエルカット制御がなされた場合の出力トルクT2との概ね中間の値に設定される。
アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、制御選択閾値T3よりも大きな値である場合には、開度設定制御を実行すると判定される。すなわち、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、フューエルカット制御がなされた場合の出力トルクT2よりも、EGR率判定閾値(開度設定制御がなされた場合の出力トルク)T1に近い値である場合には、開度設定制御が選択される。
一方、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、制御選択閾値T3よりも小さな値である場合には、フューエルカット制御を実行すると判定される。すなわち、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、EGR率判定閾値(開度設定制御がなされた場合の出力トルク)T1よりも、フューエルカット制御がなされた場合の出力トルクT2に近い値である場合には、フューエルカット制御が選択される。
これにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制するために、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御が実行される場合に、実際のトルクが運転者の要求するトルクTRQ1から乖離することを抑制できる。
図1は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。図1に示すフローチャートは、アクセルペダルの戻し操作がなされた場合など、運転者の要求トルクが減少した場合に実行される。
まず、ステップS10では、ECU100により、EGR率が過剰となるか否かが判定される。ECU100は、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1(図7参照)に基づいて、ステップS10の判定を行う。アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、EGR率判定閾値T1よりも小さな値である場合には、ステップS10において肯定判定がなされる。ステップS10の判定の結果、EGR率が過剰となると判定された場合(ステップS10−Y)には、ステップS20に進み、そうでない場合(ステップS10−N)には、本制御フローはリターンされる。
ステップS20では、ECU100により、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、制御選択閾値T3よりも大きな値であるか否かが判定される。ステップS20では、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれの制御を実行するかが判定される。ステップS20の判定の結果、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1が、制御選択閾値T3よりも大きな値であると判定された場合(ステップS20−Y)には、ステップS30に進み、そうでない場合(ステップS20−N)には、ステップS40に進む。
ステップS30では、ECU100により、開度設定制御が実行される。ECU100は、EGR率が予め定められた所定値を上回ることを抑制する値にスロットル弁24の開度を設定する。ここで、EGR率が上記所定値を上回ることを抑制する値とは、例えば、EGR率判定閾値T1(図7参照)よりも大きな出力トルクに対応するスロットル開度である。上述したように、本実施形態では、開度設定制御において、EGR率判定閾値T1に対応するスロットル開度を実現するようにスロットル弁24が制御される。これにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、開度設定制御がなされる場合の駆動力が要求駆動力TRQ1から乖離することを可能な限り抑制することができる。ステップS30が実行されると、本制御フローはリターンされる。
ステップS40では、ECU100により、フューエルカット制御が実行される。ECU100は、エンジン11の筒内燃料噴射弁11bによる燃料の噴射を停止させる。これにより、エンジン11において燃焼が行われなくなるため、スロットル弁24が閉じられて過渡的にEGR率が過剰となったとしても、燃焼の悪化が生じることを未然に抑制できる。ステップS40が実行されると、本制御フローはリターンされる。
本実施形態によれば、アクセルペダルが閉じられるなど、出力低下要求がなされた場合に、EGR率が過剰となると判定された場合には、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御が実行されることにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化が抑制される。EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制することにより、振動の発生や未燃ガスによるエミッションの悪化を抑制することができる。さらに、本実施形態では、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のうち、出力トルクが要求トルクに近くなる、すなわち、実際の駆動力が運転者の要求駆動力に近くなると予測される制御が実行される。これにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、駆動力が要求駆動力から乖離することを抑制できる。
本実施形態によれば、例えばスロットル弁24の応答速度と比較してEGR弁38の応答速度が遅く、出力低下要求がなされた場合にEGR率が上昇しやすい車両であっても、EGR率が過剰となることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、EGR率判定閾値T1が、アクセルペダル戻し操作の前後の要求トルクの差分ΔTRQに基づいて算出されたが、これに加えて、アクセル開度の変化速度に基づいてEGR率判定閾値T1が算出されてもよい。例えば、アクセル開度の変化速度が大きい(アクセルペダルの戻し速度が大きい)場合には、アクセル開度の変化速度が小さい場合に比べて、EGR率判定閾値T1が大きな値に設定される。
また、EGR率判定閾値T1の算出方法は、アクセルペダル戻し操作の前後の要求トルクの差分ΔTRQに基づく方法には限定されない。例えば、EGR弁38の開度の指令値の変化量に基づいて、EGR率判定閾値T1が算出されることができる。この場合、EGR率判定閾値T1は、アクセルペダル戻し操作の前後のEGR弁38の開度の指令値の変化量(図6の符号206b参照)が、予め定められた上限値となる値に設定される。
(第2実施形態)
図8および図9を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、アクセルペダルの戻し操作がなされる等の出力低下要求時において、EGR率が過剰となると判定された場合には、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1に基づいて、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のうち、出力トルクが要求トルクにより近くなる制御が実行された。本実施形態では、これに加えて、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御が実行される場合に、実際のトルクを要求トルクに近づける制御(トルク補正)がなされる。
より具体的には、以下に図8および図9を参照して説明するように、モータ17aによる力行運転、あるいは、発電機17bによる回生運転により、実際の出力トルクが要求トルクに近づけられる。本実施形態のモータ17a、および発電機17bは、駆動力制御手段として機能する。
図8は、開度設定制御がなされるときの出力トルクの制御について説明するための図である。
図8において、(a)はアクセル開度、(b)はスロットル開度、(c)はサージタンク圧、(d)は出力トルク、(e)はモータ17aあるいは発電機17bによる補正出力、(f)は車軸(駆動軸)に伝達される出力トルクをそれぞれ示す。
また、符号400は、運転者の要求する出力トルク(ドライバ要求トルク)を示す。符号401は、開度設定制御がなされる場合のエンジン11の出力トルク(発生出力)を示す。符号402は、開度設定制御がなされる場合のモータ17aあるいは発電機17bによる補正出力(トルク)を示す。符号403は、エンジン11の出力トルクとモータ17a、発電機17bの出力トルクとが合成されてドライブシャフト14に伝達される出力トルクを示す。
開度設定制御がなされる場合、スロットル弁24の閉じ量に上限が設けられることにより、エンジン11の出力トルク401は、運転者の要求する出力トルク400と比較して、大きな値となる。言い換えると、実際の駆動力が、運転者の要求する駆動力を上回る状態となる。これに対して、本実施形態では、モータ17aあるいは発電機17bにおけるトルク補正により、駆動力が調節される。モータ17aによる駆動トルク(アシスト量)を減少させることや、発電機17bによる回生量を増加させることにより、トルク補正を行う。言い換えると、モータ17aや発電機17bの出力トルクを減速側に補正することにより、トルク補正を行い、ドライブシャフト14に伝達されるトルク403を運転者の要求する出力トルク400に近づける。トルク補正量の大きさは、エンジン11の出力トルク401と運転者の要求する出力トルク400との差分に基づいて設定される。
これにより、駆動軸であるドライブシャフト14に出力されるトルク403を運転者の要求する出力トルク400に一致させることが可能となる。
図9は、フューエルカット制御がなされるときの出力トルクの制御について説明するための図である。
図9において、(a)はアクセル開度、(b)はフューエルカットフラグ、(c)は出力トルク、(d)はモータ17aあるいは発電機17bによる補正出力、(e)は車軸に伝達される出力トルクをそれぞれ示す。
また、符号500は、運転者の要求する出力トルクを示す。符号502は、フューエルカット制御がなされる場合のエンジン11の出力トルクを示す。符号503は、フューエルカット制御がなされる場合のモータ17aあるいは発電機17bによる補正出力(トルク)を示す。符号504は、エンジン11の出力トルクとモータ17a、発電機17bの出力トルクとが合成されてドライブシャフト14に伝達される出力トルクを示す。
フューエルカット制御がなされる(フューエルカットフラグON)場合、エンジン11において燃焼が行われなくなることにより、エンジン11の出力トルク502は、運転者の要求する出力トルク500と比較して、小さな値となる。言い換えると、実際の駆動力が、運転者の要求する駆動力を下回る状態となる。これに対して、本実施形態では、モータ17aあるいは発電機17bにおけるトルク補正により、駆動力が調節される。モータ17aによる駆動トルク(アシスト量)を増加させることや、発電機17bによる回生量を減少させることにより、トルク補正を行う。言い換えると、モータ17aや発電機17bの出力トルクを駆動側に補正することにより、トルク補正を行い、ドライブシャフト14に伝達されるトルク504を運転者の要求する出力トルク500に近づける。トルク補正量の大きさは、エンジン11の出力トルク502と運転者の要求する出力トルク500との差分に基づいて設定される。
これにより、駆動軸であるドライブシャフト14に出力されるトルク504を運転者の要求する出力トルク500に一致させることが可能となる。
本実施形態によれば、開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御を実行する場合に、モータ17aによる力行運転、あるいは、発電機17bによる回生運転によるトルク補正により、実際の出力トルクが要求トルクに近づけられる。これにより、EGR率の過剰による燃焼の悪化を未然に抑制しつつ、実際の駆動力が運転者の要求する駆動力から乖離することをより確実に抑制できる。
なお、本実施形態では、モータ17aによる力行運転、および、発電機17bによる回生運転により、運転者の要求する出力トルクに対する実際の出力トルクの過不足を補ったが、出力トルクの過不足を補う手段については、これには限定されない。例えば、可変バルブタイミング機構により、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを調節することにより、出力トルクの過不足を補ってもよい。この場合、例えば、吸気弁や排気弁の作用角(開弁期間)を小さくすることにより、出力トルクを低下させることができる。その他、燃料の噴射量や噴射タイミング等を調節することで出力トルクを補正するようにしてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、制御選択閾値T3(図7参照)は、EGR率判定閾値T1と、フューエルカット制御がなされた場合の出力トルクT2とに基づく一定の値に設定された。本実施形態では、これに代えて、バッテリ20の充電状態量SOCに基づいて制御選択閾値T3が可変に設定される。
より具体的には、バッテリ充電状態量SOCが低下している(例えば、最適な範囲として予め定められた範囲の下限よりも低下している)場合には、制御選択閾値T3が小さな値とされる。この場合、フューエルカット制御が選択される機会、すなわち、モータ17aの力行運転で出力トルクを補正する機会が減少することで、バッテリ充電状態量SOCの更なる低下が抑制される。さらに、開度設定制御が選択されやすくなることで、発電機17bによる回生運転でバッテリ充電状態量SOCを回復させる機会を増加させることができる。
一方、バッテリ充電状態量SOCが大(例えば、最適な範囲の上限よりも大)である場合には、制御選択閾値T3が大きな値とされる。この場合、開度設定制御が選択される機会、すなわち、発電機17bの回生運転で出力トルクを補正する機会が減少することで、バッテリ充電状態量SOCが上昇しすぎることが抑制される。さらに、フューエルカット制御が選択されやすくなることで、モータ17aによる力行運転でバッテリ充電状態量SOCを低下させ、バッテリ充電状態量SOCを適切なレベルに調節することが可能となる。
制御選択閾値T3は、例えば、バッテリ充電状態量SOCが低下するほど小さな値とされる一方、バッテリ充電状態量SOCが上昇するほど大きな値とされることができる。この場合、例えば、バッテリ充電状態量SOCが、予め定められた下限値以下である場合には、制御選択閾値T3をフューエルカット制御がなされた場合の出力トルクT2に一致させることができる。これにより、フューエルカット制御は実質的に選択されない状態となるため、バッテリ充電状態量SOCの更なる低下を抑制できる。一方、バッテリ充電状態量SOCが、予め定められた上限値以上である場合には、制御選択閾値T3をEGR率判定閾値T1に一致させることができる。これにより、開度設定制御は実質的に選択されない状態となるため、バッテリ充電状態量SOCの更なる上昇を抑制できる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態の変形例について説明する。
上記第3実施形態では、バッテリ充電状態量SOCに基づいて制御選択閾値T3が可変に設定された。これに代えて、もしくは、これに加えて、モータ17aによる力行運転、あるいは、発電機17bによる回生運転により、運転者の要求する出力トルクに対する実際の出力トルクの過不足を補った場合の燃費に基づいて、制御選択閾値T3が設定されてもよい。
この場合、実験結果等に基づいて、アクセルペダルの戻し操作がなされた後の要求トルクTRQ1(図7参照)の様々な値について、開度設定制御と発電機17bによる回生運転とを行った場合の燃費の予測値と、フューエルカット制御とモータ17aによる力行運転とを行った場合の燃費の予測値とを求めておく。制御選択閾値T3は、開度設定制御と発電機17bによる回生運転とを行った方が燃費の点で有利となる領域と、フューエルカット制御とモータ17aによる力行運転とを行った方が燃費の点で有利となる領域との境界値に設定される。
本発明の車両走行制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両走行制御装置の第1実施形態におけるエンジンの概略構成を示す模式図である。 本発明の車両走行制御装置の第1実施形態のハイブリッド車両の概略構成を示す模式図である。 本発明の車両走行制御装置の第1実施形態の動力分割機構を示す断面図である。 本発明の車両走行制御装置の第1実施形態の動力分割機構の遊星歯車を示す断面図である。 本発明の車両走行制御装置の第1実施形態において開度設定制御を実行した場合のタイムチャートである。 本発明の車両走行制御装置の第1実施形態において開度設定制御、あるいは、フューエルカット制御のいずれを実行するかを決定する方法について説明するための図である。 本発明の車両走行制御装置の第2実施形態において開度設定制御がなされるときの出力トルクの制御について説明するための図である。 本発明の車両走行制御装置の第2実施形態においてフューエルカット制御がなされるときの出力トルクの制御について説明するための図である。
符号の説明
10 ハイブリッド車両
11 エンジン
11b 筒内燃料噴射弁
12 変速機
13 駆動輪
14 ドライブシャフト
15 動力分割機構
15a プラネタリーキャリア
15b ピニオンギヤ
15c リングギヤ
15d サンギヤ
17a モータ
17b 発電機
19 インバータ
20 バッテリ
21 吸気通路
21a 吸気マニホルド
22 エアクリーナ
23 エアフロメータ
24 スロットル弁
26 ターボ過給機
26a コンプレッサ部
26b タービン部
28 インタークーラ
30 排気通路
30a 排気マニホルド
33 触媒
35 EGR装置(排気ガス還流装置)
36 EGR通路
37 EGRクーラ
38 EGR弁
39 EGR触媒
100 ECU
SOC バッテリ充電状態量
T1 EGR率判定閾値
T3 制御選択閾値
ΔTRQ アクセルペダル戻し操作の前後の要求トルクの差分

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気通路における前記吸気通路を流れる吸気の流量を制御する吸気制御弁よりも下流側の部分と前記内燃機関の排気通路とを連通し、前記排気通路を流れる排気ガスを前記吸気通路に還流させるEGR通路と、前記EGR通路を流れる前記排気ガスの流量を制御するEGR弁とを有する排気ガス還流装置を備える車両を制御する車両走行制御装置であって、
    前記内燃機関の運転条件に基づいて前記吸気制御弁の開度の指令値を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記開度の指令値が減少する場合に、前記内燃機関に吸入される前記吸気における前記EGR通路を介して還流された前記排気ガスの割合であるEGR率が予め定められた所定値を上回るか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記EGR率が前記所定値を上回ると判定された場合に、前記算出手段により算出された前記開度の指令値に代えて、前記EGR率が前記所定値を上回ることを抑制する値に前記開度の指令値を設定する開度設定制御、あるいは、前記内燃機関への燃料の供給を停止するフューエルカット制御のいずれの制御を実行するかを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記制御を実行する実行手段とを備え、
    前記選択手段は、前記運転条件に基づいて算出される運転者の要求駆動力と、前記開度設定制御を実行した場合の前記車両の駆動力の予測値との関係、および、前記要求駆動力と、前記フューエルカット制御を実行した場合の前記駆動力の予測値との関係に基づいて、前記選択を行う
    ことを特徴とする車両走行制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両走行制御装置において、
    更に、前記開度設定制御、あるいは、前記フューエルカット制御を実行した場合の前記駆動力を前記要求駆動力に近づける駆動力制御手段を備える
    ことを特徴とする車両走行制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両走行制御装置において、
    前記車両は、前記内燃機関に加えて電動機を駆動源として備えるハイブリッド車両であって、
    前記駆動力制御手段は、前記電動機の力行あるいは回生により、前記駆動力を前記要求駆動力に近づける
    ことを特徴とする車両走行制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両走行制御装置において、
    前記選択手段は、更に、前記力行において前記電動機に電力を供給し、前記回生において前記電動機で発電される電力を充電する蓄電部の充電状態に基づいて、前記選択を行う
    ことを特徴とする車両走行制御装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載の車両走行制御装置において、
    前記選択手段は、更に、前記駆動力制御手段により、前記駆動力を前記要求駆動力に近づけた場合の前記車両の燃費に基づいて、前記選択を行う
    ことを特徴とする車両走行制御装置。
JP2008113121A 2008-04-23 2008-04-23 車両走行制御装置 Expired - Fee Related JP4905409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008113121A JP4905409B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 車両走行制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008113121A JP4905409B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 車両走行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009264202A JP2009264202A (ja) 2009-11-12
JP4905409B2 true JP4905409B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=41390354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008113121A Expired - Fee Related JP4905409B2 (ja) 2008-04-23 2008-04-23 車両走行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4905409B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114562371B (zh) * 2020-11-27 2023-04-28 长城汽车股份有限公司 车辆的最优废气再循环率的确定方法、装置、存储介质及车辆
WO2023152946A1 (ja) * 2022-02-14 2023-08-17 三菱自動車工業株式会社 ハイブリッド車両

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004100464A (ja) * 2002-09-04 2004-04-02 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の制御装置
JP4239582B2 (ja) * 2002-12-20 2009-03-18 日産自動車株式会社 エンジンの制御装置
JP2006194143A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JP2008038641A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Denso Corp 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009264202A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10744892B2 (en) System and method for battery charging
JP4535184B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US8555615B2 (en) Internal combustion engine exhaust gas control system and control method of internal combustion engine exhaust gas control system
JP4552921B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
US20130325234A1 (en) Control device, control method, and control system for hybrid vehicle
JP6926656B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP3984964B2 (ja) ハイブリッド車両の制御方法
JP2008095669A (ja) 車両の制御装置
EP1651461B1 (en) A method and an apparatus for controlling a diesel hybrid vehicle
JP4086005B2 (ja) ディーゼルハイブリッド車両における低圧縮比エンジンの暖機制御方法
JP4905409B2 (ja) 車両走行制御装置
CN111749805B (zh) 混合动力车辆和混合动力车辆的发动机控制方法
JP2006220045A (ja) 車両の減速時制御方法
JP2009149195A (ja) ハイブリッドシステムの制御装置
JP2010105626A (ja) 車両およびその制御方法
JP4099160B2 (ja) ハイブリッド車両のモータトルク制御方法
JP4548143B2 (ja) ハイブリッド車両の排気浄化装置
JP4192117B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP7211263B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5700115B2 (ja) 車両の制御装置
JP4003715B2 (ja) 車両の制御装置
JP2004144027A (ja) 車載内燃機関の制御装置
CN110341452B (zh) 管理具有可变几何涡轮增压器的混合动力系中的零踏板操纵
JP5640639B2 (ja) 内燃エンジンの制御装置
JP2010174682A (ja) 内燃機関の吸気温度検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4905409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees