JP4902902B2 - バッチ処理システム及びバッチ制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動プロセス制御に関し、特に、状態機械モデルに従って作動できる位相論理モジュールが、プログラマブル制御装置内、又はデータ処理要素内で統合されている、バッチ処理制御用の改善されたびシステム及びバッチ制御装置モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
[バッチ処理]
多くの種類の産業上のプロセスがある。停止されるまで連続して運転され、典型的には操業開始から操業停止までの間に非常に大量の製品を生産するものもある。ワークステーション間を1つのユニットとして移動するが各パーツはその独自の本質(identity)を維持しているパーツのグループに対し作用する産業上のプロセスもある。
【0003】
第3の型の産業プロセスは、1又は複数台の装置を使用して原材料に加工ステップを受けさせ、「バッチ(batch)」毎の製品を生産することを含むバッチプロセスである。調理は、家庭で実施されているバッチプロセスの一例である。生の食品が準備され、鍋の中に入れられ、調理法に指定されている時間、調理され、最後には食べる準備ができた1皿、つまり「バッチ」として終わる。
【0004】
ポリ塩化ビニルの調製は、産業規模で実施されている一例である。ポリ塩化ビニルは、塩化ビニールのはるかに小さい分子を重合する、つまり「いっしょに接合する」ことにより作られる。これは、バッチ反応装置(reactor)を適切なレベルまで塩化ビニル、溶剤及び重合誘導物質の混合物で満たし、該混合物を反応装置内で加熱し、結果として生じるバッチを冷却し、残りの開始物質を除去することによってバッチを精製することにより達成される。
【0005】
これらは、バッチプロセスの数例にしかすぎない。一般的には、多くの異なる種類のバッチプロセスがある。それらは、複数の他の製品及び非製品向けプロセスはもちろん、例えば、製品製造、流通、及び試験プロセスを含む。
[バッチプロセス制御]
一般的に、バッチプロセスを制御することは重要である。ある例では、料理が調理中に長時間コンロの上に放置されると、料理は燃焼し、結果として生じる食べ物のバッチが破壊されるであろう。別の例では、塩化ビニルの反応混合物が十分に長く反応されないと、塩化ビニルの産出量は不適切となり、お金が失われるだろう。バッチプロセスの制御は、危険な化学物質やそれに匹敵するものの生産が関与する場合に重大となる場合がある。
【0006】
バッチプロセスを制御する1つの方法は、手動である。すなわち、一人又は複数人の作業者が、すべてが計画に沿って進行していることを確認するためにバッチプロセスのすべての状況を監視するという仕事を割り当てられる。しかしながら、これは単調で退屈な作業であり、気付かぬうち誤差が入り込むことがある。
【0007】
以上の及びそれ以外の理由から、バッチ制御の分野における作業者は、このところしばらく、電子機器を使用することによりバッチプロセスの制御を自動化しようとしてきた。コンピュータ、プログラマブル制御装置(programmable controllers)、及びそれに匹敵する電子装置が、バッチプロセスの制御を自動化するために、多くのバッチ制御システム供給業者によって、インテリジェントフィールドデバイス(つまり、インテリジェントセンサ及び制御可能弁(controllable valves))とともに使用されてきた。
【0008】
インテリジェントセンサは、典型的には1台の装置上に配置され、その装置の状態に関し、プラント内の中央制御室に報告する。制御可能弁は、典型的には、1台の装置への入力、又は1台の装置からの出力を制御し、多くの場合、インテリジェントセンサから受け取った情報に基づき、中央制御室から制御することができる。
【0009】
バッチ処理を自動化する努力が、バッチ処理に関与する業界の構成員、及びとりわけバッチ処理装置の供給業者によって規格委員会の形成をもたらした。これらの規格委員会の全般的な目的は、自動化されたバッチ処理の統一した規格を定義することであった。
【0010】
1つのこのような規格は、プロセス制御の問題に関係する国際組織である、国際測定制御学会(International Society for Measurement and Control)によって広められてきた。この規格は、バッチ制御第1部:モデル及び用語(Batch Control Part1:Models and Terminology)と題され、多くの場合、ISA S88.01−1995規格(以下、本願では「S88」と呼ぶ)と呼ばれている。
【0011】
S88.01規格は、これらのモデル及びその要素(elements)を参照する際に使用するための用語だけではなく、自動化されているバッチプロセスで使用するための装置及び手順のモデルを定義している。S88.01規格は、大量の投入材料を、1台又は複数台の装置を使用して、限定された時間の期間に渡って、ある命じられたセットの処理活動にさらすことにより、限定された量の材料の生産に至るプロセスとして、「バッチプロセス」を定義している。「バッチ」は、バッチプロセスの一回の実行により生産されている、又は生産された材料として定義されている。
[手順モデル]
バッチ処理装置(つまり、弁、加熱器、混合機などの制御可能な要素)は、バッチを作るための手順に従って操作される。この出願においては、すべてのこのような装置は、装置、装置モジュール、処理装置、又は物理的要素と同義に呼ばれている。このような物理的要素を操作するための手順は、しばしば、S88.01規格によって「手順モデル」と呼ばれる。S88.01規格によれば、手順モデルは、手順の階層序列として構造化され、最高水準(level)はさらに低い水準のそれぞれを包含し、次に高水準はその下の水準のそれぞれを包含するなどとなる。この出願の目的のために特に重要なS88.01手順モデルの水準は、下がる順に、以下の通りである。すなわち、
「手順(procedure)」、
「単位手順(unit procedure)」、
「動作(operation)」、
「位相(phase)」
である。
【0012】
「手順要素」という用語は、本出願では、「手順」水準や手順モデルのそれ以外の単独の水準の実施形態又は実施だけではなく、S88.01手順モデルのこれらの水準のどの実施形態あるいは実施を呼ぶのにも使用される。
【0013】
重要な最高水準の手順要素は、1つ又は複数の「単位手順」から構成され、「手順」と呼ばれる。順に、各単位手順は、1つ又は複数の「動作」から構成され、それらの「動作」は、順に、それぞれ1つ又は複数の「位相」から構成される。S88.01手順モデルは、他の階層水準の定義又は使用を排除しないし、各水準が特定のアプリケーションに存在することも要求しない。むしろ、S88.01規格は、自動化バッチプロセス制御に従った手順を記述するための幅広い標準化されたモデルを提供することを意図している。
【0014】
図8は、S88.01規格により定義されている手順要素の階層関係を図に描いたものである。手順800は、1つ又は複数の単位手順802から構成されている。各単位手順802は、1つ又は複数の動作804から構成されている。各動作804は、一般的には、1つ又は複数の位相806から構成されている。上述のように、各位相は、通常、バッチプロセスの所望の制御を実施するために、プロセスセル825と集合的に呼ばれる1つ又は複数のユニット(units)820(プロセス装置物理的要素の集合体)と通信可能に接続されている。また、上述のように、手順モデルの他のさらに高い水準の要素は、一般的には、さらに低い水準要素の抽象概念(abstractions)である(つまり、動作は、1つ又は複数の位相などの抽象概念である)。
[物理的要素と手順要素との連結(linkage)]
一般的には、手順要素は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、及びプログラマブル制御装置を含むデータ処理装置によって及びデータ処理装置において実行されるコンピュータプログラムとして与えられる。典型的な手順要素を実行すると、物理的要素を制御するために使用可能なデータ処理装置から電気的又は光学的な出力が生じる。該データ処理装置は、典型的には、その出力を、直接に、あるいは、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワークで間接的に、物理的要素に接続することにより、該物理的要素を制御するために使用可能なものである。
【0015】
手順要素は、少なくとも1つの物理的要素に対し、「基本制御」を呼び出すことによって、その割り当てられたタスクを実行する。この種の制御は、物理的要素のある特定の所望の状態の確立、維持に専用のものである。基本制御は、例えば、貯留ビン要素内における材料の流れ、又は塩化ビニル反応装置要素内でにおける出発物質の加熱を開始又は維持するものである。
【0016】
実際問題として、手順モデルの低い方の水準(つまり、位相)が、実際の物理的要素との実際の通信を実行し、それによって基本制御を呼び出したり、実行したりする。手順モデルのさらに高い水準は、本質的には、手順モデルの構成及び構造、ならびに物理的モデルをも改善するための抽象概念である。
[手順要素及び状態機械モデル]
状態機械モデル(state machine model)は、プロセス又は活動の状態(state)を記述するために一般的に使用される論理構造である。該モデルは、プロセス状態の間の遷移を引き起こす動作とともに、多くの該プロセス状態を記述又は定義する。あるプロセスの状態機械モデルは、その状態への初期遷移による特定の状態の下にあると言われている。ある特定のイベントが発生したり、ある特定のステータス(status;CPU及び周辺装置等の状態)が検知されると、状態機械モデルは、その特定のイベント又は検知されたステータスに対応する別の状態への遷移を行う。
【0017】
状態機械モデルは、バッチプロセスの手順要素の動作を定義し及び実現するための有効な技法である。状態機械として定義され与えられた手順要素は、例えば、その関係づけられた状態機械が旧い状態から新しい状態へ遷移する場合に、作動を開始する。
【0018】
S88.01規格は、標準状態機械モデルに従った手順要素の定義及び実現を許容する。S88.01規格はこのアプローチを命令しないが、それは、(さらに後述されるように)多様なベンダ(vndor;売り主)の製品の間でのより高度の相互運用性(interoperability)を可能にするために、プロセス制御業界で幅広く採用されてきた。状態機械モデルに従って手順要素が定義及び実現されているS88.01規格の現在の1つの商業的なアプリケーション(application)が、アリゾナ州85029、フェニックス、ウェストデザートコーブアベニュー、2429(2429 West Desert Cove Avenue,Phoenix,Arizona 85029)にあるPID社(PID,Inc.)のOpenBatchTMという製品である。
【0019】
OpenBatchでは、サーバプログラムが、手順要素を実行するデータ処理装置上で実行される。サーバプログラムは、1つ又は複数の状態機械モデルに従った手順要素の実行を調整する。手順、対応する単位手順、対応する動作、及び対応する位相は、サーバプログラムによってその各ステップを通して順次実行される。
【0020】
位相がサーバプログラムによって起動されると、例えば、位相はプログラマブル制御装置内の位相論理インタフェースに起動要求を通信する。すると、プログラマブル制御装置は、位相に対する実際の状態論理を実行し、プロセス装置への通信により要求されたプロセス制御を実現する。
【0021】
図7は、従来技術において現在知られている1つ又は複数の典型的な物理的要素と通信する典型的な位相を描いている。位相704は、データ処理装置700上のバッチサーバプログラム702内で作動できる。状態機械モデル706は、ある標準状態モデルに従って、位相の動作を制御するために位相704内で作動できる。位相704は、通信経路750を介して1つ又は複数のプログラマブル制御装置710と通信する。プログラマブル制御装置710内のプログラミングされている命令が、プログラマブル制御装置710を使用する位相ごとに1つずつ、1つ又は複数の位相論理インタフェース(phase logic interface)712を与える。
【0022】
各位相論理インタフェース712は、位相704との情報交換に、マッピングされた(写像された)レジスタ通信インタフェースを提供する。後述するマッピングされたレジスタ通信インタフェースは、多数のレジスタ718とレジスタの割当てのマップ720を含む。マッピングされたレジスタ718を通して交換される情報は、位相704内で作動している状態機械706と関連した所望の制御機能を実現するために、位相論理714によって用いられる。言い替えると、位相論理714は、データ処理装置内において、状態機械の動作を写す(mirror)ために、制御エンジニアにより設計されかつ与えられる。位相論理714と統合されている状態論理シーケンス716が、バッチプロセスを制御するのに必要な実際の制御シーケンスを実行する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
各製造メーカが、データ処理装置とプログラマブル制御装置との間で必要な情報を通信するために異なった手段及び方法を実現する場合に問題が生じる。このため、データ処理装置内の位相とプログラマブル制御装置内の位相論理インタフェースとの間の通信は、両方のプログラマブル制御装置が、本質的に同じ機能を実行したとしても、別のブランドのプログラマブル制御装置に必要とされる通信とは非常に異なる可能性がある。
【0024】
その結果、プロセス制御設計エンジニアが、例えば、ある特定の位相がアレン−ブラッドリー(Allen−Bradley)プログラマブル制御装置と通信できるようにするために大量のカスタムソフトウェアを設計、実現及び維持すると同時に、位相が例えばフィッシャー−ローズマウントシステムズ社(Fisher−Rosemount systems Inc.)のPROVOXプログラマブル制御装置と通信できるようにするためにまったく別個の大量のカスタムソフトウェアを設計、実現及び維持する必要があるということになる。この重複努力は、非効率的であり、無駄である。
【0025】
さらに、従来技術において、多くの装置製造メーカに知られている共通通信インタフェースは、レジスタモデルである。位相論理インタフェースは、手順要素に対し、それ自身を、データ処理装置内の位相とプログラマブル制御装置内の位相論理インタフェースとの間で情報を交換するための、レジスタと読取り可能及び/又は書込み可能記憶場所(location)との大きなセットとして提供する。レジスタは、制御エンジニアによって、位相の制御に必要な側面に、論理的にマッピングされる(写像される)。位相の各レジスタに対し制御エンジニアによって定義される機能に対応する論理は、制御エンジニアによってプログラマブル制御装置の位相論理インタフェース内に与えられる。ある特定の位相によって使用されるレジスタのマップ(map;写像)は、制御エンジニアによって維持される。ある位相のレジスタのマッピングを文書化する上で役立つツールは存在するが、タスクは、主として手動タスクであって制御エンジニアの責任のままである。
【0026】
バッチプロセスが変化し、進化するにつれて、レジスタマッピングのための文書が維持、更新されなければならない。これは、制御エンジニアにとっては、大部分が手動の別のプロセスである。さらに、1つのバッチプロセスに複数の位相がある場合、各位相は、その位相用の基本制御を実現するために、そのように論理的にマッピングされた多数のレジスタを使用する。大規模で複雑なバッチプロセスが、1つのバッチの生産に関与している、数千ではないにしろ数百の位相を定義することは普通のことである。各位相を文書化する有用なマップ、及び必要な制御を実行する上で使用されている、対応するレジスタを、作成し維持するというタスクは、実際には気力をくじくようなタスクである。
【0027】
例えば、プログラマブル制御装置内の位相が、単独の位相に必要とされる制御シーケンスを実現するために、約15のレジスタを活用することは典型的である。典型的なバッチプロセスは、1つのバッチの処理を実行するために約100の位相を含む。従って、制御エンジニアには、最初に約1500のレジスタを記述しているマップを定義し、維持する責任がある。さらに多くのプログラマブル制御装置が、さらに大きいバッチプロセスに使用される場合、及びさらに多くの位相が、さらに複雑なバッチプロセスに必要とされる場合に、マッピングされるレジスタ数は、相当大きくなりうる。
【0028】
さらに、位相の状態機械モデルの様相は、その位相を実行しているデータ処理装置と、対応する装置モジュールのプログラマブル制御装置との間で通信されなければならない。本質的には、サーバプログラムの状態機械モデルの部分は、プログラマブル制御装置内で理解され、記憶される必要がある。これらの機能は多くの場合、プロセス制御エンジニアにより十分に理解されていないため、これが、さらにプログラミングとエンジニアリングのタスクを複雑にする。さらに、大部分のプログラマブル制御装置内で与えられている制御言語は、一般的には状態機械論理の実現には十分に適しておらず、一般的には異なった製造メーカによって開発されたプログラマブル制御装置の間では移送可能ではない。状態機械モデルを追跡するためのプログラム命令のいくつかは、位相ごとに制御論理を実現するために複写できるが、複製されるコードシーケンスは、しかしながら試験を必要とするだろう。命令シーケンスのそれぞれは、プログラマブル論理制御装置内で実現されている位相ごとの各状態でのバッチプロセスの適切な動作を保証するために、詳細な試験を必要とするだろう。
【0029】
さらに、位相の処理で故障が発生すると、その位相を実行しているデータ処理装置と必要な基本制御を実行しているプログラマブル制御装置との間に適切な故障処理情報を通信するための標準技法が存在しないという点で、現在の技法には、問題が生じる。むしろ、再び、制御エンジニアは、独自の故障処理方法、及びそれに対応するプログラム命令、及び故障に関する制御情報を交換するための通信経路の設計及び維持を行う責任がある。
【0030】
さらにまた、ある位相の処理が、規格外の装置での処理の実行を必要とする場合に、従来の技法には別の問題が生じる。例えば、位相は、その位相処理を実行するために一定の形式のユーザ(オペレータ)入力を必要とするかもしれない。その必要な入力は、キーボード、ディスプレイ、又はバーコードリーダーなどのユーザ入力装置から得ることができる。このような装置は、通常、データ処理装置内の位相と、プログラマブル制御装置内の位相論理インタフェースのと間で情報を交換する際に一般的に使用されているレジスタモデル通信規格を使用しない。それ故、現在の技法は、このような位相処理を実現するために、位相に対するさらに別の形式の通信及び処理を必要とする。
【0031】
上記の議論から、位相制御情報及びそれに関連する状態と故障情報とを、データ処理装置内の手順要素(つまり、位相)とプログラマブル制御装置内の位相論理との間で通信するための改善された方法及び構造に対する必要性が存在することは明らかである。
【0032】
本発明は、上記及びそれ以外の問題を解決し、それによってデータ処理装置内の手順要素(位相)とプログラマブル制御装置内で実行される位相論理との間のインタフェースを標準化するための方法及び構成を提供することにより、有用な技術の状態を前進させることを目的としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のバッチ処理システム及びバッチ制御装置モジュールは、データ処理装置内で作動可能な位相の状態機械モデルに並行して作動し、かつ該状態機械モデルに実質的に同一である状態機械モデルに従って物理的要素の動作を規定する。
【0034】
位相論理モジュール(Phase Logic Module(PLM))は、プログラマブル制御装置内に状態機械モデルを実現する。このPLMは、データ処理装置内の位相と、プログラマブル制御装置内の位相論理との間に一貫したインタフェースを提供する。さらに、位相とPLMとの間の通信インタフェースは、オブジェクト指向のソフトウェア設計を用い、それにより位相及びPLMは、名前及び/又はID単位で関連付けられる。PLMオブジェクトの属性は、位相とPLMとの間で必要な制御情報を通信するために使用される。通信プロトコルの詳細は、以下に説明される。本発明のこの観点は、制御エンジニアが、1つのバッチプロセス内の潜在的に大多数の位相のそれぞれに、潜在的に大多数のレジスタを記述する1つのレジスタマップを、最初に定義しかつ維持する必要性を排除する。
【0035】
プログラマブル制御装置内のPLMには、データ処理装置内の位相の状態機械モデルを写す状態機械が含まれる。従って、制御エンジニアは、データ処理装置内の位相により提供される現在の状態機械情報を追跡するために、プログラマブル制御装置でプログラミングされている命令を反復して実現する必要はない。むしろ、これらの命令は、制御エンジニアのシステム設計より前に、標準化されている方法でいったん与えられ、位相に対応する各PLMには単に具体化されるだけである。
【0036】
さらに重要なことには、制御エンジニアは、特にサーバプログラムの状態機械の順序付けを写すために論理を設計する必要はない。むしろ、PLMの状態機械の様相(aspect)はあらかじめ決められており、制御エンジニアによって与えられる必要もなければ、制御エンジニアによって完全に理解される必要もない。むしろ、制御エンジニアは、標準状態機械モデルにおける状態間の各遷移に、バッチプロセスを制御するために必要とされる必須制御シーケンスを設計するだけである。このような制御シーケンスは、典型的には、順次機能チャート(sequential function chart(SFC))、はしご形論理、構造化テキスト、あるいは制御エンジニアにとってよく知られているそれ以外のツール及び技法を使用して設計されている。
【0037】
状態機械モデルを実現するPLMの標準化されている部分は、PLMごとに複製されない。むしろ、単独の標準状態機械モデルは、そのそれぞれが、ある特定の位相のある特定の状態に必要とされる特殊な処理を表す複数のオブジェクト上で作動できる。それ故、本発明に従って与えられるバッチプロセスの試験要件は、プログラム命令の低減により低減される。状態機械を実現するプログラム命令は、その動作の各事例ごとに検証される必要がない標準モジュールとして設計されかつ実現される。
【0038】
サーバプログラムによってデータ処理装置内で作動できる位相は、手順要素処理を記述する高水準プロトコルを使用してPLMと通信する。通常は、サーバプログラムで与えられているように手順モデルのより高い水準によって手順要素に提供されている、状態遷移及びバッチプロセスに関係するそれ以外のパラメータは、本質的に、そっくりそのまま物理的要素に渡される。
【0039】
本発明の別の観点は、プログラマブル制御装置以外のデバイスにおける位相処理(つまり、上記したようなユーザ対話位相)を実現するための状態機械に従って作動できるPLMの実現を許容する。このような位相は、ここでは「ソフト位相」と呼ばれ、「ソフトPLM」と呼ばれるPLMは、該デバイス内で上述の方法に類似する方法で作動する。ソフトPLMは、サーバプログラム手順要素の状態機械と実質的に同一の状態機械に従って作動できる。ハードPLM(プログラマブル制御装置内で作動できるもの)の場合と同じように、ソフトPLMは、状態遷移及びそれ以外のパラメータをサーバプログラムと交換する。
【0040】
より詳しくは、ハードPLM及びソフトPLMの両方とも、サーバプログラムの手順要素において与えられて状態機械と実質的に同一の状態機械に従って作動する。さらに、本発明に従ったPLMは、従来の技法のレジスタモデルに比較して、さらに簡略な方法でサーバ内の手順要素と通信する。バッチ制御エンジニアは、標準作動状態のそれぞれに、PLM内で所望の基本制御を実現するカスタムモジュールを設計する。標準状態機械自体、及び所望の制御タスクを遂行する、エンジニア(ユーザ)によって供給される要素は、組み合わされて、PLMを構成し、プログラマブル制御装置内で、又はソフトPLMを実現するデータ処理装置内で作動できる。所望の処理を遂行するために必要とされるすべての必要な状態及びパラメータ情報は、サーバプログラムとの通信で受信される。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明は、多様な修正及び代替形式に影響を受け易いが、その特殊な実現例は、図面中の例証として示され、ここに詳細に説明されるであろう。しかしながら、本発明を開示されている特定の形式に制限することが意図されるのではなく、逆に本発明は、請求項により定められるような本発明の精神及び範囲に該当しているすべての修正、同等物、及び代替策を対象とすることが意図されることが理解される必要がある。
[分散バッチ処理の概要]
本出願の発明の概要は、図1及び図6に描かれている。
【0042】
図1は、プログラマブル制御装置103内で作動できるPLM100に、経路660を介して高水準の状態情報を提供する位相610(手順要素)を描いたブロック図である。より詳しくは、位相610は、状態機械170に従って作動できるのに対し、プログラマブル制御装置103内のPLM100は、状態機械102に従って作動できる。上述のように、状態機械102は、状態機械170と実質的に同一である。2つの状態機械は、さらに以下に述べるように、高水準の状態情報の交換により経路660を介して通信する(通信リンク)。
【0043】
従来の技法に比較すると、図1のPLM100は、従来の装置モジュールとそれに対応する位相との間の通信に使用される非常に多数のレジスタをマッピングするための大量の文書化に対する必要性を除去する。むしろ、標準化された高水準のコマンド構造が使用され、以下にさらに詳細に説明される。
【0044】
さらに、従来の技法に比較すると、PLM100は、標準的な、単独に実現された状態機械102を提供する。単独に実現された状態機械102は、1つ又は複数の状態論理シーケンス716で作動できる。言い替えると、各PLM100は、単独の状態機械102に従って作動する。しかしながら、各位相論理モジュール(PLM100)は、対応する位相610の各標準状態に要求される制御を実現するよう、制御エンジニアによって定義される独自の状態論理シーケンス716を含んでいる。
【0045】
プログラマブル制御装置103は、PLM100内の状態機械102の指示を受けて作動しながら、プログラマブル制御装置I/O675と経路670を介して通信し、該プログラマブル制御装置I/O675は、所望の基本制御を遂行するために経路680を介してプロセス装置685と通信する。
【0046】
上述のように、状態論理シーケンス716は、好ましくは、順次機能チャート(SFC)、構造化テキスト、はしご形論理、又は当業者によく知られているようなその他の制御装置プログラミング言語として実現される。PLM100内の単独の標準状態機械102は、プログラマブル制御装置103とともに実現されているすべての位相に対して処理を遂行するために、1つ又は複数の状態論理要素716のそれぞれの代理として作動する。これは、従来技術で既に知られている状態機械モデルの、複数の、同様なしかし独立した設置を、試験する必要性を除去する。
【0047】
図6は、ソフト位相104内で作動できるソフトPLM106に対し、経路112を介して高水準の状態情報を提供する、位相610(手順要素)を描いたブロック図である。より詳しくは、データ処理要素104内のソフトPLM106は状態機械108に従って作動できるのに対し、位相610は、状態機械170に従って作動できる。上述のように、状態機械108は、状態機械170と実質的に同一である。2つの状態機械は、さらに後述されるように、高水準の状態情報の交換により、経路112を介して通信する(通信リンク)。
【0048】
図1に関して上述したように、図6のソフトPLM106は、標準的な、単独に実現された状態機械108を提供する。単独に実現された状態機械108は、各ソフトPLM106に対し独自(unique)である状態論理シーケンス716上で作動できる。図6のデータ処理装置では、状態論理シーケンス716は、好ましくは、当業者によく知られているような標準ソフトウェア要素として実現される。各ソフトPLM106内の単独の標準状態機械108は、データ処理装置104とともに実現されているすべての位相に対し処理を遂行するために、状態論理要素716に従って作動する。これは、従来技術で既に知られている状態機械モデルの、複数の、同様なしかし独立した設置を、試験する必要性を除去する。それから、データ処理装置104は、ソフトPLM106により必要とされる処理を遂行するために、経路360を介してデータ処理入出力装置322と通信する。
【0049】
図3は、バッチ制御を実行するために本発明の教示に従って作動できる例示的なシステム300を描いたものである。プロセスエンジニア又はそれ以外のユーザは、バッチクライアントプログラム304と対話することにより、データ処理装置324からバッチの処理を開始する。バッチクライアントプログラム304は、ユーザが、バッチのための処理を始動し、バッチの完了までの処理を制御することができるようにする、適切なユーザインタフェース(すなわちグラフィックユーザインタフェース、つまりGUI)を提供する。
【0050】
バッチクライアントプログラム304は、プロセス間通信経路356を介して、バッチサーバプログラム(バッチ処理装置)306と通信する。バッチサーバプログラム306は、データ処理装置302上で作動でき、バッチクライアントプログラム304によって要求されたバッチを生産する責任を負う手順要素を始動し、監視する責任を持っている。従来技術で知られているように、バッチサーバプログラム306は、1つ又は複数の位相307を実現し、要求されているバッチを生産するための必要な処理ステップを実行する要素を含む。各位相307は、状態機械308に従って作動できる。さらに、複数のバッチサーバプログラム306が、製造企業又はその他のプロセス制御ネットワーク化された企業内で分散されていてもよい。このような分散されている環境における各バッチサーバプログラム306は、バッチプロセスの特定の部分集合(subset)又は企業内でのバッチ製造に責任を負っていることがある。
【0051】
図3に示されるように、複数のこのようなバッチクライアントプログラム304は、普通、ワークステーション又はパーソナルコンピュータ、あるいは単にコンピュータと呼ばれているデータ処理装置324上で作動できる。さらに、当業者は、バッチクライアントプログラム304が、よく知られているネットワーク及び分散コンピューティング技法を介して通信している他のリモートワークステーション(図示せず)上で作動できることも容易に認識するであろう。反対に、バッチクライアントプログラム304は、バッチサーバプログラム306とともに1つのデータ処理装置上に、共同で格納されていてもよい。分散クライアント/サーバアプリケーションにおけるこのようなクライアント及びサーバプログラムの特定の分散は、当業者によく知られているように、大概不適切であり、分散プログラム及びデータ処理装置の多くの同等なトポロジー(topologies)が、本発明とともに使用されてよい。
【0052】
当業者は、さらに、バッチクライアントプログラム304とバッチサーバプログラム306との間でのクライアント/サーバ通信を可能とするために、経路356を活用する多くのよく知られているプロセス間通信技法を認識するであろう。このようなプロセス間通信は、クライアント/サーバプログラム又はバッチプログラム304とバッチサーバプログラム306の両方が分散しているネットワークトポロジーの物理的な近接さに関係なく作動できる。
[分散バッチ処理の位相論理モジュール]
プログラマブル制御装置315は、ユーザワークステーション302内で作動できるバッチサーバプログラム306から受け取った手順指令に従ってバッチ製造プロセスで物理的な制御を提供する。本発明に従って、プログラマブル制御装置315は、嵌め込まれたPLM316を含んでいる。また、本発明に従って、PLM316は、状態機械318に従って作動できる。特に、状態機械318は、バッチサーバプログラム306内で作動できる状態機械308と実質的に同一である。
【0053】
さらに、本発明に従って、バッチサーバプログラム306内の状態機械308は、状態機械318と、経路350を介して、高水準の状態遷移及びバッチの処理に関するその他のパラメータ情報を交換する。
【0054】
プログラマブル制御装置315内のPLM316は、プロセスエンジニアが、基本制御シーケンスの実行において状態情報を監視しかつ追跡する目的のためだけに大量のカスタムプログラミングを作成する必要性を除去するように、状態機械318に従って作動する。むしろ、本発明に従って、及び後述するように、状態論理モジュール(PLM316)は、PLM316内の特定の位相に対応する所望の基本制御を実行するよう、プログラマブル制御装置315と統合されている。それから、さらに、より低水準の基本制御コマンドが、経路352を介してプログラマブル制御装置プロセスI/O320に、及びそれから経路362を介してプロセス装置340に送信される。
【0055】
図3に示されるように、複数のPLM316が、単独のプログラマブル制御装置315内に嵌め込まれていることがある。このような複数のPLM316のそれぞれが、バッチサーバプログラム306内の状態機械308に実質的に同一である状態機械318に従って作動する。さらに、このような複数のPLM316のそれぞれは、後述するように、そのそれぞれの位相に対する特定の基本制御シーケンスを実現するよう、ユーザによって供給された状態論理モジュールを含んでいる。
【0056】
本発明を実施する、現在知られているもっとも優れたモードでは、プログラマブル制御装置315は、基本制御タスクを実行するようにプログラミングされる。プログラマブル制御装置315により実行される基本制御タスクは、PLM316内で状態機械318と統合された、ユーザにより供給された状態論理要素に従っている。このようなタスクの順序付けも、PLM316内の状態機械318に従っている。
【0057】
データ処理装置326で作動できるソフトPLM310は、構造において、プログラマブル制御装置315内で作動できるPLM316と同様である。それらは、ソフトPLM310が、バッチサーバプログラム306の状態機械308に同一である状態機械312に従って作動できるという意味で同様である。ソフトPLM310は、機能及びそれにより実行される制御のタイプという点でPLM316とは異なる。特に、PLM316は、上述のように、バッチ材料の物理的特性と属性、及び該バッチ材料を製造するためのプロセスに関する基本物理制御を提供した。対照的に、ソフトPLM310は、バッチの属性及び対応する製造プロセスの属性における物理的特性に、一般に間接的に関係する位相を実現する。このようなソフト位相の一例が、バッチ制御プロセスによって自動的には達成できない特定の属性や特性を決定するためにユーザ入力を得る位相である。さらに一般的には、ソフト位相は、バッチ及び該バッチを製造するためのプロセスに関係する、ユーザによって供給された情報を検証又は収集するために作動できる。従って、ソフトPLM310及びそれぞれの嵌め込まれている状態機械312は、経路358を介してバッチサーバプログラム306と交換されるコマンド及びパラメータに従って、経路360を介してユーザインタフェース装置322と対話する。
【0058】
当業者は、ソフトPLM310が、図3に示されるようなバッチサーバから遠隔の分散コンピューティングデバイスで作動し得ること、あるいはバッチサーバプログラムと共同で格納され得ることを認識するであろう。よく知られているプロセス間通信技法は、種々のプロセスの物理的な近接さには関係なく、及びプロセスが分散されているデータ処理装置のトポロジーには関係なくこのような通信を可能とする。
[位相論理モジュール状態機械]
図2は、本発明に従った好ましい状態機械モデルを描いた状態機械図である。図2に描かれた状態機械はISA S88.01規格において与えられた例示的な状態機械に準拠している。ISA S88.01仕様に注記されているように、規格によって特定の状態機械モデルは要求されていない。むしろ、S88.01規格に記述されている状態機械モデルは、多くの有用なバッチプロセスを説明するための適切なモデルとして示唆されている。該規格は、種々の状態間の遷移だけではなく、モデル内の状態の追加又は削除を許容している。
【0059】
上述のように、図2の状態機械モデルは、図3のバッチサーバプログラム306内、及びやはり図3に示されているプログラマブル制御装置315内に嵌め込まれているPLM316内の双方で実現されかつ嵌め込まれている。さらに、上記のように、ソフトPLM310(又は図6の106)もまた、実質的に同一である状態機械312(又は図6の108)に従って作動できる。
【0060】
図2に示されている状態機械の動作の詳細は、以下の状態遷移表(表1)において与えられている。状態遷移表は、表の行内の状態機械の状態、及び表の列の遷移を引き起こすコマンドのそれぞれをリストしている。各行の各列との交差は、そこに新しい状態がリストされている場合には、状態機械が、対応するコマンドを受け取った後に、どの新しい状態に入るのかを示している。そのように新しい状態がリストされていない場合には、状態機械は新しい状態へ遷移しない。
【0061】
状態機械モデル200は、一般的に、アイドル状態202で初期化され、該アイドル状態202へリセットされる。遷移は、一般的に、取られるべき動作を示すコマンドに基づいて他の状態へなされる。このようなコマンドは、バッチサーバプログラム306内で作動できる状態機械308の場合には、例えば、バッチクライアントプログラム304を含む種々のソースから受け取られる。特に、PLM310及び316内で本発明に従って作動できる状態機械312及び318に関しては、コマンド及びその他のパラメータが、データ処理装置302内でバッチサーバプログラム306から、それぞれ、経路350及び358を介して受け取られる。
【0062】
startコマンドは、運転状態204への遷移を引き起こす。運転状態204では、ユーザにより供給された状態論理が、バッチ材料が所望のパラメータに従って生産されるよう、適切なより低い水準の制御シーケンス(つまり、基本制御)を実行する。運転状態204にある間、abortコマンドは、打切り状態206及び最終的には打ち切られた状態218への遷移を引き起こす。同様に、stopコマンドは、停止状態208、及び最終的には停止された状態216への遷移を引き起こす。holdコマンドは、保持状態220、及び最終的には保持された状態222への遷移を引き起こす。運転状態204でバッチの所望の処理を完了すると、完了状態210への遷移が生じる。
【0063】
完了状態210、打ち切られた状態218、及び停止された状態216は、全て、別のバッチプロセスを開始する準備を完了しているアイドル状態202に遷移を戻すために、リセットコマンドが要求される終端状態である。保持状態222は、運転状態204に戻ることによってバッチの処理が続行することがある中間状態である。具体的には、保持状態222から、restartコマンドが、再起動状態224、及び最終的には運転状態204への遷移を引き起こす。
【0064】
【表1】
Figure 0004902902
【0065】
上記状態機械表において、ISA S88.01規格は、表の列として表の上部を横切ってリストされているコマンドの以下のような意味上の解釈を示唆している。
【0066】
Start;手順要素に、正常な運転状態論理の実行を開始するように命令する。
【0067】
Stop;手順要素に、停止状態論理を実行するように命令する。
【0068】
Fail/Hold;手順要素に、保持状態論理を実行するように命令する。
【0069】
Restart;手順要素に、再起動状態論理を実行し、安全に運転状態に戻るように命令する。
【0070】
Abort;手順要素に、打ち切り状態論理を実行するように命令する。
【0071】
Reset;このコマンドは、終端状態からアイドル状態への遷移を引き起こし、新しいバッチの処理の始動を可能にする。ユーザによって供給されたどの状態論理も、このコマンド又はそれに対応する状態遷移には対応していない。
【0072】
本発明の好ましい実施形態の上記状態機械においては、いくつかの状態及び遷移が、ISA S88.01規格及び示唆の精神に留まりつつ、状態機械モデルを簡略化するために排除された。残ったコマンドの意味上の解釈は、表1に関して上述した通りである。追加のfailコマンドは、上記に定義されたようにholdコマンドと同一に取り扱われる。failコマンドは、バッチプロセスの処理での故障状態の検知を表す。従って、故障は、状態機械を実現する手順PLMに関して追加処理が発生しないように、処理を保持するためのユーザ要求と同じに処理される。
【0073】
各PLM内で実現されている状態機械における新しい状態への各遷移は、基礎バッチの処理を続行又は開始するよう、制御タスクを実行させる。上述の種々の状態に関係づけられた、ユーザによって供給された状態論理要素は、対応する状態への遷移が行われるときに実行される特定の処理を定義する。
【0074】
図4は、PLM310及び316、並びにそれぞれその中に嵌め込まれている状態機械312及び318の構造の付加的な詳細を与えるブロック図である。上述のように、ソフトPLM310とPLM316とは、そのそれぞれの状態機械312と318とのように、構造において同様のもである。さらに、上述のように、状態機械312及び318は、バッチサーバプログラム306内の状態機械308に実質的に同一である状態機械モデルを実現する。ソフトPLM310は、経路358及びサーバ通信要素400を介してバッチサーバプログラム306と情報を交換する。同様の方法で、PLM316は、経路350及びそれぞれのサーバ通信要素400を介してバッチサーバプログラム306と通信する。
【0075】
サーバ通信要素400は、PLM状態機械312及び318と、バッチサーバプログラム内の状態機械308との間のプロセス間通信に要求されるすべての必要な通信プロトコル及び情報を与える。通信に関連した情報における特殊なプロトコルのさらなる詳細は、以下に述べられる。
【0076】
バッチサーバプログラム306から、サーバ通信要素400を介して受信される情報は、状態機械制御要素402に転送される。状態機械制御要素402は、表1に関して上述した好ましい状態機械モデルを実現するために、基本的な状態機械制御及び処理を与える。ユーザによって供給された状態論理モジュール404ないし414は、表1の状態機械モデルの種々の特定の状態のそれぞれで実行される具体的な位相/状態処理を与える。
【0077】
好ましい実施形態においては、ユーザ/エンジニアは、対応する状態へ遷移が行われるときに要求される低水準の処理を実行するプログラムされたモジュールを与える。特に、ユーザによって供給された運転状態論理モジュール404は、状態機械が図2の運転状態204で作動している間に、状態機械制御402によって実行される。ユーザによって供給された保持状態論理モジュール406は、状態機械が保持状態220で作動している間に、状態機械制御402によって実行される。ユーザによって供給された再起動論理モジュール408は、状態機械が再起動状態224で作動している間に、状態機械制御402によって実行される。ユーザによって供給された停止論理モジュール410は、状態機械が停止状態208で作動している間に状態機械制御402によって実行される。ユーザによって供給された打ち切り論理モジュール412は、状態機械が打ち切り状態206にある間に、状態機械制御402によって実行される。最後に、ユーザによって供給された故障監視論理モジュール414は、状態機械がどの状態で作動している間でも、状態機械制御402によって実行される。言い替えると、故障監視論理モジュール414は、状態機械312又は319の現在の状態に関係なく連続して作動できる。故障監視論理モジュール414は、各PLM310又は316の作動中に故障状態がいつ生じるのかを判断するために作動できる。
【0078】
状態論理モジュール404ないし414は、ソフトウェア又は他のプログラマブルモジュールという形でプロセス制御エンジニアによって供給される。これらは、典型的には、順次機能チャート、はしご形論理、構造化テキスト、又は制御エンジニアによく知られているそれ以外のツール及び技法を使用して設計される。さらに、C、C++、Visual C++、Visual Basic、Pascal、Adaなどを含むいくつかのよく知られたプログラミング言語のいずれも、ソフトPLMの、ユーザによって定義された状態論理を構築するために使用され得る。
【0079】
図5は、ユーザによって供給された「運転」状態論理モジュール404の一例を描いたものである。図5は、順次機能チャートの表現によって記述された運転状態論理モジュール404を示している。特に、要素500は入口弁を開放するための処理を表すの対し、要素502は、ステータス指示器(status indicator;状態指示器)が入口弁の開放状態を表すのを待つ処理を表す。次に、要素504及び506は、入口ポンプを起動する処理、及び入口ポンプが運転中であることを示すステータスを待つ処理を表す。要素508及び510は、入口ポンプに関係づけられたタンクの、所定の充填レベルまでの充填の完了を待つ処理を表す。それから、要素512及び514は、入口ポンプを停止する処理、及び入口ポンプの停止された状態を示すステータスを待つ処理を表す。それから、要素516及び518は、入口弁を閉鎖する処理、及び閉鎖が成功したことを示すステータスを待つ処理を表す。最後に、要素520及び522は、入口ポンプに関係づけられたタンク内で達成されている充填の実際のレベルを報告することにより、順次機能チャートを完了するための処理を表す。このような順次機能チャートは、バッチ制御又はプロセス制御の技術の当業者にはよく知られている。制御要素のシーケンスのこのような視覚的な表記は、市販されているコンピューティングツール及びソフトウェアツールによって、それぞれ、PLM310又は316の中の状態機械312又は318の実行により該PLM310又は316内で作動できる命令に変換される。
【0080】
当業者は、図5に描かれている順次機能チャートが、図4のユーザによって供給された状態論理モジュール404ないし414を定義するために有効な例示的な任意のプログラミング言語又はその他のツールとしてだけ意図されていることを認識するであろう。状態論理モジュール404ないし414において、どのような制御動作のシーケンスも、エンジニアによって供給され得る。さらに、複数のよく知られているプログラミング技法のいずれも、特定の状態論理モジュールのために、順次機能のシーケンスをプログラミングすべく設計エンジニアによって使用され得る。
[サーバ/位相論理モジュールプロトコル]
本発明の通信プロトコルの態様は、バッチサーバプログラム内、及びPLM内で作動している実質的に同一の状態機械の間における情報交換を規定している。本質的に、該プロトコルは、バッチサーバプログラムとPLMの状態機械との間における高水準の通信を規定する。バッチサーバプログラムは、要求されたコマンドによる状態遷移、及びPLM内に格納された状態機械に送信されるステータスを通信する。ステータス及びその他の情報が、PLMからバッチサーバプログラムに戻される。コマンドは、一般的には、オペレータ入力及びその他の入力並びにパラメータに従ってバッチサーバプログラムの状態機械により実行される状態変化を示している。
【0081】
バッチサーバプログラムとPLMとの間で交換される情報は、属性の中の値を読み書きすることによって通信される。該属性は、必要とされる通信を達成するために要求されたとおりに、サーバプログラム又はPLMによって読み込まれたり、書き込まれたりする場所に過ぎない。この好ましい実施形態は、制御エンジニアによく知られているレジスタモデル構造を綿密に模倣する。それ故、この構造は、本技法に精通している制御エンジニアによって容易に学習されかつ理解される。しかしながら、上述のように、本発明の方法及び構造は、サーバプログラムとプログラミング制御装置との間の通信に、数百又は数千のレジスタのマッピングを必要としない。むしろ、所定の属性の1つのセットが、プログラマブル制御装置のPLM内で実現され作動できる単独の標準的な状態機械と関連して、この目的(サーバプログラムとプログラミング制御装置との間の通信)に役立つ。
【0082】
サーバプログラムとPLMとの間のすべての通信は、好ましくはサーバプログラムによって制御される。情報は、PLMによって使用される属性値を書き込むことによって要求されたとおりに、サーバプログラムからPLMに伝送される。PLMから戻されるステータス及びその他の情報は、PLMによって適切な属性の中に書き込まれ、サーバプログラムによって読み取られる。サーバプログラムは、PLM内の重要な属性値が修正されると、(ソフトウェアの通信層を介して)通知される。
【0083】
好ましい、最も優れた、現在知られている本発明の実施モードにおいては、以下の属性が、バッチサーバプログラムとPLMの状態機械との間で交換される。
BCOMMAND
BCOMMAND属性は、コマンドをPLMに送信するために、バッチサーバプログラム(以下、SERVERという)によって書き込まれる。属性部分(つまり、下位バイト)がコマンドコードを与えるのに対し、別の部分(つまり、上位バイト)がSERVERとPLMとの間の信頼できる通信を保証するために使用されるシーケンス番号を与える。
【0084】
より詳しくは、SERVERは、下位バイト中に実際のコマンド値/識別子を、上位バイト中のID値を有するようにしてコマンドをPLMに送信する。コマンド及びIDは、BCOMMAND属性中に値を記憶することにより「送信」される。PLMはコマンドを受け取るとともに、コマンドが受け取られたというSERVERに対するフラグとして、下位バイトをゼロにクリアする。SERVERは、最終的に、BCOMMANDの下位バイトがそのようにクリアされたことを検出し、それによって、PLMがコマンドを受け取り、処理したことを理解する。
【0085】
例示的なコマンドは、abort、hold、stop、reset、restart及びstartを含む。その他のコマンドは、PLMの試験及びデバッグにおいて有効であり得る。例えば、single_stepコマンドは、同時に実行される1つの低水準の基本制御(あるいはそれ以外の低水準のステッピング(stepping))によりPLMのユーザによって供給された状態論理モジュールをデバッグするのに有効であり得る。あるいは、例えば、downloadコマンドは、SERVERを通して開発ワークステーションからPLM状態機械に新しいPLMを新規にダウンロードするために有効であり得る。PLMが故障を検出し、(後述されるように)fail_indexステータス属性を設定すると、SERVERはclrfailコマンドを送信し、「ラッチされている」故障状態をクリアする。なお、ackreq及びclrreqなどの他のコマンドを、プロトコルのハンドシェイク(handshake)のペース調整及び信頼性を提供するために、SERVERとPLMとの間で使用してもよい。
BSTATUS
BSTATUS属性は、PLMの状態機械の現在の状態を反映するためにPLMによって書き込まれる。SERVERは、特定のPLMの現在の状態を判断するために、この属性を読み取る。属性中に符号化されている状態は、表1に関して上述した通りである。
REQUEST/REQDATA1−5
REQUEST属性及びREQDATA1−5属性は、SERVERからの情報又はサービスを要求するために、PLMによって書き込まれる。SERVERは要求に応答すると、REQUEST属性をクリアし、要求の完了を示す。
【0086】
好ましい実施形態においては、SERVERからのサービスに対するPLMによる要求は、以下の一般的なカテゴリに分かれる。
【0087】
【表2】
Figure 0004902902
【0088】
当業者は、上記に対する修正だけではなく上記表2に追加されることがある無数のそれ以外の要求を認識するであろう。
FAIL_INDEX
この属性は、PLMの処理における故障の発生をSERVERに示すためにPLM(つまり、ユーザによって供給された故障監視状態論理モジュール)によって書き込まれる。SERVERは、PLM内の状態をクリアするためのclrfailコマンド(及び最終的にはPLM状態機械を初期化し直すためのresetコマンド又はその他のコマンド)を、上記のように送信する。特定のタイプの故障及び該故障を表すコードは、PLMエンジニアの設計選択肢の問題である。
UNIT
UNIT属性は、それがPLMと「接続する」ときにSERVERによって書き込まれる。複数のサーバが1つの特定のPLMを使用する(つまり、異なったバッチを生産するために物理モデル装置を操作する)ので、この属性は、PLMに現在接続されているSERVERのIDを表す。
OWNER
この属性は、そのSERVERがそのPLMを現在使用している(つまりそのOWNER)なのか、別のユーザがそのPLMを現在使用している(つまりそのOWNER)なのかをSERVERに知らせるために、PLMによって書き込まれる。
STEP_INDEX
この属性は、それがユーザによって供給された状態論理モジュールのステップを通して順序付けされるにつれてPLMによって書き込まれる。各ステップを識別するために使用される特定のコードは、設計選択肢の問題である。
PAUSE
この属性は、PLMに、ある位相のある状態の現在の処理を一時停止するように指示するためにSERVERによって書き込まれる。
PAUSED
この属性は、要求された一時停止が実際に達成されたことを、SERVERに示すためにPLMによって書き込まれる。SERVERからのPAUSE属性は、ただちに達成されるのとは対照的に、次の機会に達成されてもよい。PLM内の論理は、実行されている特殊処理に基づき、処理を一時停止することがいつ安全であるのかを決定する。
SINGLE_STEP
この属性は、次のステップへの処理を続行するようにPLMに命令するためにSERVERによって書き込まれる。処理の「ステップ」間の境界は、特殊な処理及びその安全性要件に基づいて、PLMによって決定される。
TIME
この属性は、位相状態がアイドル状態から変化してから経過した時間を示す、PLMによって書き込まれる数値である。PLMが完了状態に遷移すると、時間値は増加を停止する(時間を、位相実行により消費された状態にしておく)。resetコマンドは、該属性をゼロに戻す。
START_TIME
この属性はPLMによって書き込まれ、PLMが1つの特定の状態にある間に増加し、それによって現在の状態における経過時間を示す。
BATCH_ID
この属性は、SERVERによって書き込まれ、現在処理中のバッチのID値(つまり、文字列)を供給する。
WATCHDOG
SERVERは、定期的に、この属性中にゼロ以外の値を書き込み、PLMは、ゼロ以外の値を検出した場合にそれをゼロにクリアする。従って、この属性は、SERVERが故障したPLMを検出する(及びPLMが故障したSERVERを検出する)ための監視機能を提供する。
XCOMMAND
ある状況においては、PLMの命令を受けて作動している位相が、SERVERによってよりむしろオペレータによって制御される(つまり、手動で制御される)ことがある。SERVERがBCOMMAND及びそのシーケンス番号バイトを使用することに干渉するのを回避するために、XCOMMAND属性は、PLMの作動を手動により制御するためにオペレータによって使用される。
【0089】
当業者は、SERVERとPLMとの間の通信に同様の機能性を提供する上述の好ましいプロトコルに対する多くの変更及び追加を認識するであろう。上述した好ましい実施形態は、主に、それが制御エンジニアがすでに精通しているレジスタモデル通信の構造に似ている点で有益と見なされる。それ故、本発明のこのプロトコルは、本技法に精通している制御エンジニアによってさらに容易に学習される。
【0090】
本発明は、図面及び上記説明において図解され説明されたが、このような図及び説明はその性質上例示的であり、制限的ではないと見なされなければならず、好ましい実施形態及びそのマイナーな変形だけが示され、説明されたこと、及び本発明の精神に該当するすべての変更及び修正が、保護されるよう望まれることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】単独の位相と、嵌め込まれたPLMが状態機械に従って作動できる本発明の装置モジュールとの間の基本制御関係を示すブロック図である。
【図2】S88.01規格に従って、及び本発明を実施するもっとも優れた現在知られているモードに従って、手順制御要素を記述する状態機械図である。
【図3】プログラマブル制御装置内のPLM内で作動できる状態機械モデルと通信するバッチサーバプログラム状態機械モデルを描いたブロック図である。
【図4】ユーザによって供給された要素が状態機械モデルの標準状態のそれぞれにおける論理を実現するために提供される、図3におけるようなPLMの構造を示すブロック図である。
【図5】図4に示されるように、PLM内におけるユーザによって供給された状態論理を記述するために使用され得る典型的な順次機能チャートを描いたものである。
【図6】単独の位相と、嵌め込まれたPLMが状態機械に従って作動できる本発明のソフト位相との間の基本制御関係を示すブロック図である。
【図7】単独の位相と、それに対応する、従来技術において現在実践されている装置モジュールとの間の基本制御関係を示すブロック図である。
【図8】S88手順モデルの要素の階層水準、及びS88物理的モデルの要素の階層水準を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 位相論理モジュール
102,170 状態機械
103 プログラマブル制御装置
104 データ処理装置
106 ソフトPLM
108 状態機械
112 経路
200 状態機械論理モデル
202 アイドル状態
204 運転状態
206 打ち切り状態
208 停止状態
210 完了状態
216 停止された状態
218 うち切られた状態
220 保持状態
222 保持された状態
224 再起動状態
300 バッチ制御を実行するための本発明の教示に従って作動可能な例示的システム
302 データ処理装置
304 バッチクライアントプログラム
306 バッチサーバプログラム(バッチ処理装置)
307 位相
308,312,318 状態機械
310 ソフトPLM
315 プログラマブル制御装置
316 PLM(位相論理モジュール)
320 プログラマブル制御装置I/O
322 ユーザインタフェース装置(データ処理入出力装置)
324,326 データ処理装置
340 プロセス装置
350,352,356,358,360,362 経路
400 サーバ通信要素
402 状態機械制御
404 運転論理モジュール
406 保持論理モジュール
408 再起動論理モジュール
410 停止論理モジュール
412 打ち切り論理モジュール
414 故障監視論理モジュール
500,502,504,506,508,510,512,514,516,518,520,522 要素
610 位相
660,670,680 経路
675 プログラマブル制御装置I/O
685 プロセス装置
700 データ処理装置
702 バッチサーバ
704 位相
706 状態機械
710 PLC
712 位相論理インタフェース
714 位相論理
716 状態論理モジュール
718 レジスタ
720 レジスタマップ
750 経路
800 手順
802 単位手順
804 動作
806 位相
820 ユニット
825 プロセスセル

Claims (15)

  1. バッチ制御のためのバッチ処理システムであって、
    第1のデータ処理装置と、
    上記第1のデータ処理装置内で作動できるサーバプログラムと、
    上記第1のデータ処理装置に接続されるプログラマブル制御装置と、
    上記プログラマブル制御装置内で作動でき、かつ、上記第1のデータ処理装置内の上記サーバプログラムに結合されるフェーズ論理モジュールとを備え、
    上記サーバプログラムは、バッチ処理のための第1の状態機械モデルに従って作動でき、
    上記フェーズ論理モジュールは、上記サーバプログラムから受け取った手順指令に従って、バッチ製造プロセスにおいてプロセス制御を提供するものであり、上記第1の状態機械モデルに実質的に同一である第2の状態機械モデルに従って作動できる、バッチ処理システム。
  2. 上記バッチの処理に関係する補助的な制御のためのソフトフェーズ論理モジュールが、その内部で作動できる第2のデータ処理装置と、
    上記ソフトフェーズ論理モジュールを上記サーバプログラムに結合する、上記第1のデータ処理装置と上記第2のデータ処理装置との間の通信リンクとをさらに備えた請求項1に記載のバッチ処理システム。
  3. 上記ソフトフェーズ論理モジュールが、上記第2の状態機械モデルの状態と関係づけられた、少なくとも1つの、ユーザによって定義された状態処理要素を含む請求項2に記載のバッチ処理システム。
  4. 上記ユーザによって定義された状態処理要素が、標準プログラミング言語を使用して定義されている請求項3に記載のバッチ処理システム。
  5. 上記ユーザによって定義された状態処理要素が、順次機能チャートを使用して定義されている請求項3に記載のバッチ処理システム。
  6. 上記フェーズ論理モジュールを上記サーバプログラムに結合する、上記第1のデータ処理装置と上記プログラマブル制御装置との間の通信リンクとをさらに備え、
    上記フェーズ論理モジュールが、上記バッチ処理に関係づけられた基本制御タスクを実行するために上記プログラマブル制御装置の内部で作動できる請求項1に記載のバッチ処理システム。
  7. 上記フェーズ論理モジュールが、上記第2の状態機械モデルの状態に関係づけられた、少なくとも1つの、ユーザによって定義された状態処理要素を含む請求項6に記載のバッチ処理システム。
  8. 上記ユーザによって定義された状態処理要素が、順次機能チャートとして定義されている請求項7に記載のバッチ処理システム。
  9. データ処理装置と、
    バッチの処理のために第1の状態機械モデルに従って上記データ処理装置内で作動できるバッチサーバプログラムと、
    上記データ処理装置に接続されるように設けられたプログラマブル制御装置と、
    上記バッチサーバプログラムに結合され、上記第1の状態機械モデルに実質的に同一である第2の状態機械モデルに従うとともに、上記バッチサーバプログラムから受け取った手順指令に従って、上記プログラマブル制御装置内で作動できるフェーズ論理モジュールとを備えたバッチ制御システム。
  10. 上記フェーズ論理モジュールと、上記バッチサーバプログラムとの間の通信のために、上記プログラマブル制御装置と、上記データ処理装置とを結合する通信リンクをさらに備えた請求項9に記載のバッチ制御システム。
  11. 上記フェーズ論理モジュールが、上記第2の状態機械モデルの状態に関係づけられた、少なくとも1つの、ユーザによって定義された状態処理要素を含む請求項9に記載のバッチ制御システム。
  12. 上記ユーザによって定義された状態処理要素が、順次機能チャートとして定義されている請求項11に記載のバッチ制御システム。
  13. バッチサーバプログラムがバッチの処理のために第1の状態機械モデルに従って作動できるバッチサーバに結合されたプログラマブル制御装置と、
    上記バッチサーバプログラムに結合され、上記第1の状態機械モデルに実質的に同一である第2の状態機械モデルに従うとともに、上記バッチサーバプログラムから受け取った手順指令に従って、上記プログラマブル制御装置内で作動できるフェーズ論理モジュールとを備えたバッチ処理システム。
  14. 上記フェーズ論理モジュールが、上記第2の状態機械モデルに関係づけられた、少なくとも1つのユーザによって定義された状態処理要素を含んでいる請求項13に記載のバッチ処理システム。
  15. 上記ユーザによって定義された状態処理要素が、順次機能チャートとして定義されている請求項14に記載のバッチ処理システム。
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