以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアンテナ装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。本発明のアンテナ装置を筐体内に内蔵する電子機器であるノートPCに適用した例を示す。但しノートPCに限られず、アンテナ装置が内蔵された携帯電話機やパーソナルデジタルアシスタントなど種々の電子機器にも本発明を適用することができる。
(第1実施の形態)
まず、図1を用いて、本実施の形態にかかるノートPCの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかるノートPCの斜視図である。
本実施の形態にかかるノートPC100は、図1に示すように、大別すると、表示部101と、本体102と、を備えて構成される。表示部101は、液晶パネル103を有する液晶ディスプレイであり、液晶パネル103の上部に無線通信用のアンテナ装置104を有する。また、表示部101と本体102は、ヒンジ部105によって開閉自在に構成される。
本体102は、無線電波を送受信するために送信信号に応じた高周波信号を発生する給電回路としての無線通信用モジュール106を有している。無線通信用モジュール106は、給電線107を介してアンテナ装置104と接続されている。なお、給電線107は、直径1mm程度の同軸ケーブルである。
次いで、図2を用いて、本実施の形態にかかるノートPC100の回路構成について説明する。図2は、本実施の形態にかかるノートPCの回路構成図である。無線通信モジュール106は、CPUバス200を介してCPU201およびメモリ202と接続されている。この無線通信用モジュール106は、図示しないものとしてRF(Radio Frequency)部、水晶発振部、およびベースバンド処理部を備えている。
次に、図3を用いて、アンテナ装置104の具体的な構成について説明する。図3は、アンテナ装置の構成を示す図である。アンテナ装置104は、短絡経路301、第1先端開放素子302、給電側部素子303、第2先端開放素子304、短絡素子305、および接地導体(GND)306を備えて構成される。
接地導体306は、矩形状の導体である。また、本実施の形態では、接地導体306上の一点である接地点307が、給電点309に近接して配置されている。
短絡経路301は、接地点307に始端が接続されている。本実施の形態では、短絡経路301は、逆L字形状であり、接地点307から接地導体306に対して垂直方向に延びて屈曲してから接地導体306に対して平行方向に延びている。
第1先端開放素子302は、線状素子であり、短絡経路301の終端から延設され、かつ終端が開放されている。
給電側部素子303は、矩形状の板状素子であり、第1先端開放素子302と接地導体306との間に設けられ、給電点309から第1先端開放素子302の延設方向に延設されている。本実施の形態では、給電側部素子303の角部が、給電点309に接続されている。
第2先端開放素子304は、線状素子であり、給電側部素子303の終端から第1先端開放素子302の延設方向に延設され、かつ終端が開放されている。本実施の形態では、第2先端開放素子304は、給電点309と接続された角部の対角線上にある角部と接続されている。
短絡素子305は、線状素子であり、給電側部素子303の終端である接続点308近傍と、第1先端開放素子302の始端と、を接続している。
短絡素子305の接続位置は、図3に示す位置に限らず適宜変更することができる。なお、短絡素子305と給電側部素子303との接続位置を、給電側部素子303の終端である接続点308の近傍とすると、本実施形態におけるアンテナ特性がより良好となる。
次に、図4〜7を用いて、アンテナ装置104の動作原理について説明する。
図4は、短絡経路および第1先端開放素子の動作原理を示す説明図である。短絡経路301および第1先端開放素子302は、矢印で示す接地点307から短絡経路301および第1先端開放素子302を経た第1先端開放素子302の終端までの長さが略4分の1波長の長さで並列共振する。(この並列共振を第1並列共振と呼ぶことにする)
図5は、給電側部素子、短絡素子および第1先端開放素子の動作原理を示す説明図である。給電側部素子303、短絡素子305および第1先端開放素子302は、第1共振周波数帯域で直列共振し、矢印で示す給電点309から給電側部素子303の接地導体306側の外縁、短絡素子305および第1先端開放素子302を経た第1先端開放素子302の終端までの長さが略4分の1波長の長さで直列共振する。(以下の説明において、第1共振周波数とは、それは第1直列共振の周波数を示すものとする)
図6は、短絡経路、短絡素子および第2先端開放素子の動作原理を示す説明図である。矢印で示す接地点307から短絡経路301、短絡素子305および第2先端開放素子304を経た第2先端開放素子304の終端までの長さが略4分の1波長の長さで並列共振する。(この並列共振を第2並列共振と呼ぶことにする)
図7は、給電側部素子および第2先端開放素子の動作原理を示す説明図である。矢印で示す給電点309から給電側部素子303の接地導体306側の外縁、および第2先端開放素子304を経た第2先端開放素子304の終端までの長さが第2共振周波数の略4分の1波長の長さで直列共振する。(以下の説明において、第2共振周波数とは、それは第2直列共振の周波数を示すものとする)
このように、本実施の形態にかかるアンテナ装置104の動作原理によれば、第1並列共振および第1直列共振を第1共振周波数帯域で共振させかつ第2並列共振および第2直列共振を第2共振周波数帯域で共振させることにより、折り返しモノポールアンテナを共振させる場合に発生する電流分布に近い電流分布を発生させることができるので、入力インピーダンスの高い2つの共振を発生させることができる。そのため、アンテナ装置104を低背化しても良好な入力インピーダンスを得ることができる。
ここで、アンテナ装置104の解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。
まず、図8および図9を用いて、本実施の形態にかかるアンテナ装置104を適用した解析モデルの具体的な形状について説明する。図8は、解析モデルの具体的な形状を示す図である。図8の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されている。図9は、解析モデルの接地導体の形状を示す図である。なお、以下掲載する解析結果はすべてモーメント法を用いて解析を行った結果ある。
短絡経路301は、接地点307から接地導体306に対して垂直方向に延びて屈曲してから接地導体306に対して平行方向に延びている。第1先端開放素子302は、短絡経路301の終端から延設されている。給電側部素子303は板状素子であり、給電点309に当該板状素子の角部が接続されている。第2先端開放素子304は、給電側部素子303の給電点309と接続された角部の対角線上にある角部に接続され、第1先端開放素子302の延設方向に延設され、終端が開放されている。短絡素子305は、接続点308近傍と、第1先端開放素子302の始端と、接続しているものであり、接地導体306に対して垂直方向に延設されている。
なお、ここで示す解析モデルでは、接地導体306は、短絡経路301の延設方向への長さが100mm、短絡経路301の延設方向に対して垂直方向への長さが200mmであるものとした。
次に、図10〜14を用いて、図8および図9に示した解析モデルのアンテナ特性について説明する。図10は、図8および図9に示した解析モデルのアンテナ特性を示すスミスチャートである。図11〜14は、図8および図9に示した解析モデルにより実現されるアンテナの説明図である。なお、図10に示すスミスチャートは、給電点309から供給される周波数信号を700〜2500MHzの範囲で変化させた場合における本解析モデルのインピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
図10に示すように、本解析モデルのインピーダンスの軌跡は、(2)1720MHzでスミスチャートの横軸と交わっており、図11の矢印で示す第1並列共振の発生を示している。また、本解析モデルのインピーダンスの軌跡は、(1)1810MHzでスミスチャートの横軸と交わっており、図12の矢印で示す第1直列共振の発生を示している。
このように、本解析モデルによれば、第1並列共振および第1直列共振が近接した周波数で発生しているため、第1直列共振周波数における入力インピーダンスを高くすることができる。
また、本解析モデルのインピーダンスの軌跡は、(4)830MHzでスミスチャートの横軸と交わっており、図13の矢印で示す第2並列共振の発生を示している。また、本解析モデルのインピーダンスの軌跡は、(3)920MHzでスミスチャートの横軸とクロスしており、図14の矢印で示す第2直列共振の発生を示している。
このように、本解析モデルによれば、第2並列共振および第2直列共振が近接した周波数で発生しているため、第2直列共振周波数における入力インピーダンスを高くすることができる。また、第2共振周波数の帯域でスミスチャートの軌跡がスミスチャートの中心である50Ω付近を通過する軌跡を描いているため、第2共振周波数の帯域を広帯域にすることができる。
次に、図15〜17を用いて、給電側部素子303を有する本解析モデルと、給電側部素子303を有しない従来のアンテナ装置の解析モデルとの比較結果について説明する。なお、従来のアンテナ装置の具体的な形状は、給電側部素子303を有していない点のみが異なるため、詳細な説明は省略する。図15は、給電側部素子を有する解析モデルと給電側部素子を有しない解析モデルの700〜2500MHzの入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
図15に示すように、図16の符号1600で示す給電側部素子303を有しない解析モデルのスミスチャートの軌跡は、スミスチャートの中心である50Ω付近から上にずれてしまっている。これは、図16に示すように、給電点309から短絡素子305および短絡経路301を経て接地点307に流れる電流(図16の符号1001で示す)が原因で、入力インピーダンスの誘導性が高くなってしまうからである。
一方、図15に示すように、給電側部素子303を有する解析モデル(アンテナ装置104)のインピーダンスの軌跡は、給電側部素子303を有しないモデルと比較して、スミスチャートの中心である50Ω付近に描かれている。これは、図17に示すように、給電点309から給電側部素子303の接地導体306に近接しない側の外縁、短絡素子305および短絡経路301を経て接地点307に流れる電流(図17の符号1701で示す)が給電側部素子303を有しない場合に比べて小さくなり、入力インピーダンスの誘導性が抑えられ、その結果良好なインピーダンス整合が得られることを示している。
したがって、本実施の形態にかかるアンテナ装置によれば、給電側部素子303を備えることにより、給電側部素子303を備えないアンテナ装置よりも入力インピーダンスの誘導性を小さくすることができ、各共振周波数の帯域において良好なインピーダンス整合を得ることができる。
(第1変形例)
本実施の形態にかかるアンテナ装置を同軸ケーブルを介して給電する場合、同軸ケーブルである給電線の外導体と短絡経路を接続して接地することにより、給電線がアンテナ装置のアンテナ特性に悪影響を及ぼすことを防止することが可能である。なお、その他のアンテナ装置の構成については、上述の実施の形態とほぼ同様であるため、上述した実施の形態と異なる部分の処理のみを説明する。
図18は、本変形例にかかるアンテナ装置の概略図である。ここでは、図18を用いて、本変形例にかかるアンテナ装置の給電線の取り付け方法について説明する。
本変形例にかかるアンテナ装置2000の短絡経路301は、給電点309に給電する同軸ケーブルである給電線107の外導体2001に接続されている。本実施の形態では、短絡経路301は、半田付けにより給電線107の外導体2001に接続されている。このように、本変形例にかかるアンテナ装置2000によれば、給電線107をアンテナ装置2000内に位置する給電点309に接続することにより、外導体2001を半田付けして接地するために余分なスペースを設ける必要がなく、そのスペース分アンテナ装置2000の実装に必要な領域を小型化することができる。また、短絡経路301を給電線107の外導体2001に接続してアンテナ装置から離れる方向に引き出すことにより、アンテナ装置と給電線107が近接することを防ぐため、給電線107がアンテナ装置2000のアンテナ特性に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
(第2実施の形態)
本実施の形態にかかるアンテナ装置は、給電点を接地点から適切な距離離間して配置するものである。なお、その他のアンテナ装置の構成については、第1実施の形態とほぼ同様であるため、第1実施の形態と異なる部分のみを説明する。
給電点309は、接地点307から第1先端開放素子302の延設方向に、第1共振周波数と第2共振周波数のうち、低い方の周波数の略20分の1波長以下離間して配置されている。例えば、第2共振周波数が第1共振周波数よりも低く、910MHzである場合、給電点309は、接地点307から波長λ=330mmを略20分の1した値である16mm以下離間して配置される。
ここで、本実施の形態にかかるアンテナ装置104の解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。
まず、図19および図20を用いて、アンテナ特性の解析を行った3つの解析モデルについて説明する。図19は、短絡経路を有するアンテナ装置の解析モデルの構成を示す図である。図19の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されている。図22は、短絡経路を有しないアンテナ装置の解析モデルの概略図である。なお、給電点309と接地点307との間の距離以外は、第1実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。
まず、図19に示す1つ目の解析モデルは、接地導体306上において、給電点309が接地点307からa=1mm離間して配置されているモデルである。図20に示す2つ目の解析モデル(符号2200で示す)は、短絡経路301を有しないモデルである。図19に示す3つ目の解析モデルは、接地導体306上において、給電点309が接地点307からa=16mm離間して配置されているモデルである。
次に、図21を用いて、上述した3つの解析モデルのアンテナ特性について説明する。図23に示すスミスチャートは、給電点309から供給される周波数信号を700〜1200MHzの範囲で変化させた場合における図19および図20に示した各解析モデルの入力インピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
1つ目の解析モデル(a=1mm)のインピーダンスの軌跡は、第2共振周波数である910MHzでスミスチャートの横軸と交わっている。また、この交点におけるインピーダンスの値がおよそ34Ωであり、スミスチャートの中心である50Ωに近くなっている。これは、本解析モデル(a=1mm)では、図13に示す第2並列共振と、図14に示す第2直列共振と、が近接した周波数で発生しているためである。
一方、2つ目の解析モデルのインピーダンスの軌跡は、930MHzでスミスチャートの横軸と交わっている。また、この交点におけるインピーダンスが18Ωであり、1つ目の解析モデル(a=1mm)と比較して、スミスチャートの中心である50Ωから離れている。これは、本解析モデル(図20に示す)では、図13に示す第2並列共振が発生せず、従来のモノポールアンテナにおける共振に近い電流分布になってしまうためである。
また、3つ目の解析モデル(a=16mm)のインピーダンスの軌跡は、930MHzでスミスチャートの横軸と交わっている。また、この交点におけるインピーダンスが26Ωであり、1つ目の解析モデルの第2共振周波数におけるインピーダンスよりスミスチャートの中心である50Ωから離れている。これは、本解析モデル(a=16mm)では、1つ目の解析モデル(a=1mm)に比べて図13に示す第2並列共振の周波数を決定する経路が長くなり、その結果図14に示す第2直列共振と、離れた周波数で第2並列共振が発生するためである。
上述した解析結果によれば、3つ目の解析モデル(a=16mm)のインピーダンス(26Ω)が、1つ目の解析モデル(a=1mm)のインピーダンス(34Ω)と2つ目の解析モデル(短絡経路301なし)のインピーダンス(18Ω)の略中間のインピーダンスでスミスチャートの横軸と交わっている。そこで、本実施の形態では、3つ目の解析モデルを基準にして、a=16mmが、第2共振周波数(910MHz)の波長λ=330mmを略20分の1した値であるため、給電点309を接地点307から第2共振周波数の波長λの略20分の1以下離間して配置するものとする。
(第3実施の形態)
本実施の形態にかかるアンテナ装置は、給電側部素子の第1先端開放素子の延設方向への長さを適切な長さにすることにより、入力インピーダンスの誘導性を小さくするものである。なお、その他のアンテナ装置の構成については、第2実施の形態とほぼ同様であるため、第2実施の形態と異なる分部のみを説明する。
図22は、本実施の形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図である。給電側部素子303は、第1先端開放素子302の延設方向への長さbが第2共振周波数の略50分の1波長以上であるものとする。例えば、第2共振周波数が865MHzである場合、給電側部素子303は、給電点309から第1先端開放素子302の延設方向(接地導体306と平行方向)への長さbが、波長λ=346mmを略50分の1にした7mm以上とする。
ここで、本実施の形態にかかるアンテナ装置104においてbを変化させた解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。
まず、図23を用いて、アンテナ特性の解析を行った3つの解析モデルについて説明する。図23は、解析モデルの具体的な形状を示す図である。図23の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されている。なお、給電側部素子303の形状以外は、第2実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。
まず、1つ目の解析モデルは、給電側部素子303のbを5mmにしたモデルである。2つ目の解析モデルは、給電側部素子303のbを6mmにしたモデルである。3つ目の解析モデルは、給電側部素子303のbを7mmにしたモデルである。
次に、図24を用いて、上述した3つの解析モデルのアンテナ特性について説明する。図26に示すスミスチャートは、給電点309から供給される周波数信号を700〜1200MHzの範囲で変化させた場合における図25を用いて示した各解析モデルの入力インピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
1つ目の解析モデル(b=5mm)および2つ目の解析モデル(b=6mm)のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの横軸と交わっておらず、スミスチャートの上の方にずれてしまっている。これは、給電側部素子303の第1先端開放素子の延設方向への長さが十分でないために、線状素子で構成した従来のアンテナ装置と同様に、給電点309から接地点307に流れる電流による影響を抑えきれず、入力インピーダンスの誘導性が高くなっていることが原因である。一方、3つ目の解析モデル(b=7mm)のインピーダンスの軌跡は、840MHzおよび860MHzでスミスチャートの横軸と交わっており、図13に示す第2並列共振および図14に示す第2直列共振の発生を確認することができる。
上述した解析結果によれば、給電側部素子303のbが大きくなるに従って、入力インピーダンスの誘導性が小さくなっていることがわかる。そこで、本実施の形態では、3つ目の解析モデルを基準にして、b=7mmが第2共振周波数(865MHz)の波長λ=365mmを略50分の1した値であるため、給電点309から第1先端開放素子302の延設方向(接地導体306と平行方向)への長さbを第2共振周波数の略50分の1以上としている。
(第4実施の形態)
本実施の形態にかかるアンテナ装置は、給電側部素子の終端である接続点と、第1先端開放素子の始端と、を短絡素子により接続することにより、入力インピーダンスが高くなりすぎることを防止し、その結果第1共振周波数の帯域を広帯域にするものである。なお、その他のアンテナ装置の構成については、第3実施の形態とほぼ同様であるため、第3実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図25は、本実施の形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図である。短絡素子305は、給電側部素子303の終端である接続点308と、第1先端開放素子302の始端と、を接続している。
ここで、本実施の形態にかかるアンテナ装置104において短絡素子305を接続する位置を変化させた解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。
まず、図26〜28を用いて、アンテナ特性の解析を行った3つの解析モデルについて説明する。図26〜28は、解析モデルの具体的な形状を示す図である。なお、図26〜28の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されており、短絡素子305の接続位置以外は、第3実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。
図26に示す解析モデルは、第1先端開放素子302の延設方向への短絡経路301の長さを短くすることにより、短絡素子305の接続位置を接続点308から短絡経路301側にオフセットさせたモデルである。図27に示す解析モデルは、第1先端開放素子302の延設方向への短絡経路301の長さを長くすることにより、短絡素子305の接続位置を接続点308から第1先端開放素子302の延設方向にオフセットさせたモデルである。図28に示す解析モデルは、短絡素子305を接続点308に接続したモデルである。
次に、図29〜32を用いて、図26〜28に示す解析モデルのアンテナ特性の解析結果について説明する。図29は、図26に示す解析モデルに発生する共振の説明図である。図30は、図27に示す解析モデルに発生する共振の説明図である。図33は、図30に示す解析モデルに発生する共振の説明図である。図31は、図26〜28に示す解析モデルにおける第1共振周波数帯域におけるVSWR特性の解析結果を示す図である。
図29を用いて、図26に示す解析モデルにおける、第1共振周波数帯域の入力インピーダンス特性に関して説明する。短絡素子305の接続位置を接続点308から短絡経路301側にオフセットしていくと、図29に示す、第1並列共振の周波数と第1直列共振の周波数が近づきすぎてしまい、その結果、第2共振周波数帯域の入力インピーダンスが高くなりすぎてしまい、カバー帯域が狭帯域になる。
図30を用いて、図27に示す解析モデルにおける、第1共振周波数帯域の入力インピーダンス特性に関して説明する。短絡素子305の接続位置を接続点308から先端開放素子302の延設方向にオフセットしていくと、図30に示す、第3並列共振の周波数と第1直列共振の周波数が近づきすぎてしまい、その結果、第2共振周波数帯域の入力インピーダンスが高くなりすぎてしまい、カバー帯域が狭帯域になる。
以上のように、第1共振周波数帯域は、短絡素子305の位置によって、第1共振ならびに第3共振の影響を受けるが、短絡素子305の接続位置を接続点308近傍とすることによって、第1並列共振、第1直列共振、第3並列共振のバランスが最も良好となり、第1共振周波数帯域を広帯域にすることができる。
図31のVSWR特性を見ると、図28のモデルの解析結果は、図26ならびに図27の解析結果に比べ、VSWRの値が小さくなっており、第1共振周波数帯域が広帯域となっていることがわかる。このことから、短絡素子305の接続位置を接続点308近傍にすることによって、第1共振周波数帯域が広帯域になることがわかる。
(第5実施の形態)
本実施の形態にかかるアンテナ装置は、給電側部素子の接地面と近接する一辺と接地導体との間の距離を変更することにより、入力インピーダンスの誘導性を調整することが可能である。なおその他のアンテナ装置の構成については、第4実施の形態とほぼ同様であるため、第4実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図32は、本実施の形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図である。給電側部素子303は、第1先端開放素子302と接地導体306との間に設けられていると共に、接地導体306と第2共振周波数の略100分の1波長c以下離間して設けられている。例えば、第2共振周波数が860MHzである場合、給電側部素子303は、波長λ=348mmを略100分の1した値である3mm以下離間して当該接地導体306と略平行に延設されている。
ここで、本実施の形態にかかるアンテナ装置104においてcを変化させた解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。
まず、図33を用いて、アンテナ特性の解析を行った3つの解析モデルについて説明する。図33は、解析モデルの具体的な形状を示す図である。なお、図33の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されており、給電側部素子303と接地導体306との間の距離以外は、第4実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。
まず、1つ目の解析モデルは、cを1mmにしたモデルである。2つ目の解析モデルは、cを2mmにしたモデルである。3つ目の解析モデルは、cを3mmにしたモデルである。
次に、図34を用いて、上述した3つの解析モデルのアンテナ特性について説明する。図34に示すスミスチャートは、給電点309から供給される周波数信号を700〜1200MHzの範囲で変化させた場合における図33に示した各解析モデルのインピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
1つ目の解析モデル(c=1mm)は、(1)860MHzおよび(2)840Mhzでスミスチャートの横軸と交わっており、第2並列共振および第2直列共振の発生が確認できる。また、2つ目の解析モデル(c=2mm)においても、(3)855MHzおよび(4)835MHzでスミスチャートの横軸と交わっており、第2並列共振および第2直列共振の発生を示している。しかし、3つ目の解析モデル(c=3mm)は、スミスチャートの横軸と交わっておらず、第2並列共振および第2直列共振の発生を確認することができない。
本解析モデルによれば、給電側部素子303と接地導体306との間の距離を短くすることでアンテナ装置の入力インピーダンスの誘導性を小さくすることができ(容量性を大きくすることができ)、第1ならびに第2共振周波数帯域で良好なインピーダンス特性を得ることが可能となる。そこで、本実施の形態では、3つ目の解析モデルを基準にして、c=3mmが、第2共振周波数(860MHz)の波長λ=348を略100分の1した値であるため、給電側部素子303を接地導体306と第2共振周波数の略100分の1波長以下離間して設けている。
(第6実施の形態)
本実施の形態にかかるアンテナ装置は、上述した実施の形態にかかるアンテナ装置の給電側部素子の近接するように無給電素子を追加することにより、アンテナ装置をさらに多共振化するものである。なお、その他のアンテナ装置の構成については、第5実施の形態とほぼ同様であるため、第5実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図35は、本実施の形態にかかるアンテナ装置の構成を示す図である。図35に示すように、本実施の形態にかかるアンテナ装置3800は、第2先端開放素子304と接地導体306との間に逆L字状の無給電素子3801をさらに備えたものである。
ここで、本実施の形態にかかるアンテナ装置3800の解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。
まず、図36を用いて、アンテナ特性の解析を行った解析モデルについて説明する。図36は、無給電素子をさらに備えたアンテナ装置の解析モデルの概略図である。なお、図36の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されており、無給電素子3801以外の構成は、第5実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。
無給電素子3801は、給電側部素子303に近接した位置から接地導体306に対して垂直方向に延びて屈曲してから接地導体306と平行に第2先端開放素子304の延設方向に向って延びて開放される逆Lモノポールアンテナである。
次に、図37および図38を用いて、無給電素子を有しない解析モデルおよび図36に示す無給電素子を有する解析モデルのアンテナ特性について説明する。図37は、無給電素子を有しない解析モデルおよび無給電素子を有する解析モデルのVSWR特性の解析結果を示す図である。図38に示すスミスチャートは、給電点309から供給される周波数信号を700〜2500MHzの範囲で変化させた場合における図37で示した各解析モデルのインピーダンスの変化を示すスミスチャートである。
まず、図37を用いて、無給電素子を有しない解析モデルおよび図36に示す無給電素子3801を有する解析モデル3800のVSWR特性の解析結果について説明する。図37に示すように、無給電素子を有しない解析モデルおよび無給電素子3801を有する解析モデル3800は、ともに第2共振周波数(約0.9GHz)および第1共振周波数(約1.8GHz)においてVSWR値が小さくなっており、各共振周波数に良好な入力インピーダンス特性が得られていることを示している。さらに、無給電素子3801を有する解析モデル3800は、新たな共振周波数(約2.2GHz)において小さくなっており、無給電素子3801を追加したことにより共振周波数が増えたことを示している。
また、図38に示すように、無給電素子を有しない解析モデルのスミスチャートの軌跡では直列共振点が2点なのに対し、無給電素子3801を有する解析モデル3800のスミスチャートの軌跡は直列共振点が3つとなっていることからも、無給電素子3801を追加したことにより共振周波数が増えたことを示している。
このように、本実施の形態にかかるアンテナ装置によれば、上述した実施の形態にかかるアンテナ装置の給電側部素子に近接して無給電素子を追加することにより、共振周波数を増やすことができるので、アンテナ装置をさらに多共振化することができる。
(第7実施の形態)
本実施の形態にかかるアンテナ装置は、短絡経路に凸部またはインピーダンス整合用の回路を設けることにより、共振周波数の調整および当該共振周波数での入力インピーダンスを調整するものである。なお、その他のアンテナ装置の構成については、第5実施の形態とほぼ同様であるため、第5実施の形態と異なる部分のみを説明する。
まず、図39を用いて、短絡経路に凸部を設けたアンテナ装置について説明する。図39は、短絡経路に凸部を備えたアンテナ装置の構成を示す図である。
本実施の形態にかかるアンテナ装置4200の短絡経路4201は、少なくとも3点で屈曲して経路の一部に凸部4201aを備えている。本実施の形態では、短絡経路4201は、接地点307から接地導体306に対して垂直方向に延びている経路の一部において3点で屈曲した凸部4201aが形成されている。
次に、図40および図41を用いて、本実施の形態にかかるアンテナ装置4200の解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。図40は、短絡経路に凸部を備えたアンテナ装置の解析モデルの具体的な形状を示す図である。図40の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されている。図41は、図40に示す解析モデルの700〜2500MHzにおける入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
まず、図40を用いて、アンテナ特性の解析を行った解析モデルについて説明する。なお、短絡経路4201以外の構成は、第6実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。図40に示す解析モデルの短絡経路4201は、接地点307から接地導体306に対して垂直方向に延びてから第1先端開放素子302の延設方向と反対方向に屈曲してから延びる。そして、短絡経路4201は、第1先端開放素子302の延設方向と反対方向に延びて屈曲してから接地導体306に対して垂直方向に延びている。そして、短絡経路4201は、接地導体306に対して垂直方向に延びて屈曲することにより凸部を形成している。
次に、図41を用いて、図40に示した解析モデルのアンテナ特性について説明する。図41に示すように、凸部が形成された解析モデルのスミスチャートの軌跡が、凸部が形成されていない解析モデルのスミスチャートの軌跡よりもスミスチャートの中心である50Ωに近くなっていることがわかる。また、図41に示すように、凸部なしの解析モデルのインピーダンスの軌跡は、図11に示す第1並列共振および図12に示す第1直列共振によりスミスチャートの横軸と交わっていない。一方、凸部ありの解析モデルのインピーダンスの軌跡は、図11に示す第1並列共振および図12に示す第1直列共振によりスミスチャートの横軸と交わっている。
これは、短絡経路301の経路の一部に凸部が形成されてすることで短絡経路301の経路長を調整することが可能であるためである。短絡経路301の経路長を変えることで、第1並列共振ならびに第2並列共振の周波数を調整することが可能となり、これによって第1共振周波数帯域ならびに第2共振周波数帯域の入力インピーダンス特性を調整することが可能となる。
次に、図42を用いて、短絡経路の経路上にインピーダンス整合用の回路を設けたアンテナ装置について説明する。図42は、短絡経路の経路上にインピーダンス整合用の回路を備えたアンテナ装置の構成を示す図である。
本実施の形態にかかるアンテナ装置4500の短絡経路4501は、経路上にインピーダンス整合用の回路4501aを備えている。本実施の形態では、短絡経路4501は、その経路上にチップインダクタなどのインピーダンス整合用の回路4501aを備える。そして、チップインダクタの値を調整することにより、第1ならびに第2共振周波数の調整および当該共振周波数での入力インピーダンスを調整するものである。
次に、図43および図44を用いて、本実施の形態にかかるアンテナ装置4500の解析モデルおよびそのアンテナ特性の解析結果について説明する。図43は、短絡経路の経路上にインピーダンス整合用の回路を備えたアンテナ装置の解析モデルの具体的な形状を示す図である。図43の解析モデルは、第1共振周波数帯域が1.8GHz付近、第2共振周波数帯域が900MHz付近になるように設計されている。図44は、図43に示す解析モデルの700〜2500MHzにおける入力インピーダンス特性を示すスミスチャートである。
まず、図43を用いて、アンテナ特性の解析を行った解析モデルについて説明する。なお、短絡経路4501以外の構成は、第6実施の形態にかかるアンテナ装置の解析モデルとほぼ同様であるため、説明を省略する。図46に示す解析モデルは、接地点307から接地導体306に対して垂直方向に延びている経路上にチップインダクタ(L=5nH)4501aを備えている。
次に、図44を用いて、図43に示した解析モデルのアンテナ特性について説明する。図44に示すように、チップインダクタ4501aを経路上に備えている解析モデルのスミスチャートの軌跡が、周定数を経路上に備えていない解析モデルのスミスチャートの軌跡よりもスミスチャートの中心である50Ωに近くなっていることを確認することができる。また、図44に示すように、チップインダクタなしの解析モデルのスミスチャートの軌跡は、図11に示す第1並列共振および図12に示す第1直列共振によりスミスチャートの横軸と交わっていない。一方、チップインダクタありの解析モデルのスミスチャートの軌跡は、図11に示す第1並列共振および図12に示す第1直列共振によりスミスチャートの横軸と交わっている。
これは短絡経路301の経路上にチップインダクタを備え、その値を調整することにより、短絡経路に凸部を形成し、その長さを調整した場合と同様の効果が得られることを示している。よって、短絡経路301上にインピーダンス整合用の回路を備え、その値を調整することで、第1ならびに第2共振周波数の調整および当該共振周波数での入力インピーダンスを調整することができることがわかる。
(第2変形例)
ここで、図45を用いて、上述した実施の形態に様々な変形例について説明する。図45は、第1〜7実施の形態にかかるアンテナ装置の様々な変形例を示す図である。なお、アンテナ装置の構成は上述の実施の形態とほぼ同様であるため、異なる部分のみを説明する。
図45(a)は、第1先端開放素子4800の延設方向への長さが第2先端開放素子304の延設方向への長さよりも長い例である。図45(b)は、給電が必要なアンテナ素子4801をさらに追加した例である。図45(c)は、第2先端開放素子4802の始端を給電側部素子303の一角ではなく、終端側の一辺に接続した例である。図45(d)は、給電側部素子4803を歪な形状にした例である。図45(e)は、短絡素子4804に板状素子を用いた例である。図45(f)は、給電側部素子4805に線状素子を用いた例である。図45(g)は、給電側部素子4806の形状を台形状にした例である。図45(h)は、第1先端開放素子4808または第2先端開放素子4807の形状を折り曲げた形状にした例である。図45(i)は、第1先端開放素子4809または第2先端開放素子4810の形状をメアンダ形状にした例である。図45(j)は、短絡経路4811の長さを第7実施の形態に示す短絡経路4201よりもさらに長くし、折り曲げた例である。図45(k)は、第1〜7実施の形態にかかるアンテナ装置を筐体形状に合わせて折り曲げて取り付けた例である。(l)は、給電点309の位置を給電側部素子303の始端ではなく、給電側部素子303の接地導体306の接地面に近接した一辺上に設けた例である。
(第1実施例)
ここで、図46〜47を用いて、上述の実施の形態にかかるアンテナ装置に具体的な実施例について説明する。図46は、本実施例にかかるアンテナ装置の具体的な形状を示す図である。図47は、図46に示すアンテナ装置のVSWR特性の解析結果を示す図である。
まず、図46を用いて、本実施例にかかるアンテナ装置4900の構成について説明する。本実施例にかかるアンテナ装置4900は、接地点4907から延設されているL字形状の折り返しを有する短絡経路4901、短絡経路4901の終端に接続され、コの字型に折り曲げられた第1先端開放素子4902、始端が給電点4909に接続された板状素子である給電側部素子4903、給電側部素子4903の終端である接続点4908に接続された第2先端開放素子4904、第1先端開放素子4902の始端と第2先端開放素子4904とを接続する短絡素子4905、および第2先端開放素子4904と接地導体4906との間に配置された無給電素子4910を有して構成される。
次に、図47を用いて、本実施例にかかるアンテナ装置4900のVSWR特性の解析結果について説明する。
図47に示すように、本実施例にかかるアンテナ装置4900は、第1共振周波数(約1.8GHz)、第2共振周波数(0.9GHz)、および第3共振周波数(約2.3GHz)の共振周波数帯域においてVSWR値が3以下の値を示しており、各共振周波数において良好な入力インピーダンス特性が得られていることがわかる。
このように、本実施例にかかるアンテナ装置4900によれば、上述の実施の形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。なお、本実施例にかかるアンテナ装置4900は、平面状に素子のパターンが構成される平面アンテナであり、第3世代携帯電話に搭載されるものであって、800MHz帯(825〜960MHz)と2GHz帯(1710〜2170MHz)をカバーするものである。
(第2実施例)
ここで、図48〜49を用いて、上述の実施の形態にかかるアンテナ装置に具体的な実施例について説明する。図48は、本実施例にかかるアンテナ装置の具体的な形状を示す図である。図49は、図48に示すアンテナ装置のVSWR特性の解析結果を示す図である。
まず、図48を用いて、本実施例にかかるアンテナ装置5200の構成について説明する。本実施例にかかるアンテナ装置5200は、接地点5207から延設されている経路上にチップインダクタ(L=5nH)5201aを備えた短絡経路5201、短絡経路5201の終点に接続された第1先端開放素子5202、始端が給電点5209に接続された板状素子である給電側部素子5203、給電側部素子5203の終端に接続された第2先端開放素子5204、第1先端開放素子5202の始端と接続点5208近傍とを接続する短絡素子5205、および第2先端開放素子5202と接地導体5206との間に配置された無給電素子5210を有して構成される。
次に、図49を用いて、本実施例にかかるアンテナ装置5200のVSWR特性の解析結果について説明する。
図49に示すように、本実施例にかかるアンテナ装置5200は、第1共振周波数(約1.8GHz)、第2共振周波数(0.9GHz)、および第3共振周波数(約2.3GHz)の共振周波数帯域においてVSWR値が3以下の値を示しており、各共振周波数において良好な入力インピーダンス特性が得られていることがわかる。
このように、本実施例にかかるアンテナ装置5200によれば、上述の実施の形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。なお、本実施例にかかるアンテナ装置5200は、平面状に素子のパターンが構成される平面アンテナであり、第3世代携帯電話に搭載され、800MHz帯(825〜960MHz)と2GHz帯(1710〜2170MHz)をカバーするものである。