JP4901845B2 - 接触子、電気端子、電気回路 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態1に係る接触子10の構成図である。
図1(a)は正面をやや斜め上から見た正面斜視図、図1(b)は側面をやや斜め上から見た側面斜視図、図1(c)は接触子10を電極などの電気接点の錫めっき20に接触させる様子を示す斜視図である。
接触子10の側面には、アーチ状の曲面部が形成されている。上面の右辺と底面の右辺は、このアーチ状の曲面部で接続されている。同様に、上面の左辺と底面の左辺も、アーチ状の曲面部で接続されている、アーチ曲面部に沿った方向を、接触子10の長手方向とする。
したがって、接触子10の上面側を錫めっき20に対して垂直に圧接すると、錫めっき20を押し出す圧力が、接触子10のアーチ曲面部に沿った方向(長手方向)により強く発生する。
即ち、図1(c)に示す矢印の「長手方向」に示す方向に、より強い押し出し圧力が発生することになる。以下、この強い押し出し圧力の作用について説明する。
図2(a)は接触子30と錫めっき20の斜視図、図2(b)は同上面図である。
接触子30の底面が錫めっき20を押圧すると、錫めっき20の表面が僅かに凹み、接触子30の周辺に凹部21が形成される。特に、上述のように図2(b)の矢印で示す向きに強い押し出し圧力が発生するため、凹部21は、底面の各辺から弓形に張り出した形状で形成される。
一方、上述のように、図2(b)の矢印で示す向きに強い押し出し圧力が発生しているため、錫ウィスカ40を構成する原子も、同方向に向かって押し出される。したがって、錫ウィスカ40の成長方向も、同矢印と略一致する。
即ち、接触子と電気接点が接触した際の押し出し圧力の向きが、隣接する電気接点に向かわないように構成する。これにより、錫ウィスカが発生したとしても、成長方向が隣接電気接点に向かっていないため、錫ウィスカが隣接する電気接点に到達する可能性が低くなり、ショート等の不具合を抑えることができるのである。
図2〜図3で説明したように、本実施の形態1に係る接触子10は、ウィスカの発生位置および成長方向を制御することができる。
そこで、ウィスカの成長方向を、隣接する錫めっき20に向かわないように調整し、仮に錫ウィスカ40が発生しても、錫ウィスカ40が隣接する錫めっき20に接触しないようにする。
これにより、錫ウィスカ40が発生しても、少なくとも隣接する錫めっき20に直接向かう方向に錫ウィスカが成長することはないので、錫めっき20間がショートする可能性を抑えることができる。
図5は、本発明の実施の形態2に係る接触子10の構成図である。
図5(a)は正面をやや斜め上から見た正面斜視図、図5(b)は上面図、図5(c)は側面図、図5(d)は接触子10を電極の錫めっき20に接触させる様子を示す斜視図である。
接触子10の正面および背面のうち頂部に近い部分は、頂部に向かって先細り形状となるように傾斜をつけて切断されている。
接触子10のアーチ曲面に沿った方向を、接触子10の長手方向とする。
そのため、接触子10の頂部を錫めっき20に対して垂直に圧接すると、錫めっき20を押し出す圧力が、接触子10のアーチ曲面に沿った方向(長手方向)により強く発生する。これにより、実施の形態1と同様の効果を発揮する。
図6は、本発明の実施の形態3に係る電気端子100の構成を示す斜視図である。
電気端子100は、カード型の第2電気端子200を差し込むスロット120を備えている。電気端子100に第2電気端子200を差し込むと、5本の電気配線からなる電気回路が形成される。
電気接触子110のうち少なくとも1つは、実施の形態1〜2のいずれかで説明した接触子と同様の構成を備えている。また、電気接触子110には、電気配線が接続されており(図示せず)、第2電気端子200との間で電気信号を送受信する。
なお、図6では、電気接触子110を模式的に球体で表したことを付言しておく。
各電気接点210は、第2電気端子200がスロット120に差し込まれた際に、対応する各電気接触子110と接触して電気的に導通する。
各電気接点210には、電気配線が接続されており、電気端子100との間で電気信号を送受信する。また、各電気接点210は、無鉛錫めっきなどの金属皮膜で表面が覆われている。
図6および図7に示すように、電気接触子110間は遮断されていない。同様に、電気接点210間も、遮断されていない。
なお、ここでいう「遮断されていない」とは、電気接触子110と電気接点210との接点近傍でウィスカが発生した際に、このウィスカが成長して隣接する電気接触子110や電気接点210に到達する経路が存在していることをいう。
そこで、実施の形態1で説明した接触子の構成を採用し、電気接触子110と電気接点210の接触面でウィスカ40が発生しても、成長方向が隣接する電気接触子110等に向かわないようにする。
これにより、ウィスカ40が発生しても、電気接触子110や電気接点210がショートする可能性を抑えることができる。
この場合は、図6〜図7で説明した構成と異なり、各電気接触子110や電気接点210から隣接する電気接触子110等に至る経路が存在しない。そのため、仮にウィスカ40が発生しても、ショートが発生するおそれはない。
そのため、接触子間等を遮断するための部材や加工などのコストを押さえ、安価に安全な電気回路を構成することができる。
電気接点を形成する金属皮膜は、近年の鉛フリー化の促進を背景に、無鉛錫めっきで形成されている場合があると考えられるが、これ以外の材質で電気皮膜が形成されている場合でも、実施の形態1〜2で説明した接触子の構成は、一定の効果を発揮することを付言しておく。
Claims (12)
- 電気接点に接触して電気的に導通する接触子であって、
前記電気接点と接触する接触部は、
当該接触部の上面側を電気接点に対して垂直に圧接すると、
所定方向に向かう接触圧力が他方向の接触圧力より高くなる形状を有する
ことを特徴とする接触子。 - 前記接触部は、長手方向が前記所定方向と略一致する先細り形状を有する
ことを特徴とする請求項1記載の接触子。 - 前記接触部は、
側面がアーチ状に形成され上面が底面より小さい角錐台形状を有する
ことを特徴とする請求項2記載の接触子。 - 前記接触部は、
正面および背面が頂部に向かって先細り状に形成されたアーチ形状を有する
ことを特徴とする請求項2記載の接触子。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の接触子を備えた
ことを特徴とする電気端子。 - 前記電気接点の長手方向と前記所定方向が略一致するように前記接触子を配置した
ことを特徴とする請求項5記載の電気端子。 - 他の電気端子と接続して電気的に導通する電気端子であって、
前記他の電気端子が備える電気接点と接触する複数の電気接触子を備え、
前記電気接触子のうち少なくとも1つは、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の接触子を用いて構成されており、
前記接触子と、前記接触子に隣接する前記電気接触子との間は、遮断されていない
ことを特徴とする電気端子。 - 請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の電気端子と、
前記電気端子と接続する第2電気端子と、
を備えたことを特徴とする電気回路。 - 前記第2電気端子は、前記電気接触子と接触する複数の電気接点を備え、
前記第2電気端子が備える電気接点間は遮断されていない
ことを特徴とする請求項8記載の電気回路。 - 前記第2電気端子が備える電気接点は、
金属皮膜を略均一の厚さで塗膜して形成されている
ことを特徴とする請求項8または請求項9記載の電気回路。 - 前記金属皮膜は錫を用いためっきで形成されている
ことを特徴とする請求項10記載の電気回路。 - 前記金属皮膜は無鉛錫めっきで形成されている
ことを特徴とする請求項11記載の電気回路。
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