JP4901631B2 - ドップラー反応度係数の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明はドップラー反応度係数の測定方法に関し、特に原子炉特性調査工事を利用してドップラー反応度係数を直接測定するドップラー反応度係数の測定方法に関する。
発電用原子炉、例えば加圧水型炉(以下、原則として「PWR」と記す)においては、安全かつ経済的な運転を確保するために、各サイクルの運転に先立って、燃焼度が相違する、ひいては反応度等が相違する各燃料集合体を炉心内にどの様に配置するか、炉心の自己制御性が充分か否か等の種々の事項を検討する炉心設計が行なわれる。
さらに、各運転サイクルの間に行なわれる定期検査において、次のサイクルを運転する炉心の炉物理的な特性を測定し、評価するために原子炉特性調査工事(起動時炉物理試験)が実施されている。この工事により、例えば設計された炉心が所定の操作で臨界に達するか否か、炉心に対する制御棒動作時の反応度の変化や減速材温度が変化したときの反応度変化等が測定され、炉心設計の妥当性の確認がなされている。
ここに、自己制御性とは、何らかの原因で炉心の反応度が変化すれば、ひいては温度が変化すれば、炉内に逆の方向に作用する現象が自然に発生するという性質、いわゆる反応度フィードバックを指し、原子炉の安全運転を担保する極めて重要な要素である。PWRにおける自己制御性は、燃料の温度変化による原子炉の反応度の変化、即ち燃料温度の反応度係数と、減速材の温度変化による原子炉の反応度の変化、即ち減速材温度の反応度係数とが何れも負であること(温度が上昇すれば反応度が低下する様に作用する)により発揮される。なお、沸騰水型炉(以下、原則として「BWR」と記す)においては、その他に、温度が高くなれば冷却水中の気泡が増加するため、冷却水で減速される中性子が減少する現象(効果)により発揮される。
前記燃料温度の反応度係数は、ドップラー効果と言われる現象による。ドップラー効果とは、温度が上昇すれば燃料中に存在する核種の中性子の共鳴吸収が増加するため、核分裂に寄与する中性子が減少し、その結果炉心の反応度が低下する現象であり、単位温度あたりの反応度への寄与をドップラー反応度係数と言う。特に、現行型軽水炉のウラン燃料中の大部分を占めるU238については、中性子の共鳴吸収が大きく、効果が大きい。この効果は、原子炉の温度が上昇すれば、逆に温度が低下する様に作用するだけでなく、減速材と異なり燃料の温度変化によるため時間応答が速く、BWRと異なり冷却水の気泡の増加による効果が無いPWRでは、安全運転に極めて重要な役を担うものとされている。
発電用の原子炉における燃料温度の変化と反応度の関係については、核燃料の温度変化と中性子吸収の関係を測定することにより得られた核燃料のドップラー反応度係数のデータ等を用いて設計が行なわれている。但し、原子炉特性調査工事においては、燃料の温度を直接測定することが困難なこと、燃料の温度を変化させれば減速材の温度等他のパラメータも変化すること等のため、燃料温度の反応度係数の直接的な測定は行なわれておらず、等温温度係数測定実験と設計時の核特性解析値との組合せによる解析的な確認が行なわれている(特許文献1の段落0003から0004)。
しかし、原子炉の安全運転のより一層の確実化を図るためには、炉心設計が正しくなされていることを検証する一環として、ドップラー反応度係数を直接測定することが好ましい。特にPWRでは、ここ数年の内にMOX燃料や高燃焼度燃料を本格的に燃やすことが計画されているため、一層重要である。
外国では、研究炉において燃料の温度変化と反応度の変化の関係、即ち燃料温度の反応度係数の直接的な測定が、1950年代に幾つか行なわれている。これらは、高速中性子が少ない軟スペクトル条件の下で金属ウランまたは酸化ウラン製の小型球の温度を上昇させ、反応度の変化を測定するものである(非特許文献1、同2)。
また、国内においては、2005年に日本原子力研究開発機構のFCA(高速炉の臨界実験装置。非常に小型の原子炉)にて、軟スペクトル場で酸化ウラン燃料またはMOX燃料のみを装荷し、温度を上昇させ、反応度の変化を測定することが行なわれている(非特許文献3)。
但し、前記の実際の原子炉等を対象として行われた測定で得られたデータは、データベースの充実や汎用核設計コードの検証としては重要であるが、実測が行なわれた原子炉は非常に小型であり、発電用原子炉とは形状や構造が大きく異なる。このため、より高い精度が求められる大型の発電用原子炉を対象とした炉心設計や炉心設計コード等への検証効果は、直接的ではなく間接的に得られている。
このため、発電用原子炉を対象として、特にPWRを対象としてドップラー反応度係数を直接的に測定する技術の開発が長く望まれてきたが、近年本願発明の発明者の一人である辻によりようやくその方法が開発された(特許文献1)。
この方法は、基本的には等温温度反応度係数測定法と動特性同定法を組合せて燃料温度の反応度係数の測定(炉出力が低い状態であり、ドップラー反応度係数の測定となる)を行うものであり、凡そ以下の手順(ステップ、工程)による。
なお、ここに「等温温度反応度係数」とは、燃料温度のみの(燃料温度で偏微分した)反応度係数と減速材温度のみの(減速材温度で偏微分した)反応度係数の和をいう。
最初に、原子炉が臨界かつほぼ零出力状態における温度変化による原子炉の反応度係数の変化である等温温度反応度係数を求める。
次いで、制御棒を引抜くことにより外部反応度を添加し、炉出力を所定量、例えば1%程度増加させる。
この際、外部添加反応度、中性子炉外検出器応答、冷却材(減速材)入口温度、冷却材(減速材)平均温度の時間の経過による変化を測定し、これらについての時系列データを採取する。
また、中性子炉外検出器の応答をディジタル反応度計に入力して原子炉の反応度の時間応答を求める。
得られた時系列データから、動特性同定法を用いて燃料温度の反応度係数を求める。
具体的には、数値フーリエ変換し、周波数応答伝達関数に代入し、この応答関係を充たすドップラー反応度係数を最小自乗フィッティング法(基本的には最小自乗法)により求める。
なお、減速材温度反応度係数は、等温温度反応度係数からドップラー反応度係数を差引く事で求められる。
なおここに、動特性同定法とは、既知の関数u(t)を、全てまたは一部が未知の関数に関数g(t)に入力したときの出力の関数x(t)が既知である場合に、u(t)とx(t)から、例えばそれらの挙動、周波数応答から入出力を関係付ける伝達関数G(s)を推定し、g(t)を求める(関数方程式を解く)方法である。
特開2006−84181号公報 E.Creutz,et.al."Effect of Temperature on Total Resonance Absorption of Neutrons by Spheres of Uranium Oxide"、J.Apple.Phys.26、276(1955) R.M.Pearce et.al."A Direct Measurement Uranium Metal Temperature Coeeficient of Reactivity"、Nucl.Sci.Eng.,2,24(1957) JAERI−Research、2005−026、日本原子力研究開発機構発行
しかしながら、前記のドップラー反応度係数を直接的に測定する方法は、数値フーリエ変換が、即ち周波数データへの変換が必要であり、不連続データへの適用が困難である。その結果、測定値そのものに大きな揺らぎや雑音混入が生じる制御棒バンクの移動、NIS(炉外中性子検出器)のレンジ切替え等が煩雑になされると適用が大変困難となる。
また、冷却材(減速材)入口温度を測定する必要があるが、現在の炉物理試験時の測定項目には無いためふさわしくない。
このため、不連続データへの適用が可能であり、また測定も容易である原子炉のドップラー反応度係数の測定方法の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、未臨界の状態から初期反応度ρinを印加した後、一定炉周期で炉出力を上昇させ、この一定炉周期に対応する反応度ρ(一定炉周期反応度、即ち炉心が未臨界から臨界になった際に、一定速度で出力が上昇した際に加わる反応度)の変化から反応度フィードバックの寄与を読取るものである。
なおここに、炉周期とは、原子炉の出力がe(約2.718)倍となる時間のことである。
この際、以下のことに着目するものである。
未臨界、従って炉の出力が極めて低い状態では、原子炉の自己制御が作用しない。
一定炉周期反応度は、未臨界の状態における反応度に無関係にほぼ一定である。なおこれについては、実測とシミュレーション解析が最も一致する組合せを調べることにより確認した。
さらに、反応度フィードバックの寄与を読取る手段として、ρinとρを、フィードバックが効きにくい低出力領域でシミュレーション解析し、実測したNIS信号を再現させる値を探索して決定する。
測定の際に行う具体的な手順としては、データの採取、採集した中性子束データからのγ線の影響の除洗、反応度フィードバック寄与成分の抽出、到達上限炉出力の決定、燃料棒平均温度の算出、ドップラー反応度係数の推定の6段階のステップからなる。以下、各ステップの内容を順に、数式を用いて詳しく説明する。
(前提)
測定の前提として、その対象となる原子炉は、出力領域の炉外中性子束検出器、冷却水平均温度等が時系列データとして測定可能であり、炉心特性解析を行うのに必要なデータは揃っているものとする。従って、例えば一点炉動特性パラメータβi、λi(ここに、iは6群の遅発中性子。i=1、・・・、6)、燃料棒温度のインポータンス出力加重平均補正係数{一点炉動特性モデルから算出される燃料棒の体積加重平均値から中性子束分布と随伴中性子束(中性子インポータンス)分布で加重された平均温度を換算する係数}、制御棒バンク操作履歴等は、別途の理論解析等からかなり正確な値または凡その値が判明していたり、運転記録から取得可能であったりする。さらに、本測定に先立って実施される等温温度係数測定試験から、等温温度反応度係数(=ドップラー反応度係数+減速材温度反応度係数)も既知である。
以上の他、測定対象である燃料のドップラー反応度係数を含む各種の係数、初期の未臨界度等も、凡その値は設計時の理論解析、従来からの経験等で判明している。またこのため、誤差関数を基本的には試行錯誤法で評価する際にも、これらの凡その値を初期値として入力したり、その近辺の値を入力したりすることが多くなる。
(データの採取ステップ)
未臨界の状態の原子炉(PWR)から制御棒を所定量引抜いて臨界かつ僅かな出力状態とし、この際の中性子束と減速材平均温度の一連の変化を時系列データとして連続採取する。なお、この際の未臨界度ρsubは、制御棒を所定量引抜くことにより与えた印加反応度ρinと一定炉周期反応度ρから逆算可能である。
また、商用炉においては、未臨界時においても多少の出力がある。
さらに、臨界状態とは、核分裂を原因として炉内で発生する中性子数と炉内での吸収と炉外への漏れを原因として消滅する中性子数が等しい(実効増倍率が1)平衡状態を指し、炉内の(熱)出力はこの平衡状態がどの中性子数レベルで実現されるかによって決まる。
(中性子束データからのγ線の除洗)
前記の如く、炉の出力が定格時に比べて極めて小さく、このため中性子束が小さい状態の原子炉における中性子束の変化を時系列データとして採取する場合には、そのままでは中性子測定器からの制約が生じる。即ち、炉内には使用済み核燃料が在るが、一般的に使用されているNIS(中性子検出器)は、この使用済み核燃料に由来するγ線に対しても反応する。そして、この使用済み燃料に由来するγ線の線量は、零出力試験時においてもほぼ一定のレベルで存在する。一方、零出力試験時に炉内で発生する中性子束は、炉出力が小さいため低レベルである。その結果、零出力試験時においては、採取したデータのバックグラウンド、あるいはγ線による雑音(ノイズ)を無視できないからである。なお、炉出力が多少大きくなれば、炉内で発生する中性子が増加するため、γ線の影響は小さくなり、無視してよいこととなる。
そこで、零出力試験時においては、電離箱を使用して得られた中性子のデータからγ線による影響、即ち誤って中性子として採取されたγ線による成分(雑音)を、γ線による成分は炉出力に対して一定という性質を用いて除洗する。但し、将来建設されるPWR等であって、中性子をγ線の影響なく直接測定することが可能となる措置がなされていれば、この操作は不必要となる。
その具体的方法は、先ず炉出力に対応している中性子束を電流のデータに変換して取得する。次いで、取得したデータを基に、以下の(1)式で表される解析値と実測値の誤差を示す誤差関数E(g,ρ)を定義する。そして、γ線の混入率(初期炉出力信号に対する混入雑音成分の比)gをX軸にとり、一定炉周期反応度ρをY軸にとり、誤差関数E(g,ρ)をZ軸方向にとる。さらに、gとρをパラメータとして用い、E(g,ρ)の値が最小となる点gとρの組合せを求める(この様に、基本的には最小自乗法に則って、誤差関数が最小となるパラメータの値を試行錯誤的に求める操作を、「フィッティング」とも記す)。この様にして求めたgの値が、実際のγ線の混入割合となる。
なおここに、誤差関数が対数(ln)となっているのは、炉出力は時間に対して指数的に増大することを考慮したものである。
また、(1)式におけるパラメータおよび誤差関数の表記は、この限りではない。
Figure 0004901631
ここに、Pは炉出力であり、上添え字のsは解析値、mは測定値であり、tは時間であり、Nはデータ数であり、tはデータiに対応した時間であり、0は初期値(t=0)を表し、炉心は未臨界である。炉出力の測定値としては、NIS信号と炉出力が比例関係にあるとしてNIS信号を使用する。
なお、上記解析に必要な炉出力応答が反応度フィードバックの寄与が小さい低出力領域であること、また初期出力に対する炉出力応答の相対変化のみが必要であることから、解析ではこの条件を満足させる限り初期炉出力P は任意に設定してよい。炉出力の絶対値応答は後述する処理法で決定する。
γ線が除洗された出力データを実測のNIS信号から再構成すると、以下の(2)式のように求められる。
Figure 0004901631
また、これより炉出力の変化幅Rzmは、初期出力P (0)と到達上限出力P g,max[max{P (t)}]から、以下の(3)式により求められる。
なお、前記のごとく商用炉では、未臨界の状態でも炉出力が多少あるため、(3)式の分母は0ではない。
Figure 0004901631
なお、(1)式から一定炉周期反応度ρが求まるため、初期未臨界度ρ subを基本とする様な反応度測定において、(4)式により初期未臨界度ρ subを精度良く求めることができる。
Figure 0004901631
この際、初期印加反応度ρinは、制御棒の動作前後の位置から解析的に、あるいは実験的に推定できる。
(反応度フィードバック寄与成分の抽出)
γ線が除洗された炉出力の時系列データから、一点炉動特性方程式に対する逆動特性法より反応度ρの時系列データを求める。反応度フィードバック寄与成分Δρfdは、(5)式のように反応度変化ρ(t)からρinを差し引くことで求める。
Figure 0004901631
一方、反応度フィードバック寄与成分Δρfdは、共に負であるドップラー反応度係数αと減速材温度反応度係数αの寄与の合計であり、以下の(6)式で表される。
Figure 0004901631
ここに、αitcは等温温度反応度係数であり、ΔTf,avは燃料棒平均温度の変化量であり、ΔTc,avは減速材の平均温度の変化量である。
ドップラー反応度係数αに関する反応度寄与成分Δρfc{(6)式右辺第一項目の成分}は、以下の(7)式のように表すことができる。この成分は、(5)式から求めたΔρfdと、測定された減速材平均温度の変化量ΔTc,avと、等温温度反応度係数αitcから求められる。
Figure 0004901631
一方、Δρfcは燃料棒平均温度と(8)式のように関係づけられているので、燃料棒平均温度が評価できるならば、ドプラー係数αを推定できる。
Figure 0004901631
燃料棒平均温度変化ΔTf,av(t)は、炉出力変化が既知であれば、減速材平均温度Tc,av(t)が実測されているので燃料棒熱伝導方程式から評価することができる。即ち、一般のPWRでは、炉心の入口付近と出口付近には各々冷却材(減速材)温度を測定するためのセンサーが取り付けられており、これらのセンサーが測定した値は平均化回路を経て冷却材(減速材)温度として出力されている。
しかし、NIS信号をγ線除洗した信号からは、初期出力と最大到達出力の比Rzmは決定できるものの、その出力の絶対値は決定できない。この場合、減速材炉心入口温度が一定であるか、あるいは測定されているならば、実測された減速材平均温度Tc,avから炉心入口温度と出口温度の差を評価することで、炉出力を求めることができる。しかし、炉出力変更時には、炉心側からの熱供給と冷却ループ蒸気発生器2次側からの除熱の一時的なアンバランス状態が生じるため、この影響が炉心入口温度の変化となって現れ、炉心入口温度一定の仮定を適用できない。
また、既に建造され、運転履歴がある原子炉の炉心入口に新しく温度センサーを取付け、減速材の炉心入口の温度を時系列データとして精度良く測定するためには、新たな計測装置の導入などが必要となる。
従来の計測体系でドップラー反応度係数を測定するため、図1に示したようなPWRの一次冷却閉ループにおける除熱モデルを原子炉動特性シミュレーションモデルに組み込みこんで炉出力変化の絶対値を求める。
(一次冷却ループ除熱モデル)
図1において、10は炉心であり、20は蒸気発生器であり、30は冷却水循環ポンプであり、41は原子炉出口側配管であり、42は原子炉入口側配管であり、矢印は減速材(冷却水)の流れを示し、太い白矢印は熱の流れを示す。
一次冷却ループの除熱挙動を模擬するシミュレーションモデルは、原子炉出口側配管部と原子炉入口側配管部のそれぞれの冷却水平均温度、蒸気発生器1次側冷却水平均温度、冷却ポンプ車室内の冷却水平均温度についての熱輸送方程式やエネルギー保存方程式から構成される。
(到達上限炉出力の決定)
一次冷却閉ループでの冷却特性を決定づける最も重要なパラメータは、蒸気発生器の1次側から2次側への伝熱に関する時定数τsg,12であり、これを決定しなければならない。
材料試験炉、臨界実験装置等の小型の原子炉と異なり、発電用の大型の原子炉、例えばPWRは蒸気発生器の様な熱交換器を有しているため、中性子束データのピークの到達時間と冷却水等の減速材の温度のピークの到達時間とには、時間差が生じるのが普通である。この時間差と時定数τsg,12とに直接的な関係が存在すること、さらに到達上限出力と減速材平均温度Tc,avの最大到達温度に強い相関が見られることに着目して、到達上限出力とτsg,12を決定する。
出力と温度の測定値のピーク時刻の差異を最小自乗法で評価するために、初期出力P{=P(0)}と伝熱に関する時定数τsg,12をパラメータとして、(9)式に示す誤差関数を導入した。(9)式において、上添え字のsは解析値を示し、mは測定値を示す。
Figure 0004901631
ここで、tは減速材平均温度Tc,avの最大温度到達時間であり、ΔTc,avは最大温度到達時の温度変化幅(未臨界の状態からの温度上昇値)である。
この誤差関数E(τsg,12,P)が最小となる条件を、即ち減速材の最大温度到達時刻と減速材の平均温度の最大上昇幅が共に実測値と等しくなる時定数τsg,12および初期出力Pの値を、前記(1)式の場合と同様に求める。到達上限炉出力Pmaxは、誤差関数Eが最小となる(τsg,12,P)のときのシミュレーション解析から求められた最大到達炉出力とする。Pは(3)式から再評価する。
なお、(9)式のパラメータおよび誤差関数の表記はこの限りではない。
(燃料棒平均温度変化の決定)
上記の方法で決定した最大到達炉出力Pmaxと出力変更幅Rzmを用いて、γ線雑音除洗処理をしたNIS信号から初期出力から最大到達炉出力までの炉出力応答を決定する。燃料棒平均温度に関する熱伝導方程式に、炉出力応答と実測した減速材平均温度Tc,avを代入することで、燃料棒平均温度変化ΔTf,av(t)を決定する。
(実効燃料平均温度の算出)
燃料の平均温度は炉出力に応じて昇降し、さらにその温度変化は減速材に比較して大きくかつ速やかである。燃料の温度変化に対する反応度の応答を調べる一次摂動理論を導入した場合、平均燃料温度変化ΔTf,av(t)は、以下の(10)式に示す様なインポータンス出力加重平均ΔTl,ip f,av(t)として与えられる。
なおここで一次摂動理論を用いたのは、摂動理論は、微小な変化を与え、その変化の影響を考慮する理論であるため、摂動の無い基本式に補正量を適用する手法として優れており、さらに補正は補正項として一次の項を近似した一次摂動理論が一般的であり、炉物理試験時においては、燃料の温度変化が微小であるので、摂動理論がふさわしいと判断したことによる。
Figure 0004901631
一方、一点炉動特性モデルで算出される平均燃料温度変化ΔTf,av(t)は、(11)式に示す様な体積加重平均値である。
Figure 0004901631
定格運転時には、炉心上部の減速材(冷却水)は炉心下部の減速材に比べて温度が高く、密度は小さいため、炉心上部は炉心下部に比べて燃焼が進んでいない。このため、零出力試験時のように出力が小さい場合には、炉心の上部と下部では減速材密度差は小さく、一方炉心の上部には燃え残りの燃料が多くなっているため、中性子束分布(φ)は炉心上部に偏り、このため中性子束分布とほぼ比例関係にある出力分布も炉心上部に偏り、これにともない燃料の(燃料棒の)温度も炉心の上部で大きく変化する。すなわち、炉心上部は中性子束(φ)が大きく、中性子インポータンス分布(φ)も高くなっている。このため、インポータンス出力加重平均は、体積加重平均値に比較して高く評価される。そこで、冷却材(減速材)流路方向の中性子束分布(含む、随伴中性子束分布)の空間依存性を考慮した一次元(流路方向)動特性シミュレーションコードを用いて導かれた(12)式で示される補正係数を定義し、体積加重平均からインポータンス出力加重平均の燃料の平均温度上昇の補正係数値cipを推定する。
Figure 0004901631
(ドップラー反応度係数の算出)
ドップラー反応度係数から定義される誤差関数を、(13)式に示す。この誤差関数が最小となるドップラー反応度係数αが、測定されたドップラー反応度係数である。
Figure 0004901631
また、誤差関数の評価に際しては、NISのレンジ切替えの影響が無い時期、反応度フィードバック効果が顕著に現れる上限値確認後の制御棒挿入操作直前までの測定値を使用する。
以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
未臨界または臨界になった状態の炉心に反応度を印加して炉出力を一定炉周期で所定量上昇させ、その際の中性子束を時系列データとして測定する中性子束時系列データ測定ステップと、
未臨界または臨界になった状態の炉心に反応度を印加して炉出力を一定炉周期で所定量上昇させ、その際の炉内の減速材の平均温度を所定の手順で時系列データとして取得する炉内減速材平均温度時系列データ取得ステップと、
測定された中性子束の時系列データから、一点炉動特性方程式に対する逆動特性法を用いて反応度の時系列データを取得する反応度時系列データ取得ステップと、
前記取得された炉内減速材平均温度の時系列データと中性子束の時系列データを基に、所定の手順で前記2つの時系列データに整合する炉出力の時系列データを取得する炉出力時系列データ取得ステップと、
取得した炉出力の時系列データと所定の動特性モデルを用いて取得された所定平均の燃料温度の時系列データを得る燃料温度時系列データ取得ステップと、
取得した反応度の時系列データと印加した反応度を用いて反応度フィードバック寄与成分の時系列データを求める反応度フィードバック寄与成分の時系列データ取得ステップと、
前記炉内の減速材平均温度の時系列データと、前記所定平均の燃料温度の時系列データと、等温温度反応度係数と、前記反応度フィードバック寄与成分の時系列データを用いて、所定の手順でドップラー反応度係数を求めるドップラー反応度係数取得ステップを有していることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本発明により、不連続データへの適用が可能であり、また測定も容易である原子炉のドップラー反応度係数の測定が可能となる。
ここに、「炉心」とは、現在の炉物理試験時に測定すること、処理するデータが少なくなること等の面から、臨界に極めて近い状態の未臨界(炉心がいわゆる初期未臨界の状態)であるのが原則であるが、これに限定されるものではない。また、最初は未臨界であっても、測定のために炉出力を一定炉周期で上昇させれば当然臨界状態あるいはそれ以上の状態となる。
また、「炉出力を一定炉周期で所定量上昇させ」の所定量とは、実際に原子炉を定格で運転している状態におけるドップラー反応度係数を測定するという面からは、出来るだけ定格出力に近い、即ち大きければ大きいほど好ましいが、原子炉特性調査工事中等の試験であること、計器や測定そのものから生じる制約等のため実際には1%以内である。
また、「時系列データ」とは、起動時から所定量の出力までの時間の経過に沿って測定されたデータであるが、必ずしも全時間のデータでなくてもよく、中性子束測定器のレンジ切替え後30秒程度、制御棒バンクの移動後最大100秒間等における好ましくないデータが排除されていてもよい。さらに、サンプリング間隔は、解析の精度と計算するデータ量の兼ね合い等から0.001秒間隔でサンプリングするのが望ましいが、必ずしもこれに限定されず、アナログデータを排除するものでもない。
また、「炉内減速材平均温度時系列データ取得ステップ」における「所定の手順」とは、原子炉出口側冷却配管部と原子炉入口側冷却配管部に設置したそれぞれの温度センサーの測定値を平均化回路を通すことで平均化した値(結果)を求めることを指す。
また、炉出力時系列データ取得ステップにおける「所定の動特性モデル」とは、通常用いられている一点炉動特性モデルや炉心解析コード等を指す。
また、「所定平均の燃料温度」は、一次摂動理論やその他の解析で得られた値、経験値等を使用する。
また、「所定平均」とは、例えば「インポータンス加重平均」等である。
また、「等温温度反応度係数」とは、零出力試験時において、燃料温度のみの(で偏微分した)反応度係数と減速材温度のみの(で偏微分した)反応度係数の和を言う。
請求項2に記載の発明は、前記のドップラー反応度係数の測定方法であって、
前記中性子束測定ステップにおける中性子束の時系列データの測定は、中性子束と共にγ線を測定するものであり、
前記反応度時系列データ取得ステップは、測定された中性子束の時系列データからγ線の影響を除洗する除洗手順を有し、さらにγ線の影響が除洗された中性子束の時系列データから一点炉動特性方程式に対する逆動特性法を用いて反応度の時系列データを求めるものであることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明においては、現在稼働中のPWRにおいて、電離箱等の簡単な測定装置を用いて、炉出力の低い段階での中性子束を正確に測定することが容易となる。
請求項3に記載の発明は、前記のドップラー反応度係数の測定方法であって、
前記除洗手順は、反応度フィードバックの寄与が小さい低出力領域での炉出力応答について、一定炉周期反応度とγ線の混入割合をパラメータとして所定の原子炉動特性方程式を用いて求めた時間的変化解析値と、実測された中性子束の時系列データ中のこの炉出力応答に相当する時間的変化部分とを用いて定義されるものであって、両者の差を対数値で表す誤差関数を、最小自乗法を用いて評価し、誤差関数の値が最も小さくなる一定炉周期反応度とγ線の混入割合の組合せを求め、その組合せを構成するγ線の混入割合を真のγ線の混入割合とするものであることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明においては、中性子束に密接に関係する炉出力の解析値と実測値の差に関係する誤差関数の差が最も小さくなる様なγ線の混入割合を採用するため、正確にγ線の混入割合を、ひいては真の炉出力を得ることが可能となる。
なお、「反応度フィードバックの寄与が小さい低出力領域の時系列データ」とは、定格出力の1%以内の出力における時系列データであり、その様な領域のデータを採用するのは、反応度フィードバックの影響を補正せずにγ線の混入割合を正確に求めることが出来るからである。
請求項4に記載の発明は、前記炉内減速材平均温度時系列データ取得ステップは、未臨界または臨界になった状態の炉心に反応度を印加して炉出力を一定炉周期で所定量上昇させる際の減速材平均温度を時系列データの形で取得するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明においては、例えば減速材(冷却水)の蒸気発生器の出口と入口の温度と減速材循環ポンプからの入熱とを計算データとして用いる等の所定の手順に沿って処理を行い、その結果として中性子束の時系列データと時間的に整合した炉内の減速材の温度の時系列データを求めるため、温度測定用のセンサーの設置が困難な炉内(原子炉)への冷却水入口温度を測定することなく炉内の冷却材(減速材)の温度を測定することが可能となる。またこのため、既に建設されている原子炉におけるドップラー反応度係数の直接的な測定が容易となる。
なお、前記「データとして」とは、これは減速材配管からの放熱等をも考慮することを排除するものではない。
また、炉内減速材の入口(低い)と出口(高い)の温度等、他の温度を求めてもよい。
請求項5に記載の発明は、前記のドップラー反応度係数の測定方法であって、
前記炉出力時系列データ取得ステップにおける所定の手順は、蒸気発生器の1次側から2次側への伝熱に関する時定数と初期の炉出力をパラメータとし、{1−(減速材平均温度の最大温度への到達時間の解析値/減速材平均温度の最大温度への到達時間の測定値)}+{1−(減速材平均温度の最大到達温度の解析値/減速材平均温度の最大到達温度の測定値)}で表される誤差関数の値が最小となる前記時定数と初期の炉出力の組合せを求めることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明においては、誤差関数の値が最小となる時定数と初期の炉出力の組合せを探索し、その探索結果を基に最適な時定数と到達上限炉出力を求めるため、請求項4の発明における炉内減速材の平均温度の評価が正確になる。
また、到達上限出力値の絶対値と初期出力から到達上限出力までの出力変更幅が決定できるため、γ線を除洗したNIS信号から絶対値で表される炉出力応答を求めることができ、さらに求められた炉出力応答と実測された減速材温度から正確な燃料棒平均温度の時系列データを求めることができる。
請求項6に記載の発明は、前記のドップラー反応度係数の測定方法であって、
前記燃料温度時系列データ取得ステップは、炉出力の時系列データと燃料棒平均温度に関する熱伝導方程式を用いて算出された体積加重平均の燃料温度に、零出力状態の減速材流路方向の中性子束および随伴中性子束(中性子インポータンス)の分布を考慮して作成した補正係数を用いて修正を行ない、一次摂動理論に適合した所定平均の燃料温度の時系列データを得るものであることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明においては、燃料温度の時系列データに、炉出力の時系列データと燃料棒平均温度に関する熱伝導方程式を用いて算出された体積加重平均の燃料温度に、零出力状態の減速材流路方向の中性子束および随伴中性子束(中性子インポータンス)の分布を考慮して作成した補正係数を用いて修正を行ない、一次摂動理論に適合した所定平均の燃料温度の時系列データを得る様にしているため、燃料温度の評価が正確となる。
請求項7に記載の発明は、前記のドップラー反応度係数の測定方法であって、
前記所定平均とはインポータンス出力加重平均であり、
前記ドップラー反応度係数取得ステップにおける所定の手順とは、「反応度寄与成分=ドップラー反応度係数×(インポータンス出力加重平均の燃料温度の時系列データを用いて得られた燃料温度の変化量−炉内減速材の平均温度の変化量)+等温温度反応度係数×減速材温度変化」という数式を用いるものであることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明においては、正確な式を用いるため、正確なドップラー反応度係数の推測がなされることとなる。
なお、「インポータンス出力加重平均」とは、中性子束分布と出力分布とがほぼ比例するとして、中性子インポータンス分布と中性子束分布とによる加重平均を指す。
請求項8に記載の発明は、前記のドップラー反応度係数の測定方法であって、
前記ドップラー反応度係数取得ステップにおける所定の手順はさらに、ドップラー反応度係数をパラメータとし、採取したデータに対して、{1.0−ドップラー反応度係数×(インポータンス出力加重平均の燃料温度の時系列データを用いて得られた燃料温度の変化量−炉内減速材の平均温度の変化量)/ドップラー反応度係数に関する反応度寄与成分}で定義される誤差関数の値が最小となるドップラー反応度係数を実際のドップラー反応度係数と推定するものであることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法である。
本請求項の発明は、ドップラー反応度係数をパラメータとし、誤差関数の値が最小となるドップラー反応度係数を得るため、得られたドップラー反応度係数の精度が良好となる。
本発明により、不連続データへの適用が可能であり、また測定も容易である原子炉のドップラー反応度係数の測定が可能となる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本実施の形態は、既設のPWRを対象にして実測により得られたデータを処理し、その原子炉のドップラー反応度係数を測定したものである。
(解析系)
炉心特性の解析は、一点炉動特性シミュレーションモデル、一次元(冷却水の流路方向)動特性シミュレーションモデルで行い、この際炉出力が小さいため炉心の半径方向出力分布は平坦と仮定した。
(測定系)
図2に、本実施の形態における機器構成を含めた測定系を概念的に示す。図2において、11と12は炉外中性子束検出用の電離箱であり、21と22は熱電対等の温度センサーあり、31は電流計であり、50は微小電流計であり、51は直流増幅器であり、52は端子台であり、53はA/D変換ボード(ノートPC)である。
また、破線は計測用の信号線を示す。
AD変換器の分解能は、−10〜+10V/16bitであった。
データのサンプリングの時間間隔は、0.001秒であり、測定時間は2600秒であった。
以上の他、ローパスフィルター、アンプ等も使用した。
(測定データの選択)
制御棒バンクの移動後最大100秒の間は、制御棒の移動による出力分布の空間変化が生じ、NIS信号にも影響が生じるため、この影響がある時間領域の応答は、フィッティングの(解析の)対象としていない。
また、未臨界から定格の1%程度まで炉出力を上昇させるため、NISの測定レンジ(測定対象の桁数)を切替える必要があるが、切替え後約30秒はその影響が出るため、フィッティングの対象としていない。
さらに、蒸気発生器2次系の動作環境が比較的安定していると考えられる上限値確認のピーク前までのデータを使用した。
(測定した時系列データ)
制御棒を操作して、初期未臨界のPWRを臨界にし、さらに僅かに出力を上げ、その際の中性子束と減速材温度を測定した。
図3に、実測で得られた中性子束の時系列データを示す。図3において、縦軸が電流(A)に変換された中性子束であり、横軸はデータ取り込み開始からの経過時間である。なお、以降の物理量の時系列データを示す図においても、縦軸に物理量を、横軸にデータ取り込み開始からの経過時間を示す。
図4に、同じく減速材平均温度の時系列データを示す。図3と比較すれば、最大値のピークに約50秒の遅れが発生しているのが判る。理論解析から、この時間遅れは蒸気発生器の徐熱特性に拠るものであり、蒸気発生器の1次側から2次側への熱伝達(伝熱)に関する定数τsg、12が支配的影響を持ち、τsg、12が大きければ遅れも増大することが判った。また、τsg、12は34秒程度と判明した。
(γ線の除洗)
得られた中性子束データから、(1)式より、γ線の混入割合g=0.78、一定炉周期反応度ρ=46.6pcmと言う数値が求められた。求められたγ線の混入割合gを用いて、(2)式から得られた出力の時系列データを、図5に示す。図5において、縦軸は定格出力に対する炉出力Pの比を示し、実線はγ線を除洗後の中性子束を基に得られた炉出力Pの時系列データであり、破線は除洗前の中性子束を基に得られた炉出力Pの時系列データである。なお、破線は、基本的には電流値で示した図3と同じである。
図5において、炉出力Pが小さい領域では、測定した中性子束には、γ線の影響が大きく出ていることが判る。
また、炉出力の変化幅は、約220倍であった。
図5の炉出力Pの時系列データに対応して(4)式と(6)式から求められた2つの反応度フィードバック寄与成分を示す。図6の600〜800秒の辺りにおいて、上側はドップラー反応度係数のフィードバック寄与成分Δρfcであり、下側の線は減速材の反応度係数のフィードバック寄与成分Δρfdである。
(到達上限炉出力の決定)
図1に示すモデルを対象にして、前記(一次冷却ループ除熱モデル)で説明した手法を用いて、τsg,12=34s、P=3.77×10−4%/定格出力と求められ、到達上限炉出力Pmax=8.35×10−2%/定格出力となった。また、それらの値を用いて減速材の平均温度Tc,avの時系列データを求めた。結果を、図7に示す。図7において、実線が計算値であり、破線が測定値である。フィッティング対象となるピーク到達時間以前の応答において、ピーク到達時刻およびピーク値を含めて、測定値と計算値に差異は認められない。
(燃料平均温度の算出)
測定した中性子束分布から、(12)式を用いてインポータンス加重平均の燃料の(燃料棒の)平均温度変化の補正係数値cipを求めた結果、1.296となった。なお、中性子束は、ドップラー効果であるため高速群を用いたが、熱中性子を用いても結果に差は生じなかった。さらに、この値を用いて、インポータンス加重平均の燃料の温度を求めた。
(ドップラー反応度係数の推定)
(13)式により、誤差関数が最小となるドップラー反応度係数αを推定した結果、α=−3.2[pcm/K]となり、設計値と有効数字2桁で一致する。
PWRの一次冷却閉ループの熱収支のバランスを概念的に示す図である。 測定系を概念的に示す図である。 実測で得られた中性子束の時系列データを示す図である。 実測で得られた減速材平均温度の時系列データを示す図である。 γ線を除洗する前後の出力の時系列データを示す図である。 2つの反応度フィードバック寄与成分の時系列データを示す図である。 減速材の平均温度の時間による変化を示す図である。
符号の説明
10 炉心
11 電離箱
12 電離箱
20 蒸気発生器
21 温度センサー
22 温度センサー
30 冷却水循環ポンプ
31 電流計
41 原子炉出口側配管
42 原子炉入口側配管
50 微小電流計
51 直流増幅器
52 端子台
53 A/D変換ボード(ノートPC)

Claims (8)

  1. 未臨界または臨界になった状態の
    炉心に反応度を印加して炉出力を一定炉周期で所定量上昇させ、その際の中性子束を時系列データとして測定する中性子束時系列データ測定ステップと、
    未臨界または臨界になった状態の炉心に反応度を印加して炉出力を一定炉周期で所定量上昇させ、その際の炉内の減速材の平均温度を所定の手順で時系列データとして取得する炉内減速材平均温度時系列データ取得ステップと、
    測定された中性子束の時系列データから、一点炉動特性方程式に対する逆動特性法を用いて反応度の時系列データを取得する反応度時系列データ取得ステップと、
    前記取得された炉内減速材平均温度の時系列データと中性子束の時系列データを基に、所定の手順で前記2つの時系列データに整合する炉出力の時系列データを取得する炉出力時系列データ取得ステップと、
    取得した炉出力の時系列データと所定の動特性モデルを用いて取得された所定平均の燃料温度の時系列データを得る燃料温度時系列データ取得ステップと、
    取得した反応度の時系列データと印加した反応度を用いて反応度フィードバック寄与成分の時系列データを求める反応度フィードバック寄与成分の時系列データ取得ステップと、
    前記炉内の減速材平均温度の時系列データと、前記所定平均の燃料温度の時系列データと、等温温度反応度係数と、前記反応度フィードバック寄与成分の時系列データを用いて、所定の手順でドップラー反応度係数を求めるドップラー反応度係数取得ステップを有していることを特徴とするドップラー反応度係数の測定方法。
  2. 前記中性子束測定ステップにおける中性子束の時系列データの測定は、中性子束と共にγ線を測定するものであり、
    前記反応度時系列データ取得ステップは、測定された中性子束の時系列データからγ線の影響を除洗する除洗手順を有し、さらにγ線の影響が除洗された中性子束の時系列データから一点炉動特性方程式に対する逆動特性法を用いて反応度の時系列データを求めるものであることを特徴とする請求項1に記載のドップラー反応度係数の測定方法。
  3. 前記除洗手順は、反応度フィードバックの寄与が小さい低出力領域での炉出力応答について、一定炉周期反応度とγ線の混入割合をパラメータとして所定の原子炉動特性方程式を用いて求めた時間的変化解析値と、実測された中性子束の時系列データ中のこの炉出力応答に相当する時間的変化部分とを用いて定義されるものであって、両者の差を対数値で表す誤差関数を、最小自乗法を用いて評価し、誤差関数の値が最も小さくなる一定炉周期反応度とγ線の混入割合の組合せを求め、その組合せを構成するγ線の混入割合を真のγ線の混入割合とするものであることを特徴とする請求項2に記載のドップラー反応度係数の測定方法。
  4. 前記炉内減速材平均温度時系列データ取得ステップは、未臨界または臨界になった状態の炉心に反応度を印加して炉出力を一定炉周期で所定量上昇させる際の減速材平均温度を時系列データの形で取得するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のドップラー反応度係数の測定方法。
  5. 前記炉出力時系列データ取得ステップにおける所定の手順は、蒸気発生器の1次側から2次側への伝熱に関する時定数と初期の炉出力をパラメータとし、{1−(減速材平均温度の最大温度への到達時間の解析値/減速材平均温度の最大温度への到達時間の測定値)}+{1−(減速材平均温度の最大到達温度の解析値/減速材平均温度の最大到達温度の測定値)}で表される誤差関数の値が最小となる前記時定数と初期の炉出力の組合せを求めることを特徴とする請求項4に記載のドップラー反応度係数の測定方法。
  6. 前記燃料温度時系列データ取得ステップは、炉出力の時系列データと燃料棒平均温度に関する熱伝導方程式を用いて算出された体積加重平均の燃料温度に、零出力状態の減速材流路方向の中性子束および随伴中性子束(中性子インポータンス)の分布を考慮して作成した補正係数を用いて修正を行ない、一次摂動理論に適合した所定平均の燃料温度の時系列データを得るものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドップラー反応度係数の測定方法。
  7. 前記所定平均とはインポータンス出力加重平均であり、
    前記ドップラー反応度係数取得ステップにおける所定の手順とは、「反応度寄与成分=ドップラー反応度係数×(インポータンス出力加重平均の燃料温度の時系列データを用いて得られた燃料温度の変化量−炉内減速材の平均温度の変化量)+等温温度反応度係数×減速材温度変化」という数式を用いるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のドップラー反応度係数の測定方法。
  8. 前記ドップラー反応度係数取得ステップにおける所定の手順はさらに、ドップラー反応度係数をパラメータとし、採取したデータに対して、{1.0−ドップラー反応度係数×(インポータンス出力加重平均の燃料温度の時系列データを用いて得られた燃料温度の変化量−炉内減速材の平均温度の変化量)/ドップラー反応度係数に関する反応度寄与成分}で定義される誤差関数の値が最小となるドップラー反応度係数を実際のドップラー反応度係数と推定するものであることを特徴とする請求項7に記載のドップラー反応度係数の測定方法。
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