JP4900997B2 - 新規脱ロウ助剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑油製造工程において溶剤脱ロウ法で使用する脱ロウ助剤に関するものであり、特に脱ロウ工程において含ロウ炭化水素油と脱ロウ助剤を脱ロウ溶剤に溶解させて冷却し、含ロウ炭化水素油に存在するワックスを析出させ、析出したワックスを液体/固体分離方法により分離を行ない、脱ロウ油を生成させる溶剤脱ロウ法で使用する脱ロウ助剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に原油から炭化水素油を製造するには、まず原油を常圧蒸留し、その残油を更に減圧蒸留することにより、低粘度から高粘度までの各種含ロウ炭化水素油及び減圧蒸留残油に分離する。また、減圧蒸留残油からこれらをさらに溶剤脱れき処理し、アスファルト分を除去することにより、最も粘度の高い含ロウ炭化水素油であるブライトストックを製造することが出来る。
【0003】
こうして得られた各種粘度の含ロウ炭化水素油は、溶剤抽出、水素化精製及び脱ロウの組み合わせ、又は水素化分解、溶剤抽出、水素化精製及び脱ロウの組み合わせ等、一連の処理工程にかけられ、炭化水素油となる。
【0004】
これら上記の製造工程のうち脱ロウ工程は、含ロウ炭化水素油中のロウ分を除去し、低流動点の炭化水素油を製造する工程を言う。
【0005】
工業的に脱ロウ工程を行なう場合は途中プレスろ過を行なう時がある。この場合、含ロウ炭化水素油を溶剤不存在下で冷却しワックスを析出させて、これをプレスろ過する。一般的にプレスろ過工程を含む脱ロウ法では、粘度による制限のためライト系含ロウ炭化水素油しか処理できない。そのため、一般的には、ライト系、ヘビー系等の処理が可能な溶剤脱ロウ法が用いられる。溶剤脱ロウ法は、含ロウ炭化水素油,脱ロウ溶剤及び脱ロウ助剤を溶解し冷却を行ないながらワックスを析出させ、スラリーを形成させる。このスラリーを固体/液体分離機(ろ過、遠心分離等)に供給し、分離後脱ロウ溶剤を取り除き脱ロウ油を得る。
【0006】
溶剤脱ロウ法に使用する脱ロウ溶剤は、炭化水素類(プロパン、プロピレン、ブタン、ペンタンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びその混合物)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン)、ケトン類と芳香族炭化水素との混合物(MEK/トルエン及びアセトン/ベンゼン)がある。
【0007】
溶剤脱ロウ工程で処理能力の制限する因子にスラリーからのワックスろ過速度がある、この速度は析出したワックスの結晶構造により影響を受ける。析出したワックスの結晶構造は、脱ロウ工程における操作条件によって影響される。特に冷却速度、攪拌速度、冷却温度等条件の変化により同じ含ロウ炭化水素油でも析出したワックスの寸法、結晶構造、結晶中における油等の状態は著しく変化し、ろ過速度及び脱ロウ油の収率に影響を及ぼす。特に含ロウ炭化水素油がブライトストックの場合、ワックス結晶は微細であるためろ過による分離において、ろ過速度低下、脱ロウ油収率の減少、微細結晶の通過による脱ロウ油の流動点上昇、フィルターの目詰まり等、度々トラブルを生じてきた。ろ過速度及び脱ロウ油収率向上には種々のプロセス上の改良が行なわれているが容易な操作でかつ効果の大きな方法に脱ロウ助剤を添加する方法が実施されている。特にプロパン脱ロウのような自己冷却式の脱ロウ法では脱ロウ助剤を添加することが必須とされてきた。
【0008】
脱ロウ助剤には、これまで下記の技術が公知の技術となっている。特公昭45−15379、特公昭49−26922、特開昭54−11104には、エチレン酢酸ビニル共重合物とポリアルキルアクリレートもしくは、ポリアルキルメタアクリレートとの混合使用による効果が記載されている。特開昭45−15379、特公昭49−46361、特開昭53−129202には、アルキルナフタレン縮合物、もしくはポリアルキルメタアクリレートとの混合の使用よる効果が記載されている。特開昭53−121804、特開昭53−121803には、α−オレフィン重合体、またはα−オレフィンと酢酸ビニルとの共重合体の使用よる効果が記載されている。特開昭40−4210、特開昭54−123102、特開昭57−30792、特開平7−316567には、ポリアルキルアクリレートの使用よる効果が記載されている。特開昭55−89392には、ポリビニルピロリドンの使用よる効果が記載されている。特開昭60−217218、特開昭61−247793には、フマル酸ジアルキルと酢酸ビニルとの共重合体の使用よる効果が記載されている。特公平7−116454には、炭素数10〜26個のアルキル鎖長を有し数平均分子量3,000〜500,000のポリアルキルアクリレートと炭素数10〜20個のアルキル鎖長を有し数平均分子量5,000〜200,000ポリアルキルメタアクリレートの混合による使用が記載されている。
【0009】
これらの従来技術のうち、特公昭49−26922、特開昭54−11104、特開昭53−121804、特開昭53−121803、特開昭60−217218、特開昭61−247793では反応性の二重結合を持つ化合物(反応性モノマー)と酢酸ビニルとの共重合物の脱ロウ助剤としての使用が示されている。酢酸ビニル基をもつ化合物は、熱等により分解し、酢酸を生成することがある。酢酸は、鉄はもとよりSUS等の金属に対し腐食性もつため、装置に対する不安材料となる場合がある。
【0010】
また、特開昭45−15379、特公昭49−46361ではアルキルナフタレン縮合物の脱ロウ助剤としての使用が示されている。アルキルナフタレン縮合物は、一般に塩素化パラフィンを原料にし、フリーデルクラフツ反応によって得られるため、これに含有される塩素分は皆無とはいえない。近年あらゆる分野で塩素フリーの製品が強く望まれるようになってきている。
【0011】
さらに、特公平7−116454では、ポリアルキルアクリレートのアルキル基部分の炭素数16以上が50%以上であるが、このようにポリアルキルアクリレートの混合量が比較的多くなると助剤自身の流動点が高くなり取扱いが困難になる。またプロパン脱ロウでは、あまり充分な効果は得られなかった。
【0012】
加えて、従来技術に記載のポリアルキル(メタ)アクリレートの脱ロウ助剤としての使用では、ライト系、ヘビー系、ブライトストック全ての含ロウ炭化水素油に対し充分な効果があるとは言えず、さらに有効な助剤が求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする問題は、従来技術で記載した脱ロウ助剤を用いた脱ロウ方法では含ロウ炭化水素油の種類により汎用性がなく、又はこれらの化合物が構造上・製造上回避することができない短所(塩素を含有していること、分解時の生成物が装置を腐食すること等)が存在することにある。つまり、従来技術の助剤を用いた脱ロウ方法、例えばポリアルキル(メタ)アクリレートまたはこれらの混合物の使用では、単独でライト系・ヘビー系・ブライトストック含ロウ炭化水素油のすべてに効果が認められるものではなく、このため製造上塩素化合物を含有することを回避できないアルキルナフタレン縮合物または構造上分解時に低分子酸を遊離する可能性のある反応性モノマー/酢酸ビニル共重合物の使用が必要になってしまう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、これら上記の問題を解決するため鋭意検討した結果、溶剤脱ロウ法において、ライト系はもとより、ヘビー系,ブライトストックなどすべての含ロウ炭化水素油に対しても効果を示し、つまりは、ろ過速度・脱ロウ油収率を向上させる事ができる、という発見に達した。
【0015】
すなわち本発明は、含ロウ炭化水素油及び脱ロウ助剤を脱ロウ溶剤に溶解し、冷却することによりワックスを析出させ、析出したワックスを液体/固体分離方法により除去し脱ロウ油を得るという脱ロウ方法に使用される脱ロウ助剤であって、下記化合物(1)の存在下で下記化合物(2)を重量平均分子量で60,000乃至1,500,000の範囲で重合して得ることを特徴とした脱ロウ助剤に関する。
化合物(1);化1で示されるブロックまたはランダム共重合体
化合物(2);アルキル基の炭素数が6乃至22のアルキル(メタ)アクリレート
化1
Figure 0004900997
式中、Xは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2乃至4の炭化水素基、Rは炭素数1乃至22の炭化水素基、m及びnは1乃至60,000の整数を示す。
【0016】
本発明の脱ロウ助剤が効果を示す脱ロウ方法は、溶剤脱ロウ法である。たとえば、常温で気体の炭化水素類(プロパン、プロピレン、ブタン、ブテンなど)を使用する脱ロウ方法、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等及びその混合物)を使用する脱ロウ方法、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)を使用する脱ロウ方法、ケトン類と芳香族炭化水素との混合物(MEK/トルエン、アセトン/ベンゼン等)を使用する脱ロウ方法等である。
【0017】
化合物(1)は、式1で示されるブロックまたはランダム共重合体であるが、さらに詳細に説明すると、化1に記載のR1の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が考えられる。化1に記載のR2の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基、エチレン基、プロピレンン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基、ドコシレン基等が考えられる。
【0018】
化1に記載のRは単一であっても良いが、複数の炭化水素基が混在していても良い。たとえば、エチレンとプロピレンの共重合構造、エチレンとブチレンの共重合構造、プロピレンとブチレンの共重合構造をもつことが可能であり、エチレンとプロピレンとブチレンの共重合構造をもつことも可能である。
【0019】
同様に、化1に記載のXは水素原子またはメチル基の単一でも、水素原子とメチル基が混在していても良い。また、Rについても単一であっても、複数の炭化水素基が混在していても良い。つまり、アルキル炭素数の異なるアクリレートとメタクリレートの共重合構造をもつことも可能である。
【0020】
化合物(2)はアルキル基の炭素数が6乃至22のアルキル(メタ)アクリレートであるが、これは単一であっても混合物であっても良い。一般的な例としては、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクレート、エイコシル(メタ)アクレート、ドコシル(メタ)アクリレート等とこれらの混合物があげられる。
【0021】
上記化合物(1)と化合物(2)の存在質量比率は、化合物(1):化合物(2)で示した時、2:98〜80:20の範囲内であることが、性能上望ましい。
さらに、化1においてm:nが3:1乃至50:1の範囲であることが望ましい。分子量が大きく、mの比率が非常に大きいと含脱ロウ炭化水素油または脱ロウ溶剤への溶解性が悪化することがある。
【0022】
また、実使用上好ましくは、式1中の炭化水素基Rが水素原子であり、さらに好ましくは式1中の炭化水素基Rが水素原子でありRがエチル基の化合物である。この化合物は、エチレンとエチルアクリレートとの共重合物であり、この化合物が実使用上有利である理由は、すでにコマーシャルベースで生産されているために、比較的安価で入手でき、製品の物性が安定しているという点にある。
【0023】
さらに、化1で示されるブロックまたはランダム共重合体の重量平均分子量は60,000乃至1,500,000であることが好ましい。重量平均分子量が60,000より小さい時は、脱ロウ助剤としての性能が発揮できない場合があり、重量平均分子量が1,500,000より大きい時は、含脱ロウ炭化水素油または脱ロウ溶剤への溶解性が悪化する。
【0024】
本発明の脱ロウ助剤は、本発明の化合物(1)の存在下にて化合物(2)を重合するというものであるが、この方法を経て得られた脱ロウ助剤の特徴は、単純に化合物(1)と化合物(2)の重合物を併用した場合と比較し、さらなる性能の向上(ろ過速度・脱ロウ油収率の向上)することにある。
【0025】
化合物(1)と化合物(2)の反応機構は現在明らかでない。しかし単なる混合物と異なり、何等かの反応または相互作用を起こしていることが下記の事実から推測される。
【0026】
例えば、本発明の化合物(1)は本発明の化合物(2)との溶解性が比較的悪いことが多い。具体的には本発明の化合物(1)と本発明の化合物(2)を100℃まで加熱し、混合しても、その後70℃にて、長時間静置すると化合物(1)と化合物(2)が分離し沈降物が生じることがある。しかしながら、本発明の脱ロウ助剤は、70℃にて数ヶ月放置しても成分の分離や沈降は見られず、相溶性の改善も観測されている。
【0027】
この現象により、化合物(1)と化合物(2)を単に併用するのに比べて、装置面でもメリットが現れる。つまり、化合物(1)と化合物(2)を単に併用するには、貯蔵設備が各1基(計2基)必要になってしまうが、相溶性が改善された本脱ロウ助剤の貯蔵設備は1基で充分である。
【0028】
化合物(1)分子と化合物(2)分子との反応または相互作用の形態を推測すると、たとえば、化合物(1)の主鎖と化合物(2)の主鎖が部分的に互いに絡み合っていることが考えられ、また化合物(1)の3級炭素に結合した水素が引き抜かれ、そこに化合物(2)が部分的にグラフトされていることも推測できる。上記の反応または相互作用物が化合物(1)と化合物(2)の相溶化剤としての働きをして、互いの相溶性を高めているものと推測する。
【0029】
本発明の脱ロウ助剤の特徴は、一般的にエチレンとアルキル(メタ)アクリルレートを原料として合成されるため、塩素分を含有せず、環境にやさしい。さらには、万一熱等により分解した場合でも、化合物(1)・(2)共に構造上遊離する低分子化合物はアルカノールであり、装置に対する腐食性はほとんど皆無と言える。
【0030】
本発明品を得るためには様々な方法がある。たとえば、化合物(1)としては、アルキル(メタ)アクリレートとオレフィンを一般的な触媒で共重合して得る方法があるが、エチレン・エチルアクリレート共重合物(EEA)としては既製品に、三井デュポンポリケミカル製の「EVAFLEX EEA」・日本ユニカー製の「NUCコポリマーEEA」等がある。
【0031】
式1中のR2(炭化水素基)の炭素数は、エチレン及び希望する炭素数の炭化水素基及び水酸基をもつ化合物と(メタ)アクリル酸とのエステルを共重合物することによって制御できるが、上記のEEAと希望する炭素数をもつアルコールとのエステル交換反応によって、変化させることも可能である。たとえば、炭化水素基R2の炭素数を18にする場合は、EEAとステアリルアルコールを既存技術の方法でエステル交換して得ることもできる。
【0032】
化合物(2)は、例えば炭素数6乃至22のアルコールと(メタ)アクリル酸をエステル化反応して容易に得られる。この時の反応条件等は既存技術の範疇であるが、一例をあげると、反応温度は概ね60〜140℃程度であり、平衡反応をエステル化に向けるため、反応系内を減圧にすることが望ましい。また、エントレーナーの使用は任意であり、触媒はパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の酸性触媒を一般的に用いる事が多い。エステル化するアルコールは、天然産のアルコール、合成系のアルコールまたはこれらの混合物が考えられる。天然産アルコールのアルキル基の主成分炭素は偶数であり、合成系アルコールのアルキル基の主成分炭素は偶数と奇数の混合物である。
【0033】
上記に例をあげた化合物(1)の存在下で、化合物(2)すなわち、アルキル基の炭素数が6乃至22のアルキル(メタ)アクリレートを重合して得られる。この時、化合物(1)は均一の溶解状態になっていることが必要である。均一の溶解状態とは、例えば加熱によって化合物(1)が溶融している状態であり、また、反応性を持たない鉱油等に均一溶解している状態等である。
【0034】
重合方法は従来技術による任意の方法である。たとえば、過酸化物またはアゾビス系の化合物を開始剤として用いるラジカル重合や、加熱による熱重合によることも可能である。但し、重量平均分子量を60,000乃至1,500,000の範囲にするために、温度等の反応条件、連鎖移動剤の使用を考慮しなければならない。一般に反応温度を高くすると重量平均分子量は下がり、反応温度を低くすると重量平均分子量は上がる。また、連鎖移動剤を添加すると重量平均分子量は下がる。以上の傾向を利用することにより、重量平均分子量を規定の範囲にすることは容易である。
【0035】
上記によって得られた高分子は、取扱いが容易なようにするために、脱ロウ助剤との反応性を持たない鉱油等で10〜80%の濃度に希釈を行なうことが好ましい。
【0036】
本発明に関する脱ロウ助剤の添加方法は、冷却前に含ロウ炭化水素油中に均一に溶解されていれば特に限定はされず、脱ロウ溶剤中にあらかじめ溶解しておくことも作業効率の点で好ましい。
【0037】
尚、本発明に関する脱ロウ助剤は、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を添加しても良い。脱ロウ性能上(ろ過速度、脱ロウ油収率向上の点で)併用可能と考えられるものとしては、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルキルアクリレートとアルキルメタクリレートのコポリマー、アルキルナフタレン縮合物、エチレンと酢酸ビニルの共重合物等が考えられる。
【0038】
特にポリアルキル(メタ)アクリレートは塩素分を含まず、かつ分解時に低分子酸を遊離しないという点で有用である。さらに、本発明品とポリアルキル(メタ)アクリレート併用することは、固液分離時のろ過性・脱ロウ油の収率を、本発明品単独で使用した時と比較して向上させる場合があり、推奨できる
【0039】
【発明の実施の形態】
含ロウ炭化水素油を脱ロウ溶剤に溶かし本発明の脱ロウ助剤を添加し均一にし加熱する。次いで、混合物を所定の温度まで冷却する、この冷却において析出ワックス、脱ロウ油、脱ロウ溶剤、脱ロウ助剤から成るスラリーを生成させ、次いでスラリーをろ過によりワックス分離を行ない、脱ロウ溶剤を除去することにより脱ロウ油を得る。この時のろ過速度、脱ロウ油収率を測定し脱ロウ助剤の性能を評価した。
【0040】
【実施例】
以下に化合物(1)の例、化合物(2)の例、実施例、比較例、試験方法をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの化合物(1)の例、化合物(2)の例、実施例、比較例、試験方法に限定されるものではない。
【0041】
化合物(1)の例1
三井デュポンポリケミカル社製「EVAFLEX EEA」は本発明の化合物(1)の範疇である。「EVAFLEX EEA」を本発明の化合物(1)−1とした。
【0042】
化合物(1)の例2
日本ユニカー社製「NUCコポリマーEEA」は本発明の化合物(1)の範疇である。「NUC EEA」を本発明の化合物(1)−2とした。
【0043】
化合物(1)の例3
三井デュポン社ポリケミカル製「EVAFLEX EEA」に、ステアリルアルコールを添加し、圧力0.01kPa、温度230℃でエタノールを除去しつつエステル交換反応を行なった。この操作によって得られた化合物を本発明の化合物(1)−3とした。
【0044】
化合物(2)の例1
アルキル基の炭素数12乃至18(C12=24質量%、C14=23質量%、C16=27質量%、C18=25%)アルキルメタアクリレートは本発明の化合物(2)の範疇である。このアルキルメタアクリレートを本発明の化合物(2)−1とした。
【0045】
化合物(2)の例2
アルキル基の炭素数12乃至18(C12=24質量%、C14=23質量%、C16=27質量%、C18=25%)アルキルアクリレートは本発明の化合物(2)の範疇である。このアルキルアクリレートを本発明の化合物(2)−2とした。
【0046】
化合物(2)の例3
アルキル基の炭素数6乃至22(C6=5質量%、C8=5質量%、C10=10質量%、C12=15%、C13=10質量%、C14=15質量%、C15=15%、C16=10質量%、C18=13質量%、C20=1%、C22=1%)のアルキルメタアクリレートは本発明の化合物(2)の範疇である。このアルキルメタアクリレートを本発明の化合物(2)−3とした。
【0047】
化合物(2)の例4
アルキル基の炭素数6乃至22(C6=5質量%、C8=5質量%、C10=10質量%、C12=15%、C13=10質量%、C14=15質量%、C15=15%、C16=10質量%、C18=13質量%、C20=1%、C22=1%)のアルキルアクリレートは本発明の化合物(2)の範疇である。このアルキルアクリレートを本発明の化合物(2)−4とした
【0048】
実施例1
攪拌装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応容器に、本発明の化合物(1)−1を10g及び鉱物油50gを仕込み、窒素を吹き込みながら、攪拌しつつ100℃に昇温し、同温度にて2時間攪拌を続け、本発明の化合物(1)−1完全に溶解した。加熱をやめ、窒素吹き込み・攪拌を継続し、本発明の化合物(2)−1を40g仕込み、さらに1時間窒素での脱気をおこなった。この時の温度は約70℃であった。これに、過酸化物系の開始剤を0.1g投入し、120℃まで過熱し5時間この温度を保持した。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量(ポリスチレンキャリブレーションによるGPC測定、以下にしめした重量平均分子量はすべて同じ方法にて測定)は21万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(A)とした。
【0049】
実施例2
実施例1に記載の本発明の化合物(1)−1を本発明の化合物(1)−2に変えた以外は実施例1と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は20万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(B)とした。
【0050】
実施例3
実施例1に記載の本発明の化合物(1)−1を本発明の化合物(1)−3に変えた以外は実施例1と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は19万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(C)とした。
【0051】
実施例4
実施例1に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−2に変えた以外は実施例1と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は20万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(D)とした。
【0052】
実施例5
実施例1に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−3に変えた以外は実施例1と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は20万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(E)とした。
【0053】
実施例6
実施例1に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−4に変えた以外は実施例1と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は21万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(F)とした。
【0054】
実施例7
実施例2に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−2に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は22万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(G)とした。
【0055】
実施例8
実施例2に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−3に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は21万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(H)とした。
【0056】
実施例9
実施例2に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−4に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は20万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(I)とした。
【0057】
実施例10
実施例3に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−2に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は21万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(J)とした。
【0058】
実施例11
実施例3に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−3に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は20万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(K)とした。
【0059】
実施例12
実施例3に記載の本発明の化合物(2)−1を本発明の化合物(2)−4に変えた以外は実施例2と同じ条件で反応を行なった。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は19万であった。この化合物を本発明の脱ロウ助剤(L)とした。
【0060】
比較例1
アルキル基の炭素数12乃至18(C12=24質量%、C14=23質量%、C16=27質量%、C18=25%)アルキルメタアクリレート50部と鉱油50部を攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間十分に窒素置換を行ない、開始剤を添加し、100℃に加熱し、同温度で8時間熟成することにより、重量平均分子量40万のポリアルキルメタクリレートを得た。この操作によって得られた化合物を比較の助剤(M)とした。
【0061】
比較例2
反応容器中へ、塩素化パラフィンとナフタレンを投入し60〜65℃で加熱を行ない、そこへ触媒である無水塩素化アルミニウムを30分間で連続的に滴下した。添加後数分すると、塩酸ガスを激しく発生して反応したが、触媒滴下後5時間でスチームを導入し触媒を分解させた。トルエンを加えてアルミニウムイオンが無くなるまで温塩酸5%水溶液、温水、1%炭酸水素ナトリウム水溶液で良く洗った。残存する水は、トルエンと共沸脱水して除き無水の状態にした。このとき有機塩素を多少含有していたのでエチレンジアミンを0.5%加えてトルエンの沸点で還流させながら2時間反応させた。その後、冷却して中性となるまで水洗し、トルエンを溜去することにより平均分子量40,000のアルキルナフタレン縮合物を得た。この操作によって得られた化合物を比較の助剤(N)とした。
【0062】
比較例3
化合物(1)の例1に記載の化合物(1)−1を比較の助剤(O)とした。
【0063】
比較例4
化合物(1)の例2に記載の化合物(1)−2を比較の助剤(P)とした。
【0064】
比較例5
攪拌装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応容器に、本発明の化合物(1)−1を10g及び鉱物油50gを仕込み、窒素を吹き込みながら、攪拌しつつ100℃に昇温し、同温度にて2時間攪拌を続け、本発明の化合物(1)−1を完全に溶解した。加熱をやめ、窒素吹き込み・攪拌を継続し、本発明の化合物(2)−1を40g仕込み、さらに1時間窒素での脱気をおこなった。この時の温度は約70℃であった。これに、過酸化物系の開始剤を0.7g投入し、140℃まで過熱し5時間この温度を保持した。この操作によって得られた化合物の重量平均分子量は5万8千であった。この化合物を比較の脱ロウ助剤(Q)とした。
【0065】
試験方法
含ロウ炭化水素油(ライト系、ヘビー系、ブライトストック)をノルマルヘキサン(含ロウ炭化水素油に対し3.5倍)に50℃で加熱し溶解させ、そこへ、上記で合成した脱ロウ助剤を加え攪拌しながら冷却速度2℃/分で−40℃まで冷却を行なった。その後ワックス、ノルマルヘキサン、脱ロウ油、脱ロウ助剤から成るスラリーを、ジャケット付ブフナーロートに−40℃の冷媒を循環させ、−40℃にて、600mmHgで減圧ろ過を行なった。この時ろ液量が50mlになった時の時間を測定し、下記の式からろ過速度を求めた。また得られたろ液と、ろ過後ワックスの各々含有するノルマルヘキサンをエバポレーターで減圧トッピングすることにより除去し、それぞれの重量を測定して、下記の式から脱ロウ油収率を求めた。
【0066】
ろ過速度の計算式(ml/s・cm
【数1】
Figure 0004900997
脱ロウ油収率の計算式(質量%)
【数2】
Figure 0004900997
【0067】
使用例1
実施例1で得られた本発明の助剤(A)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(A)の添加量をライト、ヘビー系、ブライトストック系含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0068】
使用例2
実施例2で得られた本発明の助剤(B)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(B)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0069】
使用例3
実施例3で得られた本発明の助剤(C)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(C)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0070】
使用例4
実施例4で得られた本発明の助剤(D)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(D)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0071】
使用例5
実施例5で得られた本発明の助剤(E)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(E)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0072】
使用例6
実施例6で得られた本発明の助剤(F)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(F)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0073】
使用例7
実施例7で得られた本発明の助剤(G)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(G)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0074】
使用例8
実施例8で得られた本発明の助剤(H)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(H)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0075】
使用例9
実施例9で得られた本発明の助剤(I)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(I)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0076】
使用例10
実施例10で得られた本発明の助剤(J)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(J)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0077】
使用例11
実施例11で得られた本発明の助剤(K)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(K)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0078】
使用例12
実施例12で得られた本発明の助剤(L)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(L)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤品の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0079】
使用例13
実施例1で得られた本発明の助剤(A)を0.8g及び比較例1で得られた比較の助剤(M)0.2gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(A)の添加量をライト系ライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.1質量%(助剤の純分換算で0.05%)、に設定し、試験を行なった。
【0080】
使用例14
実施例3で得られた本発明の助剤(C)を0.8g及び比較例1で得られた比較の助剤(M)0.2gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(C)の添加量をライト系ライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.1質量%(助剤の純分換算で0.05%)、に設定し、試験を行なった。
【0081】
使用例15
実施例5で得られた本発明の助剤(E)を0.8g及び比較例1で得られた比較の助剤(M)0.2gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(E)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.1質量%(助剤の純分換算で0.05%)、に設定し、試験を行なった。
【0082】
使用例16
実施例7で得られた本発明の助剤(G)を0.8g及び比較例1で得られた比較の助剤(M)0.2gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(G)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.1質量%(助剤の純分換算で0.05%)、に設定し、試験を行なった。
【0083】
使用例17
実施例9で得られた本発明の助剤(I)を0.8g及び比較例1で得られた比較の助剤(M)0.2gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(I)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.1質量%(助剤の純分換算で0.05%)、に設定し、試験を行なった。
【0084】
使用例18
実施例11で得られた本発明の助剤(K)を0.8g及び比較例1で得られた比較の助剤(M)0.2gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(K)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.1質量%(助剤の純分換算で0.05%)、に設定し、試験を行なった。
【0085】
比較使用例1
比較例1で得られた比較の助剤(M)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0086】
比較使用例2
比較例2で得られた比較の助剤(N)0.5gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、比較の助剤(N)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.25質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0087】
比較使用例3
比較例1で得られた比較の助剤(M)を0.4g及び比較例2で得られた比較の助剤(N)を0.3g加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、比較の助剤(M)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.2質量%(助剤の純分換算で0.1%)、比較の助剤(N)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.15質量%(助剤の純分換算で0.15%)、に設定し、試験を行なった。
【0088】
比較使用例4
比較例3に記載の比較の助剤(O)0.1gと比較の助剤(M)0.8gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、比較の助剤(O)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.05質量%(助剤の純分換算で0.05%)、比較の助剤(N)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、に設定し、試験を行なった。
【0089】
比較使用例5
比較例4に記載の比較の助剤(P)0.1gと比較の助剤(M)0.8gを加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、比較の助剤(P)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.05質量%(助剤の純分換算で0.05%)、比較の助剤(N)の添加量をライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.4質量%(助剤の純分換算で0.2%)、に設定し、試験を行なった。
【0090】
比較使用例6
比較例5で得られた比較の助剤(Q)1gを、加温しながらライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油200gにそれぞれ添加・溶解させ、さらにノルマルヘキサン700mlを加えて溶解させ、試験方法に従い試験を行なった。つまり、本発明の助剤(A)の添加量をライト、ヘビー系、ブライトストック系含ロウ炭化水素油に対しそれぞれ0.5質量%(助剤の純分換算で0.25%)に設定し、試験を行なった。
【0091】
比較使用例7
助剤を使用せずにライト系、ヘビー系、ブライトストック含ロウ炭化水素油について試験を行なった。
【0092】
以上の使用例1〜18、比較使用例1〜4で得られたライト系含ロウ炭化水素油に対する脱ロウ性能を表1に、ヘビー系含ロウ炭化水素油に対する脱ロウ性能を表2に、ブライトストック含ロウ炭化水素油に対する脱ロウ性能を表3に示した。
【0093】
【表1】
Figure 0004900997
【0094】
【表2】
Figure 0004900997
【0095】
【表3】
Figure 0004900997
【0096】
【発明の効果】
表1〜3より明らかな様に、本発明品の脱ロウ助剤を脱ロウ工程において使用すると、脱ロウ助剤を添加しない時と比較して、ろ過速度を大幅に改良出来る。ライト系含ロウ炭化水素油に対しては、ろ過速度は従来技術の助剤と本発明の助剤はほぼ同等であるが、脱ロウ油収率は大幅に改善される。また、ヘビー系含ロウ炭化水素油及びブライトストック含ロウ炭化水素油に対しては、ろ過速度・脱ロウ油収率共に従来技術の助剤と比較して、大幅に改善される。これは本発明品による格別の効果である。

Claims (6)

  1. 含ロウ炭化水素油及び脱ロウ助剤を脱ロウ溶剤に溶解し、冷却することによりワックスを析出させ、析出したワックスを液体/固体分離方法により除去し脱ロウ油を得るという脱ロウ方法に使用される脱ロウ助剤であって、下記化合物(1)の存在下で下記化合物(2)を重量平均分子量で60,000乃至1,500,000の範囲で重合して得られる生成物を少なくとも含むことを特徴とした脱ロウ助剤。
    化合物(1);化1で示されるブロックまたはランダム共重合体
    化1
    Figure 0004900997
    化合物(2);アルキル基の炭素数が6乃至22のアルキル(メタ)アクリレート
  2. 化1で示される化合物(1)と化合物(2)の質量比率が、化合物(1):化合物(2)=2:98乃至80:20である請求項1に記載の脱ロウ助剤。
  3. 化1において、m:nが3:1乃至50:1の範囲である請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の脱ロウ助剤。
  4. 化1で示されるブロックまたはランダム共重合体の分子量が60,000乃至1,500,000である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の脱ロウ助剤。
  5. 化1において、Xが水素原子であり、Rがエチレン基である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の脱ロウ助剤。
  6. 化1において、Xが水素原子であり、Rがエチレン基であり、Rがエチル基である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の脱ロウ助剤。
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