JP4899897B2 - 信号処理装置、信号処理方法、音場補正システム - Google Patents

信号処理装置、信号処理方法、音場補正システム Download PDF

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本発明は、特にQ値について可変に設定が可能な等化手段が備えられて、音場補正に好適な信号処理装置とその方法に関する。また、音場補正として、特に周波数−振幅特性についての補正を行うための音場補正システムに関する。
従来より、音声信号についての周波数−振幅特性(以下、単に周波数特性とも言う)を変化させるためのエフェクタの1つとしてGEQ(Graphic Equalizer:グラフィックイコライザ)が知られている。GEQとしては、例えば各周波数バンド対応に設けられたイコライザ素子ごとに、その中心周波数におけるゲインを指示するための操作子が備えられ、それをユーザが手動で操作することで周波数バンドごとのゲイン調整を行うように構成されたものが知られている。
また、イコライザ素子としては、いわゆるPEQ(Parametric Equalizer:パラメトリックイコライザ)として、さらに中心周波数とQ(先鋭度)について可変設定できるものも知られている。つまり、このようにして中心周波数とQの値を変更できることで、周波数特性の形状(ゲイン窓形状)の先鋭度と、さらにそのゲイン窓の周波数軸方向における配置位置についても変更が可能なものである。
ここで、上記のような周波数特性を変化させるためのエフェクタが普及する一方で、近年では、例えばカーオーディオシステムや家庭用のAV(Audio Visual)システムなどにおいて、各種の音場補正をシステム側が自動的に行う自動音場補正機能を備えるようにされたものがある。
このような自動音場補正として、例えば周波数−振幅特性については、予め聴取位置にマイクロフォンをセッティングしておき、スピーカから出力したテスト信号をこのマイクロフォンで検出した結果に基づき特性の測定を行うようにされる。そして、この測定結果に基づき、目標とする周波数特性が得られるようにして音声信号に対する信号処理を行うようにされる。具体的には、上述したイコライザを利用して、目標の周波数特性が得られるようにそれぞれの中心周波数におけるゲインを調整するようにされる。
なお、関連する従来技術については以下の特許文献を挙げることができる。
特開平8−047079号公報
ところで、上記のように周波数特性の補正にイコライザを用いる場合において、音場補正システムとしては、例えばコスト削減などの理由から十分な数のイコライザ素子が設けられない場合がある。そして、例えばこのようにしてイコライザ素子の数が比較的少なくされる場合などには、各イコライザ素子として上述のPEQが用いられることがある。すなわち、上記のようにして用いられる素子数が少なく、1素子が担当する範囲が広範となる場合であっても、PEQによれば上記のようにして中心周波数、中心周波数におけるゲイン、Q値を変更可能であるので、よりフレキシブルに周波数特性の補正を行うことができるからである。
但し、このようなPEQについては、目標特性を得るにあたって考慮すべきパラメータがGEQの場合よりも多いため、思うような周波数特性を得ることは比較的困難となる。特に、PEQではQ値についての設定が可能であるため、各素子のゲイン窓形状が中心周波数の周囲に大きく広がりを持つことがあるが、これによっては各素子で設定されたゲインの影響が相互に及ぶこともあり、それを考慮したパラメータ設定を行うことがその分困難となる。
ここで、上記した周波数特性についての自動音場補正処理としては、先に述べたようにしてテスト信号出力を行った結果に基づき行うという性質上、例えば通常の音声再生動作に先立って行われることになる。従って、自動音場補正処理に要する時間が長引けばその分ユーザを待たせる時間も長くなり、使用性の劣るシステムとなってしまう。
このことを踏まえると、上記のようにPEQを用いて音場補正を行う場合であっても、その補正時間としてはできる限り短縮化され、これによりユーザの待ち時間が長引くようなことがない有用なシステムを実現することが肝要となる。
このためにも、PEQを用いた音場補正処理としては、できる限り簡易なものとされて、処理時間の短縮化が図られることが要請される。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、信号処理装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の信号処理装置は、中心周波数、その中心周波数におけるゲイン値、及びQ値を変更可能とされて、設定された周波数−振幅特性を入力信号に作用させる少なくとも1つの等化手段(equalizing means)と、演算手段とを備える。
そして、上記演算手段は、
上記等化手段の目標特性に対して上記等化手段の特性のゲインが小さい周波数部分と大きい周波数部分とで分けたエリアごとに上記目標特性との差分を算出して、上記差分が最大となるエリアを特定すると共に、その特定したエリアにおいて上記目標特性からのゲイン差が最大となる周波数に基づき、上記少なくとも1つの等化手段のうちの1つの等化手段の中心周波数を決定する中心周波数決定処理と、
上記中心周波数を決定された等化手段の、中心周波数におけるゲイン値を、その中心周波数での上記目標特性とのゲイン差に基づいて決定するゲイン値決定処理と、
上記各決定処理により決定した中心周波数およびゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数−振幅特性をそれぞれ算出した結果に基づき、上記目標特性に最も近い特性が得られる候補値を割り出すと共に、その候補値を上記等化手段のQ値として決定するQ値決定処理と、を実行するものである。
そして、上記等化手段を複数備える場合には、
上記演算手段は、上記中心周波数決定処理、ゲイン値決定処理、およびQ値決定処理を、それぞれの等化手段について行う。
あるいは、上記演算手段は、上記中心周波数決定処理、ゲイン値決定処理、およびQ値決定処理を、上記複数の等化手段について順次行うと共に、
中心周波数、ゲイン値、Q値を決定された等化手段による周波数−振幅特性と、上記目標特性とのゲイン差が、所定値より小さくなった場合には、未だ各値が決定されていない等化手段についての上記各決定処理は行わないようにされるものである。
また、本発明では信号処理装置として、以下のようにも構成することとした。
つまり、それぞれが固定の中心周波数におけるゲイン値、およびQ値を設定可能とされて、設定された周波数−振幅特性を入力信号に作用させる複数の等化手段と、演算手段とを備える。
そして、上記演算手段は、上記等化手段のそれぞれについて、
上記等化手段の目標特性に対して上記等化手段の特性のゲインが小さい周波数部分と大きい周波数部分とで分けたエリアごとに上記目標特性との差分を算出して、差分が最大となるエリアを特定すると共に、その特定したエリアにおいて上記目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントを選択する周波数ポイント選択処理と、
上記複数の等化手段のうちから、上記周波数ポイント選択処理により選択した周波数ポイントに応じた中心周波数をもつ等化手段を選択する等化手段選択処理と、
上記等化手段選択処理により選択した等化手段の中心周波数におけるゲイン値を、その周波数ポイントでの上記目標特性とのゲイン差に基づいて決定するゲイン値決定処理と、
上記ゲイン値決定処理により決定したゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数−振幅特性をそれぞれ算出した結果に基づき、上記目標特性に最も近い特性が得られる候補値を割り出すと共に、その候補値を上記等化手段のQ値として決定するQ値決定処理と、を実行するものである。
上記本発明によれば、目標特性との差分の大きな部分から順に、1つの等化手段ずつ、順次Qの各候補値を試しながら目標特性に近づくように周波数−振幅特性(周波数特性)を調整していくようにすることができる。これによれば、Qの設定値により素子間で相互に周波数特性の影響が及ぶ場合にも適正に目標特性に近づくように補正を行うことができる。つまり、これによって周波数特性を補正するエフェクタとして少なくとも中心周波数のゲイン値、Q値の変更が可能なイコライザ素子が用いられる場合にも、適正に目標特性と一致するように各素子のゲイン値、Q値を調整することができる。
また、上記のように目標特性との差分の大きな部分から順に補正を行っていくことで、この場合の補正は、次第にマクロな部分からミクロな部分を対象として行われていくことになる。具体的には、先ずは1つ目の等化手段により優先的にQ値の決定(設定)を行って最も補正の必要な部分について優先的に調整を行った後に、次に補正が必要とされる部分について順次、同様に優先的にQ値の決定を行って補正を行うようにされるものとなる。このような手法が採られることで、用いられる等化手段の数が少ない場合にも、各等化手段による補正効率を重視して効率的に目標特性と一致するように補正を行うことができる。
また、上記本発明によれば、補正処理としては、エリアごとの目標特性との差分の算出、選択した周波数ポイントにおける目標特性からのゲイン差の算出、各Q候補値をそれぞれ設定した場合での特性の算出、といったように比較的簡易な演算処理を繰り返すのみで実現できる。つまりこのような本発明によれば、補正のために行うべき処理は比較的簡易なものとすることができ、これにより補正処理に要する時間としても有効に短縮化することができる。
このようにして本発明によれば、周波数特性を補正するエフェクタとして少なくとも中心周波数のゲイン値、Q値の変更が可能な等化手段が用いられる場合にも、適正に目標特性と一致するように各等化手段のゲイン値、Q値を調整することができ、また、用いられる等化手段の数が少ない場合にも適正に目標特性と一致するように補正を行うことができる音場補正システムを実現することができる。
また、上記本発明によれば、補正処理は比較的簡易な演算処理を繰り返すことで実現可能であり、処理時間としては比較的短時間で済むものとできる。これによって補正処理に要する時間の短い有用なシステムを実現することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
図1は、本発明の実施の形態としての信号処理装置を備えて構成されるAV(Audio Visual)アンプ1の内部構成について示している。
先ず、実施の形態のAVアンプ1は、周波数特性の補正など、各種音場補正を装置側で自動的に行う自動音場補正機能を有するように構成される。
このような自動音場補正機能を実現するための、AVアンプ1を含むAVシステムの概要を次の図2に示す。この図2では、AVシステムが5.1chサラウンドシステムで構成される場合を例示している。図示するようにAVアンプ1に対しては、前方正面スピーカSP-FC、前方右スピーカSP-FR、前方左スピーカSP-FL、後方右スピーカSP-RR、後方左スピーカSP-RLの5chスピーカと、サブウーファSP-SBの計6つのスピーカが接続される。
また、音響特性の測定のために必要なマイクロフォンMが聴取位置P-lにセッティングされ、これがAVアンプ1と接続されている。
説明を図1に戻す。
図1においては、図2に示した計6つのスピーカSP(SP-FC、SP-FR、SP-FL、SP-RR、SP-RL、SP-SB)を、説明の便宜上1つのスピーカSPとして示している。このスピーカSPは、図示するようにAVアンプ1における音声出力端子Toutに対して接続される。
また、図2に示したマイクロフォンMはマイク入力端子Tmに対し接続される。
また、AVアンプ1には、上記マイク入力端子Tmに加え、図示する音声入力端子Tinが設けられ、外部からの音声信号入力が可能とされる。
スイッチSWは、入力音声の切り替えのために備えられる。このスイッチSWは、図示する端子t3に対して端子t1または端子t2を択一的に選択するように構成されている。端子t1には上記音声入力端子Tinが接続され、端子t2にはマイクアンプ2を介して上述したマイク入力端子Tmが接続されている。また、端子t3にはA/Dコンバータ3が接続されている。
つまり、端子t1が選択されることで音声入力端子Tinを介した外部からの音声入力が可能とされ、また端子t2が選択されることでマイク入力端子Tmを介したマイクロフォンMからの音声入力が可能とされる。
図示は省略しているが、このスイッチSWの切り替え制御は、音響特性の測定(この場合は特に周波数特性の測定)の際にマイクロフォンMからの音声入力が行われるようにして、後述するCPU9が行うようにされる。
A/Dコンバータ3においてデジタル信号に変換された音声信号は、DSP(Digital Signal Processor)4に入力される。
DSP4は、入力音声信号について各種の音声信号処理を行う。例えば、音声信号処理としては、残響効果など各種音響効果を与えるための処理を行うようにされる。
また、この場合のDSP4では、例えば周波数特性や各スピーカSP−マイクロフォンM間の遅延時間など、自動音場補正のために必要な各種音響特性についての測定を行うようにされる。このような音響特性についての測定は、スピーカSPから例えばTSP(Time Stretched Pulse)信号などのテスト信号を出力し、それに応じマイクロフォンMで得られる検出信号を解析処理した結果に基づき行うようにされる。
なお、マイクロフォンMからの検出信号に基づき上記各種音響特性(特に周波数特性)を測定するための技術については既に周知であり、従ってここでの詳細な説明は省略する。
さらに、特にこの場合のDSP4は、いわゆるイコライザ機能として、複数の周波数バンドごとに入力信号のゲイン調整を行うことが可能に構成される。
ここで、この場合のDSP4によるイコライザ機能は、MPF(Mid Presence Filter)と呼ばれるデジタルフィルタにより実現される。この場合はDSP4のソフトウエア処理により、各イコライザ素子(以下、EQ素子とも言う)としての機能が実現されるようになっている。
図3は、このようなMPFによるイコライザ素子の構成要素を機能ブロック化して示している。
この図3に例示されるように、MPFの構成要素としては遅延素子21、22、29、30、乗算器23、24、25、27、28、加算器26を挙げることができる。
図示するように音声信号は、乗算器23を介して加算器26に入力されると共に、遅延素子21と乗算器24を介しても加算器26に入力される。また遅延素子21を介した音声信号は遅延素子22→乗算器25を介しても加算器26に入力される。
また、加算器26の加算出力は、図示するように外部に出力されると共に、分岐して遅延素子29→乗算器27を介して加算器26に入力され、また、上記遅延素子29を介した音声信号は遅延素子30→乗算器28を介して加算器26に入力される。
なお、確認のために述べておくと、この図3に示すMPFは1つのイコライザ素子を担うもので、例えば6バンドイコライザの場合、このようなMPFが6段分縦列接続(従属接続)されて構成されることになる。その場合、遅延素子29、遅延素子30が、次のMPFにおける遅延素子21、遅延素子22と共用される。すなわち、これら遅延素子29、遅延素子30の出力が上記次のMPFにおける乗算器24、乗算器25を介して上記次のMPFの加算器26に入力される。また、この次のMPFの乗算器23には、加算器26の出力も入力されることになる。
このようなMPFにおいて、乗算器23、24、25、27、28に対しては、それぞれ乗算係数を可変設定できるようにされるが、このように各乗算器に与える係数の値によって、中心周波数とその中心周波数におけるゲイン値と、さらにQ値についての設定を行うことができる。すなわち、これによって中心周波数、中心周波数におけるゲイン値、Q値の可変設定が可能な、いわゆるPEQ(Parametric Equalizer:パラメトリックイコライザ)としての機能が実現される。
DSP4では、このようなMPFとしてのデジタルフィルタ処理をプログラムに基づく数値計算を行って実現するようにされる。
なお、このようなMPFとしてのフィルタ構成は、いわゆる双2次フィルタ(Biquad filter)としても知られている。
図1において、DSP4により音声信号処理の施された音声信号は、D/Aコンバータ5においてアナログ信号に変換された後、アンプ6にて増幅され音声出力端Toutに供給されるようになっている。
また、図1において、CPU(Central Processing Unit)9は、ROM(Read Only Memory)10、RAM(Random Access Memory)11を備え、当該AVアンプ1の全体制御を行う。
CPU9は、図示するバス7を介した通信を行って各部の制御を行うようにされる。図示するようにしてバス7を介しては、上記ROM10、RAM11、及び表示制御部12、DSP4が接続される。
CPU9が備える上記ROM10には、CPU9の動作プログラムや各種の係数などが格納されている。特に本実施の形態の場合、ROM10にはCPU9が後述する実施の形態としての処理動作を実行するためのプログラム(図示せず)も格納される。
また、上記RAM11はCPU9のワーク領域として利用される。
また、CPU9に対しては操作部8が接続される。
この操作部8には、当該AVアンプ1の筐体外部に表出するようにして設けられた各種の操作子が備えられ、それらの操作に応じたコマンド信号をCPU9に供給する。CPU9は操作部8からのコマンド信号に応じた各種の制御動作を実行するようにされる。これによってAVアンプ1ではユーザの操作入力に応じた動作が実行されるようになっている。
また、操作部8としては、リモートコマンダから発せられた例えば赤外線信号等に依るコマンド信号を受信するコマンド受信部を備えるようにすることもできる。すなわち、このコマンド受信部として、上記リモートコマンダから操作に応じて発信されるコマンド信号を受信してこれをCPU9に供給するように構成するものである。
この場合、上記操作部8に設けられる操作子としては、上述したDSP4による各イコライザ素子ごとにパラメータ調整を行うための操作子を挙げることができる。
ユーザはこの操作子により各EQ素子ごとに設定されるべきパラメータ(中心周波数、中心周波数におけるゲイン値、Q値)を指示入力することができる。CPU9は入力された値に応じた係数をDSP4に与えることで、それら指示入力値に応じた周波数特性(ゲイン窓形状)がそれぞれ対応するイコライザ素子に設定されるようになっている。
また、CPU9は、表示制御部12に対する指示を行って、表示部13の表示内容についての制御も行うようにされる。表示部13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスとされ、表示制御部12はCPU9からの指示内容に基づきこの表示部13を駆動制御する。これによって表示部13上ではCPU9からの指示に応じた画面表示が行われる。
ここで、上記図1に示した実施の形態のAVアンプ1としても、周波数特性についての自動補正機能が与えられている。
先ず前提として、このように周波数特性について補正を行うにあたっては、予め目標とする周波数特性(目標特性とも呼ぶ)を設定するようにされる。以下では一例として、目標特性としては全周波数バンドにわたってフラットとなる特性が設定されているものとする。
例えば、次の図4(a)に示されるような周波数特性が得られた場合には、理想的にはこれをフラットな特性とすべく、図4(b)に示されるようにして図4(a)の各バンドの振幅値を相殺するような周波数特性を設定するものである。
ところで、このような周波数特性の補正を行う場合において、AVアンプ1としては、例えばコスト削減などの理由から十分な数のイコライザ素子が設けられない場合がある。そして、例えばこのようにしてイコライザ素子の数が比較的少なくされる場合などには、各イコライザ素子として、本例のようにしてPEQを用いるようにされることがある。つまり、このように用いられる素子数が少なく、1素子が担当する範囲が広範となる場合であっても、PEQによれば中心周波数、Q(先鋭度)を変更可能であるので、よりフレキシブルに特性の補正を行うことができるからである。
但し、このようなPEQについては、目標特性を得るにあたって考慮すべきパラメータがGEQ(Graphic Equalizer:グラフィックイコライザ)の場合よりも多いため、思うような特性を得ることは比較的困難となる。特に、PEQではQ値についての設定が可能であるため、各素子のゲイン窓形状が中心周波数の周囲に大きく広がりを持つことがあるが、これによっては素子間で設定された周波数特性の影響が相互に及ぶこともあり、それを考慮したパラメータ設定を行うことはその分困難となる。
ここで、上述もしたように、周波数特性についての自動音場補正処理としては、テスト信号出力を行った結果に基づき行うという性質上、例えば通常の音声再生動作に先立って行われることになる。従って、自動音場補正処理に要する時間が長引けばその分ユーザを待たせる時間も長くなり、使用性の劣るシステムとなってしまう。
このようなことを踏まえると、本例のようにPEQを用いて音場補正処理を行う場合であっても、その処理時間としてはできる限り短縮化され、これによりユーザの待ち時間が長引くようなことがない有用なシステムを実現することが肝要となる。
このためにも、PEQを用いた音場補正処理としては、できる限り簡易なものとされて、処理時間の短縮化が図られることが要請される。
そこで本実施の形態では、このようなPEQを用いる場合の音場補正処理の手法として、以下で説明するような手法を提案する。
図5、図6は、本実施の形態としての音場補正処理の手法について説明するための図である。なお、これらの図においては、縦軸をゲイン(dB)、横軸を周波数(Hz)とした場合の周波数特性Tksについて示している。
ここで、先ずは本例の補正処理を行うにあたっての前提条件について説明しておく。
先ず、本例の場合、PEQの素子数としては6つであるものとする。つまり、6つのPEQ素子が従属接続されて全体として周波数特性補正を行うものとする。この場合、これら6つのイコライザ素子(EQ素子)については、EQ素子−A、EQ素子−B、EQ素子−C、EQ素子−D、EQ素子−E、EQ素子−Fと呼ぶ。
また、この場合、中心周波数などのパラメータを調整可能な範囲は、10オクターブの範囲とされる。そして、この10オクターブの範囲内においては、所定の周波数ポイントを設定している(図中の各○印)。これら各周波数ポイントの間隔は、それぞれ1/3オクターブ幅で均等に区切られている。すなわちこの場合、EQ素子により調整可能な範囲中には、周波数ポイントが合計30個設けられていることになる。
そして、各周波数ポイントは、各EQ素子が中心周波数を設定可能なポイントともされる。すなわち、各EQ素子においては、これら1/3オクターブ区切りの周波数ポイントのうち何れかの周波数ポイントの周波数を、中心周波数として択一的に選択設定することができるようにされている。
なお、説明の便宜上、この場合において設定される周波数ポイントは、DSP4における周波数特性についてのサンプリングポイントまたは評価ポイントとも一致するように設定されているとする。すなわち、この場合のDSP4においては、周波数特性Tskのデータとして、図中の各周波数ポイントごとのゲイン値(振幅値)を保持しているものとする。
なお、図5、図6においては、各特性Tskをアナログ波形により示しており、DSP4において実際に保持されるデータを示したものではない。
また、この場合、各EQ素子では、設定可能なゲイン値の上限が±9dBとされているとする。
以上の前提を踏まえた上で、本実施の形態としての補正処理について説明する。
先ず、周波数特性の補正処理を行うにあたっては、先の図1において説明したように、DSP4による周波数特性の測定動作が行われる。
概念的には、このように測定された特性と目標特性とを比較した結果に基づき補正処理を行うとして理解すればよいが、実際においては、測定データそのものは、測定環境により細かな凸凹が出てしまう場合があり、そのままではデータとして扱いづらい場合がある。そこで、周波数特性の補正にあたっては、測定データに平滑化処理をかけたものを補正対象とするということが行われる。
実施の形態においても、補正を行うにあたって対象とする特性(以下、単に対象特性とも言う)としては、測定データについて平滑処理を施したものとしている。
図5に示す周波数特性Tks-1は、このように測定特性に対し平滑処理が施された特性を示している。
なお、上記説明は、実施の形態としての補正処理が、対象特性として平滑処理後の特性を用いなければならないということを述べたものではなく、場合によっては対象特性として測定データそのものを用いることもできる。すなわち、対象特性としては、周波数特性の測定結果に基づくものとされていればよいものである。
つまり、まとめると、このように周波数特性の測定結果に基づくものとされる対象特性に、イコライザ素子による補正特性を足し合わせた結果の周波数特性が、目標特性と等しくなる、または目標特性に近づくようにしてイコライザ素子の特性を調整するものである。
このように周波数特性の対象特性を得た上で、この場合の補正処理では、先ずは図5(a)に示される調整対象周波数範囲Xの設定として、補正のための調整を行う周波数範囲を絞り込むようにされる。
ここで、一般的なスピーカの特性として、極端に低域や高域の周波数帯域の音を出力できないといったことが知られている。そのような場合において、それらの周波数帯域についてゲイン調整を行ったとしても、最終的にスピーカでその音を出力することができない以上、補正処理を行う意味はない。また、上述もしたように音場補正処理としてはできる限り短時間で処理を終了することが要請されることを考慮すれば、それらの周波数帯域について無駄な補正処理を行って処理完了までの所要時間が延びてしまうことは好ましくない。
このようなことを考慮し、本実施の形態ではゲイン調整を行う対象周波数範囲を、上記調整対象周波数範囲Xに絞った上で補正処理を行うようにしている。
例えば本実施の形態では、上記のようなスピーカ特性との関係から、予め調整を行うべき範囲を設定しておくようにされているものとする。例えば図示するように、この場合は最も低域側の5つ分の周波数ポイントの範囲と、最も高域側の5つ分の周波数ポイントの範囲とを除く周波数範囲が、調整対象周波数範囲Xとして予め設定されているとする。
なお、調整対象周波数範囲Xとしては、このように予め設定された範囲とする以外にも、例えば実際に測定された周波数特性に基づき設定することもできる。
そして、このように調整対象周波数範囲Xを絞り込むと、先ずは図5(a)中のエリア1〜エリア6と示されるように、この場合は0dBのラインとされる目標特性に対し、対象特性Tks-1のゲイン(振幅)が不足する部分と超過する部分とで分けたエリアごとに、目標特性とのゲイン差分量を算出する。具体的には、各周波数ポイントにおけるゲイン差分量を周波数順に並べ、ゲイン差分量が1以上連続してマイナス値となる領域を「ゲインが不足するエリア」とし、ゲイン差分量が1以上連続してプラス値となる領域を「ゲインが超過するエリア」とする。
なお、以下では、目標特性からゲインが不足する部分については凹部、超過する部分については凸部とも呼ぶ。
この場合、これら凹部と凸部とで分けたエリアごとのゲイン差分量としては、図示するようにして対象特性Tks-1と目標特性との差部分の面積により求めるものとしている。具体的には、各エリア(1〜6)内において、そこに含まれるそれぞれの周波数ポイントにおける目標特性と対象特性Tks-1とのゲイン差(振幅差)を求める。
この場合、各周波数ポイント間の間隔は一定幅(1/3オクターブバンド幅)とされているので、それら周波数ポイントごとに求めたゲイン差の値に対し、各周波数ポイント間の幅の値としての固定値をそれぞれ乗算し、それらを足し合わせたものを図中色つき部分で示した各エリアごとの面積として算出する。
なお、ここでは単に各周波数ポイントにおける対象特性Tks-1と目標特性とのゲイン差に対して固定値による周波数幅の値を乗算してバーグラフ状の面積部求め、それらを足し合わせることで各エリアの面積を求めるものとしたが、例えばより精度良く各エリアの面積を求めるとする場合には、隣接する周波数ポイントでのゲイン差の値を考慮した補間処理を行って、実際の目標特性と対象特性との差部分の形状とより近い形状により面積を求めることもできる。
或いは、特に本例のように各周波数ポイントの間隔が一定とされる場合には、各エリアのゲイン差分量としては、敢えて面積を求めずとも、単にエリアごとに各周波数ポイントでのゲイン差を足し合わせて求めるようにすることもできる。
このようにして凹部/凸部で分けたエリアごとに、目標特性との差分の面積を算出すると、その内で面積が最大となるエリアを特定する。図5(a)の例では、エリア1が面積が最大となるエリアとされる場合を例示している。
確認のために述べておくと、このようにして目標特性からの差分面積(ゲイン差分量)が最も大きいエリアは、最も補正が必要なエリアであることになる。
そして、差分面積が最大となるエリアを特定すると、そのエリアにおいて目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントを選択する。
すなわちこの場合、面積最大となるエリア1において、目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントとしては、図中「差分値最大」と示したゲイン差を有する周波数ポイントが選択される。
このようにして差分面積が最大となるエリアにおいて目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントを選択すると、この場合は6つ設けられるEQ素子(EQ素子−A〜EQ素子−F)のうちから選択した1つのEQ素子について、その中心周波数の値を、この選択したゲイン差最大の周波数ポイントの周波数に基づき決定する。
この場合、先に述べたようにして各EQ素子では、予め設定された各周波数ポイントのうちから中心周波数を選択設定するようにされている。つまりは、ゲイン差最大となる周波数ポイントと各EQ素子が中心周波数を設定可能な周波数ポイントとが必ず一致するようにされているので、特定されたゲイン差最大の周波数ポイントの周波数を、そのまま選択したEQ素子の中心周波数として決定することができる。
ここでは、先ずはEQ素子−Aの中心周波数が、上記選択されたゲイン差最大の周波数ポイントの周波数に決定されたものとする。
さらに、選択したEQ素子の中心周波数のゲイン値については、選択した周波数ポイントにおける対象特性Tks-1と目標特性とのゲイン差に基づく値に決定する。
具体的には、目標特性からのゲイン差を打ち消すべく、原則的には、選択したゲイン差最大の周波数ポイントにおけるゲイン差の値の反転値を、選択したEQ素子の中心周波数のゲイン値として決定するようにされる。
例えばこの場合において、上記した「差分値最大」と示した対象特性Tks-1のゲイン値が−15dBであったとし、目標特性とのゲイン差が−15dB−0dB=−15であったとすると、原則的には、選択したEQ素子−Aのゲイン値として、そのゲイン差の値「−15」の反転値である「+15」を決定するものである。
但し、この場合のゲイン値の設定可能範囲は、先にも述べたように±9dBである。このように決定すべきゲイン値が実際にEQ素子に設定可能なゲイン値の範囲を超えた場合は、設定可能な範囲内で最大のゲイン値を決定する。つまり具体的に、次の図5(b)においてゲインG-disと示すように、この場合の最大差分値に基づくゲイン値としては、例えば+9dBを決定する。
なお確認のために述べておくと、このようにして設定可能な範囲内で最大のゲイン値を決定する場合としても、対象特性Tks-1と目標特性とのゲイン差に基づく値に決定していることには変わりはない。このように選択したEQ素子のゲイン値を目標特性とのゲイン差に基づく値に決定すれば、目標特性とのゲイン差を打ち消すようにしてゲイン値を決定することができる。
このようにして、先ずは複数のEQ素子のうちから選択した1つ目のEQ素子について、その中心周波数とゲイン値とが決定される。
その上で、この場合はPEQとしてのEQ素子について、さらにQ値を決定する。
そのために、先ずは図5(b)に示されるようにして、Q値の各候補値を試すようにされる。つまり、決定された中心周波数とゲイン値とを設定し、さらに予め定められたQの各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数特性を算出し、その結果目標特性と最も近づく特性が得られるQ値を決定しようとするものである。
具体的に、目標特性と最も近づく特性が得られるQ値としては、次の図6(a)に示されるように、算出特性と目標特性との差分の総面積が最小となるQ値を割り出す。
すなわち、この場合においては、選択したEQ素子−Aについて、中心周波数を上述の選択した周波数ポイントの周波数とし、ゲイン値を+9dBとした上で、予め定められたQ値についての各候補値を設定したときの周波数特性(対象特性にEQ特性を施した特性)をそれぞれ算出する。なおこのとき、選択したEQ素子以外の他のEQ素子については、ゲイン値は0dBに設定したものとして特性算出を行う。
そして、これら算出された算出特性について、調整対象周波数範囲Xにおいてそれぞれ目標特性との差分の総面積を算出し、算出した総面積値が最小となったQの候補値を割り出す。
確認のために述べておくと、この場合も目標特性との差分の面積は、各周波数ポイントにおいて、算出特性と目標特性とのゲイン差を求めた結果に基づき算出するものとすればよい。なお、この場合も面積とはせず、単に各周波数ポイントでのゲイン差の和を総面積の値として扱うこともできる。
このようにして目標特性と算出特性との差分の総面積を最小とし、目標特性と最も近いとされる特性を得ることのできるQの候補値を割り出すと、その候補値を選択したEQ素子のQの値として決定する。
図6(a)では、このようにして差分総面積を最小とするQ値が設定された場合での、選択したEQ素子(EQ素子−A)により得られるゲイン窓形状と、このQ値を設定したときの周波数特性Tks-2(図中実線による特性:算出特性)とを示している。また、図6(a)ではこの算出特性Tks-2との比較として、対象特性Tks-1を破線により示している。
これまでの動作により、対象特性Tks-1と目標特性との差分の面積(ゲイン差分量)が最も大きかったエリアに応じて、補正のために1つ目のEQ素子に対して設定されるべきパラメータ(中心周波数、中心周波数におけるゲイン値、Q値の各値)の決定が行われたことになる。
続いて、このようにして1つ目のEQ素子についての補正のための各値が決定されると、そのEQ素子に対し決定された各値を設定したときに得られる周波数特性(つまりこの場合は上述の算出特性Tks-2)について、同様に目標特性とのゲイン差分量が最大となるエリアの特定、さらにそのエリア内でゲイン差最大となる周波数ポイントに基づき、次のEQ素子に設定されるべき中心周波数を決定する処理を行うようにされる。すなわち、上述の算出特性Tks-2は、前回の、1つ目のEQ素子について各値を決定した工程における「対象特性」と同様に取り扱われるものである。
このとき、本例では、既に各値を決定済みのEQ素子(この時点ではEQ素子−A)については、それ以上の値の変更は行わないことを前提としている。つまり、既に各値を決定したEQ素子については、それら決定済みの各値を設定したものとして、新たな特性の算出を行うようにされる。
なお、この場合もゲイン差分量の算出は、設定された調整対象周波数範囲X内を対象としてのみ行う。
図6(b)では、目標特性と算出特性Tks-2(図中実線で示す)との差分面積最大エリアがエリア6である場合を例示しており、これに応じ次に選択されたEQ素子(EQ素子B)に設定されるべき中心周波数としては、このエリア6内で目標特性とのゲイン差が最大となる周波数ポイントの周波数に決定されることになる。
そして、このように次のEQ素子についての中心周波数を決定すると、ゲイン値、Q値の各値についても、先の場合と同様の手順により決定するようにされる。
すなわち、ゲイン値については、上記選択したゲイン差最大となる周波数ポイントでの算出特性と目標特性とのゲイン差に基づく値に決定する。具体的には、目標特性とのゲイン差(算出特性のゲイン値−目標特性のゲイン値)の反転値に決定する。
そして、Q値については、決定した中心周波数とそのゲイン値を設定し、各Q候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数特性をそれぞれ算出した結果に基づき、目標特性と最も近づく特性が得られたときの候補値に決定する。
確認のために述べておくと、この場合のQ値決定のための周波数特性の算出時には、既に各値を決定済みのEQ素子(この場合はEQ素子−A)については、決定済みの各値を設定したものとして全体の特性を算出することになる。
そして以降も、残りのEQ素子について、同様に最大エリアの特定、最大エリア内でのゲイン差最大となる周波数ポイント及びそのゲイン差に基づき、選択したEQ素子についての各値の決定処理を順次行っていく。
つまり、1つ目のEQ素子(この場合はEQ素子−A)について素子選択及び各値の決定を行った以降、2つ目以降のEQ素子については、
・既に各値を決定済みのEQ素子に対し、決定された中心周波数、ゲイン値、Q値をそれぞれ設定したときに得られる周波数特性(算出特性)について、目標特性との差分面積を算出して差分面積が最大となるエリアを特定した上で、そのエリアで目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントを選択し、
・このように選択したゲイン差最大の周波数ポイントの周波数に基づき、選択したEQ素子の中心周波数を決定し、
・また決定した中心周波数に設定されるべきゲイン値については、上記選択した周波数ポイントでの算出特性と目標特性とのゲイン差に基づく値に決定し、
・さらに、選択したEQ素子のQ値については、そのEQ素子に上記のようにして決定された中心周波数及びゲイン値を設定し、さらに予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数特性をそれぞれ算出した結果(この場合も既に各値を決定済みのEQ素子についてはその決定済みの各値をそれぞれ設定したものとして全体の特性を算出する)に基づき、目標特性と最も近づく特性が得られたときの候補値に決定する、
という処理を、繰り返し行う。
そして、このような繰り返しの処理により、全てのEQ素子について各値を決定すると、それら決定値をそれぞれ対応するEQ素子のパラメータとして設定する。つまり、DSP4に決定したEQ素子ごとの各値を指示するための係数を与え、これに応じDSP4は、与えられた各係数を、それぞれのEQ素子の乗算器(図3参照)の係数として設定するものである。
上記のようにして本実施の形態としての補正処理では、目標特性との差分の大きな部分から順に、1EQ素子ずつ、順次Qの各候補値を試しながら目標特性に近づくようにゲインを調整していくようにされている。これによれば、Qの設定値により素子間で互いにゲインの影響が及ぶ場合にも、適正に目標特性に近づくように補正を行うことができる。
つまり、これによって周波数特性の補正のためのエフェクタとしてPEQが用いられる場合にも、適正に目標特性と一致するように各素子のパラメータを調整することができる。
また、上記のように目標特性との差分の大きな部分から順に補正を行っていくことで、この場合の補正は、次第にマクロな部分からミクロな部分を対象として行われていくことになる。具体的には、先ずは1つ目のEQ素子により優先的にQ値の決定(設定)を行って、最も補正の必要な部分について優先的に調整を行った後に、次に補正が必要とされる部分について順次、同様に優先的にQ値の決定を行って補正を行うようにされるものとなる。
このような手法が採られることで、用いられるEQ素子数が少ない場合にも、各素子による補正効率を重視して効率的に目標特性と一致するように補正を行うことができる。
また、上記本実施の形態としての補正処理は、少なくともゲイン差分量が最大となるエリアの特定のための差分面積の算出、選択したEQ素子に設定されるべきゲイン値の算出、各Q候補値を設定した場合でのそれぞれの周波数特性の算出、算出された各周波数特性と目標特性との差分総面積の算出、といった比較的簡易な演算の繰り返しにより実現することができ、従って処理時間としては比較的短時間で済むものとできる。つまり、これによれば、周波数特性の補正を行うためのエフェクタとしてPEQを用いる場合にも、目標特性を得るための補正処理の時間は比較的短いものとでき、ユーザを待たせる時間としても短くすることができて、より有用なシステムを実現できる。
続いては、次の図7のフローチャートを参照して、上記説明による本実施の形態としての音場補正処理を実現するために行われるべき処理動作について説明する。
なお、この図7に示される処理動作は図1に示したCPU9がROM10に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
また、この図においては、既にCPU9の指示に基づき、DSP4による周波数特性の測定が行われ、その結果に基づき得られた対象特性の情報がCPU9に供給された状態にあるものとする。
図7において、先ずステップS101では、調整対象周波数範囲の設定を行う。すなわち、先の図5にて説明したように、この場合は予め定められた調整対象周波数範囲Xの設定を行う。
続くステップS102では、EQ素子の選択を行う。つまり、この場合は、EQ素子−A〜EQ素子−Fまでの6つの素子のうち、1つ目のEQ素子(例えばEQ素子−A)を先ずは選択するようにされる。
そして、ステップS103では、設定範囲において、対象特性と目標特性との差分の面積を、凹部/凸部で分けたエリアごとに算出する処理を行う。すなわち、予め定められた調整対象周波数範囲X内において、DSP4による測定結果に基づく対象特性について、この場合は0dBのラインとされる目標特性に対しゲイン(振幅)が不足する部分と超過する部分とで分けたエリアごとに、目標特性との差分の面積を算出するようにされる。
ステップS104では、ステップS103の算出結果に基づき、面積最大となるエリアを特定するようにされる。
また、ステップS105では、特定されたエリア内で目標特性からのゲイン差分値が最大となる周波数ポイント(fsp-Gmax)を選択する。
その上でステップS106では、選択したEQ素子の中心周波数を周波数ポイント(fsp-Gmax)の周波数に決定する。
さらに、ステップS107では、ゲイン値を周波数ポイント(fsp-Gmax)における目標特性からの差分値に基づき決定する。つまり、周波数ポイント(fsp-Gmax)における対象特性のゲイン値と目標特性のゲイン値との差分値の反転値を、選択したEQ素子の上記中心周波数におけるゲイン値として決定する。
続くステップS108では、Q値として、所定の第1候補値を選択する。すなわち、予め定められたQの各候補値のうち、第1候補値としての所定の候補値を先ずは選択するようにされる。
そして、次のステップS109では、周波数特性の算出を行う。つまり、ステップS102にて選択したEQ素子に対し、ステップS106、ステップS107にてそれぞれ決定した中心周波数、ゲイン値を設定し、またQ値として先のステップS108(又は後述のステップS113)にて選択した候補値を設定した場合に得られる周波数特性(対象特性にEQ特性を施した特性)を算出する。
続くステップS110では、算出した特性と目標特性との差分の総面積を算出するようにされる。
さらに、次のステップS111では、算出した総面積と選択したQ値とを対応づけて、例えばRAM11等に保持するようにされる。
ステップS112では、全Q値を試したか否かについて判別処理を行う。つまり、予め設定された全Q候補値について、それらを設定した場合の周波数特性の算出と上記総面積の算出を行ったか否かについて判別処理を行う。
ステップS112において、全Q値を未だ試してはいないとして否定結果が得られた場合は、ステップS113に進み、次Q候補値を選択した後、先のステップS109における周波数特性の算出処理に戻るようにされる。つまり、これらステップS112→S113を経由する処理によって、全Q候補値を試すためのルーチンが形成される。
一方、ステップS112において、全Q値を試したとして肯定結果が得られた場合は、ステップS114に進み、総面積を最小とした候補値を選択したEQ素子のQ値に決定するようにされる。
続くステップS115では、全素子のQ値が決定されたか否かについて判別処理を行う。
未だ全EQ素子についてのQ値が決定されていないとして否定結果が得られた場合は、ステップS116に進み、先ずは次EQ素子を選択するようにされる。すなわち、既に中心周波数、ゲイン値、Q値の各値を決定済みのEQ素子以外から1つのEQ素子を選択するようにされる。
そして、ステップS117では、決定した各値(中心周波数、ゲイン、Q)を設定したときの周波数特性(算出特性)と目標特性との差分の面積を、凹部/凸部で分けたエリアごとに算出するようにされる。
この場合、先のステップS109の処理により、既に各決定値を反映した場合の周波数特性が算出されていることになるので、その情報を保持しておくものとすれば、その算出特性について、先のステップS103と同様にして凹部/凸部で分けたエリアごとに目標特性との差分面積を算出するようにされればよい。
なお、ステップS110の算出処理が、同様に凹部/凸部のエリアごとに差分面積を算出し、それらエリアごとの面積値を加算して総面積値を求めるようにされている場合には、ステップS117としては、改めて凹部/凸部ごとの面積を求める必要はなく、このように既に算出済みのエリアごとの面積情報に基づき、各エリアの面積値を取得することができる。
上記ステップS117の処理を実行すると、図示するようにして先のステップS104に戻り、面積最大となるエリアを特定する処理を実行するようにされる。つまり、これによって、全EQ素子について各値が決定されるまでは、繰り返しEQ素子の選択、選択したEQ素子の中心周波数及びゲイン値の決定、各Q候補値を試した上でのQ値の決定、のための各処理が行われるものとなる。
そして、先のステップS115において、全EQ素子のQ値が決定されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS118に進み、各EQ素子の決定値を設定するための処理を実行するようにされる。すなわち、先に説明したようにして、DSP4に決定したEQ素子ごとの各値を指示するための係数を与えるようにされる。DSP4では、与えられた各係数を、それぞれのEQ素子の乗算器(図3参照)の係数として設定するようにされる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば、実施の形態では、補正処理のために各EQ素子に設定されるべきパラメータを決定する処理をCPU9が行うように構成する場合を例示したが、この処理をDSP4が単体で実行するように構成することもできる。その場合、DSP4が図7に示した処理動作を実行するように構成すればよい。
また、実施の形態では補正処理のために各値を決定する処理を、全てのEQ素子について一巡して各値を決定したことに応じて終了する場合を例示したが、このような全てのEQ素子について一巡して各値を決定する処理を1セットの処理とし、この1セットの処理を予め設定された所定回数分行うようにすることも可能である。
或いは、上記1セット分の決定処理を実行するごとに、決定値を設定した場合の特性について目標特性との比較で評価を行い、その評価の結果、特性が所定以上改善されたことに応じて決定処理を終了するように構成することもできる。つまり、例えば1セット分の決定処理を実行するごとに、各素子に決定値を設定した場合の特性について目標特性との差分の総面積を算出し、この総面積の値が予め定められた値以下となることに応じて、その時点での決定値を各素子に対して設定するといったものである。
また、このように全EQ素子について一巡してパラメータを決定することは必須ではなく、算出特性が或る程度良好となったとされた時点で補正処理を終了するといったこともできる。
具体的には、先の図7で説明した一連の処理動作において、ステップS117にて算出された目標特性と算出特性との差分の面積が所定値より小さくなったか否かを判断する処理を追加し、この判別処理によって上記差分の面積が上記所定値より小さくなったと判断された場合は、全EQ素子についてパラメータ決定処理が終了していなくとも、ステップS118に進んでパラメータ設定処理を行うようにするものである。つまり、例えばEQ素子−A、EQ素子−Bについての各値の決定処理が行われた段階で、それら決定値をEQ素子−A、EQ素子−Bに設定したときの算出特性と目標特性との差分が上記所定値よりも小さかった場合には、これらEQ素子−A、EQ素子−Bに対する決定値の設定処理のみが行われて、他のEQ素子−C〜EQ素子−Fについての各値の決定処理(及び設定処理)が行われずに補正処理が完了することになる。
このようにすることで、補正処理のさらなる迅速化が図られるようにすることができる。
また、実施の形態では、説明の簡単のために、周波数特性のサンプリングポイントと各EQ素子で選択可能な中心周波数とが一致する場合を例示したが、それらが一致しない(つまり周波数ポイントのうちから中心周波数が選択できない)とされる場合には、選択したEQ素子の中心周波数については、選択可能な中心周波数のうち、例えばゲイン差分値が最大となる周波数ポイントに最も近い中心周波数を決定するものとすればよい。
また、実施の形態では、調整対象周波数範囲を絞って補正処理を行う場合を例示したが、調整対象周波数範囲を絞らずに調整を行うことも勿論可能である。
また、実施の形態では、各イコライザ素子としての機能をソフトウエア処理により実現するように構成したが、各イコライザ素子をハードウエアにより実現することもできる。
また、実施の形態では、目標特性として全帯域でフラットとなる特性を設定するものとしたが、目標特性の形状は任意のものを設定することができる。例えば目標特性としては周波数特性を測定して得られたもの(例えば好みのスピーカ音響特性に基づいた特性)でも良いし、操作入力に応じて設定されたものであっても良い。
また、実施の形態では、各イコライザ素子として、中心周波数、ゲイン値、Q値を変更可能なPEQが用いられる場合を例示したが、例えば中心周波数が固定で、中心周波数におけるゲイン値とQ値のみを変更可能な素子を用いることもできる。
これまでの実施の形態で例示したように中心周波数が変更可能な場合は、中心周波数を、目標特性とのゲイン差分量(差分面積)が最大となるエリア内で目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントに基づき決定する処理が必要であったが、この場合はそのような中心周波数の決定処理は不要である。つまり、この場合の処理としては、ゲイン差が最大となる周波数ポイントの近傍に中心周波数を持つEQ素子を選択し、その後は、そのEQ素子の固定の中心周波数に対し設定すべきゲイン値を、同様に上記ゲイン差が最大となる周波数ポイントにおける測定特性と目標特性とのゲイン差に基づき決定し、その上で、その中心周波数のゲイン値の設定の下で、各Q候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数特性に基づき、目標特性と最も近づく特性が得られる候補値を選択したEQ素子のQ値として決定する処理を行えばよい。
そして、2つ目以降のEQ素子については、
・既に各値を決定済みのEQ素子に対し決定済みの各値がそれぞれ設定されたときの周波数特性を算出し、その算出特性について、目標特性とのゲイン差分量が最大となるエリアを特定した上で、そのエリアで目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントを選択し、
・各値を決定済みでないEQ素子のうちから、上記選択したゲイン差最大の周波数ポイントに応じた中心周波数の設定されたEQ素子を選択し(この場合、既に選択した周波数ポイントが他の素子の中心周波数として決定されている場合は、例えばそのエリア内で2番目にゲイン差が大きい周波数ポイントの周波数が中心周波数に設定されたEQ素子を選択するなど、他のEQ素子を選択する)、
・この選択したEQ素子の中心周波数に設定されるべきゲイン値を、上記選択した周波数ポイントでのゲイン差に基づく値に決定し、
・その上でQ値については、既に各値を決定済みのゲイン設定手段に対し決定済みの各値を設定し、且つ上記選択したEQ素子の中心周波数のゲイン値として上記決定したゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数特性をそれぞれ算出した結果に基づき、目標特性と最も近づく特性が得られる候補値を決定する、
という処理を繰り返し行うようにする。
このような中心周波数が固定とされる場合に対応した処理によっても、基本的に補正処理は、目標特性との差分の大きな部分から順に、1EQ素子ずつ、順次Qの各候補値を試しながら目標特性に近づくようにパラメータを調整していくようにされるものとなる。つまり、これによって、この場合もQの設定値により素子間で互いの周波数特性の影響が及ぶ場合に対応して、適正に目標特性に近づくように補正を行うことができる。
また、この場合も補正処理としては、面積の算出などといった比較的簡易な演算の繰り返しにより実現することができ、処理時間を短時化してより有用なシステムを実現できる。
また、実施の形態では説明を省略したが、2つ目以降のEQ素子の中心周波数及びゲイン値を決定する際には、「既に他のEQ素子の中心周波数として決定済みの中心周波数と同一の中心周波数で且つその決定済みの中心周波数のゲイン値とは逆ゲイン(符号が異なり絶対値が等しい)となる場合は、その中心周波数及びゲイン値を避けるようにする」という条件を追加することもできる。このような条件の追加により、例えば複数のEQ素子間でゲインの引っ張り合いが繰り返えされてしまうといった事態の防止を図ることができる。
本発明の実施の形態としての信号処理装置を備えて構成されるAVアンプの内部構成を示すブロック図である。 実施の形態のAVアンプに対してスピーカとマイクロフォンを組み合わせたAVシステムの構成を示す図である。 実施の形態の信号処理装置が備えるイコライザ素子の構成例を示したブロック図である。 測定された周波数特性と目標特性との関係を例示した図である。 実施の形態としての動作について説明するための図である。 同じく、実施の形態としての動作について説明するための図である。 実施の形態としての動作を実現するために実行されるべき処理動作について示したフローチャートである。
符号の説明
1 AVアンプ、2 マイクアンプ、3 A/Dコンバータ、4 DSP、5 D/Aコンバータ、6 アンプ、7 バス、8 操作部、9 CPU、10 ROM、11 RAM、12 表示制御部、13 表示部、SW スイッチ、M マイクロフォン、SP スピーカ、21,22,29,30 遅延素子、23,24,25,27,28,31,32 乗算器、26 加算器

Claims (12)

  1. 中心周波数、その中心周波数におけるゲイン値、及びQ値を変更可能とされて、設定された周波数−振幅特性を入力信号に作用させる少なくとも1つの等化手段と、
    演算手段とを備え、
    上記演算手段は、
    上記等化手段の目標特性に対して上記等化手段の特性のゲインが小さい周波数部分と大きい周波数部分とで分けたエリアごとに上記目標特性との差分を算出して、上記差分が最大となるエリアを特定すると共に、その特定したエリアにおいて上記目標特性からのゲイン差が最大となる周波数に基づき、上記少なくとも1つの等化手段のうちの1つの等化手段の中心周波数を決定する中心周波数決定処理と、
    上記中心周波数を決定された等化手段の、中心周波数におけるゲイン値を、その中心周波数での上記目標特性とのゲイン差に基づいて決定するゲイン値決定処理と、
    上記各決定処理により決定した中心周波数およびゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数−振幅特性をそれぞれ算出した結果に基づき、上記目標特性に最も近い特性が得られる候補値を割り出すと共に、その候補値を上記等化手段のQ値として決定するQ値決定処理と、を実行する
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 上記等化手段を複数備え、
    上記演算手段は、上記中心周波数決定処理、ゲイン値決定処理、およびQ値決定処理を、それぞれの等化手段について行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 上記演算手段は、
    全ての等化手段について各値を決定したことに応じて、各等化手段に対し決定値の設定を行うための設定処理をさらに実行する
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 上記等化手段を複数備え、
    上記演算手段は、上記中心周波数決定処理、ゲイン値決定処理、およびQ値決定処理を、上記複数の等化手段について順次行うと共に、
    中心周波数、ゲイン値、Q値を決定された等化手段による周波数−振幅特性と、上記目標特性とのゲイン差が、所定値より小さくなった場合には、未だ各値が決定されていない等化手段についての上記各決定処理は行わないようにされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  5. 上記演算手段は、
    中心周波数、ゲイン値、Q値を決定された等化手段に対しその決定値の設定を行うための設定処理をさらに実行する
    ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 上記演算手段は、
    上記目標特性との差分を、所定の周波数ポイントにおける目標特性からのゲイン差に基づき算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  7. 上記演算手段は、
    上記目標特性との差分として、所定の周波数ポイントにおける目標特性からのゲイン差に基づく面積を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  8. 中心周波数、その中心周波数におけるゲイン値、およびQ値を設定可能とされて、設定された周波数−振幅特性を入力信号に作用させる少なくとも1つの等化手段を備えた信号処理装置における信号処理方法であって、
    上記等化手段の目標特性に対して上記等化手段の特性のゲインが小さい周波数部分と大きい周波数部分とで分けたエリアごとに上記目標特性との差分を算出して、上記差分が最大となるエリアを特定すると共に、その特定したエリアにおいて上記目標特性からのゲイン差が最大となる周波数に基づき、上記少なくとも1つの等化手段のうちの1つの等化手段の中心周波数を決定する中心周波数決定ステップと、
    上記中心周波数を決定された等化手段の、中心周波数におけるゲイン値を、その中心周波数での上記目標特性とのゲイン差に基づいて決定するゲイン値決定ステップと、
    上記各決定ステップにより決定した中心周波数およびゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数−振幅特性をそれぞれ算出した結果に基づき、上記目標特性に最も近い特性が得られる候補値を割り出すと共に、その候補値を上記等化手段のQ値として決定するQ値決定ステップと、を備える
    ことを特徴とする信号処理方法。
  9. 上記信号処理装置は複数の等化手段を備え、
    上記中心周波数決定ステップ、ゲイン値決定ステップ、およびQ値決定ステップを、それぞれの等化手段について行う
    ことを特徴とする請求項8に記載の信号処理方法。
  10. 上記信号処理装置は複数の等化手段を備え、
    上記中心周波数決定ステップ、ゲイン値決定ステップ、およびQ値決定ステップを、上記複数の等化手段について順次行うと共に、
    中心周波数、ゲイン値、Q値を決定された等化手段による周波数−振幅特性と、上記目標特性とのゲイン差が、所定値より小さくなった場合には、未だ各値が決定されていない等化手段についての上記各決定ステップは行わない
    ことを特徴とする請求項8に記載の信号処理方法。
  11. 少なくともスピーカとマイクロフォンと信号処理装置とを備えて構成される音場補正システムであって、
    上記信号処理装置は、
    上記スピーカから出力したテスト信号を上記マイクロフォンで検出した結果に基づき周波数−振幅特性を測定する測定手段と、
    中心周波数、その中心周波数におけるゲイン値、およびQ値を設定可能とされて、設定された周波数−振幅特性を入力信号に作用させる少なくとも1つの等化手段と、
    演算手段とを備えるようにされ、
    上記演算手段は、
    上記測定手段により測定された周波数−振幅特性について、上記等化手段の目標特性に対してゲインが小さい周波数部分と大きい周波数部分とで分けたエリアごとに上記目標特性との差分を算出して、差分が最大となるエリアを特定すると共に、その特定したエリアにおいて上記目標特性からのゲイン差が最大となる周波数に基づき、上記少なくとも1つの等化手段のうちの1つの等化手段の中心周波数を決定する中心周波数決定処理と、
    上記中心周波数を決定された等化手段の、中心周波数おけるゲイン値を、その中心周波数での上記目標特性とのゲイン差に基づいて決定するゲイン値決定処理と、
    上記各決定処理により決定した中心周波数およびゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数−振幅特性をそれぞれ算出した結果に基づき、上記目標特性に最も近い特性が得られる候補値を割り出すと共に、その候補値を上記等化手段のQ値として決定するQ値決定処理と、を実行する
    ことを特徴とする音場補正システム。
  12. それぞれが固定の中心周波数におけるゲイン値、およびQ値を設定可能とされて、設定された周波数−振幅特性を入力信号に作用させる複数の等化手段と、
    演算手段とを備え、
    上記演算手段は、上記等化手段のそれぞれについて、
    上記等化手段の目標特性に対して上記等化手段の特性のゲインが小さい周波数部分と大きい周波数部分とで分けたエリアごとに上記目標特性との差分を算出して、差分が最大となるエリアを特定すると共に、その特定したエリアにおいて上記目標特性からのゲイン差が最大となる周波数ポイントを選択する周波数ポイント選択処理と、
    上記複数の等化手段のうちから、上記周波数ポイント選択処理により選択した周波数ポイントに応じた中心周波数をもつ等化手段を選択する等化手段選択処理と、
    上記等化手段選択処理により選択した等化手段の中心周波数におけるゲイン値を、その周波数ポイントでの上記目標特性とのゲイン差に基づいて決定するゲイン値決定処理と、
    上記ゲイン値決定処理により決定したゲイン値を設定し、さらにQ値として予め定められた各候補値をそれぞれ設定したときに得られる周波数−振幅特性をそれぞれ算出した結果に基づき、上記目標特性に最も近い特性が得られる候補値を割り出すと共に、その候補値を上記等化手段のQ値として決定するQ値決定処理と、を実行する
    ことを特徴とする信号処理装置。
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