JP4899808B2 - 超電導送電用断熱多重管の曲管部 - Google Patents

超電導送電用断熱多重管の曲管部 Download PDF

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Description

本発明は、超電導送電用断熱多重管の曲管部に関し、詳しくは、超電導ケーブルを収容する内管と、該内管を囲む一又は複数多重配置の外管とを有し、隣接する内側と外側の管間隙の少なくとも一つが真空断熱層とされた超電導送電用断熱多重管の、直管部に接続して配管方向を変更する、曲管部に関する。
超電導送電向けの断熱多重管(超電導送電用断熱多重管)は、超電導送電が未だ実用化されていないため、実際の送電への適用例が無い。非特許文献1によると、500m規模の交流超電導送電のフィールド試験では、断熱2重管構造の超電導ケーブルの配線方向を変える曲管部としてのコーナ部やU字部等は、断熱2重管自体を大きな曲率半径に曲げ加工して作られていた。
超電導送電用断熱多重管は、内管に収容した超電導導体の外面と内管の内面との間隙に液体窒素等の極低温冷媒を通流することで超電導送電を実現するものであるから、外環境からの入熱を抑制することが重要である。ところが、内管は極低温に冷却されるので、外環境に近い側の外管群とは異なり、大きく収縮する。このとき、直管部では内管は長手方向に収縮するので、ベローズで内管を継いでいけば収縮を緩和できて特に問題は生じない。しかしながら、例えば図4に示すように、曲管部200では、室温環境で内管2と外管1(断熱2重管の場合を図示している)が同心配置(図4(a))とされていても、内管2内に極低温冷媒30を通流した場合(図4(b))、内管2が冷却されて収縮し、外管1と接触4する可能性が高い。接触4が生じるとこの接触4した箇所から内管2内へ伝熱し、状況によっては、内管2内の超伝導導体の温度が臨界温度(Tc)を超え、超電導状態が崩れて電気抵抗が高くなり、超電導送電が実現しなくなるか、超電導送電用断熱多重管を支える冷蔵ユニットに多大な負担がかかるといった問題がある。
尚、図4には、内管2と外管1との接触防止手段としてスペーサ(低熱伝導性スペーサ)3を配置したもの(特許文献1参照)を示したが、内管と外管の径の組み合せによっては、内管の冷却収縮に伴い、内管が外管の内曲がり側の内面に貼り付くように動き、スペーサ自体が割れて破損する惧れもある。その場合には、内管と外管との接触面積が増え、断熱効率が落ちて、ひいては超電導導体を超電導状態で利用できなくなる。
これを避ける手段の一つは、非特許文献1にあるように、曲管部の曲率半径を大きくし、内管と外管との間のスペースを十分に確保することである。しかし、この手段は、500m程度のスケールサイズのシステムであって設置場所に余裕のある場合には成立しうるものの、送電管が急激に曲げられる場合が多い実際の送電において成立させるのは難しい。
又、超電導以外の分野では、例えば、半導体産業の原料ガス配管において、多重管の外管をベローズ継手、内管を通常管とし、接続する方法(特許文献2参照)や、液化ヘリウム等の極低温液体を運搬する断熱多重管において、内管、外管が接触しないように、外管の一部にベローズ管を装入して収縮を吸収する方法(特許文献3参照)が知られている。
(財)電力中央研究所発行「電中研ニュース No.412(05/6/9発行)」 特開平8−64880号公報 特開平5−10480号公報 特開2000−71055号公報
上記従来の技術は、超電導送電用断熱多重管の曲管部において、冷媒通流時に、内管と外管が接触するのを防止するには不十分である。すなわち、非特許文献1のように曲率半径の大きい曲げ加工によって断熱多重管自体を曲げる手段は、実際の送電管に想定される急峻な曲げに対応できない。
又、特許文献1のようにスペーサ(低熱伝導性スペーサ)を内管と外管の間に介装する手段では、曲管部の曲率が大きくかつ内管の冷却収縮が大きい場合、スペーサに過大な力が作用して、スペーサが割れる惧れがある。
又、特許文献2のように外管の一部にベローズ継手を用いる手段は、極低温での使用を想定したものではないから、内管と外管の接触を回避できない場合がある。更に、曲管部内のベローズ継手の山部の外径は、直管部内の接続相手管の外径と同じであるため、極低温冷媒通流時の冷却収縮により内管が外管と接触する可能性は低くならない。
又、特許文献3では、ベローズ管を一部外管に用いて、冷却時にも内管と外管が同心配置となるよう、ベローズに嵌め込み材を入れて調整するようにしているが、配管材料の種類や曲管部の曲率が、配管設置箇所毎に多種多様に設定されると想定される実際の送電システムでは、こういった調整をいちいち実施することは配管施工の複雑化及びコスト高を招き、現実的ではない。
上記のような従来技術の問題に鑑み、本発明は、冷却収縮時の内管の外管への接触を防止して断熱効率を確保でき、しかも配管施工も簡単かつ安価に実施しうる、超電導送電用断熱多重管の曲管部を提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し、以下の通りの本発明をなした。
(1) 超電導ケーブルを収容し超電導送電時に77K以下の極低温冷媒を通流させるオーステナイト系ステンレス鋼製の内管と、該内管を囲む一又は複数の多重配置の外管とを有し、隣接する内側と外側の管間隙の少なくとも一つが真空断熱層とされた超電導送電用断熱多重管の、直管部に接続して配管方向を変更する、曲管部であって、該曲管部の内管及び外管が夫々前記直管部の内管及び外管と一対一に接続し、前記曲管部内の内管の外径は前記直管部内のそれと同一で、前記曲管部内の外管の外径は前記直管部内の接続相手の外管の外径よりも大であり、前記曲管部内の隣り合う内側と外側の管同士の管間隙が、前記直管部内の接続相手同士の管間隙よりも5mm以上大であるとして、前記極低温冷媒通流時の内管の外管への接触を防止したことを特徴とする超電導送電用断熱多重管の曲管部。
(2) 前記曲管部の曲がり角度が30度以上であることを特徴とする(1)に記載の超電導送電用断熱多重管の曲管部。
(3) 大気環境時の前記曲管部内において、内側の管はこれと隣り合う外側の管に対し、冷媒通流時に変位する方向とは逆の方向に、偏心配置されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の超電導送電用断熱多重管の曲管部。
本発明では、曲管部の曲がり角度が30度以上であることが好ましい。ここでいう曲がり角度とは、直管に対して曲がった部分の角度を意味する(つまり、内角では270度以下である)。又、本発明では、曲管部内の隣り合う内側と外側の管同士の管間隙が、直管部内の接続相手同士の管間隙よりも5mm以上大であることが好ましい。又、本発明では、大気環境時の曲管部内において、内側の管はこれと隣り合う外側の管に対し、冷媒通流時に変位する方向とは逆の方向に、偏心配置されていることが好ましい。
本発明によれば、超電導送電用断熱多重管の曲管部において、冷却収縮時の内管が外管と接触するのを有効に防止でき、又、同断熱多重管の配管施工を簡単かつ安価に実施できるようになる。
本発明では、曲管部と直管部とが以下の条件(1)及び(2)を満たすものとした。
(1)曲管部内の内管外径=直管部内の接続相手の内管外径
(2)曲管部内の外管外径>直管部内の接続相手の外管外径
但し、条件(1)の等号「=」は、±10%以内の誤差を許容するものとする。
尚、曲管部内の管と直管部内の接続相手の管との肉厚は、特に限定されないが、内側の管の収容スペース確保の観点及び配管施工の容易性の観点から、互いに同じ肉厚とするか、或いは違える場合はできるだけ互いの肉厚差が小さくなるようにするのが好ましい。
直管部と曲管部との外管の接続方法は、配管施工の容易さの観点から、双方の互いに接続させる管の接続端に設けたフランジ同士をボルト等で締結する方法が好ましい。
直管部は、単位長さが通常4〜15mである管を溶接やフランジ等で接続して構成され、直管部内の内管の少なくとも2本同士をベローズで中継接続することで、冷却収縮時の変位を緩和できるものの、ベローズを何個も組込むのには限界があり、組込んだところで冷却収縮による変位を完全には吸収しきれない。又、コスト高となるため個数は制限される。この点、本発明では、条件(1)及び(2)の成立により、曲管部内の内管と外管の管間隙を従来よりも拡大させることができ、ベローズの使用や多重管の同心配置にこだわらずとも、内管と外管の接触を回避することが可能である。
曲管部内の外管外径は、内管との接触回避及び配管スペース節約の観点から、曲管部の曲がりの程度(曲率の大きさ)に応じて大きくしていくのがよい。即ち、曲がりが鈍い(曲率が小さい)場合は、曲管部内の外管外径を直管部内の接続相手の外管外径よりも僅かに大きくし、曲がりが鋭い(曲率が大きい)場合は、曲管部内の外管外径を直管部内の接続相手の外管外径よりもかなり大きくするのがよい。
直管部の長さ、及び直管部内の内管中継に用いたベローズ等によって、曲管部内の外管外径の適正値は変わるが、条件(1)及び(2)が満たされさえすれば、曲管部内の内管と外管の管間隙を、直管部内の接続相手の内管と外管の管間隙よりも大きくして、冷却収縮時の内管と外管の接触を防止することができる。
尤も、曲管部の曲がり角度(即ち配管方向の変更角度)が30度未満である場合、前記条件(2)において不等号「>」を等号「=」に代えた場合(従来技術の範囲内)でも、曲管部内の内管の冷却収縮時の変位量が小さくて、外管との接触は起こりにくいので、本発明の効果顕現性の観点から、曲管部の曲がり角度は30度以上であることが好ましい。
ところで、曲管部の断熱多重管は、実際には、理想的な同心配置構造をとりえない場合が殆どである。というのは、断熱多重管の曲管部は、断熱多重管構造の直管を直接曲げ加工して製作するのが困難であり、たとえ製作できたとしても曲管部の曲がりが鋭くなると、内管と外管の非接触状態を維持するのは殆ど不可能である。
そこで、別法として、内管用、外管用の直管をそれぞれ個別に、管中心軸の曲率が互いに同じとなるように、曲げ加工した曲内管、曲外管を用意し、例えば図5(a)に示すように曲内管2cを曲外管1cの管内に挿入する方法が想定される。しかし、実際には、曲内管2cと曲外管1cとを同軸(同心)状態に保ちながら前記挿入を行うのは極めて困難であり、例えば図5(b)に示すように曲内管2の先端部が曲外管1の内面に当たって挿入続行不能となり易い。曲内管の曲率を曲外管のそれよりも小さくすれば、挿入はし易くなるものの、同心配置とはなりえず、しかも、曲内管が曲外管の内曲がり側の内面により近づくような配置形態となって、冷却収縮時の曲内管と曲外管との接触が更に起りやすくなる。又、曲内管はその両端側に直管部分を伴い、より挿入し難いことが多く、その点からも多重管の同心配置は実現困難である。かかる実際の状況においてこそ、本発明によれば、先述のように多重管の同心配置にこだわらずとも、冷却収縮時の内管が外管に接触するのを有効に防止でき、断熱効果を確保できるのである。
更に、本発明では、曲管部内の隣り合う内側と外側の管同士の管間隙が、直管部内の接続相手同士の管間隙よりも5mm以上大きいという条件(これを条件(3)と称する)を満たすようにすると、内管と外管との接触をより一層効果的に防止できて好ましい。尚、条件(3)は、直管部内及び曲管部内の多重管が同心配置とされている場合、曲管部内で隣り合う外側の管の内径と内側の管の外径の差が、直管部内の接続相手の隣り合う外側の管の内径と内側の管の外径の差よりも10mm以上大きいことを意味する。
以下、条件(3)の成立が好ましいとした理由を述べる。説明の便宜上、図6に示す断熱2重管を例にとる。この例では、最も厳しい条件に対応させるべく、直管部100内の内管2にベローズを設置せず、配管長手方向の一端を固定端、他端を自由端とし、直管部100の長さL=6m(通常の電縫鋼管定常長さの最大値に近い)とし、管材料はオーステナイト系ステンレス鋼(冷却収縮がフェライト系ステンレス鋼よりも大きい)とし、内管2及び曲内管2cのみが冷却収縮するものとする。
極低温冷媒の通流に伴い冷却が進むと、固定端側の内管2が矢示方向20へ収縮し、曲内管2cが矢示方向21へ変位し、これらの収縮乃至変位に伴い、自由端側の内管2が矢示方向22へ収縮し且つ矢示方向23へ変位する。
極低温冷媒に液体窒素(沸点77K)を用い、通流方向を一定とし、管材料としたオーステナイト系ステンレス鋼の収縮率を、大きめに見積もって15×10−6/Kとし、定常極低温状態を仮定して内管2及び曲内管2cの収縮乃至変位を計算すると、自由端側の内管2の矢示方向23への変位が約7mmになる。これは図6において両端を固定端とした場合の曲内管の内曲がり側への変位とほぼ同じになると考えられる。隣り合う管同士の管間隙は狭くとも2mm程度は確保されるのが従来の通例であることから、曲管部内の管間隙を直管部内の接続相手の管間隙よりも5mm以上大きくしておくことにより、曲管部内で隣り合う内側と外側の管同士の接触をより確実に回避できる。
曲管部の管間隙の大きさは、大きければ大きいほど、内管と外管の接触を防止する効果が高まり、断熱効果の確保による超電導送電の実現には好ましいが、その上限は、直管部内の管外径に依存するから決定し難い。尤も、例えば直管部内の外径150mmの管に曲管部内の外径1000mmの管を接続するなどという極端なことはまずありえない等々の、フランジ接続可能性の観点から、曲管部内の管の外径については、直管部内の接続相手の管の外径の凡そ3倍程度以下とするのが望ましい。
又、曲管部が図4に示すような単純L字構造の場合、曲管部内の内管は冷却収縮時に管軸曲率中心に向かう方向に変位し、外管の内曲がり側の内面に接触する傾向にある。しかしながら、超電導送電システム全体を考えると、図4のような単純な状況とはならず、むしろ、断熱多重管が、曲管部ごとに、接続相手の多重直管の影響を受ける状況によってあらゆる方向に曲げられている場合があると想定される。このような場合に対応すべく、本発明では、内管とそのすぐ外側の外管の管間隙のみならず、隣り合う外管同士の管間隙についても、条件(3)を成立させることが好ましい。
更に、冷媒通流時の曲管部内の内側の管がこれと隣り合う外側の管に対し近づく変位方向が、予め判っている場合は、大気環境時の曲管部内において、内側の管を外側の管に対し、前記近づく変位方向とは反対の方向(即ち、内管が冷媒通流時に変位する方向とは逆の方向)に、偏心配置しておくと、隣り合う内側と外側の管同士の接触をより一層確実に防止できて好ましい。
図1は、本発明の実施例1として断熱二重管構造の曲管部とこれに接続する直管部を示す管軸方向の概略断面図、図2は、図1のスペーサ配置部位の管周方向の概略断面図である。曲管部200の両側の直管部100内の内管2、外管1が曲管部200内の内管7、外管6と一対一に接続され、内管2、7の管内に超電導ケーブル9が挿入されている。尚、図1、図2は内管2、7に極低温冷媒を通流する前の状態を示している。
直管部100内の内管2、外管1の材質、径サイズは、既に、超電導送電用断熱二重管として用いる目的で最適化してある。
内管2と外管1との管間隙にはスペーサ(低熱伝導性のもの)3が配管延長方向に離散配置され、両管の相互接触を防いでいる(曲管部200内でも同様)。スペーサは、例えば、GFRP製の厚み2mmのものを、図2に示すように正方形状とし、外管1の内径よりも短い対角長をもたせて用いるとよい。これにより、二重管の冷却収縮や変位等があっても、スペーサ3と外管1の内面との接触点(外環境から内管2への熱伝導中継点に相当する)が高々2〜3点に限られ、断熱性能が確保される。図1には、曲管部にもスペーサを入れたものを示したが、曲管部にスペーサを必ずしも入れる必要はない。
曲管部200の曲がり角度は90度である。内管7は材質、外径及び肉厚が内管2と同じである。外管6は、外径が外管1よりも大きく、材質及び肉厚は外管1と同じである。内管7は内管1と溶接で接続されている。尚、溶接で接続する代わりにフランジで接続してもよい。外管6は外管1とフランジ5で接続されている。
内管2、7と外管1、6との管間隙を真空状態にしつつ、内管2、7内に液体窒素をはじめとした極低温冷媒を徐々に流していき、更なる真空化を図り、断熱効果を発揮させることができる。尚、内管2、7は、内管本体25の外面に、遠赤外エネルギーの遮断、抑制用のスーパーインシュレーション8を巻き付けて構成されている。スーパーインシュレーション8は有機樹脂フィルムにアルミニウムをスパッタしてなる。輻射率を下げて外からの入熱を抑えるため、スーパーインシュレーション巻き付けに代えて、金属コーティングを用いてもよい。
内管2、7内を液体窒素温度まで冷却した状態(液体窒素は図の右下側から左上側へ流す)において、外管6は殆ど変位せず、内管7が冷却収縮により管軸曲率中心に向かう方向に変位して、外管6の内曲がり側の内面に接近するが、外管6の外径が、従来と違って外管1の外径よりも大きくされているから、外管6の内曲がり側の内面は従来よりも管軸曲率中心側に移行しており、内管7と接触するまでには至らない。
又、先述の理由で、多重管を曲管部内で同心配置とするのは実際上困難なことから、図1の例では、曲管部200内の内管7は外管6との同心位置から管軸曲率中心側に寄った偏心位置に配置されているが、それでも、冷却収縮時に外管6との接触は回避できる。より確実に内管7と外管6との接触を回避するためには、先述の条件(3)を満たすよう、内管7と外管6との管間隙(但し、相互偏心配置の場合は、管周方向での極小値で代表する)を、内管2と外管1との管間隙よりも5mm以上大きくとればよい。
尚、管の重数が3以上の断熱多重管の場合は、図示を省略するが、先述のように、曲管部内の隣り合う内側と外側の管間隙を直管部内の接続相手のそれよりも5mm以上大きくとればよい。
図3は、本発明の実施例2を示すものであり、これは、実施例1において、内管7と外管6との管間隙を、冷却収縮時の内管7の変位方向(ここでは、当該変位方向が、管軸曲率中心に向かう方向であることは既知である)とは反対の方向に拡大した形態の例である。この形態によれば、より一層確実に内管7と外管6との接触を回避することができる。
尚、上記のような管間隙の拡大を行う方法として、該拡大前に比べて、内管7の曲率を大きくする方法、及び/又は、外管7の内曲がり側の曲率を小さくする方法(この方法の場合、外管7としては、径が管軸方向位置により異なるもの、より具体的には管軸方向の中央部が両端部よりも大径のもの、を用いることになる)が挙げられる。図3の例では、これらの方法が併用されている。
本発明の実施例1を示す管軸方向の概略断面図である。 図1のスペーサ配置部位の管周方向の概略断面図である。 本発明の実施例2を示す管軸方向の概略断面図である。 従来の問題点を示す管軸方向の概略断面図である。 従来の問題点を示す管軸方向の概略断面図である。 冷媒通流時の冷却収縮による内管の変位についての説明図である。
符号の説明
1 外管
1c 曲外管
2 内管
2c 曲内管
3 スペーサ(低熱伝導性スペーサ)
4 接触
5 フランジ
6 外管(曲管部内)
7 内管(曲管部内)
8 スーパーインシュレーション
9 超電導ケーブル
10 孔
20,21,22,23 矢示方向
25 内管本体
100 直管部
200 曲管部

Claims (3)

  1. 超電導ケーブルを収容し超電導送電時に77K以下の極低温冷媒を通流させるオーステナイト系ステンレス鋼製の内管と、該内管を囲む一又は複数の多重配置の外管とを有し、隣接する内側と外側の管間隙の少なくとも一つが真空断熱層とされた超電導送電用断熱多重管の、直管部に接続して配管方向を変更する、曲管部であって、該曲管部の内管及び外管が夫々前記直管部の内管及び外管と一対一に接続し、前記曲管部内の内管の外径は前記直管部内のそれと同一で、前記曲管部内の外管の外径は前記直管部内の接続相手の外管の外径よりも大であり、前記曲管部内の隣り合う内側と外側の管同士の管間隙が、前記直管部内の接続相手同士の管間隙よりも5mm以上大であるとして、前記極低温冷媒通流時の内管の外管への接触を防止したことを特徴とする超電導送電用断熱多重管の曲管部。
  2. 前記曲管部の曲がり角度が30度以上であることを特徴とする請求項1記載の超電導送電用断熱多重管の曲管部。
  3. 大気環境時の前記曲管部内において、内側の管はこれと隣り合う外側の管に対し、冷媒通流時に変位する方向とは逆の方向に、偏心配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導送電用断熱多重管の曲管部。
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