JP4899727B2 - 超伝導コイルの樹脂含浸方法 - Google Patents

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Description

本発明は超伝導コイルの樹脂含浸方法に係り、特に、医療機器であるMRI(MagneticResonance Imaging )装置(以下「MRI装置」という。)の超伝導コイルに適用するのに好適な樹脂含浸方法に関する。
超電導コイルは、大きな電磁力が作用すること、また、コイル線間の絶縁を確保するために、超電導コイルを樹脂で固める方法が採用されている。超電導コイルへの樹脂の含浸は、クエンチ(超電導状態から常電導状態への移行)の原因となるコイル内の残留ボイドをできるだけ少なくする必要がある。
従来のコイルへの樹脂含浸方法としては、一般的に、真空・加圧含浸法(以下「VIP法」という。)が採用されている。VIP法は、通常、真空状態(10〜50Pa)で脱気後、コイル内に樹脂を充填し、コイル内に残存するボイド(樹脂注入時に樹脂に同伴されて流入するボイド,コイル内の真空度の影響により発生するボイド)を加圧する。これにより、ボイドの容積を小さくして、その影響を回避する。
VIP法では、超電導コイルで重要となるコイル内に残存するボイドを皆無とすることが困難であることから、以下に示す方法が提案されている。
特許文献1には、ガラス繊維で覆われたNb3Snの超電導線で構成されるコイルへの樹脂の含浸方法として、VIP法をベースにコイル下側中央から樹脂を注入する方法について記載されている。しかし、この方法では、脱気容器と含浸容器の真空度調整・管理がなされていないことにより、脱気容器と弁との配管内に残る残留ガスが、コイルへの樹脂注入時に最初に注入されコイル内に残存する。また、含浸樹脂の減圧により発生するボイドが混在した樹脂を注入することから、コイル内にそのボイドが残存してしまう。さらに、真空状態の継続により、コイル内に含浸された樹脂からボイドが発生する可能性がある。また、巻枠,栓体,コイル外側,容器の狭小隙間に樹脂が入り込み固化するため、コイルの取り出しが困難になるという問題がある。
特許文献2には、多量の絶縁層を有するコイルにおいて、その絶縁層に含浸経路を生成し、樹脂注入速度をコイル内絶縁物に樹脂が浸透する速度以下にするVIP法をベースとした樹脂含浸方法が記載されている。しかし、この方法では、コイル内絶縁物に樹脂が浸透する時間が長時間かかることになり、樹脂の経時変化に伴うゲル化が進行してしまう。従って、樹脂粘性が大きくなり、コイル内への樹脂の浸透が損なわれる可能性がある。また、撹拌脱泡槽と注入弁の間の配管にある樹脂は撹拌されていないので、これをコイル内に注入すると固化しないゲル状になる問題もある。
特許文献3には、基本的にはVIP法を用いるが、脱気槽には撹拌機はなく、真空中で樹脂を含浸槽に滴下して、超電導コイル内への樹脂含浸を行う方法が記載されている。その際、未含浸領域(ボイド)を回避するため、超電導コイルに回転力,軸方向振動,振動+圧縮力を加え、また、超電導コイルに交流電源,超音波発生装置を接続した含浸装置が記載されている。しかし、この方法では、脱気槽には撹拌機がないため、脱気が不十分ある。さらに、脱気槽下端の樹脂は、樹脂の高さ分の圧を受けており、その樹脂が真空中の第2含浸容器に滴下されると、その時点で樹脂中の溶存気体等が析出し、ボイドとなり樹脂中に存在することになる。このような樹脂をコイルに含浸した場合、コイル内に多量のボイドが入ることになる。また、脱気が不十分な樹脂に回転力,振動等を加えると、さらに樹脂中の溶存気体が析出し易いことになる等の問題がある。
特許文献4には、基本的にはVIP法を用いるが、脱気槽には撹拌機がなく、巻胴に設けた孔から吸引し、コイル部の内外に圧力差を付け外周部から樹脂をコイル内に吸引含浸、硬化させる製法と製造装置が記載されている。しかし、この方法では、コイル部の内外に圧力差があり、吸引管接続部への樹脂流れが多く、コイル上部角部分に未含浸エリアが発生する可能性がある。また、注入される樹脂の溶存気体の飽和状態より吸引側が低い圧力となることから、コイル内に注入された樹脂から吸引側の圧力の飽和溶存気体との差分の気体が析出し、コイル内に残存する問題がある。また、脱気槽には撹拌機がないため、脱気が不十分となる問題もある。
熱硬化性の樹脂を用いた場合、コイル内含浸が完了後に、温度を上昇させ、樹脂を硬化させる。したがって、樹脂含浸時間を知ることが重要となる。コイルへの樹脂含浸時間が不明のままに樹脂を含浸すると、コイルの構造によっては、未含浸領域がある状態で硬化したり、また、真空含浸状態を長時間維持し、樹脂中のボイド発生リスクを大きくするなどの問題がある。特許文献1〜4には、樹脂含浸時間を知るための記載がない。したがって、樹脂硬化工程への移行は曖昧となり、量産体制での樹脂含浸では問題が残る。
特開平11−154607号公報 特開2001−189226号公報 特開平5−152118号公報 特開平9−283326号公報
課題1:最近のMRI装置では、高解像度を達成するため、高磁場を発生させることができる密巻きコイルの開発が急務となっている。密巻きコイルとすると、コイル線間の隙間が非常に狭く、流動抵抗も大きくなる。したがって、VIP法である真空含浸では、コイル全体が含浸するまでの時間が長時間必要となり、未含浸およびボイドの残留が問題になる。この密巻きコイルでは、コイルに作用する電磁力も大きいため、コイル線間の隙間に微小ボイドが残留すると、そのボイドが発端で割れが発生し、コイルの移動に伴う摩擦熱によりクエンチが発生することになる。また、注入樹脂の主剤と硬化剤との混合が十分行われていないと、樹脂が固化しないために十分な強度を得ることができず、クエンチが発生することになる。したがって、コイル内樹脂強度が十分にあり、ボイドの残留を抑制した樹脂含浸法を構築する必要がある。特許文献1〜4もコイル内にボイドまたは未含浸領域を無くすための樹脂含浸法と考えられるが、幾つかの問題もあり、樹脂含浸技術が確立されていない。熱硬化性樹脂を用いる超電導コイルの樹脂含浸においては、樹脂含浸完了時間が重要となる。この樹脂含浸完了時間を知ることで、次の樹脂硬化工程に移行できることになる。この樹脂含浸完了時間が不明であると、コイル内での樹脂未含浸領域の発生および樹脂中でのボイドの発生を誘発することになる。
課題2:特許文献1〜4には、個々のコイルへの樹脂含浸方法の記載があるが、1台のMRIに使用する俵積み密巻きコイルには、メインコイル,シールドコイル等大きさの異なるコイルがあり、これらを個々に製作すると、膨大な時間と費用が必要となる。すなわち、量産化に向けて、樹脂含浸時間の短縮及びコスト低減の対策が成されていないという課題もある。また、樹脂含浸装置の扱い易さ,分解・清掃のし易さ等の対策が成されていない課題もある。
本発明の目的は、超電導コイル内のボイドの残留を回避しクエンチの発生を抑制することができる超伝導コイルの樹脂含浸方法を提供することにある。
環状の収納部を備える収納容器に環状の超伝導コイルを収納し、その後、収納部に樹脂を注入して超伝導コイルに樹脂を含浸させる超電導コイルの樹脂含浸方法であって、収納部の上面は、水平面に対して傾斜した溝を有し、収納部への樹脂の注入が完了した後、収納部内の前記樹脂に圧力振動を加える。
本発明によれば、本発明の目的は、超電導コイル内のボイドの残留を回避しクエンチの発生を抑制することができる超伝導コイルの樹脂含浸方法を提供することができる。
課題1,2には、それぞれ幾つかの異なる課題があるので、まず、それぞれの課題および解決手段を列記する。
課題1−1:超電導コイルに含浸する樹脂中に溶存気体を発生源とするボイドが混在する。この樹脂を超電導コイルに含浸すると、コイル内にボイドが残留する。
課題1−1の解決手段:樹脂中の水分および溶剤中に含まれる溶存気体の析出は、溶存気体の飽和状態で規定される。つまり、樹脂温度を一定とし、樹脂含浸前の真空脱気での真空度より、コイルへの樹脂含浸時の真空度を真空脱気同等か若干下げることで不飽和状態とし、注入樹脂中の溶存気体の析出を抑える。しかし、この対策でも、真空度を真空脱気同等か若干下げることで、コイル内樹脂含浸領域には若干の気体が混在する可能性がある。この気体をコイル外に排出する手段として、コイル上部のFRPスペーサ(コイルを収納する収納容器内部の上部)に傾斜を有する溝を設け、ボイドがコイル外に排出し易くする。さらに、コイル内樹脂含浸完了後に加圧・減圧の変化を加え、圧力差により残留ボイドに変化を加え、ボイドをコイル外に排出する。これによって、コイル内のボイドの残留を抑制する。
課題1−2:密巻きコイルは、コイル線間の隙間が非常に狭く、流動抵抗も大きくなる。したがって、VIP法である真空含浸では、コイル全体を含浸するまでの時間が長時間となり、未含浸および減圧により発生する溶存気体の析出によるボイドの残留が問題になる。
課題1−2の解決手段:含浸容器への樹脂注入時は真空を保つが、できるだけ早く樹脂液位をコイル上部の規定液位とし、即加圧含浸に移行する樹脂注入法を採用する。これによって、コイル内の真空保持時間が短くなり、コイル内部での減圧によるボイド発生のリスクを小さくできる。
課題1−3:コイルの樹脂含浸に使用される樹脂である熱硬化性樹脂は、コイル内が樹脂含浸されてから、温度を上げ、硬化工程に入るが、コイル内含浸時間を把握していないと、何時硬化のための温度・圧力変化をさせてよいかが分からないことになる。このことから、早めに硬化工程に以降し、未含浸領域がある状態で固化してしまう可能性がある。
課題1−3の解決手段:未含浸領域を無くすために重要となるのは、コイル内含浸時間を把握することである。密巻き俵積みコイルでは、3本のコイル線の中央にできる隙間の流路に樹脂が流入する。この流路に流入する流量Qは、管内層流摩擦損失の式(1)をベースに、発明者の検討により新たに発明した(2)式で導出することができる。
ΔP=64/Re×L/D×(ρV2/2g) …(1)
Q={√(1/(64/Re×L/(D×α)×1/2g×ρ/ΔP))×A}×β…(2)
ΔP:流路の圧力損失,Re:レイノルズ数,L:流路長さ,D:流路径(等価直径),ρ:流体密度,V:流速,g:重力の加速度,A:流路面積,β:コイル流入口数,α:巻き線張力で変わる等価直径の補正係数
(2)式を用いて、時々刻々変わる樹脂含浸状態での樹脂流入量Qを計算し、樹脂流入量Qの積算値がコイルの樹脂含浸容積と同等になったら樹脂含浸が終了したことになる。この樹脂含浸の終了時間が樹脂含浸時間となる。この樹脂含浸時間は樹脂含浸工程のベースとなるものであり、樹脂含浸時間が分かると、樹脂の温度,圧力管理ができることになる。その結果、矛盾のない樹脂含浸工程を組むことができる。
課題1−4:密巻きコイルでは、コイル内の樹脂含浸隙間が非常に狭く樹脂含浸時の圧力損失が大きい。そのため、流入量が制限され、含浸時間が長時間となる。さらに、含浸する熱硬化性樹脂は、時間経過と共に短い時間で粘性が大きくなり、ゲル化する。これによって、コイル内での流動抵抗が増え、流入量が減少する。したがって、コイル内含浸時間を短くし、ゲル化前にコイル内への樹脂含浸を完了させる必要がある。
課題1−4の解決手段:(2)式を用いて、含浸時間に影響を及ぼす因子である巻き線張力、注入口数について解析し、これらをコイル体系に反映させ、樹脂硬化工程との矛盾の回避を行い、一連の樹脂含浸工程を決定する。たとえば、樹脂含浸時間が長くなる場合は、コイル上下部のFRPスペーサに樹脂注入口である溝を多数設けることで、コイルへの樹脂含浸時間を短くする。また、コイル張力を小さくしてコイル線間をルーズにすることにより、等価直径も大きくなり、樹脂が流入し易くなる。
課題1−5:真空脱気容器下方の樹脂注入配管には、注入樹脂の主剤,硬化剤の混合が十分行われていない樹脂液が溜まる可能性がある。この樹脂液がコイル内に注入されると、樹脂が固化しないため十分な強度が得られず、クエンチ現象の発生原因となる。
課題1−5の解決手段:真空脱気後にコイル含浸容器へ樹脂を注入するとき、真空脱気容器下方の樹脂注入配管に設けてある弁の直上にある上流側ドレーン管の弁を開け、真空脱気容器下方の樹脂注入配管内部に溜まっている未脱気の樹脂剤をドレーンタンクに排出する。これによって、樹脂注入配管内部には、真空脱気後の樹脂が入れ替わり溜まることになる。
課題2−1:MRI装置に使用するコイルには、メインコイル,シールドコイル等大きさの異なるコイルがあり、これらを個々に1台の樹脂含浸装置で製作すると、膨大な時間と費用が必要となる。すなわち、量産化に向けて、樹脂含浸時間の短縮及びコスト低減の対策が成されていない。
課題2−1の解決手段:1台のMRI装置に使用するメインコイル,シールドコイル等、大きさの異なるコイルをその形状に合わせた複数のダッチオーブン型樹脂含浸容器を用いるとともに、それぞれのコイルの樹脂含浸時間を(2)式で計算して含浸工程を決定し、それぞれの樹脂含浸を同時に行う樹脂含浸装置とする。この装置では、注入樹脂の真空脱気部を共通とする。これによって、各種コイルの樹脂含浸時間の短縮及び電熱費等のコスト削減ができる。
課題2−2:樹脂含浸装置の扱い易さ,分解・清掃のし易さ等の対策が成されていない。
課題2−2の解決手段:本発明による樹脂含浸装置では、配管類や容器間の接続は、取り外しが簡単なフランジ及びねじ込み継ぎ手等で構成しており、真空脱気容器及び樹脂注入配管は、含浸容器に樹脂注入後、即取り外しができる構成となっている。従って、樹脂が固まらない状態で各部品を取り外して洗浄することができる。また、樹脂含浸真空容器と樹脂含浸容器とを別ものとすることで、樹脂硬化後のコイルを簡単に取り出すことができる。したがって、次の樹脂含浸工程への移行がスムーズにでき、時間,コスト削減に寄与することができる。
上記課題1,2及び解決手段1,2を纏めると以下のようになる。つまり、課題1は、1)真空含浸時に発生する溶存気体によるボイドがコイル内に混入すること、2)密巻きコイルのようにコイル線管の隙間が非常に狭く圧力損失も大きいものでは、真空条件で樹脂含浸する場合、樹脂の含浸に長時間を必要とし、コイル内での樹脂未含浸および減圧により発生する溶存気体の析出によるボイドの残留が生じること、3)含浸する熱硬化性樹脂は、時間経過と共に短い時間で粘性が大きくなり、ゲル化すること、4)コイルの樹脂含浸に使用される樹脂である熱硬化性樹脂は、コイル内が樹脂含浸されてから、温度を上げ、硬化工程に入るが、コイル内含浸完了時間が把握できていないと、5)樹脂混合・脱気装置からの樹脂注入管内の樹脂は、樹脂の主剤,硬化剤の混合・脱気が十分行われないことである。
課題1を解決ためのする解決手段1は、以下の通りである。つまり、1)コイル上部のFRPスペーサに傾斜の付いた溝を多数設け、ボイドを排出し易くする。さらに、コイル内樹脂含浸完了後に加圧・減圧の急激な変化を加え、その圧力差で残留ボイドに変化を加え、コイル外に排出する。加圧・減圧の変化を加えるために、樹脂含浸容器をできるだけ小さな容器とし、加圧・減圧の急激な変化をもたらすことができるようにする。2)VIP法である真空含浸をメインとするのではなく、含浸容器への樹脂注入時は真空を保つが、できるだけ早く樹脂液位をコイル上部の規定液位とし、即加圧含浸に移行する樹脂注入法を採用する。3)コイル上下部のFRPスペーサに樹脂注入口である溝を多数設けることで、コイルへの樹脂含浸時間を短くする。4)コイル内に流入する流量を(2)式により導出して樹脂含浸時間を決定する。5)樹脂含浸装置として、真空脱気容器下方の樹脂注入配管に設けてある弁の直上にある上流側ドレーン管の弁を開け、真空脱気容器下方の樹脂注入配管内部に溜まっている未脱気の樹脂剤をドレーンタンクに排出する構成とする。
課題2は、1)MRI装置に使用する密巻きコイルは、メインコイル,シールドコイル等大きさの異なる多種多様なコイルがあり、これらのコイルを1台の樹脂含浸装置で個々に製作すると、膨大な時間と費用を必要とすること、2)樹脂含浸装置の扱い易さ,分解・清掃のし易さ等の対策が成されていないことである。
課題2を解決するための解決手段2は、以下の通りである。つまり、1)大きさの異なる多種多様なコイル形状に合わせたダッチオーブン型樹脂含浸容器を用いて、それぞれのコイルの樹脂含浸を同時に行う樹脂含浸装置とする。この装置では、注入樹脂の真空脱気部を共通とする。2)樹脂含浸装置の配管類や容器間の接続は、取り外しが簡単なフランジ,ねじ込み継ぎ手等で構成する。真空脱気容器及び樹脂注入配管は、含浸容器に樹脂注入後、即取り外しができる構成とする。樹脂含浸真空容器と樹脂含浸容器とを別ものとすることで、樹脂硬化後のコイルの取り出しを簡単にできる構造とする。
本発明によれば、超電導材を用いた超電導コイルにおいて、コイル未含浸を回避した高性能なクエンチレスコイルとすることができ、かつ、超電導コイルの量産化に適した樹脂含浸装置を提供することができる。
図1に本発明による超電導コイルへの樹脂含浸装置の全体構成を示す。樹脂含浸方法は、基本的には、加圧含浸法によるオートクレイブ成形である。まず、超電導コイルへの樹脂含浸装置の概要を構成を説明する。超電導コイルへの樹脂含浸装置は、樹脂の混合・脱気を行う1つの混合・脱気装置1と、混合・脱気が完了した樹脂をコイルに含浸する複数のダッチオーブン型樹脂含浸装置2a,2bと、これらの装置の真空・加圧を行う真空配管系統3,加圧配管系統4及び各装置の状態を把握するための計測系とから構成される。
ここで、配管系設置機器の記号について説明する。弁類でVV−nは真空系の弁、PV−nは加圧系の弁、IV−nは樹脂注入系の弁、DV−nはドレーン弁、AV−nは空気開放系の弁である。計測計としては、PGが歪み式圧力計、PB−nがブルドン管式圧力計(負圧表示有)、VGが真空計、Tnが熱電対温度計である。ヒータの制御系としては、TCは温度コントローラ、LCは出力電力コントローラである。
真空・加圧配管系統について説明する。真空系は、真空ポンプ5により真空を維持され、その系統は、真空弁VV−3を経由して混合・脱気装置1の真空容器6に接続されているもの、真空弁VV−4,5を経由してダッチオーブン型樹脂含浸装置2a,2bのダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bに接続されているもの、真空弁VV−6を経由して他のダッチオーブン型樹脂含浸装置(図示せず)に接続されているものがある。
加圧配管系は、高圧乾燥空気ボンベ8(コンプレッサでも可)から供給される気体により加圧するもので、その系統は、加圧弁PV−3を経由して、混合・脱気装置1の真空容器6に供給されているもの、加圧弁PV−4,5を経由してダッチオーブン型樹脂含浸装置2a,2bのダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bに供給されているもの、加圧弁PV−6を経由して他のダッチオーブン型樹脂含浸装置(図示せず)に供給されているものがある。
混合・脱気装置1からダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへの樹脂供給系統は、樹脂注入弁IV−3を経由して樹脂供給弁IV−4によりダッチオーブン型樹脂含浸装置2aへの樹脂を供給する系統,樹脂供給弁IV−5によりダッチオーブン型樹脂含浸装置2bへの樹脂を供給する系統,樹脂供給弁IV−6により他のダッチオーブン型樹脂含浸装置(図示せず)に樹脂を供給する系統がある。この系統は、スウェージロック継手を使用しており、取り付け・取り外しが簡単にできるものである。この系統の弁であるIV−3,IV−4,IV−5,IV−6には、弁の上流かつ弁の近傍に、ドレーン弁(DV−1,DV−2,DV−3)が設けられる。ここで、ドレーン弁DV−1は、混合・脱気装置1で混合・脱気された樹脂を注入する際、樹脂供給系統配管に最初に残留する混合・脱気が不十分な樹脂を抜き出すのに使用する。また、ドレーン弁DV−1は、ダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへの樹脂注入が完了した後に、混合・脱気装置1で余った樹脂をドレーンするのに使用する。さらに、注入樹脂の粘性をチェックするサンプリング管も備える。ダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへの樹脂注入が完了して樹脂供給弁IV−4,IV−5を閉止した後、樹脂供給弁IV−4,IV−5の上流近傍にあるドレーン弁DV−2,DV−3を開放して、まだ樹脂が液体の状態の時に管内に溜まった樹脂をドレーンする。なお、この樹脂注入系統の管外側には、ヒータ9及び熱電対温度計10が設けられており、管を通過する樹脂の温度を規定の温度に制御する。
このような注入系統構成とすることで、樹脂注入時の温度管理,樹脂注入初期の混合・脱気不足の樹脂の排出ができる。また、樹脂が液体で付着している状態での解体、つまり、樹脂供給弁IV−4,IV−5を閉止後、その上流側の解体をすぐに行うことがきる。したがって、付着している樹脂を固化させることがない。また、加圧含浸に移行したとき、大気圧状態で樹脂供給弁IV−4,IV−5を外し、その下流の配管に閉止栓を取り付けることで、樹脂供給弁IV−4,IV−5を洗浄することができる。したがって、樹脂が液体の状態で洗浄することができるので、溶剤による洗浄を容易に行うことができる等の効果がある。
つぎに、熱硬化性樹脂の特性について説明する。図2に樹脂含浸工程での温度と樹脂粘性との関係を示す。図2において、横軸は脱気過程からの経過時間を、縦軸は温度と粘性を示す。熱硬化性樹脂を用いた通常のコイル樹脂含浸では、樹脂の混合(主剤・硬化剤)・脱気後、温度を含浸温度に維持し、コイルへの含浸を行う。その後、第一硬化温度,第二硬化温度に上昇させ、樹脂を硬化させる。熱硬化性樹脂は、コイルへの含浸温度に維持した状態でも経時変化によりゲル化が起こり、粘性が上昇する。そのため、樹脂含浸時において、コイル内の圧力損失が大きくなり、流入量が制限される。このように含浸時間が長くなると、コイル内に未含浸領域が発生することになる。
したがって、短時間(約10時間程度)でコイルへの樹脂の含浸を完了させるのが望ましい。つまり、樹脂含浸装置においては、短時間でコイルへの樹脂含浸が完了する装置とする必要があること、さらには、最適な樹脂含浸方法が必要となる。
このような構想の下で発明者が検討した混合・脱気装置1とダッチオーブン型樹脂含浸装置2a,2bの詳細を以下に説明する。
まず、図3に示す混合・脱気装置1について説明する。混合・脱気装置1の構造は、主に上部がフランジ構造と成っている真空・加圧容器11と、その内部に収納する撹拌樹脂溜容器12と、その撹拌樹脂溜容器12に溜める樹脂62を撹拌する撹拌機13とからなる。ここで、真空・加圧容器11の上部フランジには、撹拌機の駆動装置13,覗き窓
14,樹脂主剤注入系15,樹脂硬化剤注入系16,真空系3,加圧系4が取り付けられている。また、真空系3,加圧系4が合流した配管には、その系統の圧力を知るためのブルドン管圧力計17が取り付けられている。樹脂主剤注入系15,樹脂硬化剤注入系16の先端は、撹拌樹脂溜容器12内に樹脂剤が流入できるように導かる構造となっている。撹拌樹脂溜容器12内には、撹拌機の羽18が設置されている。また、撹拌樹脂溜容器
12外側には、樹脂温度を維持するためのヒータ19と熱電対温度計20(T14)が設置されている。この温度は外部の温度コントローラ21及び出力電力コントロ−ラ22により制御される。ここで、熱電対(T14,T15)及びヒータ19の電線は、真空漏れを回避するため、真空を維持できる端子接続フランジ23を経由して外部に導出される。なお、熱電対(T14,T15)はデータ処理装置100に接続され、監視される。
また、撹拌機の駆動装置13の構造は、図3−1のA部詳細図に示すように、モータ構造であり、撹拌シャフト24をベアリング25で受け、撹拌シャフト24と回転子コイル26とが一体となったものを外部コイル27で駆動し、回転子コイル25をステンレス壁28で隔離した構造となっている。また、取付フランジ29,30は、真空漏れを回避するため、オーリング31でシールされている。混合・脱気装置1の構造は、樹脂を使用することから、分解・洗浄ができる構造とし、かつ、真空状態を維持できるものにしなければならない。つまり、撹拌樹脂溜容器12は、外部に取り出して洗浄する必要がある。
したがって、外部への樹脂注入部構造は、図3−2のB部詳細図に示す構造とする。つまり、外部への樹脂注入管32は、撹拌樹脂溜容器12底部に溶接され、断熱材33を通過し、真空・加圧容器11に溶接されたノズル管34内を通り外部に引き出され、その先端にはねじ込み継ぎ手35が取り付けられている。ノズル管34の先端には、オーリング36を収納する凹部品37,オーリング押さえ部品38,ねじ込みキャップ39で構成する真空保持機構が設置され、内部のオーリング36で樹脂注入管32外表面をシールする。これによって、真空状態の維持及び解体・組立が容易にできる。樹脂注入管32の先端のねじ込み継ぎ手35には、樹脂注入用の弁IV−3が設置され、その上流側近傍にドレーン弁DV−1が設けられている。
ドレーン弁DV−1は、3つの役割がある。1つ目は樹脂注入管32にある初期の混合ができていない樹脂の排出であり、2つ目は混合された樹脂の粘性をチェックする際の試料採取であり、3つ目は撹拌樹脂溜容器12に残った樹脂の排出である。つまり、このドレーン弁DV−1によって、混合されていない樹脂のダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへの流入を防止できること、樹脂粘性のチェックにより常に一定の粘性の樹脂をダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへ送り込むことができること、さらに、撹拌樹脂溜容器12に残った樹脂の排出ができることで、撹拌樹脂溜容器12の洗浄処理が容易にできる等の効果がある。
このような、混合・脱気装置1の構造とすることで、樹脂の混合から真空脱気までの工程をスムーズに行うことができ、時間の短縮を図ることができる。
図4は、混合・脱気装置1による樹脂の混合・脱気工程の推移を示している。ここで、横軸は混合・脱気装置1の上部に設けた樹脂主剤注入系15,樹脂硬化剤注入系16からそれぞれの樹脂剤を注入してからの経過時間を表している。縦軸は真空・加圧容器11の圧力,樹脂温度,樹脂粘性,撹拌樹脂溜容器12での樹脂液位を表している。
本発明の混合・脱気装置1による樹脂の混合・脱気工程は、まず、真空・加圧容器11を脱気圧力であるP1になるまで真空引きする。その後、樹脂主剤注入系15,樹脂硬化剤注入系16から、使用する樹脂量分の樹脂剤(主剤,硬化剤)を真空・加圧容器11に注入し、撹拌機13により混合する。この時、樹脂の温度は、コイルに注入する含浸温度にコントロールされる。この状態で混合及び真空撹拌脱気を行うが、真空・加圧容器11上部の覗き窓14から樹脂状態を観察し、ボイドの上昇がないことを確認して、第1真空撹拌脱気を終了する。その後、一度乾燥空気で圧力を大気圧状態として、樹脂注入管32の樹脂注入用弁IV−3の上流側近傍に設けてあるドレーン弁DV−1を開けて、樹脂注入管32内に存在する混合脱気未達樹脂を外部に捨てた後、樹脂粘性のチェックを実施する。この作業が終了したら、再度、脱気圧力であるP1になるまで真空引きする。なお、乾燥空気で圧力を大気圧状態とすることによる気体の再度の溶け込みは殆どない。その後、第2撹拌脱気を行う。真空・加圧容器11上部の覗き窓14から樹脂状態を観察し、ボイドの上昇がないことを確認して、第2撹拌脱気の終了を決定する。以上の工程により、脱気が終了する。ダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへの樹脂の注入は、真空度をP2圧力まで若干低下させた状態で行う。
この真空度をP2圧力まで若干低下させる根拠について図5を用いて説明する。樹脂中には、溶剤の揮発成分及び水分が含まれており、真空中では、それらが蒸発しボイドとなる。図5は、溶存気体の析出境界曲線を示している。樹脂の脱気注入温度をa点とした場合、溶存気体の析出境界圧はb点となる。樹脂の脱気をb点で示す真空度で行うと、溶剤の揮発成分が全て蒸発するまでボイドが出続けることになり、樹脂の硬化時特性に変化をもたらすことになる。したがって、樹脂の脱気圧は、この溶存気体の析出境界曲線より、若干高めのP1とする。ダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7bへの樹脂の注入圧は、このP1圧より若干高めのP2とする。コイルへの樹脂注入時のダッチオーブン型樹脂含浸容器7a,7b内圧力は、このP2圧と同等とする。これによって、超電導コイルのクエンチの課題である樹脂含浸時の樹脂中のボイドの発生を回避することができる。
つぎに、混合・脱気装置1で混合脱気が完了した樹脂が注入されるダッチオーブン型樹脂含浸装置2aの詳細について説明する。図6にダッチオーブン型樹脂含浸装置2aの全体構成図を示す。
注入樹脂は、前記した樹脂注入管32から接続されている分岐配管40を経由して、分岐樹脂注入弁IV−4,容器直上樹脂注入管41を通り、恒温槽42内のダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの樹脂溜容器43に注入される。ここで、分岐樹脂注入弁IV−4直上に設置したドレーン弁DV−2は規定量の樹脂を樹脂溜容器43に注入した後に、分岐樹脂注入弁IV−4上流で管内に溜まった樹脂をドレーンするものである。これによって、樹脂が固まる前に分岐樹脂注入弁IV−4上流の配管を解体・洗浄できる。
このダッチオーブン型樹脂含浸容器7a上部には、樹脂注入系の他に真空・加圧系であるガス系44が圧力計PB−4を経由して接続されている。
まず、ダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの加熱・保温を行う恒温槽42の構造について図6−1を用いて説明する。恒温槽42は、円形の土台45の上に敷き詰められた保温材46を囲むように支柱47中心に観音開きする4枚の外壁48が設けられている。さらに、その上部には蓋49が設置される。なお、土台45部には、コイル本体を乗せるための熱絶縁材50が設けられている。これら、円形の土台45,外壁48,蓋49には、保温材を介してヒータ51が設置されている。ヒータ51は、恒温槽42に収納されるダッチオーブン型樹脂含浸容器7aを加熱するもので、それぞれの壁に設置されている熱電対温度計(T12〜T14等)の信号を基に外部に設置された温度コントローラ(TC)
21,出力電力コントローラ(LC)22により制御される。なお、恒温槽42上部には、恒温槽42に収納されるダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの内部を監視するためのカメラ52,モニター80が設置されている。この恒温槽42の内側の大きさは、収納されるダッチオーブン型樹脂含浸容器7aより若干大きいものとする。これは、ヒータ加熱の熱効率を高くし、経済性の向上を図るためである。
図6−2は恒温槽42の分解時の様子を示している。図6−2に示すように、恒温槽
42はダッチオーブン型樹脂含浸容器7aを設置する場合と取り出す場合に分解することができる。ここで、支柱47中心に観音開きする4枚の外壁48には観音開きする時の力を軽減するための車53が設置されており、人力で容易に開くことができる。
恒温槽42を以上のような構造とすることで、簡単に分解・組立てができることから、作業の効率化を図ることができる。また、コンパクトにできることから、熱ロスを少なくでき、熱効率を高くすることができる等の効果がある。
次に、恒温槽42に収納されるダッチオーブン型樹脂含浸容器7aとその内部構造について図6−3を用いて説明する。このダッチオーブン型樹脂含浸容器7aは、ボビン54にコイル線55が巻かれたコイルの形状とほぼ合致したコイル収納容器56とそのコイル収納容器56の蓋57からなる。コイル収納容器56と蓋57は、フランジ形式で間に高温対応のテフロン(登録商標)またはシリコン系のパッキン58を挟みボルトで固定される。これによって、真空・加圧での漏れを回避している。ここで、蓋57には、樹脂注入管41,真空・加圧系であるガス系44,ダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの内部を観察する覗き窓59,光取り用の窓60,吊具61が設置されている。各部の外表面温度を監視するための熱電対の取付位置は、蓋57で中央部のT10,フランジ部のT9,コイル収納容器56で外側面のT8,T11,底部のT7である。各部の内表面温度を監視するための熱電対の取付位置は、蓋57で中央部のT6,コイル収納容器56で側面内側のT3,T5,底部のT4である。これらの温度計によりダッチオーブン型樹脂含浸容器7a全体の温度を監視制御する。このダッチオーブン型樹脂含浸容器7a内には、ボビン54にコイル線55を巻いたコイル1体が収納されるが、このコイルは直接コイル収納容器56に接するのではなく、薄板で構成した樹脂溜容器43を介してコイル収納容器56に接している。これは、直接樹脂がコイル収納容器56に接し、固化しないための対策で、樹脂は樹脂溜容器43に注入される。樹脂溜容器43は樹脂の固化後にコイル本体と一緒に吊り具63にワイヤーを掛け外部に搬出し、取り外さなければならないことから、取り外しが容易な薄いブリキ板、または防着シート(テフロン系(登録商標))等で構成される。このような構造のダッチオーブン型樹脂含浸容器7aに真空状態で規定量の樹脂62を注入する。この規定量の樹脂は、樹脂温度を監視する熱電対温度計T1,T2の温度変化及び覗き窓59で監視し、決定する。なお、熱電対温度計T1,T2は、樹脂が固化した場合でも上部液位近傍に位置するため、コイル本体を外部へ搬出する前に、固化樹脂を砕き取り外すことができる。
ダッチオーブン型樹脂含浸容器7aとその内部構造を以上のような構造とすることで、ダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの内容積と樹脂含浸するコイル本体との容積の差が小さくなることから、注入する樹脂量を少なくすることができる。さらに、容積が小さいことで、熱容量が小さくなり、熱効率が向上する。したがって、容積はコイル容積の1.5倍以下とする。また、樹脂を樹脂溜容器43に注入することで、ダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの内側を汚すことがないので、メンテナンスが容易である。さらに、組立式とすることで、解体が容易であること、温度,圧力,目視による内部観察ができることから、最も良く状態把握ができる等の効果がある。
図7は、樹脂溜容器43に収納されたコイル本体の詳細断面図を示す。ここで、符号
41は樹脂注入管を、54はコイルボビンを、55はコイル線を、64は下部スペーサを、65は下部スペーサの樹脂注入口を、66は上部スペーサを、67は上部スペーサの樹脂注入口兼ボイド排出口溝を、68はコイル内樹脂とコイル外樹脂の境として使用する剥離シートを、69はコイル内で発生したボイドを示している。
図7は、樹脂注入管41より注入された樹脂62が規定液位に到達し、コイル内を樹脂が満たし、圧力振動(後で説明)を加えられたコイル内のボイド69がコイル外に排出される様子を示している。
本発明によるコイル本体の特徴は、樹脂注入口とボイド排出口67を兼用した上部スペーサ66の溝67構造である。その構造は、コイル内側(内周側)より外側(外周側)が高くなるように溝が切ってあり、コイル上部に溜まった微小ボイド69が浮力により排出し易くしたものである。
図7−1は、FRP製の上部スペーサ66の構造を示す。図7−1に示すように、上部スペーサ66の溝67は設けられている溝の数は、下部スペーサ64に設けられた樹脂注入口である溝65と同数とすることができる。溝65,67は、樹脂注入口でもあり、溝65,67の数が多いほど、コイルへの樹脂含浸時間が短くなる。樹脂のゲル化時間を考慮すると、溝(樹脂注入口)65,67の数は多いほど望ましい。尚、本実施例においては、コイル内側より外側が高くなるように溝を切ったが、コイル外側を内側より高くなるように溝を切っても同様の効果を得ることができる。
次に、コイル内への樹脂含浸時間について説明する。樹脂含浸完了後の工程を決定するために、コイル内への樹脂含浸時間を把握することは最も重要ある。樹脂含浸時間が不明であると、樹脂硬化工程である加温のスタート時間が不正確になり、コイル内に未含浸領域を作り出すことになる。
樹脂含浸の最も重要となる樹脂含浸時間について、本発明による予測法を以下に示す。まず、密巻きコイル内での樹脂流動状況を図8により説明する。樹脂含浸時には、樹脂
62が矢印73−0〜73−2に示すように上下スペーサの溝65,67より流入し、俵積みコイル内の狭い流路70(図8−1参照)を流れ、最終的にコイル全体を含浸する。樹脂は、コイル角から太い点線矢印71で示すように、斜方向に順次含浸する。ここでは、最初に含浸される四隅に最も近い流路70を第1周とし、細い点線72で示すように順次含浸され、コイル中心部が最終周となる。この周回路の流れは、たとえば、矢印73−1から入った樹脂の周回路は矢印73−2向かい流れ、距離はその半分となる。点線72で示す周回路は流路70が多数あっても並列流路であり、圧力損失は1流路と同等となる。この流路に流入する流量Qは、管内層流摩擦損失の式(1)をベースに新たに発明した(2)式で導出できる。
ΔP=64/Re×L/D×(ρV2/2g) …(1)
Q={√(1/(64/Re×L/(D×α)×1/2g×ρ/ΔP))×A}×β…(2)
ΔP:流路の圧力損失,Re:レイノルズ数,L:流路長さ,D:流路径(等価直径),ρ:流体密度,V:流速,g:重力の加速度,A:流路面積,β:コイル流入口数,α:巻き線張力で変わる等価直径の補正係数
ここで、俵積みコイルの流路径Dは巻き線張力F0が同じでもコイル半径rが異なるとコイル線の押付力Frが変わるため、流路径Dは補正が必要となる。式(3)は、コイル半径rとコイル線の押付力Frの関係を示す(図9参照)。
Fr∝1/r …(3)
図10には、俵積みコイルにおいてコイル線の押付力Frが異なる場合の線間流路70の違いを示す。押付力Frが大きい場合、下にある2つにコイル線間が開くことになり、線間流路70の流動抵抗は小さくなる。従って、流路径Dは大きめに補正する必要がある。押付力Frが中くらいの場合、コイル線間が密接し、線間流路70の流動抵抗は大きくなる。この場合においても、設計寸法を基に求めた流路径Dではだめで、流路径Dは小さめに補正する必要がある。押付力Frが小さい場合、コイル線間がルーズとなり、線間流路70の流動抵抗は中くらいとなり、流路径Dは大きめに補正する必要がある。このように押付力Frの違いにより流路径Dが異なることから、押付力Frと補正係数(α)との関係をデータベース化し、樹脂含浸時間の導出計算で用いる。
(2)式を用いて時々刻々変わる樹脂含浸状態での樹脂流入量Qを計算し、樹脂流入量Qの積算値がコイルの樹脂含浸容積と同等になったら樹脂含浸が終了したと判断し、樹脂含浸の終了時間を樹脂含浸時間とする。
次に、樹脂含浸時間予測法の検証試験について示す。図11に試験体である模擬コイルの形状示す。図12は、樹脂含浸時間予測法の検証試験結果を示す。試験体である模擬コイルの形状は、半径φ150,模擬コイル線765ターンで、樹脂注入口溝はコイル下部に等間隔で24箇所設けた。模擬樹脂とて水を使用した。試験体は全て透明のアクリルで製作し、内部の樹脂の含浸状態を監視し、全て含浸された時の時間を計測した。
試験時の目視観察について、以下に述べる。試験は、真空状態で、模擬樹脂である水を注入し、パラメータである一定水位Hでホールドする。模擬樹脂である水は、コイル下部に等間隔に設けた24箇所の溝から流入してコイル内に入り込む。コイル線隙間への含浸は、図中の点線矢印で示すように下部の2つの隅から含浸され、上部の中央部で完了となる。
図12において、横軸はコイル中心から水面までの水頭(H)を表し、縦軸はコイル内が水で満たされるまでの時間を表している。縦横軸の目盛りは対数である。この結果から、樹脂含浸時間予測法での予測値(a)と試験結果(b)は良く一致しており、予測法が正しく評価していることが分かる。したがって、実樹脂でのコイル内への含浸時間の予測法として十分対応可能である。樹脂含浸時間は樹脂含浸工程のベースとなるものであり、樹脂含浸時間が分かると、樹脂の温度,圧力管理において、矛盾のない樹脂含浸工程を組むことができる。
図13は、本発明による樹脂含浸コイル量産化装置の下で実施したボイドレス樹脂含浸方法を示している。本発明の樹脂含浸方法における樹脂含浸の手順は、従来技術(VIP法)による樹脂含浸手順とは異なる。
従来技術(VIP法)による樹脂含浸手順は、「樹脂真空脱気→真空含浸(樹脂含浸完了)→加圧含浸(コイル内残留ボイドの体積減少)→硬化」である。従来技術(VIP法)では、真空状態で樹脂含浸が行われるため、樹脂中の溶存気体,揮発性流体の析出,蒸発が生じ、ボイド発生のリスクが大きい。さらに、樹脂含浸時間が分からないとの課題がある。樹脂のゲル化時間との兼ね合いから、短時間で樹脂含浸が完了する小さいコイル径でコイル内圧力損失が小さく、しかも、ボイドが混在しても影響を受けにくい電磁力の小さいコイルの樹脂含浸に適用するには、VIP法は有効である。しかし、コイル径が大きく、コイル内圧力損失が大きく、しかも電磁力が大きいコイルの樹脂含浸方法としては、
VIP法は、樹脂のゲル化時間と樹脂含浸時間との関係およびボイドの発生リスクにおいて不向きである。したがって、新たな樹脂含浸方法が必要である。
これに対して、本発明による樹脂含浸方法による樹脂含浸手順は、「樹脂真空脱気→コイル含浸容器樹脂注入(樹脂がコイルを浸すまで)→加圧含浸→圧力振動追加→硬化」である。
つまり、本発明による樹脂含浸方法では、コイル径が大きく、コイル内圧力損失が大きく、しかも電磁力が大きいコイルに対して好適な樹脂含浸方法であり、樹脂のゲル化時間との関係から、急速含浸が可能な加圧含浸を中心に構成するものである。
本発明による樹脂含浸方法による樹脂含浸手順について、図13を用いて説明する。
コイルへの樹脂含浸の準備として、まず、コイルの温度を一度、硬化温度である最大温度まで上昇させ真空脱気を十分に行い、その後、樹脂含浸温度にして待機する。樹脂は含浸温度で脱気装置により真空脱気を十分行い、ボイドの発生のない状態とする。脱気装置による樹脂の脱気,空コイル内の脱気が終了したら、樹脂を注入する。まず、脱気装置1の圧力とダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの圧力を同圧にして、脱気装置1からダッチオーブン型樹脂含浸容器7aの樹脂溜容器43に樹脂を注入する。この注入時期を図13のa点で示す。a点における樹脂溜容器43内の圧力は、脱気装置による真空脱気より若干真空度は低いことから、樹脂溜容器43内での樹脂からのボイドの発生はない。この状態で、注入樹脂の液位をコイル上部の定位置まで急速に上昇させる。
本発明では、この工程の間が真空含浸となるが、密巻きコイルのように、コイル内の圧力損失が大きい場合は、コイル内への樹脂含浸量は極めて少ないことから、この時間帯をできるだけ短くする。
密巻きコイルでは、従来のVIP法同様に真空含浸だけでコイル含浸を行うとすると長時間を要する。そのため、注入樹脂のゲル化によりコイル内への樹脂の流入が困難となり、未含浸領域が発生する。本発明では、この未含浸領域の発生を回避するため、樹脂液位がコイル上部の定位置になったら、ダッチオーブン型樹脂含浸容器7a内を即乾燥空気で加圧し、規定圧力まで加圧する加圧含浸を主とする方法を採用した。加圧含浸では、コイル内の未含浸領域の圧力はほぼ真空圧を保持しているため、樹脂を圧入することで高速で含浸することが可能となる。したがって、樹脂のゲル化が始まる前に、コイルの樹脂含浸を完了させることができる。
含浸が完了する時間は、脂含浸時間予測法により前以て判明しており、従来技術のように含浸が完了したかどうか不明で手探りの状態で次の工程に移行するのではなく、スムーズに含浸完了後の工程に移行できる。
ただし、コイル上部には、真空度が若干悪い分のボイド69が残留する可能性がある。この残留ボイド69を排出する操作として、樹脂含浸完了後に加圧空気を一度大気圧まで低下させ、さらに減圧し、大気圧と減圧状態とを繰り返す圧力振動を加えボイド追出し操作を実施する。これによって、コイル上部に残留しているボイドをコイル外に排出する。なお、コイル上部のスペーサ66には斜めの溝が設けられており、ボイドの排出をし易くする構造となっている。
このボイド追出し操作完了後に再度規定圧力まで加圧し、樹脂硬化工程に移行する。熱硬化性樹脂の硬化工程では、圧力振動を加えボイドの追出操作完了後に一次硬化温度までコイル内樹脂温度を上昇させた後、二次硬化温度まで温度を上昇させ樹脂を完全に硬化させる。その後、温度,圧力を下降させ、常温、大気圧状態でダッチオーブン型樹脂含浸容器7aからコイルを取り出し、コイル周りに付着した余分な樹脂を削除してコイルの樹脂含浸工程が全て終了する。
上記した樹脂含浸法及び樹脂含浸装置を適用することで、以下の利点がある。
1)樹脂の脱気圧と含浸圧を制御することで、樹脂中からの溶存気体,蒸発気体であるボイドの発生を回避できる。
2)加圧含浸を主とすること、さらに、樹脂含浸時間予測法を確立したことで、未含浸領域の発生を回避でき、樹脂含浸工程を決定することができる。
3)樹脂含浸時間予測法を確立したことで樹脂注入口数の最適化ができる。
4)ボイド排出対策として、コイルの構造的には上部スペーサに傾斜溝を設け、さらに、樹脂含浸時の加圧過程で大気圧と減圧状態とを繰り返す圧力振動を加えることで、徹底して低真空度で発生するボイドの排出を行い、残留ボイドを無くすことができる。
上記した本発明による樹脂含浸コイル量産化装置と超電導コイルのボイドレス樹脂含浸方法により、クエンチレスの超電導コイルを完成することができる。
本発明による樹脂含浸コイル装置の全体構成図。 樹脂含浸工程での樹脂温度と樹脂粘性の関係図。 本発明による樹脂脱気装置の構成全体図。 本発明による真空保持撹拌機のモータ側詳細図。 本発明による脱気装置外部への樹脂注入部真空保持構造の詳細図。 本発明による樹脂の混合・脱気工程図。 本発明による樹脂真空注入圧と真空撹拌脱気圧の関係図。 本発明によるダッチオーブン型樹脂含浸装置の全体構成図。 本発明によるダッチオーブン型樹脂含浸容器加熱・保温用恒温槽の構造図。 本発明によるダッチオーブン型樹脂含浸容器加熱・保温用恒温槽の分解状態図。 本発明によるダッチオーブン型樹脂含浸容器とその内部構造図。 本発明による樹脂溜容器に収納されたコイル本体の詳細断面図。 本発明によるFRP製の上部スペーサの構造図。 本発明による密巻きコイル内での樹脂流動状況指示図。 俵積みコイル内の狭い流路指示図。 コイル半径rとコイル線の押付力Frの関係図。 コイル線の押付力Frが異なる場合の線間流路の違いを表す図。 試験体である模擬コイルの形状図。 本発明による模擬コイルの含浸時間予測値と試験結果の関係。 本発明による樹脂含浸方法による樹脂含浸手順図。
符号の説明
1…混合・脱気装置、2a,2b…ダッチオーブン型樹脂含浸装置、3…真空配管系統、4…加圧配管系統、5…真空ポンプ、6…真空容器、7a,7b…ダッチオーブン型樹脂含浸容器、8…高圧乾燥空気ボンベ、9,19,51…ヒータ、10,20,Tn…熱電対温度計、11…真空・加圧容器、12…撹拌樹脂溜容器、13…撹拌機の駆動装置、14,59…覗き窓、15…樹脂主剤注入系、16…樹脂硬化剤注入系、17…ブルドン管式圧力計、18…撹拌機の羽、21,TC…温度コントローラ、22,LC…出力電力コントローラ、23…端子接続フランジ、24…撹拌シャフト、25…ベアリング、26…回転子コイル、27…外部コイル、28…ステンレス壁、29,30…取付フランジ、31,36…オーリング、32…樹脂注入管、33…断熱材、34…ノズル管、35…ねじ込み継ぎ手、37…凹部品、38…オーリング押さえ部品、39…ねじ込みキャップ、40…分岐配管、41…容器直上樹脂注入管、42…恒温槽、43…樹脂溜容器、44…ガス系、45…土台、46…保温材、47…支柱、48…外壁、49,57…蓋、50…熱絶縁材、52…カメラ、53…車、54…ボビン、55…コイル線、56…コイル収納容器、58…パッキン、60…光取り用窓、61,63…吊具、62…樹脂、64…下部スペーサ、65…下部スペーサ注入口、66…上部スペーサ、67…上部スペーサ注入口兼ボイド排出口溝、68…剥離シート、69…ボイド、73−0〜73−2…矢印、70…コイル内流路、71…点線矢印、72…細い点線、80…モニター、100…データ処理装置、PB−n…ブルドン管圧力計(負圧表示あり)、VG−n…真空計、PG…歪式圧力計、VV−n…真空系弁、PV−n…加圧系弁、IV−n…樹脂注入系の弁、DV−n…ドレーン弁、AV−n…空気開放弁。

Claims (8)

  1. 環状の収納部を備える収納容器に環状の超伝導コイルを収納し、その後、前記収納部に樹脂を注入して前記超伝導コイルに樹脂を含浸させる超電導コイルの樹脂含浸方法であって、
    前記樹脂は注入流路を介して前記収納部に注入され、下記式で定義される前記収納部への前記樹脂の流入流量Qにより、前記超電導コイルの樹脂含浸時間を予測することを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
    樹脂流入流量Q={√(1/(64/Re×L/(D×α)×1/2g×ρ/ΔP))
    ×A}×β
    (ただし、ΔP:流路の圧力損失,Re:レイノルズ数,L:流路の長さ,D:流路の径(等価直径),ρ:流体(樹脂)密度,V:流速,g:重力の加速度,A:流路面積,β:流路数,α:巻き線張力に依存する流路の径(等価直径)の補正係数、である。)
  2. 請求項1に記載の超電導コイルの樹脂含浸方法において、前記樹脂流入量Qの積算値が前記超伝導コイルに浸漬すべき樹脂量に達する時刻を前記超電導コイルの樹脂含浸時間とすることを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
  3. 請求項1に記載の超伝導コイルの樹脂含浸方法において、
    前記超伝導コイルの上部スペーサは、水平面に対して傾斜した溝を有し、
    前記収納部への前記樹脂の注入が完了した後、前記収納部内の前記樹脂に圧力振動を加えることを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
  4. 請求項3に記載の超電導コイルの樹脂含浸方法において、前記収納部への前記樹脂の注入が完了した後、前記収納部内の前記樹脂を加圧することにより前記超伝導コイルに樹脂を含浸させることを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
  5. 請求項3又は4に記載の超電導コイルの樹脂含浸方法において、前記収納部の内周側から外周側に向かうほど、水平面からの高さが高くなるように前記溝が形成されていることを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
  6. 請求項3乃至5に記載の超電導コイルの樹脂含浸方法において、前記樹脂が加圧された状態で前記圧力振動が加えられることを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
  7. 請求項3乃至6に記載の超電導コイルの樹脂含浸方法において、前記収納部に前記樹脂を注入する前に前記樹脂を脱気し、前記収納部に前記樹脂を注入する際の真空度は、前記樹脂を脱気する際の真空度よりも低いことを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
  8. 請求項3乃至7に記載の超電導コイルの樹脂含浸方法において、前記収納容器は前記収納部内に発生したボイドを前記収納部外へ放出するための排出口を有し、前記排出口は前記収納部内に前記樹脂を注入するための注入流路を兼ねることを特徴とする超電導コイルの樹脂含浸方法。
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