JP2006168300A - 成形条件設定支援方法及び装置 - Google Patents

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宏樹 若林
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Abstract

【課題】金型内に配置した基材への含浸状態を解析する成形条件設定支援方法、装置、コンピュータプログラムまたは記憶媒体の提供。
【解決手段】金型内に配置した基材に樹脂を含浸する一部の形状を複数の微小要素に分割した解析モデルを用いて、含浸過程をシミュレーションする成形条件設定支援方法。微小要素における含浸し易さを規定するパラメータで含浸される過程の解析を行い各微小要素ごとの特定パラメータを求める特定パラメータ算出工程、特定パラメータ算出工程により求められた特定パラメータの変化に基づいて微小時間後の含浸パラメータを選択する含浸パラメータ選択工程、含浸パラメータ選択工程により選択された含浸パラメータを各微小要素ごとに設定する含浸パラメータ設定工程と、含浸パラメータ設定工程により設定された含浸パラメータに基づき、含浸される過程の解析を行う成形条件設定支援方法、装置、コンピュータプログラムまたは記憶媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複合材料の成形に使用されるRTM成形法(Resin Transfer Molding成形法)などの含浸成形法において、炭素繊維織物などの多孔質媒体内に含浸させる樹脂の含浸過程を、コンピュータを用いて有限要素法などの数値解析手法によりシミュレーションする含浸成形における成形条件設定支援方法、装置、コンピュータプログラムおよび記憶媒体に関する。
RTM成形法は、炭素繊維やガラス繊維などで構成される織物やマットなどの多孔質媒体(以下、これらを総称して基材と称する。)を金型内に配置し、金型内へ樹脂を注入してFRP成形品を得る成形法である。
従来、射出成形、含浸成形、液晶パネルの充填など様々な分野において、樹脂の流動挙動をコンピュータを用いて有限要素法などの数値解析手法によりシミュレーションする手法が広く活用され、高品質化、高効率化、低コスト化に貢献している。
これら一般に流動物が流路を流れるような流体の流動過程をコンピュータシミュレーションにより再現する解析方法において、その流動過程は次のダルシー則に従うものとされていた。
v=C×(ΔP/ΔL)・・・(1)
ここで、v(m/s)は流動速度、C(m/(Pa・s))は流動コンダクタンス、ΔP(Pa)/ΔL(m)は単位長さ当たりの圧力勾配である。
(1)式によれば、流動物の金型内での流れやすさを示す指標として流動コンダクタンスCが用いられているが、例えば、射出成形と含浸成形ではその定義式が下に示すように異なっている。
C1=−(h×h)/(12×μ)・・・(2)
C2=−K/μ・・・(3)
ここで、C1(m/(Pa・s))は射出成形の流動コンダクタンス、C2(m/(Pa・s))は含浸成形の流動コンダクタンス、h(m)は金型キャビティの肉厚、μ(Pa・s)は樹脂粘度、K(m)は含浸パラメータである。
(2)式によれば、射出成形解析における流動コンダクタンスは、金型キャビティの肉厚分布と注入樹脂の樹脂粘度に基づいて計算されるのに対し、(3)式による含浸成形解析における流動コンダクタンスは、含浸し易さの指標である含浸パラメータと注入樹脂の樹脂粘度に基づいて計算される。すなわち、射出成形解析は流動コンダクタンスが使用する樹脂と成形品の形状とに関係するものであり、流動コンダクタンスが使用する樹脂と基材固有値である含浸パラメータとに関係する含浸成形解析とは本来性格の異なったものである。
(1)式のダルシー則を用いた、RTM成形法に代表される含浸成形法における樹脂の基材への含浸過程についてコンピュータを用いて有限要素法などの数値解析手法によりシミュレーションする方法として、特許文献1に示すような含浸成形解析が提案されている。また、特許文献2、3などに示すような(1)式のダルシー則を用いた含浸成形解析を利用したRTM成形法などが提案されている。
しかし、これら従来の含浸成形解析では、上述したとおり(1)式のダルシー則を用いることから含浸パラメータは射出成形解析における肉厚のように一意に定義されるものとされていた。このため、これら従来のシミュレーション技術の精度には限界があり、更なる精度向上が求められていた。
特開2003−11170号公報 特開2003−39451号公報 特開2003−39479号公報
本発明は、RTM成形法に代表される含浸成形法における樹脂の含浸挙動を高い精度で予測する数値解析手法によりシミュレーションする含浸成形の成形条件設定支援方法、装置、コンピュータプログラムおよびそれを記憶した記憶媒体を提案することを目的とする。
本発明者は、従来のシミュレーション技術による含浸成形の成形条件設定支援方法の精度がよくない原因を検討したところ、従来技術では含浸パラメータが適切に設定されていないのではないか、すなわち、含浸パラメータは基材固有値であり、時間、距離、速度、速度こう配、圧力および温度および粘度などによって変化する場合もあるとの仮説の下に、このような非定常状態の場合、含浸パラメータをこれらの特定パラメータの少なくとも1つに基づいて、解析中に繰り返し決定するような工程を適用したところ、従来法と比較して、精度が格段に優れる方法を提供できることを見出した。すなわち、本発明の含浸成形の成形条件設定支援方法は、金型内に配置した基材に樹脂を含浸する際、基材の少なくとも一部の形状を複数の微小要素に分割した解析モデルを用いて、金型内に配置した基材へ樹脂の含浸過程をコンピュータにより下記工程を経てシミュレーションすることを特徴とする含浸成形の成形条件設定支援方法である。
(A)基材の少なくとも一部の形状を複数に分割した微小要素における金型内に配置した基材への樹脂の含浸し易さを規定する含浸パラメータに基づいて金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行い各微小要素ごとの特定パラメータを求める特定パラメータ算出工程
(B)特定パラメータ算出工程により求められた特定パラメータの変化に基づいて微小時間後の含浸パラメータを選択する含浸パラメータ選択工程
(C)含浸パラメータ選択工程により選択された含浸パラメータを各微小要素ごとに設定する含浸パラメータ設定工程
(D)含浸パラメータ設定工程により設定された含浸パラメータに基づき、金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行う工程
また、上記課題を達成するために、本発明の含浸成形における成形条件設定支援装置は、金型内に配置した基材に樹脂を含浸する際、基材の少なくとも一部の形状を複数の微小要素に分割した解析モデルを用いて、金型内に配置した基材へ樹脂の含浸過程をコンピュータにより下記工程を経てシミュレーションすることを特徴とする含浸成形の成形条件設定支援装置である。
(A)基材の少なくとも一部の形状を複数に分割した微小要素における金型内に配置した基材への樹脂の含浸し易さを規定する含浸パラメータに基づいて金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行い各微小要素ごとの特定パラメータを求める特定パラメータ算出工程
(B)特定パラメータ算出工程により求められた特定パラメータの変化に基づいて微小時間後の含浸パラメータを選択する含浸パラメータ選択工程
(C)含浸パラメータ選択工程により選択された含浸パラメータを各微小要素ごとに設定する含浸パラメータ設定工程
(D)含浸パラメータ設定工程により設定された含浸パラメータに基づき、金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行う工程
また、本発明は、上記成形条件設定支援方法および装置において、各工程をコンピュータを用いて実行するためのコンピュータプログラム、およびそれを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。
本発明によれば、含浸パラメータを適切に設定することができ、精度良く含浸過程をシミュレートすることができる。これにより、製品開発において、高品質化、高効率化、低コスト化に大きく貢献できる。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の成形条件設定支援方法を実施する装置の一実施例の形態を示す構成図であり、解析条件設定手段101、含浸パラメータ設定手段102、解析実行手段103、特定パラメータ算出手段104、含浸パラメータ選択手段105、解析結果出力手段106よりなる解析演算処理を行う演算装置100(コンピュータ)、解析データやソフトウェアなどを保存するメモリやハードディスク等のデータ記憶装置110、キーボードやマウス等の解析条件入力装置120、ディスプレイやプリンタ等からなる出力装置130等を備えている。
この解析演算処理を行う演算装置100(コンピュータ)上の各手段はいずれも演算装置100のCPUおよびメモリによって構成されるハードウェア上の関数やサブルーチン等の形で実現されている。
また、データ記憶装置110としては、メモリやハードディスクの他、フロッピー(登録商標)ディスク、ZIP、MO、PD、CD−R、DVD、磁気テープ等の取り外し可能な補助記憶装置も利用可能である。
オペレータが解析条件入力装置120により、例えば樹脂注入口/排出口の位置、成形圧力、樹脂注入温度、金型温度、樹脂粘度などの解析条件、解析モデル、および含浸パラメータの入力を行い、こうしたデータはデータ記憶装置110に格納される。オペレータの指示により演算装置100がこのデータを読み込み解析を行った後、解析結果をデータ記憶装置110に格納する。得られた解析結果は出力装置130により表示され、オペレータが成形条件などを変更し再び解析を行うことができる。
また、解析結果の出力は別途用意したプリンタ装置等に対して行ってもよく、データ記憶装置110に格納してもよい。この場合は例えば別の解析装置の入力データとしてこの出力を利用することもできる。
本実施例における数値解析手法は、通常の数値解析で行われるデータ準備工程、解析実行工程、および解析結果表示工程よりなる。本発明の成形条件設定支援方法においては、各工程を、さらに、次のようなステップにより構成する。すなわち、データ準備工程は、解析条件の入力を行うステップ1と、含浸パラメータの設定を行うステップ2、解析実行工程は含浸解析を実行するステップ3、特定パラメータの算出をするステップ4、特定パラメータに基づき含浸パラメータの選択をするステップ5により構成する。
図2は、本発明の成形条件設定支援方法を実施する場合の一実施例の各ステップの構成を示すフローチャートである。本実施例の含浸成形解析では、はじめに解析モデルおよび解析条件を入力する(ステップ1)。次に解析モデルの各微小要素における含浸パラメータを設定する(ステップ2)。次にステップ2で設定された含浸係数に基づいて含浸解析を実行し、微小時間後の含浸状態を得る(ステップ3)。次にステップ3で得られた含浸状態における各微小要素における特定パラメータを算出する(ステップ4)。次にステップ4で得られた各微小要素における特定パラメータに基づいた各微小要素における含浸パラメータを選択する(ステップ5)。次にステップ2に戻り、ステップ5により選択された含浸パラメータを各微小要素に設定し、ステップ3により解析を実行する。このようにしてステップ2〜5を繰り返し、全ての微少要素が含浸完了した時点で解析終了となる。このようにして得られた解析結果を例えばグラフィック処理して、等高線あるいはグラフなどの形式で表示する(ステップ6)。また上述のようにプリンタ装置などに出力してもよい。
次に、含浸パラメータおよび特定パラメータについて説明する。
本発明における含浸パラメータとしては、基材への樹脂の含浸し易さを規定するパラメータであれば限定はされないが、特に含浸係数は基材への樹脂の含浸し易さを規定するパラメータとして最も代表的なものであることから、好ましい。よって以下、含浸係数を用いた場合について説明する。
まず、含浸係数の設定方法を説明する。樹脂の含浸過程において、基材に含浸する樹脂の挙動は下式に示すダルシー則に従うことが知られており、含浸速度は以下の式で得られる。
v=(K/μ)×(ΔP/ΔL)・・・(4)
ここで、v(m/s)は含浸速度、K(m)は含浸係数、μは樹脂粘度(Pa・s)、ΔP(Pa)/ΔL(m)は単位長さ当たりの圧力こう配である。この式を時間t(s)で積分すれば、含浸係数は以下の式で得ることができる。
K=(L×L×μ)/(2×P×t)・・・(5)
ここで、L(m)は樹脂注入口からフローフロント(流動樹脂の先端)までの距離である。(5)式から、樹脂注入口からフローフロントまでの距離とそこへの到達時間、樹脂粘度、成形圧力が分かれば、含浸係数が計算できる。よって一例として図3に示すような装置を用いて平板のような基本形状に対して含浸実験を行い、樹脂注入口からフローフロントまでの距離とそこへの到達時間、樹脂粘度、成形圧力を測定すれば、含浸係数を算出できる。図3において、31は含浸係数測定装置、32は樹脂タンク、33は真空ポンプ、34は基材、35は注入口、36は排出口である。
本発明における含浸パラメータと関係する特定パラメータとしては、到達時間t(s)、フローフロントまでの距離L(m)、含浸速度v(m/s)、含浸速度こう配Δv/ΔL(1/s)、成形圧力P(Pa)、成形温度T1(℃)、金型温度T2(℃)のうち少なくとも一つ以上から選択することが好ましい。これら全てのパラメータについて考慮する必要はないが、設計者が形状を考慮して、含浸パラメータに影響があると考える設計パラメータについて検討することが好ましい。含浸パラメータと特定パラメータの関係については、上述した含浸パラメータの測定方法において特定パラメータを変化させ、含浸パラメータを測定することによって影響の大きいものを知ることができる。
これら含浸パラメータと特定パラメータの関係は、解析条件入力装置120により解析実行時に毎回入力して使用しても良いし、材料物性データベースとしてデータ記憶装置110にあらかじめ記憶させておいても良い。また、含浸パラメータと特定パラメータの関係は、数値、表、関数など、含浸パラメータと特定パラメータが関係付けられ、かつ、演算装置100に読み込み可能な形式であればどのような形式でも問題ない。また、含浸パラメータと特定パラメータの関係は、上述した基本形状による含浸係数測定実験によって求めても良いし、成形プロセスの計算シミュレーションにより求めても良い。
以下に、本発明の基本的な実施方法を解説することを目的とし、図4に示すような成形品41の含浸成形解析を例に、本発明を含浸成形時の含浸解析に適用した場合の実施形態例を説明する。
ステップ1では解析条件入力装置120により、解析対象となる金型内に配置した基材へ樹脂の含浸する形状を複数の微小要素に分割した解析モデルを含み、必要に応じてさらに、樹脂注入口/排出口の位置、樹脂注入圧力、樹脂注入温度、金型温度、樹脂粘度などを含む解析条件を入力する。ここでは、図5に示すように図4の成形品形状を3角形の微小要素により分割した解析モデル51を構築した。また注入口52、排出口53を入力した。これら解析条件入力は、予め解析条件入力装置120により入力しておき、データ記憶装置110にデータベースとして保存していたデータから選択することにより入力してもよい。入力した解析条件データはメモリ上に保持すると共に必要に応じて解析条件設定手段101によりデータ記憶装置110に保存しても良い。解析モデルはこのように既に作成されたものをメモリ上に読み込んだり、CADデータ等から自動的に作成したりしてメモリ上に構築することができる。
ステップ2では、ステップ1で入力された解析条件データをデータ記憶装置110より演算装置100のメモリに読み込ませ、含浸パラメータ設定手段102により各微小要素について含浸パラメータを設定する。
ステップ3では、ステップ2で設定した解析条件データおよび含浸パラメータに基づいて解析実行手段103により含浸成形解析を実行する。含浸成形解析は、通常の場合、樹脂注入開始から、樹脂が解析モデルに含まれる全ての微小要素に含浸完了するまでの間を何ステップかに分割して計算する。その結果、各計算ステップにおいて、解析モデル内の含浸進行状態、各微小要素における材料の流動方向、圧力、温度などの解析結果が得られ、その回の解析結果として演算装置100のメモリ、または、データ記憶装置110に記憶する。なお、ここで、解析実行手段103としては有限要素法、境界要素法、差分法、有限体積法などの数値解析手法を利用すればよい。
ステップ4では、ステップ3の解析結果より特定パラメータ算出手段104により、各微小要素における到達時間、フローフロントまでの距離、含浸速度、含浸速度こう配、成形圧力、成形温度、金型温度のうち少なくとも一つを計算し、各微小要素における特定パラメータとして計算結果を演算装置100のメモリ、または、データ記憶装置110に記憶させる。
ステップ5では、特定パラメータ算出手段104により算出された各微小要素における到達時間、フローフロントまでの距離、含浸速度、含浸速度こう配、成形圧力、成形温度、金型温度のうち少なくとも一つを用いて、含浸パラメータ選択手段105により該特定パラメータに基づいた各微小要素における含浸パラメータを選択し、選択した含浸パラメータを演算装置100のメモリ、またはデータ記憶装置110に記憶する。
次にステップ2に戻り、含浸パラメータ選択手段105より新たに選択した各微小要素における含浸パラメータを含浸パラメータ設定手段102により設定し、ステップ3にて新たに選択した含浸パラメータに基づいて含浸成形解析を実行する。このようにして全ての微小要素が含浸完了するまでステップ2〜ステップ5を繰り返す。
全ての微小要素が含浸完了した時点で、解析結果出力手段106により解析結果を出力する。すなわち、ステップ6では、解析結果出力装置130により、圧力、温度、速度などの解析結果を等高線表示、数値データ表示、グラフ表示、ベクトル表示などの手法にて出力する。図6は全ての微小要素が含浸完了した状態で、各微小要素の含浸される時間を等高線表示した含浸パターン61である。
このような解析方法を用いて成形品の含浸成形過程を解析することによって、適切な注入口/排出口の位置の設定といった金型設計や、成形時の圧力、速度、温度等といった成形条件等の各種パラメータを変更した場合の影響を把握することができる。解析の結果、最適と思われる製造パラメータを最終決定し、最終決定された製造パラメータに基づいて製造することにより、製品開発期間の短縮や製品品質の向上を行うことができる。
上記実施形態例は、演算装置100(コンピュータ)、データ記憶装置110、解析条件入力装置120、出力装置130、及びそれらを動作させるプログラムなどによって実施する。このようなプログラム及び各種の記憶装置のデータはフロッピー(登録商標)ディスク、ZIP、MO、PD、CD−R、DVD、磁気テープ等のコンピュータ読み取り可能な有形媒体や有線または無線のネットワークのような伝送手段を用いて流通させることが可能である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
本実施例は、図7に示すように、外形寸法が300×1000×t1(mm)の平板形状71に対して、含浸解析を実施したものである。
まず、含浸係数を算出するため、図3に示す装置を用いて含浸係数測定実験を行った。使用基材として、東レ(株)製炭素繊維“トレカ”T300B−3K平織りクロスCO6343を4ply(積層角度:0°/45°/45°/45°)に積層し、使用樹脂として日本油脂(株)製エーテル系合成油“ユニルーブMB−II”を使用した。積層角度は1000(mm)の長手方向を0(°)とた。樹脂粘度は0.013(Pa・ss)で一定、樹脂温度および金型温度は20(℃)、含浸圧を100(KPa)とし、本条件下でフローフロントまでの距離とそこへの到達時間を測定した。測定結果を(5)式に適用することで、図8に示す含浸係数を算出した。本実施例においては特定パラメータを到達時間とし、横軸に到達時間t(s)、縦軸に含浸係数K(mm)を取ったものである。
ステップ1として、解析条件入力装置120により、図9に示す解析モデル91、注入ライン92および排出ライン93の位置、温度、含浸圧、樹脂粘度など、通常の含浸成形解析で用いられる解析条件を入力した。使用基材は含浸係数測定実験と同様である。使用樹脂は、“キュアゾール”2MZ(登録商標、四国化成工業(株)製)3重量部をプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)2重量部、および“リカレジン”PO−20(登録商標、新日本理化(株)製)6重量部に添加し、90℃に加温して攪拌・溶解させ、次に、この溶液を70℃に保持し、さらに別途70℃に加温した“エポトート”YD−128(登録商標、東都化成(株)製)100重量部を加えて1分間攪拌してエポキシ樹脂組成物を調整したものを使用した。また、ISO 2884−1における円錐−平板型回転粘度計を使用した測定方法に準拠し、エポキシ樹脂組成物を調整した直後の70℃における粘度を測定した結果、102cPであった。ここで、装置は東機産業(株)製のTVE−30H型を用い、ローターは1°34’×R24を用い、サンプル量は1cmとした。その他解析条件は、樹脂温度40(℃)、金型温度は60(℃)、含浸圧を400(KPa)とした。
ステップ2として、含浸パラメータとして先に得られた図8に示す含浸係数と到達時間の関係を入力し、各微小要素に設定した。
ステップ3として、ステップ2で設定した含浸係数に基づき含浸成形解析を実行した。
ステップ4として、ステップ3の含浸成形解析結果から、特定パラメータとして到達時間を算出した。
ステップ5として、ステップ4にて特定パラメータとして算出された到達時間に基づいた含浸係数を選択した。
次にステップ2に戻りステップ5にて選択した含浸係数を各微小要素に設定した。
以降、全ての微小要素が含浸完了するまでステップ2〜ステップ5を繰り返し実行した。以上のステップにより、図10に示す含浸パターン11を得た。
解析手法の妥当性検証のため、本実施例と同様の含浸実験を実施し、結果を比較した。図11は、横軸に到達時間t(s)を、縦軸にフローフロントL(mm)を取ったもので、解析結果を実線で、実験結果を●印で示している。本図に示すように、実験結果と解析結果はほぼ一致しており、含浸係数を適切に定義することで精度良く含浸過程をシミュレートすることが確認できた。
本発明は、成形条件設定支援方法及び装置として含浸成形解析に限らず、コンダクタンスを定義する因子が何らかのパラメータに依存する場合の成形条件設定支援方法及び装置として適用する事ができる。例えば、インピーダンスを必要とする音響解析や、多孔質体への浸透解析などにも適用することができるが、その応用範囲はこれらに限られるものではない。
本発明の一実施形態例を示す構成図である。 本発明の一実施形態例の手順を示すためのフローチャートである。 含浸係数測定を実施する装置例である。 本発明の一実施形態例を示す成形品形状である。 図4の成形品を微小要素に分割した状態を示す概念図である。 図4の成形品に対して含浸成形解析を実施した結果得られた含浸パターン図である。 本発明の実施例における成形品形状である。 本発明の実施例における含浸係数と到達時間を示すグラフである。 図7の成形品を微小要素に分割した状態を示す概念図である。 図4の成形品に対して含浸成形解析を実施した結果得られた含浸パターン図である。 本発明の実施例における含浸解析結果と含浸実験結果の比較グラフである。
符号の説明
100 :演算装置
101 :解析条件設定手段
102 :含浸パラメータ設定手段
103 :解析実行手段
104 :特定パラメータ算出手段
105 :含浸パラメータ選択手段
106 :解析結果出力手段
110 :データ記憶装置
120 :解析条件入力装置
130 :出力装置
31 :含浸係数測定装置
32 :樹脂タンク
33 :真空ポンプ
34 :基材
35 :注入口
36 :排出口
41 :成形品形状
51 :解析モデル
52 :注入口
53 :排出口
61 :含浸パターン
71 :成形品形状
91 :解析モデル
92 :注入ライン
93 :排出ライン
94 :含浸パターン

Claims (8)

  1. 金型内に配置した基材に樹脂を含浸する際、基材の少なくとも一部の形状を複数の微小要素に分割した解析モデルを用いて、金型内に配置した基材へ樹脂の含浸過程をコンピュータにより下記工程を経てシミュレーションすることを特徴とする含浸成形の成形条件設定支援方法。
    (A)基材の少なくとも一部の形状を複数に分割した微小要素における金型内に配置した基材への樹脂の含浸し易さを規定する含浸パラメータに基づいて金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行い各微小要素ごとの特定パラメータを求める特定パラメータ算出工程
    (B)特定パラメータ算出工程により求められた特定パラメータの変化に基づいて微小時間後の含浸パラメータを選択する含浸パラメータ選択工程
    (C)含浸パラメータ選択工程により選択された含浸パラメータを各微小要素ごとに設定する含浸パラメータ設定工程
    (D)含浸パラメータ設定工程により設定された含浸パラメータに基づき、金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行う工程
  2. 特定パラメータが、時間、距離、速度、速度こう配、圧力および温度からなる群より選ばれた1つ以上のパラメータである請求項1に記載の含浸成形における成形条件設定支援方法。
  3. 含浸パラメータが、含浸係数である請求項1、2のいずれかに記載の含浸成形における成形条件設定支援方法。
  4. 金型内に配置した基材に樹脂を含浸する際、基材の少なくとも一部の形状を複数の微小要素に分割した解析モデルを用いて、金型内に配置した基材へ樹脂の含浸過程をコンピュータにより下記工程を経てシミュレーションすることを特徴とする含浸成形の成形条件設定支援装置。
    (A)基材の少なくとも一部の形状を複数に分割した微小要素における金型内に配置した基材への樹脂の含浸し易さを規定する含浸パラメータに基づいて金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行い各微小要素ごとの特定パラメータを求める特定パラメータ算出工程
    (B)特定パラメータ算出工程により求められた特定パラメータの変化に基づいて微小時間後の含浸パラメータを選択する含浸パラメータ選択工程
    (C)含浸パラメータ選択工程により選択された含浸パラメータを各微小要素ごとに設定する含浸パラメータ設定工程
    (D)含浸パラメータ設定工程により設定された含浸パラメータに基づき、金型内に配置した基材に樹脂が含浸される過程の解析を行う工程
  5. 特定パラメータが、時間、距離、速度、速度こう配、圧力および温度からなる群より選ばれた1つ以上のパラメータである請求項4に記載の含浸成形における成形条件設定支援装置。
  6. 含浸パラメータが、含浸係数である請求項4、5のいずれかに記載の含浸成形における成形条件設定支援装置。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の成形条件設定支援方法をコンピュータを用いて実行するためのコンピュータプログラム。
  8. 請求項7に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
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