実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18とセットハンドルと発射モータなどで構成されている。なお、上述した遊技球発射装置38が本発明における遊技球発射手段に相当する。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。また、窓穴21には、2枚のガラス137(図2参照)が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置ユニット26(第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとを備える)、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置ユニット26、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第1の始動口33および第2可変入賞装置32bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ(図示省略)、カウントスイッチ223(図20参照)、作動口スイッチ224、カウントスイッチ223(図20参照)および特定領域スイッチ222(図20参照)等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置42と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41とを備えている。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部43による表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。なお、表示部43は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第1図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第1図柄表示装置42が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
可変入賞装置ユニット26は、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとを備えている。第1可変入賞装置32aの直下に第2可変入賞装置32bが位置している。可変入賞装置ユニット26は、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとを単一構成部品としてユニット化したものである。
第1可変入賞装置32aは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に特別遊技状態(大当り状態)が発生する。そして、第1可変入賞装置32aの大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、第1可変入賞装置32aの大入賞口が所定回数繰り返し開放され、それを所定ラウンド(本実施例では14ラウンド)までは必ず実行するようになっている。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第2可変入賞装置32bは、第1可変入賞装置32aとは別で、所定の指示を受けた場合に、遊技球が入球可能な開状態と遊技球が入球不可能な閉状態とに可変するものである。本実施例では、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作する場合がある。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第2の始動口34は、該第2の始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第1の始動口33や可変入賞装置ユニット26の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、第2の始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、第2の始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されており、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、第1可変入賞装置32aには、カウントスイッチ223(図20参照)とが設けられている。第2可変入賞装置32bには、特定領域スイッチ222(図20参照)とカウントスイッチ223(図20参照)とが設けられている。特定領域スイッチ222(図20参照)は、大当たり状態で第2可変入賞装置32bに入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、第1可変入賞装置32a内のカウントスイッチ223(図20参照)は入賞球をカウントするスイッチであり、第2可変入賞装置32b内のカウントスイッチ223(図20参照)は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ(図示省略)が設けられている。なお、上述した作動口スイッチ224が本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ(図示省略)及びゲートスイッチ(図示省略)は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面中継基板(図示省略)が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222(図20参照)及びカウントスイッチ223(図20参照)は大入賞口中継基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継基板(図示省略)がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置ユニット26には、第1可変入賞装置32aの大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、第2可変入賞装置32bの大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドとが設けられ、第1の始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図5を用いて説明する。図5は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備している。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備している。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ(図示省略)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ(図示省略)が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入することとしている。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図15参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図15の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路643、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図15参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ(図示省略)による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータが駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第2図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置42及び第2図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ(図示省略)に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMl端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流5ボルトの電圧を監視し、この電圧が5ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図15のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ(図示省略)のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチの状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチが押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチが押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,613のデータがクリアされる。
ところで、第1図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図6に示すように、上・中・下の3つの図柄列U,M,Dが設定されており、図柄列U,M,D毎に左図柄、中図柄、右図柄の3個ずつの図柄(第1図柄:例えば特別図柄)が横方向に変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した、海中生物などの絵柄からなる主図柄SZと、貝型形状の絵図柄からなる副図柄FZとにより構成されており、数字の昇順に主図柄SZが表示されると共に各主図柄SZの間に副図柄FZが配されて一連の図柄列U,M,Dが構成されている。そして、周期性を持って主図柄SZと副図柄FZが右から左へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、上図柄列Uおよび中図柄列Mにおいて、上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄SZの番号が増える順)に表示され、下図柄列Dにおいて、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄SZの番号が減る順)に表示される。そして、第1の始動口33への入賞に基づいて一連の図柄列U,M,Dの変動表示が開始され、そして、上図柄列U→下図柄列D→中図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第1図柄表示襲置42上の5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特定遊技動画(特別遊技動画)が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第1図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、第1図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「676」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「676」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で綴り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は10で、その値は 「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第1図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が9通り設定されていることから、基本的に45個(0〜44)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜44の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり44)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽通は、第1図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第1図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算給果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、第2図柄表示装置41の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図8〜図19のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMl端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を税明する。
図13は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図13において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチを除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1の始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図14のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。このように始動入賞処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図15は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図15のNMI割込み処理を開始する。図15のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図15のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMl端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図15のNMI割込み処理を開始する。その内容は図15で説明した通りである(但し、この払出制御装置311のNMI割込み処理ではステップS804の電源断通知コマンドの送信はない)。
次に、メイン処理について説明する。
図8は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチが押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチがONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻り、それから後述する通常処理(図9参照)に移行する。例えば、通常処理のステップS202まで実行されて電源断となった場合には、電源断前の番地へ戻り、通常処理のステップS203から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図9において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パ夕ーンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図10に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄例の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS307では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS306に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カタンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS310では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS311に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS306,S310が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図9のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS207では、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部43にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると第1の始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図13に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図11のフローチャートを参照して説明する。
図11において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第1図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図12のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜44は、全5つの有効ライン上における45通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄〉で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄〉が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動種別を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図11の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止命令を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図16は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチが押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ523がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。
図17において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ(図示省略)をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図18)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図19)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ(図示省略)をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図18に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図17の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図17の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図17の払出制御処理に戻る。
また、図19に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図17の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図17の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図17の払出制御処理に戻る。
次に、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について、図20〜図24を用いて説明する。図20は主制御装置261と表示制御装置45と可変入賞装置ユニット26の要部構成を示すブロック図である。図21(a)は、可変入賞装置ユニット26の構成を示す概略正面図であり、図21(b)は、可変入賞装置ユニット26の構成を示す概略斜視図である。図22(a)は、第1可変入賞装置32aの動作状態を示す可変入賞装置ユニット26の概略正面図であり、図21(b)は、第2可変入賞装置32bの動作状態を示す可変入賞装置ユニット26の概略正面図である。図23(a)は、第1図柄表示装置42に表示される当選表示演出を示す図であり、図23(b)は、第1図柄表示装置42に表示される落選表示演出を示すである。図24(a),(b)は、第1図柄表示装置42に表示される昇格当選表示演出を示す図である。
前述したように、主制御装置261は、パチンコ機10の主たる制御を司るものであって、第1の始動口33への遊技球の入球に基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、いわゆる大当り状態)の発生の有無を判断する機能を有するものである。つまり、主制御装置261は、図20に示すように、遊技者にとって有利な特定遊技状態(特別遊技状態=大当り状態)の発生の有無についての抽選をする抽選部420を備えており、この抽選部420で当選した場合に、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示結果を予め設定した特定の図柄の組合せ(大当り図柄)で表示して特別遊技状態を発生させる機能を有する。要するに、主制御装置261は、始動入賞(第1の始動口33への遊技球の入球)の際に取得した、0〜676までの値をとり得る大当たり乱数カウンタC1(特別遊技状態となるか否かを決定するための第1乱数群)の値(第1乱数)に基づいて、特別遊技状態を発生させているのである。
具体的には、主制御装置261のCPU501の一機能である抽選部420は、図20に示すように、大当たり乱数カウンタC1を発生させる第1乱数発生部400(第1乱数群発生機能)を有している。また、主制御装置261は、第1の始動口33に遊技球が入賞する毎に、RAM503の保留球格納エリアのうちの大当たり乱数カウンタC1の値を記憶するエリア(第1乱数記憶部402)を備えている。さらに、主制御装置261のCPU501は、この保留球格納エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であるか否かを判定する第1判定部404(判定機能)も有している。
なお、第1の始動口33に設けられた作動口スイッチ224での遊技球の入賞検出のタイミングで、第1乱数発生部400での大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)がRAM503の保留球格納エリア(第1乱数記憶部402)に記憶されるようになっている。また、低確率時においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)が2個の値「337,673」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)が10個の値「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の第1乱数発生部400,第1判定部404は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
そして、CPU501で大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であると判定した場合には、主制御装置261から可変入賞装置ユニット26に特別遊技状態とするための信号が出力される。可変入賞装置ユニット26の第1可変入賞装置32aは、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞しやすい開状態(開放状態)と通常の閉状態(閉鎖状態)とに繰り返し作動するという大当たり動作を実行する。つまり、第1可変入賞装置32aは、大当り状態となると、遊技球が入球不可能な閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態への変移を1ラウンドとして所定回数(本実施例では、14ラウンド)連続して行う。また、この第1可変入賞装置32aが15ラウンド、16ラウンドまで継続して動作したり、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目以降の動作に替えて第2可変入賞装置32bが継続用入球口491への入球を条件として最大で2ラウンドまで動作したりすることがある。
主制御装置261は、図20に示すように、大当り状態発生後に次の大当り状態の発生する確率を上昇させた高確率状態と、この高確率状態よりもその発生確率の低い通常確率状態との何れにするかを抽選する確率状態抽選部430を備えている。この確率状態抽選部430は、例えば、大当たり図柄カウンタC2が、大当たりの際における第1図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであることに基づいて、高確率状態と通常確率状態との抽選することができる。つまり、大当たり図柄カウンタC2が高確率状態を示す図柄(例えば「777」や「111」など奇数図柄で揃っている場合)である場合には高確率状態に当選したとし、大当たり図柄カウンタC2が通常確率状態を示す図柄(例えば「222」や「444」など偶数図柄で揃っている場合)である場合には高確率状態に落選して通常確率状態とする。
本実施例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置42の変動停止結果が仮に奇数図柄で揃っていた場合(例えば「777」や「111」など奇数図柄で揃っている場合)であっても、その表示自体から確変当りと知らせるものではない。つまり、このパチンコ機10は、第1図柄表示装置42の変動停止された第1図柄(図柄)が偶数図柄や奇数図柄を問わず、とにかく同一図柄で揃っていること等で大当り状態の発生を遊技者に知らせるものであり、確変大当りか通常大当りかは、次にしめすように大当り状態中の第1可変入賞装置32aや第2可変入賞装置32bの動作などで知ることができるものである。
さらに、主制御装置261は、図20に示すように、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合には、大当り状態において、第1可変入賞装置32aを15ラウンド目も継続して動作させ、確率状態抽選部430での高確率状態に落選した場合には、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bを動作させるように制御する動作制御部440を備えている。
図21に示すように、第1可変入賞装置32aは開閉板480(大入賞口)を備えており、この開閉板480が開状態となることで、第1可変入賞装置32a内に遊技球が入賞(入球)可能な状態となり、開閉板480が閉状態となることで、第1可変入賞装置32a内に遊技球が入賞(入球)不可能な状態となるものである。
同様に、図21に示すように、第2可変入賞装置32bも開閉板490(大入賞口)を備えており、この開閉板490が開状態となることで、第2可変入賞装置32b内に遊技球が入賞(入球)可能な状態となり、開閉板490が閉状態となることで、第2可変入賞装置32b内に遊技球が入賞(入球)不可能な状態となるものである。
図20に示すように、第2可変入賞装置32bは、継続用入球口491とそれとは別の賞球用入球口492とを備えるとともに、継続用入球口491に入球した場合には当該第2可変入賞装置32bを上限ラウンドm(本実施例では、例えばm=2)を限度に次のラウンド(2ラウンド)も継続して動作し、継続用入球口491に入球しなかった場合には当該第2可変入賞装置32bを本ラウンド(1ラウンド)で動作停止するものである。つまり、第2可変入賞装置32bの動作を第1可変入賞装置32aの動作を通してカウントすると、第1可変入賞装置32aが1〜14ラウンドまで行われ、15ラウンド目に第2可変入賞装置32bが動作し、この第2可変入賞装置32bの継続用入球口491への入球を条件に16ラウンド目に第2可変入賞装置32bが動作することがある。
継続用入球口491は、当該継続用入球口491への遊技球の入球を検出する特定領域スイッチ222を備えている。また、賞球用入球口492は、当該賞球用入球口492への遊技球の入球を検出するカウントスイッチ223を備えている。
図20,図21に示すように、第2可変入賞装置32bは、さらに、遊技球が入球可能な窪みが外周に複数個(本実施例では例えば8個)の設けられた回転体493(振分装置)を備え、この回転体493の複数個の窪みのうちの所定の窪みである第1窪み493a(Vゾーン)に遊技球が入球した場合にはそこに入球した遊技球が継続用入球口491に供給され、回転体493の複数個の窪みのうちで第1窪み493a(Vゾーン)以外の窪みである第2窪み493bに遊技球が入球した場合にはそこに入球した遊技球が賞球用入球口492に供給されるようになっている。
図20,図21に示すように、第2可変入賞装置32bは、さらに、当該第2可変入賞装置32bの開閉板490が開状態となることでこの第2可変入賞装置32b内に入球した遊技球を一時的に貯留する貯留部494を備え、本ラウンド終了の際に第2可変入賞装置32bの開閉板490が閉状態になると、貯留部494に備えられた遊技球を回転体493に供給するようになっている。
図21(a)に二点鎖線で示した部分が貯留部494に該当し、この貯留部494の底面の所定箇所には、開放状態と閉鎖状態とに可変する可動板497が設けられている。この可動板497が図21(b)に二点鎖線で示すように移動することで、貯留部494の底面の所定箇所が開口され、貯留部494に備えられた遊技球がこの開口を通して回転体493の方に排出されるようになっている。また、回転体493は図21に示すように矢印方向に一定速度で回転するものであり、貯留部494の底面から排出された遊技球は必ず回転体493のいずれかの窪み(第1窪み493a(Vゾーン)または第2窪み493b)に入るようになっており、第1窪み493a(Vゾーン)に入った遊技球は継続用入球口491に供給され、第2窪み493bに入った遊技球は賞球用入球口492に供給されるようになっている。
図20に示すように、第2可変入賞装置32bは、貯留部494の貯留数を検出する貯留数検出部495を備えている。主制御装置261は、回転体493の窪みの総数よりも少ない所定数である上限貯留数(本実施例では7個)に達したことを貯留数検出部495により検出されると、当該第2可変入賞装置32bの開閉板490を閉状態にするように制御する閉状態制御部442を備えている。この閉状態制御部442を第2可変入賞装置32bに備えるようにしてもよい。
図20,図21に示すように、第2可変入賞装置32bは、回転体493が視認可能な視認部496を備えている。視認部496は、例えば、透明部材(あるいは半透明部材)で構成され、視認部496を通して第2可変入賞装置32bの内部の回転体493が視認できるようになっている。
図20に示すように、本実施例のパチンコ機10は、前述したように、第1の始動口33への遊技球の入賞(始動入賞)に基づいて主制御装置261から出力される指令(コマンド:例えば変動パターンコマンド)に基づいて第1図柄の変動表示を開始し、主制御装置261からさらに出力される指令(コマンド:例えば停止図柄コマンド、確定コマンド)に基づいてその結果を表示し確定表示するという変動表示演出を第1図柄表示装置42に表示させるための表示制御装置45を備えている。表示制御装置45は、始動条件が成立することに起因して第1図柄(識別情報)を第1図柄表示装置42に変動表示し、その変動表示結果として、第1図柄表示装置42に第1図柄を停止表示するものである。
さらに、本実施例の表示制御装置45は、図20に示すように、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、第1可変入賞装置32aが15ラウンド目も継続して動作される際に、確率状態抽選部430での当選を示す当選表示演出(図23(a)参照)を第1図柄表示装置42に表示するよう制御する当選表示演出表示制御部450を備えている。
さらに、表示制御装置45は、図20に示すように、確率状態抽選部430での高確率状態に落選した場合で、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作される際に、確率状態抽選部430での落選を示す落選表示演出(図23(b)参照)を第1図柄表示装置42に表示するよう制御する落選表示演出表示制御部452を備えている。なお、図23(b)に示す落選表示演出は、第2可変入賞装置32bのラウンド終了時に表示されるようにしてもよい。
さらに、表示制御装置45は、図20に示すように、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合に、フェイク演出を行うか否かの抽選を行うフェイク抽選部460と、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合で、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作される際に、確率状態抽選部430での落選を示す落選表示演出(図23(b)参照)を第1図柄表示装置42に表示するよう制御するフェイク演出表示制御部462とを備えている。なお、図23(b)に示す落選表示演出は、第2可変入賞装置32bのラウンド終了時に表示されるようにしてもよい。
具体的には、表示制御装置45のCPU521の一機能であるフェイク抽選部460は、図20に示すように、フェイク用乱数カウンタを発生させる第2乱数発生部410(第2乱数群発生機能)を有している。また、表示制御装置45は、主制御装置261からの所定のコマンド(例えば、確定コマンド)を受ける毎に、ワークRAM523の格納エリアにフェイク用乱数カウンタの値を記憶するエリア(第2乱数記憶部412)を備えている。さらに、表示制御装置45のCPU521は、この格納エリアに記憶されたフェイク用乱数カウンタの値が当り値であるか否かを判定する第2判定部414(判定機能)も有している。
さらに、表示制御装置45は、図20に示すように、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合で、さらに、第2可変入賞装置32bが上限ラウンドm(第2可変入賞装置32bにとって2ラウンド)まで継続して動作した場合で、第2可変入賞装置32bの2ラウンド目の動作の際に、確率状態抽選部430での落選が当選に昇格したことを示す表示態様である昇格当選表示演出(図24参照)を第1図柄表示装置42に表示するよう制御する昇格当選表示演出表示制御部464を備えている。なお、図24に示す昇格当選表示演出は、第2可変入賞装置32bの2ラウンド目の終了時に表示されるようにしてもよい。
上述した当選表示演出表示制御部450、落選表示演出表示制御部452、フェイク抽選部460、フェイク演出表示制御部462および昇格当選表示演出表示制御部464は、表示制御装置45のCPU521やROM522やワークRAM523などにより実現可能であり、表示制御装置45のCPU521の一機能に相当するものである。
なお、上述した抽選部420が本発明における抽選手段に相当し、上述した第1可変入賞装置32aが本発明における第1可変入球手段に相当し、上述した第2可変入賞装置32bが本発明における第2可変入球手段に相当し、上述した確率状態抽選部430が本発明における確率状態抽選手段に相当し、上述した動作制御部440が本発明における動作制御手段に相当し、上述した貯留数検出部495が本発明における貯留数検出手段に相当し、上述した閉状態制御部442が本発明における閉状態制御手段に相当し、上述した第1の始動口33が本発明における入球手段に相当し、上述した作動口スイッチ224が本発明における入球検出手段に相当し、上述した第1図柄表示装置42が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当し、上述した当選表示演出表示制御部450が本発明における当選表示演出表示制御手段に相当し、上述した落選表示演出表示制御部452が本発明における落選表示演出表示制御手段に相当し、上述したフェイク抽選部460が本発明におけるフェイク抽選手段に相当し、上述したフェイク演出表示制御部462が本発明におけるフェイク演出表示制御手段に相当し、上述した昇格当選表示演出表示制御部464が本発明における昇格当選表示演出表示制御手段に相当し、上述した第1乱数発生部400が本発明における第1乱数発生手段に相当し、上述した第1乱数記憶部402が本発明における第1乱数記憶手段に相当し、上述した第1判定部404が本発明における第1判定手段に相当し、上述した第2乱数発生部410が本発明における第2乱数発生手段に相当し、上述した第2乱数記憶部412が本発明における第2乱数記憶手段に相当し、上述した第2判定部414が本発明における第2判定手段に相当する。
ここで、本パチンコ機10は、前述したように、第1図柄表示装置42での変動停止時の図柄(第1図柄)で確変大当りか通常大当りかを知ることができるものではなく、大当り状態の所定ラウンド(15ラウンド)において、第1可変入賞装置32aまたは第2可変入賞装置32bのいずれが動作することで、確変大当りか通常大当りかを示すものであり、その動作について説明する。
つまり、遊技者は、確変大当りの場合には、15ラウンド目も引き続いて第1可変入賞装置32aが動作することを知っているので、15ラウンド目で第1可変入賞装置32aが動作することを見ることで確変大当りを知ることができる。また、遊技者は、通常大当りの場合には、15ラウンド目に第1可変入賞装置32aが動作せず替わりに第2可変入賞装置32bが動作することを知っているので、15ラウンド目の第1可変入賞装置32aの動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作することを見ることで通常大当りを知ることができる。
主制御装置261は、第1の始動口33への遊技球の入球タイミングで取得した大当たり乱数カウンタC1や大当たり図柄カウンタC2等の値に基づいて、大当りか外れか、大当りであれば確変大当りか通常大当りかなどを抽選決定している。表示制御装置45は、主制御装置261からの各種コマンド(変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド)を受け、それに基づいて所定の変動表示演出を第1図柄表示装置42に表示するようにしている。
主制御装置261は、大当たり乱数カウンタC1が当り値であった場合には、可変入賞装置ユニット26に大量の遊技球が入球可能となる大当り状態を発生させる。表示制御装置45は、大当り状態の発生に伴い、大当り状態の発生を示す大当り演出を第1図柄表示装置42に表示させるように制御する。
つまり、主制御装置261は、図22(a)に示すように、可変入賞装置ユニット26の全ラウンド数(本実施例では最大で16ラウンド)のうち、1〜14ラウンドまでは第1可変入賞装置32aを開放動作させるように制御する。図22(a)は、第1可変入賞装置32aの開閉板480が開状態で、第2可変入賞装置32bの開閉板490が閉状態である様子を示している。
主制御装置261は、確率状態抽選部430で確変大当りに当選している場合に、15ラウンドおよび16ラウンドも継続して第1可変入賞装置32aを開放動作させるように制御する。遊技者は、確変大当りの場合には、15ラウンド目も引き続いて第1可変入賞装置32aが動作することを知っているので、15ラウンド目で第1可変入賞装置32aが動作することを見ることで確変大当りを知ることができる。
遊技者は、15ラウンド目で第1可変入賞装置32aが動作することを見ることで確変大当りを知ることができるが、表示制御装置45は、当選表示演出表示制御部450によって、図23(a)に示す当選表示演出を第1図柄表示装置42に表示させるように制御する。
また、主制御装置261は、確率状態抽選部430で確変大当りに落選している場合に、15ラウンド目の第1可変入賞装置32aの開放動作に替えて、図22(b)に示すように、第2可変入賞装置32bを動作させるように制御する。図22(b)は、第1可変入賞装置32aの開閉板480が閉状態で、第2可変入賞装置32bの開閉板490が開状態である様子を示している。遊技者は、通常大当りの場合には、15ラウンド目に第1可変入賞装置32aが動作せず替わりに第2可変入賞装置32bが動作することを知っているので、15ラウンド目の第1可変入賞装置32aの動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作することを見ることで通常大当りを知ることができる。
遊技者は、15ラウンド目の第1可変入賞装置32aの動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作することを見ることで通常大当りを知ることができるが、表示制御装置45は、落選表示演出表示制御部452によって、図23(b)に示す当選表示演出を第1図柄表示装置42に表示させるように制御する。図23(b)に示す当選表示演出の表示は、第2可変入賞装置32bのそのラウンド動作中であってもよいし、第2可変入賞装置32bのそのラウンド動作終了時であってもよい。
なお、第2可変入賞装置32bの動作中には、最大で7個まで(回転体493の窪み数より少ない個数である)貯留部494に貯留可能になっており、この貯留部494への遊技球の入球が貯留数検出部495で検出されている。貯留数検出部495で遊技球が7個入球したことが検出されると、閉状態制御部442により第2可変入賞装置32bの開閉板490が閉じられ、第2可変入賞装置32bへの入球が不可能な状態となる。その後、貯留部494の底面に設けられた可動板497が移動して開口部が形成され、この開口部を通じて遊技球が回転体493の方に排出される。このとき回転体493の第1窪み493a(Vゾーン)に遊技球が入った場合には、その遊技球が継続用入球口491に供給され、特定領域スイッチ222でそれが検出されるので、第2可変入賞装置32bはもう1ラウンド動作することになる。
なお、表示制御装置45は、図20に示すように、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合で、さらに、第2可変入賞装置32bが上限ラウンドm(第2可変入賞装置32bにとって2ラウンド)まで継続して動作した場合で、第2可変入賞装置32bの2ラウンド目の動作の際に、確率状態抽選部430での落選が当選に昇格したことを示す表示態様である昇格当選表示演出(図24参照)を第1図柄表示装置42に表示するよう昇格当選表示演出表示制御部464によって制御される。つまり、図24(a)に示すような「再抽選!」の表示後に図24(b)に示すような「確変大当り」の表示がされるという昇格当選表示演出が行われる。
なお、昇格当選表示演出表示制御部464は、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合で、さらに、第2可変入賞装置32bが上限ラウンドm(第2可変入賞装置32bにとって2ラウンド)まで継続して動作した場合で、第2可変入賞装置32bの2ラウンド目の動作の際に、確率状態抽選部430での落選が当選に昇格したことを示す表示態様である昇格当選表示演出(図24参照)を第1図柄表示装置42に表示するよう制御しているので、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合であっても、第2可変入賞装置32bが上限ラウンドm(第2可変入賞装置32bにとって2ラウンド)まで継続して動作しなかった場合には、昇格当選表示演出(図24参照)は表示されず、遊技者は、15ラウンド目に第2可変入賞装置32bが動作したことや図23(b)の通常確率状態表示に基づいて高確率状態に落選したと思っており、本当は高確率状態に当選していることを知らない。
上述したように、本実施例のパチンコ機10によれば、遊技者にとって有利な大当り状態の発生の有無を抽選する抽選部420と、この抽選部420での当選に基づいて、遊技球が入球可能な開状態から遊技球が入球不可能な閉状態への変化を一ラウンドとしてnラウンド(nは本実施例では例えば14)まで連続して行う第1可変入賞装置32aと、主制御装置261からの指示を受けた場合に、遊技球が入球可能な開状態と遊技球が入球不可能な閉状態とに可変する、第1可変入賞装置32aとは別の第2可変入賞装置32bと、大当り状態発生後に次の大当り状態の発生する確率を上昇させた高確率状態と、この高確率状態よりもその発生確率の低い通常確率状態との何れにするかを抽選する確率状態抽選部430と、この確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合には、第1可変入賞装置32aを15ラウンド目も継続して動作させ、確率状態抽選部430での高確率状態に落選した場合には、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bを動作させるように制御する動作制御部440と、を備えているので、第1可変入賞装置32aが14ラウンド動作した後に、第1可変入賞装置32aまたは第2可変入賞装置32bの何れが動作するかで、遊技者に、大当り状態後に通常よりも大当り状態の当選確率が高確率となるか否かを知らせることができる。つまり、第1可変入賞装置32aが15ラウンド目も継続して動作することで、遊技者は、大当り状態後に通常よりも大当り状態の当選確率が高確率となることを知ることができ、一方、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bを動作させた場合には、遊技者は、大当り状態後に大当り状態の当選確率が高確率よりも低い通常確率状態となることを知ることができる。よって、単に可変入球手段(例えば第1可変入賞装置32a)に遊技球を入球させるという遊技の面白みだけでなく、大当り状態中に、この大当り状態後に通常よりも大当り状態の当選確率が高確率となるか否かを第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとで示すことができるので、大当り状態での遊技の面白味を向上させることができる。
また、大当り状態中に、この大当り状態後に通常よりも大当り状態の当選確率が高確率となるか否かを第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとで示すことができるので、遊技者は第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとに注目しており、第1可変入賞装置32aへの入球について十分に注意することができ、第1可変入賞装置32aへの遊技球の入球が十分に達成されていない場合にはそれに気付き、遊技球を第1可変入賞装置32aに好適に打ち込むようにすることができ、第1可変入賞装置32aへの入球損失を低減できる。
その結果、可変入球手段(可変入賞装置)への入球損失を低減でき、かつ、大当り状態での遊技の面白味を向上することができる遊技機を提供することができる。
また、大当り状態となると、必ず第1可変入賞装置32aが14ラウンドまで連続して動作することになるので、遊技者は、大当り状態の開始時に第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとのどちらが動作するのかが分からないということがなく、遊技に戸惑いを感じることがないし、その戸惑いが原因で第1可変入賞装置32aまたは第2可変入賞装置32bへの遊技球の入球が遅れるという遊技者の遊技上の不利益が生じることもない。
また、第2可変入賞装置32bは、継続用入球口491とそれとは別の賞球用入球口492とを備えるとともに、継続用入球口491に入球した場合には当該第2可変入賞装置32bを上限ラウンドm(mは本実施例では2)を限度に次のラウンドも継続して動作し、継続用入球口491に入球しなかった場合には当該第2可変入賞装置32bを本ラウンド(1ラウンド)で動作停止するものであるとしているので、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作する場合には、第2可変入賞装置32bのラウンド継続を獲得するべくこの第2可変入賞装置32bの継続用入球口491への入球を目指す遊技を行うことができ、ラウンド継続が獲得できた場合には遊技者自身の技量でそれが得られたと感じることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第2可変入賞装置32bは、遊技球が入球可能な窪みが外周に複数個の設けられた回転体493を備え、この回転体493の複数個の窪みのうちの所定の窪みである第1窪み493a(Vゾーン)に遊技球が入球した場合にはそこに入球した遊技球が継続用入球口491に供給され、回転体493の複数個の窪みのうちで第1窪み493a(Vゾーン)以外の窪みである第2窪み493bに遊技球が入球した場合にはそこに入球した遊技球が賞球用入球口492に供給されるようになっているものとしているので、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作する場合には、第2可変入賞装置32bのラウンド継続を獲得するべくこの第2可変入賞装置32bの回転体493の第1窪み493a(Vゾーン)への入球を目指す遊技を行うことができ、ラウンド継続が獲得できた場合には遊技者自身の技量でそれが得られたと感じることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第2可変入賞装置32bは、当該第2可変入賞装置32bが開状態となることで入球した遊技球を一時的に貯留する貯留部494を備え、本ラウンド終了の際に当該第2可変入賞装置32bが閉状態になると、貯留部494に備えられた遊技球を回転体493に供給するものであるとしているので、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作する場合には、第2可変入賞装置32bのラウンド継続を獲得するべく、この第2可変入賞装置32bの貯留部494にできるだけ多くの遊技球が入球するようにし、貯留部494から開放された貯留球のどれかが回転体493の第1窪み493a(Vゾーン)に入球することを目指す遊技を行うことができ、ラウンド継続が獲得できた場合には遊技者自身の技量でそれが得られたと感じることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第2可変入賞装置32bは、貯留部494の貯留数を検出する貯留数検出部495を備えており、回転体493の窪みの総数よりも少ない所定数である上限貯留数に達したことを貯留数検出部495により検出されると、当該第2可変入賞装置32bを閉状態にするように制御する閉状態制御部442を備えているので、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作する場合には、第2可変入賞装置32bのラウンド継続を獲得するべく、この第2可変入賞装置32bの貯留部494に上限貯留数分の遊技球が入球するようにし、貯留部494から開放された貯留球のどれかが回転体493の第1窪み493a(Vゾーン)に入球することを目指す遊技を行うことができ、ラウンド継続が獲得できた場合には遊技者自身の技量でそれが得られたと感じることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第2可変入賞装置32bは、回転体493が視認可能な視認部496を備えているので、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作する場合には、第2可変入賞装置32bのラウンド継続を獲得するべくこの第2可変入賞装置32bの回転体493の第1窪み493a(Vゾーン)への入球を目指す遊技を行うことができ、回転体493への遊技球の供給の様子を視認部496を通して見ることができ、回転体493の第1窪み493a(Vゾーン)への入球の有無を遊技者に視覚を通じて提供でき、ラウンド継続が獲得できた場合には遊技者自身の技量でそれが得られたと感じることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとは、単一構成部品としてユニット化されているので、遊技球が打ち込まれる遊技盤30の所定箇所に、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとを別々に取り付けたりする必要がなく、遊技盤30への取付が容易で組み立て作業も楽である。
また、遊技球が入球可能な第1の始動口33と、この第1の始動口33への入球を検出する作動口スイッチ224と、この作動口スイッチ224での入球検出に基づいて、抽選部420での抽選結果に関係する識別情報(第1図柄)変動表示演出を表示する第1図柄表示装置42と、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、第1可変入賞装置32aが15ラウンド目も継続して動作される際に、確率状態抽選部430での当選を示す当選表示演出を第1図柄表示装置42に表示するよう制御する当選表示演出表示制御部450と、を備えているので、確率状態抽選部430での当選を示す当選表示演出を第1図柄表示装置42に表示することで、確率状態抽選部430での当選を遊技者に確実に知らすことができるし、遊技の面白味を盛り上げることができる。
また、確率状態抽選部430での高確率状態に落選した場合で、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作される際に、確率状態抽選部430での落選を示す落選表示演出を第1図柄表示装置42に表示するよう制御する落選表示演出表示制御部452を備えているので、確率状態抽選部430での落選を示す落選表示演出を第1図柄表示装置42に表示することで、確率状態抽選部430での落選を遊技者に確実に知らすことができる。
また、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合に、フェイク演出を行うか否かの抽選を行うフェイク抽選部460と、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合で、第1可変入賞装置32aの15ラウンド目の動作に替えて、第2可変入賞装置32bが動作される際に、確率状態抽選部430での落選を示す落選表示演出を第1図柄表示装置42に表示するよう制御するフェイク演出表示制御部462と、を備えているので、確率状態抽選部430での落選を示す落選表示演出を第1図柄表示装置42に表示することで、本当は確率状態抽選部430で当選であるにもかかわらず、確率状態抽選部430で落選であったとして遊技者に知らすことができ、遊技者は、その大当り状態発生後については高確率状態ではない通常確率状態として遊技を行うことになるが、次の大当り状態が早期に発生することから、その思っても見ない早期の利益享受に遊技の面白味や喜びを感じることになり、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第2可変入賞装置32bは、確率状態抽選部430での高確率状態に当選した場合で、かつ、フェイク抽選部460でのフェイク抽選に当選した場合で、さらに、第2可変入賞装置32bが上限ラウンドm(本実施例ではm=2)まで継続して動作した場合で、第2可変入賞装置32bの2ラウンド目の動作の際に、確率状態抽選部430での落選が当選に昇格したことを示す表示態様である昇格当選表示演出を第1図柄表示装置42に表示するよう制御する昇格当選表示演出表示制御部464を備えているので、第1可変入賞装置32aが15ラウンド目の動作を行わず、それに替えて第2可変入賞装置32bが動作されたため、遊技者は、確率状態抽選部430での高確率状態に落選したと思っていたが、第2可変入賞装置32bが2ラウンド動作し、そのときに、確率状態抽選部430での落選が当選に昇格したことを示す表示態様である昇格当選表示演出を第1図柄表示装置42に表示されることで、再抽選で当った(落選が当選に変わった)ような喜びや面白味を得ることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。