JP4898404B2 - ケーブル用直線接続装置 - Google Patents

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Description

この発明に係るケーブル用直線接続装置は、例えばトンネルボーリングマシン等、各種機械装置等に電力を供給する電力ケーブル等のケーブルの端部同士を接続する為に使用する。
例えばトンネル工事現場では、トンネル外に設置した発電機等からこのトンネルの奥端部(掘削現場)に設置したトンネルボーリングマシンに電力を供給する。この場合に、上記発電機等からこのトンネルボーリングマシンまでの距離は、数十m乃至数kmに達し、しかもトンネルの掘削作業の進行に伴って次第に長くなる。一方、掘削作業が終了するまで(トンネルが貫通するまで)上記発電機等からトンネルボーリングマシンへの電力供給を継続できる程長尺なケーブルを、トンネルの掘削開始直後から接続する事は、このケーブルが他の作業の邪魔になる等、実際的ではない。従って、上記掘削作業の進行に伴って、多数本のケーブルを互いに直列に、順次接続する必要がある。この作業は、それまで接続していた最端部のケーブルとトンネルボーリングマシンに付属のケーブルとの接続部を分離し、これら両ケーブル同士の間に新たなケーブルを接続する事により行なう。この様な用途に使用できるケーブル用直線接続装置として従来から、例えば特許文献1〜4に記載された構造が知られている。
一方、上記トンネルボーリングマシンの停止時間を最小限に止め、トンネル掘削作業の能率化を図る為、上記各ケーブルの分離・接続作業を能率良く行なえる様にする必要がある。又、工事現場では、何らかの原因でケーブルが引っ張られる可能性があるが、この様な場合にもケーブル同士の接続部が分離しない様にする事が、上記トンネルボーリングマシンが不意に停止する事を防止する為には必要である。この様な事情を考慮した場合、特許文献1、3に記載された構造は、分離・接続作業の能率化を図る面から問題がある(分離・接続作業に要する時間が長くなる)。又、特許文献2に記載された構造は、引っ張り方向の力により接続部が分離しない様にする面から問題がある(引っ張り力に基づいて接続部が不用意に分離する可能性がある)。
これに対して、特許文献4に記載された構造は、接続作業が比較的容易で、しかも引っ張り方向に力が加わった場合でも接続が外れる事を確実に防止できる面から、上記特許文献1〜3に記載された構造に比べて優れている。但し、接続が不用意に外れる事を防止する為に、直線接続部を二分割型のカバー内に保持する構造である為、直線接続部全体として比較的大型になる。又、ケーブルの分離・接続作業の為には、カバーの分解・組立が必要になる等、この分離・接続作業の能率化をより一層図る面からは改良の余地がある。
特開2000−354321号公報 特開2000−358322号公報 特開2001−224127号公報 特開2001−238342号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、1対のケーブル同士の接続部が不用意に分離する事を確実に防止し、しかも、これら両ケーブル同士の分離・接続作業を、より能率良く行なえる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のケーブル用直線接続装置は何れも、それぞれが導体の外周面を絶縁材製の被覆層により被覆して成る1対のケーブルの導体同士を、弾性材製のホルダの内周面中間部に保持した、銅若しくは銅系合金、アルミニウム若しくはアルミニウム系合金の様な、導電材製の中間接続具を介して接続するものである。尚、上記ホルダを構成する弾性材は、例えば、上記両ケーブルにより送られる電力の電圧が低い場合には、絶縁ゴムとする。これに対して、この電圧が高い場合には、ゴム中にカーボン等の導電性粉末を混入した、半導電ゴム製とする(上記ホルダを内部半導電層とする)。半導電ゴム製のホルダを使用する場合には、このホルダの周囲を、絶縁ゴムにより被覆する。特に高圧の場合には、この絶縁ゴムの周囲を、半導電ゴムにより被覆する(外部半導電層を設ける)。
特に、本発明のケーブル用直線接続装置に於いては、上記中間接続具は、軸方向一部に第一被係合部を、同じく軸方向他部に第二被係合部を、それぞれ設けたものとする。又、この第二被係合部は、上記中間接続具の中心軸に直交する仮想平面に関して、この第一被係合部と実質的に鏡面対称形の構造を有するものとする。又、上記両ケーブルのうちの一方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部に、銅若しくは銅系合金、アルミニウム若しくはアルミニウム系合金の様な、導電材製の第一導体接続子の基端部を接続固定し、この第一導体接続子の先端部周面に設けた第一係合部を、上記中間接続具の第一被係合部に係合させる。更に、上記両ケーブルのうちの他方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部に、上記第一導体接続子と同様の導電材製の第二導体接続子の基端部を接続固定し、この第二導体接続子の先端部周面に設けた第二係合部を、上記中間接続具の第二被係合部に係合させる。
尚、上述した、実質的に鏡面対称形の構造とは、完全に鏡面対称な構造を含む事は勿論、完全に鏡面対称な構造を円周方向に相対回転させた構造を含む。要は、上記中間接続具を一方向に回転させるのみで、第一、第二両被係合部と、第一、第二係合部との係脱を同時に行なえる構造であれば、上記中間接続具の回転方向に関する、上記第一、第二両被係合部同士の位相がずれていても良い。即ち、これら第一、第二両被係合部同士の位相がずれている分、上記第一、第二係合部同士の位相がずれていれば、上記中間接続具を一方向に回転させるのみで、第一、第二両被係合部と、第一、第二係合部との係脱を同時に行なえる。勿論、この様に、これら第一、第二両被係合部同士の位相、これら第一、第二係合部同士の位相を、上記中間接続具の回転方向に関して同方向に同じだけずらせた構造も、実質的に鏡面対称形の構造であり、本発明の技術的範囲に属する。
又、請求項1に記載した発明の場合には、前記第一被係合部を第一係合凹部とし、前記第二被係合部を第二係合凹部とする。このうちの第一係合凹部は、前記中間接続具の軸方向一端面に開口し、開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きくなった第一切り欠きを設けた形状とする。又、上記第二係合凹部は、上記中間接続具の軸方向他端面に開口し、開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きくなった第二切り欠きを設けた形状とする。
又、前記第一係合部を、前記第一導体接続子の先端部周面に形成されて上記第一係合凹部の開口部を挿通自在な第一円柱部と、この第一円柱部の外周面に突設された、上記第一切り欠きを通過自在な第一係合突部とから成るものとする。更に、前記第二係合部を、前記第二導体接続子の先端部周面に形成されて上記第二係合凹部の開口部を挿通自在な第二円柱部と、この第二円柱部の外周面に突設された、上記第二切り欠きを通過自在な第二係合突部とから成るものとする。
そして、上記第一切り欠きを通過して上記第一係合凹部の奥部にまで進入させた上記第一係合突部を、この第一係合凹部の奥部で上記第一切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させて、上記中間接続具と上記第一導体接続子とを接続する。これと共に、上記第二切り欠きを通過して上記第二係合凹部の奥部にまで進入させた上記第二係合突部を、この第二係合凹部の奥部で上記第二切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させて、上記中間接続具と上記第二導体接続子とを接続する。
上述の様な請求項1に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記第一係合突部と上記第二係合突部とのうちの少なくとも一方の係合突部をピンとする。そして、このピンの基端部を、当該係合突部を突設すべき円柱部の外周面に設けられた取付孔に支持固定すると共に、先端部をこの円柱部の外周面から突出させる。又、この円柱部のうちで軸方向に関する位置が同じで円周方向に関する位置が異なる複数個所(例えば直径方向反対側2個所位置)に、それぞれ上記取付孔を形成し、上記ピンの基端部を、このうちの何れかの取付孔に固定する。
上述の様な請求項1〜2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記第一円柱部の先端面中央部に、この第一円柱部よりも小径の接続用円柱部を、この第一円柱部と同心に設ける。これと共に、上記第二円柱部の先端面に、この接続用円柱部を挿入自在な接続用円孔を、この第二円柱部と同心に設ける。更に、この接続用円孔の内周面と上記接続用円柱部の外周面との間に、導電性を有する弾性材製のコンタクト部材を配置する。
又、前述の様な本発明のケーブル用直線接続装置を実施する場合に、前述した請求項1に記載した発明の構造で、被係合部の構造と係合部の構造とを入れ換える事もできる。即ち、請求項4に記載した発明の様に、前記第一被係合部を、前記中間接続具の軸方向一端面中央部に形成された第一円柱部と、この第一円柱部の外周面に突設された第一係合突部とから成るものとする。又、前記第二被係合部を、上記中間接続具の軸方向他端面中央部に上記第一円柱部と同心に形成された第二円柱部と、この第二円柱部の外周面に突設された第二係合突部とから成るものとする。又、前記第一係合部を、前記第一導体接続子の先端面に開口し、上記第一円柱部を挿入可能な内径を有する開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きく、上記第一係合突部を通過可能とした第一切り欠きを設けた、第一係合凹部とする。更に、前記第二係合部を、前記第二導体接続子の先端面に開口し、上記第二係合突部を挿入可能な内径を有する開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きく、上記第二係合突部を通過可能とした第二切り欠きを設けた、第二係合凹部とする。
そして、上記第一切り欠きを通過して上記第一係合凹部の奥部にまで進入させた上記第一係合突部を、この第一係合凹部の奥部で上記第一切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させて、上記中間接続具と上記第一導体接続子とを接続する。これと共に、上記第二切り欠きを通過して上記第二係合凹部の奥部にまで進入させた上記第二係合突部を、この第二係合凹部の奥部で上記第二切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させて、上記中間接続具と上記第一導体接続子とを接続する。
更には、前述の様な本発明のケーブル用直線接続装置を実施する場合に、例えば請求項5に記載した発明の様に、中間接続具を円筒状とする事もできる。この場合に、前記第一被係合部をこの中間接続具の軸方向の一部内周面から、前記第二被係合部を同じく軸方向の他部内周面から、それぞれ径方向に突出させる。又、前記第一導体接続子は、上記中間接続具の一端開口からこの中間接続具内に挿入可能な第一円柱部を備えたものとする。又、この第一円柱部の外周面に、この第一円柱部の先端面に開口する第一軸方向溝部及びこの第一軸方向溝部の一部から周方向に折れ曲がった第一周方向溝部を備えた、第一係合溝を設ける。又、前記第二導体接続子は、上記中間接続具の他端開口からこの中間接続具内に挿入可能な第二円柱部を備えたものとする。又、この第二円柱部の外周面に、この第二円柱部の先端面に開口する第二軸方向溝部及びこの第二軸方向溝部の一部から周方向に折れ曲がった第二周方向溝部を備えた、第二係合溝を設ける。そして、上記中間接続具の両端開口から上記第一、第二両円柱部をこの中間接続具内に、上記第一被係合部と上記第一軸方向溝部とを、上記第二被係合部と上記第二軸方向溝部とを、それぞれ係合させつつ挿入した状態で上記中間接続具を回転させて、上記第一被係合部を上記第一周方向溝部に、上記第二被係合部を上記第二周方向溝部に、それぞれ進入させる。
上述の様な請求項5に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、上記第一、第二両円柱部のうちの少なくとも一方の円柱部を、支柱部に接続補助筒を、円周方向の位相を調節可能に外嵌固定して成るものとする。そして、当該円柱部の外周面に設ける係合溝を、上記接続補助筒に形成する。
上述の様な請求項5〜6に記載した発明を実施する場合に就いても、好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、上記第一、第二両円柱部のうちの一方の円柱部の先端面中央部に、この一方の円柱部よりも小径の接続用円柱部を、この第一円柱部と同心に設ける。これと共に、上記第一、第二両円柱部のうちの他方の円柱部の先端面に、この接続用円柱部を挿入自在な接続用円孔を、この他方の円柱部と同心に設ける。更に、この接続用円孔の内周面と上記接続用円柱部の外周面との間に、導電性を有する弾性材製のコンタクト部材を配置する。
上述の様な本発明のケーブル用直線接続装置によれば、1対のケーブルを構成する導体の端部同士の分離・接続作業を能率良く行なえる。又、接続した状態で上記両ケーブル同士を引き離す方向の引っ張り力が加わっても、これら両ケーブルが不用意に分離する事を確実に防止できる。
先ず、上記分離・接続作業を能率良く行なう事は、第一、第二両係合部を、中間接続具の中心軸に直交する仮想平面に関して実質的に鏡面対称形の構造とした事で図れる。
例えば、請求項1、4に記載した発明の構造の場合には、第一、第二両係合突部を、第一、第二両切り欠きを通して、第一、第二両係合凹部の奥部内に進入させた状態で、第一、第二両接続端子に対して中間接続具を回転させれば、上記第一、第二両係合突部と第一、第二両切り欠きとがずれる。そして、1対のケーブル同士の間に引っ張り方向の力が加わっても、これら第一、第二両係合突部が、上記第一、第二両係合凹部から抜け出る事がなくなって、第一、第二両導体接続子と上記中間接続具とが機械的且つ電気的に接続される。
更に、請求項5に示した発明の構造の場合には、第一、第二両係合突部を、第一、第二両係合溝部を構成する第一、第二両軸方向溝部を通じてこれら両軸方向溝部の奥端部に進入させた状態で、第一、第二両接続端子に対して中間接続具を回転させれば、上記第一、第二両係合突部が、上記第一、第二両係合溝部を構成する、第一、第二両周方向溝部に進入する。そして、1対のケーブル同士の間に引っ張り方向の力が加わっても、上記第一、第二両係合突部が、上記第一、第二両係合溝部から抜け出る事がなくなって、第一、第二両導体接続子と上記中間接続具とが機械的且つ電気的に接続される。
又、請求項3、7に記載した発明の様に、接続用円孔の内周面と接続用円柱部の外周面との間にコンタクト部材を配置すれば、上記第一、第二両導体接続子同士を、直接的に、確実且つ安定した状態で、電気的に接続できる。
更に、請求項2、6に記載した発明の様に、ピン、或いは第一、第二両係合溝のうちの少なくとも一方の係合溝の周方向に関する位相を調節可能にすれば、上記ピンと係合凹部との位相、或いは当該係合溝とこの係合溝と係合すべき被係合部との位相合わせを容易にできて、1対のケーブルの端部同士の接続作業の容易化を図れる。
本発明に関する参考例の第1例
図1〜3は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例のケーブル用直線接続装置は、図1に示す様に、1対のケーブル1a、1bの導体2a、2bの先端部に固定した第一、第二両導体接続子3、4を、絶縁ユニットを構成する絶縁層45中のホルダ8に包埋支持した中間接続具5を介して、機械的、且つ、電気的に接続して成る。これら第一、第二両導体接続子3、4及び中間接続具5は、何れも、銅若しくは銅系合金、アルミニウム若しくはアルミニウム系合金の様な、電気抵抗の低い金属製である。
上記中間接続具5は円筒状で、内周面の軸方向片半部(図2〜3の左半部)に順方向の雌ねじを形成して、当該部分を第一ねじ部6としている。これに対して、上記内周面の軸方向他半部(図2〜3の右半部)に逆方向の雌ねじを形成して、当該部分を第二ねじ部7としている。この様な中間接続具5は、弾性を有する半導電材製で円筒状のホルダ8の内周面中間部に、このホルダ8に対する相対回転を阻止した状態で支持固定している。この為、必要に応じて、このホルダ8を構成する上記半導電材と、上記中間接続具5を構成する金属とを、このホルダ8の成形時に凹凸係合させる事もできる。尚、このホルダ8は、内部半導電層としての機能を有するもので、炭素等の導電性粉末を混入したゴム等により造られている。又、上記ホルダ8のうちで上記中間接続具5から外れた部分の、自由状態での内径は、上記両ケーブル1a、1bを構成する、ゴム、ビニール等の絶縁材製の被覆層9a、9bの外径よりも少しだけ小さくしている。又、上記ホルダ8の周囲部分は絶縁層45とし、更に、必要に応じて(特に高電圧送電を行なう場合には)この絶縁層の周囲に半導電層(外部半導電層44)を設けている。
又、上記第一、第二両導体接続子3、4のうちの第一導体接続子3は、基半部(図2〜3の左半部)に円筒状の圧縮端子部10aを、先半部(図2〜3の右半部)に接続用円柱部11aを、それぞれ形成している。又、この接続用円柱部11aの外周面に、順方向の雄ねじを形成して、この接続用円柱部11aの外周面を第三ねじ部12としている。又、この接続用円柱部11aの中心部に芯出し用円孔13を、この接続用円柱部11aの先端面(図2〜3の右端面)に開口する状態で、この接続用円柱部11aと同心に形成している。
一方、上記第二導体接続子4は、基半部(図2〜3の右半部)に円筒状の圧縮端子部10bを、先半部(図2〜3の左半部)に接続用円柱部11bを、それぞれ形成している。又、この接続用円柱部11bの外周面に、逆方向の雄ねじを形成して、この接続用円柱部11bの外周面を第四ねじ部14としている。又、この接続用円柱部11bの先端面中央部に、この接続用円柱部11bよりも小径の芯出し用円柱部15を、この接続用円柱部11bと同心に形成している。この芯出し用円柱部15の軸方向長さL15は、上記中間接続具5の軸方向長さLよりも大きく(L15>L)、外径D15は、上記芯出し用円孔13の内径R13と同じか、この内径R13よりも僅かに小さい(D15≦R13)。
又、前記1対のケーブル1a、1bは、それぞれが複数本の導線を撚り合わせて成る上記両導体2a、2bの外周面を、前記被覆層9a、9bにより被覆して成る。これら被覆層9a、9bは、それぞれ上記両ケーブル1a、1bの端部で除去して、上記両導体2a、2bの端部を露出させ、上記第一、第二両導体接続子3、4を接続固定している。この接続作業は、上記両導体2a、2bの端部を、これら両導体接続子3、4の基半部に設けた前記両圧縮端子部10a、10bに挿入した状態で、これら両圧縮端子部10a、10bを、それぞれの直径を縮める方向に塑性変形させる事で行なう。これら両圧縮端子部10a、10bの直径を縮めた状態では、これら両圧縮端子部10a、10bの内周面と上記両導体2a、2bの端部外周面とが強く当接し、これら両導体2a、2bの端部と上記両導体接続子3、4とが、機械的且つ電気的に接続される。上記両圧縮端子部10a、10bを塑性変形させる事は、専用の押圧装置を使用して行なうので、上記両導体2a、2bの端部と上記両導体接続子3、4とは、機械的にも十分強固に接合される。
前述の様に構成され、上述の様に上記両ケーブル1a、1bを構成する上記両導体2a、2bの端部に接続固定した、上記第一、第二両導体接続子3、4を、前記中間接続具5を介して接続する作業は、次の様にして行なう。先ず、図2に示した状態から、上記両導体接続子3、4を前記ホルダ8内に挿入し、図3の(A)に示す様に、これら両導体接続子3、4を、このホルダ8を介して対向させる。
この様な、上記図3の(A)に示した状態から、更に上記両導体接続子3、4同士を近づけ合うと、図3の(B)に示す様に、前記芯出し用円柱部15が芯出し用円孔13内に挿入される。この状態で、上記両ケーブル1a、1bを構成する被覆層9a、9bは、上記ホルダ8の両端部の内径を弾性的に押し広げながら、このホルダ8内に挿入される。尚、上記芯出し用円孔13内への上記芯出し用円柱部15の挿入を容易に行なえる様にする為、この芯出し用円柱部15の先端部外周縁及び上記芯出し用円孔13の開口周縁部に、面取りを施しておく事が好ましい。何れにしても、前述した通り、上記芯出し用円柱部15の軸方向長さL15は上記中間接続具5の軸方向長さLよりも大きく(L15>L)、外径D15は上記芯出し用円孔13の内径R13と同じか、この内径R13よりも僅かに小さい(D15≦R13)。又、上記中間接続具5の内周面に形成した前記第一、第二両ねじ部6、7と上記ホルダ8の内周面とは同心であり、上記両導体接続子3、4をそれぞれの先端部に結合固定した上記両ケーブル1a、1bを上記ホルダ8内に挿入した状態では、このホルダ8と上記両導体接続子3、4とはほぼ同心になる。この為、図3の(B)に示した状態では、これら両導体接続子3、4の外周面に形成した、前記第三、第四両ねじ部12、14と、上記中間接続具5の内周面に形成した、前記第一、第二両ねじ部6、7とを、これら各ねじ部12、14、6、7を螺合させる以前に、互いにほぼ(そのまま押し付けつつ相対回転させれば互いに螺合させられる程度に)同心にできる。
そこで、上記図3の(B)に示した状態から、上記両ケーブル1a、1bを介して上記両導体接続子3、4を互いに近づき合う方向に押し付けつつ、上記中間接続具5を所定方向に回転させる。この際、上記両ケーブル1a、1bを抑えて、上記両導体接続子3、4が回転しない様にする。この結果、上記第一ねじ部6と上記第三ねじ部12との螺合に基づいて上記第一導体接続具3が、上記第二ねじ部7と上記第四ねじ部14との螺合に基づいて上記第二接続具4が、互いに近づき合う方向に移動し、それぞれ上記中間接続具5内に引き込まれる。そして、上記中間接続具5をそれ以上回転させられなくなる迄回転させれば、図3の(C)に示す様に、上記両導体接続子3、4を構成する接続用円柱部11a、11bの先端面同士が突き当たる。この状態で、これら両導体接続子3、4をそれぞれの先端部に結合固定した、上記両ケーブル1a、1bの導体2a、2b同士が、電気的、且つ、機械的に結合される。又、この状態では、これら両ケーブル1a、1bを構成する前記被覆層9a、9bの外周面と、前記ホルダ8を含む絶縁ユニットの内周面とが、全周に亙り弾性的に当接し、このホルダ8内に、水等の、絶縁性能低下に結び付く様な異物が入り込む事を防止する。
本発明に関する参考例の第2例
図4〜5は、本発明に関する参考例の第2例を示している。尚、本参考例の構造の特徴は、電気的接続状態を安定して良好に保つ為に、弾性リング16を設けた点にある。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。
上述した参考例の第1例の場合には、第一、第二両導体接続子3、4を構成する接続用円柱部11a、11bの先端面同士を突き当てた状態で中間接続具5を回転させる事で、上記両導体接続子3、4同士を電気的に接続する様にしていた。即ち、この状態では、上記両接続用円柱部11a、11bの先端面同士の当接に基づいて上記両導体接続子3、4同士が、直接電気的に接続される事に加えて、第一、第二両ねじ部6、7のねじ山の側面と第三、第四両ねじ部12、14のねじ山の側面とが当接する事で、上記両導体接続子3、4同士が、上記中間接続具5を介して、電気的に接続される。但し、この様な構造の場合には、確実な電気的切続状態を確保する為には、上記各ねじ部6、7、12、14同士がしっかりと螺合し更に締め付けている事が条件となる。工事現場で生じる振動等により、上記各ねじ部6、7、12、14同士の螺合部が緩むと、上記両接続用円柱部11a、11bの先端面同士の当接部に関しても、上記各ねじ部6、7、12、14のねじ山の側面同士の当接部に関しても、面圧が低下若しくは喪失し、電気的接続が不良になる可能性がある。
この様な問題をなくす為に本参考例の場合には、芯出し用円柱部15に弾性リング16を外嵌している。この弾性リング16は、Oリングの如き高分子材料製のもの、或いは皿板ばね、波板ばね、スプリングワッシャ等の弾性金属製のものを使用できる。本参考例の場合には、図4に示した様に、上記弾性リング16を上記芯出し用円柱部15の基端部に外嵌した状態から、更に図5の(A)→(B)に示す様にして組み合わせる。そして、第一、第二両導体接続子3、4同士を、中間接続具5aを介して、電気的、且つ、機械的に接続する。接続完了後の状態では、上記弾性リング16を、上記両導体接続子3、4を構成する接続用円柱部11a、11bの先端面同士の間で、軸方向に関して弾性的に圧縮して、上記両導体接続子3、4同士の間に、互いに離れる方向の弾力を付与する。
本参考例の構造は、上述の様に、上記弾性リング16により、上記両導体接続子3、4同士の間に互いに離れる方向の弾力を付与している為、第一、第三両ねじ部6、12同士の螺合部、第二、第四両ねじ部7、14同士の螺合部が多少緩んでも、上記両導体接続子3、4同士の間の電気的切続状態を良好にできる。即ち、上記両螺合部が多少(上記弾性リング16が弾性的に圧縮されている程度に)緩んだとしても、上記弾力に基づいて、上記第一、第三両ねじ部6、12を構成するねじ山の側面同士、及び、上記第二、第四両ねじ部7、14を構成するねじ山の側面同士を確実に当接させられる。そして、上記第一、第二両導体接続子3、4と上記中間接続具5aとを、確実且つ安定した状態で、電気的に接続できる。
尚、図4〜5は、簡略化の為に、中間接続具5aをホルダ8(図1〜2参照)から取り出した状態でのみ示している。但し、実際の場合には、本参考例の場合も、上記中間接続具5aを、弾性を有する絶縁材製若しくは半導電材製のホルダの内周面中間部に保持固定しておく。この為に、この中間接続具5aの外径に関しても、実際には、前述の図2に示した構造と同様に、上記第一、第二両導体接続子3、4の外径よりも大きくする。この点に関しては、後述する参考例の第4例の場合も同様である。
本発明に関する参考例の第3例
図6〜7は、本発明に関する参考例の第3例を示している。尚、本参考例の構造の特徴は、電気的接続状態を安定して良好に保つ為に、接続用円柱部17と、コンタクト部材18と、接続用円孔19とを設けた点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述した参考例の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分を中心に説明する。尚、本参考例の場合には、上記接続用円柱部17の外径を確保する為に、芯出し用円柱部15aの外径、及び、この芯出し用円柱部15aを内嵌する為の芯出し用円孔13aの内径を、上記参考例の第1例の芯出し用円柱部15の外径、及び、芯出し用円孔13の内径よりも大きくしている。
本参考例の場合には、第二導体接続子4aに設けた、上記芯出し用円柱部15aの先端面中央部に、この芯出し用円柱部15aよりも小径である、上記接続用円柱部17を、この芯出し用円柱部15aと同心に設けている。又、第一導体接続子3aに設けた、上記芯出し用円孔13aの奥端面に、この芯出し用円孔13aよりも小径の接続用円孔19を、この芯出し用円孔13aと同心に設けている。更に、上記接続用円柱部17の一部外周面に、導電性を有する弾性金属板製の、上記コンタクト部材18を設置している。このコンタクト部材18の、上記接続用円柱部17の外周面からの突出量は、上記接続用円孔19内への挿入容易性を確保しつつ、この接続用円柱部17と上記接続用円孔19との間の電気的接続を確保できる様に、適切に規制している。
本参考例の構造を組み立てる場合には、図6に示した状態から、更に図7の(A)→(B)→(C)に示す様にして組み合わせる。そして、第一、第二両導体接続子3a、4a同士を、中間接続具5bを介して機械的に接続すると同時に、上記コンタクト部材18を介して電気的に接続する。本参考例の場合には、第一、第二両導体接続子3a、4a同士の電気的接続は、主として上記コンタクト部材18により行なう。尚、これら両導体接続子3a、4aに設けた第三、第四両ねじ部12、14と上記中間接続具5bに設けた第一、第二両ねじ部6、7との螺合部は、電気的に接続されても、必ずしも大きな電力を通す必要はない。この為、本参考例の構造を構成する、上記中間接続具5bの軸方向長さL5bは、前述した参考例の第1例の構造を構成する中間接続具5の軸方向長さL(図2参照)よりも小さくしている。尚、本参考例の構造を採用した場合、上記中間接続具5bを導電材製としなくても、上記両導体接続子3a、4a同士の間で通電可能である。但し、上記中間接続具5bは、低コストでしかも機械的強度を確保する為に、金属製とする事が好ましいので、本参考例の構造を実施する場合であっても、上記中間接続具5bを絶縁材や半導電材により造る事は、あまり意味がない。
本発明に関する参考例の第4例
図8〜9は、本発明に関する参考例の第4例を示している。本参考例の場合には、上述した参考例の第1〜3例とは異なり、中間接続具5cを円柱状としている。この中間接続具5cは、軸方向中間部に外向フランジ状の大径部20を形成すると共に、軸方向両端部、即ち、この大径部20を軸方向両側から挟む位置の外周面に、それぞれ雄ねじを形成している。このうちの一方(例えば図8〜9の左方)の側に形成した雄ねじは順方向のねじとし、当該部分を第一ねじ部6aとしている。これに対して、他方(例えば図8〜9の右方)の側に形成した雄ねじは逆方向のねじ(逆ねじ)とし、当該部分を第二ねじ部7aとしている。又、この第二ねじ部7a及び上記第一ねじ部6aの基端部で、上記大径部20を軸方向両側から挟む位置には、それぞれ、前述した参考例の第2例に使用したものと同様の、弾性リング16、16を外嵌している。
一方、第一、第二両導体接続子3b、4bの先端部は、それぞれ接続用円筒部21a、21bとしている。そして、このうちの第一導体接続子3bの先端部に設けた接続用円筒部21aの内周面に順方向の雌ねじを形成して、当該部分を第三ねじ部12aとしている。これに対して、上記第二導体接続子4bの先端部に設けた接続用円筒部21bの内周面に逆方向の雌ねじを形成して、当該部分を第四ねじ部14aとしている。
本参考例の構造を組み立てる場合には、図8に示した状態から、上記両導体接続子3b、4bと上記中間接続具5cとを同心に配置する。次いで、これら両導体接続子3b、4bを、回転を阻止した状態で互いに近づく方向に押し付けながら、上記中間接続具5cを所定方向に回転させる。この結果、上記第一ねじ部6aと上記第三ねじ部12aとが、上記第二ねじ部7aと上記第四ねじ部14aとが、それぞれ螺合し、上記両導体接続子3b、4b同士が互いに近づき合う。そして、図9に示す様に、上記両弾性リング16、16を、これら両導体接続子3b、4bを構成する上記両接続用円筒部21a、21bの先端面と、上記大径部20の軸方向両側面との間で弾性的に挟持する。
この様な組立完了後の状態で、上記両導体接続子3b、4bと上記中間接続具5cとの間に、互いに離れる方向の弾力が付与される。そして、上記両導体接続子3b、4b同士を上記中間接続具5cを介して機械的に接続すると同時に、上記第一、第三両ねじ部6a、12aを構成するねじ山の側面同士、及び、上記第二、第四両ねじ部7a、14aを構成するねじ山の側面同士を確実に当接させて、上記第一、第二両導体接続子3b、4bと上記中間接続具5cとを、確実且つ安定した状態で、電気的に接続する。
[実施の形態の第1例
図10〜12は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、円筒状の中間接続具5dの軸方向一端部(図10、12の右端部)内周面に、第一被係合部である第一係合凹部22を形成している。この第一係合凹部22は、上記中間接続具5dの軸方向一端面(図10、12の右端面)に開口し、開口部の内径r22に比べて奥部の内径R22が大きい(r22<R22)。又、開口部の円周方向の一部に、円弧状内向鍔部である残部23に比べて内径が大きくなった、第一切り欠き24を設けている。本例の場合、図11に示す様に、この第一切り欠き24の中心角を100度程度とし、上記残部23の中心角を260度程度としている。又、上記中間接続具5dの軸方向他端部(図10、12の左端部)内周面に、第二被係合部である第二係合凹部25を形成している。この第二係合凹部25は、上記第一係合凹部22と鏡面対称形で、第二切り欠き26を有し、上記中間接続具5dの軸方向他端面(図10、12の左端面)に開口している。
又、第一導体接続子3cの先端部周面に、第一円柱部27を形成している。この第一円柱部27の外径d27は、上記第一係合凹部22の開口部の内径r22以下(d27≦r22)として、この第一円柱部27をこの第一係合凹部22の開口部を挿通自在としている。又、この第一円柱部27の外周面に、第一係合突部28を突設している。本例の場合、この第一係合突部28は、円柱状のピンにより構成し、このピンの基半部を、上記第一円柱部27の外周面に形成した、円孔の取付孔31に圧入固定している。本例の場合、この取付孔31を、上記第一円柱部27の同一円周上(軸方向位置が一致する部分)の180度反対側2個所位置に形成している。そして、上記ピンの基端部を、何れかの取付孔31に圧入して、上記第一係合突部28としている。要するに、この第一係合突部28の設置位置を、180度調節可能としている。一方、第二導体接続子4cの先端面に第二円柱部29を形成し、この第二円柱部29の外周面に第二係合突部30を形成している。これら第二円柱部29及び第二係合突部30の形状は、上記第一円柱部27及び上記第一係合突部28と鏡面対称である。但し、この第二係合突部30の設置位置の調節を可能とする必要はない。
尚、上述の様に、上記第一係合突部28の設置位置を調節可能とする理由は、第一、第二両係合突部28、30と、第一、第二両切り欠き24、26とを整合させ易くする為である。即ち、第一、第二両導体接続子3c、4cは、それぞれ別のケーブルの導体の端部に、予め工場で結合固定しておく事が、現場での作業の能率化の為に好ましい。又、上記中間接続具5dの両端開口部に設けた、上記第一、第二両切り欠き24、26の位相は、この中間接続具5dを造った状態から変更する事はできない。一方、現場での上記各ケーブルの回転方向の位相は、どの様になるか、工場での結合固定作業の段階で予測する事はできない。従って、例えば、上記第二切り欠き26と上記第二係合突部30とを整合させた状態で、上記第一切り欠き24の位相と上記第一係合突部28の位相とが、最大で、180度ずれる可能性がある。そして、この場合には、上記第一導体接続子3cを端部に固定したケーブルを、180度分だけ捩る必要が生じる。但し、本発明の直線接続装置により接続すべきケーブルの捩り剛性は相当に高く、180度捩る事は困難である場合が考えられる。そこで、上記第一係合突部28の設置位置を調節可能として、上記第一切り欠き24の位相と上記第一係合突部28の位相とのずれを、最大でも90度以下に抑えられる様にして、これら第一切り欠き24と第一係合突部28との位相合わせを容易に行なえる様にしている。尚、この位相合わせは、上記取付孔31の数を増やす事で、(ずれの最大値をより小さく抑えて)更に容易にできる。但し、この様な調節作業が不要であれば、上記第一係合突部28(及び第二係合突部30)を、中心角が90度程度で、上記第一切り欠き24を通過自在な扇形とする事もできる。
更に、上記第一円柱部27の先端面中央部に、この第一円柱部27よりも小径の接続用円柱部17aを、この第一円柱部27と同心に設けている。これと共に、上記第二円柱部29の先端面に、この接続用円柱部17aを挿入自在な接続用円孔19aを、この第二円柱部29と同心に設けている。更に、上記接続用円柱部17aの一部外周面に、導電性を有する弾性金属板製の、コンタクト部材18aを設置している。このコンタクト部材18aの、上記接続用円柱部17aの外周面からの突出量は、上記接続用円孔19a内への挿入容易性を確保しつつ、これら接続用円柱部17aと接続用円孔19aとの間の電気的接続を確保できる様に、適切に規制している。
本例の構造を組み立てる場合には、図10に示した状態から、更に図12の(A)→(B)→(C)に示す様にして組み合わせる。即ち、前記中間接続具5dを挟んで前記第一、第二両導体接続子3c、4cを互いに同心に配置した状態から、上記接続用円孔19a内に上記接続用円柱部17aを挿入しつつ、上記第一、第二両係合突部28、30と上記第一、第二両切り欠き24、26との位相を合わせる。この状態から、図12の(A)に示す様に、上記両導体接続子3c、4cを互いに近づけ合い、上記第一、第二両係合突部28、30を上記第一、第二両切り欠き24、26を通じて、図12の(B)に示す様に、前記第一、第二両係合凹部22、25の奥部にまで進入させる。更に、この状態から、上記両導体接続子3c、4cを回転させる事なく、図12の(C)に示す様に、上記中間接続具5dを、所定角度(例えば180度)回転させる。この結果、上記第一、第二両係合突部28、30と、上記第一、第二両係合凹部22、25の残部23、23とが係合して、第一、第二両導体接続子3c、4c同士が、上記中間接続具5dを介して機械的に接続されると同時に、上記コンタクト部材18aを介して電気的に接続される。
[実施の形態の第2例
図13は、請求項4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の構造は、上述した第1例の構造で、被係合部の構造と係合部の構造とを入れ換えたものである。この為に本例の場合には、中間接続具5eを、軸方向中間部に形成した大径部20aと、この大径部20aの軸方向両端面中央部から軸方向に突出した、第一、第二両円柱部27a、29aとを備えたものとしている。そして、このうちの第一円柱部27aの外周面に第一係合突部28aを突設して、第一被係合部としている。又、上記第二円柱部29aの外周面に第二係合突部30aを突設して、第二被係合部としている。
又、第一導体接続子3dの先端部(図13の左端部)に、第一切り欠き24aを設けた第一係合凹部22aを設けて、第一係合部としている。更に、第二導体接続子4dの先端部(図13の右端部)に、第二切り欠き26aを設けた第二係合凹部25aを設けて、第二係合部としている。そして、上記第一係合突部28aを上記第一切り欠き24aを通過して上記第一係合凹部22aの奥部にまで、上記第二係合突部30aを上記第二切り欠き26aを通過して上記第二係合凹部25aの奥部にまで、それぞれ進入させた状態で上記中間接続具5eを回転させ、この中間接続具5eと上記第一、第二両導体接続子3d、4dとを接続する様に構成している。本例の場合も、必要に応じて、上記第一、第二両係合凹部22a、25aの奥端面と中間接続具5eの軸方向両端面との間に、接続用円柱部と接続用円孔とコンタクト部材とを備えた、電気的接続構造を設ける事もできる。
[実施の形態の第3例
図14〜19は、請求項5〜7に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、中間接続具5fを、円筒状の本体32と、2本の係合ピン33a、33bとから構成している。これら両係合ピン33a、33bは、上記本体32の軸方向2個所で円周方向に関する位相が互いに一致する位置に形成した係止孔に、それぞれの基端部を(外周面側から打ち込む事で)固定している。この状態で上記両係合ピン33a、33bの先半部を、上記本体32の内周面から突出させている。
又、第一導体接続子3eは、上記中間接続具5fの一端(図14、18、19の右端)開口からこの中間接続具5f内に挿入可能な、第一円柱部27bを備える。そして、この第一円柱部27bの外周面に、第一係合溝34を設けている。この第一係合溝34は、この第一円柱部27bの先端面に開口する第一軸方向溝部35と、この第一軸方向溝部35の一部(中間部乃至奥端部)から周方向に折れ曲がった第一周方向溝部36とを備える。
又、第二導体接続子4eは、上記中間接続具5fの他端(図14、18、19の左端)開口からこの中間接続具5f内に挿入可能な、第二円柱部29bを備える。本例の場合、この第二の円柱部29bを、上記第二導体接続子4eの本体37に設けた支柱部38に接続補助筒39を、円周方向に関する位相を調節可能に外嵌固定して成るものとしている。この接続補助筒39の内径は、上記支柱部38の外径と同じかこの外径よりも僅かに大きく、円周方向複数個所(図示の例では3個所)にねじ孔40、40を形成し、これら各ねじ孔40、40に、それぞれスタッド(図示省略)を螺合させている。上記接続補助筒39を上記支柱部38に固定する場合には、上記各スタッドの先端面を上記支柱部38の外周面に突き当てて更に締め付ける。これら各スタッドは、上記接続補助筒39の外径側端面に形成した係止溝にドライバ等の工具の先端部を係止する事で、回転可能としている。又、上記各スタッドを締め付けた状態で、これら各スタッドが、上記接続補助筒39の外周面から突出する事はない。
上述の様な接続補助筒39に、上記第一係合溝34と実質的に鏡面対称形である、第二係合溝41を形成している。この第二係合溝41は、上記第二円柱部29bの一部である、上記接続補助筒39の先端面に開口する第二軸方向溝部42と、この第二軸方向溝部42の一部(奥端)から、周方向に関して上記第一周方向溝部36と同方向に折れ曲がった、第二周方向溝部43とを備える。
それぞれが以上に述べた様な構成を有する、上記中間接続具5fと、前記第一導体接続子3eと、上記第二導体接続子4eとを介して、1対のケーブル1a、1bを構成する導体2a、2b同士を接続する作業は、次の様にして行なう。先ず、上記第一導体接続子3eに設けた前記第一係合溝34の第一軸方向溝部35の位相と、上記第二導体接続子4eに設けた上記第二係合溝41の第二軸方向溝部42の位相とを一致させる。この作業は、上記各スタッドを緩めた状態で上記接続補助筒39を回転させてから、これら各スタッドを締め付ける事で行なう。
この様にして、上記第一、第二両係合溝34、41(の各軸方向溝部35、42)の位相を一致させたならば、上記中間接続具5fの両端開口から、前記第一円柱部27bと上記第二円柱部29bとを、この中間接続具5f内に挿入する。この際、ホルダ8aである内部半導電層に先立って、外部半導電層44及び絶縁層45の内径も弾性的に広げつつ、上記両ケーブル1a、1bを、被覆層9a、9bを含めて、絶縁ユニット46内に押し込む。又、挿入時に、第一、第二両被係合部である、前記両係合ピン33a、33bと、上記第一、第二両係合溝34、41の、第一、第二両軸方向溝部35、42との位相を合わせる。そして、これら両軸方向溝部35、42内に上記両係合ピン33a、33bを係合させつつ、上記第一、第二両円柱部27b、29bを、上記中間接続具5f内に挿入する。更に、所定量挿入した状態で、上記中間接続具5fを所定方向に回転させて、第一被係合部である上記係合ピン33aを上記第一係合溝34の第一周方向溝部36に、第二被係合部である上記ピン33bを上記第二係合溝41の第二周方向溝部43に、それぞれ進入させる。この状態で、上記両ケーブル1a、1bの導体2a、2bが、前記第一、第二両導体接続子3e、4eと上記中間接続具5fとを介して、機械的且つ電気的に接続される。
又、本例の場合には、上記第一円柱部27bの先端面中央部に接続用円孔19aを、上記第二円柱部29bの先端面に接続用円柱部17aを、それぞれ設けている。そして、上記第一、第二両導体接続子3e、4eを上記中間接続具5fを介して接続した状態で、上記接続用円柱部17aを上記接続用円孔19aに挿入すると共に、これら接続用円柱部17aの外周面と接続用円孔19aの内周面との間でコンタクト部材を弾性的に圧縮している。従って、上記両ケーブル1a、1bの導体2a、2bの電気的接続を確実に行なえる。
本発明のケーブル用直線接続装置は、前述した様なトンネル工事現場に限らず、長尺な電力ケーブルを付設する必要がある、各種分野で実施可能である。
又、本発明の構成要件中、中間接続具を、ホルダとは別に用意し、この中間接続具と第一、第二両導体接続子とにより、1対のケーブルの導体同士を(ホルダ外で)接続する事もできる。この様な場合で、これら両ケーブルの導体が露出している場合には、特に接続部に絶縁層を設ける必要はない。これに対して、上記両ケーブルの導体が絶縁材製の被覆層により覆われている場合には、上記中間接続具と第一、第二両導体接続子とにより上記両導体同士を接続した後、絶縁テープや、直線接続装置用として従来から広く知られている常温収縮チューブにより、接続部を被覆・絶縁する。
本発明のケーブル用直線接続装置の利点を、従来から一般的に使用されている構造と比較しつつ説明すると、次の通りである。先ず、電力ケーブル用の直線接続部に一般的に使用されている接続装置は、例えば前述の特許文献3に記載されている如く、一旦接続すると取り外しできない導体接続管により、1対のケーブルの導体同士を接続し、その上に絶縁筒を被せる差込式である。この構造は、部品点数が少なく接続作業が容易で信頼性が高い反面、着脱する場合には、上記導体接続管を切断除去して取り外す必要がある。この為、再度接続する場合には、新しい導体接続管で接続する必要があり、導体も除去した分短くなる為、基本的に着脱用ではない。
この様な事情から、着脱可能な接続部には、前述した特許文献2に記載された様な、コネクタ式のケーブル用直線接続装置が使用されている。但し、コネクタ式のケーブル用直線接続装置の場合には、電気的に重要な部位である絶縁筒を接続方向に分割しなければならない為、絶縁性能の信頼性確保の面から不利になる。又、部品点数が増える為、部品製作、部品管理、組立作業が何れも煩雑になり、コストが嵩む。しかもコネクタ式のケーブル用直線接続装置の場合には、導体の接続部が、上記導体接続管の様に強固に接続されていない為、ケーブルの敷設後に大きな引っ張り力が加わると、接続部が抜け出る可能性があり、通電の信頼性確保の面からも不利である。これに対して、前述した特許文献4に記載された構造の場合には、絶縁性能の信頼性確保、通電の信頼性確保の面からの不利はないが、部品点数が多い事に伴うコスト上の不利は解消されていない。
これに対して本発明のケーブル用直線接続部は、筒状で一体型の絶縁ユニットの両端開口部から1対の電力ケーブルを抜き差しできる為、絶縁性能の信頼性確保が容易で、しかも着脱作業を容易に行なえる差込式の接続構造を、少ない部品点数で実現できてコスト低減を図れる。しかも、上記絶縁ユニットの内周面部分に包埋保持(筒状の絶縁ユニットを成形する際に一体化)した中間接続具を、この絶縁ユニットを介して回転させる事により、容易に、この中間接造具と上記両電力ケーブルを構成する導体の端部に固定した第一、第二両導体接続子とを係脱できる。そして、係合させた状態では、ケーブルの敷設後に大きな引っ張り力が加わっても、接続部が抜け出る事がなく、通電の信頼性確保を十分に図れる。
又、本発明のケーブル用直線接続装置の場合には、上記両電力ケーブル同士を構成する導体同士を接続する際に、上記第一、第二両導体接続子を上記絶縁ユニット内に、この絶縁ユニットの両端開口部から差し込めば良い。常温収縮チューブを使用し、導体接続管で導体を接続する直線接続装置、或いは、円筒状の絶縁筒を使用した差し込み式の直線接続装置の様に、絶縁ユニットを一方のケーブルの絶縁被覆上で軸方向に大きくずらせておく必要はない。この為、1対のケーブル同士を接続する為に、何れかのケーブルの表面部分(ケーブルシース等)を上記絶縁ユニットをスライドさせる分処理する必要がなく、直線接続の為の処理の長さを短く抑えられる。
本発明に関する参考例の第1例を示す略断面図。 同じく、ケーブルを省略して接続以前の状態で示す部分切断略側面図。 同じく、ホルダの内周面に保持した中間接続具と、1対のケーブルの端部に接続固定した第一、第二両導体接続子との接続手順を示す部分切断略側面図。 本発明に関する参考例の第2例を示す、ホルダ及びケーブルを省略した状態で示す、図2と同様の図。 同じく、接続手順を示す部分切断略側面図。 本発明に関する参考例の第3例を示す、図2と同様の図。 同じく、接続手順を示す部分切断略側面図。 本発明に関する参考例の第4例を示す、図4と同様の図。 同じく、接続後の状態を示す部分切断略側面図。 本発明の実施の形態の第1例を示す、図4と同様の図。 同じく中間接続具を図10の側方から見た端面図。 同じく接続手順を示す部分切断略側面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、接続以前の状態で示す切断側面図。 同じく第一導体接続子を示しており、(A)は半部切断側面図、(B)は(A)のa−a断面図。 同じく第二導体接続子を分解した状態で示しており、(A)は導体接続子本体の部分切断側面図、(B)は接続補助筒の部分切断側面図、(C)は(B)のb−b断面図。 同じく中間接続具を示しており、(A)は端面図、(B)は(A)のc−c断面図。 同じく接続後の状態を、一部を省略して示す切断側面図。 同じく中間接続具と第一、第二両導体接続子とを取り出して、図18の上方から見た図。
1a、1b ケーブル
2a、2b 導体
3、3a、3b、3c、3d、3e 第一導体接続子
4、4a、4b、4c、4d、4e 第二導体接続子
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f 中間接続具
6、6a 第一ねじ部
7、7a 第二ねじ部
8、8a ホルダ
9a、9b 被覆層
10a、10b 圧縮端子部
11a、11b 接続用円柱部
12、12a 第三ねじ部
13、13a 芯出し用円孔
14、14a 第四ねじ部
15、15a 芯出し用円柱部
16 弾性リング
17、17a 接続用円柱部
18、18a コンタクト部材
19、19a 接続用円孔
20、20a 大径部
21a、21b 接続用円筒部
22、22a 第一係合凹部
23 残部
24、24a 第一切り欠き
25、25a 第二係合凹部
26、26a 第二切り欠き
27、27a、27b 第一円柱部
28、28a 第一係合突部
29、29a、29b 第二円柱部
30、30a 第二係合突部
31 取付孔
32 本体
33a、33b 係合ピン
34 第一係合溝
35 第一軸方向溝部
36 第一周方向溝部
37 本体
38 支柱部
39 接続補助筒
40 ねじ孔
41 第二係合溝
42 第二軸方向溝部
43 第二周方向溝部
44 外部半導電層
45 絶縁層
46 絶縁ユニット

Claims (7)

  1. それぞれが導体の外周面を絶縁材製の被覆層により被覆して成る1対のケーブルの導体同士を、弾性材製のホルダの内周面中間部に保持した導電材製の中間接続具を介して接続するケーブル用直線接続装置に於いて、この中間接続具は、軸方向の一部に第一被係合部を、同じく軸方向の他部に、この中間接続具の中心軸に直交する仮想平面に関してこの第一被係合部と実質的に鏡面対称形の構造を有する第二被係合部を、それぞれ設けたものであり、上記両ケーブルのうちの一方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部にその基端部を接続固定した、導電材製の第一導体接続子の先端部周面に設けた第一係合部を、上記中間接続具の第一被係合部に係合させており、上記両ケーブルのうちの他方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部にその基端部を接続固定した、導電材製の第二導体接続子の先端部周面に設けた第二係合部を、上記中間接続具の第二被係合部に係合させており、上記第一被係合部が、上記中間接続具の軸方向一端面に開口し、開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きくなった第一切り欠きを設けた第一係合凹部であって、上記第二被係合部が、上記中間接続具の軸方向他端面に開口し、開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きくなった第二切り欠きを設けた第二係合凹部であり、上記第一係合部が、上記第一導体接続子の先端部周面に形成されて上記第一係合凹部の開口部を挿通自在な第一円柱部と、この第一円柱部の外周面に突設された、上記第一切り欠きを通過自在な第一係合突部とから成るものであり、上記第二係合部が、上記第二導体接続子の先端部周面に形成されて上記第二係合凹部の開口部を挿通自在な第二円柱部と、この第二円柱部の外周面に突設された、上記第二切り欠きを通過自在な第二係合突部とから成るものであり、上記第一切り欠きを通過して上記第一係合凹部の奥部にまで進入させた上記第一係合突部を、この第一係合凹部の奥部で上記第一切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させると共に、上記第二切り欠きを通過して上記第二係合凹部の奥部にまで進入させた上記第二係合突部を、この第二係合凹部の奥部で上記第二切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させた事を特徴とするケーブル用直線接続装置
  2. 第一係合突部と第二係合突部とのうちの少なくとも一方の係合突部が、当該係合突部を突設すべき円柱部の外周面に設けられた取付孔に基端部を支持固定すると共に先端部をこの円柱部の外周面から突出させたピンであり、この円柱部のうちで軸方向に関する位置が同じで円周方向に関する位置が異なる複数個所に、それぞれ上記取付孔が形成されており、上記ピンの基端部は、このうちの何れかの取付孔に固定されている、請求項1に記載したケーブル用直線接続装置。
  3. 第一円柱部の先端面中央部に、この第一円柱部よりも小径の接続用円柱部を、この第一円柱部と同心に設けると共に、第二円柱部の先端面に、この接続用円柱部を挿入自在な接続用円孔を、この第二円柱部と同心に設け、更に、この接続用円孔の内周面と上記接続用円柱部の外周面との間に、導電性を有する弾性材製のコンタクト部材を配置した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したケーブル用直線接続装置。
  4. それぞれが導体の外周面を絶縁材製の被覆層により被覆して成る1対のケーブルの導体同士を、弾性材製のホルダの内周面中間部に保持した導電材製の中間接続具を介して接続するケーブル用直線接続装置に於いて、この中間接続具は、軸方向の一部に第一被係合部を、同じく軸方向の他部に、この中間接続具の中心軸に直交する仮想平面に関してこの第一被係合部と実質的に鏡面対称形の構造を有する第二被係合部を、それぞれ設けたものであり、上記両ケーブルのうちの一方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部にその基端部を接続固定した、導電材製の第一導体接続子の先端部周面に設けた第一係合部を、上記中間接続具の第一被係合部に係合させており、上記両ケーブルのうちの他方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部にその基端部を接続固定した、導電材製の第二導体接続子の先端部周面に設けた第二係合部を、上記中間接続具の第二被係合部に係合させており、上記第一被係合部が、上記中間接続具の軸方向一端面中央部に形成された第一円柱部と、この第一円柱部の外周面に突設された第一係合突部とから成るものであり、上記第二被係合部が、上記中間接続具の軸方向他端面中央部に上記第一円柱部と同心に形成された第二円柱部と、この第二円柱部の外周面に突設された第二係合突部とから成るものであり、上記第一係合部が、上記第一導体接続子の先端面に開口し、上記第一円柱部を挿入可能な内径を有する開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きく、上記第一係合突部を通過可能とした第一切り欠きを設けた第一係合凹部であって、上記第二係合部が、上記第二導体接続子の先端面に開口し、上記第二係合突部を挿入可能な内径を有する開口部の内径に比べて奥部の内径が大きく、開口部の円周方向の一部に、残部に比べて内径が大きく、上記第二係合突部を通過可能とした第二切り欠きを設けた第二係合凹部であり、上記第一切り欠きを通過して上記第一係合凹部の奥部にまで進入させた上記第一係合突部を、この第一係合凹部の奥部で上記第一切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させると共に、上記第二切り欠きを通過して上記第二係合凹部の奥部にまで進入させた上記第二係合突部を、この第二係合凹部の奥部で上記第二切り欠きと円周方向に関する位相が異なる部分に位置させた事を特徴とするケーブル用直線接続装置
  5. それぞれが導体の外周面を絶縁材製の被覆層により被覆して成る1対のケーブルの導体同士を、弾性材製のホルダの内周面中間部に保持した導電材製の中間接続具を介して接続するケーブル用直線接続装置に於いて、この中間接続具は、軸方向の一部に第一被係合部を、同じく軸方向の他部に、この中間接続具の中心軸に直交する仮想平面に関してこの第一被係合部と実質的に鏡面対称形の構造を有する第二被係合部を、それぞれ設けたものであり、上記両ケーブルのうちの一方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部にその基端部を接続固定した、導電材製の第一導体接続子の先端部周面に設けた第一係合部を、上記中間接続具の第一被係合部に係合させており、上記両ケーブルのうちの他方のケーブルを構成する被覆層から突出した導体の端部にその基端部を接続固定した、導電材製の第二導体接続子の先端部周面に設けた第二係合部を、上記中間接続具の第二被係合部に係合させており、上記中間接続具が円筒状で、上記第一被係合部がこの中間接続具の軸方向の一部内周面から、上記第二被係合部が同じく軸方向の他部内周面から、それぞれ径方向に突出しており、上記第一導体接続子は、上記中間接続具の一端開口からこの中間接続具内に挿入可能な第一円柱部と、この第一円柱部の外周面に設けられた、この第一円柱部の先端面に開口する第一軸方向溝部及びこの第一軸方向溝部の一部から周方向に折れ曲がった第一周方向溝部を備えた第一係合溝とを備えたものであり、上記第二導体接続子は、上記中間接続具の他端開口からこの中間接続具内に挿入可能な第二円柱部と、この第二円柱部の外周面に設けられた、この第二円柱部の先端面に開口する第二軸方向溝部及びこの第二軸方向溝部の一部から周方向に折れ曲がった第二周方向溝部を備えた第二係合溝とを備えたものであり、上記中間接続具の両端開口から上記第一、第二両円柱部をこの中間接続具内に、上記第一被係合部と上記第一軸方向溝部とを、上記第二被係合部と上記第二軸方向溝部とを、それぞれ係合させつつ挿入した状態で上記中間接続具を回転させて、上記第一被係合部を上記第一周方向溝部に、上記第二被係合部を上記第二周方向溝部に、それぞれ進入させている事を特徴とするケーブル用直線接続装置
  6. 第一、第二両円柱部のうち少なくとも一方の円柱部は、支柱部に接続補助筒を、円周方向の位相を調節可能に外嵌固定して成るものであって、当該円柱部の外周面に設けられた係合溝が、この接続補助筒に形成されている、請求項5に記載したケーブル用直線接続部。
  7. 第一、第二両円柱部のうちの一方の円柱部の先端面中央部に、この一方の円柱部よりも小径の接続用円柱部を、この一方の円柱部と同心に設けると共に、上記第一、第二両円柱部のうちの他方の円柱部の先端面に、この接続用円柱部を挿入自在な接続用円孔を、この他方の円柱部と同心に設け、更に、この接続用円孔の内周面と上記接続用円柱部の外周面との間に、導電性を有する弾性材製のコンタクト部材を配置した、請求項5に記載したケーブル用直線接続装置。
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